JP2002223028A - 半導体発光装置 - Google Patents
半導体発光装置Info
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Abstract
m以上、700nm以下の高出力半導体レ−ザ装置、若
しくは光通信システムに於ける発振波長1.47μm以
上、1.62μm以下の半導体レ−ザ装置に好適な半導
体発光装置を提供する。 【解決手段】光共振器端面の少なくとも一方に、低屈折
率の第1の誘電体膜14とこれより高い屈折率を有する
第2の誘電体膜15の積層膜を有し、第2誘電体膜を含
窒素水素化硅素なる非晶質誘電体膜とする。
Description
置に関するものである。本願発明は、特に、光情報シス
テムにおける、発振波長が600nm以上、700nm
以下の高出力半導体レ−ザ装置、若しくは光通信システ
ムに於ける発振波長1.47μm以上、1.62μm以
下の半導体レ−ザ装置に適用して極めて好適である。
き込み用として、高出力高信頼半導体レ−ザが求められ
ている。これらの半導体レ−ザ装置には、長時間、安定
に基本モ−ドで動作することが要求される。これら半導
体レ−ザ装置の光出射面を形成する半導体表面上には、
絶縁膜からなるコ−ティング膜が形成されている。これ
は適正な反射率を得ることにより光取り出し効率を大き
くすると共に、閾値キャリア密度の増加による最大出力
の低下を防ぐ為である。このコ−ティング膜としては従
来、多くのレ−ザにおいて共振器面の一方に低反射率膜
として酸化硅素薄膜、他方に高反射率膜として酸化硅素
薄膜と水素化非晶質硅素薄膜からなる積層膜が用いられ
ている。こうしたコ−ティング膜に関しては、例えばア
プライド・フィジックス・レタ−ズ34巻、685ペ−
ジ(Applied Physics Letters、Vol.34、p
p.685)に記載のT. Uasaらによる報告等が
ある。
大容量伝送に対応するために、波長多重光通信が実用化
されつつある。波長多重光通信では光変調器と光源であ
る半導体レ−ザ装置とをワンチップ化した変調器集積化
光源が用いられる。変調器集積化光源の光出射面には反
射防止膜がコ−ティングされる。こうしたコ−ティング
膜に関しては、例えばエレクトロニクス レタ−ズ 3
4巻、20号、1946頁(Electronics Letters、V
ol.34、no.20、pp.1946)に記載の
K.Kudoらによる報告などがある。
置で従来用いられてきた高反射率コ−ティング膜は、酸
化硅素膜と水素化非晶質硅素薄膜からなる周期構造を有
する膜であり、反射率が所要の値となる様に設計されて
いる。ところが、出射光の密度が数MW/cm2と高い光
出力を有し、且つ発振波長1μm以下のレ−ザの場合、
このようなコ−ティング膜では定光出力連続駆動させる
と、動作時間に伴って急速に高反射率膜での光吸収が増
加し、定出力動作できなくなるという問題が生じた。
晶質硅素膜が加熱され、膜中の水素原子が硅素原子との
結合から外れる。このため光学的バンドギャップが狭く
なり、非晶質硅素膜での光吸収が増大する。これにより
実効的な量子効率が低下し、動作電流が増加する。この
ため高出力レ−ザには不適であった。
膜が用いられることもあるが、窒化硅素薄膜の屈折率
は、概ね1.95以下であり、酸化硅素薄膜の屈折率と
の差は小さい。このため半導体レ−ザ装置の端面保護膜
に用いた時、5周期以上と2倍の層数を必要とする。こ
れに対して、これまでの水素化非晶質硅素薄膜を用いた
場合では、2周期より3周期の周期構造を有する膜で所
定の反射率が得られていた。また、窒化硅素薄膜の膜厚
のばらつきの許容度も±6%と極めて小さくなる。
nm以上、1μm以下で出射光密度が数MW/cm2以
上の高出力発光に対しても、安定動作を長期間確保する
ことが出来る半導体発光装置を提供するものである。本
願発明によれば、作製が容易で長時間動作後にも動作電
流の増加が少ない。従って、本願発明は、長寿命で信頼
性の高い半導体発光を提供することが出来る。
集積化光源では、その光出射面の反射防止膜の反射率は
通例0.1%以下が要求される。波長多重度が高くなり
波長範囲が広くなると全波長範囲で反射率0.1%以下
を満たす反射防止膜を満たすことは困難になる。
られる発振波長1.47μmから1.62μmの波長範
囲において、反射率0.1%以下を満たす反射防止膜を
容易に提供することに有る。
列挙すれば次の通りである。
少なくとも一方に、低屈折率の第1の誘電体膜とこれよ
り高い屈折率を有する高屈折率の第2の誘電体膜の積層
膜を有し、前記高屈折率の第2の誘電体膜が硅素と水素
と窒素を有してなる非晶質誘電体膜なることを特徴とす
る半導体発光装置である。
少なくとも一方に、低屈折率の第1の誘電体膜とこれよ
り高い屈折率を有する高屈折率の第2の誘電体膜の積層
膜を有し、前記高屈折率の第2の誘電体膜は、硅素と水
素と窒素を有してなり、且つ当該半導体発光装置の発振
波長の光に対する屈折率が2.5以上の非晶質誘電体膜
なることを特徴とする半導体発光装置である。
少なくとも一方に、屈折率の第1の誘電体膜とこれより
高い屈折率を有する高屈折率の第2の誘電体膜の積層膜
を有し、前記高屈折率の第2の誘電体膜は、硅素と水素
と窒素を有してなり、且つ当該半導体発光装置の発振波
長の光に対する屈折率が2.5以上、消衰係数が0.0
05以下の非晶質誘電体膜なることを特徴とする半導体
発光装置である。
と窒素を有してなる非晶質誘電体膜を、HR(High
−Referection)膜あるいはAR(Anti
−Refrection)膜の構成部材として用いるも
のである。HR膜あるいはAR膜としての設計法は通例
の方法に従って十分である。
折率の膜を積層するが、本願発明に係わる非晶質誘電体
膜がより高屈折率を確保することが出来、極めて好まし
いのである。積層の周期は、反射率の要求及び光の吸収
の程度を勘案して設計される。実用的には、2周期より
5周期程度が多用され、その代表例は、例えば3周期で
ある。
いた積層被覆膜は、発振波長が600nm以上の化合物
半導体発光装置に好適である。即ち、この積層被覆膜
は、600nmより680nm程度のいわゆる650n
m帯の短波長帯の半導体発光装置のHR膜として好適で
ある。当該諸非晶質誘電体膜は、高反射率を維持しつ
つ、且つ当該半導体発光の発振波長の光に対する光吸収
が小さい。従って、半導体発光装置の定出力動作を可能
とする。
てのいわゆる長波長帯の半導体発光装置においては、当
該誘電体膜はAR膜(いわゆる、無反射膜)としての膜
厚の制御が容易となる。即ち、このことは、誘電体膜の
膜厚の許容範囲が大きくなることである。
晶質誘電体膜なることが、わけても好ましい。尚、当該
非晶質誘電体膜を形成する過程で、この非晶質誘電体膜
微量の酸素、例えば、0.1%程度が残留することもあ
る。この程度の酸素は、本願発明の実施に当っては問題
ない。しかし、出来る限り酸素の混入あるいは残存を避
けることが好ましい。それは、酸素の存在が、屈折率の
低下を招くからである。
説明するに先立って、本願発明の主な諸形態を列挙する
と共に、本願発明の基本的事項について説明する。
り、半導体基板の上部に形成された、半導体結晶を有し
てなる光共振器を有し、この共振器の少なくとも一方の
端面に、低屈折率の第1の誘電体膜とこれより高い屈折
率を有する高屈折率の第2の誘電体膜の積層膜を有し、
前記高屈折率の第2の誘電体膜が硅素と水素と窒素を有
してなる非晶質誘電体膜なることを特徴とする半導体発
光装置である。ここで、半導体発光装置は、半導体レー
ザ装置が典型的な形態である。しかし、後述するよう
に、レーザ発振部に対して、例えば、光変調器部などを
一つの基板に集積した光発光装置などに対しても、同様
に本願発明は有用である。
導体レーザ装置、半導体発光装置の分野で用いられる通
例の材料を用いて十分である。その代表的な例は、二酸
化硅素(SiO2)である。その他の材料例として、例
えば、MgF、Al2O3を挙げることが出来る。
諸形態を以下に列挙する。
は、光出射面に所定の反射率を得るために、低屈折率膜
と高屈折率膜の積層から成るコ−ティング膜を用いる半
導体レ−ザ装置において、高屈折率膜として、少なくと
も硅素と水素と窒素からなり、且つ酸素を含まない非晶
質膜が用いられ、且つ発振波長の光に対する屈折率が
2.5以上、且つ消衰係数が0.005以下であること
を特徴とする半導体レ−ザ装置である。
率膜として用いられる該非晶質膜が気相反応により形成
されている形態である。
体レ−ザ装置の発振波長が600nm以上であり、光出
力が1×106W/cm2以上であることを特徴とする半
導体レ−ザ装置である。
レ−ザ装置において、高屈折率膜として用いられる該非
晶質膜の水素と硅素の原子数比が1/5±10%の範囲
に制御され、且つ、窒素と硅素の原子数比が1/8以下
に、より望ましくは1/10以下に制御されていること
を特徴とする半導体レ−ザ装置である。水素の含有量
は、前記の範囲外では、光の吸収が増大する。一方、窒
素の含有量は、前記の範囲外では屈折率が減少する。
子%で、窒素は4%より40%程度、水素は10%より
20%程度含有している。
体レ−ザ装置において、発振波長が1.55μm±80
nmであり、且つ高屈折率膜として用いられる該非晶質
膜の発振波長の光に対する屈折率の2乗の値が、低屈折
率膜の屈折率の2乗と半導体レ−ザの発光領域の実効屈
折率との積に等しく、高屈折率膜が半導体レ−ザの表面
に接し、低屈折率膜が大気に接し、且つ該高屈折率膜と
該低屈折率膜が何れも四分の一波長の光学長を有するこ
とを特徴とする半導体レ−ザ装置である。
形態において、前記低屈折率膜として二酸化硅素膜を用
い、且つ高屈折率膜として用いられる前記非晶質膜の発
振波長の光に対する屈折率が、2.575±0.01で
あることを特徴とする半導体レ−ザ装置である。
挙してきたが、以下に本願発明に係わる非晶質硅素薄膜
について説明する。
薄膜を、スパッタ法、蒸着法、或いは化学気相蒸着法等
を用いて形成する際に、少量の窒素分子、窒素原子、窒
素ラジカル、窒素イオン、或いは窒素を含み、且つ酸素
を含まない分子、ラジカル若しくはイオンを原料中に、
若しくは雰囲気中に添加することが肝要である。気相反
応を用いて水素化非晶質硅素膜を形成する際、一般に水
素濃度が高くなるほど光の吸収端波長が短くなる。しか
し一定濃度以上に水素濃度が高くなると、Si−H
n(n≧2)結合が増加し、Si−H結合の密度は飽和
する。ところで、水素化非晶質硅素薄膜の光学的バンド
ギャップの大きさはSi−H結合の密度に依存する。そ
のため吸収端波長は、概ね900nmで飽和する。非晶
質硅素膜の吸収端波長を短くするためには、非晶質硅素
膜の光学的バンドギャップを広げる効果を有する水素以
外の元素を添加することが必要である。この時、非晶質
硅素膜の屈折率が小さくならないように留意する必要が
ある。窒素を他の原料ガスと同時に供給すれば、Si−
H結合と共にSi−N結合が生成し、屈折率の低下を抑
制しながら、光の吸収を減少させることが可能となる。
尚、本願発明の水素化非晶質硅素膜は、Si−Si結合
が主たる結合を形成し、この中にH原子およびN原子が
導入された形態を呈すると目される。
素を添加した非晶質水素化硅素膜の屈折率と消衰係数の
窒素供給量依存性の一例を示す。横軸は膜の形成時の雰
囲気への窒素の供給量、縦軸は当該誘電体膜の屈折率及
び消衰係数である。この例より、窒素の少量の添加によ
り、光の吸収が大幅に低減することが可能となることが
判る。即ち、屈折率の低下を抑えつつ、光の吸収が大幅
に低下するのである。このような事実を利用し、本願発
明によれば、例えば、波長0.68μm、または0.6
5μmのレーザ光を1MW/cm2以上の出力で発振する
光記録装置用レ−ザ素子のみならず、例えば波長0.9
8μmの光を2MW/cm2以上の出力で発振するレ−
ザ素子においても、動作時間に伴い素子特性が劣化する
問題を解決することができる。同様に、水素化非晶質硅
素膜に窒素を添加することにより、屈折率を2から3の
範囲で任意に制御することが可能となり、広い波長範囲
で反射率を0.1%以下に制御することが可能となる。
前記反射率を0.1%以下に制御することで、光射出面
からLD側へ反射された光により生ずる伝送信号の乱れ
を抑制することが出来る。即ち、前記反射率の範囲で、
実効的に信号の乱れを無視することが出来る。 <実施例1>本願発明の第1の実施例を図2及び図3を
用いて説明する。本実施例は、光ディスクや光磁気ディ
スクの書き込み用として用いられる680nm帯高出力
半導体レ−ザ(LD)に適用したものである。図2は半
導体レ−ザ装置の光の進行方向に交差する面での断面図
である。図3は半導体レ−ザ装置の平面構造図である。
する。n−GaAs基板1上に、GaAsバッファ層
2、GaAsに格子整合したn−(AlxGa1-x)In
Pクラッド層(x=0.7)3、GaAsに格子整合し
た(AlyGa1-y)InP障壁層(y=0.45、障壁
層厚4nm)とInzGa1-zP歪量子井戸層(z=0.
6、井戸層厚:8nm)、及び(AlsGa1-s)InP
になるSCH(Separate Confinmen
te Heterostructure)層(s=0.
55、障壁層厚:4nm)とから構成される歪量子井戸
活性層4、GaAsに格子整合したp−(AltG
a1-t)InPクラッド層(t=0.7)5、GaAs
に格子整合したp−InGaPになるエッチストップ層
6、GaAsに格子整合したp−(AluGa1-u)In
Pクラッド層(u=0.7)7、p−Al vGa1-vAs
キャップ層(v=0.7)8を順次形成する。半導体膜
の形成は、MOVPE法、CBE法、またはMBE法に
よる。
エッチング工程により、図2の符号7及び8に示される
ようなリッジ形状を形成する。このときのエッチングは
湿式法、RIE、RIBE、イオンミリング等、方法を
問わない。エッチングはp−InGaPになるエッチス
トップ層6で止め、歪量子井戸活性層4に達しないよう
にする。
膜を選択成長用のマスクとして、n−GaAs電流狭窄
層9をMOVPE法により選択成長する。n−GaAs
電流狭窄層9は図2に示される。その後、成長炉からウ
エハを取りだし、選択成長用マスクとして用いた酸化膜
を、エッチングにより除去する。その後、p−GaAs
コンタクト層10をMOVPE法またはMBE法により
形成する。
ミック電極12を形成した後、劈開法により共振器長約
600μmのレ−ザ素子の基本構造を得た。
して準備したレーザ素子の前面に、厚さλ/4(λ:発
振波長)の光学長を有する酸化アルミニウム(Al
2O3)膜を順次形成して低反射率(AR)膜13を形成
した。この膜形成の位置は、光の出力面より共振器長に
向かってz軸をとると、z=0の位置に相当する。この
座標軸は図3に示される。
に相当する)に、厚さλ/4の光学長の酸化硅素(Si
O2)膜14と本発明による厚さλ/4の光学長の窒素
添加水素化非晶質硅素(以下、a−Si:H(N)と略
記する)膜15の6層膜とからなる高反射率(HR)膜
16を形成した。
により成膜した。この方法は、通例の製膜装置内に、A
rガスを20sccm、水素ガスを6sccm、及び窒
素ガスを0.5sccm導入し、電子サイクロトロン共
鳴(ECR)出力500Wでプラズマを発生させ、Si
タ−ゲットに500Wの高周波(RF)出力を印加する
ものである。これにより波長0.68μmの光に対する
屈折率が2.5で吸収のない膜が形成できた。窒素と水
素と硅素の原子数比は1/2/10であった。その後、
素子を接合面を上にして、ヒ−トシンク上にボンディン
グした。試作した素子は、しきい値電流約14mAで室
温連続発振し、その発振波長は約0.68μmであっ
た。また、素子は150mWまで安定に横単一モ−ド発
振した。また、最大光出力として300mW以上の光出
力を得た。また、30個の素子について環境温度摂氏8
0度の条件下で50mWの定光出力連続駆動させたとこ
ろ、初期駆動電流は約200mAであり、全ての素子
で、HR膜の劣化なしに5万時間以上安定に動作した。
ッタリング法を用いたが、他の薄膜形成法、例えばプラ
ズマ支援化学気相蒸着(p−CVD)法、電子線(E
B)蒸着法、イオンビ−ム(IB)蒸着法、ヘリコン波
プラズマ励起反応性蒸着法、RFプラズマスパッタ法、
マグネトロンスパッタ法等を用いてもよい。窒素源とし
て窒素ガスを用いたが、窒素を含み、酸素を含まない分
子、例えば、アンモニア(NH3)、無水ヒドラジン(N
2H4)、アジ化水素(HN3)等を用いても良い。また、
窒素を水素、アルゴンと共にガスとして供給したが、E
CRプラズマ、RFプラズマ、ヘリコン波プラズマ、或
いは熱励起法や電子線励起法、グロ−放電法等を用いて
活性ラジカル線或いはイオン線、原子線として供給して
も良い事はいう迄もない。
レーザ装置における、窒素含有非晶質水素化シリコン膜
と二酸化シリコン膜の積層膜の反射率の特性例を示す。
前記積層膜は前記2つの膜の3周期の積層の例である。
合わせて、SiN/SiO2積層の3周期の積層膜の反
射率の特性を例示する。横軸は波長、縦軸は反射率
(%)である。曲線1が本願発明に係わる窒素含有非晶
質水素化シリコン膜を用いた積層膜、曲線2がSiN/
SiO2積層膜の例である。この比較によって、本願発
明に係わる積層膜はより広い波長範囲で、より高い反射
率を得ることが出来る旨が理解されるであろう。 <実施例2>本願発明の第2の実施例を図4及び図5を
用いて説明する。本実施例は、本願発明を光伝送システ
ムで中継器あるいは受信器に用いられる希土類添加光フ
ァイバ増幅器励起用0.98μm帯高出力半導体レ−ザ
に適用したものである。図4は半導体レーザ装置の光の
進行方向に交差する面での断面を示す断面図、図5はフ
ァブリ・ペロ−型共振器を有する半導体レ−ザの平面図
である。
造を説明する。n−GaAs基板1上にGaAsバッフ
ァ層2、GaAsに格子整合したn−InGaPクラッ
ド層17、In1-xGaxAsyP1-y障壁層(x=0.8
2、y=0.63、障壁層厚35nm)とInzGa1-z
As歪量子井戸層(z=0.16、井戸層厚7nm)か
ら構成される歪量子井戸活性層18、GaAs基板に格
子整合したp−InGaPクラッド層19、p−GaA
s光導波路層20、GaAsに格子整合したp−InG
aPクラッド層21、p−GaAsキャップ層22を順
次形成する。その形成方法は、例えば、MOVPE法、また
はガスソ−スMBE法、またはCBE法などによる。
エッチング工程により図4に示すようなリッジ21を形
成する。このときのエッチングは湿式法、RIE、RI
BE、イオンミリング等、方法を問わない。エッチング
はP−GaAs光導波路層22を完全に除去し、且つ歪
量子井戸活性層18に達しないようにp−InGaPク
ラッド層19の途中で止まるようにする。
膜を選択成長のマスクとして、図4に示すようにn−I
nGaP電流狭窄層23をMOVPE法により選択成長
する。その後、成長炉からウエハを取り出し、選択成長
マスクとして用いた酸化膜をエッチングにより除去す
る。その後、p−GaAsコンタクト層10をMOVP
E法またはMBE法により形成する。p側オ−ミック電
極11、n側オ−ミック電極12を形成した後、劈開法
により共振器長約900μmのレ−ザ素子を得る。
軸を取ると、z=0の位置である)にECRスパッタリ
ング法により、厚さλ/4(λ:発振波長)の光学長を
有するAl2O3薄膜からなるAR膜24を、素子の後面
(z=L)に厚さλ/4の光学長のSiO2薄膜25と厚
さλ/4の光学長の窒素を導入したa−Si:H薄膜
(以下、a−Si:H(N)と略記する)26とからな
る6層膜による高反射(HR)膜27を形成した。
ccm、ECR出力500W、RF出力500Wでプラズ
マを発生し、プラズマ中にECR出力500W、水素流
量6sccm、窒素流量0.2sccmのラジカル線を
導入して成膜した。これにより波長0.98μmの光に
対する屈折率3.0、吸収のない膜が得られた。その
後、素子を接合面を下にして、ヒ−トシンク上にボンデ
ィングした。試作した素子は、しきい値電流約10mA
で室温連続発振し、その発振波長は約0.98μmであ
った。また、素子は580mWまで安定に横単一モ−ド
発振した。また、光出力を増加させても端面劣化は起こ
らず、最大光出力800mWは熱飽和により制限され
た。また、30個の素子について環境温度が、摂氏80
度の条件下で200mWの定光出力にて連続駆動させた
ところ、初期の駆動電流は約250mAであり、全ての
素子で端面劣化することなく、10万時間以上安定に動
作した。
スパッタ法を用いたが、他の薄膜形成法、例えばプラズ
マ支援化学気相蒸着(p−CVD)法、電子線(EB)
蒸着法、イオンビ−ム(IB)蒸着法、ヘリコン波プラ
ズマ励起反応性蒸着法、RFプラズマスパッタ法、マグ
ネトロンスパッタ法を用いてもよい。窒素源として窒素
ガスを用いたが、窒素を含み、酸素を含まない分子、例
えば、アンモニア(NH3)、無水ヒドラジン(N
2H4)、アジ化水素(HN3)等を用いても良い。また、
窒素を水素、アルゴンと共にガスとして供給したが、E
CRプラズマ、RFプラズマ、ヘリコン波プラズマ、或
いは熱励起法や電子線励起法、グロ−放電法等を用いて
活性ラジカル線或いはイオン線、原子線として供給して
も良い事はいう迄もない。
の組成を段階的に変化させたGRIN−SCH(Graded
Index−Separate Confinement Hetero-structure)
活性層としてもよい。また、本発明は導波路構造によら
ないので、たとえば、上述した実施例のほかに導波路構
造としてBH(Buried Hetero-structure)構造を用い
ても良く、面発光レ−ザに適用しても良い。
ち、上述したGaAs基板上のInGaAsP系、Ga
As基板上のAlGaAs系のみでなく、InP基板上
のAlInGaAsP系、GaAs基板上のInAlG
aP系、GaAs基板或いはZnSe基板上のII−V
I族化合物半導体レ−ザ等にも適用できる。さらに、発
振波長として上述した0.98μm帯、0.68μm帯
のほか、1.55μm帯、1.48μm帯、0.65μ
m帯、0.63μm帯の半導体レ−ザに適用できること
は言うまでもない。 <実施例3>本発明の第3の実施例を図6を用いて説明
する。本例は光集積回路装置に関するものである。図6
はレーザ部と光変調器とを集積した光集積回路装置の、
光の進行方向と平行な面での断面図である。
FB)半導体レ−ザ部29と電界吸収型(EA)光変調
器30を集積した電界吸収型の光変調器を集積した分布
帰還型半導体レ−ザ(以下、光変調器集積分布帰還型半
導体レ−ザと略称する)を形成する。分布帰還型半導体
レ−ザの発振波長が1537nmから1562nmの範
囲で0.8nm間隔に32チャンネルが得られるよう
に、1枚のウェハ−上に32種類の回折格子が形成され
る。また、電界吸収型光変調器の前面(z=0)にはI
nPからなる端面窓部31が形成される。光変調器の前
面の位置は、図6に示した座標によれば、z=0の位置
である。
レ−ザの端面に、酸化硅素(SiO 2)膜から成る低屈
折率膜32と水素化非晶質硅素(a−Si:H)膜から
なる高屈折率膜33の2周期膜からなる高反射率(H
R)膜34を作製し、光出射面である電界吸収型(E
A)光変調器30の端面に、本発明による窒素添加水素
化非晶質硅素(a−Si:H(N))膜35と二酸化硅
素(SiO2)膜32からなる反射防止(AR)膜36
を形成する。それぞれの膜は波長1.55μmの光に対
し、4分の1波長の光学長を有する。
述べる。初めにスパッタ装置内にArガスを20scc
m、水素ガスを6sccm、窒素ガスを0.4sccm
導入し、電子サイクロトロン共鳴(ECR)出力500
Wでプラズマを発生させ、Siタ−ゲットに500Wの高
周波(RF)出力を印加して厚さ150.2nmの窒素
添加水素化非晶質硅素膜35を形成する。波長1.55
μmの光に対する窒素添加水素化非晶質硅素膜35の屈
折率は2.58となった。引き続いて、Arガスを20
sccm、酸素ガスを7.7sccm導入し、電子サイ
クロトロン共鳴(ECR)出力500Wでプラズマを発
生させ、Siタ−ゲットに500Wの高周波(RF)出
力を印加して、厚さ267.2nmの二酸化硅素膜32
を形成する。二酸化硅素膜32の屈折率は波長1.55
μmの光に対し、1.45であった。これにより、全波
長範囲に対し、反射率0.01%以下の反射防止(A
R)膜36が得られた。この反射防止膜36は波長1.
47μmから1.62μmの全範囲において、実用的の
有用な反射率0.1%以下を満たした。
パッタ法を用いたが、他の薄膜形成法、例えばプラズマ
支援化学気相蒸着(p−CVD)法、電子線(EB)蒸
着法、イオンビ−ム(IB)蒸着法、ヘリコン波プラズ
マ励起反応性蒸着法、RFプラズマスパッタ法、マグネ
トロンスパッタ法を用いてもよい。窒素源として窒素ガ
スを用いたが、窒素を含み、酸素を含まない分子、例え
ば、アンモニア(NH3)、無水ヒドラジン(N2H4)、
アジ化水素(HN3)等を用いても良い。また、窒素を
水素、アルゴンと共にガスとして供給したが、ECRプ
ラズマ、RFプラズマ、ヘリコン波プラズマ、或いは熱
励起法や電子線励起法、グロ−放電法等を用いて活性ラ
ジカル線或いはイオン線、原子線として供給しても良い
事はいうまでもない。
いて端面保護膜の高信頼化を容易な方法で実現し、歩留
まり向上、低コスト化を実現した。また、波長多重光通
信に対応する光変調器集積化光源用反射防止膜も容易な
方法で実現し、歩留まり向上、低コスト化を実現した。
間確保することが出来る半導体レーザ装置を提供するこ
とが出来る。例えば、本願発明によれば、発振波長60
0nm以上、1μm以下で出射光密度が数MW/cm2
以上の高出力レ−ザに対しても、安定動作を長期間確保
することが出来る半導体レーザ装置を提供する。
から1.62μmの波長範囲において、良好な反射防止
膜を有する半導体レーザ装置を容易に提供することが出
来る。
膜における、屈折率と消衰係数の窒素供給量依存性の例
を示した図である。
ーザ装置の光の進行方向と交差する面での断面図であ
る。
ーザ装置の平面構造を示した図である。
ーザ装置の光の進行方向と交差する面での断面図であ
る。
ーザ装置の平面構造を示した図である。
置の光の進行方向と平行な面での断面図である。
である。
子整合したクラッド層、4:歪量子井戸活性層領域、
5:半導体基板に格子整合したクラッド層、6:GaA
sに格子整合したエッチストップ層、7:半導体基板に
格子整合したクラッド層、8:キャップ層、9:電流狭
窄層、10:コンタクト層、11:p側オ−ミック電
極、12:n側オ−ミック電極、13:低反射率(A
R)膜、14:低屈折率膜、15:本発明に係わる高屈
折率膜、16:高反射率(HR)膜、17:半導体基板
に格子整合したクラッド層、18:歪量子井戸活性層領
域、19:半導体基板に格子整合したクラッド層、2
0:光導波路層、21:半導体基板に格子整合したクラ
ッド層、22:キャップ層、23:電流狭窄層、24:
AR膜、25:誘電体薄膜、26:a−Si:H(N)
薄膜、27:高反射(HR)膜、28:半導体基板、2
9:分布帰還型(DFB)半導体レ−ザ、30:電界吸
収型(EA)光変調器、31:端面窓部、32:低屈折
率膜、33:水素化非晶質硅素膜(a−Si:H
(N))、34:高反射率(HR)膜、35:窒素添加
水素化非晶質硅素膜、36:反射防止(AR)膜。
Claims (9)
- 【請求項1】 光共振器端面の少なくとも一方に、低屈
折率の第1の誘電体膜とこれより高い屈折率を有する高
屈折率の第2の誘電体膜の積層膜を有し、前記高屈折率
の第2の誘電体膜が含窒素水素化硅素なる非晶質誘電体
膜なることを特徴とする半導体発光装置。 - 【請求項2】 光共振器端面の少なくとも一方に、低屈
折率の第1の誘電体膜とこれより高い屈折率を有する高
屈折率の第2の誘電体膜の積層膜を有し、前記高屈折率
の第2の誘電体膜は、含窒素水素化硅素なる非晶質誘電
体膜を有してなり、且つ当該半導体レーザ装置の発振波
長の光に対する屈折率が2.5以上の非晶質誘電体膜な
ることを特徴とする半導体発光装置。 - 【請求項3】 光共振器端面の少なくとも一方に、低屈
折率の第1の誘電体膜とこれより高い屈折率を有する高
屈折率の第2の誘電体膜の積層膜を有し、前記高屈折率
の第2の誘電体膜は、含窒素水素化硅素なる非晶質誘電
体膜を有してなり、且つ当該半導体レーザ装置の発振波
長の光に対する屈折率が2.5以上、消衰係数が0.0
05以下の非晶質誘電体膜なることを特徴とする半導体
発光装置。 - 【請求項4】 光共振器端面の少なくとも一方に、低屈
折率の第1の誘電体膜とこれより高い屈折率を有する高
屈折率の第2の誘電体膜の積層膜を有し、前記高屈折率
の第2の誘電体膜が含窒素水素化硅素硅素なる非晶質誘
電体膜であり、且つ発振波長が600nm以上なること
を特徴とする半導体発光装置。 - 【請求項5】 光共振器端面の少なくとも一方に、低屈
折率の第1の誘電体膜とこれより高い屈折率を有する高
屈折率の第2の誘電体膜の積層膜を有し、前記高屈折率
の第2の誘電体膜は、含窒素水素化硅素硅素であり、且
つ当該半導体発光装置の発振波長の光に対する屈折率が
2.5以上の非晶質誘電体膜であり、且つ発振波長が6
00nm以上なることを特徴とする半導体発光装置。 - 【請求項6】 光共振器端面の少なくとも一方に、低屈
折率の第1の誘電体膜とこれより高い屈折率を有する高
屈折率の第2の誘電体膜の積層膜を有し、前記高屈折率
の第2の誘電体膜は、含窒素水素化硅素であり、且つ当
該半導体発光装置の発振波長の光に対する屈折率が2.
5以上、消衰係数が0.005以下の非晶質誘電体膜で
あり、且つ発振波長が600nm以上なることを特徴と
する半導体発光装置。 - 【請求項7】 前記非晶質誘電体膜は酸素非含有の非晶
質誘電体膜なることを特徴とする請求項1より請求項6
のいずれかに記載の半導体発光装置。 - 【請求項8】 半導体基板の上部に形成された、半導体
結晶を有してなる光共振器を有し、この共振器の少なく
とも一方の端面に、低屈折率の第1の誘電体膜とこれよ
り高い屈折率を有する高屈折率の第2の誘電体膜の積層
膜を有する高反射膜を有し、前記高屈折率の第2の誘電
体膜が含窒素水素化硅素硅素なる非晶質誘電体膜であ
り、且つ前記共振器の他方の端面に前記高反射膜と比較
し低い反射率を有する誘電体膜を有することを特徴とす
る半導体発光装置。 - 【請求項9】 半導体基板の上部に形成された、半導体
結晶を有してなる光共振器を有し、この共振器の少なく
とも一方の端面に、低屈折率の第1の誘電体膜とこれよ
り高い屈折率を有する高屈折率の第2の誘電体膜の積層
膜を有する低反射膜を有し、前記高屈折率の第2の誘電
体膜が含窒素水素化硅素硅素硅素なる非晶質誘電体膜で
あり、且つ前記共振器の他方の端面に前記低反射膜と比
較し高い反射率を有する誘電体膜を有することを特徴と
する半導体発光装置。
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