JP2002222697A - 発光素子 - Google Patents

発光素子

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JP2002222697A JP2001357312A JP2001357312A JP2002222697A JP 2002222697 A JP2002222697 A JP 2002222697A JP 2001357312 A JP2001357312 A JP 2001357312A JP 2001357312 A JP2001357312 A JP 2001357312A JP 2002222697 A JP2002222697 A JP 2002222697A
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剛 富永
Akira Makiyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱的安定性に優れ、電気エネルギーの利用効率
が高く、色純度に優れた発光素子を提供する。 【解決手段】陽極と陰極の間に発光物質が存在し、電気
エネルギーにより発光する素子において、素子がベンゾ
キノリン誘導体を含むことを特徴とする発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気エネルギーを
光に変換できる素子であって、表示素子、フラットパネ
ルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標
識、看板、電子写真機、光信号発生器などの分野に利用
可能な発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】陰極から注入された電子と陽極から注入
された正孔が両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する
際に発光するという有機積層薄膜発光素子の研究が近年
活発に行われている。この素子は、薄型、低駆動電圧下
での高輝度発光、蛍光材料を選ぶことによる多色発光が
特徴であり注目を集めている。
【0003】この研究は、コダック社のC.W.Tan
gらが有機積層薄膜素子が高輝度に発光することを示し
て以来(Appl.Phys.Lett.51(12)
21,p.913,1987)、多くの研究機関が検討
を行っている。コダック社の研究グループが提示した有
機積層薄膜発光素子の代表的な構成は、ITOガラス基
板上に正孔輸送性のジアミン化合物、発光層である8−
ヒドロキシキノリンアルミニウム、そして陰極としてM
g:Agを順次設けたものであり、10V程度の駆動電
圧で1000cd/m2の緑色発光が可能であった。
【0004】また、発光層に種々の蛍光材料を用いるこ
とにより、多様な発光色を得ることが可能であることか
ら、ディスプレイなどへの実用化研究が盛んである。三
原色の発光材料の中では緑色発光材料の研究が最も進ん
でおり、現在は赤色発光材料と青色発光材料において、
特性向上を目指して鋭意研究がなされている。
【0005】この有機積層薄膜発光素子の構成について
は、上記の陽極/正孔輸送層/発光層/陰極の他に、電
子輸送層を適宜設けたものが知られている。正孔輸送層
とは陽極より注入された正孔を発光層に輸送する機能を
有し、一方の電子輸送層は陰極より注入された電子を発
光層に輸送する。これらの層を発光層と両極の間に挿入
することにより、発光効率、耐久性が向上することが知
られている。これらを用いた素子構成の例として、陽極
/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/発光
層/電子輸送層/陰極などが挙げられ、各層に適した有
機化合物の研究が正孔輸送材料を中心に行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来、電子輸送
材料はあまり研究されておらず、数少ない既存材料を用
いても、発光材料と相互作用を起こす、もしくは電子輸
送材料自体の発光が混在する等の理由で所望の発光色が
得られなかったり、高効率発光が得られるものの耐久性
が短い等の問題があった。例えば、特定のフェナントロ
リン誘導体は高効率発光を示すものの、長時間の通電に
より結晶化し、薄膜が白濁化する問題がある。また、発
光効率および耐久性に比較的良い特性を示すものとし
て、キノリノール金属錯体やベンゾキノリノール金属錯
体があるが、これらはこの材料自身に高い青緑〜黄色で
の発光能力があるために、電子輸送材料として用いた際
に、これらの材料自身の発光が混在して色純度が悪化す
る恐れがある。さらに、特開平7−150137号公報
にジキノリン誘導体やトリキノリン誘導体を用いた例が
あるが、耐久性は比較的良い特性を示すものの、発光効
率の向上に関しては記載がなく、また黄〜赤色発光のよ
うな長波長側の発光における電子輸送材料として機能す
るかは不明である。
【0007】本発明は、かかる従来技術の問題を解決
し、熱的安定性に優れ、発光効率が高く、高輝度で色純
度に優れた発光素子を提供することを目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、陽極と陰極の
間に発光物質が存在し、電気エネルギーにより発光する
素子において、素子がベンゾキノリン誘導体を含むこと
を特徴とする発光素子。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において陽極は、光を取り
出すために透明であれば酸化錫、酸化インジウム、酸化
錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物、ある
いは金、銀、クロムなどの金属、ヨウ化銅、硫化銅など
の無機導電性物質、ポリチオフェン、ポリピロール、ポ
リアニリンなどの導電性ポリマなど特に限定されるもの
でないが、ITOガラスやネサガラスを用いることが特
に望ましい。透明電極の抵抗は素子の発光に十分な電流
が供給できればよいので限定されないが、素子の消費電
力の観点からは低抵抗であることが望ましい。例えば3
00Ω/□以下のITO基板であれば素子電極として機
能するが、現在では10Ω/□程度の基板の供給も可能
になっていることから、低抵抗品を使用することが特に
望ましい。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ
事ができるが、通常100〜300nmの間で用いられ
ることが多い。また、ガラス基板はソーダライムガラ
ス、無アルカリガラスなどが用いられ、また厚みも機械
的強度を保つのに十分な厚みがあればよいので、0.5
mm以上あれば十分である。ガラスの材質については、
ガラスからの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカ
リガラスの方が好ましいが、SiO2などのバリアコー
トを施したソーダライムガラスも市販されているのでこ
れを使用できる。さらに、陽極が安定に機能するのであ
れば、基板はガラスである必要はなく、例えばプラスチ
ック基板上に陽極を形成しても良い。ITO膜形成方法
は、電子線ビーム法、スパッタリング法、化学反応法な
ど特に制限を受けるものではない。
【0010】陰極は、電子を本有機物層に効率良く注入
できる物質であれば特に限定されないが、一般に白金、
金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウ
ム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシ
ウム、マグネシウム、セシウム、ストロンチウムなどが
あげられる。電子注入効率をあげて素子特性を向上させ
るためにはリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウ
ム、マグネシウム、セシウム、ストロンチウムまたはこ
れら低仕事関数金属を含む合金が有効である。しかし、
これらの低仕事関数金属は、一般に大気中で不安定であ
ることが多く、例えば、有機層に微量のリチウムやマグ
ネシウム、セシウム(真空蒸着の膜厚計表示で1nm以
下)をドーピングして安定性の高い電極を使用する方法
が好ましい例として挙げることができるが、フッ化リチ
ウムのような無機塩の使用も可能であることから特にこ
れらに限定されるものではない。更に電極保護のために
白金、金、銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、インジウム
などの金属、またはこれら金属を用いた合金、そしてシ
リカ、チタニア、窒化ケイ素などの無機物、ポリビニル
アルコール、塩化ビニル、炭化水素系高分子などを積層
することが好ましい例として挙げられる。これらの電極
の作製法も抵抗加熱、電子線ビーム、スパッタリング、
イオンプレーティング、コーティングなど導通を取るこ
とができれば特に制限されない。
【0011】発光物質とは、1)正孔輸送層/発光層、
2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層、3)発光層/電
子輸送層、そして、4)以上の組合わせ物質を一層に混
合した形態のいずれであってもよい。即ち、素子構成と
しては、上記1)〜3)の多層積層構造の他に4)のよ
うに発光材料単独または発光材料と正孔輸送材料や電子
輸送材料を含む層を一層設けるだけでもよい。さらに、
本発明における発光物質は自ら発光するもの、その発光
を助けるもののいずれにも該当し、発光に関与している
化合物、層などを指すものである。
【0012】正孔輸送層とは陽極から正孔が注入され、
さらに正孔を輸送することを司る層であり、正孔輸送性
材料として具体的にはN,N’−ジフェニル−N,N’
−ビス(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル
−1,1’−ジアミン、N,N’−ビス(1−ナフチ
ル)−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−
1,1’−ジアミンなどのトリフェニルアミン類、ビス
(N−アリルカルバゾール)またはビス(N−アルキル
カルバゾール)類、ピラゾリン誘導体、スチルベン系化
合物、ジスチリル誘導体、ヒドラゾン系化合物、オキサ
ジアゾール誘導体やフタロシアニン誘導体、ポルフィリ
ン誘導体に代表される複素環化合物、ポリマー系では前
記単量体を側鎖に有するポリカーボネートやスチレン誘
導体、ポリビニルカルバゾール、ポリシランなどが挙げ
られるが、素子作製に必要な薄膜を形成し、陽極から正
孔が注入できて、さらに正孔を輸送できる化合物であれ
ば特に限定されるものではない。これらは単独で用いて
もよいし、複数の誘導体を混合して用いても良い。さら
に、正孔輸送層全体の輸送能や熱的安定性、電気化学的
安定性の向上などの目的で、正孔輸送能のない有機化合
物や無機化合物、金属錯体を正孔輸送材料に添加して正
孔輸送層を形成しても良い。
【0013】発光層とは実際に発光物質が形成される層
であり、発光材料はホスト材料のみでも、ホスト材料と
ドーパント材料の組み合わせでも、いずれであってもよ
い。また、ドーパント材料はホスト材料の全体に含まれ
ていても、部分的に含まれていても、いずれであっても
よい。さらに、ドーパント材料は積層されていても、分
散されていても、いずれであってもよい。また、ドーピ
ング量は、多すぎると濃度消光現象が起きるため、ホス
ト物質に対して10重量%以下で用いることが好まし
く、更に好ましくは2重量%以下である。ドーピング方
法としては、ホスト材料との共蒸着法によって形成する
ことができるが、ホスト材料と予め混合してから同時に
蒸着しても良い。
【0014】ホスト材料としては以前から発光体として
知られていたアントラセンやピレン、ペリレンなどの縮
合環誘導体、ピラジン、ナフチリジン、キノキサリン、
ピロロピリジン、ピリミジン、チオフェン、チオキサン
テンなどの複素環誘導体、トリス(8−キノリノラト)
アルミニウム錯体、などのキノリノール金属錯体、ベン
ゾキノリノール金属錯体、ビピリジン金属錯体、ローダ
ミン金属錯体、アゾメチン金属錯体、ジスチリルベンゼ
ン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、スチルベ
ン誘導体、アルダジン誘導体、クマリン誘導体、フタル
イミド誘導体、ナフタルイミド誘導体、ペリノン誘導
体、ピロロピロール誘導体、シクロペンタジエン誘導
体、イミダゾール誘導体やオキサゾール誘導体、チアゾ
ール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール
誘導体、トリアゾール誘導体などのアゾール誘導体およ
びその金属錯体、ベンズオキサゾール、ベンズイミダゾ
ール、ベンゾチアゾールなどのベンズアゾール誘導体お
よびその金属錯体、トリフェニルアミン誘導体やカルバ
ゾール誘導体などのアミン誘導体、メロシアニン誘導
体、ポルフィリン誘導体、トリス(2−フェニルピリジ
ン)イリジウム錯体などのり光材料、ポリマー系では、
メポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン
誘導体、そして、ポリチオフェン誘導体などが使用でき
る。これらは単独で用いてもよいし、複数の誘導体を混
合して用いても良い。
【0015】ドーパント材料としては、従来から知られ
ている、アントラセン、ペリレンなどの縮合多環芳香族
炭化水素、7−ジメチルアミノ−4−メチルクマリンを
始めとするクマリン誘導体、ビス(ジイソプロピルフェ
ニル)ペリレンテトラカルボン酸イミドなどのナフタル
イミド誘導体、ペリノン誘導体、アセチルアセトンやベ
ンゾイルアセトンとフェナントロリンなどを配位子とす
るEu錯体などの希土類錯体、ジシアノメチレンピラン
誘導体、ジシアノメチレンチオピラン誘導体、マグネシ
ウムフタロシアニン、アルミニウムクロロフタロシアニ
ンなどの金属フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導
体、ローダミン誘導体、デアザフラビン誘導体、クマリ
ン誘導体、オキサジン化合物、チオキサンテン誘導体、
シアニン色素誘導体、フルオレセイン誘導体、アクリジ
ン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピロール誘導
体、キナゾリン誘導体、ピロロピリジン誘導体、スクア
リリウム誘導体、ビオラントロン誘導体、フェナジン誘
導体、アクリドン誘導体、ジアザフラビン誘導体、ピロ
メテン誘導体およびその金属錯体、フェノキサジン誘導
体、フェノキサゾン誘導体、チアジアゾロピレン誘導
体、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体、
トリス(2−フェニルピリジル)イリジウム錯体、トリ
ス{2−(2−チオフェニル)ピリジル}イリジウム錯
体、トリス{2−(2−ベンゾチオフェニル)ピリジ
ル}イリジウム錯体、トリス(2−フェニルベンゾチア
ゾール)イリジウム錯体、トリス(2−フェニルベンゾ
オキサゾール)イリジウム錯体、トリスベンゾキノリン
イリジウム錯体、ビス(2−フェニルピリジル)(アセ
チルアセトナート)イリジウム錯体、ビス{2−(2−
チオフェニル)ピリジル}イリジウム錯体、ビス{2−
(2−ベンゾチオフェニル)ピリジル}(アセチルアセ
トナート)イリジウム錯体、ビス(2−フェニルベンゾ
チアゾール)(アセチルアセトナート)イリジウム錯
体、ビス(2−フェニルベンゾオキサゾール)(アセチ
ルアセトナート)イリジウム錯体、ビスベンゾキノリン
(アセチルアセトナート)イリジウム錯体、白金ポルフ
ィリン錯体などのりん光材料などが知られているが、こ
れらは単独で用いてもよいし、複数の誘導体を混合して
用いてもよい。
【0016】また、本発明のベンゾキノリン誘導体も蛍
光を有することから同様に発光材料として用いることが
できる。
【0017】電子輸送層とは陰極から電子が注入され、
さらに電子を輸送することを司る層であり、電子注入効
率が高く、注入された電子を効率良く輸送することが望
ましい。しかしながら、正孔と電子の輸送バランスを考
えた場合に、陽極からの正孔が再結合せずに陰極側へ流
れるのを効率よく阻止できる役割を主に果たす場合に
は、電子輸送能力がそれ程高くなくても、発光効率を向
上させる効果は電子輸送能力が高い材料と同等に有す
る。したがって、本発明における電子輸送層は、正孔の
移動を効率よく阻止できる正孔阻止層も同義のものとし
て含まれる。
【0018】本発明における電子輸送材料はベンゾキノ
リン誘導体を含有する。本発明におけるベンゾキノリン
とは、キノリンの任意の位置にベンゼンが縮合した骨格
を意味し、具体的には下記一般式(1)〜(6)が挙げ
られる。
【0019】
【化1】
【0020】上記一般式において、R1〜R6はベンゾキ
ノリン骨格の任意の位置に修飾される置換基を表し、具
体的には水素、メチル基、エチル基などのアルキル基、
シクロヘキシル、ノルボルニルなどのシクロアルキル
基、ベンジル基などのアラルキル基、ビニル基、アリル
基などのアルケニル基、シクロペンタジエニル基、シク
ロヘキセン基などのシクロアルケニル基、メトキシ基な
どのアルコキシ基、アルコキシ基のエーテル結合の酸素
原子が硫黄原子に置換されたアルキルチオ基、フェノキ
シ基などのアリールエーテル基、アリールエーテル基の
エーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたアリー
ルチオエーテル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニ
ル基などのアリール基、フリル基、チエニル基、オキサ
ゾリル基、ピリジル基、キノリル基、カルバゾリル基な
どの複素環基、ハロゲン、シアノ基、アルデヒド基、カ
ルボニル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイ
ル基、アミノ基、ニトロ基、トリメチルシリル基などの
シリル基、エーテル結合を介したケイ素化合物基である
シロキサニル基、隣接置換基との間の環構造から選ば
れ、これらはいずれも無置換でも置換されていても良
い。nは1〜8の整数を示し、Rが複数有る場合には、
各Rは同じでも異なっていても良い。
【0021】さらに、長時間にわたって安定な発光を得
るには、熱的安定性や薄膜形成性に優れた材料が望ま
れ、ベンゾキノリン誘導体の中でも、ベンゾキノリン骨
格を複数個有する化合物をより好ましい例として挙げる
ことができる。ベンゾキノリン骨格の説明については、
上述したものと同様である。
【0022】また、本発明における化合物を用いて高輝
度発光を得るには、電子輸送能が高い化合物を用いるの
が好ましい。そこで、前記ベンゾキノリン骨格を複数個
有する化合物としては、ベンゾキノリン骨格を連結する
連結基が共役結合、置換もしくは無置換の芳香族炭化水
素、置換もしくは無置換の芳香複素環を含んでいること
がより好ましい。これらの置換基の説明は上述と同様で
ある。連結基の具体例として下記のような構造が挙げら
れる。
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】これらの連結基は、市販のものを入手した
り、常法に従って合成することができるが、いくつかの
骨格の具体例を以下に示す。
【0027】9,9’−スピロビフルオレン骨格の合成
は、J.Am.Chem.Soc.,vol.52(1930)の第2881頁、特
開平7−278537号公報の実施例「A.出発化合物
(a)9,9−スピロビフルオレンの合成」などが挙げら
れる。2−ブロモビフェニルをTHF中で金属マグネシ
ウムを用いてグリニャール化し、次いで室温から50℃
で、9−フルオレノンと反応させ、常法で処理し、得ら
れたヒドロキシ体を酢酸に少量の塩酸を加えた中で加熱
脱水し、常法で処理する。
【0028】9,9’−スピロビ(9H−9−)シラフ
ルオレン)骨格の合成は、参考文献としてJ.Am.Cem.So
c.,vol.80(1958)の第1883頁などが挙げられる。
2,2’−ジブロモビフェニルをエーテル中で金属リチ
ウムと反応させ、次いで所定の温度で、テトラクロロシ
ランと反応させ、常法で処理し得ることができる。
【0029】ヘキサベンゾプロペラン骨格の合成は、参
考文献としてLibigs Ann.Chem.,vol.749(1971)の第38
頁などが挙げられる。9−フルオレノンを亜りん酸トリ
エチルと反応させ、メタノールで処理してスピロケトン
化合物を得る。次にエーテル中のスピロケトン化合物に
2−ブロモビフェニルのリチオ体を所定の温度で反応さ
せ、常法で処理し、得られたヒドロキシ体を酢酸および
メタンスルホン酸を加えた中で加熱脱水し、常法で処理
し得ることができる。
【0030】上記のベンゾキノリン誘導体の好ましい例
として、一般式(1)を基本骨格とした場合に、一般式
(7)のような構造があげられる。
【0031】
【化5】
【0032】ここで、Xは上記に示された連結基であ
り、mは2以上の自然数を表す。さらに、一般式(7)
の具体例として下記のような構造があげられる。
【0033】
【化6】
【0034】
【化7】
【0035】
【化8】
【0036】
【化9】
【0037】連結基へのベンゾキノリン母骨格の導入と
しては、アセチル基のような反応性置換基を導入した
後、ベンゾキノリン環を形成する方法や、ヨード基やブ
ロモ基などの反応性置換基を導入した後、ベンゾキノリ
ン環を付与する方法があげられる。
【0038】アセチル基の導入法は、一般的かつ簡便な
フリーデル・クラフツのアシル化があげられる。参考文
献としては、特開平7−278537号公報の実施例
「A.出発化合物(f)2,2’−ジアセチル−9,
9’−スピロビフルオレンを介しての9,9’−スピロ
ビフルオレンからの9,9’−スピロビフルオレン−
2,2’−ジカルボン酸」やHelvetiva Chimica Acta,v
ol.52(1969)第1210頁「Experimenteller Tell 2,2'
-diacetyl-9,9'-spirobifluorene(IV)」などがあげられ
る。連結基を1,2−ジクロロエタン中で50℃で塩化
アセチルと塩化アルミニウムと反応させ、定法で処理
し、アセチル基を導入することができる。
【0039】アセチル基からのベンゾキノリン骨格の導
入法は、参考文献としてJ.Org.Chem.1996,61.第302
1頁「1,3-Di(benzo)[h]quinolin-2-yl)benzene]」Tetr
ahedron Letters,vol.40(1999).第7321頁スキーム
などがあげられる。連結基のアセチル体をジオキサン中
で60℃で1−アミノ−2−ナフタレンカルボアルデヒ
ドなどの対応するナフタレン誘導体、水酸化カリウムと
反応させ、常法で処理する方法である。
【0040】ヨード基の導入は、参考文献として、日本
化学雑誌92巻11号(1971)第1023頁「1.
1,1−メチルナフタレンのヨウ素化」やTetrahedron
Letters,vol.38(1997)の第1487頁などがあげられ
る。連結基を80%酢酸中で80℃でヨウ素と過ヨウ素
酸2水和物と反応させ、常法で処理するか、あるいは四
塩化炭素中で50℃乃至60℃でヨウ素とビス(トリフ
ルオロアセトキシ)ヨードベンゼンと反応させ、常法で
処理し、ヨード基を導入することができる。
【0041】ブロモ基の導入は、参考文献として、特開
平7−278537号公報の実施例「A.出発化合物
(a)9,9’−スピロビフルオレンの合成」、Angew.
Chem.Int.Ed.Engl.25(1986)No.12の第1098頁などが
あげられる。連結基を室温で臭素と反応させ、常法で処
理し、ブロモ基を導入することができる。
【0042】ヨード基、ブロモ基からのベンゾキノリン
骨格の導入としては、連結基のヨード体またはブロモ体
を金属リチウムでリチオ化し、次いで対応する無水ベン
ゾキノリンと反応させて、水、二酸化マンガンで処理す
る方法がある。
【0043】さらに、連結基へのベンゾキノリン骨格の
導入は、上記のようにまず連結基を合成し、そこに反応
性置換基を導入する方法だけでなく、連結基を合成する
際に反応性置換基を含んだ原料を用いることにより、反
応性置換基を導入させた連結基を直接得てもよい。例え
ば、下記に示すアセチル基を導入した連結基の合成につ
いては、2,2’−ブロモビフェニルに4−アセチルボ
ロン酸を鈴木カップリング(参考文献:Chem.Rev.,vol.
95(1995)の第2457頁)の条件で反応させることによ
り得ることができる。
【0044】
【化10】
【0045】電子輸送材料はベンゾキノリン誘導体一種
のみに限る必要はなく、複数の前記化合物を混合して用
いたり、既知の電子輸送材料の一種類以上を前記化合物
と混合して用いてもよい。既知の電子輸送材料としては
特に限定されるものではないが、電子注入効率が高く、
注入された電子を効率良く輸送する、あるいは陽極から
の正孔の移動を効率よく阻止できることが望ましく、具
体的には8−ヒドロキシキノリンアルミニウムに代表さ
れるキノリノール誘導体金属錯体、ベンゾキノリン金属
錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体、ペ
リレン誘導体、ペリノン誘導体、ナフタレン、クマリン
誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾー
ル誘導体、ベンズチアゾール誘導体、オキサジアゾール
誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、
アルダジン誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導
体、フェナントロリン誘導体、キノキサリン誘導体など
があげられる。
【0046】以上の正孔輸送層、発光層、電子輸送層は
単独または二種類以上の材料を積層、混合するか、高分
子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポ
リスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリメ
チルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ
エステル、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェ
ノキシ樹脂、ポリサルフォン、ポリアミド、エチルセル
ロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂な
どの溶剤可溶性樹脂や、フェノール樹脂、キシレン樹
脂、石油樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコー
ン樹脂などの硬化性樹脂などに分散させて用いることも
可能である。
【0047】発光物質の形成方法は、抵抗加熱蒸着、電
子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、コーティ
ング法など特に限定されるものではないが、通常は、抵
抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着が特性面で好ましい。層の
厚みは、発光物質の抵抗値にもよるので限定することは
できないが、1〜1000nmの間から選ばれる。
【0048】電気エネルギーとは主に直流電流を指す
が、パルス電流や交流電流を用いることも可能である。
電流値および電圧値は特に制限はないが、素子の消費電
力、寿命を考慮するとできるだけ低いエネルギーで最大
の輝度が得られるようにするべきである。
【0049】本発明におけるマトリクスとは、表示のた
めの画素が格子状に配置されたものをいい、画素の集合
で文字や画像を表示する。画素の形状、サイズは用途に
よって決まる。例えばパソコン、モニター、テレビの画
像および文字表示には、通常一辺が300μm以下の四
角形の画素が用いられるし、表示パネルのような大型デ
ィスプレイの場合は、一辺がmmオーダーの画素を用い
ることになる。モノクロ表示の場合は、同じ色の画素を
配列すればよいが、カラー表示の場合には、赤、赤、
緑、青の画素を並べて表示させる。この場合、典型的に
はデルタタイプとストライプタイプがある。そして、こ
のマトリクスの駆動方法としては、線順次駆動方法やア
クティブマトリックスのどちらでもよい。線順次駆動の
方が構造が簡単であるという利点があるが、動作特性を
考慮した場合、アクティブマトリックスの方が優れる場
合があるので、これも用途によって使い分けることが必
要である。
【0050】本発明におけるセグメントタイプとは、予
め決められた情報を表示するようにパターンを形成し、
決められた領域を発光させることになる。例えば、デジ
タル時計や温度計における時刻や温度表示、オーディオ
機器や電磁調理器などの動作状態表示、自動車のパネル
表示などがあげられる。そして、前記マトリクス表示と
セグメント表示は同じパネルの中に共存していてもよ
い。
【0051】本発明の発光素子はバックライトとしても
好ましく用いられる。バックライトは、主に自発光しな
い表示装置の視認性を向上させる目的に使用され、液晶
表示装置、時計、オーディオ装置、自動車パネル、表示
板、標識などに使用される。特に液晶表示装置、中でも
薄型化が課題となっているパソコン用途のバックライト
としては、従来方式のものが蛍光灯や導光板からなって
いるため薄型化が困難であることを考えると、本発明に
おける発光素子を用いたバックライトは薄型、軽量が特
徴になる。
【0052】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
【0053】実施例1(ベンゾキノリン誘導体(BQ−
1)の合成) 2−ブロモビフェニル23.8gをTHF中で金属マグ
ネシウム3.4gを用いてグリニャール化し、次いで室
温から50℃で、9−フルオレノン18.0gと反応さ
せ、常法で処理し、9−(2−ビフェニル)−9−フル
オレノールを得た。これを酢酸に小量の塩酸を加えた中
で加熱脱水し、常法で処理し、連結基−1(18.5
g)を得た。次に、連結基−1(15.8g)を,2−
ジクロロエタン中で50℃で塩化アセチル8.6gと塩
化アルミニウム14.7gと反応させ、常法で処理し、
2,2’−ジアセチル−9,9’−スピロビフルオレン
(11.2g)を得た。このジアセチル体(2.3g)
をジオキサン中で60℃で1−アミノ−2−ナフタレン
カルボアルデヒド2.0g、水酸化カリウム1.6gと
反応させ、常法で処理し、下記に示す化合物BQ−1
(1.5g)を得た。 1H-NMR(CDCl3,ppm):9.4(d,2H)、8.6(d・d,2H)、8.1(d,2
H)、8.0(t,4H)、7.8(d,2H)、7.8-7.6(m,12H)、7.4(t,2
H)、7.2(t,2H)、6.8(d,2H)
【0054】
【化11】
【0055】実施例2(ベンゾキノン誘導体(BQ−
2,3)の合成) テトラアセチル体をを用いて実施例2と同様にして反応
させ、常法で処理し下記に示すBQ−2およびBQ−3
を得た。
【0056】
【化12】
【0057】BQ−2:1H-NMR(CDCl3,ppm):9.39(d,4
H)、8.72(d,4H)、8.27(d,4H)、8.03(d,4H)、7.84-7.55
(m,24H)、7.32(d・d・d,4H)
【0058】
【化13】
【0059】BQ−3:1H-NMR(CDCl3,ppm):9.36(d,3
H)、8.72(d・d,1H)、8.66(d・d,2H)、8.24(d,1H)、8.23
(d,2H)、8.12-8.03(m,6H)、7.87-7.49(m,21H)、2.46(s,
3H) 実施例3 ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板
(旭硝子(株)製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を
30×40mmに切断、エッチングを行った。得られた
基板をアセトン、”セミコクリン56”で各々15分間
超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。続いてイソプ
ロピルアルコールで15分間超音波洗浄してから熱メタ
ノールに15分間浸漬させて乾燥させた。この基板を素
子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸
着装置内に設置して、装置内の真空度が1×10-5Pa
以下になるまで排気した。抵抗加熱法によって、まず第
一の正孔注入輸送材料として銅フタロシアニン(CuP
c)を10nm蒸着し、引き続いて第二の正孔輸送材料
としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナ
フチル)−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン
(α−NPD)を50nm積層した。さらに、引き続い
て発光材料としてトリス(8−キノリノラト)アルミニ
ウム(III)(Alq3)を15nmの厚さに、ついで
電子輸送材料として下記に示すETL1を35nmの厚
さに積層した。引き続いてリチウムを0.2nmドーピ
ングし、最後にアルミニウムを150nm蒸着して陰極
とし、5×5mm角の素子を作製した。この発光素子か
らは、10Vの印加電圧で、発光ピーク波長が536m
のAlq3に基づく緑色発光が得られ、発光輝度は40
00cd/m2、発光効率は2.0cd/Aであった。
また、この発光素子の通電後500時間経過後の初期輝
度保持率は80%であり、均質な発光面を維持してい
た。
【0060】
【化14】
【0061】実施例4 正孔輸送材料の積層までは実施例3と同様に行った。次
に発光層部分をホスト材料として実施例1のBQ−1
を、ドーパント材料として4,4−ジフルオロ−1,
3,5,7,8−テトラメチル−4−ボラ−3a,4a
−ジアザ−インダセンをドープ濃度が0.5wt%にな
るように用いて、25nmの厚さに、ついで電子輸送材
料として同じくBQ−1を25nmの厚さに積層した。
引き続いてリチウムを0.2nmドーピングし、最後に
アルミニウムを150nm蒸着して陰極とし、5×5m
m角の素子を作製した。この発光素子からは、11Vの
印加電圧で、発光ピーク波長が519mのドーパント材
料に基づく緑色発光が得られ、発光輝度は8000cd
/m2であった。
【0062】比較例1 発光材料であるAlq3の厚さを50nmにし、電子輸
送材料を用いない以外は実施例3と全く同様にして発光
素子を作製した。この発光素子からは、10Vの印加電
圧で、発光ピーク波長が536mのAlq3に基づく緑
色発光が得られ、発光輝度は3000cd/m2、発光
効率は1.4cd/Aであった。
【0063】比較例2 電子輸送材料として2,9−ジメチル−4,7−ジフェ
ニル−1,10−フェナントロリンを用いた以外は実施
例3と全く同様にして発光素子を作製した。この発光素
子からは、10Vの印加電圧で、発光ピーク波長が53
6mのAlq3に基づく緑色発光が得られ、発光輝度は
3500cd/m2、発光効率は1.8cd/Aであっ
た。しかしながら、この発光素子の通電後500時間経
過後の初期輝度保持率は50%以下であり、発光面には
ムラが見られた。
【0064】実施例5 電子輸送材料として実施例1に示すBQ−1を用いた以
外は実施例3と全く同様にして発光素子を作製した。こ
の発光素子からは、10Vの印加電圧で、発光ピーク波
長が536nmのAlq3に基づく緑色発光が得られ、
発光輝度は3800cd/m2、発光効率は1.9cd
/Aであった。また、この発光素子の通電後500時間
経過後の初期輝度保持率は80%であり、均質な発光面
を維持していた。
【0065】実施例6 発光材料として下記に示すEM1を用いた以外は実施例
4と全く同様にして発光素子を作製した。この発光素子
からは、15Vの印加電圧で、発光ピーク波長が465
mのEM1に基づく青色発光が得られ、発光輝度は12
00cd/m2、発光効率は1.0cd/Aであった。
【0066】
【化15】
【0067】比較例3 発光材料であるEM1の厚さを50nmにし、電子輸送
材料を用いない以外は実施例6と全く同様にして発光素
子を作製した。この発光素子からは、15Vの印加電圧
で、発光ピーク波長が465nmのEM1に基づく青色
発光が得られたが、発光輝度は110cd/m2、発光
効率は0.1cd/Aであった。
【0068】実施例7 発光層部分をホスト材料としてトリス(5,7−ジフェ
ニル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)、ドー
パント材料として4,4−ジフルオロ−1,3,5,7
−テトラフェニル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−イ
ンダセンを用いて、ドーパントが1.0wt%になるよ
うに15nmの厚さに共蒸着した以外は実施例3と全く
同様にして発光素子を作製した。この発光素子からは、
10Vの印加電圧で発光ピーク波長615nmのドーパ
ント材料に基づく赤色発光が得られた。
【0069】比較例4 電子輸送材料としてAlq3を用いる以外は実施例7と
全く同様にして発光素子を作製した。この発光素子から
は、10Vの印加電圧で赤色発光は得られず、615n
mの発光ピーク波長と共に535nmの付近にショルダ
ーピークを有する橙色発光となった。
【0070】実施例8 発光層部分をホスト材料として1,4−ジケト−2,5
−ビス(3,5−ジメチルベンジル)−3,6−ビス
(4−メチルフェニル)ピロロ[3,4−c]ピロー
ル、ドーパント材料として下記に示すEM2を用いて、
ドーパントが0.5wt%になるように15nmの厚さ
に共蒸着した以外は実施例5と同様にして発光素子を作
製した。この発光素子からは、発光ピーク波長が635
nmのドーパント材料に基づく赤色発光が得られ、発光
輝度は7500cd/m2であった。
【0071】
【化16】
【0072】実施例9 電子輸送層として実施例2のBQ−2を用いた以外は実
施例8と同様にして発光素子を作製した。この発光素子
からは、発光ピーク波長が635nmのドーパント材料
に基づく赤色発光が得られ、発光輝度は7000cd/m2
であった。
【0073】実施例10 電子輸送層として実施例3のBQ−3を用いた以外は実
施例8と同様にして発光素子を作製した。この発光素子
からは、発光ピーク波長が635nmのドーパント材料
に基づく赤色発光が得られ、発光輝度は6000cd/m2
であった。
【0074】実施例11 ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板
(旭硝子(株)製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を
30×40mmに切断、フォトリソグラフィ法によって
300μmピッチ(残り幅270μm)×32本のスト
ライプ状にパターン加工した。ITOストライプの長辺
方向片側は外部との電気的接続を容易にするために1.
27mmピッチ(開口部幅800μm)まで広げてあ
る。得られた基板をアセトン、”セミコクリン56”で
各々15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。
続いてイソプロピルアルコールで15分間超音波洗浄し
てから熱メタノールに15分間浸漬させて乾燥させた。
この基板を素子を作製する直前に1時間UV−オゾン処
理し、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5
×10-4Pa以下になるまで排気した。抵抗加熱法によ
って、まずCuPcを10nm蒸着し、引き続いてα−
NPDを50nm蒸着した。次に発光材料としてAlq
3を25nm積層し、引き続いて電子輸送材料としてE
TL1を25nmの厚さに積層した。次に厚さ50μm
のコバール板にウエットエッチングによって16本の2
50μmの開口部(残り幅50μm、300μmピッチ
に相当)を設けたマスクを、真空中でITOストライプ
に直交するようにマスク交換し、マスクとITO基板が
密着するように裏面から磁石で固定した。そしてリチウ
ムを0.5nm有機層にドーピングした後、アルミニウ
ムを200nm蒸着して32×16ドットマトリクス素
子を作製した。本素子をマトリクス駆動させたところ、
クロストークなく文字表示できた。
【0075】
【発明の効果】本発明は、熱的安定性に優れ、電気エネ
ルギーの利用効率が高く、色純度に優れた赤色発光素子
を提供できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB02 AB03 AB04 AB11 BA06 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 5C094 AA08 AA10 AA22 AA31 BA27 CA14 CA19 DA13 EA04 EA05 EB02 FB01 FB20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と陰極の間に発光物質が存在し、電気
    エネルギーにより発光する素子において、素子がベンゾ
    キノリン誘導体を含むことを特徴とする発光素子。
  2. 【請求項2】前記誘導体がベンゾキノリン骨格を複数個
    有する化合物であることを特徴とする請求項1記載の発
    光素子。
  3. 【請求項3】前記ベンゾキノリン骨格を複数個有する化
    合物において、複数のベンゾキノリン骨格が共役結合、
    置換もしくは無置換の芳香族炭化水素、置換もしくは無
    置換の芳香複素環あるいはこれらを混合した基のいずれ
    かにより連結されていることを特徴とする請求項1記載
    の発光素子。
  4. 【請求項4】前記ベンゾキノリン誘導体が電子輸送材料
    であることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  5. 【請求項5】発光素子がマトリクスおよび/またはセグ
    メント方式によって表示するディスプレイを構成するこ
    とを特徴とする請求項1記載の発光素子。
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