JP2000012222A - 発光素子 - Google Patents

発光素子

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JP2000012222A
JP2000012222A JP10172803A JP17280398A JP2000012222A JP 2000012222 A JP2000012222 A JP 2000012222A JP 10172803 A JP10172803 A JP 10172803A JP 17280398 A JP17280398 A JP 17280398A JP 2000012222 A JP2000012222 A JP 2000012222A
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light
emitting device
light emitting
compound
cathode
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JP10172803A
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Takeshi Tominaga
剛 富永
Yoshio Himeshima
義夫 姫島
Shigeo Fujimori
茂雄 藤森
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電気エネルギーの利用効率の高い赤色発光素子
を提供する。 【解決手段】陽極と陰極の間に発光を司る物質が存在
し、電気エネルギーにより発光する素子であって、該素
子が下記一般式(1)で表される化合物もしくはその金
属錯体を含むことを特徴とする発光素子。 【化1】 (ここでR1〜R8の内、少なくとも一つは芳香環基で
あり、残りが水素、アルキル、シクロアルキル、アラル
キル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ア
ルコキシ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ハ
ロゲン、ハロアルカン、シアノ、ニトロ、カルボキシ
ル、アリール、ベンジル、スチリル、エチニルナフタレ
ン、エチニルアントラセン、エチニルチオフェン、シン
ナミル、ベンジリデン、アシル、エステル、ホルミル基
から選ばれる。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気エネルギーを
光に変換できる素子であって、表示素子、フラットパネ
ルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標
識、看板、電子写真機、光信号発生器などの分野に利用
可能な発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極から注入された電子と陽極から注入
された正孔が両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する
際に発光するという有機積層薄膜発光素子の研究が近年
活発に行われるようになってきた。この素子は、薄型、
低駆動電圧下での高輝度発光、蛍光材料を選ぶことによ
る多色発光が特徴であり注目を集めている。
【0003】この研究は、コダック社のC.W.Tan
gらが有機積層薄膜素子が高輝度に発光することを示し
て以来(Appl.Phys.Lett.51(12)
21,p.913,1987)、多くの研究機関が検討
を行っている。コダック社の研究グループが提示した有
機積層薄膜発光素子の代表的な構成は、ITOガラス基
板上に正孔輸送性のジアミン化合物、発光層である8−
ヒドロキシキノリンアルミニウム、そして陰極としてM
g:Agを順次設けたものであり、10V程度の駆動電
圧で1000cd/m2の緑色発光が可能であった。現
在の有機積層薄膜発光素子は、上記の素子構成要素の他
に電子輸送層を設けているものなど構成を変えているも
のもあるが、基本的にはコダック社の構成を踏襲してい
る。
【0004】多色発光の中でも赤色発光は、有用なる発
光色として研究が進められている。
【0005】従来、ビス(ジイソプロピルフェニル)ペ
リレンなどのペリレン系、ペリノン系、Eu錯体である
(Eu(DBM)3(Phen))などが赤色発光材料として知られてい
る。また、赤色発光を得る手法として、ホスト材料の中
に微量の赤色蛍光材料をドーパントとして混入させる方
法も検討されている。ホスト材料としては、トリス(8
−キノリノラト)アルミニウム錯体(緑色発光)や10
−ヒドロキシベンゾキノリンのベリリウム錯体(緑色発
光)(特開平6−322362号公報)が知られてお
り、その中にドーパントとして4−(ジシアノメチレ
ン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリ
ル)−4H−ピラン、金属フタロシアニン(MgPc、
AlPcClなど)化合物を存在させることによって赤
色発光を取り出していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の赤色発
光材料は、発光特性が低いためディスプレイ発光材料と
して使用する場合は電力に対する輝度が低かったり、十
分な色純度を得ることが出来なかった。また、赤色発光
を得る手法としてホスト材料の中に微量の赤色蛍光材料
をドーパントとして混入させる方法が有用であるが、こ
れまでのホスト材料はドーパント材料の励起波長に対し
て発光波長が短波長であり、ドーパントの発光を充分に
得ることが出来ない。更に、得られたとしても発光効率
が低い為に駆動電流が高く、素子にかかる負担も大きく
一般的に素子寿命も短い。
【0007】本発明は、かかる問題を解決し、低電流下
でも高輝度発光が可能な安定な赤色発光素子を提供する
ことを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、陽極と陰極の
間に発光を司る物質が存在し、電気エネルギーにより発
光する素子であって、該素子が下記一般式(1)で表さ
れる化合物もしくはその金属錯体を含むことを特徴とす
る発光素子である。
【0009】
【化2】 (ここでR1〜R8の内、少なくとも一つは芳香環基で
あり、残りが水素、アルキル、シクロアルキル、アラル
キル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ア
ルコキシ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ハ
ロゲン、ハロアルカン、シアノ、ニトロ、カルボキシ
ル、アリール、ベンジル、スチリル、エチニルナフタレ
ン、エチニルアントラセン、エチニルチオフェン、シン
ナミル、ベンジリデン、アシル、エステル、ホルミル基
から選ばれる。)
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において陽極は、光を取り
出すために透明であれば酸化錫、酸化インジウム、酸化
錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物、ある
いは金、銀、クロムなどの金属、ヨウ化銅、硫化銅など
の無機導電性物質、ポリチオフェン、ポリピロール、ポ
リアニリンなどの導電性ポリマなど特に限定されるもの
でないが、ITOガラスやネサガラスを用いることが特
に望ましい。透明電極の抵抗は素子の発光に十分な電流
が供給できればよいので限定されないが、素子の消費電
力の観点からは低抵抗であることが望ましい。例えば3
00Ω/□以下のITO基板であれば素子電極として機
能するが、現在では10Ω/□程度の基板の供給も可能
になっていることから、低抵抗品を使用することが特に
望ましい。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ
事ができるが、通常100〜300nmの間で用いられ
ることが多い。また、ガラス基板はソーダライムガラ
ス、無アルカリガラスなどが用いられ、また厚みも機械
的強度を保つのに十分な厚みがあればよいので、0.5
mm以上あれば十分である。ガラスの材質については、
ガラスからの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカ
リガラスの方が好ましいが、SiO2 などのバリアコー
トを施したソーダライムガラスも市販されているのでこ
れを使用できる。ITO膜形成方法は、電子ビーム法、
スパッタリング法、化学反応法など特に制限を受けるも
のではない。
【0011】陰極は、電子を本有機物層に効率良く注入
できる物質であれば特に限定されないが、一般に白金、
金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウ
ム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシ
ウム、マグネシウムなどがあげられるが、電子注入効率
をあげて素子特性を向上させるためにはリチウム、ナト
リウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムまたはこ
れら低仕事関数金属を含む合金が有効である。しかし、
これらの低仕事関数金属は、一般に大気中で不安定であ
ることが多く、例えば、有機層に微量のリチウムやマグ
ネシウム(真空蒸着の膜厚計表示で1nm以下)をドー
ピングして安定性の高い電極を使用する方法が好ましい
例として挙げることができるが、フッ化リチウムのよう
な無機塩の使用も可能であることから特にこれらに限定
されるものではない。更に電極保護のために白金、金、
銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、インジウムなどの金
属、またはこれら金属を用いた合金、そしてシリカ、チ
タニア、窒化ケイ素などの無機物、ポリビニルアルコー
ル、塩化ビニル、炭化水素系高分子などを積層すること
が好ましい例として挙げられる。これらの電極の作製法
も抵抗加熱、電子線、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング、コーティングなど導通を取ることができれば特
に制限されない。
【0012】発光を司る物質とは、1)正孔輸送層/発
光層、2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層、3)発光
層/電子輸送層、そして、4)以上の組合わせ物質を一
層に混合した形態のいずれであってもよい。即ち、素子
構成としては、上記1)〜3)の多層積層構造の他に
4)のように発光材料単独または発光材料と正孔輸送材
料や電子輸送材料を含む層を一層設けるだけでもよい。
【0013】正孔輸送層は正孔輸送性物質単独または二
種類以上の物質を積層、混合するか正孔輸送性物質と高
分子結着剤の混合物により形成され、正孔輸送性物質と
してはN,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチ
ルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジア
ミン、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−
4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンなどのトリ
フェニルアミン類、ビス(N−アリルカルバゾール)ま
たはビス(N−アルキルカルバゾール)類、ピラゾリン
誘導体、スチルベン系化合物、ヒドラゾン系化合物、オ
キサジアゾール誘導体やフタロシアニン誘導体、ポルフ
ィリン誘導体に代表される複素環化合物、ポリマー系で
は前記単量体を側鎖に有するポリカーボネートやスチレ
ン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリシランなどが
好ましいが、素子作製に必要な薄膜を形成し、陽極から
正孔が注入できて、さらに正孔を輸送できる化合物であ
れば特に限定されるものではない。
【0014】本発明に関する発光材料は特に緑色より長
波長、中でも赤色を帯びた発光を行うのに好適なもので
あり、下記一般式で示されるもの、もしくはその金属錯
体である。
【0015】
【化3】 ここでR1〜R8の内、少なくとも一つは芳香環基であ
り、残りが水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキ
ル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ハロ
ゲン、ハロアルカン、シアノ、ニトロ、カルボキシル、
アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、
アリール、ベンジル、スチリル、エチニルナフタレン、
エチニルアントラセン、エチニルチオフェン、シンナミ
ル、ベンジリデン、アシル、エステル、ホルミル基から
選ばれる。
【0016】即ち、本発明は10−ベンゾ(h)キノリノ
ール骨格に共役性のある芳香環基を導入することによっ
て、蛍光波長が著しく長波長化することを見出したもの
である。ここでいう芳香環基とはフェニル基、ナフチル
基、アントラニル基のような芳香族炭化水素基のみなら
ず、ピリジル基、キノリル基、チエニル基などの複素環
芳香族官能基も含有する。芳香環基の導入は化合物全体
の電子伝導性を高めることから電子輸送性の発光材料と
して好ましい。置換基の位置は、10−ヒドロキシベン
ゾ(h)キノリンの2〜8位のいずれでも特に限定されな
い。その他の置換基としては上記に示した、水素または
アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アルケニル、
シクロアルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルカ
ン、シアノ、ニトロ、カルボキシル、アルコキシ、アル
キルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリール、ベンジ
ル、スチリル、エチニルナフタレン、エチニルアントラ
セン、エチニルチオフェン、シンナミル、ベンジリデ
ン、アシル、エステル、ホルミル基が好適な例として挙
げることができる。
【0017】通常、アルキル基の導入は分子のアモルフ
ァス性を向上させる傾向があるため良好な膜質の薄膜が
得られることが多く素子の発光効率が向上するケースが
多いが、過剰な導入は膜の耐久性を弱めるために適切な
数を選ぶ必要がある。この場合、適切な数とはその用途
や組み合わされる他の材料との関係で変化するために一
概には規定できない。その他の置換基の例としては、強
い電子吸引あるいは電子供与性の官能基が挙げられる。
これらの官能基を導入することにより蛍光強度の増大や
波長シフトすることが、通常知られている。ベンゾキノ
リン骨格中にハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ
ル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノの導入はこれ
らの効果が現れる置換基である。
【0018】また、金属に配位する時には、本発明で示
した芳香環基含有置換ベンゾキノリノール単独でも混合
配位子でも特に限定はされない。混合配位子の場合の第
2の配位子としては、アルコキシ、フェノキシ、ハロゲ
ン、アルキル、アリルその他縮合環炭化水素、複素環化
合物、または酸素原子を介して結合された芳香環または
複素環化合物などを導入することが可能である。
【0019】本発明のリガンドに配位できる金属は、原
子番号が50以下のものが使用できるが、希土類元素の
利用も可能であり特に限定されるものではない。通常用
いられる元素の一例としては、ナトリウム、リチウム、
ホウ素、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、ガ
リウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、
ガリウム、インジウム、タリウムなどを挙げることがで
きるがこれらに限定はされない。また、ここでいう金属
錯体とは本発明の化合物の水酸基の水素が1価の金属に
置き換わった金属塩のような形を含んでも構わない。
【0020】これらの赤色発光材料は単独で発光層を形
成するが、発光効率向上や色純度向上のためにドーピン
グの手法が用いられる。本発明に関する発光体はこのド
ーピングにおいて、ホスト材料としてもゲスト材料とし
ても用いることが可能であるが、特にホスト材料として
用いた例ではホスト材料である本赤色発光材料中に第二
の(場合に因っては二つ以上の)蛍光体を分散させるこ
とになる。赤色系ドーパントとしては、従来から知られ
ているビス(ジイソプロピルフェニル)ペリレンなどの
ペリレン系、ペリノン系、Eu錯体である(Eu(DBM)3(Ph
en))などが赤色発光材料、4−(ジシアノメチレン)−
2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4
H−ピランやその類縁体、金属フタロシアニン(MgP
c、AlPcClなど)、ヘキサメチルシアノピロメテ
ンジフロロボレートなどのピロメテン化合物、ローダミ
ン化合物、オキサジン化合物などを共存させることが出
来るが特にこれらに限定されるものではない。ドープ量
は、多い方が発光効率が上がると考えられるが、多くの
蛍光体は高濃度になると濃度消光現象が起こることと有
機薄膜の膜質の観点から最適濃度が存在する。多くのド
ーパントの場合、ホストに対するドーパントの濃度は1
0%以下、好ましくは5%以下、更に好ましくは1%以
下であることが多いが特に限定されるものではない。ド
ーピング方法は、蒸着における共蒸着、混合蒸着、また
は混合塗布法などがある。
【0021】電子輸送性物質としては、電界を与えられ
た電極間において陰極からの電子を効率良く輸送するこ
とが必要で、電子注入効率が高く、注入された電子を効
率良く輸送することが望ましい。そのためには電子親和
力が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性
に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に
発生しにくい物質であることが要求される。本発明に関
する発光材料は、電子輸送性能も兼ね備えてるので、発
光材料だけではなく電子輸送層の材料としても有用であ
る。従って、本発明による化合物は何等発光することな
く電子のみを素子の中で輸送する役割も果たすし、発光
層兼電子輸送層として働かせることも可能である。
【0022】また、本発明に関する材料は、オキサジア
ゾール、トリアゾール、フェナントロリン、キノキサリ
ン、キノリノラト金属錯体などの誘導体と混合したり、
積層して用いることもできる。本発明に関する材料が発
光材料である場合は、前記オキサジアゾール、トリアゾ
ール、フェナントロリン、キノリノラト金属錯体などの
誘導体を単独または二種類以上混合して用いてもよい。
【0023】以上の正孔輸送層、発光層、電子輸送層に
用いられる材料は単独で各層を形成することができる
が、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリ
レート、ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリサルフォン、ポリアミド、
エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレ
タン樹脂などの溶剤可溶性樹脂や、フェノール樹脂、キ
シレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、
シリコーン樹脂などの硬化性樹脂などに分散させて用い
ることも可能である。
【0024】発光を司る物質の形成方法は、抵抗加熱蒸
着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、コ
ーティング法など特に限定されるものではないが、通常
は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着が特性面で好まし
い。層の厚みは、発光を司る物質の抵抗値にもよるので
限定することはできないが、10〜1000nmの間か
ら選ばれる。
【0025】電気エネルギーとは主に直流電流を指す
が、パルス電流や交流電流を用いることも可能である。
電流値および電圧値は特に制限はないが、素子の消費電
力、寿命を考慮するとできるだけ低いエネルギーで最大
の輝度が得られるようにするべきである。
【0026】本発明におけるマトリクスとは、表示のた
めの画素が格子状に配置されたものをいい、画素の集合
で文字や画像を表示する。画素の形状、サイズは用途に
よって決まる。例えばパソコン、モニター、テレビの画
像および文字表示には、通常一辺が300μm以下の四
角形の画素が用いられるし、表示パネルのような大型デ
ィスプレイの場合は、一辺がmmオーダーの画素を用い
ることになる。モノクロ表示の場合は、同じ色の画素を
配列すればよいが、カラー表示の場合には、赤、緑、青
の画素を並べて表示させる。この場合、典型的にはデル
タタイプとストライプタイプがある。そして、このマト
リクスの駆動方法としては、線順次駆動方法やアクティ
ブマトリックスのどちらでもよい。線順次駆動の方が構
造が簡単であるという利点があるが、動作特性を考慮し
た場合、アクティブマトリックスの方が優れる場合があ
るので、これも用途によって使い分けることが必要であ
る。
【0027】本発明におけるセグメントタイプとは、予
め決められた情報を表示するようにパターンを形成し、
決められた領域を発光させることになる。例えば、デジ
タル時計や温度計における時刻や温度表示、オーディオ
機器や電磁調理器などの動作状態表示、自動車のパネル
表示などがあげられる。そして、前記マトリクス表示と
セグメント表示は同じパネルの中に共存していてもよ
い。
【0028】本発明におけるバックライトとは、主に自
発光しない表示装置の視認性を向上させる目的に使用さ
れ、液晶表示装置、時計、オーディオ機器、自動車パネ
ル、表示板、標識などに使用される。特に液晶表示装
置、中でも薄型化が課題となっているパソコン用途のバ
ックライトとしては、従来方式のものが蛍光灯や導光板
からなっているため薄型化が困難であることを考えると
本発明におけるバックライトは、薄型、軽量が特徴にな
る。
【0029】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
【0030】参考例1 2−フェニル−10−ベンゾ
(h)キノリノールの合成 300mlの3つ口フラスコに50mlのジエチルエー
テルを入れ、窒素雰囲気に保った。そこに、2.2gの
金属リチウム片を加え、続いて25.0gのブロモフェ
ニルのジエチルエーテル溶液50mlをゆっくり滴下し
た。しばらく攪拌すると、加熱還流状態になり、還流状
態が終わるまで攪拌を続けた。反応終了後、10−ヒド
ロキシベンゾキノリン6.25gのジエチルエーテル溶
液100mlをゆっくり滴下した。滴下終了後、約2時
間攪拌を続け、反応溶液を氷水に注いだ。分液漏斗によ
りエーテル層と水層に分け、エーテル層は溶媒を除去、
水層に析出した沈殿は濾別してそれぞれで粉末を得た。
これらの粉末を集め、70℃に加温した1N塩酸300m
l中で2時間攪拌した。放冷後、炭酸ナトリウムを用い
て中和して、析出した固形物を濾別し、減圧乾燥により
緑褐色粉末を得た。この粉末は、ジクロロメタン:ヘキ
サン=9:1−シリカゲルカラム処理を行い、黄色固体
を得た。
【0031】実施例1 ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板
(15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を所定の大きさに切
断、エッチング後、洗浄を行った。これを使用前にUV
−オゾン洗浄して直ちに真空蒸着装置内に設置して、装
置内の真空度が5×10-6Torr以下になるまで排気
した。正孔輸送材料であるN,N’−ジフェニル−N,
N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ジフェニル
−4,4’−ジアミン(TPD)を抵抗加熱方式によっ
て0.3nm/秒の速度で100nm蒸着し、続いて参
考例1で合成した2−フェニル−10−ベンゾ(h)キノ
リノールを100nmの厚さに蒸着した。次に5×5m
m角素子ができるようにマスクを装着した後、リチウム
を0.1nm/秒の速度で1nm、最後に銀を0.5n
m/秒の速度で150nm蒸着して5×5mm角の素子
を作製した。
【0032】この発光素子は633nmにピーク波長を
持つ赤色発光を示した。
【0033】比較例1 実施例1の2−フェニル−10−ベンゾ(h)キノリノー
ルを10−ヒドロキシベンゾ(h)キノリノールに代える
以外は同様にして、5×5mm角の素子を作製した。
【0034】この素子に電圧を印可したが、肉眼および
輝度計における発光は確認されなかった。
【0035】参考例2 2−フェニル−10−ベンゾ
(h)キノリノールのナトリウム錯体 200mlの3つ口フラスコにヘキサンを加え、窒素雰
囲気下に保った。そこに、油性の水素化ナトリウム0.
20gを加え、攪拌後上澄みを取り除いた。この操作を
数回繰り返し、最後に脱水テトラヒドロフランを加えて
同様の操作を行い、油性を取り除いた。そこに、1.0
gの2−フェニル10−ベンゾ(h)キノリノールのテト
ラヒドロフラン溶液をゆっくりと滴下した。しばらく攪
拌した後、反応溶液を濃縮するとオレンジ色の沈殿が析
出した。これを濾別し、10時間真空乾燥を行い、オレ
ンジ色粉末を得た。本化合物は450nmの励起光を照
射すると560nmにピークを有する蛍光が観察され
た。
【0036】実施例2 2−フェニル−10−ベンゾ(h)キノリノールを参考例
2で合成したナトリウム錯体に代える以外は実施例1と
同様にして、5×5mm角の素子を作製した。
【0037】この発光素子は586nmにピーク波長を
持つオレンジ色発光を示した。
【0038】参考例3 2−フェニル−10−ベンゾ
(h)キノリノールの亜鉛錯体 200mlの3つ口フラスコにヘキサンを加え、窒素雰
囲気下に保った。そこに、油性の水素化ナトリウム0.
20gを加え、攪拌後上澄みを取り除いた。この操作を
数回繰り返し、最後に脱水テトラヒドロフランを加えて
同様の操作を行い、油性を取り除いた。そこに、1.0
gの2−フェニル10−ベンゾ(h)キノリノールのテト
ラヒドロフラン溶液をゆっくりと滴下した。しばらく攪
拌した後、さらに0.48gの塩化亜鉛のテトラヒドロ
フラン溶液をゆっくり滴下した。
【0039】反応溶液を濃縮し、エタノールを加えると
オレンジ色の沈殿が析出した。これを濾別し、10時間
真空乾燥を行い、オレンジ色粉末を得た。本化合物は4
40nmの励起光を照射すると565nmにピークを有
する蛍光が観察された。
【0040】実施例3 2−フェニル−10−ベンゾ(h)キノリノールを参考例
3で合成した亜鉛錯体に代える以外は実施例1と同様に
して、5×5mm角の素子を作製した。
【0041】この発光素子は580nmにピーク波長を
持つオレンジ色発光を示した。
【0042】比較例2 2−フェニル−10−ベンゾ(h)キノリノールを10−
ヒドロキシベンゾ(h)キノリノールの亜鉛錯体に代える
以外は実施例1と同様にして、5×5mm角の素子を作
製した。
【0043】この発光素子は556nmにピーク波長を
持つ黄色発光を示した。
【0044】
【発明の効果】本発明は、電気エネルギーの利用効率の
高い赤色発光素子を提供できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H091 FA41Z FA44Z FB06 FC02 GA01 LA30 3K007 AB03 AB04 AB06 DA01 DB03 EB00 FA01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と陰極の間に発光を司る物質が存在
    し、電気エネルギーにより発光する素子であって、該素
    子が下記一般式(1)で表される化合物もしくはその金
    属錯体を含むことを特徴とする発光素子。 【化1】 (ここでR1〜R8の内、少なくとも一つは芳香環基で
    あり、残りが水素、アルキル、シクロアルキル、アラル
    キル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ア
    ルコキシ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ハ
    ロゲン、ハロアルカン、シアノ、ニトロ、カルボキシ
    ル、アリール、ベンジル、スチリル、エチニルナフタレ
    ン、エチニルアントラセン、エチニルチオフェン、シン
    ナミル、ベンジリデン、アシル、エステル、ホルミル基
    から選ばれる。)
  2. 【請求項2】前記金属錯体の金属がナトリウム、リチウ
    ム、ホウ素、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウ
    ム、ガリウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、
    亜鉛、ガリウム、インジウム、タリウムから選ばれる少
    なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載の発
    光素子。
  3. 【請求項3】該化合物が発光材料であることを特徴とす
    る請求項1または2記載の発光素子。
  4. 【請求項4】該化合物がホスト材料であることを特徴と
    する請求項1または2記載の発光素子。
  5. 【請求項5】該化合物が電子輸送材料であることを特徴
    とする請求項1または2記載の発光素子。
  6. 【請求項6】該発光素子が陽極、正孔輸送材料、発光材
    料、陰極からなることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか記載の発光素子。
  7. 【請求項7】該発光素子の陽極、正孔輸送材料、発光材
    料、陰極が積層構造をとることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれか記載の発光素子。
  8. 【請求項8】マトリクスおよび/またはセグメント方式
    によって表示するディスプレイであることを特徴とする
    請求項1記載の発光素子。
  9. 【請求項9】バックライトであることを特徴とする請求
    項1記載の発光素子。
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