JP2002050473A - 発光素子 - Google Patents

発光素子

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JP2002050473A
JP2002050473A JP2000235393A JP2000235393A JP2002050473A JP 2002050473 A JP2002050473 A JP 2002050473A JP 2000235393 A JP2000235393 A JP 2000235393A JP 2000235393 A JP2000235393 A JP 2000235393A JP 2002050473 A JP2002050473 A JP 2002050473A
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light
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JP2000235393A
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Seiichiro Murase
清一郎 村瀬
Toru Kohama
亨 小濱
Takeshi Tominaga
剛 富永
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐久性が高く、電気エネルギーの利用効率が高
い発光素子を提供する。 【解決手段】陽極と陰極の間に発光物質が存在し、電気
エネルギーにより発光する素子であって、該素子は光反
応による生成物を少なくとも1種類含むことを特徴とす
る発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気エネルギーを
光に変換できる素子であって、表示素子、フラットパネ
ルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標
識、看板、電子写真機、光信号発生器などの分野に利用
可能な発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極から注入された電子と陽極から注入
された正孔が両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する
際に発光するという有機積層薄膜発光素子の研究が近年
活発に行われている。この素子は、薄型、低駆動電圧下
での高輝度発光、蛍光材料を選ぶことによる多色発光が
特徴であり注目を集めている。
【0003】この研究は、コダック社のC.W.Tan
gらが有機積層薄膜素子が高輝度に発光することを示し
て以来(Appl.Phys.Lett.51(12)
21,p.913,1987)、多くの研究機関が検討
を行っている。コダック社の研究グループが提示した有
機積層薄膜発光素子の代表的な構成は、ITOガラス基
板上に正孔輸送性のジアミン化合物、発光層であるトリ
ス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体、そして陰極
としてMg:Agを順次設けたものであり、10V程度
の駆動電圧で1000cd/m2の緑色発光が可能であ
った。現在の有機積層薄膜発光素子は、上記の素子構成
要素の他に電子輸送層を設けているものなど構成を変え
ているものもあるが、基本的にはコダック社の構成を踏
襲している。
【0004】多色発光の中では緑色発光材料の研究が最
も進んでおり、現在は赤色発光材料と青色発光材料にお
いて、耐久性に優れ十分な輝度と色純度特性を示すもの
が望まれ、特性向上を目指して鋭意研究がなされてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】有機積層薄膜発光素子
をフラットパネル・ディスプレイやバックライト等の光
源に応用するためには、素子の信頼性を十分に確保する
必要がある。しかしながら、従来の有機積層薄膜発光素
子では耐熱性が不十分であり、素子の劣化が避けられな
いため、信頼性が十分とはいえなかった。
【0006】素子の劣化の主原因は、有機層の薄膜形状
の劣化である。この薄膜形状の劣化は、素子駆動時の発
熱等による温度上昇で、有機非晶質薄膜が結晶化(また
は凝集)等の形状変化を生ずることに起因すると考えら
れている。この耐熱性の低さは材料のガラス転移温度
(以下Tgと略す)の低さに由来すると考えられる。T
gを上げる目的で、材料の分子量を大きくすること(特
開平8−48656号公報)や分子構造をリジッドなも
のにすること(特開平7−110940号公報)等が検
討されているが、いずれも合成の難易度が増すことや昇
華温度が高くなる等問題点があり好ましくない。
【0007】本発明は、かかる問題を解決し、耐久性が
高く、かつ、電気エネルギーの利用効率の高い発光素子
を提供することが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】陽極と陰極の間に発光物
質が存在し、電気エネルギーにより発光する素子であっ
て、該素子は光反応による生成物を少なくとも1種類含
むことを特徴とする発光素子である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において陽極は、光を取り
出すために透明であれば酸化錫、酸化インジウム、酸化
錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物、ある
いは金、銀、クロムなどの金属、ヨウ化銅、硫化銅など
の無機導電性物質、ポリチオフェン、ポリピロール、ポ
リアニリンなどの導電性ポリマなど特に限定されるもの
でないが、ITOガラスやネサガラスを用いることが特
に望ましい。透明電極の抵抗は素子の発光に十分な電流
が供給できればよいので限定されないが、素子の消費電
力の観点からは低抵抗であることが望ましい。例えば3
00Ω/□以下のITO基板であれば素子電極として機
能するが、現在では10Ω/□程度の基板の供給も可能
になっていることから、低抵抗品を使用することが特に
望ましい。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ
事ができるが、通常100〜300nmの間で用いられ
ることが多い。また、ガラス基板はソーダライムガラ
ス、無アルカリガラスなどが用いられ、また厚みも機械
的強度を保つのに十分な厚みがあればよいので、0.5
mm以上あれば十分である。ガラスの材質については、
ガラスからの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカ
リガラスの方が好ましいが、SiO2 などのバリアコー
トを施したソーダライムガラスも市販されているのでこ
れを使用できる。ITO膜形成方法は、電子線ビーム
法、スパッタリング法、化学反応法など特に制限を受け
るものではない。
【0010】陰極は、電子を本有機物層に効率良く注入
できる物質であれば特に限定されないが、一般に白金、
金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウ
ム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシ
ウム、マグネシウムなどがあげられるが、電子注入効率
をあげて素子特性を向上させるためにはリチウム、ナト
リウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムまたはこ
れら低仕事関数金属を含む合金が有効である。しかし、
これらの低仕事関数金属は、一般に大気中で不安定であ
ることが多く、例えば、有機層に微量のリチウムやマグ
ネシウム(真空蒸着の膜厚計表示で1nm以下)をドー
ピングして安定性の高い電極を使用する方法が好ましい
例として挙げることができるが、フッ化リチウムのよう
な無機塩の使用も可能であることから特にこれらに限定
されるものではない。更に電極保護のために白金、金、
銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、インジウムなどの金
属、またはこれら金属を用いた合金、そしてシリカ、チ
タニア、窒化ケイ素などの無機物、ポリビニルアルコー
ル、塩化ビニル、炭化水素系高分子などを積層すること
が好ましい例として挙げられる。これらの電極の作製法
も抵抗加熱、電子線ビーム、スパッタリング、イオンプ
レーティング、コーティングなど導通を取ることができ
れば特に制限されない。
【0011】本発明の目的は、有機薄膜を構成する光反
応性化合物の光反応により、有機薄膜の熱安定性を向上
させることである。ここでいう光反応性化合物とは、光
反応により異なる化合物に変化する化合物であり、本発
明における光反応による生成物の前駆体である。光反応
性化合物が光反応により、高Tgの化合物になるもしく
は隣接する分子と結合しネットワークを作ることによ
り、前記有機薄膜はTgが高くなり熱的に安定化する。
この際に光反応は化合物全体で行ってもよいし、化合物
の一部分(以後、光官能基と呼ぶ)が光反応を担っても
よい。また、光反応は製膜前に行うことも可能である
が、真空蒸着法などによる薄膜形成のためには製膜後に
光反応を行うことが好ましい。
【0012】真空蒸着法などのドライな製膜方法を用い
るためには、光反応を行う前駆体は低分子であることが
好ましい。本発明における低分子とは、真空加熱等の方
法によって、昇華する程度の分子量を有する化合物であ
る。
【0013】本発明の光反応に使用する光源の波長は特
に限定されるものではないが、光源の入手性や光反応の
多様性から200nm〜380nmの紫外光であること
が好ましい。さらに光反応による熱安定性の向上の指標
である生成物のTgは特に限定されるものではないが、
光反応前の化合物に比べ10℃以上上昇していることが
好ましく、さらには30℃以上上昇していることが好ま
しい。光照射の時期は、膜質への影響を考えると、光反
応性化合物を含む層を形成した直後であることが望まし
いが、これに限定されるものではなく、陰極形成後ある
いは封止後でもよい。
【0014】本発明における具体的な光反応としては、
特にこれに限定されるものではないが、光重合、光二量
化、光付加、光異性化、光転位反応等が挙げられる。そ
の中でも光二量化、光付加反応は化合物の分子量が増大
しTgが高くなることや光反応による薄膜の形状変化を
考えると特に好ましい。光二量化反応を行う光官能基と
しては、スチルベン誘導体、シンナモイル誘導体、アン
トラセン誘導体等が挙げられるが、これに限定されるも
のではなく、またこれらの光官能基を一種のみ、もしく
は複数種を組み合わせて用いることもできる。光付加反
応を行う官能基としては、オレフィン、α,β−不飽和
ケトン、飽和ケトン、キノン、芳香族化合物等が挙げら
れるが、これに限定されるものではなく、これらの官能
基を2種類以上どのように組み合わせてもよい。光異性
化反応を行う官能基としては、特に限定されるものでは
ないが、アゾベンゼン誘導体、スチルベン誘導体、シン
ナモイル誘導体、フルギド誘導体、ジアリルエテン誘導
体、スピロピラン誘導体等が挙げられる。光転位反応を
行う官能基としては、これに限定されるものではない
が、エノン誘導体、ジエノン誘導体、エポキシケトン誘
導体、アリールエステル誘導体、アリールエーテル誘導
体、アニリド誘導体等が挙げられる。
【0015】本発明における発光物質とは、1)正孔輸
送層/発光層、2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層、
3)発光層/電子輸送層、4)正孔輸送層/発光層/正
孔阻止層、5)正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子
輸送層、6)発光層/正孔阻止層/電子輸送層そして、
7)以上の組合わせ物質を一層に混合した形態のいずれ
であってもよい。即ち、素子構成としては、上記1)〜
6)の多層積層構造の他に7)のように発光材料単独ま
たは発光材料と正孔輸送材料や電子輸送材料を含む層を
一層設けるだけでもよい。さらに、本発明における発光
物質は自ら発光するもの、その発光を助けるもののいず
れにも該当し、発光に関与している化合物、層などを指
すものである。本発明における光反応による生成物は上
記発光物質のいずれに含まれていてもよく、一層もしく
は複数層に含まれていてもよい。また、層全体に含まれ
ていても、層の一部分に含まれていてもよい。さらに、
本発明における光反応性官能基は、それ自身が正孔輸
送、発光、電子輸送、正孔阻止等の機能をあわせ持って
いてもよいが、以下に挙げるような正孔輸送性物質、発
光材料、電子輸送材料あるいは正孔阻止性物質等に化学
的に結合して光反応の機能のみを担ってもよい。
【0016】正孔輸送層は正孔輸送性物質単独または二
種類以上の物質を積層、混合するか正孔輸送性物質と高
分子結着剤の混合物により形成され、正孔輸送性物質と
してはN,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチ
ルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジア
ミン、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−
4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンなどのトリ
フェニルアミン類、ビス(N−アリルカルバゾール)ま
たはビス(N−アルキルカルバゾール)類、ピラゾリン
誘導体、スチルベン系化合物、ヒドラゾン系化合物、オ
キサジアゾール誘導体やフタロシアニン誘導体、ポルフ
ィリン誘導体に代表される複素環化合物、ポリマー系で
は前記単量体を側鎖に有するポリカーボネートやスチレ
ン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリシランなどが
好ましいが、素子作製に必要な薄膜を形成し、陽極から
正孔が注入できて、さらに正孔を輸送できる化合物であ
れば特に限定されるものではない。
【0017】発光層は発光材料(ホスト材料、ドーパン
ト材料)により形成され、これはホスト材料とドーパン
ト材料との混合物であっても、ホスト材料単独であって
も、いずれでもよい。ホスト材料とドーパント材料は、
それぞれ一種類であっても、複数の組み合わせであって
も、いずれでもよい。ドーパント材料はホスト材料の全
体に含まれていても、部分的に含まれていても、いずれ
であってもよい。ドーパント材料は積層されていても、
分散されていても、いずれであってもよい。
【0018】発光材料としては所望の発光色に応じて様
々な材料の中から選択することができる。高輝度発光を
得るためには、特に限定されるものではないが、以前か
ら発光体として知られていたナフタレン、アントラセ
ン、フェナンスレン、ピレン、トリフェニレン、ペリレ
ン、トラキセン、フルオレン、インデン、9,9’−ス
ピロビフルオレンなどの芳香族炭化水素化合物やその誘
導体、フラン、ピロール、チオフェン、シロール、9−
シラフルオレン、9,9’−スピロビシラフルオレン、
ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ジベン
ゾチオフェン、ジベンゾフラン、イミダゾピリジン、フ
ェナントロリン、ピラジン、ナフチリジン、キノキサリ
ン、ピロロピリジン、チオキサンテンなどの芳香族複素
環化合物やその誘導体、トリス(8−キノリノラト)ア
ルミニウム錯体などのキノリノール金属錯体、ビピリジ
ン金属錯体、ローダミン金属錯体、アゾメチン金属錯
体、ジスチリルベンゼン誘導体、テトラフェニルブタジ
エン誘導体、スチルベン誘導体、アルダジン誘導体、ク
マリン誘導体、フタルイミド誘導体、ナフタルイミド誘
導体、ペリノン誘導体、ピロロピロール誘導体、シクロ
ペンタジエン誘導体、アクリドン誘導体、イミダゾー
ル、チアゾール、チアジアゾール、カルバゾール、オキ
サゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、トリアゾ
ールなどのアゾール誘導体およびその金属錯体、ピロメ
テン誘導体、メロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体
などが蛍光量子収率が高いため好適に用いることができ
る。
【0019】ドーピング量は、多すぎると濃度消光現象
が起きるため、ホスト物質に対して10重量%以下で用
いることが好ましく、更に好ましくは2重量%以下であ
る。ドーピング方法としては、ホスト材料との共蒸着法
によって形成することができるが、ホスト材料と予め混
合してから同時に蒸着しても良い。また、ドーパント材
料はホスト材料の全体に含まれていても、部分的に含ま
れていても、いずれであってもよい。ドーパント材料は
積層されていても、分散されていても、いずれであって
もよい。
【0020】本発明における電子輸送性材料としては、
電界を与えられた電極間において陰極からの電子を効率
良く輸送することが必要で、電子注入効率が高く、注入
された電子を効率良く輸送することが望ましい。そのた
めには電子親和力が大きく、しかも電子移動度が大き
く、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造
時および使用時に発生しにくい物質であることが要求さ
れる。このような条件を満たす物質として、トリス(8
−キノリノラト)アルミニウム錯体に代表されるキノリ
ノール誘導体金属錯体、トロポロン金属錯体、フラボノ
ール金属錯体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、ナフ
タレン、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ア
ルダジン誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導
体、フェナントロリン誘導体、シロール誘導体、キノキ
サリン誘導体などが挙げられるが特に限定されるもので
はない。これらの電子輸送材料は単独でも用いられる
が、異なる電子輸送材料と積層または混合して使用して
も構わない。
【0021】正孔阻止層は正孔阻止性物質単独または二
種類以上の物質を積層、混合することにより形成され、
正孔阻止性物質としてはフェナントロリン誘導体、シロ
ール誘導体、キノリノール誘導体金属錯体、オキサジア
ゾール誘導体、オキサゾール誘導体などが好ましいが、
正孔が陰極側から素子外部に流れ出てしまい発光効率が
低下するのを阻止することができる化合物であれば特に
限定されるものではない。
【0022】以上の正孔輸送層、発光層、電子輸送層、
正孔阻止層に用いられる材料は単独で各層を形成するこ
とができるが、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポ
リカーボネート、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカル
バゾール)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメ
タクリレート、ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフ
ェニレンオキサイド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、
ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリサルフォン、ポリア
ミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポ
リウレタン樹脂などの溶剤可溶性樹脂や、フェノール樹
脂、キシレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ
樹脂、シリコーン樹脂などの硬化性樹脂などに分散させ
て用いることも可能である。
【0023】発光物質の形成方法は、抵抗加熱蒸着、電
子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、コーティ
ング法など特に限定されるものではないが、通常は、抵
抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着が特性面で好ましい。層の
厚みは、発光物質の抵抗値にもよるので限定することは
できないが、1〜1000nmの間から選ばれる。
【0024】さらに、素子の有機層や電極の劣化を防ぐ
ためには素子上に封止層を形成することが好ましい。こ
のために、発光領域を封止板および接着剤により封止し
て、封止空間内部を真空にしたり、低湿度の不活性ガス
やオイルを満たす方法などが挙げられるが、特にこれに
限定されるものではなく、これらが本発明の光反応によ
り生成する化合物であってもよい。
【0025】電気エネルギーとは主に直流電流を指す
が、パルス電流や交流電流を用いることも可能である。
電流値および電圧値は特に制限はないが、素子の消費電
力、寿命を考慮するとできるだけ低いエネルギーで最大
の輝度が得られるようにするべきである。
【0026】本発明におけるマトリクスとは、表示のた
めの画素が格子状に配置されたものをいい、画素の集合
で文字や画像を表示する。画素の形状、サイズは用途に
よって決まる。例えばパソコン、モニター、テレビの画
像および文字表示には、通常一辺が300μm以下の四
角形の画素が用いられるし、表示パネルのような大型デ
ィスプレイの場合は、一辺がmmオーダーの画素を用い
ることになる。モノクロ表示の場合は、同じ色の画素を
配列すればよいが、カラー表示の場合には、赤、緑、青
の画素を並べて表示させる。この場合、典型的にはデル
タタイプとストライプタイプがある。そして、このマト
リクスの駆動方法としては、線順次駆動方法やアクティ
ブマトリックスのどちらでもよい。線順次駆動の方が構
造が簡単であるという利点があるが、動作特性を考慮し
た場合、アクティブマトリックスの方が優れる場合があ
るので、これも用途によって使い分けることが必要であ
る。
【0027】本発明におけるセグメントタイプとは、予
め決められた情報を表示するようにパターンを形成し、
決められた領域を発光させることになる。例えば、デジ
タル時計や温度計における時刻や温度表示、オーディオ
機器や電磁調理器などの動作状態表示、自動車のパネル
表示などがあげられる。そして、前記マトリクス表示と
セグメント表示は同じパネルの中に共存していてもよ
い。
【0028】本発明の発光素子はバックライトとしても
好ましく用いられる。バックライトは、主に自発光しな
い表示装置の視認性を向上させる目的に使用され、液晶
表示装置、時計、オーディオ装置、自動車パネル、表示
板、標識などに使用される。特に液晶表示装置、中でも
薄型化が課題となっているパソコン用途のバックライト
としては、従来方式のものが蛍光灯や導光板からなって
いるため薄型化が困難であることを考えると、本発明に
おける発光素子を用いたバックライトは薄型、軽量が特
徴になる。
【0029】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
【0030】実施例1 ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板
(旭硝子(株)製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を
30×40mmに切断、エッチングを行った。得られた
基板をアセトン、”セミコクリン56”で各々15分間
超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。続いてイソプ
ロピルアルコールで15分間超音波洗浄してから熱メタ
ノールに15分間浸漬させて乾燥させた。この基板を素
子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸
着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10-5Pa
以下になるまで排気した。抵抗加熱法によって、まず正
孔輸送材料として4,4’−ビス(N−(m−トリル)
−N−フェニルアミノ)ビフェニルを50nm蒸着し
た。次に発光材料として下記化合物EM1を45nm蒸
着し、電子輸送材料として、2,9−ジメチル−4,7
−ジフェニル−1,10−フェナントロリンを5nmの
厚さに積層した。次にリチウムを0.5nmドーピング
し、アルミニウムを200nm蒸着して陰極とし、5×
5mm角の素子を作製した。ここで言う膜厚は水晶発振
式膜厚モニター表示値である。次に高圧水銀灯により、
1時間紫外線照射を行った。この発光素子は橙色の発光
を示した。この発光素子は1mAの定電流駆動を行った
ところ、500時間たっても輝度半減には至らなかっ
た。
【0031】
【化1】
【0032】比較例1 紫外線照射を行わなかったこと以外は実施例1と同様に
素子を作製した。この素子は橙色の発光を示したが、1
mAの定電流駆動を行ったところ、100時間で輝度が
半減した。
【0033】実施例2 実施例1と同様の処理を行った基板上に、抵抗加熱法に
よって、まず正孔輸送材料として下記化合物HTL1を
50nm蒸着した。次に発光材料としてトリス(8−キ
ノリノラト)アルミニウム錯体を45nm蒸着し、電子
輸送材料として、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニ
ル−1,10−フェナントロリンを5nmの厚さに積層
した。次にリチウムを0.5nmドーピングし、アルミ
ニウムを200nm蒸着して陰極とし、5×5mm角の
素子を作製した。ここで言う膜厚は水晶発振式膜厚モニ
ター表示値である。次に高圧水銀灯により、1時間紫外
線照射を行った。この発光素子は橙色の発光を示した。
この発光素子は緑色の発光を示した。この発光素子は1
mAの定電流駆動を行ったところ、1000時間たって
も輝度半減には至らなかった。
【0034】
【化2】
【0035】比較例2 紫外線照射を行わなかったこと以外は実施例2と同様に
素子を作製した。この素子は緑色の発光を示したが、1
mAの定電流駆動を行ったところ、300時間で輝度が
半減した。
【0036】
【発明の効果】上記のように、製膜後の光反応により、
素子の熱安定性が向上し、耐久性が向上した。すなわち
本発明は、耐久性に優れ、電気エネルギーの利用効率が
高い発光素子を提供できるものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と陰極の間に発光物質が存在し、電気
    エネルギーにより発光する素子であって、該素子は光反
    応による生成物を少なくとも1種類含むことを特徴とす
    る発光素子。
  2. 【請求項2】発光物質を形成後、光照射を行うことを特
    徴とする請求項1記載の発光素子の製造方法。
  3. 【請求項3】前記光反応による生成物が2量体および/
    または多量体であることを特徴とする請求項1記載の発
    光素子。
  4. 【請求項4】前記光反応による生成物が発光物質である
    ことを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  5. 【請求項5】前記光反応による生成物が正孔輸送性物質
    であることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  6. 【請求項6】発光素子がマトリクスおよび/またはセグ
    メント方式によって表示するディスプレイを構成するこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の発光素
    子。
  7. 【請求項7】発光素子がバックライトであることを特徴
    とする請求項1〜6のいずれか記載の発光素子。
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