JP2003151774A - 発光素子 - Google Patents

発光素子

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JP2003151774A
JP2003151774A JP2001348774A JP2001348774A JP2003151774A JP 2003151774 A JP2003151774 A JP 2003151774A JP 2001348774 A JP2001348774 A JP 2001348774A JP 2001348774 A JP2001348774 A JP 2001348774A JP 2003151774 A JP2003151774 A JP 2003151774A
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JP2001348774A
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Seiichiro Murase
清一郎 村瀬
Takeshi Tominaga
剛 富永
Toru Kohama
亨 小濱
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐久性が高く、信頼性の高い発光素子を提供す
る。 【解決手段】陽極と陰極の間に発光物質が存在し、電気
エネルギーにより発光する素子であって、該素子が下記
一般式(1)で表される化合物を含む発光素子。 【化1】 (ここで、Lは点対称または線対称中心を有する蛍光性
骨格であり、かつ2環以上が縮合した平面性骨格であ
る。AおよびBは互いに異なっており、蛍光性骨格Lの
対称中心に対して対称の位置に存在する置換あるいは無
置換のアリール基である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気エネルギーを
光に変換できる素子であって、表示素子、フラットパネ
ルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標
識、看板、電子写真機、光信号発生器などの分野に利用
可能な発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】陰極から注入された電子と陽極から注入
された正孔が両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する
際に発光するという有機積層薄膜発光素子の研究が近年
活発に行われている。この素子は、薄型、低駆動電圧下
での高輝度発光、蛍光材料を選ぶことによる多色発光が
特徴であり注目を集めている。
【0003】この研究は、コダック社のC.W.Tan
gらが、有機積層薄膜発光素子が高輝度に発光すること
を示して以来(Appl.Phys.Lett.51
(12)21,p.913,1987)、多くの研究機
関が検討を行っている。コダック社の研究グループが提
示した有機積層薄膜発光素子の代表的な構成は、ITO
ガラス基板上に正孔輸送性のジアミン化合物、発光層で
あるトリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体、そ
して陰極としてMg:Agを順次設けたものであり、1
0V程度の駆動電圧で1000cd/m2の緑色発光が
可能であった。現在の有機積層薄膜発光素子は、上記の
素子構成要素の他に電子輸送層を設けているものなど構
成を変えているものもあるが、基本的にはコダック社の
構成を踏襲している。
【0004】多色発光の中では緑色発光材料の研究が最
も進んでおり、現在は赤色発光材料と青色発光材料にお
いて、耐久性に優れ十分な輝度と色純度特性を示すもの
が望まれ、特性向上を目指して鋭意研究がなされてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】有機積層薄膜発光素子
をフラットパネル・ディスプレイやバックライト等の光
源に応用するためには、素子の信頼性を十分に確保する
必要がある。しかしながら、従来の有機積層薄膜発光素
子では耐熱性が不十分であり、素子の劣化が避けられな
いため、信頼性が十分とはいえなかった。
【0006】素子の劣化の主原因は、有機層の薄膜形状
の劣化にあり、この薄膜形状の劣化は、素子駆動時の発
熱等による温度上昇で、有機非晶質薄膜が結晶化(また
は凝集)等の形状変化を生ずることに起因すると考えら
れている。この薄膜の耐熱性は有機材料のガラス転移温
度Tgと結晶化温度Tcが関与していると考えられる。そ
こでTgを上げる目的で、材料の分子量を大きくするこ
と(特開平8−48656号公報)や分子構造をリジッ
ドなものにすること(特開平7−110940号公報)
等が検討されているが、いずれも合成の難易度が増すこ
とや昇華温度が高くなる等問題点がある。また、アルキ
ル基を導入すると、Tgは低下するがTcが高くなるた
め、耐久性が向上するという報告もある(Appl.P
hys.Lett.51(12)21,p.913,1
987)が、十分な耐久性は得られていない。
【0007】本発明は、かかる問題を解決し、耐久性が
高く、かつ、電気エネルギーの利用効率の高い発光素子
を提供することが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、陽極と陰極の
間に発光物質が存在し、電気エネルギーにより発光する
素子であって、該素子が下記一般式(1)で表される化
合物を含む発光素子である。
【0009】
【化5】 ここで、Lは点対称または線対称中心を有する蛍光性骨
格であり、かつ2環以上が縮合した平面性骨格である。
AおよびBは互いに異なっており、蛍光性骨格Lの対称
中心に対して対称の位置に存在する置換あるいは無置換
のアリール基である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、陽極は、光を取
り出すために透明であれば酸化錫、酸化インジウム、酸
化錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物、あ
るいは金、銀、クロムなどの金属、ヨウ化銅、硫化銅な
どの無機導電性物質、ポリチオフェン、ポリピロール、
ポリアニリンなどの導電性ポリマなど特に限定されるも
のでないが、ITOガラスやネサガラスを用いることが
特に好ましい。
【0011】透明電極の抵抗は素子の発光に十分な電流
が供給できればよく、特に限定されないが、素子の消費
電力の観点からは低抵抗であることが好ましい。例えば
300Ω/□以下のITOガラス基板であれば素子電極
として機能するが、現在では10Ω/□程度の基板の供
給も可能になっていることから、低抵抗品を使用するこ
とが特に好ましい。
【0012】ITOガラス基板のITO膜の厚みは抵抗
値に合わせて任意に選ぶ事ができるが、通常100〜3
00nmの間で用いられることが多い。また、ガラス基
板はソーダライムガラス、無アルカリガラスなどが用い
られ、また厚みも機械的強度を保つのに十分な厚みがあ
ればよいので、0.5mm以上あれば十分である。ガラ
スの材質については、ガラスからの溶出イオンが少ない
方がよいので無アルカリガラスの方が好ましいが、Si
2 などのバリアコートを施したソーダライムガラスも
市販されているのでこれを使用できる。ITO膜形成方
法は、電子線ビーム法、スパッタリング法、化学反応法
など特に制限を受けるものではない。
【0013】陰極は、電子を発光物質を含む有機物層に
効率良く注入できる物質であれば特に限定されないが、
一般に白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウ
ム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリ
ウム、カルシウム、マグネシウムなどがあげられる。特
に、電子注入効率を上げて素子特性を向上させるために
はリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグ
ネシウムまたはこれら低仕事関数金属を含む合金が有効
である。しかし、これらの低仕事関数金属は、一般に大
気中で不安定であることが多く、例えば、有機層に微量
のリチウムやマグネシウム(真空蒸着の膜厚計表示で1
nm以下)をドーピングして安定性の高い電極を使用す
る方法が好ましい例として挙げることができるが、フッ
化リチウムのような無機塩の使用も可能であることから
特にこれらに限定されるものではない。更に電極保護の
ために白金、金、銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、イン
ジウムなどの金属、またはこれら金属を用いた合金、そ
してシリカ、チタニア、窒化ケイ素などの無機物、ポリ
ビニルアルコール、塩化ビニル、炭化水素系高分子など
を積層することが好ましい例として挙げられる。これら
の陰極の作製法も抵抗加熱、電子線ビーム、スパッタリ
ング、イオンプレーティング、コーティングなど導通を
取ることができれば特に制限されない。
【0014】次に、本発明の発光素子に含まれる有機材
料について説明する。有機材料は一般に分子の対称性が
高いほど、その分子は規則正しく並びやすくなり、結晶
性が高くなる。対称性の高い分子で構成される有機薄膜
は、素子駆動時の発熱等による温度上昇で結晶化し易い
ため、薄膜形状の劣化による素子寿命の低下の原因とな
る。とりわけ蛍光性骨格が点対称または線対称中心を有
する対称性骨格を有し、さらに該骨格が2環以上の縮合
環である場合、結晶性が高いと考えられる。本発明では
蛍光性骨格の対称中心に対して対称の位置に、互いに異
なる置換あるいは無置換のアリール基を導入することに
より、有機薄膜の結晶性を低減し、素子寿命の劣化を抑
制することができることを見出したものである。
【0015】したがって、本発明の発光素子は、下記一
般式(1)で表される化合物を発光物質中に含むことが
必要である。
【0016】
【化6】 ここで、Lは点対称または線対称中心を有する蛍光性骨
格であり、かつ2環以上が縮合した平面性骨格である。
AおよびBは互いに異なっており、蛍光性骨格Lの対称
中心に対して対称の位置に存在する置換あるいは無置換
のアリール基である。
【0017】さらなる結晶性低減のためには、分子の平
面性を低減することが必要であり、平面性骨格に対して
捻れた置換基を導入することが効果的である。すなわ
ち、一般式(1)のAおよびBの少なくとも一方が下記
一般式(2)で表されることが好ましい。
【0018】
【化7】 ここで、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アラル
キル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニ
ル基、アリール基、複素環基、ハロアルカン、ハロアル
ケン、ハロアルキン、シアノ基、アルデヒド基、カルボ
ニル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル
基、アミノ基、隣接置換基との間に形成される脂肪族環
あるいは芳香族環の中から選ばれる。R2〜R5は同じで
も異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアル
キル基、アラルキル基、アルケニル基、シクロアルケニ
ル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、ハロアル
カン、ハロアルケン、ハロアルキン、シアノ基、アルデ
ヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、
カルバモイル基、アミノ基、隣接置換基との間に形成さ
れる脂肪族環あるいは芳香族環の中から選ばれる。αは
母骨格Lとの連結部分を表す。
【0019】上記の捻れた置換基が剛直な骨格であると
結晶性低減の効果は大きくなる。すなわち、一般式
(1)のAおよびBの少なくとも一方が下記一般式
(3)で表されることが好ましい。
【0020】
【化8】 ここで、R6〜R12は前記R2〜R5の説明と同じであ
る。αは母骨格Lとの連結部分を表す。さらには、Aお
よびBがともに上記一般式(3)で表されることが好ま
しい。
【0021】さらに、一般式(1)のAおよびBの少な
くとも一方が下記一般式(4)で表されると、分子量が
大きくなるため好ましい。
【0022】
【化9】 ここで、R13〜R19のうち少なくとも一つが置換または
無置換のアリール基であるか、もしくは隣接置換基と縮
合環を形成する。残りの置換基は前記R2〜R5の説明と
同じである。αは母骨格Lとの連結部分を表す。
【0023】有機材料はガラス転移温度Tgを高くする
ためには、分子量を大きくしなければならず、合成や精
製の難易度が大きくなる。しかしながら、一般式(1)
で表される化合物を用いればTgがそれほど高くない材
料であっても結晶化温度Tcを高くすることによって、
材料の耐熱性を向上させ、素子の安定性を確保すること
ができる。この点から、TcとTgの間にTc≧Tg+50
が成立することが好ましい。
【0024】本発明における発光物質とは、1)正孔輸
送層/発光層、2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層、
3)発光層/電子輸送層、4)正孔輸送層/発光層/正
孔阻止層、5)正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子
輸送層、6)発光層/正孔阻止層/電子輸送層、そし
て、7)以上の組合わせ物質を一層に混合した形態のい
ずれであってもよい。即ち、素子構成としては、上記
1)〜6)の多層積層構造の他に7)のように発光材料
単独または発光材料と正孔輸送性材料や電子輸送性材料
を含む層を一層設けるだけでもよい。
【0025】さらに、本発明における発光物質は、自ら
発光するもの、その発光を助けるもののいずれでもよ
く、発光に関与している化合物、層などを指すものであ
る。本発明において一般式(1)で表される化合物は発
光層、特にホスト材料として含まれていることが好まし
いが、特に限定されるものではなく、上記発光物質のい
ずれに含まれていてもよく、一層もしくは複数層に含ま
れていてもよい。また、層全体に含まれていても、層の
一部分に含まれていてもよい。
【0026】正孔輸送層は正孔輸送性材料の一種または
二種以上を積層、混合するか、正孔輸送性材料と高分子
結着剤の混合物により形成される。正孔輸送性材料とし
てはN,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチル
フェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミ
ン、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−
4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンなどのトリ
フェニルアミン類、ビス(N−アリルカルバゾール)ま
たはビス(N−アルキルカルバゾール)類、ピラゾリン
誘導体、スチルベン系化合物、ヒドラゾン系化合物、オ
キサジアゾール誘導体やフタロシアニン誘導体、ポルフ
ィリン誘導体に代表される複素環化合物、ポリマー系で
は前記単量体を側鎖に有するポリカーボネートやスチレ
ン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリシランなどが
好ましいが、素子作製に必要な薄膜を形成し、陽極から
正孔が注入できて、さらに正孔を輸送できる化合物であ
れば特に限定されるものではない。
【0027】発光層は発光材料(ホスト材料、ドーパン
ト材料)により形成され、これはホスト材料とドーパン
ト材料との混合物であっても、ホスト材料単独であって
も、いずれでもよい。ホスト材料とドーパント材料は、
それぞれ一種類であっても、複数の組み合わせであって
も、いずれでもよい。ドーパント材料はホスト材料の全
体に含まれていても、部分的に含まれていても、いずれ
であってもよい。ドーパント材料は積層されていても、
分散されていても、いずれであってもよい。
【0028】発光材料としては所望の発光色に応じて様
々な材料の中から選択することができる。高輝度発光を
得るためには、特に限定されるものではないが、以前か
ら発光体として知られていたナフタレン、アントラセ
ン、フェナンスレン、ピレン、トリフェニレン、ペリレ
ン、トラキセン、フルオレン、インデン、9,9’−ス
ピロビフルオレンなどの芳香族炭化水素化合物やその誘
導体、フラン、ピロール、チオフェン、シロール、9−
シラフルオレン、9,9’−スピロビシラフルオレン、
ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ジベン
ゾチオフェン、ジベンゾフラン、イミダゾピリジン、フ
ェナントロリン、ピラジン、ナフチリジン、キノキサリ
ン、ピロロピリジン、チオキサンテンなどの芳香族複素
環化合物やその誘導体、トリス(8−キノリノラト)ア
ルミニウム錯体などのキノリノール金属錯体、ビピリジ
ン金属錯体、ローダミン金属錯体、アゾメチン金属錯
体、ジスチリルベンゼン誘導体、テトラフェニルブタジ
エン誘導体、スチルベン誘導体、アルダジン誘導体、ク
マリン誘導体、フタルイミド誘導体、ナフタルイミド誘
導体、ペリノン誘導体、ピロロピロール誘導体、シクロ
ペンタジエン誘導体、アクリドン誘導体、イミダゾー
ル、チアゾール、チアジアゾール、カルバゾール、オキ
サゾール、オキサジアゾール、トリアゾールなどのアゾ
ール誘導体およびその金属錯体、ピロメテン誘導体、メ
ロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体などが蛍光量子
収率が高いため好適に用いることができる。
【0029】ドーパント材料の量は、多すぎると濃度消
光現象が起きるため、ホスト材料に対して10重量%以
下で用いることが好ましく、更に好ましくは2重量%以
下である。ドーピング方法としては、ホスト材料との共
蒸着法によって形成することができるが、ホスト材料と
予め混合してから同時に蒸着しても良い。
【0030】上記電子輸送層を構成する電子輸送性材料
は、電界を与えられた電極間において陰極からの電子を
効率良く輸送することが必要で、電子注入効率が高く、
注入された電子を効率良く輸送することが好ましい。そ
のためには電子親和力が大きく、しかも電子移動度が大
きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製
造時および使用時に発生しにくい物質であることが要求
される。このような条件を満たす物質として、トリス
(8−キノリノラト)アルミニウム錯体に代表されるキ
ノリノール誘導体金属錯体、トロポロン金属錯体、フラ
ボノール金属錯体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、
ナフタレン、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導
体、アルダジン誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン
誘導体、フェナントロリン誘導体、ビピリジン誘導体、
シロール誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導
体、芳香族リンオキサイド誘導体などが挙げられるが、
特に限定されるものではない。これらの電子輸送性材料
は単独でも用いられるが、異なる電子輸送性材料と積層
または混合して使用しても構わない。
【0031】正孔阻止層は、正孔阻止性物質の一種また
は二種以上を積層、混合することにより形成される。正
孔阻止性物質としてはフェナントロリン誘導体、シロー
ル誘導体、キノリノール誘導体金属錯体、オキサジアゾ
ール誘導体、オキサゾール誘導体、ビピリジン誘導体な
どが好ましいが、正孔が陰極側から素子外部に流れ出て
しまい発光効率が低下するのを阻止することができる化
合物であれば特に限定されるものではない。
【0032】以上の正孔輸送層、発光層、電子輸送層、
正孔阻止層に用いられる材料は、単独で各層を形成する
ことができるが、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、
ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカ
ルバゾール)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチル
メタクリレート、ポリエステル、ポリスルフォン、ポリ
フェニレンオキサイド、ポリブタジエン、炭化水素樹
脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリサルフォン、ポ
リアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹
脂、ポリウレタン樹脂などの溶剤可溶性樹脂や、フェノ
ール樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹脂、メラ
ミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エ
ポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの硬化性樹脂などを用
い、これに分散させて用いることも可能である。
【0033】発光物質の形成方法は、抵抗加熱蒸着、電
子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、コーティ
ング法など特に限定されるものではないが、通常は、抵
抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着が特性面で好ましい。層の
厚みは、発光物質の抵抗値にもよるので限定することは
できないが、1〜1000nmの間から選ばれる。
【0034】本発明において、電気エネルギーとは主に
直流電流を指すが、パルス電流や交流電流を用いること
も可能である。電流値および電圧値は特に制限はない
が、素子の消費電力、寿命を考慮するとできるだけ低い
エネルギーで最大の輝度が得られるようにするべきであ
る。
【0035】さらに本発明の発光素子は、マトリクスお
よび/またはセグメント方式によって表示するディスプ
レイに好ましく用いられる。
【0036】本発明におけるマトリクス方式とは、表示
のための画素が格子状に配置され、画素の集合で文字や
画像を表示する方式である。画素の形状、サイズは用途
によって決まる。例えばパソコン、モニター、テレビの
画像および文字表示には、通常一辺が300μm以下の
四角形の画素が用いられるし、表示パネルのような大型
ディスプレイの場合は、一辺がmmオーダーの画素を用
いることになる。モノクロ表示の場合は、同じ色の画素
を配列すればよいが、カラー表示の場合には、赤、緑、
青の画素を並べて表示させる。この場合、典型的にはデ
ルタタイプとストライプタイプがある。そして、このマ
トリクスの駆動方法としては、線順次駆動方法やアクテ
ィブマトリックスのどちらでもよい。線順次駆動の方が
構造が簡単であるという利点があるが、動作特性を考慮
した場合、アクティブマトリックスの方が優れる場合が
あるので、これも用途によって使い分けることが必要で
ある。
【0037】本発明におけるセグメント方式とは、予め
決められた情報を表示するようにパターンを形成し、決
められた領域を発光させるものである。例えば、デジタ
ル時計や温度計における時刻や温度表示、オーディオ機
器や電磁調理器などの動作状態表示、自動車のパネル表
示などが挙げられる。そして、前記マトリクス方式とセ
グメント方式の表示は同じパネルの中に共存させてもよ
い。
【0038】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
【0039】実施例1 ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板
(旭硝子(株)製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を
30×40mmに切断、エッチングを行った。得られた
基板をアセトン、”セミコクリン56”(フルウチ化学
(株)製)で各々15分間超音波洗浄してから、超純水
で洗浄した。続いてイソプロピルアルコールで15分間
超音波洗浄してから熱メタノールに15分間浸漬させて
乾燥させた。
【0040】この基板を素子を作製する直前に1時間U
V−オゾン処理し、真空蒸着装置内に設置して、装置内
の真空度が5×10-5Pa以下になるまで排気した。抵
抗加熱法によって、まず正孔輸送性材料として4,4’
−ビス(N−(m−トリル)−N−フェニルアミノ)ビ
フェニルを50nm蒸着した。次に発光材料として下記
化合物EM1(5)を45nm蒸着し、電子輸送性材料と
して、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,1
0−フェナントロリンを5nmの厚さに積層した。次に
リチウムを0.5nmドーピングし、アルミニウムを2
00nm蒸着して陰極とし、5×5mm角の素子を作製
した。ここで言う膜厚は水晶発振式膜厚モニター表示値
である。
【0041】この発光素子は橙色の発光を示した。この
発光素子は1mAの定電流駆動を行ったところ、500
時間たっても輝度半減には至らなかった。
【0042】
【化10】 比較例1 発光材料として下記化合物EM2(6)を用いたこと以外
は、実施例1と同様に素子を作製した。この素子は橙色
の発光を示したが、1mAの定電流駆動を行ったとこ
ろ、100時間で輝度が半減した。
【0043】
【化11】 実施例2 実施例1と同様の処理を行った基板上に、抵抗加熱法に
よって、まず正孔輸送性材料として下記化合物HTL1
(7)を50nm蒸着した。次に発光材料としてトリス
(8−キノリノラト)アルミニウム錯体を45nm蒸着
し、電子輸送性材料として、2,9−ジメチル−4,7
−ジフェニル−1,10−フェナントロリンを5nmの
厚さに積層した。次にリチウムを0.5nmドーピング
し、アルミニウムを200nm蒸着して陰極とし、5×
5mm角の素子を作製した。この発光素子は緑色の発光
を示した。この発光素子は1mAの定電流駆動を行った
ところ、1000時間たっても輝度半減には至らなかっ
た。
【0044】
【化12】 比較例2 正孔輸送性材料として下記化合物HTL2(8)を用い
たこと以外は、実施例2と同様に素子を作製した。この
素子は緑色の発光を示したが、1mAの定電流駆動を行
ったところ、300時間で輝度が半減した。
【0045】
【化13】
【0046】
【発明の効果】上記のように、一般式(1)で表される
化合物を発光素子に用いることにより、素子の熱安定性
が向上し、耐久性が向上した。すなわち本発明は、耐久
性に優れ、信頼性の高い発光素子を提供できるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB04 AB11 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と陰極の間に発光物質が存在し、電気
    エネルギーにより発光する素子であって、該素子が下記
    一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする
    発光素子。 【化1】 (ここで、Lは点対称または線対称中心を有する蛍光性
    骨格であり、かつ2環以上が縮合した平面性骨格であ
    る。AおよびBは互いに異なっており、蛍光性骨格Lの
    対称中心に対して対称の位置に存在する置換あるいは無
    置換のアリール基である。)
  2. 【請求項2】一般式(1)のAおよびBの少なくとも一
    方が下記一般式(2)で表される請求項1記載の発光素
    子。 【化2】 (ここで、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アラ
    ルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキ
    ニル基、アリール基、複素環基、ハロアルカン、ハロア
    ルケン、ハロアルキン、シアノ基、アルデヒド基、カル
    ボニル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル
    基、アミノ基、隣接置換基との間に形成される脂肪族環
    あるいは芳香族環の中から選ばれる。R2〜R5は同じで
    も異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアル
    キル基、アラルキル基、アルケニル基、シクロアルケニ
    ル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、ハロアル
    カン、ハロアルケン、ハロアルキン、シアノ基、アルデ
    ヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、
    カルバモイル基、アミノ基、隣接置換基との間に形成さ
    れる脂肪族環あるいは芳香族環の中から選ばれる。αは
    母骨格Lとの連結部分を表す。)
  3. 【請求項3】一般式(1)のAおよびBの少なくとも一
    方が下記一般式(3)で表される請求項1記載の発光素
    子。 【化3】 (ここで、R6〜R12は同じでも異なっていてもよく、
    水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、
    アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、ア
    リール基、複素環基、ハロアルカン、ハロアルケン、ハ
    ロアルキン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、
    カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ
    基、隣接置換基との間に形成される脂肪族環あるいは芳
    香族環の中から選ばれる。αは母骨格Lとの連結部分を
    表す。)
  4. 【請求項4】一般式(1)のAおよびBがともに上記一
    般式(3)で表される請求項3記載の発光素子。
  5. 【請求項5】一般式(1)のAおよびBの少なくとも一
    方が下記一般式(4)で表される請求項1記載の発光素
    子。 【化4】 (ここで、R13〜R19のうち少なくとも一つが置換また
    は無置換のアリール基であるか、もしくは隣接置換基と
    縮合環を形成する。残りの置換基は同じでも異なってい
    てもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラ
    ルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキ
    ニル基、アリール基、複素環基、ハロアルカン、ハロア
    ルケン、ハロアルキン、シアノ基、アルデヒド基、カル
    ボニル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル
    基、アミノ基、隣接置換基との間に形成される脂肪族環
    あるいは芳香族環の中から選ばれる。αは母骨格Lとの
    連結部分を表す。)
  6. 【請求項6】一般式(1)で表される化合物のガラス転
    移温度Tgおよび結晶化温度Tcが、Tc≧Tg+50を満
    足する請求項1記載の発光素子。
  7. 【請求項7】マトリクスおよび/またはセグメント方式
    によって表示するディスプレイ用である請求項1記載の
    発光素子。
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