JP2002220569A - 加熱剥離型粘着シートの製造方法 - Google Patents

加熱剥離型粘着シートの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱膨張性微小球を含有する熱膨張性粘着層を
備えた加熱剥離型粘着シートを製造する際、粘着層表面
の平滑性を向上させることのできる加熱剥離型粘着シー
トの製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の加熱剥離型粘着シート製造方法
は、少なくとも基材の片側に熱膨張性微小球を含有する
熱膨張性粘着層を備えた加熱剥離型粘着シートを製造す
る方法であって、基材上に熱膨張性粘着層を形成した
後、(i)該熱膨張性粘着層の表面に剥離可能なフィル
ムを貼り合わせて、ラミネート加工を施す工程、及び
(ii)加圧処理を施す工程、から選択された少なくとも
一種の工程を含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱剥離型粘着シ
ートの製造方法、より詳細には、粘着層表面の平滑性を
向上させることのできる加熱剥離型粘着シートの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】基材上に熱膨張性微小球を含有する熱膨
張性粘着層を積層させた加熱剥離型粘着シート(例え
ば、商品名「リバアルファ」及び「リバクリーン」、日
東電工(株)製)が各種の分野において様々な用途に使
用されている。この粘着シートによれば、被着体を貼
着、固定して該被着体に所望の加工を施すことができる
とともに、加工後には、加熱により熱膨張性粘着層中の
熱膨張性微小球を膨張させて粘着力を低下又は消失させ
ることにより、被着体を容易に剥離させることができ
る。
【0003】しかし、従来の製造方法により得られる加
熱剥離型粘着シートは、粘着層表面に熱膨張性微小球に
起因する凹凸が生じ、この凹凸により被着体への粘着不
足や貼り付け後の経時による剥がれなどが発生し、粘着
シートとしての機能に支障をきたすことがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱膨
張性微小球を含有する熱膨張性粘着層を備えた加熱剥離
型粘着シートを製造する際、粘着層表面の平滑性を向上
させることのできる加熱剥離型粘着シートの製造方法を
提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため鋭意検討した結果、加熱剥離型粘着シート
の製造工程において、熱膨張性微小球を含有する粘着剤
を基材に塗布し乾燥した後、ラミネート加工や加圧処理
することで粘着層表面の平滑性を向上させることができ
ることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明
は、少なくとも基材の片側に熱膨張性微小球を含有する
熱膨張性粘着層を備えた加熱剥離型粘着シートを製造す
る方法であって、基材上に熱膨張性粘着層を形成した
後、(i)該熱膨張性粘着層の表面に剥離可能なフィル
ムを貼り合わせて、ラミネート加工を施す工程、及び
(ii)加圧処理を施す工程、から選択された少なくとも
一種の工程を含むことを特徴とする加熱剥離型粘着シー
トの製造方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は
本発明の製造方法により得られる加熱剥離型粘着シート
の一例を示す概略断面図であり、支持基材1の一方の面
に、ゴム状有機弾性層2を介して、熱膨張性粘着層3が
設けられ、さらにその上に剥離可能なフィルム4が積層
されている。なお、基材1の片面にゴム状有機弾性層2
と熱膨張性粘着層3を有し、他面に普通の接着剤層を有
する接着シートを用いることもできる。また、ゴム状有
機弾性層2は必ずしも設ける必要はない。
【0007】支持基材1は加熱剥離型粘着シートの支持
母体となるもので、一般にはプラスチックのフィルムや
シートが用いられるが、例えば紙、布、不織布、金属
箔、あるいはそれらのプラスチックラミネート体、プラ
スチック同士の積層体などの適宜な薄葉体を用いうる。
支持基材1の厚さは、一般には500μm以下、好まし
くは1〜300μm、さらに好ましくは5〜250μm
程度であるが、これらに限定されない。
【0008】ゴム状有機弾性層2は、加熱剥離型粘着シ
ートを被着体に接着する際にその表面が被着体の表面形
状に良好に追従して大きい接着面積を提供する働きと、
加熱剥離型粘着シートを被着体から剥離するために熱膨
張性粘着層3を加熱して発泡及び/または膨張させる際
に加熱剥離型粘着シートの面方向における発泡及び/ま
たは膨張の拘束を少なくして、熱膨張性粘着層3が三次
元的構造変化することによるうねり構造形成を助長する
働きをするものである。
【0009】ゴム状有機弾性層2は、ASTM D−2
240に基づくD型シュアーD型硬度が50以下、好ま
しくは40以下の天然ゴムや合成ゴム、又はゴム弾性を
有する合成樹脂により形成することができる。
【0010】前記の合成ゴム又は合成樹脂としては、例
えば、ニトリル系、ジエン系、アクリル系などの合成ゴ
ム;ポリオレフィン系、ポリエステル系などの熱可塑性
エラストマー;エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウ
レタン、ポリブタジエン、軟質ポリ塩化ビニルなどの、
ゴム弾性を有する合成樹脂などが挙げられる。なお、ポ
リ塩化ビニルなどのように本質的には硬質系ポリマーで
あっても、可塑剤や柔軟剤等の配合剤との組み合わせ
で、ゴム弾性をもたせたものも本発明では用いうる。
【0011】また、ゴム系や樹脂などの一般的に知られ
る感圧接着剤により形成することもできる。感圧接着剤
としては、ゴム系感圧接着剤、アクリル系感圧接着剤、
スチレン−共役ジエンブロック共重合体系感圧接着剤な
どの適宜なものを用いることができる。また、融点が約
200℃以下等の熱溶融性樹脂を配合してクリープ特性
を改良した感圧接着剤を用いることもできる。なお、感
圧接着剤は、架橋剤、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、老
化防止剤などの適宜な添加剤を含んでいてもよい。
【0012】感圧接着剤としては、より具体的に例え
ば、天然ゴムや合成ゴムをベースポリマーとしたゴム系
感圧接着剤;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニ
ル基、イソデシル基、ドデシル基、ラウリル基、トリデ
シル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシ
ル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、
などの炭素数が20以下のアルキル基を有するアクリル
酸ないしメタクリル酸等のアクリル酸系アルキルエステ
ル、アクリル酸、メタクリル酸、イコタン酸、アクリル
酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、
アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキ
シプロピル、N−メチロールアクリルアミド、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸グリシジル、酢酸ビニル、スチレン、
イソプレン、ブタジエン、イソブチレン、ビニルエーテ
ルなどを主成分とするアクリル系ポリマーをベースポリ
マーとするアクリル系感圧接着剤などが挙げられる。
【0013】熱膨張性粘着層3は、少なくとも、粘着性
を付与するための粘着剤と、熱膨張性を付与するための
熱膨張性微小球(マイクロカプセル)とを含んでいる。
そのため、被着体を貼着、固定して該被着体に所望の加
工を施した後、熱膨張性粘着層3を加熱して、熱膨張性
微小球を発泡及び/又は膨張処理することにより、熱膨
張性粘着層3と被着体との接着面積を減少させて、粘着
シートを容易に剥離することができる。なお、マイクロ
カプセル化していない発泡剤では、良好な剥離性を安定
して発現させることができない。
【0014】熱膨張性微小球としては、例えば、イソブ
タン、プロパン、ペンタンなどの、加熱により容易にガ
ス化して膨張する物質を、弾性を有する殻内に内包させ
た微小球であればよい。前記殻は、熱溶融性物質や熱膨
張により破壊する物質で形成される場合が多い。前記殻
を形成する物質として、例えば、塩化ビニリデン−アク
リロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアク
リロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなど
が挙げられる。熱膨張性微小球は、慣用の方法、例え
ば、コアセルベーション法、界面重合法などにより製造
できる。なお、熱膨張性微小球には、例えば、マツモト
マイクロスフェア[商品名、松本油脂製薬(株)製]な
どの市販品もある。
【0015】加熱処理により熱膨張性粘着層3の接着力
を効率よく低下させるため、体積膨張率が5倍以上、特
に10倍以上となるまで破裂しない適度な強度を有する
熱膨張性微小球が好ましい。
【0016】熱膨張性微小球の配合量は、粘着層の膨張
倍率や接着力の低下性などに応じて適宜設定しうるが、
一般には熱膨張性粘着層3を形成するベースポリマー1
00重量部に対して、例えば1〜150重量部、好まし
くは10〜130重量部、さらに好ましくは25〜10
0重量部である。
【0017】熱膨張性粘着層3を形成する粘着剤として
は、加熱時に熱膨張性微小球の発泡及び/又は膨張を許
容するゴム系材料や樹脂等をベースとする慣用乃至公知
の感圧接着剤、好ましくは熱膨張性微小球の発泡及び/
又は膨張を可及的に拘束しないようなものが用いられ
る。このような感圧接着剤としては、例えば、前記ゴム
状有機弾性層において例示した感圧接着剤が挙げられ
る。なお熱膨張性粘着層は、加熱前には被着体に強固に
接着するが、加熱処理後に接着力が低下するという特徴
を持つ感圧接着剤を有するものが好ましい。具体的に
は、動的弾性率が常温から150℃において5千〜10
0万Paの範囲にあるポリマーをベースとした感圧接着
剤である。なお、感圧接着剤の弾性率は、ARES(レ
オメトリック社製)を用い、周波数1Hzの時のせん断
弾性率を測定した。
【0018】熱膨張性粘着層3及びゴム状有機弾性層2
の厚さは、それぞれ5〜300μm、好ましくは20〜
150μmを用いる。但し、熱膨張性粘着層3の厚さ
は、含有する熱膨張性微小球の最大粒径よりも厚い方が
好ましい。厚さが薄いと熱膨張性微小球の凹凸により表
面平滑性が損なわれ、加熱前接着力が低下する。また、
必要以上に厚いと熱膨張性粘着層3の発泡後に凝集破壊
が起こり、被着体に糊残りが発生する場合がある。ゴム
状有機弾性層2の厚みが薄いと、加熱発泡後の3次元的
構造変化をとることができず、剥離性が悪化する。
【0019】剥離可能なフィルム(セパレータ)4は、
熱膨張性粘着層3の保護材として機能し、粘着シートを
被着体に貼着する際に剥がされる。剥離可能なフィルム
4には、例えば、慣用のプラスチックのフィルムやシー
トが用いられ、より具体的には紙、布、不織布、金属
箔、あるいはそれらのプラスチックラミネート体、プラ
スチック同士の積層体などの適宜な薄葉体を用いること
ができる。
【0020】本発明の製造方法の主たる特徴は、上記の
加熱剥離型粘着シートを製造するに際し、基材上に熱膨
張性粘着層を形成した後、(i)該熱膨張性粘着層の表
面に剥離可能なフィルムを貼り合わせて、ラミネート加
工を施す工程、及び(ii)加圧処理を施す工程から選択
された少なくとも一種の工程を含む点にある。上記の
(i)及び/又は(ii)の工程を経ることにより、加熱
剥離型粘着シートの粘着層の平滑性を著しく高めること
ができる。
【0021】前記の工程(i)において、ラミネート加
工とは、基材上に熱膨張性粘着層を形成したシートと前
記剥離可能なフィルムとをラミネート機により圧力をか
けて積層することを意味する。図2は本発明におけるラ
ミネート加工工程を示す概略図である。この工程では、
基材上に熱膨張性粘着層を形成した粘着シート5と剥離
可能なフィルム6とをラミネートロール7でラミネート
加工する。工程(i)で用いられる剥離可能なフィルム
6は、粘着層表面の平滑性に直接影響を与えるので、特
に高い平滑性が求められる。中心線平均粗さ(Ra)
は、例えば1μm以下が望ましいが、必要な用途におい
て適宜にその平滑性を選択すればよい。剥離可能なフィ
ルム6としては、前記剥離可能なフィルム4と同様のも
のを使用できる。剥離性を高めるために、剥離可能なフ
ィルムの片面又は両面にシリコーン系やフッ素系、長鎖
アルキル系などの離型剤による離型処理を施したものも
用いられる。剥離可能なフィルムの厚さは、5〜250
μmが一般的であるが、これに限定されない。
【0022】ラミネートロール7の素材は、金属、ゴ
ム、シリコーンゴム、プラスチック等適宜に選択でき
る。また、ラミネート加工する際には、ラミネートロー
ル7を加熱して行ってもよく、また、ラミネートロール
7を真空下や加熱雰囲気下においてラミネート加工を行
ってもよいが、加熱する場合、熱膨張性微小球の膨張温
度以下であることが必要である。ラミネート圧力は0.
01〜1000MPa(ゲージ圧)、好ましくは、1〜
50MPa(ゲージ圧)であるが、基材の弾性率や厚
み、基材材質や厚みにより適宜に選択できるため、その
限りではない。ラミネート加工後、剥離可能なフィルム
6はそのままセパレータ4として使用できるが、フィル
ム6を剥がして別のフィルムをセパレータ4として貼り
合わせてもよい。
【0023】図3はラミネート加工前の加熱剥離型粘着
シートの断面を表す模式図である。図3は、熱膨張性微
小球8Bと8Dは熱膨張性粘着層9の内部に完全に埋め
込まれているが、熱膨張性微小球8Aと8Cが熱膨張性
粘着層9表面に凹凸を作っている状態を示している。1
0が支持基材である。
【0024】図4は、ラミネート加工を施した後の加熱
剥離型粘着シートの断面を表す模式図である。図3にお
いて熱膨張性粘着層9表面に凹凸を作っていた熱膨張性
微小球8Aと8Cが、ラミネート加工により熱膨張性粘
着層9の中に埋め込まれ、図4に示すように粘着面を平
滑にすることができる。
【0025】前記工程(ii)において、加圧処理とは、
基材上に熱膨張性粘着層を形成したシートを加圧雰囲気
下に置くことを意味する。熱膨張性粘着層上には剥離可
能なフィルムが積層されていてもよい。加圧処理は例え
ばオートクレーブなどの耐圧容器中で行うことができ
る。
【0026】図5は前記ラミネート加工を施した後の加
熱剥離型粘着シートの一例の断面を表す模式図である。
ラミネート加工を施すことにより、熱膨張性微小球8は
熱膨張性粘着層9に埋め込まれるが、熱膨張性粘着層9
と剥離可能なフィルム11との界面には熱膨張性微小球
8Aと8B、8Bと8Cの間に示すような空洞12が存
在する場合がある。
【0027】ラミネート加工に次いで、オートクレーブ
等を用いて加圧処理を施すと、図6に示す模式図のよう
に、界面に存在していた空洞12が分散又は消失するこ
とで、粘着層表面の平滑性がさらに増大する。加圧処理
時の圧力は0.01〜1000MPa(ゲージ圧)、好
ましくは、1〜50MPa(ゲージ圧)である。また、
加圧処理時には、熱膨張性微小球の熱膨張温度以下の範
囲で加熱することも可能である。加圧処理時の温度は、
好ましくは30〜70℃である。なお、基材上に熱膨張
性粘着層を形成した後にラミネート加工を行うことなく
加圧処理を施してもよく、また加圧処理後にラミネート
加工を行ってもよい。
【0028】このように、本発明では、基材上に熱膨張
性粘着層を形成したシートにラミネート加工を施す
(i)ことにより粘着層表面に存在する熱膨張性微小球
の凹凸をなくすことができるとともに、前記シートにオ
ートクレーブ等により加圧処理を施す(ii)ことによ
り、粘着層と剥離可能なフィルムの界面等に存在する空
洞を分散、又は消失させることができ、粘着層表面の平
滑性を増大させることができる。より好ましくは、ラミ
ネート加工(i)、加圧処理(ii)とを組み合わせるこ
とでさらに平滑性を向上させることができる。従って本
発明の製造方法により製造された加熱剥離型粘着シート
を用いると、被着体への粘着不足や、貼り付け後の経時
による剥がれなどを防止又は抑制できる。
【0029】こうして得られる加熱剥離型粘着シート
は、被着体に貼り付けて固定することにより、該被着体
に所望の加工を施すことができ、その後、加熱により熱
膨張性粘着層の熱膨張性微小球を膨張させて粘着力を低
下又は消失させることにより、被着体から容易に剥離さ
せることができる。
【0030】被着体より容易に剥離するための加熱処理
条件は、被着体の表面状態や熱膨張性微小球の種類等に
よる接着面積の減少性、基材や被着体の耐熱性や加熱方
法等の条件により適宜設定できる。一般的な加熱処理条
件は、温度90〜250℃で、10〜300秒間(ホッ
トプレート等)または1〜30分間(熱風乾燥器等)で
ある。上記加熱条件で、通例、粘着層の熱膨張性微小球
が膨張及び/又は発泡して粘着層が膨張変形し、接着力
が低下ないし喪失する。なお、加熱処理は使用目的に応
じて適宜な段階で行うことができる。また、加熱源とし
ては、赤外線ランプや加熱水を用いることができる場合
もある。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、加熱剥離型粘着シート
を製造する際、基材上に熱膨張性粘着層を形成した後、
剥離可能なフィルムを貼り合わせてラミネート加工する
ことにより、粘着層表面付近にある、粘着層表面に凹凸
を作る起因となる熱膨張性微小球を粘着層に押し込むこ
とができ、粘着層表面の平滑性を向上させることができ
る。
【0032】また、加熱剥離型粘着シートを製造する
際、基材上に熱膨張性粘着層を形成した後、オートクレ
ーブ等の加圧可能な装置で加圧処理することにより、粘
着層と支持基材の界面、又は粘着層と剥離可能なフィル
ムの界面に存在する空気が押し出される、または分散さ
れることで粘着層表面の平滑性が向上する。さらに、ラ
ミネート加工を施す工程と加圧処理を施す工程とを組み
合わせることにより、粘着層表面の平滑性がより向上し
た加熱剥離型粘着シートを得ることができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定さ
れるものではない。 実施例1 アクリル酸ブチル−アクリル酸2−エチルヘキシル−ア
クリル酸(70重量部−30重量部−5重量部)共重合
体系感圧接着剤100重量部に対し、イソシアナート系
架橋剤2重量部、ロジン系粘着付与樹脂5重量部、熱膨
張性微小球(商品名「マツモトマイクロスフェアF−5
0D」、松本油脂製薬(株)製)50重量部を含むトル
エン溶液を、乾燥後の厚さが40μmとなるように厚さ
50μmのポリエステルフィルム(商品名「ルミラーS
10」、東レ(株)製)に塗布し、乾燥後、シリコーン
ゴム製ラミネートロール(ラミネート圧力:4MPa
(ゲージ圧))を用いて厚さ25μmのシリコーン処理
したPET(ポリエチレンテレフタレート製)セパレー
タ(表面粗さRa:0.02μm)に貼りあわせて加熱
剥離型粘着シートを得た。
【0034】実施例2 実施例1で得た加熱剥離性粘着シートをオートクレーブ
に入れ、圧力5MPa(ゲージ圧)、温度40℃の条件
下、10分加圧処理を施して加熱剥離型粘着シートを得
た。
【0035】比較例1 実施例1と同様の方法で基材(ポリエステルフィルム)
上に熱膨張性粘着層を形成して得たシートを、そのまま
(ラミネート加工を施すことなく)加熱剥離型粘着シー
トとした。
【0036】評価試験 実施例及び比較例で得られた各加熱剥離型粘着シートに
ついて、加熱前の熱膨張性粘着層表面の中心線平均粗さ
と最大ギャップ(最高部と最低部の高低差)を、菱化シ
ステム社製の非接触表面形状観察装置(Microma
p)を用いて測定し、測定結果を表1に示した。
【0037】測定条件 対物レンズ倍率:50倍、測定モード:WAVE56
0、FORMAT:640×480、CAMERA:H
ITACHI KPM1U2/3、Body Tub
e:1 X Body、Relay Lanze:No
Relay
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により得られる加熱剥離型粘
着シートの一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明におけるラミネート加工工程を示す概略
図である。
【図3】ラミネート加工前の加熱剥離型粘着シートの断
面を表す模式図である。
【図4】ラミネート加工後の加熱剥離型粘着シートの断
面を表す模式図である。
【図5】ラミネート加工後、加圧処理を行う前の加熱剥
離型粘着シートの断面を表す模式図である。
【図6】ラミネート加工後、加圧処理を行った後の加熱
剥離型粘着シートの断面を表す模式図である。
【符号の説明】
1 支持基材 2 ゴム状有機弾性層 3 熱膨張性粘着層 4 剥離可能なフィルム(セパレータ) 5 基材上に熱膨張性粘着層を形成した粘着シート 6 剥離可能なフィルム 7 ラミネートロール 8 熱膨張性微小球 9 熱膨張性粘着層 10 支持基材 11 剥離可能なフィルム 12 空洞
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 秋桐 大阪府茨木市下穂積一丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 木内 一之 大阪府茨木市下穂積一丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4J004 AB01 AB05 AC01 GA01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基材の片側に熱膨張性微小球
    を含有する熱膨張性粘着層を備えた加熱剥離型粘着シー
    トを製造する方法であって、基材上に熱膨張性粘着層を
    形成した後、(i)該熱膨張性粘着層の表面に剥離可能
    なフィルムを貼り合わせて、ラミネート加工を施す工
    程、及び(ii)加圧処理を施す工程、から選択された少
    なくとも一種の工程を含むことを特徴とする加熱剥離型
    粘着シートの製造方法。
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Cited By (6)

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