JP2002218905A - 冷凍食品及びその製造方法 - Google Patents

冷凍食品及びその製造方法

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JP2002218905A
JP2002218905A JP2001013920A JP2001013920A JP2002218905A JP 2002218905 A JP2002218905 A JP 2002218905A JP 2001013920 A JP2001013920 A JP 2001013920A JP 2001013920 A JP2001013920 A JP 2001013920A JP 2002218905 A JP2002218905 A JP 2002218905A
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preheating
vegetables
brine
freezing
texture
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Takehiro Ishida
丈博 石田
Hideki Matsuda
秀喜 松田
Hideo Morita
日出男 森田
Satoshi Akazawa
智 赤澤
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Takara Holdings Inc
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Alpha Systems KK
Takara Holdings Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 野菜を含む冷凍食品を解凍、加熱後に食する
際に食感の低下、及び外観の劣化を防ぐ方法を提供す
る。 【解決手段】 少なくとも一種類の野菜類を予備加熱す
る工程、該野菜類を単独又は他の食品材料と共に調理す
る工程、及び不凍液中に高電位電場を与えながらブライ
ン冷凍を行う工程を含む冷凍食品の製造方法。当該製造
方法により得られる冷凍食品。該予備加熱は、45〜6
5℃、30〜120分で行うのが好ましい。また、野菜
類とは栽培される草本性植物の全体又は一部である。 【効果】 解凍後加熱して食する際の食感及び外観が実
質的に冷凍前と同等であるものが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、予備加熱した野菜
類を用いる冷凍食品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、女性の社会進出の増加、核家族
化、及び利便性などといった点から、惣菜市場、レトル
ト市場、及び冷凍食品市場の伸長は、著しいものがあ
る。惣菜市場で販売されている調理済みの食品はさまざ
まな種類に及び、その例としては、調理パン、弁当、お
にぎり、鶏の唐揚げや天ぷらといったフライ類、サラ
ダ、野菜の煮物が挙げられる。これらの惣菜類は、必要
に応じて、電子レンジ等で温めることにより簡単に食す
ることができる。しかし、惣菜類は、保存期間が冷蔵保
存においても非常に短く、pH調整剤、及び日持ち向上
剤を使用しても保存期間の大幅な向上はない。更に、こ
れらの食品添加物を用いることにより酸味が付与される
など味や香りに悪影響が及ぶ。
【0003】長期保存する方法としては、レトルト保
存、及び冷凍保存がある。レトルト保存は、常温で1年
〜2年保存可能であり、長期間の保存に耐えうる。調理
もパウチを開けて内容物を容器に移すか、若しくはその
まま温めることにより、簡単に食することができる。し
かし、レトルト保存を行っている食品は、無処理のもの
と比べると風味の劣化が大きく、食感も軟弱になるとい
った欠点がある。
【0004】一方、冷凍食品は、冷凍保存装置の普及に
よりその生産数量が、家庭用及び業務用共に増加の一途
をたどっている。従来における主たる生産品目はフライ
類であったが、近年、フライ類以外の品目も増加してお
り、フライ類以外の品目の生産数量の合計が50%以上
に至っており、その品目は多岐にわたっている。フライ
類を含めたこれらの品目は、完全に調理済みで電子レン
ジ等で温めて食するものと、調理途中で販売されている
ものを購入して更に少し調理しただけで食することがで
きるものがあるが、どちらの場合においても、容易に食
することができる。
【0005】食品を冷凍する工程において、使用される
凍結装置には、主に冷却空気方式、ブライン冷却方式、
接触凍結方式といった方式が用いられている。この中
で、冷凍食品の製造における冷凍工程において、最も一
般に広く使用されている凍結装置は、冷却空気方式の送
風式凍結装置であるが、この他にも冷却空気方式では管
棚式凍結装置及び流動凍結装置がある。冷却空気方式以
外の冷却方式を用いた凍結装置では、ブライン冷却方式
のブライン冷凍装置、接触凍結方式ではコンタクトフリ
ーザー、スチールベルト冷却装置、フレキシブル接触凍
結装置があり、その他、液化ガス凍結装置がある。
【0006】このようにさまざまな種類の凍結装置があ
るが、いずれの装置を使用する場合においても食品を冷
凍させるのに最も重要なことは、可能な限り短時間で食
品の冷凍を行うことである。これは、食品の冷凍時にお
ける品温経過において、最大氷結晶生成帯を可能な限り
短時間で通過させることであり、最大氷結晶生成帯を通
過する時間が長くなった場合、食品に含まれる水分によ
って形成される氷結晶が大きくなり、組織が破壊されて
しまう。調理を行った冷凍食品ではその組織は生鮮食品
を凍結した場合よりも弱く、凍結時には簡単に破壊され
やすいので、このように組織が破壊された冷凍食品を解
凍して加熱し、食すると、その食感は良くないものであ
る。特に野菜類では、元々組織が弱いので、氷結晶の形
成による組織の破壊は非常に起こり易い。
【0007】したがって、現在のところ、調理した冷凍
食品に含まれる野菜類は、解凍、加熱して食するときに
同じ食品を冷凍しない場合に比べてその食感が劣り、外
観も萎びたようで悪い。これは、前記のいずれの凍結装
置を用いた場合においても起こる現象であり、野菜類を
含む冷凍食品において、解凍、加熱後に起こる食感及び
外観の劣化を防ぐ技術の開発が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状にかんがみてなされたものであり、野菜を含む冷凍食
品を解凍、加熱後に食する際に食感の低下、及び外観の
劣化を防ぐ方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すると、本
発明の第1の発明は、野菜類を予備加熱後調理し、不凍
液(ブライン)中に高電位電場を与えながらブライン冷
凍を行うことを特徴とする冷凍食品の製造方法に関し、
第2の発明は、第1の発明により得られる冷凍食品に関
する。
【0010】本発明者らは、野菜類を含む冷凍食品の製
造方法、及び得られた冷凍食品の品質の向上について鋭
意検討を行った。その結果、野菜類を予備加熱した後、
調理し、ブライン中に高電位電場を与えながらブライン
冷凍を行うことによって得られる冷凍食品が、解凍後、
その食感の低下がなく、外観の劣化のないことを見出し
本発明の完成に至った。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。まず、本発明における野菜類とは、いわゆる栽
培される草本性植物の全体又は一部である。利用部位に
よって、葉菜類、根菜類、果菜類、種実類、りん茎類、
花菜類、豆類等が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。野菜類以外の食品材料は日常我々が摂取してい
る食品及び/又はその加工品の前記野菜類以外のすべて
の調理を行うことができる原料を示すものであり、その
例としては穀類、でんぷん類、砂糖及び甘味料類、油脂
類、魚介類、獣鳥鯨肉類、卵類、乳類、果実類、きのこ
類、藻類、及びこれらの加工品を挙げることができる。
また、食品の味を補強あるいは調整する目的で使用され
る調味料類もこの中に含まれる。
【0012】本発明においては、調理及び冷凍を行う前
に、食品材料として用いる野菜類を予備加熱することを
特徴とするが、これは水又は調味液中で野菜類をあらか
じめ加熱することである。この場合における調味液は、
特に限定はなく、酒類、酒精、みりん、発酵調味料、醤
油、食酢、食塩、液糖、砂糖、アミノ酸類、呈味性核酸
類、有機酸類、及び前記調味料類の混合物が挙げられ
る。加熱する器具については加温できる機能の有する装
置であれば特に限定はないが、温度監視装置又は温度調
節装置を有するものが好ましい。この例としては、自然
対流式の恒温器、強制循環式の恒温器、温浴、温度調節
機能の付いた電磁調理器、といったものが挙げられる。
野菜類の予備加熱の条件は、温度が45〜65℃で、時
間が30分〜120分の範囲で行うのがよい。野菜類の
予備加熱を45℃未満、又は30分未満で行った場合
は、その後の工程により得られた冷凍食品を解凍して加
熱又は加熱調理した後食すると、食感は低下し、見た目
も野菜類の表面がしわしわになり好ましくない。一方、
野菜類の予備加熱を65℃より高い温度、又は120分
より長い時間行った場合は、調理して冷凍した後得られ
る冷凍食品を解凍して加熱又は加熱調理し、食すると、
野菜類の食感は硬いものであり、好ましいものではな
い。
【0013】予備加熱を行った野菜類は、単独又は他の
食品材料と共に調理を行う。調理の方法としては、ゆで
る、煮る、蒸す、加圧調理、炒める、揚げる、焼く、電
子レンジのような高周波を用いた加熱、電磁調理器加熱
及び前記の方法を組合せたものなどが挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。調理の条件も任意に実
施して問題はない。
【0014】調理を終えた食品は、適当な包装材で密封
し、冷凍する。本発明における冷凍工程は、電極の1本
をブライン内に挿入したブライン冷凍装置及び高電位電
場発生手段を用いて、ブラインに高電位電場を与えなが
ら該調理食品を冷凍する(以下、高電位電場ブライン冷
凍という)ことを特徴とする。ブラインの温度は、−2
0℃〜−50℃の範囲で、高電位電場発生手段の電位は
5〜100kVを発生させるのが好ましい。このとき用
いる冷凍装置の概略は、下記のようなものである。ブラ
イン冷凍装置のブライン内に高電位電場発生手段の2本
ある電極の一方を挿入する。電極のもう一方は、ブライ
ン冷凍装置のブライン内に挿入せず、絶縁処理を行い、
2本の電極間に電流が流れないようにする。これらの電
極は、特公昭38−6106号公報に示されているよう
な高周波電位発生装置の二次側に接続されているもので
ある。ブラインは、冷凍装置に接続した冷凍機を用いて
冷却し、駆動モータを使用した循環装置を用いてブライ
ンを循環させることによりブラインの入っている槽内の
温度を一定に保つ。冷凍装置、高電位電場発生手段、及
び循環装置の駆動モータはそれらの設置に際し、床面と
各装置との間は絶縁碍子を支持体として用いる。ブライ
ンに用いる不凍剤は目的の温度で凍結しないものであれ
ば特に限定はなく、その例として、塩化カルシウム、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、エタノール
等、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0015】かくして得られた冷凍食品は、解凍後、再
加熱したときの食感及び外観が冷凍前のものと実質的に
同等であり、従来の冷凍食品にはない品質を有する。ま
た、このようにして得られた冷凍食品の保存は−18℃
以下で保存すればよく、冷凍保存装置においても、該温
度以下で保存できるものであれば特に限定されるものは
ない。冷凍食品の流通過程、スーパー等の販売店におけ
る陳列棚に置いてある場合も同様である。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0017】実施例1 厚さ2cmに切った大根5個を水300mlの入ってい
る鍋に入れ、表1に示す加熱温度と加熱時間の組合せの
条件で予備加熱を行った。予備加熱には、電磁調理器
〔(株)マルゼン MIHX−55B〕を用いた。各条
件で予備加熱して得られた大根を、あらかじめ沸騰させ
ておいた醤油、みりん、及びだし調味液からなる調味液
300mlに入れ、50分間煮込み、大根及び煮汁を袋
に入れて密封した。これをブラインに60%エチルアル
コールを使用し、その温度を−30℃に設定し、該温度
に冷却されているブライン冷凍装置に15kVの高電位
を与えながら30分間浸漬して高電位電場ブライン冷凍
による凍結を行い、−30℃に設定した冷凍庫で2週間
保存した。保存した冷凍食品は流水解凍で完全に溶解し
た後電子レンジで加熱した。これらのようにして得られ
たものについて、官能評価を行った。官能評価におい
て、評価項目は食感について行い、評価方法は4点法
(0点;よくない、1点;普通、2点;よい;3点;非
常によい)で行った。この官能評価におけるパネラー1
0名の合計点を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1より、加熱温度が45、55、及び6
5℃の場合、加熱時間が30分、60分、及び120分
では官能評価の結果、食感の低下が見られなかった。し
かし、加熱時間が20分、及び150分の場合は官能評
価の結果、食感の低下が見られた。一方、加熱温度が4
0℃及び70℃の場合では官能評価の結果、加熱時間に
関係なく食感の劣化が見られた。したがって、予備加熱
における加熱温度は45〜65℃で、好ましくは50〜
65℃で、加熱時間は30〜120分で行うのがよいこ
とが明らかになった。
【0020】実施例2 4cm角に切ったじゃがいも5個を300mlの水の入
った鍋に入れ、電磁調理器〔(株)マルゼン MIHX
−55B〕の温度を60℃に設定して60分間予備加熱
を行った。このようにして得られたじゃがいもを、あら
かじめ沸騰させておいた醤油、みりん、及びだし調味液
からなる調味液300mlに入れ、30分間煮込み、室
温まで放冷後、じゃがいも及び煮汁を袋に入れて密封し
た。これをブラインに60%エチルアルコールを使用
し、その温度を−30℃に設定し、該温度に冷却されて
いるブライン冷凍装置に15kVの高電位を与えながら
30分間浸漬して高電位電場ブライン冷凍による凍結を
行い、−30℃に設定した冷凍庫で4週間保存した。保
存した冷凍食品は流水解凍で完全に溶解した後電子レン
ジで加熱した。比較例として、表2に示す予備加熱及び
冷凍方法の組合せでじゃがいもの煮物を調製した。比較
例において行った各工程は実施例2と同様に実施した。
これらのようにして得られたものについて、官能評価を
行った。官能評価において、評価項目は外観及び食感に
ついて行い、評価方法は4点法(0点;よくない、1
点;普通、2点;よい;3点;非常によい)で行った。
この官能評価におけるパネラー9名の合計点を表3に示
す。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】表3より、予備加熱と高電位電場ブライン
冷凍とを行った実施例2は、予備加熱のみを行った比較
例1、高電位電場ブライン冷凍のみを行った比較例2、
並びに予備加熱及び高電位電場ブライン冷凍のいずれも
実施しなかった比較例3と比べて外観及び食感の両方に
おいて優れているじゃがいもの煮物が得られた。実施例
2により得られたじゃがいもの煮物は、予備加熱を行わ
ずに同様に調理し、冷凍を行わずに食したものと同様の
食感であるというコメントであった。
【0024】実施例3 1cm幅のくし形に切った玉ねぎ1/2個、及び乱切り
にしたじゃがいも1個を水300mlの入っている鍋に
入れ、電磁調理機〔(株)マルゼン MIHX−55
B〕の温度を60℃に設定して60分予備加熱した。こ
のようにして得られた玉ねぎ及びじゃがいもを牛肉50
gと共に、醤油、本みりん、だし調味液から成る調味液
100ml中で、弱火で20分間煮込むことにより肉じ
ゃがを得た。この肉じゃがを室温まで放冷後、肉じゃが
及び調味液を袋に入れて密封した。これをブラインに6
0%エチルアルコール溶液を使用し、その温度を−30
℃に設定し、該温度に冷却されているブライン冷凍装置
に15kVの高電位を与えながら、30分間浸漬して高
電位電場ブライン冷凍による凍結を行い、−30℃に設
定した冷凍庫で4週間保存した。保存した冷凍食品は流
水解凍で完全に溶解した後電子レンジで加熱した。比較
例として、表4に示す予備加熱工程及び冷凍方法の組合
せで肉じゃがを調製した。比較例において行った各工程
は実施例3と同様に実施した。これらのようにして得ら
れたものについて、官能評価を行った。官能評価におい
て、評価項目は外観及び食感について行い、評価方法は
4点法(0点;よくない、1点;普通、2点;よい;3
点;非常によい)で行った。この官能評価におけるパネ
ラー11名の合計点を表5に示す。
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】表5より予備加熱と高電位電場ブライン冷
凍とを行った実施例3は、予備加熱のみを行った比較例
4、高電位電場ブライン冷凍のみを行った比較例5、並
びに予備加熱及び高電位電場冷凍のいずれも実施しなか
った比較例6と比べて外観及び食感の両方において優れ
ている肉じゃが得られた。実施例3より得られた肉じゃ
がは、予備加熱を行わずに同様に調理し、冷凍を行わず
に食したものと同様の食感であるというコメントであっ
た。
【0028】実施例4 2cm幅に輪切りにした大根2個及び乱切りにしたじゃ
がいも1/2個を水300mlの入っている鍋に入れ、
電磁調理機〔(株)マルゼン MIHX−55B〕の温
度を60℃に設定して60分予備加熱した。このように
して得られた大根及びじゃがいもを、ゆでたまご1個、
3cm角に切ったこんにゃく2個、及び竹輪1/2本と
共に、醤油、本みりん、だし調味液から成る調味液50
0ml中で、弱火で60分間煮込むことによりおでんを得
た。このおでんを室温まで放冷後、おでん及び調味液を
袋に入れて密封した。これをブラインに60%エチルア
ルコール溶液を使用し、その温度を−30℃に設定し、
該温度に冷却されているブライン冷凍装置に15kVの
高電位を与えながら、50分間浸漬して高電位電場ブラ
イン冷凍による凍結を行い、−30℃に設定した冷凍庫
で4週間保存した。保存した冷凍食品は流水解凍で完全
に溶解した後電子レンジで加熱した。比較例として、表
6に示す予備加熱工程及び冷凍方法の組合せでおでんを
調製した。比較例において行った各工程は実施例4と同
様に実施した。これらのようにして得られたものについ
て、官能評価を行った。官能評価において、評価項目は
外観及び食感について行い、評価方法は4点法(0点;
よくない、1点;普通、2点;よい;3点;非常によ
い)で行った。この官能評価におけるパネラー8名の合
計点を表7に示す。
【0029】
【表6】
【0030】
【表7】
【0031】表7より予備加熱と高電位電場ブライン冷
凍とを行った実施例4は、予備加熱のみを行った比較例
7、高電位電場ブライン冷凍のみを行った比較例8、並
びに予備加熱及び高電位電場冷凍のいずれも実施しなか
った比較例9と比べて外観及び食感の両方において優れ
ているおでんが得られた。実施例4より得られたおでん
は、予備加熱を行わずに同様に調理し、冷凍を行わずに
食したものと同様の食感であるというコメントであっ
た。
【0032】実施例5 乱切りした人参1/4本、ごぼう1/4本、及びれんこ
ん1/4節を水600mlの入っている鍋に入れ、電磁
調理機〔(株)マルゼン MIHX−55B〕の温度を
60℃に設定して90分予備加熱した。このようにして
得られた人参、ごぼう、及びれんこんを、7等分した鶏
肉10g、2cm角に切ったこんにゃく1/8丁、及び
8つ切りにしたしいたけ1枚と共に鍋で炒めた後、醤
油、本みりん、だし調味液から成る調味液200mlを添
加し、弱火で20分間煮込むことにより筑前煮を得た。
この筑前煮を室温まで放冷後、筑前煮及び調味液を袋に
入れ、密封した。これをブラインに60%エチルアルコ
ール溶液を使用し、その温度を−30℃に設定し、該温
度に冷却されているブライン冷凍装置に15kVの高電
位を与えながら、40分間浸漬して高電位電場ブライン
冷凍による凍結を行い、−30℃に設定した冷凍庫で4
週間保存した。保存した冷凍食品は流水解凍で完全に溶
解した後電子レンジで加熱した。比較例として、表8に
示す予備加熱工程及び冷凍方法の組合せで筑前煮を調製
した。比較例において行った各工程は実施例5と同様に
実施した。これらのようにして得られたものについて、
官能評価を行った。官能評価において、評価項目は外観
及び食感について行い、評価方法は4点法(0点;よく
ない、1点;普通、2点;よい;3点;非常によい)で
行った。この官能評価におけるパネラー10名の合計点
を表9に示す。
【0033】
【表8】
【0034】
【表9】
【0035】表9より予備加熱と高電位電場ブライン冷
凍とを行った実施例5は、予備加熱のみを行った比較例
10、高電位電場ブライン冷凍のみを行った比較例1
1、並びに予備加熱及び高電位電場冷凍のいずれも実施
しなかった比較例12と比べて見た目の良さ及び食感の
良さの両方において優れている筑前煮が得られた。実施
例4より得られた筑前煮は、予備加熱を行わずに同様に
調理し、冷凍を行わずに食したものと同様の食感である
というコメントであった。
【0036】実施例6 くし形に切った長さ5cmのごぼう1/2本分を水30
0mlの入っている鍋に入れ、電磁調理機〔(株)マル
ゼン MIHX−55B〕の温度を60℃に設定して6
0分予備加熱した。このようにして得られたごぼうを鯛
のあら1尾分と共に、醤油、本みりん、だし調味液から
成る調味液250ml中で、中火で30分間煮込み鯛のあ
ら炊きを得た。この鯛のあら炊きを室温まで放冷後、鯛
のあら炊き及び調味液を袋に入れて密封した。これをブ
ラインに60%エチルアルコール溶液を使用し、その温
度を−30℃に設定し、該温度に冷却されているブライ
ン冷凍装置に15kVの高電位を与えながら、40分間
浸漬して高電位電場ブライン冷凍による凍結を行い、−
30℃に設定した冷凍庫で4週間保存した。保存した冷
凍食品は流水解凍で完全に溶解した後電子レンジで加熱
した。比較例として、表10に示す予備加熱工程及び冷
凍方法の組合せで鯛のあら炊きを調製した。比較例にお
いて行った各工程は実施例6と同様に実施した。これら
のようにして得られたものについて、官能評価を行っ
た。官能評価において、評価項目は外観及び食感につい
て行い、評価方法は4点法(0点;よくない、1点;普
通、2点;よい;3点;非常によい)で行った。この官
能評価におけるパネラー13名の合計点を表11に示
す。
【0037】
【表10】
【0038】
【表11】
【0039】表11より予備加熱と高電位電場ブライン
冷凍とを行った実施例6は、予備加熱のみを行った比較
例13、高電位電場ブライン冷凍のみを行った比較例1
4、並びに予備加熱及び高電位電場冷凍のいずれも実施
しなかった比較例15と比べて見た目の良さ及び食感の
良さの両方において優れている鯛のあら炊きが得られ
た。実施例6より得られた鯛のあら炊きは、予備加熱を
行わずに同様に調理し、冷凍を行わずに食したものと同
様の食感であるというコメントであった。
【0040】実施例7 2cm幅の輪切りにした玉ねぎ1/2個及び輪切りにし
たれんこん1/4節を水500mlの入っている鍋に入
れ、電磁調理機〔(株)マルゼン MIHX−55B〕
の温度を55℃に設定して90分予備加熱した。このよ
うにして得られた玉ねぎ及びじゃがいもを常法に従い衣
をつけて160℃の油中で5分間揚げ、野菜のフライを
得た。これらのフライを室温まで放冷後、1つの袋に入
れて密封した。これをブラインに60%エチルアルコー
ル溶液を使用し、その温度を−30℃に設定し、該温度
に冷却されているブライン冷凍装置に15kVの高電位
を与えながら、30分間浸漬して高電位電場ブライン冷
凍による凍結を行い、−30℃に設定した冷凍庫で4週
間保存した。保存した冷凍食品は流水解凍で完全に溶解
した後電子レンジで加熱した。比較例として、表12に
示す予備加熱工程及び冷凍方法の組合せで野菜フライを
調製した。比較例において行った各工程は実施例7と同
様に実施した。これらのようにして得られたものについ
て、官能評価を行った。官能評価において、評価項目は
食感について行い、評価方法は4点法(0点;よくな
い、1点;普通、2点;よい;3点;非常によい)で行
った。この官能評価におけるパネラー10名の合計点を
表13に示す。
【0041】
【表12】
【0042】
【表13】
【0043】表13より予備加熱と高電位電場ブライン
冷凍とを行った実施例7は、予備加熱のみを行った比較
例16、高電位電場ブライン冷凍のみを行った比較例1
7、並びに予備加熱及び高電位電場冷凍のいずれも実施
しなかった比較例18と比べて食感において優れている
野菜フライが得られた。実施例7より得られた野菜フラ
イは、予備加熱を行わずに同様に調理し、冷凍を行わず
に食したものと同様の食感であるというコメントであっ
た。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、冷凍食品の製造におい
て、調理する前に野菜類を予備加熱したものを使用し、
高電位電場ブライン冷凍を行うことにより、該冷凍食品
中の野菜類は、解凍後加熱して食する際の食感及び外観
が実質的に冷凍前と同等であるものを提供することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 秀喜 京都府京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾 町20番地 寳酒造株式会社本社事務所内 (72)発明者 森田 日出男 京都府京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾 町20番地 寳酒造株式会社本社事務所内 (72)発明者 赤澤 智 兵庫県神戸市東灘区本山北町2丁目8番9 号 Fターム(参考) 4B016 LC05 LC06 LG06 LG08 LP03 LP06 LP11 4B069 CA05 HA02 HA04 HA06 HA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一種類の野菜類を予備加熱す
    る工程、該野菜類を単独又は他の食品材料と共に調理す
    る工程、及び不凍液中に高電位電場を与えながらブライ
    ン冷凍を行う工程を含むことを特徴とする冷凍食品の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 野菜類の予備加熱温度及び時間が、それ
    ぞれ45〜65℃及び30〜120分である請求項1記
    載の冷凍食品の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の製造方法により
    得られる冷凍食品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007097511A (ja) * 2005-10-05 2007-04-19 Sugiyo:Kk 冷凍おでんの製造方法
JP2009089694A (ja) * 2007-10-11 2009-04-30 Sugiyo:Kk 食品及びその製造方法
JP2014100084A (ja) * 2012-11-19 2014-06-05 House Food Analytical Laboratory Inc 容器入り根菜類の製造方法及び容器入り根菜類の変色防止方法

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