JP2002216839A - 鉛蓄電池の電槽化成方法 - Google Patents
鉛蓄電池の電槽化成方法Info
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Abstract
造方法に関するもので、製造工程を標準化でき、デンド
ライトショートが発生しない製造方法を提供することに
ある 【解決手段】本発明は、極板群を収納した電槽内に、電
解液を必要量の70〜80%注入した段階で電槽化成処
理を行い、電槽化成処理後に電解液を補充して電池とし
て必要量の電解液量とすることを特徴とするものであ
る。また、本発明において、前記化成処理前に注入する
電解液の硫酸濃度が、完成電池として必要な硫酸量の9
0〜100%を含有する濃い濃度とし、化成処理後に補
充する濃度の薄い電解液で硫酸濃度を完成電池として必
要な濃度に調整するようにすることが好ましい。
Description
蓄電池の電槽化成方法に関するものである。
は、電槽内に正極板,負極板から構成する極板群を収納
し、電槽内に電池として必要とする電解液の全量あるい
はそれ以上を注入し、電槽内に電解液がある程度浸透し
てから化成処理を行っていた。電解液としては濃度を調
整した硫酸水溶液を用い、化成処理後に電解液が余れ
ば、電池を反転して余剰電解液を排出していた。
池の高容量化、高出力化のニーズに対応するために、極
板枚数及び活物質量を増加する必要性から、電槽内の空
間体積を可能な限り減少させるようになってきている。
このように電槽内の空間体積を減少させると電槽内へ電
解液を注入する際に中々電解液が電槽内に入っていかな
い。
を注入するには、1度の注入では入りきらず、電解液を
極板群内に浸透させてから再度注入する作業を数回行わ
なければならなかった。このため、電解液が極板群内に
浸透する間中、作業を中断しなければならず、この中断
時間が季節、その日の温度等により変化するため、日毎
に中断時間の設定変更を行わなければならず、最終的に
は注入時間が一定しないために作業が標準化できず、煩
雑となっていた。また、電槽化成時に電槽内部で発生す
るガスにより電解液が電槽の外へ溢れ出てしまい、電槽
化成後に溢れた分だけ補充するが、各セル間で溢れる量
が異なるために注液量が一定せず、各セル間への電解液
の補充作業が複雑化する欠点があり、電池の製造には多
くの経験と熟練した技術が必要であった。
後に電槽化成処理を行い、化成処理後に余剰の電解液
を、電池を反転して排出する方法では、前記方法と同様
に注液が一度で済まずに数回となり、その間の時間が日
々アンバランスとなって標準化できず、電池を反転して
電解液を排出する作業に熟練を要し、各セル間での注液
量が一定しない等の問題点があった。
伴い電槽内の空間が狭くなることにより電解液の浸透性
が著しく低下し、蓋の中央に穿設された注液口から注液
した電解液が、極板群の端部に到達する時には注入口側
から化成反応が始まるため電解液の硫酸濃度が低下し、
極板群の端部でデンドライトショートが発生し、電池寿
命を極端に低下させる等の問題点も発生している。本発
明はこのような課題を解決するもので、生産性に優れ、
品質の安定した鉛蓄電池の製造方法を提供することを目
的とする。
を解決するために、本発明の鉛蓄電池の製造方法は、極
板群を収納した電槽内に、電解液を必要量の70〜80
%注入した段階で電槽化成処理を行い、電槽化成処理後
に電解液を補充して電池として必要量の電解液量とする
ことを特徴とするものである。
る電解液の硫酸濃度が、完成電池として必要な硫酸量の
90〜100%を含有する濃い濃度とし、化成処理後に
補充する濃度の薄い電解液で硫酸濃度を完成電池として
必要な濃度に調整するようにすることが好ましい。
液の量を必要注液量の70〜80%とする。電槽内に注
液する電解液の量を必要注液量の70〜80%とするの
は、電槽内に一度に注液できる量が80%以下であり、
また、電槽化成に必要な電解液の量が70%以上である
からである。このように、一度に注入できる量だけ電槽
内に電解液を注入するので、電槽の各セル内に規定量の
電解液を注入することができ、しかも、化成処理時に発
生するガスにより電解液が電槽外に溢れることがないの
で、化成処理後に補充する電解液の量も規定量注液すれ
ばよく、従って各セル間で、電解液量のバラツキが生じ
るようなこともない。
の70〜80%の電解液量では、通常濃度の電解液を使
用すると、上述したように極板群の端部で電解液の濃度
が低下してデンドライトショートの発生が懸念される。
そのような時には、最初に注液する電解液の濃度を濃く
し、極板群の端部における電解液濃度をデンドライトシ
ョートを発生しない濃さに維持し、化成後に濃度の薄
い、あるいは硫酸の入っていない水のみを注入して最終
製品として必要な電解液濃度に調整すると、デンドライ
トショートの発生を防止することができ、好ましい。
発生が懸念される場合には、最初に注液する電解液の濃
度を、完成電池として必要な硫酸量の90〜100%を
含有する濃度とするとよい。電解液の濃度が完成電池と
して必要な硫酸量の90%以下では発生が予測されるデ
ンドライトショートを防止するのが困難であり、100
%を超えると化成処理後に補充する電解液で電池として
必要な電解液濃度にまで薄めることができないためであ
る。
する。密閉形鉛蓄電池に使用されている電槽に、鉛合金
からなる基板に鉛粉を必要により添加剤を混合して希硫
酸で練り上げたペースト状活物質を充填塗布した正極板
7枚、負極板6枚をセパレータとしてリテーナマットを
介して交互に積層した極板群を収納し、電槽に蓋を施し
て密閉形鉛蓄電池を組み立てた。この組み立てた電池を
各100個ずつ5組に分けて電槽内に濃度28wt%の
電解液を、電池としての必要量200mlに対して、表
1に示す量注入し、休止回数を数えると共に、化成処理
時の電解液の溢れ具合を観察した。結果を表1に併記す
る。なお、電解液の濃度を28wt%としたのは、化成
処理時に極板に含まれる硫酸分が徐々に出て、最終的に
は電池として最適な電解液濃度である35〜37.5w
t%になるからである。
作業で注入できる量は80%までであり、90%注入す
るには2回の休止時間(電解液が浸透するのに要する時
間)を必要とした。また、90%以上電解液を注入する
と化成処理時に電解液が溢れる現象が発生した。この実
験結果から1回で注液できる量は80%までであり、8
0%以下であれば化成処理時に電解液が溢れることもな
いことを確認した。
群全体に電解液が浸透せず、電解液浸透不良によるデン
ドライトショートの発生が多発し、60%以下の電解液
量では化成処理に適さないことを同時に確認した。
て、これを各100個ずつ4組に分けて硫酸濃度の異な
る電解液を、電池として必要な量の80%を1回で注液
して化成処理し、デンドライトショートの発生状況を観
察した。電解液の硫酸濃度とデンドライトショート発生
状況を表2に示す。なお、完成電池としての必要な硫酸
量を濃度35%とした。
液の硫酸濃度は、次の通りである。 1組(70%の場合) 濃度:45wt% 2組(80%の場合) 濃度:33wt% 3組(90%の場合) 濃度:19wt% 4組(100%の場合) 水のみ 表2から明らかなように、電解液の硫酸濃度が必要量の
80%以下ではデンドライトショートの発生を抑えるこ
とができず、90%以上の濃度が有効であることが確認
できた。なお、必要な量の70%を注液した場合もほぼ
同様な結果が得られた。
に、本発明の鉛蓄電池の製造方法によれば、極板群を収
納した電槽内に、電解液を必要量の70〜80%注入し
た段階で電槽化成処理を行い、電槽化成処理後に電解液
を補充して電池として必要量の電解液量とすることによ
り、各セル間の電解液量にバラツキがなく、規定量注液
することができるので、作業の標準化が可能となり、安
定した出力の鉛蓄電池を提供できる。
硫酸濃度が、完成電池として必要な硫酸量の90〜10
0%を含有する濃い濃度とし、化成処理後に補充する濃
度の薄い電解液で硫酸濃度を完成電池として必要な濃度
に調整することにより、デンドライトショートが発生せ
ず、性能の安定した鉛蓄電池を提供できる等の優れた効
果を有するものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 極板群を収納した電槽内に、電解液を必
要量の70〜80%注入した段階で電槽化成処理を行
い、電槽化成処理後に電解液を補充して電池として必要
量の電解液量とすることを特徴とする鉛蓄電池の電槽化
成方法。 - 【請求項2】 前記化成処理前に注入する電解液の硫酸
濃度が、完成電池として必要な硫酸量の90〜100%
を含有する濃度とし、化成処理後に補充する電解液で硫
酸濃度を完成電池として必要な濃度に調整することを特
徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池の電槽化成方法。
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- 2001-01-17 JP JP2001009175A patent/JP4601834B2/ja not_active Expired - Fee Related
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