JP2002216804A - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents

固体高分子型燃料電池

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JP2002216804A
JP2002216804A JP2001037551A JP2001037551A JP2002216804A JP 2002216804 A JP2002216804 A JP 2002216804A JP 2001037551 A JP2001037551 A JP 2001037551A JP 2001037551 A JP2001037551 A JP 2001037551A JP 2002216804 A JP2002216804 A JP 2002216804A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】出力密度が高く長期的に高出力を維持できる固
体高分子型燃料電池の提供。 【解決手段】触媒イオン交換樹脂とを含有する酸化剤極
を有し、該イオン交換樹脂は、スルホン酸基を有するポ
リマーからなるセグメントと実質的にイオン交換基を有
しない含フッ素ポリマーからなるセグメントとからなる
固体高分子型燃料電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子型燃料
電池に関する。
【0002】
【従来の技術】水素・酸素燃料電池は、その反応生成物
が原理的に水のみであり地球環境への悪影響がほとんど
ない発電システムとして注目されている。固体高分子型
燃料電池は、かつてジェミニ計画及びバイオサテライト
計画で宇宙船に搭載されたが、当時の電池出力密度は低
かった。その後、より高性能のアルカリ型燃料電池が開
発され、現在のスペースシャトルに至るまで宇宙用には
アルカリ型燃料電池が採用されている。
【0003】ところが、近年技術の進歩により固体高分
子型燃料電池が再び注目されている。その理由として次
の2点が挙げられる。(1)固体高分子電解質として高
導電性の膜が開発された。(2)ガス拡散電極層に用い
られる触媒をカーボンに担持し、さらにこれをイオン交
換樹脂で被覆することにより、きわめて大きな活性が得
られるようになった。
【0004】そして、固体高分子型燃料電池の電極・固
体高分子電解質膜接合体(以下、単に接合体という)の
製造方法に関して多くの検討がなされている。現在検討
されている固体高分子型燃料電池は、作動温度が50〜
120℃と低いため、排熱が燃料電池の補機動力等に有
効利用しがたい欠点がある。これを補う意味でも固体高
分子型燃料電池は、特に高い出力密度が要求されてい
る。また実用化への課題として、燃料及び空気利用率の
高い運転条件下でも高エネルギ効率、高出力密度が得ら
れる接合体の開発が要求されている。
【0005】低作動温度かつ高ガス利用率の運転条件で
は、特に電池反応により水が生成する酸化剤極におい
て、水蒸気の凝縮による電極多孔体の閉塞(フラッディ
ング)が起こりやすい。したがって長期にわたり安定な
特性を得るためには、フラッディングが起こらないよう
に電極の撥水性を確保する必要がある。低温で高出力密
度が得られる固体高分子型燃料電池では特に重要であ
る。
【0006】電極の撥水性を確保するには、電極中で触
媒を被覆するイオン交換樹脂のイオン交換容量を小さく
する、すなわちイオン交換基の含有率が低いイオン交換
樹脂の使用が有効である。しかし、この場合にはイオン
交換樹脂は含水率が低いため導電性が低くなり、電池性
能が低下する。さらに、イオン交換樹脂のガス透過性が
低下するため、被覆したイオン交換樹脂を通して触媒表
面に供給されるガスの供給が遅くなる。そのため、反応
サイトにおけるガス濃度が低下して電圧損失が大きくな
る、すなわち濃度過電圧が高くなって出力が低下する。
【0007】このため、触媒を被覆するイオン交換樹脂
にはイオン交換容量の高い樹脂を用い、これに加えて、
例えば、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFE
という。)、テトラフルオロエチレン(以下、TFEと
いう。)/ヘキサフルオロプロペン共重合体、TFE/
パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体等の
フッ素樹脂等を撥水化剤として電極、特に酸化剤極中に
含有させ、フラッディングを抑制する試みがなされてい
る(特開平5−36418)。なお、本明細書でA/B
共重合体とは、Aに基づく重合単位とBに基づく重合単
位とからなる共重合体を示す。
【0008】しかし、充分に撥水化するために電極中の
上記撥水化剤の量を多くすると、上記撥水化剤は絶縁体
のため電極の電気抵抗が増大する。また、電極の厚さが
厚くなるためガス透過性が低下し、逆に出力が低下する
問題がある。電極の導電性の低下を補うためには、例え
ば触媒の担体であるカーボン材料の導電性や触媒を被覆
するイオン交換樹脂のイオン導電性を高めることが必要
である。しかし、充分な導電性と充分な撥水性を同時に
満足する電極を得るのは困難であり、高出力かつ長期的
に安定な固体高分子型燃料電池を得ることは容易ではな
かった。
【0009】また、フッ化ピッチを混合する方法(特開
平7−211324)、触媒担体をフッ素化処理する方
法(特開平7−192738)も提案されているが、触
媒表面をイオン交換樹脂により均一に被覆できない問題
がある。また、電極の厚さ方向に対して撥水性に勾配を
持たせる方法(特開平5−251086、特開平7−1
34993)も提案されているが、製造方法が煩雑であ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】燃料電池の出力を高め
るには、電極中のイオン交換樹脂が高ガス透過性かつ高
導電性であることが必要であり、交換基濃度が高く含水
率の高いイオン交換樹脂が好ましい。しかし、交換基濃
度の高いイオン交換樹脂を用いた場合、燃料ガスの透過
性及び導電性が高く燃料電池の初期の出力は高くなる
が、フラッディングが起こりやすく、長期間使用すると
出力の低下が起こりやすい。
【0011】そこで本発明は、導電性が高くかつ含有す
るイオン交換樹脂のガス透過性が高く、長期間使用して
も高い撥水性を維持できる酸化剤極を有することによ
り、長期間にわたって高出力を維持できる固体高分子型
燃料電池を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、膜状固体高分
子電解質と、該電解質の片面に配置された酸化剤極と、
該電解質のもう一方の面に配置された燃料極とを有する
固体高分子型燃料電池において、前記酸化剤極は触媒と
イオン交換樹脂とを含有し、該イオン交換樹脂は、下記
セグメントAと下記セグメントBとからなる重合体から
なることを特徴とする固体高分子型燃料電池を提供す
る。 セグメントA:スルホン酸基を有するポリマーからなる
セグメント。 セグメントB:実質的にイオン交換基を有しない含フッ
素ポリマーからなるセグメント。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明では、イオン交換樹脂は、
フルオロスルホニル基(−SO2F基)を有するポリマ
ーからなる非晶質のセグメント(以下、セグメントA’
という。)と非晶質のセグメントBとからなるポリマー
を、加水分解、酸型化することにより得られることが好
ましい。セグメントA’、セグメントBともに非晶質で
あると、ヨウ素移動重合による多元セグメント化が容易
である。結晶性を有すると、生長ラジカルの反応性が低
下したり、溶液からのポリマー析出等の理由によりヨウ
素移動重合が進行しにくくなる。少なくとも最初に重合
するセグメントは、非晶質であることが好ましい。最初
に重合するセグメントが結晶性を有すると次に重合する
セグメントの導入が困難となるためである。
【0014】また、酸化剤極は、通常、酸化剤極樹脂を
溶媒に溶解又は分散させた液に触媒を分散させて塗工液
とし、該塗工液を用いて塗工することにより形成する
が、酸化剤極樹脂は、セグメントAの前駆体であるセグ
メントA’又はセグメントBが結晶性を有すると溶媒へ
の溶解性又は分散性が低下する。そのため、酸化剤極樹
脂が溶媒に溶解又は分散した液が得にくく、得られたと
しても溶媒中で大きな粒子を形成しやすい。したがっ
て、酸化剤極樹脂が均一性よく分布した酸化剤極が得に
くく、酸化剤極の反応性が低下するおそれがある。な
お、本明細書において非晶質のポリマーとは、結晶融点
mを有しないか、又はTmが重合温度より低いポリマー
をいう。
【0015】本発明において酸化剤極に含まれるイオン
交換樹脂(以下、酸化剤極樹脂という。)は、セグメン
トAとセグメントBとからなる重合体からなる。セグメ
ントA及びセグメントBは、いずれも水素原子が全てフ
ッ素原子に置換された(但し、スルホン酸基を除く。)
ポリマー(本明細書ではパーフルオロポリマーとい
う。)からなることが、燃料電池の実用耐久性の観点か
ら好ましい。
【0016】燃料電池の出力を高めるためには、電極中
のイオン交換樹脂は高ガス透過性かつ高導電性であるこ
とが好ましく、イオン交換基濃度が高く含水率が高いこ
とが好ましい。そのため、セグメントAは、イオン交換
容量が0.5ミリ当量/g乾燥樹脂以上であることが好
ましい。セグメントAを構成するポリマーはスルホン酸
基(−SO3H基)を有するモノマーに基づく重合単位
からなる重合体又は該重合単位と他のモノマーに基づく
重合単位とからなる共重合体からなるので、イオン交換
容量の上限は、スルホン酸基又はその前駆体基を有する
モノマーの単独重合体のイオン交換容量で決まり、該モ
ノマーの分子量に依存し、1.5〜4ミリ当量/g乾燥
樹脂程度である。なお、ここでスルホン酸基の前駆体基
とは、加水分解等によりスルホン酸基となる基であり、
以下、スルホン酸基及びその前駆体基をまとめて−SO
2X基(ただし、Xはフッ素原子又はOMであり、Mは
水素原子、アルカリ金属原子又はNH4である。)で表
す。
【0017】酸化剤極樹脂の原料となる−SO2X基を
有するモノマーとしては、−SO2F基を有するパーフ
ルオロビニルエーテルが好ましく挙げられる。具体的に
は、CF2=CF−(OCF2CFY)m−Op−(C
2n−SO2Fで表されるパーフルオロビニルエーテ
ル(式中、Yはフッ素原子又はトリフルオロメチル基で
あり、mは0〜3の整数であり、nは1〜12の整数で
あり、pは0又は1であり、m+p>0である。)が好
ましい。上記パーフルオロビニルエーテルのなかでも、
式1〜3の化合物が好ましく挙げられる。ただし、式1
〜3中、qは1〜8の整数であり、rは1〜8の整数で
あり、sは2又は3である。
【0018】
【化1】
【0019】−SO2F基を有するパーフルオロビニル
エーテルは、単独重合も可能であるが、ラジカル重合反
応性が小さいため、通常はオレフィン類等のコモノマー
と共重合して用いられる。該コモノマーの例としては、
TFE、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエ
チレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、エチレン、
パーフルオロ(3−ブテニルビニルエーテル)(以下、
BVEという。)、パーフルオロ(アリルビニルエーテ
ル)、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオ
キソール)(以下、PDDという。)、パーフルオロ
(1,3−ジオキソール)、パーフルオロ(2−メチレ
ン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)、パーフルオ
ロ(3,5−ジオキサ−1,6−ヘプタジエン)、パー
フルオロ(4−メトキシ−1,3−ジオキソール)等が
挙げられる。
【0020】これらのコモノマーに加えてさらに、プロ
ペン、ヘキサフルオロプロペン等のパーフルオロ−α−
オレフィン類、(パーフルオロブチル)エチレン等の
(パーフルオロアルキル)エチレン類、3−パーフルオ
ロオクチル−1−プロペン等の(パーフルオロアルキ
ル)プロペン類、パーフルオロ(アルキルビニルエーテ
ル)(ただし、アルキル基は分枝構造を有してもよく、
またエーテル結合性の酸素原子を含有していてもよい。
以下、同様の意味で記載する。)類等を共重合させても
よい。
【0021】上記パーフルオロ(アルキルビニルエーテ
ル)類としては、CF2=CF−(OCF2CFZ)t
O−Rfで表されるパーフルオロビニルエーテル化合物
が好ましい。ただし、式中、tは0〜3の整数であり、
Zはフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、Rf
は直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜12のパーフルオロアル
キル基(以下、本明細書において、Rfは同じ意味で用
いる。)である。
【0022】CF2=CF−(OCF2CFZ)t−O−
fで表されるパーフルオロビニルエーテル化合物とし
ては、式4〜6の化合物が好ましく挙げられる。ただ
し、式4〜6中、vは1〜8の整数であり、wは1〜8
の整数であり、xは2又は3である。
【0023】
【化2】
【0024】セグメントAとしては、具体的にはTFE
/スルホン酸基を有するパーフルオロビニルエーテル共
重合体からなるセグメント(以下、セグメントCとい
う。)であることが好ましい。このなかで、TFE/ス
ルホン酸基を有するパーフルオロビニルエーテル共重合
体は、結晶性のものと非晶質のものがあり、非晶質のも
のを得るためには、スルホン酸基を有するパーフルオロ
ビニルエーテルに基づく重合単位が前記共重合体中に2
0モル%以上含まれることが必要であり、25モル%以
上含まれていることが好ましい。
【0025】一方、セグメントBを構成するポリマーと
しては、セグメントAにおいて−SO2F基を有するパ
ーフルオロビニルエーテルと共重合させるコモノマーと
して例示したオレフィン等のコモノマーの単独重合体又
はそれらの二種以上の共重合体であって、実質的にイオ
ン交換基を有しない含フッ素重合体が好ましく使用でき
る。
【0026】セグメントBを構成するポリマーとして
は、なかでも、特に原料を環化重合することにより得ら
れるポリマー又は環状モノマーを重合して得られるポリ
マー等の、イオン交換基を有さず主鎖に脂肪族環構造を
有するパーフルオロポリマー(以下、セグメントDとい
う。)であると、酸化剤極樹脂の溶媒への溶解性が良好
となり好ましい。ここで、「主鎖に脂肪族環構造を有す
る」とは、繰り返し単位中の脂肪族環構造の炭素原子の
少なくとも1つがポリマーの主鎖に共有されていること
をいう。具体的に好ましい例としては、下記のポリマー
が挙げられる。
【0027】ポリ(パーフルオロ(3−ブテニルビニル
エーテル))(以下、PBVEという。)、ポリ(パー
フルオロ(アリルビニルエーテル))等の、原料となる
モノマーを環化重合することにより得られるポリマー。
【0028】PDD単独重合体(以下、PPDDとい
う。)、ポリ(パーフルオロ(1,3−ジオキソー
ル))、TFE/PDD共重合体、ポリ(パーフルオロ
(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラ
ン))等の、環状モノマーを重合することにより得られ
るポリマー。
【0029】上に挙げたようなセグメントDを有する酸
化剤極樹脂を含む酸化剤極は、ガス透過性に優れるので
好ましい。特にPPDD等の環状モノマーの重合体から
なるセグメントDを有する酸化剤極樹脂はガス透過性に
優れている。
【0030】また、セグメントBを構成するポリマーと
しては、含フッ素線状重合体も好ましく使用でき、該含
フッ素線状重合体の具体例としては、TFE/ヘキサフ
ルオロプロペン共重合体、TFE/パーフルオロ(アル
キルビニルエーテル)共重合体等が挙げられる。上述の
ように酸化剤極樹脂をヨウ素移動重合法により合成する
場合は各セグメントを構成するポリマーは非晶質である
ことが好ましく、上記含フッ素線状重合体がTFEに基
づく重合単位を含む場合はTFEと共重合するコモノマ
ーに基づく重合単位の含有量を増やすことにより非晶質
にできる。
【0031】ここで、パーフルオロ(アルキルビニルエ
ーテル)としては、CF2=CF−(OCF2CFY)t
−O−Rfが好ましい。ただし、式中、Yはフッ素原子
又はトリフルオロメチル基であり、tは0〜3の整数で
ある。CF2=CF−(OCF2CFY)t−O−Rfで表
されるパーフルオロビニルエーテル化合物の好ましい例
としては、式4〜6の化合物が挙げられる。
【0032】含フッ素線状重合体のなかでも、TFE/
パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体は結
晶性のものと非晶質のものがあるが、非晶質のものを得
るためには、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)
に基づく重合単位が該共重合体中に20モル%以上含ま
れることが必要であり、25モル%以上含まれているこ
とが好ましい。このような、パーフルオロ(アルキルビ
ニルエーテル)に基づく重合単位が20モル%以上含ま
れる非晶質のTFE/パーフルオロ(アルキルビニルエ
ーテル)共重合体からなるセグメントを以下、セグメン
トEという。
【0033】セグメントEを有する酸化剤極樹脂は、溶
媒への溶解性が良好なので好ましい。また、セグメント
Eを有する酸化剤極樹脂を有する酸化剤極は、ガス透過
性に優れるので好ましい。
【0034】酸化剤極樹脂において、セグメントAとセ
グメントBの割合は、質量比で95/5〜5/95、特
に80/20〜40/60であることが好ましい。ま
た、酸化剤極樹脂の分子量は5×103〜5×106、特
に1×104〜3×106であることが好ましい。また、
セグメントA及びセグメントBのそれぞれの分子量は、
1×103〜5×106、特に2×103〜2×106が好
ましい。なお、ここで例えばABA型のブロックポリマ
ーの場合、セグメントAの分子量はセグメントA全体の
分子量であり、ブロックポリマー全体の分子量からセグ
メントBの分子量を差し引いた分子量である。
【0035】上記のような組成、分子量に制御された場
合、セグメントAとセグメントBの相分離が起こりやす
いため、酸化剤極に使用すると良好なガス透過性、プロ
トン伝導性及び撥水性を確保できる。また、酸化剤極樹
脂は、上述したように酸化剤極を作製する際に一旦溶媒
に溶解又は分散させる必要があるが、分子量が大きすぎ
ると、溶媒への溶解又は分散が困難になり好ましくな
い。
【0036】本発明における酸化剤極樹脂は、ヨウ素移
動重合によるブロックポリマー合成の方法によってセグ
メントAとセグメントBを導入することが好ましい。す
なわち、ヨウ素移動重合によりセグメントA又はセグメ
ントBを構成するポリマーの原料となるモノマーを重合
した後、得られた重合体の存在下でもう一方のセグメン
トを構成するポリマーの原料となるモノマーを重合す
る。このとき、セグメントAの合成に使用するモノマー
は、スルホン酸基を有するモノマーを使用してもよい
が、−SO2X基(Xが−OH基である場合を除く)を
有するモノマーを使用し、重合後にスルホン酸基に変換
してもよい。
【0037】ヨウ素移動重合の場合、用いられるヨウ素
化合物としては、下記のものが例示される。モノヨード
パーフルオロメタン、モノヨードパーフルオロエタン、
1−ヨードパーフルオロプロパン、2−ヨードパーフル
オロプロパン、1−ヨードパーフルオロブタン、2−ヨ
ードパーフルオロブタン、2−ヨードパーフルオロ(2
−メチルプロパン)、1−ヨードパーフルオロペンタ
ン、1−ヨードパーフルオロヘキサン、1−ヨードパー
フルオロオクタン、1−ヨードパーフルオロノナン、モ
ノヨードパーフルオロシクロブタン、2−ヨードパーフ
ルオロ(1−シクロブチル)エタン、モノヨードパーフ
ルオロシクロヘキサン、モノヨードジフルオロメタン、
モノヨードモノフルオロメタン、2−ヨード−1−ヒド
ロパーフルオロエタン、3−ヨード−1−ヒドロパーフ
ルオロプロパン、モノヨードモノクロロジフルオロメタ
ン、モノヨードジクロロモノフルオロメタン、2−ヨー
ド−1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタ
ン、4−ヨード−1,2−ジクロロパーフルオロブタ
ン、6−ヨード−1,2−ジクロロパーフルオロヘキサ
ン、4−ヨード−1,2,4−トリクロロパーフルオロ
ブタン、1−ヨード−2,2−ジヒドロパーフルオロプ
ロパン、1−ヨード−2−ヒドロパーフルオロプロパ
ン、モノヨードトリフルオロエチレン、3−ヨードパー
フルオロ(1−プロペン)、4−ヨードパーフルオロ
(1−ペンテン)、4−ヨード−5−クロロパーフルオ
ロ−1−ペンテン。
【0038】1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、
1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,3−ジヨー
ド−2−クロロパーフルオロプロパン、1,5−ジヨー
ド−2,4−ジクロロパーフルオロペンタン、1,7−
ジヨードパーフルオロオクタン、1−ヨードパーフルオ
ロデカン、1,12−ジヨードパーフルオロドデカン、
1,16−ジヨードパーフルオロヘキサデカン、1,2
−ビス(ヨードジフルオロメチル)パーフルオロシクロ
ブタン。
【0039】2−ヨード−1,1,1−トリフルオロエ
タン、1−ヨード−1−ヒドロパーフルオロプロパン、
2−ヨード−2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフル
オロエタン、2−ヨード−2−クロロ−1,1,1−ト
リフルオロエタン、2−ヨードパーフルオロエチル=パ
ーフルオロビニル=エーテル、2−ヨードパーフルオロ
エチル=パーフルオロイソプロピル=エーテル、3−ヨ
ード−2−クロロパーフルオロブチル=パーフルオロメ
チル=チオエーテル、3−ヨード−4−クロロパーフル
オロ酪酸等。
【0040】上記のようなヨウ素化合物の存在下でセグ
メントAの材料となるモノマーを重合し、次いで重合系
内に残存するモノマーを系外へ除去し、セグメントBの
原料となるモノマーを系内に導入した後、さらに重合す
ることで2元セグメント化ポリマーが得られる。また、
セグメントBを重合した後にセグメントAを重合する方
法も好適に採用できる。式1〜3に例示したような−S
2F基を有するパーフルオロビニルエーテル化合物
は、重合反応性が低いため、ポリマーへの転化率を高め
ることが困難で重合後も多量のモノマーが系内に存在す
る。また、式2で表される化合物等、沸点の低くないモ
ノマーは、重合系からの抜き出しが容易でない。
【0041】したがって、最初に重合したセグメントを
重合系内から抜き出すことなく次のセグメントを重合す
るためには、最初に重合反応性の高いBVE、パーフル
オロ(アリルビニルエーテル)、パーフルオロ(3,5
−ジオキサ−1,6−ヘプタジエン)等の環化重合する
モノマーやPDD、パーフルオロ(1,3−ジオキソー
ル)、パーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,
3−ジオキソラン)、パーフルオロ(4−メトキシ−
1,3−ジオキソール)等の環状モノマーを重合してセ
グメントBを形成し、後段で−SO2F基を有するパー
フルオロビニルエーテル化合物を重合してセグメントA
を形成すると容易に2つのセグメントを有するポリマー
が得られる。
【0042】また、ヨウ素移動重合におけるヨウ素化合
物として好ましくはパーフルオロモノヨージド(1つの
ヨウ素原子を含み、ヨウ素原子、酸素原子を除いて、炭
素原子と結合しているのが全てフッ素原子であるも
の)、より好ましくはパーフルオロアルキルモノヨージ
ドを用いて先にセグメントBを重合し、次いでセグメン
トAの部位を重合すると、イオン交換基を有しないセグ
メントBの末端にパーフルオロアルキル基を導入できる
ので、撥水性の高い重合体となり、酸化剤極の撥水性を
高められる点で好ましい。
【0043】重合系内に残存するモノマーとさらに重合
しようとするモノマーとの置換と重合とを繰り返し行う
ことにより、多元セグメント化ポリマーが得られる。上
記モノマーの置換に際しては、ヨウ素原子を末端に有す
るポリマーを一旦単離して再度重合の仕込みを行っても
よく、また、ポリマーを単離せずにモノマーを反応系外
へ抜き出して次に重合するモノマーを添加してもよい。
残存するモノマーがガス状モノマー又は沸点の低いモノ
マーの場合、後者の残存モノマーを抜き出す方法が好適
である。
【0044】また、環化重合モノマーや環状モノマーな
ど高い重合反応性を有するモノマーを前段で重合するこ
とによりモノマーからポリマーへの転化率が高い場合
は、重合後に該モノマーを抜き出す操作をせず次に重合
しようとするモノマーを系内に添加しても、前段のモノ
マーを抜き出した場合と実質的に同様の重合体が得られ
る。
【0045】重合は、ラジカルが生起する条件で行われ
る。紫外線、γ線、電子線等の放射線を照射する方法、
通常のラジカル重合で用いられるラジカル開始剤を添加
する方法が一般的である。重合温度は通常は20〜15
0℃程度である。ラジカル開始剤としては、例えばビス
(フルオロアシル)パーオキシド類、ビス(クロロフル
オロアシル)パーオキシド類、ジアルキルパーオキシジ
カーボネート類、ジアシルパーオキシド類、パーオキシ
エステル類、アゾ化合物類、過硫酸塩類等が挙げられ
る。
【0046】非水媒体中で重合を行う場合は、使用する
溶媒の沸点は、取り扱い性の観点から、通常は20〜3
50℃、好ましくは40〜150℃である。使用可能な
溶媒としては、例えば以下のものが挙げられる。パーフ
ルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリプロピルア
ミン等のポリフルオロトリアルキルアミン化合物。
【0047】パーフルオロヘキサン、パーフルオロオク
タン、パーフルオロデカン、パーフルオロドデカン、パ
ーフルオロ(2,7−ジメチルオクタン)、2H,3H
−パーフルオロペンタン、1H−パーフルオロヘキサ
ン、1H−パーフルオロオクタン、1H−パーフルオロ
デカン、1H,4H−パーフルオロブタン、1H,1
H,1H,2H,2H−パーフルオロヘキサン、1H,
1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタン、1
H,1H,1H,2H,2H−パーフルオロデカン、3
H,4H−パーフルオロ(2−メチルペンタン)、2
H,3H−パーフルオロ(2−メチルペンタン)等のフ
ルオロアルカン。
【0048】3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−
ペンタフルオロプロパン、1、3−ジクロロ−1,1,
2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロ
ロ−1−フルオロエタン等のクロロフルオロアルカン。
ヘキサフルオロプロペンの2量体、ヘキサフルオロプロ
ペンの3量体等の分子鎖末端に二重結合を有しないフル
オロオレフィン。
【0049】パーフルオロデカリン、パーフルオロシク
ロヘキサン、パーフルオロ(1,2−ジメチルシクロヘ
キサン)、パーフルオロ(1,3−ジメチルシクロヘキ
サン)、パーフルオロ(1,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン)、パーフルオロジメチルシクロブタン(構造
異性は限定しない)等のポリフルオロシクロアルカン。
パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)等のポ
リフルオロ環状エーテル化合物。
【0050】n−C37OCH3、n−C37OCH2
3、n−C37OC25、n−C49OCH3、iso
−C49OCH3、n−C49OC25、iso−C4
9OC25、n−C49OCH2CF3、n−C511OC
3、n−C613OCH3、n−C511OC25、CF
3OCF(CF3)CF2OCH3、CF3OCHFCH 2
CH3、CF3OCHFCH2OC25、n−C37OC
HFCF3、n−C3 7OCF2(CF3)OCHFCF3
等のヒドロフルオロエーテル類、フッ素含有低分子量ポ
リエーテル、tert−ブタノール等。これらは、単独
で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0051】これらの他にも広範な化合物を使用でき
る。1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオ
ロエタン、1,1,1−トリクロロ−2,2,2−トリ
フルオロエタン、1,1,1,3−テトラクロロ−2,
2,3,3−テトラフルオロプロパン、1,1,3,4
−テトラクロロ−1,2,2,3,4,4−ヘキサフル
オロブタン等のクロロフルオロカーボン類は、技術的に
は使用できるが、地球環境保護の観点から好ましくな
い。この他にも液体又は超臨界の二酸化炭素を用いて重
合することもできる。
【0052】懸濁重合や乳化重合の場合は、水又は水と
上述の溶媒との混合溶媒を用いて重合できるが、本発明
においては上述した非水媒体中での重合や、バルク重合
で酸化剤極樹脂を得る方が好ましい。理由は以下のとお
りである。
【0053】懸濁重合においては、重合時にモノマーで
膨潤したポリマー粒子同士が結合して大きな固まりを生
成しやすいため、円滑なプロセスの実現が困難である。
一方、乳化重合においては、物性の制御が難しい。例え
ば、セグメントAがTFE/CF2=CFOCF2CF
(CF3)OCF2CF2SO3H共重合体からなる場合、
含フッ素ポリマーの乳化重合で通常使用されるC715
CO2NH4やC817CO 2NH4(構造異性は限定しな
い)等の乳化剤を用いた通常の乳化重合方法では、イオ
ン交換容量の高いセグメントAを得るのは容易ではな
い。
【0054】例えば、水100質量部に対してCF2
CFOCF2CF(CF3)OCF2CFSO2Fを20質
量部及び乳化剤としてC817CO2NH4を0.2質量
部加えて57℃で重合した場合、TFEの重合圧がゲー
ジ圧力で0.2MPaという低圧においても、イオン交
換容量が0.2ミリ当量/グラム乾燥樹脂以下のポリマ
ーしか得られない。これは上記の−SO2F基を有する
ビニルエーテルモノマーの乳化が困難で、モノマー滴か
ら重合系のミセルに円滑に上記ビニルエーテルモノマー
を供給できないためと考えられる。したがって、通常の
方法でイオン交換容量が高いポリマーを得るには、さら
に重合圧力を下げて重合系内のTFEの濃度を下げる必
要があるが、生成ポリマーのイオン交換容量の重合圧力
依存性が大きくなりすぎて、小さな圧力変動でイオン交
換容量や分子量等のポリマー物性が大きく変動すること
になり好ましくない。
【0055】このような課題の対策として、超音波や乳
化器等を用いて前乳化する方法(特開昭60−2500
09、特開昭62−288617)や長いアルキル鎖を
有する乳化剤、エーテル鎖を有する乳化剤、スルホン酸
型官能基を有する乳化剤など特殊な乳化剤を用いる方法
が提案されている(特開昭62−288614,特開昭
62−288615、特開昭62−288616)。し
かし、前乳化する方法は、ポリマー物性が前乳化の条件
に敏感で再現性に問題がある。特殊な乳化剤を用いる方
法は、入手が困難であったり、コストが高くなる等の問
題がある。重合系にtert−ブタノール等の水溶性有
機溶剤を添加する方法も提案されている(特開平6−1
84244)が、廃水処理に問題がある。
【0056】また、乳化重合においては、ポリマーが生
成したミセル以外にもミセルが存在する。そのため、最
初に重合したセグメントを含まないミセルで後段の重合
が始まると、ブロックポリマーではなく、ブレンドポリ
マー(セグメントA又はその前駆体を構成するポリマー
とセグメントBを構成するポリマーとの混合物)となる
おそれがある。一方、バルク重合や非水媒体中での重合
では均一系であるため、上記問題は起こらない。
【0057】合成したポリマーの−SO2F基は、例え
ばNaOHやKOH等のアルカリが水中、又はメタノー
ルやエタノール等のアルコール類やジメチルスルホキシ
ド等の極性溶媒と水との混合溶媒中で加水分解された
後、塩酸や硫酸等の水溶液により酸型化されスルホン酸
基に変換される。例えばKOH水溶液により加水分解さ
れる場合は−SO2F基が−SO3K基に変換され、その
後Kイオンがプロトンに置換されることで目的の酸化剤
極樹脂が得られる。加水分解及び酸型化は通常0℃〜1
20℃の間で行われる。
【0058】ここでは−SO2F基を有するモノマーか
ら合成するセグメントAを例に酸化剤極樹脂の合成方法
を例示したが、−SO2F基以外の−SO2X基を有する
モノマーから合成する場合も同様に合成でき、酸化剤極
樹脂として使用する場合にはスルホン酸基に変換してか
ら使用される。
【0059】本発明における酸化剤極樹脂は、特にセグ
メントAが非晶質のセグメントA’を変換して得られた
場合、−OH基を有する有機溶媒に溶解又は良好に分散
できる。該溶媒としては、アルコール性の−OH基を有
する有機溶媒が好ましい。
【0060】前記溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、1−プロパノール、2,2,2−トリフルオロエタ
ノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プ
ロパノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プ
ロパノール、4,4,5,5,5−ペンタフルオロ−1
−ペンタノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2−プロパノール、3,3,3−トリフルオロ−
1−プロパノール、3,3,4,4,5,5,6,6,
6−ノナフルオロ−1−ヘキサノール、3,3,4,
4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフ
ルオロ−1−オクタノール等が例示される。またアルコ
ール以外に酢酸等のカルボキシル基を有する有機溶媒も
使用できるが、これらに限定されない。
【0061】−OH基を有する有機溶媒は、混合して用
いてもよく、水又は他の含フッ素溶媒と混合して用いて
もよい。他の含フッ素溶媒としては、上述の溶液重合に
好ましい含フッ素溶媒として例示した含フッ素溶媒が例
示される。混合溶媒を使用する場合、−OH基を有する
有機溶媒は、溶媒全質量の10%以上、特に20%以上
含まれることが好ましい。混合溶媒を用いる場合、最初
から酸化剤極樹脂を混合溶媒中に溶解又は分散させても
よいが、−OH基を有する有機溶媒に溶解した後、他の
溶媒を混合してもよい。
【0062】また、本発明における酸化剤極樹脂は水に
溶解させることは容易でないが、−OH基を有する有機
溶媒に溶解させれば、得られた溶液に水を添加してもポ
リマーは析出しない。イオン交換基が溶媒と相互作用
し、ポリマーは安定化して液中に存在できると考えられ
る。さらに、−OH基を有する有機溶媒の加熱留去と水
添加の操作により、又は遠心分離機によるポリマー濃縮
と水添加を繰り返す等の操作により、実質的に有機溶媒
を含有しないポリマーの水分散液を調製することもでき
る。酸化剤極樹脂の溶解は通常室温から150℃までの
間で行われる。
【0063】上記のような−OH基を有する有機溶媒を
含む溶媒又は水に酸化剤極樹脂を溶解又は分散させて得
られる液状組成物を使用して酸化剤極を作製すると、ガ
ス拡散性に優れる酸化剤極が得られる。該液状組成物中
の酸化剤極樹脂の濃度は、液状組成物全質量の1〜50
%、特に3〜30%であることが好ましい。濃度が低す
ぎると酸化剤極作製時に多量の有機溶媒が必要とされ、
濃度が高すぎると液の粘度が高すぎて取扱性が悪くな
る。
【0064】本発明における酸化剤極樹脂の溶液は通常
の手法に従って、白金触媒微粒子を担持させた導電性の
カーボンブラック粉末を混合して分散させ、得られた均
一の分散液を用いて、以下の2つのいずれかの方法で膜
−電極接合体を得ることが好ましい。第1の方法は、カ
チオン交換膜両面に前記分散液を塗布乾燥後、カーボン
クロス又はカーボンペーパーで密着する方法である。第
2の方法は前記分散液をカーボンクロス上又はカーボン
ペーパー上に塗布乾燥後、カチオン交換膜に密着させる
方法である。
【0065】本発明において、酸化剤極に含まれる触媒
と酸化剤極樹脂とは、質量比で触媒:酸化剤極樹脂=4
0:60〜95:5であることが、電極の導電性と水の
排出性の観点から好ましい。なお、ここでいう触媒の質
量は、カーボン等の担体に担持された担持触媒の場合は
該担体の質量も含む。
【0066】また、本発明における酸化剤極樹脂は、セ
グメントAとセグメントBを有する単独の樹脂からなっ
てもよいが、従来公知のスルホン酸基を有するパーフル
オロポリマーとの混合物としてもよい。該ポリマーとし
ては(式1〜3のいずれかで表されるモノマー)/TF
E共重合体、又は(式1〜3のいずれかで表されるモノ
マー)/TFE/(化4〜6のいずれかで表されるモノ
マー)(三元)共重合体を、加水分解、酸型化したポリ
マーが挙げられる。混合物とする場合、セグメントAと
セグメントBを有する樹脂の割合は酸化剤極樹脂全質量
の20%以上、特に50%以上あることが好ましい。
【0067】また、本発明における酸化剤極樹脂は、セ
グメントAとセグメントBからなり、セグメントCとセ
グメントD又はEとからなることが好ましいが、セグメ
ントCとセグメントDとセグメントEとからなることも
できる。すなわち、2種以上のセグメントA及び/又は
2種以上のセグメントBから構成することもできる。さ
らにセグメントAによるイオン伝導性とセグメントBに
よる撥水性の機能を阻害しない範囲で、30質量%以下
であれば他のセグメントを含むこともできる。当該他の
セグメントとしては、カルボン酸基を有するポリマーか
らなるセグメント、リン酸基を有するポリマーからなる
セグメント、水酸基を有するポリマーからなるセグメン
ト等が挙げられる。
【0068】本発明における燃料極は、酸化剤極と同じ
であってもよいが、従来より使用されているガス拡散電
極等からなってもよい。燃料極は酸化剤極と同様に形成
され、膜の片面に燃料極、もう一方の面に酸化剤極が配
置された膜−電極接合体が得られる。
【0069】得られた膜−電極接合体は、例えば燃料ガ
ス又は酸素を含む酸化剤ガス(空気、酸素等)の通路と
なる溝が形成され導電性カーボン板等からなるセパレー
タの間に挟まれ、セルに組み込まれることにより本発明
の固体高分子型燃料電池が得られる。
【0070】
【実施例】以下に、本発明を実施例(例1〜5)及び比
較例(例6)により具体的に説明するが、本発明はこれ
らに限定されない。なお、以下の例において、下記の略
号を用いる。 PSVE:CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2
2SO2F、 PPVE:CF2=CFOCF2CF2CF3、 IPP:(CH32CHOC(=O)OOC(=O)O
CH(CH32、 HCFC141b:CH3CCl2F(旭硝子社製)、 HCFC225cb:CClF2CF2CHClF(旭硝
子社製)。
【0071】また、以下の各例において合成されるAB
型、ABA型又はBAB型のブロックポリマー(A及び
BはそれぞれセグメントA及びセグメントBを表す。)
において、各セグメント及びポリマー全体の分子量とイ
オン交換容量は以下のようにして求めた。この方法によ
り求めた各例のポリマーの物性は、表1に示す。なお、
ABA型ブロックポリマーのセグメントAの分子量は、
ポリマー鎖に導入されたセグメントA合計の分子量(ブ
ロックポリマー全体の分子量からセグメントBの分子量
を差し引いた分子量)を示し、BAB型も同様である。
【0072】なお、表1及び表2において、イオン交換
容量の単位は、ミリ当量/g乾燥樹脂である。また、表
1におけるA及びBは、それぞれセグメントA及びセグ
メントBを示す。 [先にセグメントAを合成する場合]最初に合成したセ
グメントAについて、滴定によりイオン交換容量を求
め、サイズ排除クロマトグラフィーによりポリメタクリ
ル酸メチル換算の数平均分子量を求めた(装置:東ソー
社製、SEC HLC−8020、移動相:HCFC2
25cb/1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−
2−プロパノール(99/1体積比)、カラム:ポリマ
ー ラボラトリー社製、Plgel 5μ MIXED
−C 2本)。次にセグメントBをブロック化共重合し
て得られたブロックポリマー全体のイオン交換容量を滴
定により求めた。セグメントAのイオン交換容量の値と
ブロックポリマー全体のイオン交換容量の値から、セグ
メントAとセグメントBの質量比を求めセグメントBの
分子量を算出し、さらに前述のセグメントAの分子量を
用いてブロックポリマー全体の分子量を算出した。
【0073】[先にセグメントBを合成する場合]セグ
メントBにセグメントAをブロック化共重合して得られ
たブロックポリマー全体のイオン交換容量と、19F−N
MRで求めたセグメントAのイオン交換容量から、セグ
メントAとセグメントBの質量比を求めた。上述と同様
にしてサイズ排除クロマトグラフィーにより求めたセグ
メントBの分子量を用いてセグメントAの分子量及びブ
ロックポリマー全体の分子量を算出した。以下にブロッ
クポリマーの合成例を示し、得られたポリマーのイオン
交換容量及び分子量は表1に示す。
【0074】[例1] [(TFE/PPVE共重合体)−(TFE/PSVE
共重合体)ブロックポリマーの合成] [TFE/PPVE共重合体セグメントの重合]脱気し
た内容積1Lのオートクレーブに、4.50gの1−ヨ
ードパーフルオロブタン(F(CF24I)と706.
5gのPPVEとを吸入させた後、40℃に加熱した。
88gのTFEを圧入後、5.36gのIPPを78.
2gのHCFC225cbに混合して得られる溶液5m
Lを圧入し、重合を開始した。圧力を一定(ゲージ圧で
0.66MPa)に保ちながら重合を継続した。重合速
度の低下にともない、上記IPPの溶液をさらに添加し
て重合を続けた。添加したIPPの総量は1.6gであ
った。TFEが80g入ったところで加熱を止めてTF
Eをパージし、重合を止めた。得られた溶液を、HCF
C141bに注いで凝集後、洗浄、ろ過、乾燥すること
により、白色のポリマー152gを得た。
【0075】上記ポリマーにおいて、TFEに基づく重
合単位とPPVEに基づく重合単位との比は、モル比で
72:28であった。また、上記ポリマーは室温ではエ
ラストマー状であった。
【0076】[TFE/PSVE共重合体セグメントの
ブロック共重合]上記TFE/PPVE共重合体80g
を内容積1Lのオートクレーブに入れ、脱気後、77
8.5gのPSVEを吸入させた後に40℃に加熱し、
30分撹拌して溶解した。TFEを60g圧入後、2.
8gのIPPを78.6gのHCFC225cbに混合
して得られる溶液6mLを圧入し、重合を開始した。圧
力を一定(ゲージ圧で0.49MPa)に保ちながら重
合を継続した。重合速度の低下にともない、上記IPP
の溶液をさらに添加して重合を続けた。添加したIPP
の総量は1.17gであった。TFEが55g入ったと
ころで加熱を止めてTFEをパージし、重合を止めた。
得られた溶液を、HCFC141bに注いで凝集後、洗
浄、ろ過、乾燥することにより、白色のポリマー26
8.5gを得た。
【0077】[例2] [(PBVE)−(TFE/PSVE共重合体)ブロッ
クポリマーの合成] [PBVEセグメントの重合]500mLのガラス製の
フラスコにF(CF24Iを2.77g、1H−パーフ
ルオロヘキサン(以下、C613Hという。)を203
g、及びBVEを200g入れて撹拌し、40℃に加温
した。これに、0.33gのIPPを加え、重合を開始
した。途中、重合速度低下にともない、1.0gのIP
Pを9.0gのC613Hに混合して得られた溶液を追
加して重合を続け、重合開始から97時間後に加熱を止
めた。なお、IPPの総添加量は0.66gであった。
この反応液をHCFC141bに注いで凝集後、洗浄、
ろ過、乾燥することにより、非晶質のポリマー137g
を得た。
【0078】[TFE/PSVE共重合体セグメントの
ブロック共重合]上記で得られたポリマー80gを内容
積1Lのオートクレーブに入れ、脱気し、PSVEを7
78.5g吸入させた後に40℃に加熱し、30分撹拌
した。次いでTFEを58g圧入後、2.63gのIP
Pを78.2gのHCFC225cbに溶解した溶液5
mLを圧入し、重合を開始した。圧力を一定に保ちなが
ら重合を継続し、重合速度が低下すると上記IPPの溶
液を補充して重合を続けた。添加したIPPの総量は
1.05gであった。TFEが55g入ったところで加
熱を止めてTFEをパージし、重合を止めた。得られた
溶液を、HCFC141bに注いで凝集させた後、洗
浄、ろ過、乾燥することにより、白色のポリマー217
gを得た。
【0079】[例3] [(TFE/PSVE共重合体)−(PBVE)−(T
FE/PSVE共重合体)ブロックポリマーの合成] [PBVEセグメントの重合]500mLのガラス製の
フラスコに5.71gの1,4−ジヨードパーフルオロ
ブタン(I(CF24I)、150gのC613H及び
152gのBVEを入れて撹拌し、40℃に加温した。
これに2.29gのIPPを12.65gのHCFC2
25cbに溶解した溶液3.34gを加え、40℃で1
17時間重合を行った。この反応液をHCFC141b
に注いで凝集後、洗浄、ろ過、乾燥することにより、非
晶質の樹脂153gを得た。
【0080】[TFE/PSVE共重合体セグメントの
ブロック共重合]上記PBVE80gを内容積1Lのオ
ートクレーブに入れ、脱気後、778.5gのPSVE
を吸入させて40℃に加熱し、30分撹拌して溶解し
た。TFEを60g圧入後、2.8gのIPPを78.
2gのHCFC225cbに溶解した溶液7mLを圧入
し、重合を開始した。圧力を一定(ゲージ圧で0.49
MPa)に保ちながら重合を継続した。重合速度の低下
にともない、上記IPPの溶液をさらに添加して重合を
続けた。添加したIPPの総量は1.23gであった。
TFEが53g入ったところで加熱を止めてTFEをパ
ージし、重合を止めた。得られた溶液を、HCFC14
1bに注いで凝集後、洗浄、ろ過、乾燥することによ
り、白色のポリマー265gを得た。
【0081】[例4] [(PBVE)−(TFE/PSVE共重合体)−(P
BVE)ブロックポリマーの合成] [TFE/PSVE共重合体セグメントの重合]脱気し
た内容積1Lのオートクレーブに、4.15gのI(C
24Iと778.5gのPSVEを吸入させた後に4
0℃に加熱した。58gのTFEを圧入後、7.53g
のIPPを78.2gのHCFC225cbに溶解した
溶液6mLを圧入し、重合を開始した。圧力を一定(ゲ
ージ圧で0.45MPa)に保ちながら重合を継続し
た。重合速度の低下にともない、上記IPPの溶液をさ
らに添加して重合を続けた。添加したIPPの総量は
1.66gであった。TFEが80g入ったところで加
熱を止めてTFEをパージし、重合を止めた。得られた
溶液を、HCFC141bに注いで凝集後、洗浄、ろ
過、乾燥することにより、室温においてエラストマー状
のポリマー235gを得た。
【0082】[PBVEセグメントのブロック共重合] 500mLのガラス製のフラスコに上記50gのTFE
/PSVE共重合体と250gのC613Hと30gの
BVEを入れて撹拌、溶解し、40℃に加温した。これ
に0.97gのIPPを17.26gのHCFC225
cbに溶解した溶液1.39gを加え、重合を開始し
た。途中重合速度の低下にともない、上記IPPの溶液
をさらに添加して重合を続けた。IPP添加の総量は
0.15gであった。重合開始から366時間後に加熱
を止めた。この反応液をHCFC141bに注いで凝集
後、洗浄、ろ過、乾燥することにより、白色のポリマー
71.5gを得た。
【0083】[例5] [(PPDD)−(TFE/PSVE共重合体)−(P
PDD)ブロックポリマーの合成] [PPDDのブロック共重合]500mLのガラス製の
フラスコに例4において得られたTFE/PSVE共重
合体を50gと、250gのC613Hと25gのPD
Dを入れて撹拌し、TFE/PSVE共重合体を溶解さ
せた。これに0.082gのIPPを5gのC 613
に溶解した溶液を加え、30℃で65時間重合した。こ
の反応液をHCFC141bに注いで凝集後、洗浄、ろ
過、乾燥することにより、白色のポリマー62.9gを
得た。
【0084】[ポリマーの酸型化及び溶液化]例1で得
られたポリマー((TFE/PPVE共重合体)−(T
FE/PSVE共重合体)ブロックポリマー)を20.
1g、及び30.2gのジメチルスルホキシドと13.
2gのKOHを59.2gの水に溶解した水溶液をセパ
ラブルフラスコに加え、70℃に加熱し、撹拌した。1
6時間後、ポリマーをろ過、水洗した後、再びセパラブ
ルフラスコに戻し、60gの水を補充して、60℃で3
時間加熱撹拌した。これを2回繰り返して、pHが8以
下であることを確認した。溶液をろ過し、ポリマーをセ
パラブルフラスコに戻して、0.5モル/Lの硫酸60
gを加え、16時間60℃で加熱撹拌した。ポリマーを
ろ過後、水洗し、セパラブルフラスコに戻して60gの
水を加えて60℃で3時間、加熱撹拌した。これを2回
繰り返し、pHが4以上であることを確認した。次いで
ポリマーを空気中で60℃にて16時間乾燥し、さらに
真空中で60℃にて16時間乾燥した。
【0085】上記のポリマー10gとエタノール40g
を混合し、70℃で24時間加熱撹拌することにより、
濃度20%(質量比)の青白い半透明の粘稠なポリマー
溶液を得た。このポリマー溶液20gにエタノール20
gを加え、しばらく撹拌して調製した濃度10%の共重
合体溶液(以下、溶液1という。)は白濁していた。ま
た、上記濃度20%のポリマー溶液20gにHCFC2
25cbを20g加えて同様に調製した濃度10%のポ
リマー溶液(以下、溶液2という。)は無色透明であっ
た。このようにして得た溶媒の異なる溶液1及び溶液2
からそれぞれキャストフィルムを作製し、透過型電子顕
微鏡で観察したところ、いずれのキャストフィルムにも
相分離構造が確認された。
【0086】[含水率の測定]例1〜5で合成したブロ
ックポリマーを用い、[ポリマーの酸型化及び溶液化]
の項と同様の操作を行い、酸型化し、溶液2の作製と同
様にしてポリマー溶液(溶媒:エタノールとHCFC2
25cbの混合溶媒)を作製した。この溶液をキャスト
製膜し、160℃で30分加熱することにより例1〜5
のポリマーフィルムをそれぞれ作製した。
【0087】このフィルムを90℃のイオン交換水に1
6時間浸漬後、質量を測定した。次いでフィルムを11
0℃にて16時間真空乾燥して再び質量を測定した。前
者の質量をa(g)、後者の質量をb(g)とし、含水
率を含水率(%)=100×(a−b)/bにより求め
た。結果を表2に示す。
【0088】[燃料電池の作製及び性能の評価] (1)例1で得られたブロックポリマーを用いた燃料電
池 共重合体と白金担持カーボンの質量比が3:7となるよ
うに白金担持カーボンを溶液2に混合して塗工液とし、
該塗工液をカーボンクロス上に塗工し、乾燥して厚さ1
0μm、白金担持量0.5mg/cm2のガス拡散電極
層を形成したガス拡散電極を得た。
【0089】一方、TFE/PSVE共重合体(イオン
交換容量1.1ミリ当量/グラム乾燥樹脂)を押し出し
製膜し、加水分解、酸型化、水洗を行って、膜厚50μ
mのスルホン酸基を有するパーフルオロポリマーからな
る膜を得た。この膜を、上記ガス拡散電極2枚の間に挟
み、平板プレス機を用いてプレスし、さらに加熱プレス
して膜−電極接合体を作製した。
【0090】この膜−電極接合体の外側にチタン製の集
電体、さらにその外側にPTFE製のガス供給室、さら
にその外側にヒーターを配置し、有効膜面積9cm2
燃料電池を組み立てた。
【0091】燃料電池の温度を80℃に保ち、酸化剤極
に酸素、燃料極に水素をそれぞれ0.05MPa加圧で
供給した。電流密度1A/cm2のときの端子電圧を測
定したところ、端子電圧は0.63Vであった。この状
態で1000時間連続運転したところ、1000時間後
の端子電圧は0.62Vであった。
【0092】(2)例5で得られたブロックポリマーを
用いた燃料電池 例5で得られたポリマー((PPDD)−(TFE/P
SVE共重合体)−(PPDD)ブロックポリマー)を
用い、[ポリマーの酸型化及び溶液化]の項と同様の操
作を行い、酸型化し、HCFC225cbのかわりに1
H−パーフルオロヘキサンを用いた以外は溶液2の作製
と同様にして濃度10%のポリマー溶液(溶液3)を得
た。
【0093】溶液2のかわりに溶液3を用いた以外は
(1)と同様にして燃料電池を作製し、(1)と同様に
して性能の評価を行った。電流密度1A/cm2のとき
の端子電圧は0.65Vであり、この状態で1000時
間連続運転した後の端子電圧は0.64Vであった。
【0094】[例6(比較例)]ガス拡散電極を、例1
で合成したポリマーのかわりにTFE/PSVE共重合
体(イオン交換容量1.1ミリ当量/グラム乾燥樹脂)
を用いて作製したほかは、例1と同様に燃料電池を作製
し、例1と同様に燃料電池性能を評価した。80℃にお
いて、電流密度1A/cm2のときの端子電圧は0.6
0Vであり、1000時間後の端子電圧は0.50Vで
あった。
【0095】また、上記TFE/PSVE共重合体を質
量比で10%の濃度でエタノールに溶解した溶液を用い
て[含水率の測定]の項と同様の方法でキャスト製膜
し、得られたフィルムの含水率を測定した。結果を表2
に示す。表2によれば、本発明におけるブロックポリマ
ーは、イオン交換容量が同等以上である比較例の従来の
イオン交換樹脂よりも高い含水率を有している。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
【発明の効果】本発明における酸化剤極樹脂は相分離構
造を有しており、高イオン交換容量のスルホン酸基を有
するポリマー相(セグメントA)と撥水性を有するイオ
ン交換基を有しない含フッ素重合体相(セグメントB)
が同時に導入されているため、得られる燃料電池は出力
密度が高く、またフラッディングが起こりにくくなり、
長期的に使用しても高性能を維持できる。
【0099】また、本発明における酸化剤極樹脂は、酸
化剤極だけではなく、燃料電池用の高分子固体電解質膜
にも使用できる。さらに、食塩電解などの電気化学プロ
セスにおけるイオン交換膜、選択透過膜、除湿膜、セン
サー、化学反応の酸触媒、固体電解質などの用途にも応
用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/22 101 C08J 5/22 101 // C08L 27:12 C08L 27:12 Fターム(参考) 4F071 AA06 AA26 AA30 AA75 AH15 FA02 FA05 FB01 FC01 FD02 4J015 EA06 4J026 HA10 HA29 HA32 HA39 HB10 HB28 HB39 HB47 HE01 4J100 AC23Q AC24Q AC25Q AC26Q AC31Q AC42Q AE38P AE38Q AE39Q AE84Q AR32Q BA02P BA02Q BA57P BB07Q BB12P BB12Q BB13P BB18P BB18Q CA04 FA03 JA16 JA43 5H026 AA06 CX05 EE19 HH00 HH05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膜状固体高分子電解質と、該電解質の片面
    に配置された酸化剤極と、該電解質のもう一方の面に配
    置された燃料極とを有する固体高分子型燃料電池におい
    て、前記酸化剤極は触媒とイオン交換樹脂とを含有し、
    該イオン交換樹脂は、下記セグメントAと下記セグメン
    トBとからなる重合体からなることを特徴とする固体高
    分子型燃料電池。 セグメントA:スルホン酸基を有するポリマーからなる
    セグメント。 セグメントB:実質的にイオン交換基を有しない含フッ
    素ポリマーからなるセグメント。
  2. 【請求項2】前記イオン交換樹脂は、フルオロスルホニ
    ル基を有する非晶質のポリマーからなるセグメントと実
    質的にイオン交換基を有しない非晶質の含フッ素ポリマ
    ーからなるセグメントとからなるポリマーを加水分解
    し、酸型化することにより得られる請求項1に記載の固
    体高分子電解質型燃料電池。
  3. 【請求項3】前記イオン交換樹脂は、実質的にパーフル
    オロポリマーである請求項1又は2に記載の固体高分子
    型燃料電池。
  4. 【請求項4】前記セグメントBは、主鎖に脂肪族環構造
    を有する請求項1、2又は3に記載の固体高分子型燃料
    電池。
  5. 【請求項5】前記イオン交換樹脂は、前記セグメントA
    が下記セグメントCからなり、前記セグメントBが下記
    セグメントDからなる重合体からなり、かつ分子量が5
    ×103〜5×106である請求項4に記載の固体高分子
    型燃料電池。 セグメントC:スルホン酸基を有するパーフルオロビニ
    ルエーテルに基づく重合単位とテトラフルオロエチレン
    に基づく重合単位とからなる共重合体であって、前記パ
    ーフルオロビニルエーテルに基づく重合単位が20モル
    %以上含まれる共重合体からなるセグメント。 セグメントD:イオン交換基を有さず、主鎖に脂肪族環
    構造を有するパーフルオロポリマーからなるセグメン
    ト。
  6. 【請求項6】前記イオン交換樹脂は、前記セグメントA
    が下記セグメントCからなり、前記セグメントBが下記
    セグメントEからなる重合体からなり、かつ分子量が5
    ×103〜5×106である請求項1に記載の固体高分子
    型燃料電池。 セグメントC:スルホン酸基を有するパーフルオロビニ
    ルエーテルに基づく重合単位とテトラフルオロエチレン
    に基づく重合単位とからなる共重合体であって、前記パ
    ーフルオロビニルエーテルに基づく重合単位が20モル
    %以上含まれる共重合体からなるセグメント。 セグメントE:イオン交換基を有さず、パーフルオロビ
    ニルエーテルに基づく重合単位とテトラフルオロエチレ
    ンに基づく重合単位とからなる共重合体であって、前記
    パーフルオロビニルエーテルに基づく重合単位が20モ
    ル%以上含まれる共重合体からなるセグメント。
  7. 【請求項7】前記イオン交換樹脂において、前記セグメ
    ントAと前記セグメントBとは質量比で95/5〜5/
    95含まれる請求項1、2、3、4、5又は6に記載の
    固体高分子電解質型燃料電池。
  8. 【請求項8】前記イオン交換樹脂は、ヨウ素含有含フッ
    素化合物の存在下で下記重合1を行った後に得られた重
    合体の存在下で下記重合2を行うか、又は下記重合2を
    行った後に得られた重合体の存在下で下記重合1を行う
    ことにより得られた樹脂である請求項5又は6に記載の
    固体高分子型燃料電池。 重合1:ヨウ素移動重合法による、−SO2X基を有す
    るパーフルオロ(ビニルエーテル)モノマー(ただし、
    Xは塩素原子、フッ素原子又はOMであり、Mは水素原
    子、アルカリ金属原子又はNH4である。)の単独重合
    又は他の含フッ素モノマーとの共重合。 重合2:ヨウ素移動重合法による、イオン交換基を有し
    ないパーフルオロモノマーの単独重合又はイオン交換基
    を有しない複数のパーフルオロモノマーの共重合。
  9. 【請求項9】前記ヨウ素含有フッ素化合物がパーフルオ
    ロアルキルモノヨージドである請求項8に記載の固体高
    分子型燃料電池。
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