JP5028711B2 - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素・酸素燃料電池は、その反応生成物が原理的に水のみであり地球環境への悪影響がほとんどない発電システムとして注目されている。固体高分子型燃料電池は、かつてジェミニ計画及びバイオサテライト計画で宇宙船に搭載されたが、当時の電池出力密度は低かった。その後、より高性能のアルカリ型燃料電池が開発され、現在のスペースシャトルに至るまで宇宙用にはアルカリ型燃料電池が採用されている。
【0003】
ところが、近年技術の進歩により固体高分子型燃料電池が再び注目されている。その理由として次の2点が挙げられる。(1)固体高分子電解質として高導電性の膜が開発された。(2)ガス拡散電極層に用いられる触媒をカーボンに担持し、さらにこれをイオン交換樹脂で被覆することにより、きわめて大きな活性が得られるようになった。
【0004】
そして、固体高分子型燃料電池の電極・固体高分子電解質膜接合体(以下、単に接合体という)の製造方法に関して多くの検討がなされている。
現在検討されている固体高分子型燃料電池は、作動温度が50〜120℃と低いため、排熱が燃料電池の補機動力等に有効利用しがたい欠点がある。これを補う意味でも固体高分子型燃料電池は、特に高い出力密度が要求されている。また実用化への課題として、燃料及び空気利用率の高い運転条件下でも高エネルギ効率、高出力密度が得られる接合体の開発が要求されている。
【0005】
低作動温度かつ高ガス利用率の運転条件では、特に電池反応により水が生成する酸化剤極において、水蒸気の凝縮による電極多孔体の閉塞(フラッディング)が起こりやすい。したがって長期にわたり安定な特性を得るためには、フラッディングが起こらないように電極の撥水性を確保する必要がある。低温で高出力密度が得られる固体高分子型燃料電池では特に重要である。
【0006】
電極の撥水性を確保するには、電極中で触媒を被覆するイオン交換樹脂のイオン交換容量を小さくする、すなわちイオン交換基の含有率が低いイオン交換樹脂の使用が有効である。しかし、この場合にはイオン交換樹脂は含水率が低いため導電性が低くなり、電池性能が低下する。さらに、イオン交換樹脂のガス透過性が低下するため、被覆したイオン交換樹脂を通して触媒表面に供給されるガスの供給が遅くなる。そのため、反応サイトにおけるガス濃度が低下して電圧損失が大きくなる、すなわち濃度過電圧が高くなって出力が低下する。
【0007】
このため、触媒を被覆するイオン交換樹脂にはイオン交換容量の高い樹脂を用い、これに加えて、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという。)、テトラフルオロエチレン(以下、TFEという。)/ヘキサフルオロプロペン共重合体、TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体等のフッ素樹脂等を撥水化剤として電極、特に酸化剤極中に含有させ、フラッディングを抑制する試みがなされている(特開平5−36418)。なお、本明細書でA/B共重合体とは、Aに基づく重合単位とBに基づく重合単位とからなる共重合体を示す。
【0008】
しかし、充分に撥水化するために電極中の上記撥水化剤の量を多くすると、上記撥水化剤は絶縁体のため電極の電気抵抗が増大する。また、電極の厚さが厚くなるためガス透過性が低下し、逆に出力が低下する問題がある。電極の導電性の低下を補うためには、例えば触媒の担体であるカーボン材料の導電性や触媒を被覆するイオン交換樹脂のイオン導電性を高めることが必要である。しかし、充分な導電性と充分な撥水性を同時に満足する電極を得るのは困難であり、高出力かつ長期的に安定な固体高分子型燃料電池を得ることは容易ではなかった。
【0009】
また、フッ化ピッチを混合する方法(特開平7−211324)、触媒担体をフッ素化処理する方法(特開平7−192738)も提案されているが、触媒表面をイオン交換樹脂により均一に被覆できない問題がある。また、電極の厚さ方向に対して撥水性に勾配を持たせる方法(特開平5−251086、特開平7−134993)も提案されているが、製造方法が煩雑である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
燃料電池の出力を高めるには、電極中のイオン交換樹脂が高ガス透過性かつ高導電性であることが必要であり、交換基濃度が高く含水率の高いイオン交換樹脂が好ましい。しかし、交換基濃度の高いイオン交換樹脂を用いた場合、燃料ガスの透過性及び導電性が高く燃料電池の初期の出力は高くなるが、フラッディングが起こりやすく、長期間使用すると出力の低下が起こりやすい。
【0011】
そこで本発明は、導電性が高くかつ含有するイオン交換樹脂のガス透過性が高く、長期間使用しても高い撥水性を維持できる酸化剤極を有することにより、長期間にわたって高出力を維持できる固体高分子型燃料電池を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、膜状固体高分子電解質と、該電解質の片面に配置された酸化剤極と、該電解質のもう一方の面に配置された燃料極とを有する固体高分子型燃料電池において、前記酸化剤極は触媒とイオン交換樹脂とを含有し、該イオン交換樹脂は、下記セグメントAと下記セグメントBとからなる重合体からなることを特徴とする固体高分子型燃料電池を提供する。
セグメントA:スルホン酸基を有するポリマーからなるセグメント。
セグメントB:実質的にイオン交換基を有しない含フッ素ポリマーからなり、主鎖に脂肪族環構造を有するセグメント。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明では、イオン交換樹脂は、フルオロスルホニル基(−SO2F基)を有するポリマーからなる非晶質のセグメント(以下、セグメントA’という。)と非晶質のセグメントBとからなるポリマーを、加水分解、酸型化することにより得られることが好ましい。セグメントA’、セグメントBともに非晶質であると、ヨウ素移動重合による多元セグメント化が容易である。結晶性を有すると、生長ラジカルの反応性が低下したり、溶液からのポリマー析出等の理由によりヨウ素移動重合が進行しにくくなる。少なくとも最初に重合するセグメントは、非晶質であることが好ましい。最初に重合するセグメントが結晶性を有すると次に重合するセグメントの導入が困難となるためである。
【0014】
また、酸化剤極は、通常、酸化剤極樹脂を溶媒に溶解又は分散させた液に触媒を分散させて塗工液とし、該塗工液を用いて塗工することにより形成するが、酸化剤極樹脂は、セグメントAの前駆体であるセグメントA’又はセグメントBが結晶性を有すると溶媒への溶解性又は分散性が低下する。そのため、酸化剤極樹脂が溶媒に溶解又は分散した液が得にくく、得られたとしても溶媒中で大きな粒子を形成しやすい。したがって、酸化剤極樹脂が均一性よく分布した酸化剤極が得にくく、酸化剤極の反応性が低下するおそれがある。
なお、本明細書において非晶質のポリマーとは、結晶融点Tmを有しないか、又はTmが重合温度より低いポリマーをいう。
【0015】
本発明において酸化剤極に含まれるイオン交換樹脂(以下、酸化剤極樹脂という。)は、セグメントAとセグメントBとからなる重合体からなる。セグメントA及びセグメントBは、いずれも水素原子が全てフッ素原子に置換された(但し、スルホン酸基を除く。)ポリマー(本明細書ではパーフルオロポリマーという。)からなることが、燃料電池の実用耐久性の観点から好ましい。
【0016】
燃料電池の出力を高めるためには、電極中のイオン交換樹脂は高ガス透過性かつ高導電性であることが好ましく、イオン交換基濃度が高く含水率が高いことが好ましい。そのため、セグメントAは、イオン交換容量が0.5ミリ当量/g乾燥樹脂以上であることが好ましい。セグメントAを構成するポリマーはスルホン酸基(−SO3H基)を有するモノマーに基づく重合単位からなる重合体又は該重合単位と他のモノマーに基づく重合単位とからなる共重合体からなるので、イオン交換容量の上限は、スルホン酸基又はその前駆体基を有するモノマーの単独重合体のイオン交換容量で決まり、該モノマーの分子量に依存し、1.5〜4ミリ当量/g乾燥樹脂程度である。なお、ここでスルホン酸基の前駆体基とは、加水分解等によりスルホン酸基となる基であり、以下、スルホン酸基及びその前駆体基をまとめて−SO2X基(ただし、Xはフッ素原子又はOMであり、Mは水素原子、アルカリ金属原子又はNH4である。)で表す。
【0017】
酸化剤極樹脂の原料となる−SO2X基を有するモノマーとしては、−SO2F基を有するパーフルオロビニルエーテルが好ましく挙げられる。具体的には、CF2=CF−(OCF2CFY)m−Op−(CF2n−SO2Fで表されるパーフルオロビニルエーテル(式中、Yはフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数であり、nは1〜12の整数であり、pは0又は1であり、m+p>0である。)が好ましい。上記パーフルオロビニルエーテルのなかでも、式1〜3の化合物が好ましく挙げられる。ただし、式1〜3中、qは1〜8の整数であり、rは1〜8の整数であり、sは2又は3である。
【0018】
【化1】
Figure 0005028711
【0019】
−SO2F基を有するパーフルオロビニルエーテルは、単独重合も可能であるが、ラジカル重合反応性が小さいため、通常はオレフィン類等のコモノマーと共重合して用いられる。該コモノマーの例としては、TFE、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、エチレン、パーフルオロ(3−ブテニルビニルエーテル)(以下、BVEという。)、パーフルオロ(アリルビニルエーテル)、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)(以下、PDDという。)、パーフルオロ(1,3−ジオキソール)、パーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)、パーフルオロ(3,5−ジオキサ−1,6−ヘプタジエン)、パーフルオロ(4−メトキシ−1,3−ジオキソール)等が挙げられる。
【0020】
これらのコモノマーに加えてさらに、プロペン、ヘキサフルオロプロペン等のパーフルオロ−α−オレフィン類、(パーフルオロブチル)エチレン等の(パーフルオロアルキル)エチレン類、3−パーフルオロオクチル−1−プロペン等の(パーフルオロアルキル)プロペン類、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(ただし、アルキル基は分枝構造を有してもよく、またエーテル結合性の酸素原子を含有していてもよい。以下、同様の意味で記載する。)類等を共重合させてもよい。
【0021】
上記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類としては、CF2=CF−(OCF2CFZ)t−O−Rfで表されるパーフルオロビニルエーテル化合物が好ましい。ただし、式中、tは0〜3の整数であり、Zはフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、Rfは直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基(以下、本明細書において、Rfは同じ意味で用いる。)である。
【0022】
CF2=CF−(OCF2CFZ)t−O−Rfで表されるパーフルオロビニルエーテル化合物としては、式4〜6の化合物が好ましく挙げられる。ただし、式4〜6中、vは1〜8の整数であり、wは1〜8の整数であり、xは2又は3である。
【0023】
【化2】
Figure 0005028711
【0024】
セグメントAとしては、具体的にはTFE/スルホン酸基を有するパーフルオロビニルエーテル共重合体からなるセグメント(以下、セグメントCという。)であることが好ましい。このなかで、TFE/スルホン酸基を有するパーフルオロビニルエーテル共重合体は、結晶性のものと非晶質のものがあり、非晶質のものを得るためには、スルホン酸基を有するパーフルオロビニルエーテルに基づく重合単位が前記共重合体中に20モル%以上含まれることが必要であり、25モル%以上含まれていることが好ましい。
【0025】
一方、セグメントBを構成するポリマーとしては、セグメントAにおいて−SO2F基を有するパーフルオロビニルエーテルと共重合させるコモノマーとして例示したオレフィン等のコモノマーの単独重合体又はそれらの二種以上の共重合体であって、実質的にイオン交換基を有しない含フッ素重合体が好ましく使用できる。
【0026】
セグメントBを構成するポリマーとしては、なかでも、特に原料を環化重合することにより得られるポリマー又は環状モノマーを重合して得られるポリマー等の、イオン交換基を有さず主鎖に脂肪族環構造を有するパーフルオロポリマー(以下、セグメントDという。)であると、酸化剤極樹脂の溶媒への溶解性が良好となり好ましい。ここで、「主鎖に脂肪族環構造を有する」とは、繰り返し単位中の脂肪族環構造の炭素原子の少なくとも1つがポリマーの主鎖に共有されていることをいう。具体的に好ましい例としては、下記のポリマーが挙げられる。
【0027】
ポリ(パーフルオロ(3−ブテニルビニルエーテル))(以下、PBVEという。)、ポリ(パーフルオロ(アリルビニルエーテル))等の、原料となるモノマーを環化重合することにより得られるポリマー。
【0028】
PDD単独重合体(以下、PPDDという。)、ポリ(パーフルオロ(1,3−ジオキソール))、TFE/PDD共重合体、ポリ(パーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン))等の、環状モノマーを重合することにより得られるポリマー。
【0029】
上に挙げたようなセグメントDを有する酸化剤極樹脂を含む酸化剤極は、ガス透過性に優れるので好ましい。特にPPDD等の環状モノマーの重合体からなるセグメントDを有する酸化剤極樹脂はガス透過性に優れている。
【0030】
また、セグメントBを構成するポリマーとしては、含フッ素線状重合体も好ましく使用でき、該含フッ素線状重合体の具体例としては、TFE/ヘキサフルオロプロペン共重合体、TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体等が挙げられる。上述のように酸化剤極樹脂をヨウ素移動重合法により合成する場合は各セグメントを構成するポリマーは非晶質であることが好ましく、上記含フッ素線状重合体がTFEに基づく重合単位を含む場合はTFEと共重合するコモノマーに基づく重合単位の含有量を増やすことにより非晶質にできる。
【0031】
ここで、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、CF2=CF−(OCF2CFY)t−O−Rfが好ましい。ただし、式中、Yはフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、tは0〜3の整数である。CF2=CF−(OCF2CFY)t−O−Rfで表されるパーフルオロビニルエーテル化合物の好ましい例としては、式4〜6の化合物が挙げられる。
【0032】
含フッ素線状重合体のなかでも、TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体は結晶性のものと非晶質のものがあるが、非晶質のものを得るためには、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位が該共重合体中に20モル%以上含まれることが必要であり、25モル%以上含まれていることが好ましい。このような、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位が20モル%以上含まれる非晶質のTFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体からなるセグメントを以下、セグメントEという。
【0033】
セグメントEを有する酸化剤極樹脂は、溶媒への溶解性が良好なので好ましい。また、セグメントEを有する酸化剤極樹脂を有する酸化剤極は、ガス透過性に優れるので好ましい。
【0034】
酸化剤極樹脂において、セグメントAとセグメントBの割合は、質量比で95/5〜5/95、特に80/20〜40/60であることが好ましい。また、酸化剤極樹脂の分子量は5×103〜5×106、特に1×104〜3×106であることが好ましい。また、セグメントA及びセグメントBのそれぞれの分子量は、1×103〜5×106、特に2×103〜2×106が好ましい。なお、ここで例えばABA型のブロックポリマーの場合、セグメントAの分子量はセグメントA全体の分子量であり、ブロックポリマー全体の分子量からセグメントBの分子量を差し引いた分子量である。
【0035】
上記のような組成、分子量に制御された場合、セグメントAとセグメントBの相分離が起こりやすいため、酸化剤極に使用すると良好なガス透過性、プロトン伝導性及び撥水性を確保できる。また、酸化剤極樹脂は、上述したように酸化剤極を作製する際に一旦溶媒に溶解又は分散させる必要があるが、分子量が大きすぎると、溶媒への溶解又は分散が困難になり好ましくない。
【0036】
本発明における酸化剤極樹脂は、ヨウ素移動重合によるブロックポリマー合成の方法によってセグメントAとセグメントBを導入することが好ましい。すなわち、ヨウ素移動重合によりセグメントA又はセグメントBを構成するポリマーの原料となるモノマーを重合した後、得られた重合体の存在下でもう一方のセグメントを構成するポリマーの原料となるモノマーを重合する。このとき、セグメントAの合成に使用するモノマーは、スルホン酸基を有するモノマーを使用してもよいが、−SO2X基(Xが−OH基である場合を除く)を有するモノマーを使用し、重合後にスルホン酸基に変換してもよい。
【0037】
ヨウ素移動重合の場合、用いられるヨウ素化合物としては、下記のものが例示される。モノヨードパーフルオロメタン、モノヨードパーフルオロエタン、1−ヨードパーフルオロプロパン、2−ヨードパーフルオロプロパン、1−ヨードパーフルオロブタン、2−ヨードパーフルオロブタン、2−ヨードパーフルオロ(2−メチルプロパン)、1−ヨードパーフルオロペンタン、1−ヨードパーフルオロヘキサン、1−ヨードパーフルオロオクタン、1−ヨードパーフルオロノナン、モノヨードパーフルオロシクロブタン、2−ヨードパーフルオロ(1−シクロブチル)エタン、モノヨードパーフルオロシクロヘキサン、モノヨードジフルオロメタン、モノヨードモノフルオロメタン、2−ヨード−1−ヒドロパーフルオロエタン、3−ヨード−1−ヒドロパーフルオロプロパン、モノヨードモノクロロジフルオロメタン、モノヨードジクロロモノフルオロメタン、2−ヨード−1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、4−ヨード−1,2−ジクロロパーフルオロブタン、6−ヨード−1,2−ジクロロパーフルオロヘキサン、4−ヨード−1,2,4−トリクロロパーフルオロブタン、1−ヨード−2,2−ジヒドロパーフルオロプロパン、1−ヨード−2−ヒドロパーフルオロプロパン、モノヨードトリフルオロエチレン、3−ヨードパーフルオロ(1−プロペン)、4−ヨードパーフルオロ(1−ペンテン)、4−ヨード−5−クロロパーフルオロ−1−ペンテン。
【0038】
1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,3−ジヨード−2−クロロパーフルオロプロパン、1,5−ジヨード−2,4−ジクロロパーフルオロペンタン、1,7−ジヨードパーフルオロオクタン、1−ヨードパーフルオロデカン、1,12−ジヨードパーフルオロドデカン、1,16−ジヨードパーフルオロヘキサデカン、1,2−ビス(ヨードジフルオロメチル)パーフルオロシクロブタン。
【0039】
2−ヨード−1,1,1−トリフルオロエタン、1−ヨード−1−ヒドロパーフルオロプロパン、2−ヨード−2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタン、2−ヨード−2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン、2−ヨードパーフルオロエチル=パーフルオロビニル=エーテル、2−ヨードパーフルオロエチル=パーフルオロイソプロピル=エーテル、3−ヨード−2−クロロパーフルオロブチル=パーフルオロメチル=チオエーテル、3−ヨード−4−クロロパーフルオロ酪酸等。
【0040】
上記のようなヨウ素化合物の存在下でセグメントAの材料となるモノマーを重合し、次いで重合系内に残存するモノマーを系外へ除去し、セグメントBの原料となるモノマーを系内に導入した後、さらに重合することで2元セグメント化ポリマーが得られる。また、セグメントBを重合した後にセグメントAを重合する方法も好適に採用できる。式1〜3に例示したような−SO2F基を有するパーフルオロビニルエーテル化合物は、重合反応性が低いため、ポリマーへの転化率を高めることが困難で重合後も多量のモノマーが系内に存在する。また、式2で表される化合物等、沸点の低くないモノマーは、重合系からの抜き出しが容易でない。
【0041】
したがって、最初に重合したセグメントを重合系内から抜き出すことなく次のセグメントを重合するためには、最初に重合反応性の高いBVE、パーフルオロ(アリルビニルエーテル)、パーフルオロ(3,5−ジオキサ−1,6−ヘプタジエン)等の環化重合するモノマーやPDD、パーフルオロ(1,3−ジオキソール)、パーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)、パーフルオロ(4−メトキシ−1,3−ジオキソール)等の環状モノマーを重合してセグメントBを形成し、後段で−SO2F基を有するパーフルオロビニルエーテル化合物を重合してセグメントAを形成すると容易に2つのセグメントを有するポリマーが得られる。
【0042】
また、ヨウ素移動重合におけるヨウ素化合物として好ましくはパーフルオロモノヨージド(1つのヨウ素原子を含み、ヨウ素原子、酸素原子を除いて、炭素原子と結合しているのが全てフッ素原子であるもの)、より好ましくはパーフルオロアルキルモノヨージドを用いて先にセグメントBを重合し、次いでセグメントAの部位を重合すると、イオン交換基を有しないセグメントBの末端にパーフルオロアルキル基を導入できるので、撥水性の高い重合体となり、酸化剤極の撥水性を高められる点で好ましい。
【0043】
重合系内に残存するモノマーとさらに重合しようとするモノマーとの置換と重合とを繰り返し行うことにより、多元セグメント化ポリマーが得られる。上記モノマーの置換に際しては、ヨウ素原子を末端に有するポリマーを一旦単離して再度重合の仕込みを行ってもよく、また、ポリマーを単離せずにモノマーを反応系外へ抜き出して次に重合するモノマーを添加してもよい。残存するモノマーがガス状モノマー又は沸点の低いモノマーの場合、後者の残存モノマーを抜き出す方法が好適である。
【0044】
また、環化重合モノマーや環状モノマーなど高い重合反応性を有するモノマーを前段で重合することによりモノマーからポリマーへの転化率が高い場合は、重合後に該モノマーを抜き出す操作をせず次に重合しようとするモノマーを系内に添加しても、前段のモノマーを抜き出した場合と実質的に同様の重合体が得られる。
【0045】
重合は、ラジカルが生起する条件で行われる。紫外線、γ線、電子線等の放射線を照射する方法、通常のラジカル重合で用いられるラジカル開始剤を添加する方法が一般的である。重合温度は通常は20〜150℃程度である。ラジカル開始剤としては、例えばビス(フルオロアシル)パーオキシド類、ビス(クロロフルオロアシル)パーオキシド類、ジアルキルパーオキシジカーボネート類、ジアシルパーオキシド類、パーオキシエステル類、アゾ化合物類、過硫酸塩類等が挙げられる。
【0046】
非水媒体中で重合を行う場合は、使用する溶媒の沸点は、取り扱い性の観点から、通常は20〜350℃、好ましくは40〜150℃である。使用可能な溶媒としては、例えば以下のものが挙げられる。
パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリプロピルアミン等のポリフルオロトリアルキルアミン化合物。
【0047】
パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタン、パーフルオロデカン、パーフルオロドデカン、パーフルオロ(2,7−ジメチルオクタン)、2H,3H−パーフルオロペンタン、1H−パーフルオロヘキサン、1H−パーフルオロオクタン、1H−パーフルオロデカン、1H,4H−パーフルオロブタン、1H,1H,1H,2H,2H−パーフルオロヘキサン、1H,1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタン、1H,1H,1H,2H,2H−パーフルオロデカン、3H,4H−パーフルオロ(2−メチルペンタン)、2H,3H−パーフルオロ(2−メチルペンタン)等のフルオロアルカン。
【0048】
3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1、3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン等のクロロフルオロアルカン。
ヘキサフルオロプロペンの2量体、ヘキサフルオロプロペンの3量体等の分子鎖末端に二重結合を有しないフルオロオレフィン。
【0049】
パーフルオロデカリン、パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオロ(1,2−ジメチルシクロヘキサン)、パーフルオロ(1,3−ジメチルシクロヘキサン)、パーフルオロ(1,3,5−トリメチルシクロヘキサン)、パーフルオロジメチルシクロブタン(構造異性は限定しない)等のポリフルオロシクロアルカン。
パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)等のポリフルオロ環状エーテル化合物。
【0050】
n−C37OCH3、n−C37OCH2CF3、n−C37OC25、n−C49OCH3、iso−C49OCH3、n−C49OC25、iso−C49OC25、n−C49OCH2CF3、n−C511OCH3、n−C613OCH3、n−C511OC25、CF3OCF(CF3)CF2OCH3、CF3OCHFCH2OCH3、CF3OCHFCH2OC25、n−C37OCHFCF3、n−C37OCF2(CF3)OCHFCF3等のヒドロフルオロエーテル類、フッ素含有低分子量ポリエーテル、tert−ブタノール等。
これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0051】
これらの他にも広範な化合物を使用できる。1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、1,1,1−トリクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1,1,3,4−テトラクロロ−1,2,2,3,4,4−ヘキサフルオロブタン等のクロロフルオロカーボン類は、技術的には使用できるが、地球環境保護の観点から好ましくない。この他にも液体又は超臨界の二酸化炭素を用いて重合することもできる。
【0052】
懸濁重合や乳化重合の場合は、水又は水と上述の溶媒との混合溶媒を用いて重合できるが、本発明においては上述した非水媒体中での重合や、バルク重合で酸化剤極樹脂を得る方が好ましい。理由は以下のとおりである。
【0053】
懸濁重合においては、重合時にモノマーで膨潤したポリマー粒子同士が結合して大きな固まりを生成しやすいため、円滑なプロセスの実現が困難である。一方、乳化重合においては、物性の制御が難しい。例えば、セグメントAがTFE/CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO3H共重合体からなる場合、含フッ素ポリマーの乳化重合で通常使用されるC715CO2NH4やC817CO2NH4(構造異性は限定しない)等の乳化剤を用いた通常の乳化重合方法では、イオン交換容量の高いセグメントAを得るのは容易ではない。
【0054】
例えば、水100質量部に対してCF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CFSO2Fを20質量部及び乳化剤としてC817CO2NH4を0.2質量部加えて57℃で重合した場合、TFEの重合圧がゲージ圧力で0.2MPaという低圧においても、イオン交換容量が0.2ミリ当量/グラム乾燥樹脂以下のポリマーしか得られない。これは上記の−SO2F基を有するビニルエーテルモノマーの乳化が困難で、モノマー滴から重合系のミセルに円滑に上記ビニルエーテルモノマーを供給できないためと考えられる。したがって、通常の方法でイオン交換容量が高いポリマーを得るには、さらに重合圧力を下げて重合系内のTFEの濃度を下げる必要があるが、生成ポリマーのイオン交換容量の重合圧力依存性が大きくなりすぎて、小さな圧力変動でイオン交換容量や分子量等のポリマー物性が大きく変動することになり好ましくない。
【0055】
このような課題の対策として、超音波や乳化器等を用いて前乳化する方法(特開昭60−250009、特開昭62−288617)や長いアルキル鎖を有する乳化剤、エーテル鎖を有する乳化剤、スルホン酸型官能基を有する乳化剤など特殊な乳化剤を用いる方法が提案されている(特開昭62−288614,特開昭62−288615、特開昭62−288616)。しかし、前乳化する方法は、ポリマー物性が前乳化の条件に敏感で再現性に問題がある。特殊な乳化剤を用いる方法は、入手が困難であったり、コストが高くなる等の問題がある。重合系にtert−ブタノール等の水溶性有機溶剤を添加する方法も提案されている(特開平6−184244)が、廃水処理に問題がある。
【0056】
また、乳化重合においては、ポリマーが生成したミセル以外にもミセルが存在する。そのため、最初に重合したセグメントを含まないミセルで後段の重合が始まると、ブロックポリマーではなく、ブレンドポリマー(セグメントA又はその前駆体を構成するポリマーとセグメントBを構成するポリマーとの混合物)となるおそれがある。一方、バルク重合や非水媒体中での重合では均一系であるため、上記問題は起こらない。
【0057】
合成したポリマーの−SO2F基は、例えばNaOHやKOH等のアルカリが水中、又はメタノールやエタノール等のアルコール類やジメチルスルホキシド等の極性溶媒と水との混合溶媒中で加水分解された後、塩酸や硫酸等の水溶液により酸型化されスルホン酸基に変換される。例えばKOH水溶液により加水分解される場合は−SO2F基が−SO3K基に変換され、その後Kイオンがプロトンに置換されることで目的の酸化剤極樹脂が得られる。加水分解及び酸型化は通常0℃〜120℃の間で行われる。
【0058】
ここでは−SO2F基を有するモノマーから合成するセグメントAを例に酸化剤極樹脂の合成方法を例示したが、−SO2F基以外の−SO2X基を有するモノマーから合成する場合も同様に合成でき、酸化剤極樹脂として使用する場合にはスルホン酸基に変換してから使用される。
【0059】
本発明における酸化剤極樹脂は、特にセグメントAが非晶質のセグメントA’を変換して得られた場合、−OH基を有する有機溶媒に溶解又は良好に分散できる。該溶媒としては、アルコール性の−OH基を有する有機溶媒が好ましい。
【0060】
前記溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、4,4,5,5,5−ペンタフルオロ−1−ペンタノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノール、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキサノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクタノール等が例示される。またアルコール以外に酢酸等のカルボキシル基を有する有機溶媒も使用できるが、これらに限定されない。
【0061】
−OH基を有する有機溶媒は、混合して用いてもよく、水又は他の含フッ素溶媒と混合して用いてもよい。他の含フッ素溶媒としては、上述の溶液重合に好ましい含フッ素溶媒として例示した含フッ素溶媒が例示される。混合溶媒を使用する場合、−OH基を有する有機溶媒は、溶媒全質量の10%以上、特に20%以上含まれることが好ましい。
混合溶媒を用いる場合、最初から酸化剤極樹脂を混合溶媒中に溶解又は分散させてもよいが、−OH基を有する有機溶媒に溶解した後、他の溶媒を混合してもよい。
【0062】
また、本発明における酸化剤極樹脂は水に溶解させることは容易でないが、−OH基を有する有機溶媒に溶解させれば、得られた溶液に水を添加してもポリマーは析出しない。イオン交換基が溶媒と相互作用し、ポリマーは安定化して液中に存在できると考えられる。さらに、−OH基を有する有機溶媒の加熱留去と水添加の操作により、又は遠心分離機によるポリマー濃縮と水添加を繰り返す等の操作により、実質的に有機溶媒を含有しないポリマーの水分散液を調製することもできる。酸化剤極樹脂の溶解は通常室温から150℃までの間で行われる。
【0063】
上記のような−OH基を有する有機溶媒を含む溶媒又は水に酸化剤極樹脂を溶解又は分散させて得られる液状組成物を使用して酸化剤極を作製すると、ガス拡散性に優れる酸化剤極が得られる。該液状組成物中の酸化剤極樹脂の濃度は、液状組成物全質量の1〜50%、特に3〜30%であることが好ましい。濃度が低すぎると酸化剤極作製時に多量の有機溶媒が必要とされ、濃度が高すぎると液の粘度が高すぎて取扱性が悪くなる。
【0064】
本発明における酸化剤極樹脂の溶液は通常の手法に従って、白金触媒微粒子を担持させた導電性のカーボンブラック粉末を混合して分散させ、得られた均一の分散液を用いて、以下の2つのいずれかの方法で膜−電極接合体を得ることが好ましい。第1の方法は、カチオン交換膜両面に前記分散液を塗布乾燥後、カーボンクロス又はカーボンペーパーで密着する方法である。第2の方法は前記分散液をカーボンクロス上又はカーボンペーパー上に塗布乾燥後、カチオン交換膜に密着させる方法である。
【0065】
本発明において、酸化剤極に含まれる触媒と酸化剤極樹脂とは、質量比で触媒:酸化剤極樹脂=40:60〜95:5であることが、電極の導電性と水の排出性の観点から好ましい。なお、ここでいう触媒の質量は、カーボン等の担体に担持された担持触媒の場合は該担体の質量も含む。
【0066】
また、本発明における酸化剤極樹脂は、セグメントAとセグメントBを有する単独の樹脂からなってもよいが、従来公知のスルホン酸基を有するパーフルオロポリマーとの混合物としてもよい。該ポリマーとしては(式1〜3のいずれかで表されるモノマー)/TFE共重合体、又は(式1〜3のいずれかで表されるモノマー)/TFE/(化4〜6のいずれかで表されるモノマー)(三元)共重合体を、加水分解、酸型化したポリマーが挙げられる。混合物とする場合、セグメントAとセグメントBを有する樹脂の割合は酸化剤極樹脂全質量の20%以上、特に50%以上あることが好ましい。
【0067】
また、本発明における酸化剤極樹脂は、セグメントAとセグメントBからなり、セグメントCとセグメントD又はEとからなることが好ましいが、セグメントCとセグメントDとセグメントEとからなることもできる。すなわち、2種以上のセグメントA及び/又は2種以上のセグメントBから構成することもできる。さらにセグメントAによるイオン伝導性とセグメントBによる撥水性の機能を阻害しない範囲で、30質量%以下であれば他のセグメントを含むこともできる。当該他のセグメントとしては、カルボン酸基を有するポリマーからなるセグメント、リン酸基を有するポリマーからなるセグメント、水酸基を有するポリマーからなるセグメント等が挙げられる。
【0068】
本発明における燃料極は、酸化剤極と同じであってもよいが、従来より使用されているガス拡散電極等からなってもよい。燃料極は酸化剤極と同様に形成され、膜の片面に燃料極、もう一方の面に酸化剤極が配置された膜−電極接合体が得られる。
【0069】
得られた膜−電極接合体は、例えば燃料ガス又は酸素を含む酸化剤ガス(空気、酸素等)の通路となる溝が形成され導電性カーボン板等からなるセパレータの間に挟まれ、セルに組み込まれることにより本発明の固体高分子型燃料電池が得られる。
【0070】
【実施例】
以下に、本発明を実施例(例1〜5)及び比較例(例6)により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
なお、以下の例において、下記の略号を用いる。
PSVE:CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2F、
PPVE:CF2=CFOCF2CF2CF3
IPP:(CH32CHOC(=O)OOC(=O)OCH(CH32
HCFC141b:CH3CCl2F(旭硝子社製)、
HCFC225cb:CClF2CF2CHClF(旭硝子社製)。
【0071】
また、以下の各例において合成されるAB型、ABA型又はBAB型のブロックポリマー(A及びBはそれぞれセグメントA及びセグメントBを表す。)において、各セグメント及びポリマー全体の分子量とイオン交換容量は以下のようにして求めた。この方法により求めた各例のポリマーの物性は、表1に示す。なお、ABA型ブロックポリマーのセグメントAの分子量は、ポリマー鎖に導入されたセグメントA合計の分子量(ブロックポリマー全体の分子量からセグメントBの分子量を差し引いた分子量)を示し、BAB型も同様である。
【0072】
なお、表1及び表2において、イオン交換容量の単位は、ミリ当量/g乾燥樹脂である。また、表1におけるA及びBは、それぞれセグメントA及びセグメントBを示す。
[先にセグメントAを合成する場合]
最初に合成したセグメントAについて、滴定によりイオン交換容量を求め、サイズ排除クロマトグラフィーによりポリメタクリル酸メチル換算の数平均分子量を求めた(装置:東ソー社製、SEC HLC−8020、移動相:HCFC225cb/1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(99/1体積比)、カラム:ポリマー ラボラトリー社製、Plgel 5μ MIXED−C 2本)。次にセグメントBをブロック化共重合して得られたブロックポリマー全体のイオン交換容量を滴定により求めた。セグメントAのイオン交換容量の値とブロックポリマー全体のイオン交換容量の値から、セグメントAとセグメントBの質量比を求めセグメントBの分子量を算出し、さらに前述のセグメントAの分子量を用いてブロックポリマー全体の分子量を算出した。
【0073】
[先にセグメントBを合成する場合]
セグメントBにセグメントAをブロック化共重合して得られたブロックポリマー全体のイオン交換容量と、19F−NMRで求めたセグメントAのイオン交換容量から、セグメントAとセグメントBの質量比を求めた。上述と同様にしてサイズ排除クロマトグラフィーにより求めたセグメントBの分子量を用いてセグメントAの分子量及びブロックポリマー全体の分子量を算出した。
以下にブロックポリマーの合成例を示し、得られたポリマーのイオン交換容量及び分子量は表1に示す。
【0074】
[例1]
[(TFE/PPVE共重合体)−(TFE/PSVE共重合体)ブロックポリマーの合成]
[TFE/PPVE共重合体セグメントの重合]
脱気した内容積1Lのオートクレーブに、4.50gの1−ヨードパーフルオロブタン(F(CF24I)と706.5gのPPVEとを吸入させた後、40℃に加熱した。88gのTFEを圧入後、5.36gのIPPを78.2gのHCFC225cbに混合して得られる溶液5mLを圧入し、重合を開始した。圧力を一定(ゲージ圧で0.66MPa)に保ちながら重合を継続した。重合速度の低下にともない、上記IPPの溶液をさらに添加して重合を続けた。添加したIPPの総量は1.6gであった。TFEが80g入ったところで加熱を止めてTFEをパージし、重合を止めた。得られた溶液を、HCFC141bに注いで凝集後、洗浄、ろ過、乾燥することにより、白色のポリマー152gを得た。
【0075】
上記ポリマーにおいて、TFEに基づく重合単位とPPVEに基づく重合単位との比は、モル比で72:28であった。また、上記ポリマーは室温ではエラストマー状であった。
【0076】
[TFE/PSVE共重合体セグメントのブロック共重合]
上記TFE/PPVE共重合体80gを内容積1Lのオートクレーブに入れ、脱気後、778.5gのPSVEを吸入させた後に40℃に加熱し、30分撹拌して溶解した。TFEを60g圧入後、2.8gのIPPを78.6gのHCFC225cbに混合して得られる溶液6mLを圧入し、重合を開始した。圧力を一定(ゲージ圧で0.49MPa)に保ちながら重合を継続した。重合速度の低下にともない、上記IPPの溶液をさらに添加して重合を続けた。添加したIPPの総量は1.17gであった。TFEが55g入ったところで加熱を止めてTFEをパージし、重合を止めた。得られた溶液を、HCFC141bに注いで凝集後、洗浄、ろ過、乾燥することにより、白色のポリマー268.5gを得た。
【0077】
[例2]
[(PBVE)−(TFE/PSVE共重合体)ブロックポリマーの合成]
[PBVEセグメントの重合]
500mLのガラス製のフラスコにF(CF24Iを2.77g、1H−パーフルオロヘキサン(以下、C613Hという。)を203g、及びBVEを200g入れて撹拌し、40℃に加温した。これに、0.33gのIPPを加え、重合を開始した。途中、重合速度低下にともない、1.0gのIPPを9.0gのC613Hに混合して得られた溶液を追加して重合を続け、重合開始から97時間後に加熱を止めた。なお、IPPの総添加量は0.66gであった。この反応液をHCFC141bに注いで凝集後、洗浄、ろ過、乾燥することにより、非晶質のポリマー137gを得た。
【0078】
[TFE/PSVE共重合体セグメントのブロック共重合]
上記で得られたポリマー80gを内容積1Lのオートクレーブに入れ、脱気し、PSVEを778.5g吸入させた後に40℃に加熱し、30分撹拌した。次いでTFEを58g圧入後、2.63gのIPPを78.2gのHCFC225cbに溶解した溶液5mLを圧入し、重合を開始した。圧力を一定に保ちながら重合を継続し、重合速度が低下すると上記IPPの溶液を補充して重合を続けた。添加したIPPの総量は1.05gであった。TFEが55g入ったところで加熱を止めてTFEをパージし、重合を止めた。得られた溶液を、HCFC141bに注いで凝集させた後、洗浄、ろ過、乾燥することにより、白色のポリマー217gを得た。
【0079】
[例3]
[(TFE/PSVE共重合体)−(PBVE)−(TFE/PSVE共重合体)ブロックポリマーの合成]
[PBVEセグメントの重合]
500mLのガラス製のフラスコに5.71gの1,4−ジヨードパーフルオロブタン(I(CF24I)、150gのC613H及び152gのBVEを入れて撹拌し、40℃に加温した。これに2.29gのIPPを12.65gのHCFC225cbに溶解した溶液3.34gを加え、40℃で117時間重合を行った。この反応液をHCFC141bに注いで凝集後、洗浄、ろ過、乾燥することにより、非晶質の樹脂153gを得た。
【0080】
[TFE/PSVE共重合体セグメントのブロック共重合]
上記PBVE80gを内容積1Lのオートクレーブに入れ、脱気後、778.5gのPSVEを吸入させて40℃に加熱し、30分撹拌して溶解した。TFEを60g圧入後、2.8gのIPPを78.2gのHCFC225cbに溶解した溶液7mLを圧入し、重合を開始した。圧力を一定(ゲージ圧で0.49MPa)に保ちながら重合を継続した。重合速度の低下にともない、上記IPPの溶液をさらに添加して重合を続けた。添加したIPPの総量は1.23gであった。TFEが53g入ったところで加熱を止めてTFEをパージし、重合を止めた。得られた溶液を、HCFC141bに注いで凝集後、洗浄、ろ過、乾燥することにより、白色のポリマー265gを得た。
【0081】
[例4]
[(PBVE)−(TFE/PSVE共重合体)−(PBVE)ブロックポリマーの合成]
[TFE/PSVE共重合体セグメントの重合]
脱気した内容積1Lのオートクレーブに、4.15gのI(CF24Iと778.5gのPSVEを吸入させた後に40℃に加熱した。58gのTFEを圧入後、7.53gのIPPを78.2gのHCFC225cbに溶解した溶液6mLを圧入し、重合を開始した。圧力を一定(ゲージ圧で0.45MPa)に保ちながら重合を継続した。重合速度の低下にともない、上記IPPの溶液をさらに添加して重合を続けた。添加したIPPの総量は1.66gであった。TFEが80g入ったところで加熱を止めてTFEをパージし、重合を止めた。得られた溶液を、HCFC141bに注いで凝集後、洗浄、ろ過、乾燥することにより、室温においてエラストマー状のポリマー235gを得た。
【0082】
[PBVEセグメントのブロック共重合]
500mLのガラス製のフラスコに上記50gのTFE/PSVE共重合体と250gのC613Hと30gのBVEを入れて撹拌、溶解し、40℃に加温した。これに0.97gのIPPを17.26gのHCFC225cbに溶解した溶液1.39gを加え、重合を開始した。途中重合速度の低下にともない、上記IPPの溶液をさらに添加して重合を続けた。IPP添加の総量は0.15gであった。重合開始から366時間後に加熱を止めた。この反応液をHCFC141bに注いで凝集後、洗浄、ろ過、乾燥することにより、白色のポリマー71.5gを得た。
【0083】
[例5]
[(PPDD)−(TFE/PSVE共重合体)−(PPDD)ブロックポリマーの合成]
[PPDDのブロック共重合]
500mLのガラス製のフラスコに例4において得られたTFE/PSVE共重合体を50gと、250gのC613Hと25gのPDDを入れて撹拌し、TFE/PSVE共重合体を溶解させた。これに0.082gのIPPを5gのC613Hに溶解した溶液を加え、30℃で65時間重合した。この反応液をHCFC141bに注いで凝集後、洗浄、ろ過、乾燥することにより、白色のポリマー62.9gを得た。
【0084】
[ポリマーの酸型化及び溶液化]
例1で得られたポリマー((TFE/PPVE共重合体)−(TFE/PSVE共重合体)ブロックポリマー)を20.1g、及び30.2gのジメチルスルホキシドと13.2gのKOHを59.2gの水に溶解した水溶液をセパラブルフラスコに加え、70℃に加熱し、撹拌した。16時間後、ポリマーをろ過、水洗した後、再びセパラブルフラスコに戻し、60gの水を補充して、60℃で3時間加熱撹拌した。これを2回繰り返して、pHが8以下であることを確認した。溶液をろ過し、ポリマーをセパラブルフラスコに戻して、0.5モル/Lの硫酸60gを加え、16時間60℃で加熱撹拌した。ポリマーをろ過後、水洗し、セパラブルフラスコに戻して60gの水を加えて60℃で3時間、加熱撹拌した。これを2回繰り返し、pHが4以上であることを確認した。次いでポリマーを空気中で60℃にて16時間乾燥し、さらに真空中で60℃にて16時間乾燥した。
【0085】
上記のポリマー10gとエタノール40gを混合し、70℃で24時間加熱撹拌することにより、濃度20%(質量比)の青白い半透明の粘稠なポリマー溶液を得た。このポリマー溶液20gにエタノール20gを加え、しばらく撹拌して調製した濃度10%の共重合体溶液(以下、溶液1という。)は白濁していた。
また、上記濃度20%のポリマー溶液20gにHCFC225cbを20g加えて同様に調製した濃度10%のポリマー溶液(以下、溶液2という。)は無色透明であった。このようにして得た溶媒の異なる溶液1及び溶液2からそれぞれキャストフィルムを作製し、透過型電子顕微鏡で観察したところ、いずれのキャストフィルムにも相分離構造が確認された。
【0086】
[含水率の測定]
例1〜5で合成したブロックポリマーを用い、[ポリマーの酸型化及び溶液化]の項と同様の操作を行い、酸型化し、溶液2の作製と同様にしてポリマー溶液(溶媒:エタノールとHCFC225cbの混合溶媒)を作製した。この溶液をキャスト製膜し、160℃で30分加熱することにより例1〜5のポリマーフィルムをそれぞれ作製した。
【0087】
このフィルムを90℃のイオン交換水に16時間浸漬後、質量を測定した。次いでフィルムを110℃にて16時間真空乾燥して再び質量を測定した。前者の質量をa(g)、後者の質量をb(g)とし、含水率を含水率(%)=100×(a−b)/bにより求めた。結果を表2に示す。
【0088】
[燃料電池の作製及び性能の評価]
(1)例1で得られたブロックポリマーを用いた燃料電池
共重合体と白金担持カーボンの質量比が3:7となるように白金担持カーボンを溶液2に混合して塗工液とし、該塗工液をカーボンクロス上に塗工し、乾燥して厚さ10μm、白金担持量0.5mg/cm2のガス拡散電極層を形成したガス拡散電極を得た。
【0089】
一方、TFE/PSVE共重合体(イオン交換容量1.1ミリ当量/グラム乾燥樹脂)を押し出し製膜し、加水分解、酸型化、水洗を行って、膜厚50μmのスルホン酸基を有するパーフルオロポリマーからなる膜を得た。この膜を、上記ガス拡散電極2枚の間に挟み、平板プレス機を用いてプレスし、さらに加熱プレスして膜−電極接合体を作製した。
【0090】
この膜−電極接合体の外側にチタン製の集電体、さらにその外側にPTFE製のガス供給室、さらにその外側にヒーターを配置し、有効膜面積9cm2の燃料電池を組み立てた。
【0091】
燃料電池の温度を80℃に保ち、酸化剤極に酸素、燃料極に水素をそれぞれ0.05MPa加圧で供給した。電流密度1A/cm2のときの端子電圧を測定したところ、端子電圧は0.63Vであった。この状態で1000時間連続運転したところ、1000時間後の端子電圧は0.62Vであった。
【0092】
(2)例5で得られたブロックポリマーを用いた燃料電池
例5で得られたポリマー((PPDD)−(TFE/PSVE共重合体)−(PPDD)ブロックポリマー)を用い、[ポリマーの酸型化及び溶液化]の項と同様の操作を行い、酸型化し、HCFC225cbのかわりに1H−パーフルオロヘキサンを用いた以外は溶液2の作製と同様にして濃度10%のポリマー溶液(溶液3)を得た。
【0093】
溶液2のかわりに溶液3を用いた以外は(1)と同様にして燃料電池を作製し、(1)と同様にして性能の評価を行った。電流密度1A/cm2のときの端子電圧は0.65Vであり、この状態で1000時間連続運転した後の端子電圧は0.64Vであった。
【0094】
[例6(比較例)]
ガス拡散電極を、例1で合成したポリマーのかわりにTFE/PSVE共重合体(イオン交換容量1.1ミリ当量/グラム乾燥樹脂)を用いて作製したほかは、例1と同様に燃料電池を作製し、例1と同様に燃料電池性能を評価した。80℃において、電流密度1A/cm2のときの端子電圧は0.60Vであり、1000時間後の端子電圧は0.50Vであった。
【0095】
また、上記TFE/PSVE共重合体を質量比で10%の濃度でエタノールに溶解した溶液を用いて[含水率の測定]の項と同様の方法でキャスト製膜し、得られたフィルムの含水率を測定した。結果を表2に示す。
表2によれば、本発明におけるブロックポリマーは、イオン交換容量が同等以上である比較例の従来のイオン交換樹脂よりも高い含水率を有している。
【0096】
【表1】
Figure 0005028711
【0097】
【表2】
Figure 0005028711
【0098】
【発明の効果】
本発明における酸化剤極樹脂は相分離構造を有しており、高イオン交換容量のスルホン酸基を有するポリマー相(セグメントA)と撥水性を有するイオン交換基を有しない含フッ素重合体相(セグメントB)が同時に導入されているため、得られる燃料電池は出力密度が高く、またフラッディングが起こりにくくなり、長期的に使用しても高性能を維持できる。
【0099】
また、本発明における酸化剤極樹脂は、酸化剤極だけではなく、燃料電池用の高分子固体電解質膜にも使用できる。さらに、食塩電解などの電気化学プロセスにおけるイオン交換膜、選択透過膜、除湿膜、センサー、化学反応の酸触媒、固体電解質などの用途にも応用できる。

Claims (7)

  1. 膜状固体高分子電解質と、該電解質の片面に配置された酸化剤極と、該電解質のもう一方の面に配置された燃料極とを有する固体高分子型燃料電池において、前記酸化剤極は触媒とイオン交換樹脂とを含有し、該イオン交換樹脂は、下記セグメントAと下記セグメントBとからなる重合体からなることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
    セグメントA:スルホン酸基を有するポリマーからなるセグメント。
    セグメントB:実質的にイオン交換基を有しない含フッ素ポリマーからなり、主鎖に脂肪族環構造を有するセグメント。
  2. 前記イオン交換樹脂は、フルオロスルホニル基を有する非晶質のポリマーからなるセグメントと実質的にイオン交換基を有しない非晶質の含フッ素ポリマーからなるセグメントとからなるポリマーを加水分解し、酸型化することにより得られる請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
  3. 前記イオン交換樹脂は、実質的にパーフルオロポリマーである請求項1又は2に記載の固体高分子型燃料電池。
  4. 前記イオン交換樹脂は、前記セグメントAが下記セグメントCからなり、前記セグメントBが下記セグメントDからなる重合体からなり、かつ分子量が5×10〜5×10である請求項3に記載の固体高分子型燃料電池。
    セグメントC:スルホン酸基を有するパーフルオロビニルエーテルに基づく重合単位とテトラフルオロエチレンに基づく重合単位とからなる共重合体であって、前記パーフルオロビニルエーテルに基づく重合単位が20モル%以上含まれる共重合体からなるセグメント。
    セグメントD:イオン交換基を有さず、主鎖に脂肪族環構造を有するパーフルオロポリマーからなるセグメント
  5. 前記イオン交換樹脂において、前記セグメントAと前記セグメントBとは質量比で95/5〜5/95含まれる請求項1、2、3、又は4に記載の固体高分子型燃料電池。
  6. 前記イオン交換樹脂は、ヨウ素含有含フッ素化合物の存在下で下記重合1を行った後に得られた重合体の存在下で下記重合2を行うか、又は下記重合2を行った後に得られた重合体の存在下で下記重合1を行うことにより得られた樹脂である請求項4に記載の固体高分子型燃料電池。
    重合1:ヨウ素移動重合法による、−SOX基を有するパーフルオロ(ビニルエーテル)モノマー(ただし、Xは塩素原子、フッ素原子又はOMであり、Mは水素原子、アルカリ金属原子又はNHである。)の単独重合又は他の含フッ素モノマーとの共重合。
    重合2:ヨウ素移動重合法による、イオン交換基を有しないパーフルオロモノマーの単独重合又はイオン交換基を有しない複数のパーフルオロモノマーの共重合。
  7. 前記ヨウ素含有フッ素化合物がパーフルオロアルキルモノヨージドである請求項に記載の固体高分子型燃料電池。
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