JP2002216307A - 磁気ヘッドおよびこの磁気ヘッドを用いた回転ヘッド装置 - Google Patents

磁気ヘッドおよびこの磁気ヘッドを用いた回転ヘッド装置

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JP2002216307A
JP2002216307A JP2001365584A JP2001365584A JP2002216307A JP 2002216307 A JP2002216307 A JP 2002216307A JP 2001365584 A JP2001365584 A JP 2001365584A JP 2001365584 A JP2001365584 A JP 2001365584A JP 2002216307 A JP2002216307 A JP 2002216307A
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JP2001365584A
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Michio Kamimura
道夫 上村
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Alps Alpine Co Ltd
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Alps Electric Co Ltd
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オートリバース用の回転ヘッド装置では、磁
気ヘッドのギャップ位置から回転軸の軸中心までの公差
の累積が大きい。また、コアどうしの位置合せ精度が悪
く、ギャップ深さを高精度に設定できなかった。 【解決手段】 シールドケース11内に収納されるホル
ダ12に、コア半体14とシールド板半体16が位置決
めされて固定されるが、ホルダ12に、シールドケース
11の外部に延びる取付部12eが一体に設けられてい
る。よってコア半体14のギャップ形成面14aから取
付穴12fまでの公差の累積がなくなる。またホルダ1
2とホルダ13は(ハ)(ニ)の位置決め部により、ギ
ャップ深さ方向へ互いに位置決めされる。よって取付部
12eに対してコア半体どうしの接合面の位置精度を高
くでき、シールドケースの摺動面11aを研磨したとき
に、ギャップ深さを正確に決めることができるようにな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケース内に磁気ギ
ャップを形成するコアが収納された磁気ヘッド、および
この磁気ヘッドが回転軸により180度回転可能とされ
たオートリバース用の回転ヘッド装置に係り、特に前記
ギャップ位置から取付部までの寸法公差の累積を最少に
して、磁気媒体に対する磁気ギャップの位置決めを高精
度にできるようにした磁気ヘッドおよびこの磁気ヘッド
を使用した回転ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】オートリバーステープレコーダ用の磁気
ヘッド装置として、磁気媒体である磁気テープの走行方
向が切換えられたときに、磁気ヘッドが180度回転す
るものがある。この180度の回転により、ヘッド単体
の摺動面に設けられた2トラック分の磁気コアのギャッ
プと磁気テープとの接触位置が切換えられる。
【0003】図9は、従来の回転切換え方式の磁気ヘッ
ド装置HAを示す斜視図である。記録・再生用の磁気ヘ
ッドHaでは、シールドケース1の摺動面1aに、磁気
コア半体が対向して形成された磁気ギャップGaが2ト
ラック分現れている。磁気ヘッドHaに並ぶ位置には消
去ヘッドHbが設けられている。消去ヘッドHbのホー
ルドケース2の摺動面2aには、ダブルギャップ方式の
消去ギャップGbが現れている。
【0004】円盤状の台座3の前面には穴3aが形成さ
れており、前記磁気ヘッドHaと消去ヘッドHbの背部
が前記穴3a内に挿入され、接着剤などで固定されてい
る。また台座3の前面では、磁気ヘッドHaに対する磁
気テープ走行方向の下流側位置に、テープガイド4が設
けられている。台座3の背部側には円盤状の軸基体5が
設けられ、この軸基体5の中心部に回転軸6がかしめ固
定されている。
【0005】前記台座3には一対の取付穴3bが形成さ
れ、軸基体5には一対の雌ねじ穴5aが形成されてい
る。軸基体5は前記台座3の背面に設置され、取付穴3
bに挿入される取付ねじが雌ねじ穴5aに螺着されて、
台座3と軸基体5とが一対の取付穴3bの一方を基準と
して互いに固定される。軸基体5の外周には、軸基体5
の半径方向に沿って延びるストッパ突起5bが一体に形
成されている。
【0006】オートリバーステープレコーダでは、ヘッ
ドベースに固定された保持体に設けられた軸受部に前記
回転軸6が回転自在に挿入される。保持体にはアジマス
調整用の調節ねじが設けられており、前記ストッパ突起
5bの両側面5cまたは5dが調節ねじの先端に当た
る。テープ走行方向がF方向(フォワード方向)のとき
には、ストッパ突起5bの側面5cがトーションばねな
どの付勢力を受けて調節ねじに当たる。この調節ねじの
ねじ込み量を調節することによりF方向へ走行する磁気
テープに対するギャップGaのアジマス調節が行われ
る。磁気テープの走行方向がR方向(リバース方向)へ
切換えられると、回転軸6を中心として台座3が180
度回転させられる。そしてストッパ突起5bの他方の側
面5dが、トーションばねなどの付勢力を受けて調節ね
じに当たる。このとき調節ねじのねじ込み量を調節する
ことによりR方向へ走行する磁気テープに対するギャッ
プGaのアジマス調節が行われる。
【0007】図10(A)は、前記磁気ヘッド装置HA
の平面図、図10(B)は、磁気ヘッド装置HAのB−
B線の断面図である。
【0008】シールドケース1内には、磁性体のコア半
体9a、9aと、これに接合される磁性体のコア半体9
b、9bが設けられ、またコア半体9aと9aの間にシ
ールド板半体8aが、コア半体9bと9bとの間にシー
ルド板半体8bが設けられている。図10(B)に示す
ように、一方の側のコア半体9a、9aおよびシールド
板半体8aはホルダhaに保持され、他方のコア半体9
b、9bおよびシールド板半体8bは他方のホルダhb
(図示せず)に保持される。両ホルダhaとhbが互い
に接合され、コア半体9a、9aとコア半体9b、9b
が非磁性材を介して接合されることにより前記磁気ギャ
ップGa、Gaが形成される。
【0009】また図10(B)に示すように、各コア半
体9a、9aおよびコア半体9b、9bには、コイルが
巻かれたボビンBが装着されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図11(A)(B)
は、前記磁気ヘッド装置HAでの、記録・再生用の磁気
ヘッドHaおよび消去ヘッドHbの摺動面に対し、F方
向へ走行する磁気テープTが摺動している状態を示して
いる。
【0011】図11(A)において、符号Oは前記回転
軸6の軸中心すなわち磁気ヘッドHaおよび消去ヘッド
Hbの回転中心である。図11(A)(B)では、回転
軸6を回転自在に支持する保持体を符号7で示してい
る。保持体7では、磁気ヘッドHaおよび消去ヘッドH
bのテープ走行方向の両側に、テープガイド7aが2組
設けられている。
【0012】前記保持体7は、オートリバーステープレ
コーダの機構ユニットにおいてヘッドベース上に固定さ
れるが、この機構ユニット側では、走行する磁気テープ
Tの幅方向中心Toに対し、保持体7の軸受部の中心が
一致するように組立てられている。よって、理想的な組
立状態では、軸受部に回転自在に挿入される前記回転軸
6の軸中心Oは、磁気テープTの前記幅方向中心Toに
一致すべきである。また保持体7に設けられたテープガ
イド7aのY方向の中心が磁気テープTの幅方向中心T
oに一致すべきである。
【0013】したがって、図9で示す各部材の構成体に
おいて、回転軸6の軸中心Oと、2トラック分のギャッ
プGaのトラック幅方向の中心との、テープ幅方向(Y
方向)への間隔δが高精度に設定されていれば、2トラ
ック分のギャップGaが磁気テープTに対して正規の位
置を摺動するものとなる。図11(A)は、回転中心O
と、2トラック分のギャップGaの中心との間隔が、理
想的な値δ1に設定されている状態を示している。この
とき、各ギャップGaはF方向へ走行する磁気テープに
対して正規のトラック位置を摺動する。また、磁気テー
プTの幅方向中心Toが、磁気ヘッドHaの高さ方向の
中心にほぼ一致することになるため、磁気ヘッドHaの
側面に固定されたテープガイド4の中心も前記中心To
に一致し、テープガイド4および保持体側のテープガイ
ド7aにより、磁気テープTが正常にガイドされる。
【0014】図11(B)は、回転軸6の軸中心Oと、
2つのギャップGaの中心との間隔(Y方向の間隔)が
前記の正常な値δ1に比して大きな値δ2となるように
組立てられた状態を示している。この状態では、磁気ヘ
ッドHaのギャップGaの中心が、磁気テープTに対し
て図示下方向へ相対的に位置ずれし、2トラック分の各
ギャップGaと磁気テープのトラックとの間に位置ずれ
が生じる。よって記録時には、磁気テープTの正規のト
ラック位置に記録を行なうことができず、再生時には隣
接する2トラック間での再生音のクロストークが生じ、
あるいは再生出力の低下が生じる。また磁気テープTに
対し、磁気ヘッドHaが相対的に図示下方へ位置ずれす
るため、テープガイド4によって磁気テープTが図示下
方向へ押え込まれることになり、磁気テープTの縁部と
テープガイド4との接触抵抗および、磁気テープTの縁
部とテープガイド7aとに接触抵抗が大きくなり、磁気
テープTのダメージが大きくなる。
【0015】このように、磁気ヘッド装置HAでは、2
トラック分のギャップGaのトラック幅方向の中心と、
回転軸6の軸中心Oとの相対位置を、高精度に組立てる
ことができれば、磁気ヘッドの特性を充分に引き出せる
ものとなり、前記相対位置の狂いが大きくなると、磁気
ヘッドの特性が劣化することになる。
【0016】そこで、図9に示す磁気ヘッド装置HAに
おいて、2つのギャップGaの中心から、回転軸6の軸
中心Oまでの製造公差の累積を、図12により説明す
る。
【0017】磁気ヘッド単体では、対向ギャップGaを
形成するコア半体9a、9bが、ダイキャスト成形され
たホルダhaおよびhbに保持され、このホルダがシー
ルドケース1の内面に位置決めされる。よってギャップ
Gaからシールドケース1までには、コア半体9a、9
bの加工寸法公差(a)、コア半体9a、9bをホルダ
ha、hbに組み込む際の取付位置の寸法公差(b)、
ホルダha、hbの加工寸法公差(c)、ホルダha、
hbをシールドケース1に組み込む際の取付位置の寸法
公差(d)、およびシールドケース1の加工寸法公差
(e)が累積される。
【0018】またシールドケース1から回転軸6の軸中
心Oまでは、シールドケース1を台座3に取り付ける際
の組み付け寸法公差(f)、台座3での穴3aと取付穴
3b間の加工寸法公差すなわち台座3の成形寸法公差
(g)、台座3を軸基体5に取り付ける際の取付寸法公
差(h)、および軸基体5に対する回転軸6の取付位置
寸法の公差(i)が累積される。
【0019】よって2個のギャップGaのトラック幅中
心と回転軸6の中心とは上記の(a)ないし(i)の全
ての寸法公差が累積したものとなる。
【0020】上記のように累積公差が大きくなると、図
9に示す各部材の構成体を無調整にて組立て、そのまま
図11(A)(B)に示す機構ユニット側の保持体7に
組み込んだ場合、図11(B)に示す前記間隔δ2の誤
差が非常に大きくなる。よって、磁気ヘッド装置HAを
組立てる際に各部材間の位置合せ調整を行なうことが必
要となり、組立および調整作業工数が多くなる。
【0021】特に、台座3に対して磁気ヘッドHaを取
り付けるときに、台座3と軸基体5との位置合せ基準と
なる取付穴3bを基準として、磁気ヘッドHaの位置を
調整し、この調整後に磁気ヘッドHaを台座に接着固定
する作業が必要になるが、この調整作業が非常に繁雑で
ある。すなわち、台座3には回転軸6が取り付けられて
いないので、取付穴3bの穴中心を基準として2トラッ
ク分の磁気ギャップGaの位置を決めなくてはならない
ため、台座3上での磁気ヘッドHaの位置合せ作業が困
難であり、また位置合せの精度も高くできない。
【0022】また、図8に示すように、シールドケース
1に取付部1b、1bを一体に形成し、この取付部1
b、1bに、図9の軸基体5に取り付けるための取付穴
1c、1cを形成すれば、図12において台座の取付に
基づく公差をなくすことができる。しかし、この場合に
おいても、シールドケース1内のホルダha、hbを取
付部1bを基準として設置できず、ホルダhaとhbを
シールドケース1に取付ける際の公差(d)は残ること
になり、さらにホルダhaとhbを互いに接合すると
き、この接合精度が取付部1b、1bとは無関係に行わ
れることになり、前記と同様に、磁気ギャップGaの位
置精度を出すのが困難であり、またギャップ深さGdの
狂いなども生じやすい。
【0023】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、磁気ヘッドでの磁気ギャップと取付部との相対位
置を高精度に決めることができるようにした磁気ヘッド
を提供することを目的としている。
【0024】また本発明は、磁気ヘッドが支持体(軸基
体)に取り付けられた状態で、磁気ヘッドの磁気ギャッ
プと回転軸の軸中心との相対位置を高精度に決めること
ができるようにした回転ヘッド装置を提供することを目
的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁気ギャップ
を形成する対を成す磁性体のコアと、それぞれのコアを
支持する第1と第2のホルダと、がケース内に設けられ
た磁気ヘッドにおいて、第1のホルダには、前記ホルダ
と一体に形成された支持体への取付部が形成されてお
り、前記取付部には、支持体に対して嵌合して位置決め
される位置決め穴または凹部が形成されていることを特
徴とするものである。
【0026】前記ホルダは板金材料により形成すること
が可能であり、この場合、ケース内ではこのホルダにコ
アを位置決めする突部が加圧成形され、ケース外部では
このホルダが折曲げられて取付部とされている構造にで
きる。さらに、取付部が形成されたホルダに組み合わさ
れる他方のホルダは板金製であってもダイキャスト製で
あってもよい。
【0027】ホルダを板金材料で形成した場合、ホルダ
をプレス加工で製造でき、磁気ヘッド全体の製造コスト
を低減できる。また、ホルダを合金によりダイキャスト
成形する場合には、ダイキャスト成形によりホルダと取
付部とを一体に形成することができる。またダイキャス
トなどにより形成されたものでは、取付部に取付穴と共
に支持体と嵌合して位置決めするための位置決め凹部を
高精度な寸法で形成できる。
【0028】一方、支持体側には、例えば位置決め凸部
が設けられ、前記取付け部の位置決め凹部と前記支持体
の位置決め凸部とが嵌合されることにより、前記取付部
を前記支持体に高精度に位置決めできる。
【0029】この磁気ヘッドは、図9に示す従来の台座
3がホルダと一体とされたものに相当する。したがっ
て、図12に示す(d)(e)(f)(g)の公差の累
積を無くすことができ、取付部からギャップまでの寸法
を高精度に設定でき、磁気ヘッドを製造する際に位置合
せの調整作業が不要になる。また、台座が不要になるた
め部品数が削減され、低コストで製造できるものとな
る。
【0030】また両ホルダが共に、取付部を基準として
組立てられることになるため、それぞれのホルダに設け
られたコアも取付部を基準として位置が決められること
になる。よって、例えばシールドケースに組み込んだ後
に、ホルダと一体の取付部を基準としてシールドケース
の摺動面を研磨すると、コアが接合されて形成された磁
気ギャップのギャップ深さの誤差を最小にできる。
【0031】上記磁気ヘッドは、例えば回転ヘッド装置
に実装される。すなわち、回転軸が設けられた軸基体
(支持体)に、前記の磁気ヘッドが前記取付部を介して
取り付けられ、前記回転軸が保持体に回転自在に支持さ
れ、磁気ヘッドが保持体に対して180度回転可能とさ
れるものとなる。
【0032】この場合に、回転軸の軸中心と磁気ギャッ
プとの相対位置を高精度に決めることができ、磁気ヘッ
ドが回転軸を中心として180度回転したときに、図1
1(A)に示す磁気ギャップと回転中心とのY方向の距
離を理想値δ1に近似したものにできる。
【0033】なお前記本発明の磁気ヘッドは、回転ヘッ
ド装置に使用されるものに限られず、回転ヘッド装置以
外にも使用可能である。例えばホルダと一体の取付部を
テープレコーダなどの機器の基準位置に位置決めして取
付けることにより、機器内での磁気ギャップの位置を高
精度に決めることが可能になる。
【0034】
【発明の実施の形態】図1は本発明の回転ヘッド装置を
示す分解斜視図、図2は回転ヘッド装置に設けられた磁
気ヘッドの縦断面図、図3は図2のIII−III線の
断面図である。
【0035】図1に示す回転ヘッド装置HBは、回転軸
21が固定された軸基体(支持体)20に、記録・再生
用の磁気ヘッドHaが直接に取り付けられている。磁気
ヘッドHaのシールドケース11の側面にはテープガイ
ド4が直接に固定され、このテープガイド4と逆側のシ
ールドケース11の側面に消去ヘッドHbが固定されて
いる。ただし図1以下では消去ヘッドの図示を省略して
いる。
【0036】磁気ヘッドHaのシールドケース11は、
Fe−Ni−Mo合金などの磁性材料により形成されて
いる。シールドケース11は、Z方向の先端に位置する
摺動面11aにコアが露出する露出窓11bが開口して
いる。
【0037】シールドケース11の内部に、第1のホル
ダ12と第2のホルダ13が収納されている。この例で
は、ホルダ12と13がステンレス鋼などの非磁性金属
板により折曲形成されている。第1のホルダ12は、コ
ア保持部12aのZ方向先端側に折曲部12bが形成さ
れ、この折曲部12bに、コアを露出させる切欠き12
cが形成されている。コア保持部12aの両側部は直角
に折曲げられて側板12d、12dとなっている。図2
と図3に示すように、側板12d、12dは、シールド
ケース11の底部側(Z方向基部側)の外方に延びてい
る。この側板12d、12dの基端はシールドケース1
1の外方にて直角に折曲げられて取付部12e、12e
が形成されている。この取付部12e、12eに取付穴
12f、12fが穿設されている。
【0038】第1のホルダ12のコア保持部12aでは
一対の位置決め突起12gと12hが形成されている。
この位置決め突起12gと12hは、コア保持部12a
を外面側から加圧成形(圧痕成形)することにより、内
面側へ突出させたものである。位置決め突起12g、1
2hは、切欠き12cとの関係で位置が決められてい
る。
【0039】図2に示すように、第1のホルダ12のコ
ア保持部12aには、一対のコア半体14、14とシー
ルド板半体16が保持されている。コア半体14、14
は、Fe−Ni−Nb合金などの磁性材料の積層体によ
り形成される。両コア半体14と14の間に設けられる
シールド板半体16は、シールドケースと同じFe−N
i−Mo合金などの磁性材料板の両面に非磁性板が積層
されたものである。
【0040】図2に示すように、一方のコア半体14
は、位置決め突起12gの外面と、切欠き12cの内縁
部(イ)との間で位置決めされ、他方のコア半体14
は、位置決め突起12hの外面と、切欠き12cの内縁
部(ロ)との間で位置決めされる。またシールド板半体
16は、両位置決め突起12gと12hとの間に位置決
めされ、シールド板半体16の先端部は、両側のコア半
体14と14とで弾性的に挟まれたものとなる。
【0041】コア半体14、14とシールド板半体16
は、第1のホルダ12のコア保持部12aに前記のよう
に位置決めされて保持され、接着剤などにより固定され
る。コア半体14、14とシールド板半体16とが固定
された状態で、各コア半体14、14のギャップ形成面
14a、14aと、基端のバックギャップ面14b、1
4bが研磨され、同時にシールド板半体16の接合面1
6aも研磨される。
【0042】第2のホルダ13には、コア保持部13a
のZ方向先端に折曲部13bが設けられ、この折曲部1
3bに切欠き13cが形成されている。またコア保持部
13aの両側部には、小側板13d、13dが折曲げ形
成されている。コア保持部13aには、位置決め突起1
3gと13hが内面側へ加圧成形(圧痕成形)されてい
る。切欠き13cおよび各位置決め突起13g、13h
は、ホルダ12の切欠き12cおよび各位置決め突起1
2g、12hと面対称位置に形成されている。
【0043】第2のホルダ13には、コア半体15、1
5および両コア半体15と15の間に位置するシールド
板半体16が位置決めされて固定されている。なお、図
1では、ホルダ13側に位置決め固定されるコア半体1
5、15とシールド板半体16の図示を省略している。
コア半体15、15とシールド板半体16は、ホルダ1
3の切欠き13cと位置決め突起13g、13hによっ
て位置決めされるが、この位置決めの方法は、図2に示
す、ホルダ12に対するコア半体14、14およびシー
ルド板半体16の位置決めと同じである。コア半体1
5、15とシールド板半体16は、ホルダ13に位置決
めされて接着剤などで固定される。そして、コア半体1
5、15のギャップ形成面15aと基端のバックギャッ
プ面15bおよびシールド板半体16の接合面16aが
研磨される。
【0044】第1のホルダ12の前記側板12d、12
dには段差部(ハ)が形成されている。第2のホルダ1
3に形成された、小側板13d、13dの下縁部(ニ)
が前記段差部(ハ)の上縁部に突き当てられることによ
り、第1のホルダ12と第2のホルダ13は、磁気ギャ
ップのギャップ深さ方向へ互いに位置決めされる。すな
わち、前記段差部(ハ)と下縁部(ニ)とにより、両ホ
ルダ12と13とをギャップ深さ方向へ位置決めするた
めの位置決め部が形成されている。
【0045】上記位置決め部を形成する段差部(ハ)と
取付部12e、12eとは、第1のホルダ12において
一体に形成されているため、両ホルダ12と13をギャ
ップ深さ方向へ互いに位置決めする位置決め部(ハ)
(ニ)は、取付部12e、12eを基準として高精度な
位置に設けることが可能である。
【0046】両ホルダ12と13が位置決めされて接合
されると、コア半体14と15のギャップ形成面14a
と15aが接合され、基端のバックギャップ面14bと
15bどうしが接合される。また両ホルダ12と13に
固定されているシールド板半体16も互いに接合され
る。このとき、ギャップ形成面14aと15aは、取付
部12eを基準として位置が決められ、特に完成時の磁
気ヘッドにおいて、ギャップ深さGd(図2参照)を、
取付部12eを基準として設定できるようになる。
【0047】また図1では図示省略しているが、第1の
ホルダ12の側板12d、12dと、第2のホルダ13
の小側板13d、13dとの間に、互いにY方向に嵌合
して位置決めする位置決め部を形成しておくことによ
り、両ホルダ12と13が接合された時点で、コア半体
14のギャップ形成面14aとコア半体15のギャップ
形成面15aとを、トラック幅方向へ位置ずれすること
なく高精度に接合することが可能である。
【0048】また、コア半体14、14とコア半体1
5、15が接合されるときに、両コア半体の基部に、ボ
ビン17が外挿される。ボビン17にはコイル18が巻
かれており、またボビン17にはシールドケース11の
基端外方に延びる端子19が設けられている。
【0049】コア半体14、14の形成面14a、14
aと、コア半体15、15の形成面15a、15aは、
非磁性材を介して接合され、磁気ギャップG1とG2が
形成される。またコア半体14、14の基端のバックギ
ャップ面14b、14bと、コア半体15、15の基端
のバックギャップ面15b、15bは直接に接合され、
コア半体14、14と、コア半体15、15の接合によ
り、閉磁気回路を形成する磁気コアが構成される。
【0050】第1のホルダ12と第2のホルダ13は、
前記位置決め部(ハ)(ニ)より互いに接合されて樹脂
接着剤で固定される。このホルダ12と13が接合され
て固定されたものが、シールドケース11の内部へ底部
側からZ方向へ挿入される。このとき、第2のホルダ1
3が、シールドケース11の図3での図示左側の内面の
位置決め部11cに当接した状態で、両ホルダが板ばね
25により前記当接方向へ加圧される。これにより、両
ホルダ12と13が、シールドケース11の内部に位置
決めされる。この状態で、シールドケース11の内部に
エポキシ系などのモールド樹脂が充填され、シールドケ
ース11内で、ホルダ12、13やコア半体14、15
などが固定される。
【0051】図2および図3に示すように、各コア半体
14と15の先部およびシールド板半体16、16の先
部は、シールドケース11の先端面11aの露出窓11
b内に突出し、露出窓11bの内部も前記モールド樹脂
で塞がれる。そして、シールドケース11の先端面、図
3で破線Sで示す面となるように研磨され、研磨後の面
Sが磁気媒体である磁気テープとの摺動面11aとな
る。
【0052】この実施の形態として示した磁気ヘッドH
aでは、シールドケース11の底部側から取付部12
e、12eが突出したものとなっている。この取付部1
2e、12eは、第1のホルダ12と一体に形成された
ものであり、コア半体14、14は、ホルダ12に位置
決めされて固定されている。そのため、コア半体14、
14の形成面14a、14aすなわち磁気ギャップG
1、G2と、取付穴12f、12fとの位置関係は、コ
ア半体14、14とホルダ12の製造寸法精度および、
コア半体14、14とホルダ12との取付精度に基づい
て決められる。図2に示すように、コア半体14、14
は、ホルダ12の切欠き12cと位置決め突起12g、
12hにより高精度に位置決めされて固定されるため、
磁気ギャップG1、G2と、取付穴12f、12fとの
相対位置は、ほぼホルダ12の製造精度に依存するもの
となる。したがって、取付穴12f、12fと、磁気ギ
ャップG1、G2との相対位置が高精度に決められる。
【0053】また、図1に示すように、第1のホルダ1
2と第2のホルダ13との間には、段差部(ハ)と下縁
部(ニ)とで構成されるギャップ深さ方向への位置決め
部が形成されている。したがって、両ホルダ12と13
を接合するときに段差部(ハ)と下縁部(ニ)を突き当
てることより、コア半体14とコア半体15との相対位
置をZ方向へ精度よく組み合せることができる。しかも
前記段差部(ハ)と取付部12e、12eは第1のホル
ダ12において一体に形成されているため、第1のホル
ダ12と第2のホルダ13との接合の位置決めを取付部
12eを基準として行なうことができる。
【0054】よって第1のホルダ12に支持されるコア
半体14のギャップ形成面14aと、第2のホルダ13
に支持されるコア半体15のギャップ形成面15aとの
合わせ精度を取付部12eを基準として決めることがで
きる。すなわち、取付部12eを基準として見たとき
に、両ギャップ形成面14aと15aの双方の位置を高
精度に決めることができる。したがって、シールドケー
ス11の先端面を研磨面Sとなるように研磨する際、取
付部12eを治具などに設置し、この取付部12eを基
準として研磨作業を行なうと、摺動面11aが形成され
た時点で、摺動面11aとギャップ形成面14a、15
aとの相対位置の精度を高くでき、その結果、磁気ギャ
ップG1とG2のギャップ深さGd(図2参照)を常に
適正で且つ均一に形成することが可能である。
【0055】また、第1のホルダ12と第2のホルダ1
3との間に、両ホルダをY方向へ互いに位置決めする凹
凸嵌合による位置決め部を形成しておけば、ホルダ12
と13とが組み合わされたときに、コア半体14とコア
半体15をトラック幅方向へ位置ずれすることなく接合
することができる。
【0056】また上記の位置決め部を形成しておくこと
により、治具などを用いて高精度な位置合せを行なう組
立および調整作業が不要になる。
【0057】なお、前記のように、第1のホルダ12に
コア半体14およびシールド板半体16が取り付けられ
固定された後に、コア半体14のギャップ形成面14a
とバックギャップ面14bおよびシールド板半体16の
接合面16aが平面研磨される。第1のホルダ12で
は、位置決め部となる段差部(ハ)を有する側板12d
と12dが、図2に示すように、コア半体14、14の
左右両側に位置しているため、側板12dと12dとの
間に平研といしなどの研磨工具を挿入することにより、
前記ギャップ形成面14a、バックギャップ面14bお
よび接合面16aを平面研磨することが可能である。
【0058】さらに前記平面研磨作業を容易に行なえる
ようにするためには、前記側板12d、12dの高さ寸
法(ホ)を図2に示す長さあるいはそれ以下として、図
2に示すように、側板12d、12dに形成された段差
部(ハ)とコア半体14、14との間にギャップ深さ方
向への間隔(へ)を設けておくことが好ましい。このよ
うに取付部12eおよび段差部(ハ)が形成された側板
12d、12dをコア半体14に対してギャップ深さ方
向へ重ならない位置にしておくと、側板12d、12d
が平面研磨面よりも突出していても、ギャップ形成面1
4a、バックギャップ面14bなどの研磨作業の際、研
磨工具と側板12dとが干渉する心配がなくなる。
【0059】また、このとき取付部12e、12eに形
成された取付穴12f、12fを基準として第1のホル
ダ12を固定し、前記ギャップ形成面14a、14aな
どを研磨すれば、ギャップ形成面14a、14aにて形
成される磁気ギャップG1、G2と、取付穴12f、1
2fとの間隔をさらに高精度に決めることができる。
【0060】図1に示す回転ヘッド装置HBでは、図2
と図3に示す磁気ヘッドHaが、取付部12e、12e
を介して支持体となる軸基体20に取り付けられるが、
通常は、この軸基体20および回転軸21は、保持体3
1に支持されている。
【0061】上記保持体31は、底面31aが、オート
リバーステープレコーダの機構ユニットに設けられたヘ
ッドベースに固定されている。回転軸21は保持体31
の軸受部32に回転自在に支持されている。保持体31
の背面では前記回転軸21に歯車が取り付けられ、この
歯車への回転力により、回転軸21と軸基体20とが回
転させられる。この歯車により回転軸21はα方向とβ
方向へ所定角度回転させられるが、その後は、トーショ
ンばねにより、回転軸21にα方向またはβ方向への付
勢力が与えられるようになっている。
【0062】機構ユニットでは、ヘッドベース上の保持
体31に軸基体20が既に取り付けられており、この軸
基体20に対し、前記磁気ヘッドHaが取り付けられる
ことになる。このとき取付部12e、12eに穿設され
た取付穴12f、12fに取付ねじが挿入され、この取
付ねじが、軸基体20に形成された雌ねじ穴20a、2
0aに螺着される。すなわち、磁気ヘッドHaは取付穴
12f、12fを基準として軸基体20に取り付けられ
る。
【0063】軸基体20には半径方向へ突出するストッ
パ突起22が一体に形成され、また保持体31には一対
のアジマス調整用の調節ねじ33、34が螺装されてい
る。磁気テープの走行方向がF方向(フォワード方向)
のとき、ストッパ突起22の側面22aが前記トーショ
ンばねの付勢力により、調節ねじ33に加圧されてい
る。このとき調節ねじ33を回転させてねじの先端を進
退させることにより、F方向へ走行している磁気テープ
に対する磁気ヘッドHaのギャップG1とG2のアジマ
ス角度の調整が行われる。磁気テープの走行方向がR方
向(リバース方向)へ切換えられると、回転軸21はβ
方向へ回転させられ、ストッパ突起22の側面22bが
調節ねじ34に圧接させられる。この調節ねじ34を回
転させることにより、R方向へ走行する磁気テープに対
するギャップG1、G2のアジマス角度の調整が行われ
る。
【0064】図1に示す回転ヘッド装置HBと図9に示
す従来例とを比較すると、図1ないし図3に示す磁気ヘ
ッドHaでは、台座3が省略され、また台座3がホルダ
12と一体となっている。したがって本発明の回転ヘッ
ド装置HBでは、ギャップG1、G2から回転軸21の
軸中心Oまでの寸法関係において、図12に示す公差
(d)(e)(f)(g)の累積を無くすことができ
る。したがって、取付部12e、12eと軸基体20と
を相対的に高精度に位置決めして固定すれば、回転中心
OとギャップG1、G2とのY方向の間隔を高精度にで
き、図11(A)に示す理想値δ1に近似したものにで
きる。また図9に示す従来例のように、台座3に対する
磁気ヘッドの位置決め調整作業などが不要になり、簡単
な作業で高精度な回転ヘッド装置を構成できるようにな
る。
【0065】図1ないし図3に示す実施の形態では、ホ
ルダ12と13が、板金材料によりプレス成形されてい
るため、ホルダ12と13の製造コストを安くできる効
果がある。ただし、ホルダを図4ないし図6に示すよう
に、非磁性合金によるダイキャスト成形により製造する
ことも可能である。
【0066】図4は、ダイキャスト成形された第1のホ
ルダとこれに支持されるコア半体およびシールド板半
体、さらに第2のホルダを示す分解斜視図、図5は第1
のホルダとこれに接合された第2のホルダの一部のみを
示す図4のV矢視図、図6はコア半体の平面研磨作業の
一例を示す側面図である。
【0067】第1のホルダ42の基本的な構造は、板金
製の前記ホルダ12と同じである。コア保持部42aに
は、コア半体14、14とシールド板半体16を位置決
めするための切欠き42cおよび位置決め突起42g、
42hが一体に成形されている。図2に示したのと同様
に、一方のコア半体14は切欠き42cの内縁部と位置
決め突起42gとで位置決めされ、他方のコア半体14
は、切欠き42cの内縁部と位置決め突起42hとで位
置決めされ、シールド板半体16は位置決め突起42g
と42hとの間に位置決めされる。
【0068】第1のホルダ42に接合される第2のホル
ダ43も非磁性合金によりダイキャスト成形されたもの
となる。あるいは第2のホルダ43が非磁性金属板によ
り板金成形されたものであってもよい。第2のホルダ4
3には、コア半体15、15およびシールド板半体16
が位置決めされて固定される。ただし図4では第2のホ
ルダ43側のコア半体15およびシールド板半体16の
図示を省略している。ホルダ42とホルダ43が接合さ
れたものがシールドケース11内に挿入されてモールド
樹脂で固定されると、シールドケース11の底面部から
図4に示すホルダ42の取付部42e、42eが突出す
る。この取付部42e、42eに取付穴42f、42f
が穿設されている。
【0069】このホルダ42を用いた磁気ヘッドHa
は、図1に示す回転ヘッド装置HBの軸基体(支持体)
20に取り付けられ、取付穴42f、42fに挿入され
た取付ねじが雌ねじ穴20a、20aに螺着され、磁気
ヘッドHaが軸基体20に固定される。
【0070】ここで、ダイキャスト成形されたホルダ4
2の取付部42eは厚さ寸法が大きくなっている。よっ
て、取付部42eの軸基体20への取付面側に、取付穴
42fの径を拡張した位置決め凹部42iを形成するこ
とができる。一方、図7に示すように軸基体20には、
前方へ位置決め凸部20bが一体に形成され、この位置
決め凸部20bに雌ねじ穴20aが穿設された構造とな
る。ここで、前記位置決め凸部20bと位置決め凹部4
2iを、互いに隙間なく嵌合できる寸法に成形しておく
ことにより、取付部42e、42eを軸基体20に高精
度に位置決めして固定することができる。図4に示すホ
ルダ42を用いた磁気ヘッドHaでも、取付穴42f、
42fと、ギャップG1、G2との相対位置が高精度に
決められるが、前記位置決め凹部42iを軸基体20の
位置決め凸部20bとを凹凸嵌合させると、図12に示
す寸法公差(h)をさらに小さくでき、回転軸21の軸
中心Oと磁気ギャップG1、G2とのY方向の間隔を、
図11(A)に示す理想値δ1に近似させることが可能
になる。
【0071】また図4に示す第1のホルダ42では、こ
れに保持されるコア半体14のギャップ形成面14aお
よびバックギャップ面14bすなわち平面研磨面より
も、取付部42eが第2のホルダ43側に突出してい
る。そしてこの取付部42e、42eには、位置決め突
部42j、42jが一体に形成されている。この位置決
め突部42j、42jも、コア半体14、14の前記平
面研磨面よりもホルダ43側に突出した位置に形成され
ている。また第2のホルダ43の基部の両側部には位置
決め凹部43a、43aが一体に形成され、前記位置決
め突部42j、42jと位置決め凹部43a、43aと
により、ホルダ42と43との位置決め部が形成されて
いる。
【0072】第2のホルダ43が第1のホルダ42に組
み合わされるとき、前記位置決め凹部43a、43a
が、位置決め突部42j、42jに嵌合し、両ホルダ4
2と43とが、ギャップ深さ方向(Z方向)およびトラ
ック幅方向(Y方向)の双方へ位置決めされる。したが
って、第1のホルダ42に保持されたコア半体14、1
4のギャップ形成面14a、14aと、第2のホルダ4
3に保持されたコア半体15のギャップ形成面15aと
が、互いに高精度に対面して接合されることになる。
【0073】また、第1のホルダ42では位置決め突部
42j、42jと、取付部42e、42eとが一体に形
成されているため、ホルダ42と43との位置決め部
を、取付部42eを基準として設定でき、よってコア半
体14のギャップ形成面14aと、コア半体15のギャ
ップ形成面15aの位置を、取付部42eを基準として
決めることができる。その結果、図5に示すように、シ
ールドケース11内に組み込まれた後に、シールドケー
ス11の研磨面Sを取付部42eを基準として決めれ
ば、摺動面11aが研磨形成された後にギャップ深さG
dを高精度に決めることが可能になる。
【0074】また第1のホルダ42では、取付部42e
および位置決め突部42jが、ホルダ42に保持される
コア半体14の平面研磨面よりもホルダ43側に突出し
ているが、図5に示すように、取付部42eおよび位置
決め突部42jは、コア半体14に対しギャップ深さ方
向に重ならない位置に形成され、コア半体14と取付部
42eとの間にはギャップ深さ方向へ間隔(へ)が開け
られている。よってコア半体14のギャップ形成面14
aとバックギャップ面14bおよびシールド板16の接
合面16aを平面研磨するときに研磨工具が取付部42
eおよび位置決め突部42jに干渉することがない。
【0075】図6は、前記平面研磨を行なう作業の一例
を示している。この研磨作業では、作業盤(i)に突起
(iii)が形成され、第1のホルダ42の位置決め凹
部42iが前記突起(iii)に嵌合して位置決めさ
れ、さらに取付部42eが作業盤(i)にねじ止めまた
は治具押さえなどにより固定されてホルダ42が垂直な
向きで設置される。研磨工具である平研といし(ii)
は、その回転軸Ogが水平に向けられ図6に示す位置に
て図の紙面に垂直な方向へ移動し、この移動過程におい
て平研といし(ii)の側面により、コア半体14のギ
ャップ形成面14aとバックギャップ面14bおよびシ
ールド板半体16の接合面16aが平面研磨される。
【0076】平研といし(ii)を紙面垂直方向へ平行
に移動させて平面研磨を行なうことにより、コア半体1
4とシールド板半体16に偏った研磨力が作用しにく
く、またホルダ42が図示左側へ変形しにくくなって、
高精度な平面研磨を実現できる。さらに、ホルダと一体
の取付部を基準として平面研磨が行なわれるので、ギャ
ップ形成面のその面に垂直な方向の位置を高精度に決め
ることができる。
【0077】なお、本発明の磁気ヘッドHa、Hbは、
回転ヘッド装置に取り付けられるものに限られず、前記
取付部12eまたは42eが、テープレコーダのヘッド
ベース、またはヘッドベースに設けられた支持体に直接
取付けられてもよい。この場合に、取付部からギャップ
の位置までの寸法が高精度に決められているため、テー
プレコーダに取り付けられた磁気ヘッドの磁気ギャップ
が、磁気テープに対して精度よく決められたものとな
る。
【0078】
【発明の効果】以上のように本発明の磁気ヘッドでは、
取付部がホルダと一体に設けられているため、取付部と
磁気ギャップとの相対位置を高精度に決めることがで
き、図9に示す従来例のように、台座に対して磁気ヘッ
ドを位置決めして固定する作業も不要になる。また台座
をなくすことができるため、構成部品数を減らし、コス
トダウンが可能になる。
【0079】特に本発明では、前記取付部には、支持体
に対して嵌合して位置決めされる位置決め穴または凹部
が形成されており、この凹凸嵌合によって前記取付部を
支持体側へ高精度に位置決めできる。
【0080】また両ホルダの位置合せを取付部を基準と
して設定できるため、シールドケースに摺動面を研磨し
た時点で、ギャップ深さを正確に決めることができる。
【0081】また、本発明の回転ヘッド装置では、回転
軸の軸中心と磁気ギャップとの位置関係を精度よく決め
ることができ、磁気テープがF方向に走行しているとき
とR方向に走行しているときとで、磁気ギャップを磁気
テープに対して正確に対向させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転ヘッド装置の第1の実施形態を示
す分解斜視図、
【図2】図1に示す回転ヘッド装置に使用される磁気ヘ
ッドの断面図、
【図3】図2の磁気ヘッドのIII−III線の断面
図、
【図4】ダイキャスト成形された第1のホルダと第2の
ホルダとの組み合わせ状態を示す分解斜視図、
【図5】第1のホルダと第2のホルダとを組み合わせた
状態を示す図4のV矢視図、
【図6】図4に示される第1のホルダに支持されたコア
半体を平面研磨する状態を示す側面図、
【図7】図4に示す第1のホルダと、支持体となる軸基
体との嵌合部を示す拡大断面図、
【図8】シールドケースに取付部が一体に形成された従
来例を示す斜視図、
【図9】従来の回転ヘッド装置の分解斜視図、
【図10】(A)は従来の磁気ヘッド装置を摺動面側か
ら示す平面図、(B)は(A)のB−B線の断面図、
【図11】磁気ヘッドに磁気テープが摺動している状態
を示す正面図であり、(A)は磁気ヘッドの回転中心と
ギャップ位置との間隔が理想値となっている状態、
(B)は、回転中心とギャップ位置との間隔の誤差が大
きくなった状態を示す、
【図12】回転ヘッド装置において、ギャップ位置から
回転軸の中心までの公差の累積を示す説明図、
【符号の説明】
HB 回転ヘッド装置 Ha 磁気ヘッド Hb 消去ヘッド G1、G2 ギャップ Gd ギャップ深さ (ハ) 位置決め部となる段差部 (ニ) 位置決め部となる下縁部 11 シールドケース 11a 摺動面 12 第1のホルダ 13 第2のホルダ 12a、13a コア保持部 12c、13c 切欠き 12g、12h、13g、13h 位置決め突起 12e 取付部 12f 取付穴 14、15 コア半体 14a、15a ギャップ形成面 16 シールド板半体 17 ボビン 18 コイル 20 軸基体(支持体) 21 回転軸 31 保持体 33、34 アジマス調節ねじ 42 第1のホルダ 42c 切欠き 42g、42h 位置決め突起 42e 取付部 42f 取付穴 42j 位置決め突部 43 第2のホルダ 43a 位置決め凹部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ギャップを形成する対を成す磁性体
    のコアと、それぞれのコアを支持する第1と第2のホル
    ダと、がケース内に設けられた磁気ヘッドにおいて、 第1のホルダには、前記ホルダと一体に形成された支持
    体への取付部が形成されており、前記取付部には、支持
    体に対して嵌合して位置決めされる位置決め穴または凹
    部が形成されていることを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 回転軸が設けられた支持体に、請求項1
    に記載の磁気ヘッドが前記取付部を介して取り付けられ
    ており、前記回転軸が保持体に回転自在に支持され、磁
    気ヘッドが保持体に対して180度回転可能とされてい
    る回転ヘッド装置。
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