JP2002214924A - 画像形成装置用エンドレスベルト - Google Patents

画像形成装置用エンドレスベルト

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JP2002214924A
JP2002214924A JP2001008662A JP2001008662A JP2002214924A JP 2002214924 A JP2002214924 A JP 2002214924A JP 2001008662 A JP2001008662 A JP 2001008662A JP 2001008662 A JP2001008662 A JP 2001008662A JP 2002214924 A JP2002214924 A JP 2002214924A
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endless belt
image forming
carbon black
belt
forming apparatus
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Application number
JP2001008662A
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English (en)
Inventor
Kouichi Sakogawa
佐子川  広一
Makoto Morikoshi
誠 森越
Norihiro Otsu
紀宏 大津
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、電子写真式複写機及びレーザプリン
タ等に組み込まれる感光体装置、中間転写装置、紙搬送
転写装置、転写分離装置、帯電装置、現像装置、転写装
置等に用いるのに好適な画像形成装置用エンドレスベル
トであって、機械強度、寸法精度、抵抗値制御、難燃
性、外観、加工性の総合のバランスに優れるエンドレス
ベルトを提供することを目的とする。 【解決手段】下記の成分A、成分Bを少なくとも含有す
ることを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。 成分A:ポリアリレート 成分B:揮発分1%以上のカーボンブラック

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式複写機
及びレーザプリンタ等に組み込まれる感光体装置、中間
転写装置、紙搬送転写装置、転写分離装置、帯電装置、
現像装置、転写装置等に用いるのに好適な画像形成装置
用エンドレスベルトに関する。本発明のエンドレスベル
トは、機械強度、寸法精度、抵抗値制御、難燃性、外
観、加工性の総合のバランスに優れる。
【0002】
【従来の技術】従来から電子写真式複写機等の、中間転
写装置、転写分離装置、帯電装置等においては、エンド
レスベルトが多用されている。図1は従来の中間転写装
置の側面図である。図中、1は感光ドラム、6は画像形
成装置用エンドレスベルトである。
【0003】1の感光ドラムの周囲には、帯電器2、半
導体レーザー等を光源とする露光光学系3、トナーが収
納されている現像器4及び残留トナーを除去するための
クリーナー5よりなる電子写真プロセスユニットが配置
されている。導電性シームレスベルト6は、搬送ローラ
7,8,9に掛け渡されて、矢印方向に回転する感光ド
ラムと同調して矢印方向に移動するようになっている。
【0004】次に、動作について説明する。まず矢印A
方向に回転する感光ドラム1の表面を帯電器2により一
様に帯電する。次に、光学系3により図示しない画像読
み取り装置等で得られた画像に対応する静電潜像を感光
ドラム1上に形成する。
【0005】静電潜像は現像器4でトナー像に現像され
る。このトナー像を、静電転写機10により導電性シー
ムレスベルト6へ静電転写し、搬送ローラ9と押圧ロー
ラ12の間で記録紙11に転写する。前述の中間転写ベ
ルトを用いた画像形成装置を有するカラー電子写真装置
は、従来の技術である転写ドラム上に張り付け又は吸着
せしめ、そこへ第1の画像担持体上から画像を転写する
画像形成装置を有したカラー電子写真装置、例えば特開
昭63−301960号公報中で述べられたごとくの転
写装置と比較すると、第2の画像担持体である転写材に
なんら加工、制御(例えばグリッパーに把持する、吸着
する、曲率をもたせる等)を必要とせずに中間転写ベル
トから画像を転写することができるため、封筒、ハガ
キ、ラベル紙等、40g/m2程度の薄い紙から200
g/m2程度の厚い紙まで、幅の広狭や、長さの長短に
よらず転写可能であるという利点を有している。
【0006】以上が中間転写ベルトを用いた画像形成装
置の概略であるが、上記の中間転写ベルトや転写搬送ベ
ルト(以後、中間転写ベルトと転写搬送ベルト等を総称
してベルト状転写部材と呼ぶ)は、画像形成装置の画
質、耐久性、コストを左右する重要な部品であることか
ら、フルカラー電子写真装置の普及に伴って、より高機
能で低コストなベルト状転写部材が求められるようにな
ってきている。
【0007】これに対して、ベルト状転写部材の材質の
観点から、以下のような提案がなされている。 (1)フッ素系材料を用いる方法。例えば、特開平5−
40417号公報、特開平7−92825号公報、特開
平8−267605号公報等にフッ素系の樹脂、エラス
トマー、ゴムを用いた中間転写体が開示されている。
【0008】(2)オレフィン系材料を用いる方法。例
えば、特開平5−311016号公報、特開平7−24
912号公報等にオレフィン系材料を用いたフィルムが
開示されている。 (3)ポリカーボネートやポリアルキレンテレフタレー
トを用いる方法。例えば、特開平3−89375号公
報、特開平4−313757号公報、特開平6−149
081号公報等で開示されている。
【0009】(4)ポリアリレートを用いる方法。例え
ば、特開2000−137389号公報。また、製造方
法の観点からは、以下のような提案がなされている。 (1)溶剤を用いて樹脂を溶解し、成膜した後に溶剤を
蒸発させる方法。例えば、特開平5−77252号公報
では、遠心成形によるシームレスベルトの製造方法が開
示されている。また、特開平9−269674号公報で
は、円筒基体上に多層コーティングを行い、最終的に円
筒状基体を除去することによってシームレスベルトを得
る方法が開示されている。
【0010】(2)熱可塑性樹脂を加熱溶融し、押出し
機を用いてこれを押出す方法。例えば、特開平3−89
357号公報、特開平5−345368号公報等で、押
出し成形による半導電性ベルトの製造方法が開示されて
いる。先に述べたように、ベルト状転写部材には、より
高機能で低コストものが求められるようになってきてい
るのであるが、これを具体的に述べると、次のようにな
る。
【0011】(A)耐クリープ性に優れていること (B)靱性が高く、容易にヒビ割れたり亀裂が生じたり
しないこと (C)降伏伸度が大きく、バネ回復性に優れていること (D)使用環境(温度/湿度)による寸法変化が小さい
こと (E)難燃性に優れていること (F)低コストであること (G)厚み分布にムラが無く均一であること このような要求がある中で、上記の従来技術について見
てみると、上記A〜Gの全ての要求を満たす材質や製造
方法は、未だ提案されていないことが分かる。
【0012】すなわち、まずフッ素系の樹脂は、上記A
の条件を満たしていない。つまり、耐クリープ性が悪い
ために、繰り返し使用する間にベルトの張力が低下し
て、色ずれ(複数色のトナーを重ねて転写する時に、色
間での転写位置がずれて、所望のようにトナーが重なら
ないこと)の原因となったり、ついには駆動ローラとの
間でスリップを起こして駆動不能となる場合がある。ま
た、フッ素系の材料は、成形温度が高く、成形し難い上
に、原料コストも高いため、上記Fの条件も満たしてい
ない。
【0013】これに対してオレフィン系の材料では、上
記Fの条件は満たすものの、フッ素系の材料と同様にA
の条件を満たしていない。また、オレフィン系の材料で
は上記Eの条件も満たしていない。これに対して、ポリ
カーボネートやポリアルキレンテレフタレート(例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート)等のポリエステルは、上記A〜Gの項目全て
をある程度満たしており、優れた材料である。
【0014】しかし、ポリカーボネートやポリアルキレ
ンテレフタレートは、耐候性が不足しているため、転写
バイアス等の印加時の放電によって発生するオゾンや紫
外線による劣化を起こし、繰り返し使用によって脆くな
り、ついにはヒビ割れや亀裂を生じてしまうという恐れ
がある。つまり、ポリカーボネートやポリアルキレンテ
レフタレートは、初期はA〜Gの項目をバランスよく満
たすことができても、繰り返し使用によって機械特性が
低下して、Bの項目を満たすことができなくなってしま
うという問題があった。
【0015】更に付け加えると、特に繰り返し使用によ
る分子量低下を起こし易く、やはりBの項目を満たすこ
とができなくなるという問題もある。ポリカーボネート
やポリアルキレンテレフタレートが、繰り返し使用によ
って分子量低下が起こるのは、転写バイアス等の放電の
結果発生する硝酸によって、加水分解が促進されるため
と推定される。
【0016】また、ポリアリレートはA〜Fをバランス
良く満たす事が出来ると、提案されているが、ポリアリ
レートとカーボンブラックを押出機等により加熱溶融加
工してフィルム成形しようとすると、均一な厚み分布を
得ることができず、これを中間転写ベルトとして使用す
ると、厚み分布の悪さに起因して4色のトナー像の重な
りにズレが発生して画像不良を発生してしまう問題点が
あることからこれまで実用化されてこなかった。
【0017】つまり、Gを満たすことが出来なかった。
次に、成形方法について述べる。先に述べた溶媒を用い
て成形する方法は、 (1)溶媒に溶解する樹脂にしか適用できない。 (2)乾燥(溶媒の除去)工程が必須であり、製造に多
くの時間とエネルギーが必要である。 (3)樹脂の配向(延伸)による機械特性の向上が困難
である。 (4)乾燥工程で多量の溶媒(特に有機溶媒)が発生
し、環境への影響が懸念される。 等の問題点がある。
【0018】これに対して、樹脂を加熱溶融して押出す
方法は、最も効率良く、かつ排出物を極小に抑えてエン
ドレスベルト状転写部材を製造する方法として好まし
い。しかしながら、上記特開平3−89357号公報、
特開平5−345368号公報等では、材料がポリカー
ボネートやフッ素系樹脂に限定されており、そのため上
記A〜Gの条件を満たすエンドレスベルト状転写部材を
得ることはできなかった。
【0019】このように、従来技術には一長一短があ
り、前記A〜Gの全ての条件を、繰り返し使用後も満足
できるような、エンドレスベルト状転写部材が望まれて
いた。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐ク
リープ性に優れ、靱性や降伏伸度等の機械特性が高く、
使用環境による寸法変化が小さく、難燃性に優れて低コ
ストで、外観も良好である画像形成装置用エンドレスベ
ルトを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、 ポリアリレートの成形温度が一般的な熱可塑性樹脂の
中でも特に高いこと 樹脂に分散したカーボンブラックは高温条件下では再
凝集を起こしやすく、それに伴い、樹脂中のカーボンブ
ラックの分散ムラを引き起こし、分散ムラから生じる粘
度の分布ムラにつながって、エンドレスベルト成形した
ときの厚み分布のムラを生じることを、見出し、また、
表面の官能基の特に多いカーボンブラックを選択すれ
ば、加工時に高い温度を必要とするポリアリレートと配
合しても、官能基と樹脂との親和性により樹脂中に良好
に分散し続けるので、カーボンブラックの再凝集およ
び、再凝集に伴い発生する分散ムラ、および、分散ムラ
に起因する厚み分布ムラなどの不具合をほとんど生じな
いことを見い出し、本発明に到達した。
【0022】すなわち、本発明の要旨は、(1)下記の
成分A、成分Bを少なくとも含有することを特徴とする
画像形成装置用エンドレスベルトに存する。 成分A:ポリアリレート 成分B:揮発分1%以上のカーボンブラック また、以下の態様も本発明の要旨の1つとする。 (2)成分AのポリアリレートがビスフェノールAと芳
香族ジカルボン酸からなるポリアリレートであることを
特徴とする上記(1)に記載の画像形成装置用エンドレ
スベルト。 (3)成分の重量比が、成分B/成分A=3/97〜3
0/70であることを特徴とする上記(1)又は(2)
に記載の画像形成装置用エンドレスベルト。 (4)体積固有抵抗率が1〜1015Ω・cmの範囲で、
かつ、1本のベルト中の体積固有抵抗率の最大値/最小
値が1〜100であることを特徴とする上記(1)〜
(3)のいずれかに記載の画像形成装置用エンドレスベ
ルト。 (5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成
装置用エンドレスベルトを具備してなることを特徴とす
る画像形成装置。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 ○成分(A) ポリアリレート 本発明において、ポリアリレート樹脂とは、下記構造式
(1)で表わされる化合物の総称である。
【0024】
【化1】
【0025】(式中、R1及びR2は置換基を有してもよ
い2価のフェニレン基、ナフチレン基のアリーレン基で
ある。置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロ
ゲン原子、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキ
シ基、エトキシ基等のアルコキシ基、又は1,2−エチ
レン基、1,3−プロピレン基等のアルキレン基であ
る。) 更に、ポリアリレート樹脂を用いた場合には、ポリカー
ボネートやポリアルキレンテレフタレートと比較して以
下のような利点もあることも判明した。
【0026】(1)高温環境に曝されても、クリープが
小さい。従って、画像形成装置、又はベルトユニットを
輸送(特にコンテナ輸送)する際や、画像形成装置の使
用時における装置内の昇温によって、ベルトの周長が伸
びて長くなって、ロール間に張ったベルトの張力が低下
してしまうことが割合が少ない。この利点は、特に転写
同時定着方式(中間転写ベルト方式の画像形成装置にお
いて、加熱部材を用いることによって2次転写と定着を
同時に行う方式)の画像形成装置において最も大きくな
る。
【0027】このように、ポリアリレート樹脂のクリー
プが小さいのは、芳香環の密度が大きいために、分子鎖
が剛直になることによる効果であると考えられる。 (2)難燃性が高い。例えば限界酸素指数(LOI)で
比較してみても、ポリアリレート樹脂のLOIは36.
8であるのに対して、ポリカーボネート樹脂のLOIは
24.9、ポリエチレンテレフタレート樹脂のLOIは
26.3と、ポリアリレート樹脂の優位性は明らかであ
る。
【0028】難燃性の差も芳香環の密度の差によるもの
と考えられる。そして、難燃性が高いということは、高
電圧(100V〜数kV程度)を印加されるエンドレス
ベルト状転写部材の安全性の観点から非常に好ましい。
本発明において、ポリアリレート樹脂とは上記構造式で
示される化合物の総称であるが、例えば本発明に至る過
程で検討したポリアリレート樹脂の具体例を挙げると、
下記構造式(2)〜(4)の化合物が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0029】
【化2】
【0030】
【化3】
【0031】
【化4】
【0032】これらの中でも、合成のし易さ(原料入手
の容易さ)、強靱性の観点から、特に上記構造式(2)
で表される化合物が好ましい。ポリアリレートは構成単
位に芳香環を多く有するので、例えばポリカーボネート
やポリアルキレンテレフタレートなどの樹脂に比し、樹
脂の耐候性や耐熱性が改善されるが、一方、芳香環を多
く有する樹脂は、溶融成形加工に必要な温度が高くな
る。
【0033】例えば、ポリカーボネート、ポリアルキレ
ンテレフタレートの代表例としてのポリブチレンテレフ
タレート(PBT)と、ポリアリレートの代表的な最適な
加工温度を示すと以下のようになる。 ポリカーボネート;260〜300℃ PBT ;230〜250℃ ポリアリレート ;300〜360℃ (出典;三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社
の「ポリカーボネート樹脂ユーピロンカタログ」中のユ
ーピロンと他樹脂との物性比較一覧表) ポリアリレート樹脂を成形するために、例えば市販のポ
リアリレートとして上記構造式(4)に相当するユニチ
カ(株)製のUポリマー;U100(商品名)をTダイ
押出成形機で成形すると360℃程度の温度で加工して
も良好な外観のフィルムを得ることができるが、エンド
レスベルトとして用いるために導電性付与を目的として
カーボンブラックと混練してペレットを得、同様にTダ
イ押出成形機にて360℃程度の温度で成形してフィル
ムを得ようとすると、フィルム表面に発泡による傷が発
生してしまい、良好なフィルムを得ることが出来ない。
【0034】成形温度を低く設定したり、成形機内での
滞留時間を短くすると発泡は減少するが、成形温度を低
くすると、今度はメルトフラクチャーが発生し易くなり
発泡とは別の外観不良が発生するし、樹脂温度が低いと
粘度が高くなるので、能力の高い押出成形機でないと良
好に押し出せないなどの問題点が発生する。 ○成分(B)カーボンブラック 本発明では、画像形成装置用エンドレスベルトとすべ
く、導電性を付与するためにカーボンブラックを配合す
る。
【0035】しかし一般に樹脂中のカーボンブラックは
樹脂の溶融状態下では再凝集を生じやすく、それに伴
い、樹脂中のカーボンブラックの分散ムラが生じる。本
発明では組み合わせるカーボンブラックを限定すること
により、ポリアリレートの一般的な成形加工温度である
300〜360℃程度で加工しても、樹脂へのカーボン
ブラックの親和性が高いので分散ムラが発生せず、加工
性も良好となる。
【0036】・カーボンブラックの官能基 カーボンブラックは表面に一般に水酸基、アミノ基、カ
ルボン酸などの官能基を有する。カーボンブラックと樹
脂を配合させた場合、この官能基が樹脂との間に親和性
を発揮して、カーボンブラックが樹脂に良好に分散す
る。
【0037】ポリアリレートのような加工温度が高い樹
脂とカーボンブラックを組み合わせると、分散ムラが顕
著に発生するのでこの官能基の多少が特に重要になる。
カーボンブラックの表面の官能基の量は揮発分としてと
らえることが出来、揮発分は、JIS K6221の揮
発分同定手法により定量化することが出来る。簡単な説
明を加えると、Xgのカーボンブラックを秤量し、JI
S K6221の方法で蒸し焼きにし、残査(残りか
す)がYgであれば、揮発分は{(X−Y)×100}
/Xで算出される。
【0038】本発明では、この揮発分が1重量%(対カ
ーボンブラック重量)以上であれば、ポリアリレートの
成形加工温度である300〜360℃程度に達してもカ
ーボンブラックの表面の官能基の絶対量が多いので、カ
ーボンブラック同士の再凝集よりカーボンブラックの樹
脂への親和性、分散性の方が勝るので分散ムラを抑制す
ることが出来る。
【0039】また、揮発分が3重量%以上であればさら
に劣化が少なくなるのでさらに好ましく、5重量%以上
であれば実質、分散ムラはほとんど抑制されるので特に
好ましい。これにより、ポリアリレートの樹脂としての
特長を活かしつつ、導電性を付与して画像形成装置用エ
ンドレスベルトを得ることができる。また、カーボンブ
ラックの官能基以外の物性には本発明においては特に制
限はないが、好ましい例などを下に列記する。 ・カーボンブラックの種類 本発明に用いるカーボンブラックの種類に特に制限はな
く、例えば、チャンネルブラック、アセチレンブラッ
ク、ファーネスブラックなどが挙げられ、これらを単独
または混合して使用することが出来る。
【0040】・比表面積 本発明に用いるカーボンブラックは導電性発現を目的と
するものである。一般にカーボンブラックは比表面積が
大きいほど粉体抵抗は低く、導電性を発現しやすいと云
われているので少量のカーボンブラック添加で導電性を
発現させるには比表面積は大きい方が好ましい。具体的
にはBET法による測定値で10m2/g以上が好まし
く、50m2/g以上であるとさらに好ましい。一方、
比表面積が大きすぎると、樹脂中でのカーボンブラック
の分散不良が発生したり、カーボンブラック単位重量あ
たりの樹脂との接触面積も大きくなることに起因するカ
ーボンブラックの触媒作用による樹脂の分解反応が生じ
るなどの問題点を有する。具体的には1000m2/g
以下が好ましく、500m2/以下であると特に好まし
い。
【0041】比表面積の測定はASTM D3037に
よる。 ・粒径 カーボンブラックの粒径(一次粒径を意味し、粒子が集
まって形成するストラクチャアーの径ではない)にも特
に制限はないが、一般に粒径の小さいカーボンブラック
の方が比表面積が大きく、導電性が高く、樹脂の分解反
応をさせやすいので、本発明の効果がもっとも有効に発
現できる範囲として粒径は15〜40nmを例示するこ
とが出来る。
【0042】一次粒径は電子顕微鏡観察により粒径を測
定し、場合によるが10個以上の測定値の算術平均値を
云う。 ・DBP吸油量 DBP吸油量にも特に制限はないが、本発明に用いるカ
ーボンブラックは導電性発現を目的とするものであり、
一般にカーボンブラックはDBP吸油量が大きいほど粉
体抵抗は低く、導電性を発現しやすいので少量のカーボ
ンブラック添加で導電性を発現させるにはDBP吸油量
は大きい方が好ましい。
【0043】具体的にはJIS K6221により35
mL/100g以上が好ましく、45mL/100g以
上であるとさらに好ましい。また、DBP吸油量が大き
すぎるカーボンブラックは経験的に樹脂中で分散不良を
起こすことがあるので、ある程度は小さい方が好まし
く、具体的には500mL/100g以下が好ましく、
300mL/100g以下であるとさらに好ましく、2
00mL/100g以下であると特に好ましい。
【0044】・カーボンブラックの商品例 これらの物性を満足するカーボンブラックとして三菱化
学(株)社製 LFFMA8やMA14(商品名)や独
デグサ社製Special Black4(商品名)な
どを例示することが出来る。 ○付加的配合材;任意成分 本発明には、各種目的に応じて任意の配合成分を配合す
ることができる。
【0045】具体的には例えば添加剤として、酸化防止
剤{イルガノックス1010(商品名)などのフェノー
ル系、イルガホス168(商品名)、PEPQ(商品
名)などのリン系、硫黄系など}、熱安定剤、各種可塑
剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、
アンチブロッキング剤、スリップ剤、有機・無機の各種
顔料、架橋剤、架橋助剤、着色剤、発泡剤、分散剤、銅
害防止剤、帯電防止剤、流れ性改良剤等の各種を添加す
ることができる。
【0046】また、各種フィラーとしては、例えば炭酸
カルシウム(重質、軽質)、タルク、マイカ、シリカ、
アルミナ、水酸化アルミニウム、ゼオライト、ウオラス
トナイト、けいそう土、ガラス繊維、ガラスビーズ、ベ
ントナイト、アスベスト、中空ガラス玉、黒鉛、二硫化
モリブデン、酸化チタン、炭素繊維、アルミニウム繊
維、スチレンスチール繊維、黄銅繊維、アルミニウム粉
末、木粉、もみ殻、金属粉、導電性金属酸化物、有機金
属化合物、有機金属塩等をあげることができる。
【0047】更に、本発明の効果を著しく損なわない範
囲内で、第2,第3成分として各種熱可塑性樹脂、各種
エラストマー等の配合材を配合することができる。付加
成分熱可塑性樹脂としてはポリプロピレン、ポリエチレ
ン(高密度,中密度,低密度,直鎖状低密度)、プロピ
レンエチレンブロックまたはランダム共重合体、ゴムま
たはラテックス成分、例えばエチレン・プロピレン共重
合体ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・ブタ
ジエン・スチレンスチレンブロック共重合体または、そ
の水素添加誘導体、ポリブタジエン、ポリイソブチレ
ン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、
ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、液晶
性ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェニレンサル
ファイド、ポリビスアミドトリアゾール、ポリエーテル
イミド、ポリエーテルエーテルケトン、アクリル、ポリ
フッ素化ビニリデン、ポリフッ素化ビニル、ポリクロロ
トリフルオロエチレン、エチレンテトラフロオロエチレ
ン共重合体、、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロ
プロピレン共重合体、パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体、アクリル酸アルキルエステル共重合体、
ポリエステルエステル共重合体、ポリエーテルエステル
共重合体、ポリエーテルアミド共重合体、ポリウレタン
共重合体等の1種またはこれらの混合物からなるものが
使用できる。
【0048】付加的熱硬化性樹脂としては、例えばエポ
キシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂等の1種またはこれらの混合物からなるも
のが使用できる。 ○各成分の配合比率 本発明においては各成分の配合比率に制限はないが、よ
り、有効に効果を発現する配合比率例としては、カーボ
ンブラック濃度が低すぎると導電性が発現しないことが
あるので、カーボンブラックはポリアリレートとカーボ
ンブラックとの合計量に対し3重量%以上が好ましく、
5重量%以上であるとさらに好ましく、10重量%以上
であれば特に好ましい。
【0049】また、カーボンブラック濃度が高すぎると
エンドレスベルトが脆くなることがあるのでカーボンブ
ラックはポリアリレートとカーボンブラックとの合計量
に対し30重量%以下が好ましく、20重量%以下であ
ればさらに好ましく、15重量%以下であると特に好ま
しい。しかしながら、現実的には、後述する望ましい抵
抗レベルが得られるようにカーボンブラックの導電性の
程度と兼ねあわせて設定することが必要である。 ○画像形成装置用エンドレスベルトに必要な物性 本発明では各成分からなる樹脂組成物を成形して、画像
形成装置用エンドレスベルトとして使用する。
【0050】また、本発明で目指すエンドレスベルト
は、一度平面状のフィルムに成形し、後に筒状に継ぎ合
わせても良く、初めから継ぎ目の無いチューブ状に成形
し、これを輪切りにするなどしてシームレスベルトとし
て成形しても良いが、継ぎ目のないシームレスベルトと
して成形する方が、画像形成装置に使用したときに継ぎ
目が画像に影響を与えることがないのでより好ましい。
【0051】画像形成装置用エンドレスベルトは例え
ば、中間転写ベルト、搬送転写ベルト、感光体ベルト、
トナージェット用ベルトなどを例示することが出来る。
画像形成装置用エンドレスベルトに要求される物性とし
ては、抵抗値、膜厚などが挙げられる。 ・抵抗値 本発明のエンドレスベルトは画像形成装置に用いること
を想定しているので、ある程度の導電性を有する必要が
ある。
【0052】カーボンブラックの適量の配合により導電
性が発現し、導電性は体積固有抵抗率の測定で定量的に
評価することが出来る。好適な測定器として以下の機器
を例示することが出来る。 抵抗計;超高抵抗計R8340A(商品名)(アドバン
テスト(株)社製) 電極 ;超高抵抗測定用試料箱TR42(商品名)(ア
ドバンテスト(株)社製) 画像形成装置用としては、体積固有抵抗率が1〜1015
Ω・cmの範囲であることが好ましいが、画像形成装置
内での用途により好適な抵抗力はさらに細分される。
【0053】感光体基体用エンドレスベルト、定着用エ
ンドレスベルト等に使用する場合には、体積固有抵抗率
は、1〜106Ω・cmが特に好ましい。中間転写用エ
ンドレスベルト、現像用エンドレスチューブ、帯電用エ
ンドレスチューブに使用する場合には、体積固有抵抗率
は107〜1013Ω・cmが特に好ましい。
【0054】搬送転写用エンドレスベルト等に使用する
場合には体積固有抵抗率は、108〜1015Ω・cmが
特に好ましい。また、エンドレスベルトが多層構造にな
っている場合には、いずれかの層或いは複数の層のトー
タルとしてこれらの抵抗領域に相当することが望まし
い。それぞれ、好ましい抵抗領域でエンドレスベルト1
本中の抵抗値の分布は小さい方が好ましく、1本のベル
ト中の体積固有抵抗率の最大値/最小値が1〜100が
好ましく、1〜10であればさらに好ましい。 ・膜厚 シームレスベルトの厚みは、50μm以上1000μm
以下が好ましく、100μm以上700μm以下が更に
好ましい。
【0055】50μm未満になるとシームレスベルトが
伸び易くなるため、画像の色むら等の問題が生じる恐れ
がある。また、耐電圧が不足し、転写に必要な電荷を付
与するのに十分な電圧を印加することができなくなる。
また、1000μmを超えると柔軟な変形が困難になる
ため、小径ロールによる均一な速度の駆動ができず、画
像の転写ズレが生じる。
【0056】更に、静電容量が小さくなるため、高電圧
を印加しないと転写に必要な電荷を付与することができ
ず、電源装置の高コスト化、大型化のみならず、周辺機
器部品間での放電等の問題が生ずる。また、画像形成装
置用エンドレスベルトとして用いるには、厚み分布の均
一性も重要で、例えば中間転写ベルトとして使用する
と、厚み分布が不均一であると駆動ローラによる速度が
一定に保てないので4色のトナーを重ねた場合、重なり
にズレが生じるので好ましくない。
【0057】具体的にはエンドレスベルト1本中の厚み
の最大値/最小値で、1.0〜1.4程度が好ましく、
1.0〜1.3程度であればより好ましく、1.0〜
1.2程度に出来れば画像形成装置用エンドレスベルト
として特に好ましい。 ○エンドレスベルトの製造方法 一般に押出し成形法が採用されている。
【0058】押出成形法としては、各成分を、一軸押出
機、二軸混練押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブ
ラベンダー、プラストグラフ、ニーダー等の通常の混練
機を用いて混練して一度ペレット状にした後、押出成形
加工に供するのが一般的であるが、特殊な場合は各成分
を直接成形機に供給し、成形機で本組成物を混練しなが
ら成形することもできる。
【0059】また、各成分を混練するにおいて、全成分
を一度に混練しても良く、一部の成分を先に混練してマ
スターバッチとしてもよい。マスターバッチを製造する
時には分散性を均一にさせることが目的であることが多
いので、凝集体を分散させるように混練条件を強化して
混練することが好ましい。
【0060】上記のペレットを用いてTダイ成形機など
で押出成形にてフィルム状に成形し、必要な形状に切り
開いた後、筒状に継ぎ合わせてエンドレスベルトを得る
事が出来る。シームレスベルトとして成形する場合に
は、上記ペレットを環状ダイなどを用いて筒状のシーム
レスチューブを成形し、次いでこのシームレスチューブ
を輪切り状に切断することによりシームレスベルトが製
造される。
【0061】押出成形にてシームレスチューブを作製す
る場合、内部応力を均一化する方法として、内部冷却マ
ンドレル法やアウトサイジング法が提案されているが、
いずれの場合でも、溶融押出しされてから冷却固化され
るまでの間に、ある特定の方向にテンションが加えられ
引き取られながら成形される。なお、ベルトの直径が3
0mm以上の場合には、連続溶融押出成形法の中でも、
押し出したチューブの内径を高精度で制御可能な重力に
影響を受けない下方押出方式の内部冷却マンドレル方式
が好適であり、直径30mm未満の場合には、内部冷却
マンドレル方式に加えて、バキュームサイジング方式が
好適である。
【0062】混練温度および成形温度は樹脂温度がPA
rの一般的な加工温度である300〜360℃となるよ
うに調整すればよいが、本発明では揮発分が1%以上と
官能基の多いカーボンブラックを選択しているので、高
温で加工すると官能基が脱落した揮発ガスが成形品に発
泡傷を発生させることがあるので、平滑な表面外観を得
たい場合には加工温度は低い方が好ましい。具体的には
330℃以下が好ましく、320℃以下であればさらに
好ましい。ただし、低い温度で加工すると溶融粘度が高
くなり、高圧での加工技術を必要とするので、成形機を
高圧仕様にするなどの工夫が必要である。また、フェノ
ール系の酸化防止剤を配合すると、官能基から発生する
ラジカルの増殖を効果的に抑制できるので好適である。
【0063】押し出されたシームレスベルトは必要な導
電性、厚みの均一性、機械的強度を有していなければな
らないため、無延伸状態(実質的に延伸を加えない状
態)で引き取られることが望ましい。これは、延伸操作
により、機械的強度の向上は期待できるが、導電性の均
一性が損なわれること、延伸方向に裂け易くなるため耐
久性も損なわれてしまう等の問題が生じるからである。
【0064】成形されたシームレスチューブを輪切り状
に切断してシームレスベルトを製造するには、所要幅の
シームレスチューブを1対の平行なロール間に張り渡
し、ロールを回転させながらシームレスチューブにカッ
ターの刃を当てシームレスチューブを正確にその周方向
に沿って切断する方法を採用するのが簡便であるが、他
の方法によっても良い。
【0065】
【実施例】本発明について実施例および比較例を示して
より具体的に説明するが、これらに、何ら制限されるも
のではない。 実施例1 表1に示す割合で各成分を配合し、ベント式二軸混練押
出機PMT32(商品名)(IKG(株)社製)にてペ
レット化した。回転数は200rpmとした。
【0066】混練温度はせん断発熱により最も温度の高
くなるニーディング部分で300〜320℃におさまる
ように調整した。得たペレットを、130℃で8時間乾
燥した後、環状スリットの内径180mm、リップ幅1
mmの環状ダイ付き40mmφの押出機により、環状ダ
イ下方に溶融チューブ状態で押し出した。
【0067】成形機中での温度はダイス部分では全ての
実施例、比較例で樹脂温が300〜315範囲内になる
ように調整し、シリンダー部の温度は表1に記載した。
押し出した溶融チューブを環状ダイと同一軸線上に支持
棒を介して装着した外径170mmの冷却マンドレルの
外表面に接しめて冷却固化させつつシームレス形のエン
ドレスベルトを成形した。
【0068】次にシームレスベルトの中に設置されてい
る中子と外側に設置されているロールにより、シームレ
スベルトを円筒形を保持した状態で引き取りつつ、34
0mmの長さで輪切りにした。目標の厚みとできるよ
う、滞留時間と押出量と引取速度を調整して、直径約1
69mmのシームレスベルト形のエンドレスベルトを得
た。
【0069】フィルム厚は130μm設定とし、出来る
限り分布が均一になるように調整しながら成形した。得
られたシームレスベルトを用いて各種試験によって性能
を評価し、その結果を表1に示した。なお、用いた成形
材料および性能評価方法を次に示す。 (A)ポリアリレート(PAr) Uポリマー U100(商品名;ユニチカ(株)社製) (ビスフェノールAと芳香族ジカルボン酸からなるポリ
アリレート樹脂。
【0070】説明中の構造式(2)の樹脂に該当す
る。) (B)カーボンブラック ・カーボンブラック LFF MA8 (商品名)(三菱化学(株)製)
揮発分 3.0%(比表面積 120m2/g、 粒
径24nm、 DBP吸油量57cm3/100g) SFC #4010 (商品名;三菱化学(株)製)
揮発分 0.3%(比表面積 25m2/g、 粒径
75nm、 DBP吸油量76cm3/100g) (その他) ・フェノール系酸化防止剤 イルガノックス(IRGANOX)1010(商品名)
(日本チバガイギー(株)製) 〔性能評価方法] ○厚み 東京精密(株)製のマイクロメータを用いてエンドレス
ベルトの円周方向20mmピッチで測定した。 ○体積固有抵抗率 抵抗計 ;超高抵抗計R8340A(商品名;アドバン
テスト(株)社製) 電極 ;超高抵抗測定用試料箱TR42(商品名;ア
ドバンテスト(株)社製) 印加電圧100V、電圧印加後10秒後の値を代表値と
した。
【0071】但し、測定器の測定可能領域の都合上、1
00Vで測定できないサンプル(実質的に3×107Ω・c
m以下に相当)は、印加電圧10Vとして測定した。測定
個所はエンドレスベルトの円周方向20mmピッチで測定
した。カーボンブラックの揮発分が高いので樹脂への分
散性が良く、成形したエンドレスベルトの厚み分布も、
最大値135μm、最小値125μm、Δ10μm、最
大値/最小値≒1.08と良好であった。
【0072】カーボンブラックの揮発分が高いため、成
形中に揮発ガスが発泡し、エンドレスベルト表面には傷
による外観不良が少しながら発生した。体積固有抵抗率
1012Ω・cm代なので搬送転写ベルトとして好適に用
いることが出来る。本エンドレスベルトを画像形成装置
に搭載して画像を出したところ、良好な画像を得た。
【0073】搬送転写ベルトとして使用したので外観不
良が画像に悪影響を及ぼさなかったと考えられる。 実施例2 表1に示す配合割合とした他は実施例1と同様にしてエ
ンドレスベルトを得た。フェノール系酸化防止剤を配合
したので、酸化防止剤が効果を発揮して発泡が減少し、
エンドレスベルトの外観不良も微かになった。
【0074】外観以外の物性は表の通り、実施例1とほ
ぼ同様になった。本エンドレスベルトを画像形成装置に
搭載して画像を出したところ、良好な画像を得た。 実施例3 エンドレスベルトの成形温度を315℃と低くした以外
は実施例1と同等にエンドレスベルトを製造した。
【0075】成形温度を下げたので発泡が減少し、エン
ドレスベルトに目視で確認できる外観不良は無くなっ
た。外観以外の物性は表の通り、実施例1とほぼ同様に
なった。本エンドレスベルトを画像形成装置に搭載して
画像を出したところ、やはり良好な画像を得た。
【0076】実施例4 実施例2と同様にフェノール系酸化防止剤を配合し、実
施例3と同様に低い温度でエンドレスベルトを成形し
た。外観不良もなく、良好なエンドレスベルトを得た。
本エンドレスベルトを画像形成装置に搭載して画像を出
したところ、やはり良好な画像を得た。
【0077】実施例5 カーボン濃度を高くした以外は実施例3と同様にしてエ
ンドレスベルトを製造した。実施例3同様良好な外観を
得た。カーボン濃度を高くした分、体積固有抵抗率は1
9Ω・cm程度と低くなった。中間転写ベルトとして
好適に用いることが出来る。
【0078】厚み分布も、最大値139μm、最小値1
24μm、Δ15μm、最大値/最小値≒1.12と、
良好であった。本エンドレスベルトを画像形成装置に搭
載して画像を出したところ、やはり良好な画像を得た。 実施例6 カーボン濃度をさらに高くした以外は実施例5と同様に
してエンドレスベルトを製造した。
【0079】実施例3や実施例5同様良好な外観のエン
ドレスベルトが得られた。カーボン濃度を高くした分、
体積固有抵抗率は106Ω・cm程度とさらに低くなっ
た。感光体ベルトとして好適に用いることが出来る。厚
み分布も、最大値144μm、最小値115μm、Δ2
5μm、最大値/最小値≒1.25と、良好であった。
【0080】本エンドレスベルトを画像形成装置に搭載
して画像を出したところ、やはり良好な画像を得た。 比較例1 表1に示す配合割合、すなわちポリアリレートと揮発分
0.3%のカーボンブラック(#4010)からなる組
成とした他は実施例1と同様にしてエンドレスベルトを
製造した。
【0081】使用するカーボンブラックの揮発分が低い
ので樹脂への分散性が悪く、成形中カーボンブラック同
士の再凝集が起こり、分散ムラ、粘度ムラが生じた、結
果として成形加工性も悪くなり、厚み分布も、最大値1
52μm、最小値108μm、Δ44μm、最大値/最
小値≒1.41と分布が悪かった。 比較例2 表1に示すようにフェノール系の酸化防止剤を配合し、
低い温度で成形した以外は比較例1と同様にしてエンド
レスベルトを得た。
【0082】比較例1とほぼ同様の物性値を得た。
【0083】
【表1】
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、ベース樹脂にポリアリ
レートを選択することにより、耐クリープ性や靱性や難
燃性や低コスト性に優れ、また、特定のカーボンブラッ
クと組み合わせることによりポリアリレートの成形加工
温度で成形しても厚み分布が良好な、画像形成装置用エ
ンドレスベルトを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 中間転写装置の側面説明図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 帯電器 3 露光光学系 4 現像器 5 クリーナー 6 エンドレスベルト 7 搬送ローラ 8 搬送ローラ 9 搬送ローラ 10 静電転写機 11 記録紙 12 押圧ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 21/00 350 G03G 21/00 350 (72)発明者 大津 紀宏 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 Fターム(参考) 2H003 BB11 CC04 2H032 BA09 BA18 DA13 2H035 CA05 CB06 2H077 AD07 FA12 FA16 FA22 FA27 4J002 CF161 DA036 FD116 GM01 GS00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分A、成分Bを少なくとも含有
    することを特徴とする画像形成装置用エンドレスベル
    ト。 成分A:ポリアリレート 成分B:揮発分1%以上のカーボンブラック
  2. 【請求項2】 成分Aのポリアリレートがビスフェノー
    ルAと芳香族ジカルボン酸からなるポリアリレートであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置用エ
    ンドレスベルト。
  3. 【請求項3】成分の重量比が、成分B/成分A=3/9
    7〜30/70であることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の画像形成装置用エンドレスベルト。
  4. 【請求項4】体積固有抵抗率が1〜1015Ω・cmの範
    囲で、かつ、1本のベルト中の体積固有抵抗率の最大値
    /最小値が1〜100であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の画像形成装置用エンドレスベル
    ト。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の画像形
    成装置用エンドレスベルトを具備してなることを特徴と
    する画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019119841A (ja) * 2018-01-11 2019-07-22 ユニチカ株式会社 積層体
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