JP2002214323A - 基準周波数発生装置 - Google Patents

基準周波数発生装置

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JP2002214323A
JP2002214323A JP2001014404A JP2001014404A JP2002214323A JP 2002214323 A JP2002214323 A JP 2002214323A JP 2001014404 A JP2001014404 A JP 2001014404A JP 2001014404 A JP2001014404 A JP 2001014404A JP 2002214323 A JP2002214323 A JP 2002214323A
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JP2001014404A
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Michiya Hayashi
倫也 林
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Maspro Denkoh Corp
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Maspro Denkoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 GPS受信機が出力する基準信号に対する出
力信号の追従性と、周波数がロックした時の周波数安定
度とがいずれも良好な基準周波数発生装置を提供する。 【解決手段】 基準信号に対する出力信号の周波数誤差
を表す誤差データの絶対値が安定度判定しきい値より小
さく(|E(n)|<TH2)、且つ周囲温度の変化率が
上限値より小さい(ΔT<Tth)場合には(S380-Y,S39
0-Y)、誤差データの急激な変化が制御データに与える影
響を抑圧し制御の安定性が向上するようにローパスフィ
ルタの特性を狭帯域に設定する(S400)。一方、誤差デー
タの絶対値が安定度判定しきい値以上、又は周囲温度の
変化率が上限値以上である場合(S380-N,S390-N)には、
誤差データEの変化が十分に制御データに反映され制御
の追従性が向上するようにローパスフィルタの特性を広
帯域に設定する(S410)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、GPS衛星からの
受信信号に基づいて生成される協定世界時(UTC)に
同期した基準信号を利用する基準周波数発生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、PHSや携帯電話等の基地局
において基地局間の同期をとったり、測定器の校正を行
う時の基準となる信号を生成するために、GPS(Glob
al Positioning System )受信機を利用する方法が知ら
れている。
【0003】即ち、GPS受信機は、一般に、現在位置
や移動速度の他に、協定世界時(UTC)に高精度で同
期した10kHzの信号や1秒周期の1pps(Pulse
PerSecond)と呼ばれるパルス信号を出力するように構
成されているため、これを基準信号とし、電圧制御発振
器(VCO)にて生成される出力信号が基準信号に同期
(位相や周波数が一致)するように制御するものであ
る。
【0004】このように、VCOの出力信号と基準信号
とで周波数や位相が一致するように帰還制御ループを用
いてVCOを制御する回路は、PLL(Phase Locked L
oop)回路と呼ばれ、特に、マイクロコンピュータによ
り制御するものは、デジタルPLLと呼ばれている。
【0005】一般に、PLLでは、出力信号の周波数
(即ちVCOの発振状態)を制御するための制御信号
は、ループフィルタを介してVCOに供給される。この
ループフィルタは、位相差や周波数差の検出値に含まれ
る高周波成分や雑音成分を取り除いたり、出力信号の位
相や周波数が基準信号に一致した状態、いわゆるロック
状態を保持するためのものであり、ローパスフィルタ
(LPF)が使用されている。そして、VCOの出力信
号の周波数や位相を基準信号に高精度で一致させるに
は、ループフィルタの特性を狭帯域にする必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ループフィル
タの特性を狭帯域にすると、ロック状態にある時の出力
信号の周波数の安定性が向上する一方で、基準信号に対
する出力信号の追従性が低下することが知られている。
このため、例えば、環境(周囲温度)の変化がありVC
Oの発振周波数が変化した場合や、回路の動作状態が不
安定となる装置の起動直後、又はGPS衛星からの信号
を受信できずGPS受信機から基準信号を得ることがで
きない状態から復帰した直後など、出力信号と基準信号
とで位相や周波数に大きなずれが生じている場合には、
その後、必要な精度に達するまでに長い時間がかかって
しまうという問題があった。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するために、
GPS受信機が出力する基準信号に対する出力信号の追
従性と、周波数がロックした時の周波数安定度とがいず
れも良好な基準周波数発生装置を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の発明である請求項1記載の基準周波数発生装置では、
GPS受信手段が、GPS衛星からの受信信号に基づい
て協定世界時に同期した基準信号を出力し、誤差検出手
段が、発振周波数を制御可能な発振手段が生成する出力
信号の前記基準信号に対する周波数誤差を繰り返し検出
する。
【0009】すると、制御手段が、誤差検出手段での検
出結果に基づき、周波数誤差が減少するように発振手段
の発振周波数を制御するための制御データを生成すると
共に、特性可変手段が、同じく誤差検出手段での検出結
果に基づき、周波数誤差が小さいほど、制御手段が実現
するフィルタの特性をより狭帯域な設定に変化させる。
【0010】このように、本発明の基準周波数発生装置
によれば、周波数誤差の小さい時には、フィルタの特性
が狭帯域な設定となり外乱の影響を除去する能力に優れ
たものとなるため、出力信号の周波数安定性を向上させ
ることができ、一方、周波数誤差の大きい時には、フィ
ルタの特性が広帯域な設定となり基準信号に対する出力
信号の追従性に優れたものとなるため、何等かの原因で
基準信号に対する出力信号の周波数誤差が拡大したとし
ても、その後、速やかに出力信号の位相や周波数を基準
信号と一致させることができる。
【0011】ところで、基準信号に対する出力信号の周
波数誤差が拡大する原因としては、環境(周囲温度)の
変化による装置自身の制御特性の変化や、GPS衛星か
らの信号を受信できず基準信号が得られない状態が長期
間継続すること等が考えられる。
【0012】そこで、特性可変手段は、請求項2記載の
ように、発振手段の周囲温度を測定する温度検出手段で
の検出結果に基づいて周囲温度の変化率を求め、この変
化率が予め設定された上限値より大きい時に、フィルタ
の特性を広帯域な設定に変化させたり、請求項3記載の
ように、GPS受信手段がGPS衛星からの信号を受信
できない未受信状態、或いは不安定な受信状態になった
後、安定した受信状態に復帰した時に、フィルタの特性
を広帯域な設定に変化させるように構成することが望ま
しい。
【0013】また、これらの場合に限らず、装置への電
源投入直後において、基準信号と出力信号とで位相や周
波数は当然一致していないため、特性可変手段は、請求
項4記載のように、装置への電源投入時にはフィルタの
特性を広帯域な設定とすることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面と
共に説明する。図1は、周波数が10MHzの信号を生
成する実施形態の基準周波数発生装置の全体構成を表す
ブロック図である。
【0015】図1に示すように、本実施形態の基準周波
数発生装置10は、GPS衛星から送出された信号を受
信するGPSアンテナ11と、GPSアンテナ11から
の受信信号に基づいて、協定世界時(UTC)に同期し
た基準信号を含む各種信号を生成して出力するGPS受
信機12と、10MHz近傍で発振し発振周波数を制御
可能な電圧制御発振器(VCO)13と、GPS受信機
12が出力する基準信号を分周する分周器14a、及び
VCO13にて生成される出力信号を分周する分周器1
4bからなる分周部14と、分周器14aにより生成さ
れた分周基準信号の周期をカウンタクロックにてカウン
トするカウンタ15a、分周器14bにより生成された
分周出力信号の周期をカウンタクロックにてカウントす
るカウンタ15b、及びカウンタ15a,15bにカウ
ントクロック(本実施形態では約10MHz)を供給す
る発振器15cからなるカウント部15と、VCO16
の周囲温度を検出する温度センサ16と、GPS受信機
12からの信号、カウント部15を構成する各カウンタ
15a,15bでのカウント値、及び温度センサ16で
の検出温度等に基づいて、VCO13を制御するための
制御データを生成する演算処理部17と、演算処理部1
7にて生成された制御データを、VCO13を制御する
ための電圧信号に変換するD/Aコンバータ18とを備
えている。
【0016】このうち、GPS受信機12から分周器1
4aに供給される基準信号は、1秒周期を有する1pp
s(puls per second )、或いは10kHz信号(いず
れも周知)からなり、また、演算処理部17に対して出
力する信号は、受信信号の受信状態を表す状態信号,及
び受信信号を復調してなるシリアルデータを少なくとも
含んでいる。
【0017】VCO13は、恒温槽付水晶発振器(OC
XO)を中心に構成され、周囲温度の変化によって、制
御電圧に対する発振周波数の特性が大きく変化しないよ
うにされている。分周部14を構成する各分周器14
a,14bは、分周基準信号及び分周出力信号の周期が
所望の長さ(本実施形態では10秒)となるように分周
比が設定されている。具体的には、分周器14aでは、
基準信号として1ppsを用いる場合には10分周、1
0kHzの信号を用いる場合には105 分周するように
分周比が設定され、また、分周器14bでは、10MH
zの出力信号を108 分周するように分周比が設定され
ている。
【0018】カウント部15を構成する各カウンタ15
a,15bは、それぞれ対応する信号(分周基準信号,
分周出力信号)の1周期が終了する毎、即ち立上がりエ
ッジ(立下がりエッジでも可)が入力される毎に、カウ
ント値をレジスタ(図示せず)に保存して演算処理部1
7に対して割込信号を出力すると共に、カウント値をリ
セットし、直ちに次の周期のカウントを開始するように
構成されている。また、発振器15cは、VCO13と
は異なり、高精度を必要とせず安価なものが用いられて
いる。
【0019】D/Aコンバータ18は、20ビットのデ
ジタル信号を、0〜5Vの電圧信号に変換するように構
成されたものであり、1Vを209715段階で表す分
解能を有している。なお、VCO13は、制御電圧を
4.0V〜4.5Vの間で変化させると、発振周波数
が、9999994.54Hz〜10000003.5
2Hzの間で変化するものが用いられており、制御電圧
に対して17.96Hz/Vの感度を有している。つま
り、VCO13の発振周波数を、8.6×10-5(=1
7.96/209715)Hz単位で制御できるように
構成されている。
【0020】次に、演算処理部17は、CPU,RO
M,RAMからなる周知のマイクロコンピュータを中心
に構成されており、GPS受信機12の受信状態を監視
する監視処理の他、カウント部15でのカウント値に基
づいて、VCO13を制御するための制御データを生成
する制御データ生成処理等を実行する。
【0021】このように構成された本実施形態の基準周
波数発生装置10では、GPSアンテナ11を介して受
信したGPS衛星からの受信信号に基づいて、GPS受
信機12から出力される基準信号を、分周器14aが分
周して分周基準信号を生成し、その1周期分の長さを、
発振器15cが生成するカウンタクロックを用いてカウ
ンタ15aが繰り返しカウントする。
【0022】これと共に、演算処理部17から供給され
る制御データをD/Aコンバータ18にて変換してなる
電圧信号により、発振周波数の制御が行われるVCO1
3からの出力信号を、分周器14bが分周して分周出力
信号を生成し、その1周期分の長さを、発振器15cが
生成するカウンタクロックを用いてカウンタ15bが繰
り返しカウントする。
【0023】そして、演算処理部17は、GPS受信機
12から正常な基準信号を得ることができる場合には、
分周基準信号及び分周出力信号の周期を表すカウント値
の比Rから、基準信号に対する出力信号の周波数誤差を
表す誤差データEを求め、この誤差データEに基づい
て、VCO13の発振周波数を制御するための制御デー
タを生成し、一方、GPS受信機12から正常な基準信
号を得ることができない場合には、基準信号が再度得ら
れるようになるまでの間、制御データの値を、正常な基
準信号に基づく最後の制御にて算出された値に固定す
る。
【0024】ここで、演算処理部17が実行する制御デ
ータ生成処理を、図2に示すフローチャートに沿って説
明する。本処理が起動すると、まずカウント部15から
割込信号が入力されるまで待機し(S110)、割込信
号の入力があると、その送出元のカウンタ15a又は1
5bのカウント値が格納されたレジスタからカウントデ
ータを読み込むと共に、温度センサ16からVCO13
の周囲温度の検出値である温度データを読み込む(S1
20)。
【0025】両カウンタ15a,15bのカウントデー
タTgps,Tvcoが取得されているか否かを判断し(S1
30)、いずれか一方のカウントデータしか取得してい
ない場合には、S110に戻る。一方、両方のカウント
データが取得されていれば、両カウントデータの比R
(=Tgps/Tvco)を算出し、これを周波数に換算する
ことにより、出力信号の推定周波数、即ちVCO13の
発振周波数を求める(S140)。つまり、出力信号の
周波数は、R=1であれば10MHzであり、R>0で
あれば10MHzより小、R<0であれば10MHzよ
り大となる。
【0026】続けて、基準信号の周波数に対する推定周
波数の周波数誤差を表す誤差データEを算出すると共
に、S120にて取得した温度データから、前回の測定
値からの変化率ΔTを算出する(S150)。なお、S
120にて取得する温度データは、カウンタ15aのカ
ウント値の読込時に取得したものと、カウンタ15bの
カウント値の読込時に取得したものがあるが、両温度デ
ータの取得タイミングは、通常ほぼ同時であり、最悪で
も分周基準信号及び分周出力信号の半周期(本実施形態
では5秒)しか違わない。このため、両温度データは通
常は同じ値となり、従って、いずれのデータを用いても
よいが、これらの平均値を用いてもよい。以下、温度デ
ータを使用する場合は、同様である。
【0027】そして、当該装置の動作モードの判定(S
160)を行い、その結果、動作モードがホールドオー
バモード(後述する)であるか否かを判断し(S17
0)、ホールドオーバモードでなければ、引込み/精密
制御処理を実行することにより、誤差データEに基づい
た制御データを出力する(S180)。一方、ホールド
オーバモードであれば、現在出力されているものと同じ
値の制御データを出力するホールドオーバ制御処理を実
行して(S190)、S110に戻る。
【0028】ここでS160にて実行される動作モード
判定処理の詳細を、図3に示すフローチャートに沿って
説明する。本処理が起動すると、まず、当該装置10へ
の電源投入後1時間以内であるか否かを判断し(S21
0)、1時間を越えていれば、今度は、D/Aコンバー
タ18に現在供給している制御データが、予め設定され
た上限値以上(本実施形態では891288)であるか
否かを判断し(S220)、上限値以上であれば、更に
この上限値以上の設定が、予め設定された制限回数N1
(本実施形態では10回)以上続けて検出された否かを
判断する(S230)。
【0029】そして、現在設定されている制御データが
上限値以上であり、且つその状態が制限回数N1以上続
けて検出された場合(S230−YES)、或いは電源
投入後1時間以内である場合(S210−YES)に
は、当該装置10は不安定な動作状態にあるものとし
て、動作モードを引込み制御モードに設定して(S30
0)本処理を終了する。
【0030】一方、現在設定されている制御データが上
限値より小さい(S220−NO)か、或いは上限値よ
り大きくても、その状態の検出回数が未だ制限回数N1
に達していない(S230−NO)場合には、当該装置
10は安定した動作状態にあるものとして、今度は、G
PS受信機12からの状態信号(1秒毎に得られる)に
基づき、衛星信号を受信しているか否かを判断し(S2
40)、受信していなければ、その受信していない状態
が、予め設定された制限回数N2(本実施形態では10
回,即ち10秒)以上続けて検出されたか否かを判断す
る(S250)。
【0031】そして、衛星信号を受信しているか(S2
40−YES)、或いは受信していなくても、その状態
の検出回数が未だ制限回数N2に達していない場合(S
250−NO)には、更にGPS受信機12が出力する
1pps信号が有効であるか否かを判断し(S26
0)、有効でなければその状態が、予め設定された制限
回数N3(本実施形態では10回,即ち10秒)以上続
けて検出されたか否かを判断する(S270)。
【0032】その結果、1pps信号が有効であるか
(S260−YES)、或いは無効であっても、その状
態の検出回数が未だ制限回数N3に達していない場合
(S270−NO)には、検出された誤差データEに基
づいて高精度な周波数制御を行うことが可能であるもの
として、動作モードを精密制御モードに設定して(S2
80)本処理を終了する。なお、1pps信号が有効で
あるか否かの判定は、例えば、GPS受信機12が出力
するシリアルデータの内容を解読し、データに含まれる
情報から判断できる。
【0033】一方、衛星信号を受信できない状態が、制
限回数N2以上続けて検出された場合(S250−YE
S)、又は1pps信号が無効である状態が、制限回数
N3以上続けて検出された場合(S270−YES)に
は、検出された誤差データEの信頼性が低く、これに基
づいて、高精度な周波数制御を行うことができないもの
として、動作モードをホールドオーバモードに設定して
(S290)本処理を終了する。
【0034】次に、動作モードがホールドオーバモード
ではない場合に実行される引込み/精密制御処理(S1
80)の詳細を、図4に示すフローチャートに沿って説
明する。本処理が起動されると、まず動作モードが引込
み制御モードであるか否かを判断し(S310)、引込
み制御モードであれば、ノイズ判定しきい値THとし
て、予め用意された一定値C(本実施形態では116
2)を設定する(S320)。なお、一定値Cは、引込
み制御モードに入った理由(S210−YES/S23
0−YES)に応じて異なる値を用いてもよい。
【0035】一方、動作モードが引込み制御モードでは
ない場合、即ち精密制御モードである場合には、今回の
処理で先のS150にて検出された誤差データをE
(n)とし、過去に検出された新しい方からm個の誤差
データE(n−1)〜E(n−m−1)に基づき、その
絶対値の平均値AVを算出する(S330)。
【0036】そして、算出された平均値AVが非零であ
るか否かを判断し(S340)、非零であれば、算出さ
れた平均値AVに、係数K(≧1)を乗じたものを、ノ
イズ判定しきい値THとして設定する(S350)。ま
た、算出された平均値AVが零である場合には、過去に
S350にてノイズ判定しきい値が設定されたことがあ
れば、S350にて最後に設定されたノイズ判定しきい
値を、また、過去にS350にてノイズ判定しきい値が
設定されたことがなければ、予め用意された初期値を、
ノイズ判定しきい値TH1として設定する(S36
0)。
【0037】このようにしてノイズ判定しきい値TH1
が設定(S320又はS350又はS360)される
と、次に、誤差データE(n)の絶対値が、設定された
ノイズ判定しきい値TH1より小さいか否かを判断し
(S370)、ノイズ判定しきい値TH1以上であれ
ば、この誤差データE(n)が、制御データの算出や、
次回以降のノイズ判定しきい値TH1の算出にて使用さ
れることのないように排除して本処理を終了する。
【0038】一方、誤差データE(n)の絶対値がノイ
ズ判定しきい値TH1より小さければ、今度は誤差デー
タE(n)の絶対値が予め設定された安定度判定しきい
値TH2(<TH1)より小さいか否かを判断する(S
380)。安定度判定しきい値TH2より小さければ、
先のS150にて算出された温度データの変化率ΔTが
予め設定された上限値Tthより小さいか否かを判断し
(S390)、上限値Tthより小さければ、VCO13
の発振周波数の制御状態は、十分に安定しているものと
して、後のS420,430にて使用するパラメータ
p,Kを狭帯域設定となるp1(本実施形態ではp1=
256),K1(本実施形態ではK1=0.01)にそ
れぞれ設定する(S400)。
【0039】一方、誤差データE(n)の絶対値が安定
度判定しきい値TH2以上であるか(S380−NO)
或いは温度データの変化率ΔTが上限値Tth以上である
(S390−NO)場合には、VCO13の発振周波数
の制御状態は、不安定であるか又は不安定になりつつあ
るものとして、パラメータp,Kを広帯域設定となるp
2(<p1,本実施形態ではp2=4),K2(K1<
K2<1,本実施形態ではK2=0.5)にそれぞれ設
定する(S410)。
【0040】次に、これらS400,S410にて設定
されたパラメータp,Kを使用し、今回検出された誤差
データを含む過去p個の誤差データE(n)〜E(n−
p)に基づき、その平均値Eavを算出し(S420)、
更にこの平均値Eavに、係数Kを乗じることにより制御
データDを生成し(S430)、この制御データDをD
/Aコンバータ18に出力して(S440)本処理を終
了する。
【0041】つまり、S420及びS430では、p個
の誤差データの移動平均を算出して、係数Kを乗じるこ
とにより、ローパスフィルタとしての機能を実現するよ
うにされている。しかも、パラメータp,Kを変化させ
ることで、フィルタの特性(通過帯域幅,ゲイン)を変
化させており、具体的には、図5に示すように、狭帯域
設定では、通過帯域幅が狭く且つゲインが小さくなり
(図中点線を参照)、また、広帯域設定では、通過帯域
が広く且つゲインが大きくなる(図中実線を参照)よう
にされている。
【0042】なお、本実施形態において、GPS受信機
12が受信手段、VCO13が発振手段、温度センサ1
6が温度検出手段、分周部14,カウント部15,S1
40,S150が誤差検出手段、S420,S430が
制御手段、S380〜S410が特性可変手段に相当す
る。
【0043】以上説明したように、本実施形態の基準周
波数発生装置10では、周波数誤差を表す誤差データE
から制御データDを生成する際に演算処理部17が実現
するローパスフィルタの特性を、誤差データEの絶対値
が小さい時には狭帯域な設定にして、外乱の影響を除去
する能力に優れたものとなるようにしているので、出力
信号の周波数安定性を向上させることができる。
【0044】また、GPS受信機12から正常な基準信
号が得られないホールドオーバモード時からの復帰時
や、装置の制御特性に影響を与える周囲温度が急激に変
化した時に、演算処理部17が実現するローパスフィル
タの特性を広帯域な設定にして、基準信号に対する出力
信号の追従性に優れたものとなるようにしているので、
これら理由により、基準信号に対する出力信号の周波数
誤差(誤差データEの絶対値)が拡大したとしても、そ
の後、出力信号の位相や周波数を基準信号に一致した状
態に速やかに戻すことができる。
【0045】つまり、本実施形態の基準周波数発生装置
10によれば、出力信号の基準信号に対する追従性と、
周波数がロックした時の周波数安定度とをいずれも高い
レベルで実現することができる。なお、上記実施形態で
は、狭帯域設定と広帯域設定とで、ローパスフィルタの
特性を2段階に変化させているが、3段階以上変化させ
るように構成してもよい。
【0046】また、上記実施形態では、誤差データの平
均値Eavに係数Kを乗じることで制御データDを求めて
いる(S430)が、単に係数Kを乗じるだけでなく、
例えば、図6に示すような、増幅器20,21,加算器
22,23,遅延器24からなる周知のデジタルフィル
タを通過させるように構成してもよい。上記実施形態
は、このデジタルフィルタを、増幅器20での係数A0
←K,増幅器21での係数A1←0として使用した場合
に相当する。また、S430の処理は、図6に示したデ
ジタルフィルタに限らず、ローパスフィルタの特性が得
られるものであれば、FIR,IIRフィルタ等、どの
ような形式のものを用いてもよい。更に、このようなデ
ジタルフィルタを用いる場合には、S420における誤
差データの平均値Eavを算出する処理を省略してもよ
い。
【0047】更に、上記実施形態では、発振器15cが
生成するカウンタクロックを用いて、分周基準信号及び
分周出力信号の周期をそれぞれカウントし、そのカウン
ト値の比に基づいて誤差データEを算出するようにされ
ているが、分周基準信号の周期を、出力信号をカウンタ
クロックとして用いてカウントし、そのカウント値に基
づいて誤差データEを算出するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の基準周波数発生装置の構成を表す
ブロック図である。
【図2】 演算処理部が実行する制御データ生成処理の
内容を表すフローチャートである。
【図3】 動作モード判定処理の詳細な内容を表すフロ
ーチャートである。
【図4】 引込み/精密制御処理の詳細な内容を表すフ
ローチャートである。
【図5】 パラメータp,Kに従って、ローパスフィル
タの特性が変化する様子を表す説明図である。
【図6】 誤差データから制御データを生成する際に用
いるフィルタの構成例を表すブロック図である。
【符号の説明】
10…基準周波数発生装置 11…GPSアンテナ
12…GPS受信機 13…電圧制御発振器(VCO) 14…分周部 1
4a,14b…分周器 15…カウント部 15a,15b…カウンタ 1
5c…発振器 16…温度センサ 17…演算処理部 18…D/Aコンバータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GPS衛星からの受信信号に基づいて協
    定世界時に同期した基準信号を出力するGPS受信手段
    と、 発振周波数を制御可能な発振手段と、 該発振手段が生成する出力信号の前記基準信号に対する
    周波数誤差を繰り返し検出する誤差検出手段と、 前記誤差検出手段での検出結果に基づき、前記周波数誤
    差が減少するように前記発振手段の発振周波数を制御す
    るための制御データを生成し、前記周波数誤差の急激な
    変化が前記制御データに与える影響を抑制するローパス
    フィルタとしての機能を有する制御手段と、 を備えた基準周波数発生装置において、 前記誤差検出手段での検出結果に基づき、前記周波数誤
    差が小さいほど、前記フィルタの特性をより狭帯域な設
    定に変化させる特性可変手段と、 を設けたことを特徴とする基準周波数発生装置。
  2. 【請求項2】 前記発振手段の周囲温度を測定する温度
    検出手段を備え、 前記特性可変手段は、前記温度検出手段にて検出される
    周囲温度の変化率が予め設定された上限値より大きい時
    に、前記フィルタの特性を広帯域な設定に変化させるこ
    とを特徴とする請求項1記載の基準周波数発生装置。
  3. 【請求項3】 前記特性可変手段は、前記GPS受信手
    段がGPS衛星からの信号を受信できない未受信状態、
    或いは不安定な受信状態になった後、安定した受信状態
    に復帰した時に、前記フィルタの特性を広帯域な設定に
    変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載
    の基準周波数発生装置。
  4. 【請求項4】 前記特性可変手段は、当該装置への電源
    投入時には前記フィルタの特性を広帯域な設定に変化さ
    せることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか
    記載の基準周波数発生装置。
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