JP4515646B2 - 基準周波数発生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、GPS衛星からの受信信号に基づいて生成される協定世界時(UTC)に同期した基準信号を利用する基準周波数発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、PHSや携帯電話等の基地局において基地局間の同期をとったり、測定器の校正を行う時の基準となる信号を生成するために、GPS(Global Positioning System )受信機を利用する方法が知られている。
【0003】
即ち、GPS受信機は、一般に、現在位置や移動速度の他に、協定世界時(UTC)に高精度で同期した10kHzの信号や1秒周期の1pps(Pulse Per Second)と呼ばれるパルス信号を出力するように構成されているため、これを利用するものである。但し、GPS受信機が出力するこれらの基準信号(10kHz信号,又は1pps)は、長期安定度は極めて優れているものの、短期安定度は必ずしも十分に満足できるものではなく、突発的に大きな誤差を含んだ信号が出力されることが知られている。
【0004】
これに対して、例えば、特開平8−56153号公報には、GPS受信機から1ppsが出力される毎に、制御すべき理想的な周波数(例えば10kHz)を有する信号にて1pps(即ち1秒)をカウントした際に得られるべきカウント値(期待値)Cと、出力信号となる電圧制御発振器(VCO)の出力にて1ppsの周期を実際にカウントしたカウント値(実測値)C+Δとの誤差Δを算出し、この誤差Δの累積加算値から誤差平均値Δavを算出し、この誤差平均値Δavに基づいてVCOの制御電圧を求めるように構成された発振回路が開示されている。
【0005】
つまり、GPS受信機から出力される長期安定度に優れた基準信号を利用して、VCOの出力周波数の誤差を検出し、その誤差を縮小するようにVCOを制御することにより高精度な発振周波数を得ると共に、検出した誤差ΔをそのままVCOの制御電圧に反映させるのではなく、過去の検出値を用いて平均化した誤差平均値Δavを制御電圧に反映させることにより、突発的な基準信号の変動に基づいて発生する大きな周波数誤差の影響を緩和するようにされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この装置では、1ppsの周期を測定するためのカウンタクロックとしてVCOの出力を使用しているため、測定の分解能を向上させるには、VCOの発振周波数を高くしなければならない。また、発振周波数を高精度に制御するには、このVCOとして、恒温槽付水晶発振器(OCXO)や温度補償回路付水晶発振器(TCXO)等を用いる必要があり、VCOの発振周波数を高くすると装置が非常に高価なものとなってしまうという問題があった。
【0007】
また、基準信号の変動の影響を緩和するために、誤差平均値Δavに基づいてVCOの制御電圧を設定しているが、換言すれば、基準信号の変動の影響がVCOの制御電圧に長期間に渡って残ることになり、周波数の制御を高精度に行うことができないという問題もあった。例えば、誤差平均値Δavを過去200個の検出値によって求める場合、突発的に生じた基準信号の変動(誤差)は、平均化することで1/200に緩和されることになるが、その1/200に緩和された誤差が、以後、200回の検出が行われる間、即ち200秒間に渡って残ってしまうことになり、誤差を含んだ電圧制御が行われてしまうのである。
【0008】
また、検出された誤差に基づいてVCOが制御されると、その発振周波数が変化し、1ppsの周期を測定するためのカウンタクロックが、その測定中に変化してしまうことになる。その結果、周波数誤差の検出が正確に行われないため、周波数が収束しにくいという問題もあった。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するために、GPS受信機が出力する基準信号を使用する基準周波数発生装置において、周波数誤差の測定分解能を安価に向上させることを第1の目的とし、基準信号に突発的に含まれる大きな誤差の影響を受けることなく周波数を高精度に制御可能とすることを第2の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための発明である請求項1記載の基準周波数発生装置では、GPS受信手段が、GPS衛星からの受信信号に基づいて協定世界時に同期した基準信号を出力し、誤差検出手段が、発振周波数を制御可能な発振手段が生成する出力信号の前記基準信号に対する周波数誤差を繰り返し検出する。
【0011】
なお、誤差検出手段では、分周手段が、基準信号及び出力信号を分周して、周期が同じ長さとなるべき分周基準信号及び分周出力信号を生成し、この分周基準信号及び分周出力信号の周期を、カウント手段が、予め設定されたカウンタクロックを用いてそれぞれカウントし、誤差算出手段が、カウント手段でのカウント値の比に基づいて周波数誤差を求める。
【0012】
そして、制御手段が、誤差検出手段にて検出された周波数誤差に基づき、その周波数誤差が減少するように発振手段の発振周波数を制御する。
このように、本発明の基準周波数発生装置によれば、周波数誤差を検出するための測定を、周波数の制御対象である出力信号とは別途用意されたカウンタクロックを用いて行っている。従って、検出された周波数誤差に基づいて発振手段の発振周波数が変化したとしても、測定の基準となるカウンタクロックに何等影響を与えることがなく、常に正確な周波数誤差の検出を行うことができ、発振手段の発振周波数、ひいては出力信号の周波数を、高精度に制御でき、しかも速やかに収束させることができる。
【0013】
また、本発明の基準周波数発生装置では、周期が同じ長さとなるべき分周基準信号及び分周出力信号の周期を、カウンタクロックを用いてそれぞれカウントし、そのカウント値の比から周波数誤差を求めるようにされている。
従って、本発明の基準周波数発生装置によれば、カウンタクロックの周波数を高くするか、或いは分周手段での分周比を大きくすることで、発振手段の発振周波数を高くすることなく、周波数誤差の測定における分解能を簡単且つ安価に向上させることができる。
【0014】
即ち、本発明では、周波数誤差を、カウント値そのものではなく、カウント値の比から求めており、カウンタクロック自身の持つ誤差分はカウント値の比を求める際に相殺されるため、カウンタクロック用の発振器としては高精度なものを用いる必要はないのである。また、カウンタクロックの周波数を高くしなくても、分周手段での分周比を大きくして、カウント対象である分周基準信号及び分周出力信号の周期を長くすれば、測定時間は長くなるものの、カウンタクロックの周波数を高くした場合と同じ効果が得られるのである。
【0015】
なお、分周手段での分周比は、請求項2記載のように、分周基準信号及び分周出力信号の1周期が1秒を越えるように、即ち一般にGPS受信機(GPS受信手段)が出力する1ppsの周期より大きくなるように設定することが望ましい。
【0016】
次に、請求項3記載の基準周波数発生装置では、GPS受信手段が、GPS衛星からの受信信号に基づいて協定世界時に同期した基準信号を出力し、誤差検出手段が、発振周波数を制御可能な発振手段が生成する出力信号の前記基準信号に対する周波数誤差を繰り返し検出する。そして、制御手段が、誤差検出手段にて検出された周波数誤差に基づき、その周波数誤差が減少するように発振手段の発振周波数を制御する。
【0017】
但し、誤差検出手段にて検出された周波数誤差が、予め設定されたノイズ判定しきい値より大きい場合には、その周波数誤差を表す誤差データをデータ排除手段が排除するようにされている。
従って、本発明の基準周波数発生装置によれば、突発的に生じた基準信号の変動に基づいて検出される大きな周波数誤差は、確実に排除されることになり、発振手段の制御に影響を与えてしまうことがないため、周波数の制御を高精度に行うことができる。
【0018】
また、請求項3に記載の基準周波数発生装置では、ノイズ判定しきい値は、判定しきい値設定手段が、データ排除手段にて排除されたものを除く過去に検出された所定個の誤差データに基づいて動的に設定する。
つまり、過去の平均的な周波数誤差を考慮することにより、ノイズ判定しきい値を可能な限り低く設定することが可能となり、ノイズ排除能力が向上するため、より安定した制御を行うことができる。
【0019】
但し、装置の起動直後や周囲温度が変化する等して、回路の状態が安定していない場合、判定しきい値が低すぎると、回路状態の変化を反映した的確な周波数誤差の検出値(制御量)であっても排除されてしまうことになる。
そこで、判定しきい値設定手段は、請求項4記載のように、当該装置の起動後、予め設定された一定時間を経過するまでの間、或いは請求項5記載のように、制御手段にて求められる制御量が予め設定された上限値を上限回数以上連続して越えた場合に、その制御量が上限値以下となるまでの間、ノイズ判定しきい値を予め設定された一定値に固定するようにしてもよい。なお、一定値は、判定しきい値設定手段にて設定される値より充分に大きくする必要がある。
【0020】
この場合、回路状態の変化に応答性よく追従することができ、出力信号の周波数を速やかに安定させることができる。
ところで、誤差検出手段は、請求項6記載のように、分周手段が、基準信号及び出力信号を分周して、周期が同じ長さとなるべき分周基準信号及び分周出力信号を生成し、カウント手段が、分周手段にて生成された分周基準信号及び分周出力信号の周期を、予め設定されたカウンタクロックを用いてそれぞれカウントし、誤差算出手段が、カウント手段でのカウント値の比に基づいて周波数誤差を求めるようにすることが望ましい。
【0021】
即ち、請求項1記載の構成を組み合わせることで、より一層、周波数を高精度に制御することが可能となる。なお、この構成に、更に請求項2に記載の構成を組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は、周波数が10MHzの信号を生成する実施形態の基準周波数発生装置の構成を表すブロック図である。
【0023】
図1に示すように、本実施形態の基準周波数発生装置10は、GPS衛星から送出された信号を受信するGPSアンテナ11と、GPSアンテナ11からの受信信号に基づいて、協定世界時(UTC)に同期した基準信号を含む各種信号を生成して出力するGPS受信機12と、10MHz近傍で発振し発振周波数を制御可能な発振手段としての電圧制御発振器(VCO)13と、GPS受信機12が出力する基準信号を分周する分周器14a、及びVCO13にて生成される出力信号を分周する分周器14bからなる分周部14と、分周器14aにより生成された分周基準信号の周期をカウンタクロックにてカウントするカウンタ15a、分周器14bにより生成された分周出力信号の周期をカウンタクロックにてカウントするカウンタ15b、及びカウンタ15a,15bにカウントクロック(本実施形態では約10MHz)を供給する発振器15cからなるカウント部15と、VCO16の周囲温度を検出する温度センサ16と、GPS受信機12からの信号、カウント部15を構成する各カウンタ15a,15bでのカウント値、及び温度センサ16での検出温度等に基づいて、VCO13を制御するための制御データを生成する演算処理部17と、演算処理部17にて生成された制御データを、VCO13を制御するための電圧信号に変換するD/Aコンバータ18とを備えている。
【0024】
このうち、GPS受信機12から分周器14aに供給される基準信号は、1秒周期を有する1pps(puls per second )、或いは10kHz信号(いずれも周知)からなり、また、演算処理部17に対して出力する信号は、受信信号の受信状態を表す状態信号,及び受信信号を復調してなるシリアルデータを少なくとも含んでいる。
【0025】
VCO13は、恒温槽付水晶発振器(OCXO)を中心に構成され、周囲温度の変化によって、制御電圧に対する発振周波数の特性が変化しないようにされている。なお、OCXOの代わりに、周囲温度の変化に基づく影響を補償する温度補償回路を付加した水晶発振器(TCXO)等を用いてもよい。
【0026】
分周部14を構成する各分周器14a,14bは、分周基準信号及び分周出力信号の周期が所望の長さ(本実施形態では10秒)となるように分周比が設定されている。具体的には、分周器14aでは、基準信号として1ppsを用いる場合には10分周、10kHzの信号を用いる場合には、105 分周するように分周比が設定され、また、分周器14bでは、10MHzの出力信号を108 分周するように分周比が設定されている。
【0027】
カウント部15を構成する各カウンタ15a,15bは、それぞれ対応する信号(分周基準信号,分周出力信号)の1周期が終了する毎、即ち立上がりエッジ(立下がりエッジでも可)が入力される毎に、カウント値をレジスタ(図示せず)に保存して演算処理部17に対して割込信号を出力すると共に、カウント値をリセットし、直ちに次の周期のカウントを開始するように構成されている。また、発振器15cは、VCO13とは異なり、高精度を必要とせず安価なものが用いられている。
【0028】
D/Aコンバータ18は、20ビットのデジタル信号を、0〜5Vの電圧信号に変換するように構成されたものであり、1Vを209715段階で表す分解能を有している。
なお、VCO13は、制御電圧を4.0V〜4.5Vの間で変化させると、発振周波数が、9999994.54Hz〜10000003.52Hzの間で変化するものが用いられており、制御電圧に対して17.96Hz/Vの感度を有している。つまり、20ビットで表された制御データの値を1変化させると、VCO13の発振周波数は、8.6×10-5Hz変化するように構成されている。
【0029】
次に、演算処理部17は、CPU,ROM,RAMからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、GPS受信機12の受信状態を監視する監視処理の他、カウント部15でのカウント値に基づいて、VCO13を制御するための制御データを生成する制御データ生成処理等を実行する。
【0030】
ここで、演算処理部17が実行する制御データ生成処理を、図2に示すフローチャートに沿って説明する。
図2に示すように、本処理が起動すると、まずカウント部15から割込信号が入力されるまで待機し(S110)、割込信号の入力があると、その送出元のカウンタ15a又は15bのカウント値が格納されたレジスタからカウントデータを読み込む(S120)。
【0031】
両カウンタ15a,15bのカウントデータTgps,Tvcoが取得されているか否かを判断し(S130)、まだ、いずれか一方のカウントデータしか取得していない場合には、S110に戻る。一方、両方のカウントデータが取得されていれば、両カウントデータの比R(=Tgps/Tvco)を算出し、これを周波数に換算することにより、出力信号の推定周波数、即ちVCO13の発振周波数を求める(S140)。つまり、出力信号の周波数は、R=1であれば10MHzであり、R>0であれば10MHzより小、R<0であれば10MHzより大となる。
【0032】
そして、基準信号の周波数に対する推定周波数の周波数誤差を表す誤差データEを算出し(S150)、当該装置の動作モードの判定(S160)を行う。その結果、動作モードがホールドオーバモード(後述する)であるか否かを判断し(S170)、ホールドオーバモードでなければ、引込み/精密制御処理を実行し(S180)、ホールドオーバモードであれば、ホールドオーバ制御処理を実行して(S190)、S110に戻る。
【0033】
ここでS160にて実行される動作モード判定処理の詳細を、図3に示すフローチャートに沿って説明する。
本処理が起動すると、まず、当該装置10への電源投入後1時間以内であるか否かを判断し(S210)、1時間を越えていれば、今度は、D/Aコンバータ18に現在供給している制御データが、予め設定された上限値以上(本実施形態では891288)であるか否かを判断し(S220)、上限値以上であれば、更にこの上限値以上の設定が、予め設定された制限回数N1(本実施形態では10回)以上続けて検出された否かを判断する(S230)。
【0034】
そして、現在設定されている制御データが上限値以上であり、且つその状態が制限回数N1以上続けて検出された場合(S230−YES)、或いは電源投入後1時間以内である場合(S210−YES)には、当該装置10は不安定な動作状態にあるものとして、動作モードを引込み制御モードに設定して(S300)本処理を終了する。
【0035】
一方、現在設定されている制御データが上限値より小さい(S220−NO)か、或いは上限値より大きくても、その状態の検出回数が未だ制限回数N1に達していない(S230−NO)場合には、当該装置10は安定した動作状態にあるものとして、今度は、GPS受信機12からの状態信号(1秒毎に得られる)に基づき、衛星信号を受信しているか否かを判断し(S240)、受信していなければ、その受信していない状態が、予め設定された制限回数N2(本実施形態では10回,即ち10秒)以上続けて検出されたか否かを判断する(S250)。
【0036】
そして、衛星信号を受信しているか(S240−YES)、或いは受信していなくても、その状態の検出回数が未だ制限回数N2に達していない場合(S250−NO)には、更にGPS受信機12が出力する1pps信号が有効であるか否かを判断し(S260)、有効でなければその状態が、予め設定された制限回数N3(本実施形態では10回,即ち10秒)以上続けて検出されたか否かを判断する(S270)。
【0037】
そして、1pps信号が有効であるか(S260−YES)、或いは無効であっても、その状態の検出回数が未だ制限回数N3に達していない場合(S270−NO)には、検出された誤差データEに基づいて高精度な周波数制御を行うことが可能であるものとして、動作モードを精密制御モードに設定して(S280)本処理を終了する。なお、1pps信号が有効であるか否かの判定は、例えば、GPS受信機12が出力するシリアルデータの内容を解読し、データに含まれる情報から判断できる。
【0038】
一方、衛星信号を受信できない状態が、制限回数N2以上続けて検出された場合(S250−YES)、又は1pps信号が無効である状態が、制限回数N3以上続けて検出された場合(S270−YES)には、検出された誤差データEの信頼性が低く、これに基づいて、高精度な周波数制御を行うことができないものとして、動作モードをホールドオーバモードに設定して(S290)本処理を終了する。
【0039】
なお、動作モードがホールドオーバーモードである場合に実行されるホールドオーバ制御処理(S190)では、温度センサ16を介してVCO13の周囲温度を検出し、予め設定された変換テーブルに従って、検出された周囲温度に対応する制御データを出力する。この処理は、周知のものであり、本発明の主要部分とも関係がないため、これ以上の説明は省略する。
【0040】
次に、動作モードがホールドオーバモードではない場合に実行される引込み/精密制御処理(S180)の詳細を、図4に示すフローチャートに沿って説明する。
本処理が起動されると、まず動作モードが引込み制御モードであるか否かを判断し(S310)、引込み制御モードであれば、ノイズ判定しきい値THとして、予め用意された一定値C(本実施形態では1162)を設定する(S320)。なお、一定値Cは、引込み制御モードに入った理由(S210−YES/S230−YES)に応じて異なる値を用いてもよい。
【0041】
一方、動作モードが引込み制御モードではない場合、即ち精密制御モードである場合には、今回の処理で先のS150にて検出された誤差データをE(n)とし、過去に検出された新しい方からm個の誤差データE(n−1)〜E(n−m−1)に基づき、その絶対値の平均値AVを算出する(S330)。
【0042】
そして、算出された平均値AVが非零であるか否かを判断し(S340)、非零であれば、算出された平均値AVに、係数K(≧1)を乗じたものを、ノイズ判定しきい値THとして設定する(S350)。また、算出された平均値AVが零であれば、過去にS350にてノイズ判定しきい値が設定されたことがあれば、S350にて最後に設定されたノイズ判定しきい値を、また、過去にS350にてノイズ判定しきい値が設定されたことがなければ、予め用意された初期値を、ノイズ判定しきい値THとして設定する(S360)。
【0043】
このようにしてノイズ判定しきい値THが設定(S320又はS350又はS360)されると、次に、誤差データE(n)の絶対値が、設定されたノイズ判定しきい値THより小さいか否かを判断し(S370)、ノイズしきい値TH以上であれば、この誤差データE(n)が、制御データの算出や、次回以降のノイズ判定しきい値THの算出にて使用されることのないように排除して本処理を終了する。
【0044】
一方、誤差データE(n)の絶対値が、設定されたノイズ判定しきい値THより小さければ、今回の誤差データを含む過去p個の誤差データE(n)〜E(n−p)に基づき、その平均値Eavを算出する(S380)。
そして、この平均値Eavに、係数A(≦1)を乗じたものを、ループフィルタ(ローパスフィルタ)を通すことで制御データに変換し(S390)、この制御データをD/Aコンバータ18に出力して(S400)、本処理を終了する。
【0045】
なお、D/Aコンバータ18に供給された制御データは、電圧信号に変換されてVCO13に供給され、VCO13の発振周波数、ひいては出力信号の周波数を変化させる。
以上説明したように、本実施形態の基準周波数発生装置10においては、精密制御モード及び引込み制御モードのいずれの場合にも、|E(n)|<THとなる誤差データE(n)を用いて制御データを生成しており、特に、精密制御モードでは、ノイズ判定しきい値THを、過去の誤差データE(n−1)〜E(n−m)を用いて必要最小限の大きさに設定し、一方、引込み制御モードでは、ノイズ判定しきい値THを、精密制御モードにて設定される値より充分に大きな一定値Cに設定するようにされている。
【0046】
従って、本実施形態の基準周波数発生装置10によれば、精密制御モードでは、異常な誤差データを排除する能力が最大限に引き出されるため、高精度な周波数制御を安定して行うことができる。また、装置の起動後や周囲温度が変化した場合等、装置の状態が変化していく過程にある時には、比較的大きな誤差データE(n)が検出されるが、引込みモードでは、この正当な誤差データE(n)を排除してしまうことがなく、周波数の制御を追従性よく行うことができる。
【0047】
例えば、図5(a)は、誤差データの絶対値|E|の時間的な変化を模式的に表した説明図であり、GPS受信機12からの基準信号に突発的な変動が生じると(時点X)、誤差データの絶対値|E|は、非常に大きなものとなる。
そして、従来装置の場合、制御データは、過去p回の誤差データEの平均値に基づいて算出されるため、異常な基準信号に基づく誤差データの影響は1/pに低減されるものの、少なくとも以後、p回の制御では、この大きな誤差を含んだ制御データが使用され続けるため、その間は、図5(b)中の一点鎖線にて示すように、誤差を含んだ制御データが生成されることになる。しかし、本実施形態の基準周波数発生装置10では、このような異常な基準信号に基づく誤差データEは排除されるため、図中実線にて示すように、その影響を受けることなく、制御データを生成することができ、高精度な制御を実現できる。また、精密制御モードでは、ノイズ判定しきい値THを必要最小限の大きさに設定することにより、図5(b)の時点Yに示すように、誤差データEが、平均的なものより少しだけはずれているような場合にも、これを確実に排除することができる。
【0048】
また、本実施形態の基準周波数発生装置10では、基準信号を周波数の制御対象である出力信号にてカウントするのではなく、基準信号及び出力信号をそれぞれ分周してなる分周基準信号及び分周出力信号を、VCO13とは別途設けた発振器15cの出力によりカウントし、両カウント値の比R(=Tgps/Tvco)から誤差データE(n)、ひいては制御データを求めるようにされている。
【0049】
従って、本実施形態の基準周波数発生装置10によれば、検出された誤差データE(n)に基づいてVCO13の発振周波数が変化したとしても、測定の基準となるカウンタクロックに何等影響を与えることがなく、常に正確な誤差データE(n)の検出を行うことができ、VCO13の発振周波数、ひいては出力信号の周波数を、高精度に制御でき、しかも速やかに収束させることができる。
【0050】
また、本実施形態の基準周波数発生装置10では、カウンタクロックの周波数(発振器15cの発振周波数)を高くするか、或いは分周器14a,14bでの分周比を大きくすることで、VCO13の発振周波数を高くすることなく、誤差データE(n)の測定における分解能を簡単且つ安価に向上させることができる。
【0051】
ここで、図6、図7は、制御データの生成に使用される誤差データEの変化を実測した結果を表すグラフであり、特に図7は、10000秒,12000秒に1回ずつ、及び13000秒の付近で3回連続して異常な誤差データEが発生した場合を表している。また、図6,図7のいずれも、(a)が本実施形態の基準周波数発生装置10、(b)がVCOからの出力信号をカウンタクロックとする従来装置である。
【0052】
図6からは、検出される誤差データEの範囲が、従来装置では±0.02Hz程度であるのに対し、本実施形態の基準周波数発生装置10では±0.005Hz程度となり、従来装置と比較して、高精度かつ安定した制御が行われることがわかる。また、図7からは、本実施形態の基準周波数発生装置10では、異常な誤差データEが検出されても、これに影響されることなく、高精度な制御が維持されていることがわかる。
【0053】
なお、本実施形態において、GPS受信機12が受信手段、VCO13が発振手段、分周部14が分周手段、カウント部15がカウント手段、S140,S150が誤差算出手段、S160〜S190が制御手段、S370がデータ排除手段、S310〜S360が判定しきい値設定手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の基準周波数発生装置の構成を表すブロック図である。
【図2】 演算処理部が実行する制御データ生成処理の内容を表すフローチャートである。
【図3】 動作モード判定処理の詳細な内容を表すフローチャートである。
【図4】 引込み/精密制御処理の詳細な内容を表すフローチャートである。
【図5】 ノイズ判定しきい値の効果を表す説明図である。
【図6】 誤差データを測定した結果を表すグラフである。
【図7】 誤差データを測定した結果を表すグラフである。
【符号の説明】
10…基準周波数発生装置 11…GPSアンテナ 12…GPS受信機
13…電圧制御発振器(VCO) 14…分周部 14a,14b…分周器
15…カウント部 15a,15b…カウンタ 15c…発振器
16…温度センサ 17…演算処理部 18…D/Aコンバータ

Claims (6)

  1. GPS衛星からの受信信号に基づいて協定世界時に同期した基準信号を出力するGPS受信手段と、
    発振周波数を制御可能な発振手段と、
    該発振手段が生成する出力信号の前記基準信号に対する周波数誤差を繰り返し検出する誤差検出手段と、
    該誤差検出手段にて検出された周波数誤差に基づき、該周波数誤差が減少するように前記発振手段の発振周波数を制御する制御手段と、
    を備えた基準周波数発生装置において、
    前記誤差検出手段は、
    前記基準信号及び出力信号をそれぞれ分周し、周期が同じ長さとなるべき分周基準信号及び分周出力信号を生成する分周手段と、
    該分周手段にて生成された前記分周基準信号及び分周出力信号の周期を、予め設定されたカウンタクロックを用いてそれぞれカウントするカウント手段と、
    該カウント手段でのカウント値の比に基づいて前記周波数誤差を求める誤差算出手段と、
    からなることを特徴とする基準周波数発生装置。
  2. 前記分周手段は、前記分周基準信号及び分周出力信号の周期が1秒を越えるように分周比が設定されていることを特徴とする請求項1記載の基準周波数発生装置。
  3. GPS衛星からの受信信号に基づいて協定世界時に同期した基準信号を出力するGPS受信手段と、
    発振周波数を制御可能な発振手段と、
    該発振手段が生成する出力信号の前記基準信号に対する周波数誤差を繰り返し検出する誤差検出手段と、
    該誤差検出手段にて検出された周波数誤差に基づき、該周波数誤差が減少するように前記発振手段の発振周波数を制御する制御手段と、
    を備えた基準周波数発生装置において、
    前記誤差検出手段にて検出された周波数誤差が、予め設定されたノイズ判定しきい値より大きい場合には、該周波数誤差を表す誤差データを排除するデータ排除手段と、
    前記データ排除手段にて排除されたものを除く過去に検出された所定個の誤差データに基づき、前記ノイズ判定しきい値を設定する判定しきい値設定手段と、
    を設けたことを特徴とする基準周波数発生装置。
  4. 前記判定しきい値設定手段は、当該装置の起動後、予め設定された一定時間を経過するまでの間、前記ノイズ判定しきい値を予め設定された一定値に固定することを特徴とする請求項3記載の基準周波数発生装置。
  5. 前記判定しきい値設定手段は、前記制御手段にて求められる制御量が予め設定された上限値を上限回数以上連続して越えた場合、該制御量が上限値以下となるまでの間、前記ノイズ判定しきい値を、予め設定された一定値に固定することを特徴とする請求項3又は請求項4記載の基準周波数発生装置。
  6. 前記誤差検出手段は、
    前記基準信号及び出力信号をそれぞれ分周し、周期が同じ長さとなるべき分周基準信号及び分周出力信号を生成する分周手段と、
    該分周手段にて生成された前記分周基準信号及び分周出力信号の周期を、予め設定されたカウンタクロックを用いてそれぞれカウントするカウント手段と、
    該カウント手段でのカウント値の比に基づいて前記周波数誤差を求める誤差算出手段と、
    からなることを特徴とする請求項3ないし請求項5いずれか記載の基準周波数発生装置。
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