JP2002212550A - 希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体粒子の製造方法及び希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体 - Google Patents

希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体粒子の製造方法及び希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体

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JP2002212550A JP2001010140A JP2001010140A JP2002212550A JP 2002212550 A JP2002212550 A JP 2002212550A JP 2001010140 A JP2001010140 A JP 2001010140A JP 2001010140 A JP2001010140 A JP 2001010140A JP 2002212550 A JP2002212550 A JP 2002212550A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸湿による性能劣化がなく、長期間感度も良
好な状態で使用出来る輝尽性蛍光体を用いた放射線画像
変換パネルのための蛍光体粒子の製造方法及び希土類付
活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体を
提供する。 【解決手段】 液相法によって作製された下記一般式
(1)で表される平均粒径1〜10μmの希土類付活ア
ルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体粒子の
製造方法において、該希土類付活アルカリ土類金属弗化
ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の前駆体粒子を金属酸化物
微粒子から選ばれる少なくとも2種類で被覆した後、焼
成を行うことを特徴とする希土類付活アルカリ土類金属
弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体粒子の製造方法。 一般式(1) Ba(1-x)2 xFX:yM1,zLn

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希土類付活アルカ
リ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体粒子の製造
方法及び希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物
系輝尽性蛍光体に関し、更に詳しくは吸湿による性能劣
化が少ない希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化
物系輝尽性蛍光体粒子の製造方法及び希土類付活アルカ
リ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体に関する。
【0002】
【従来の技術】X線画像のような放射線画像は病気診断
用などに多く用いられている。このX線画像を得るため
に被写体を通過したX線を蛍光体層(蛍光スクリーン)
に照射し、これにより可視光を生じさせてこの可視光を
通常の写真をとるときと同じように銀塩を使用したフィ
ルムに照射して現像した、いわゆる放射線写真が利用さ
れている。しかし近年銀塩を塗布したフィルムを使用し
ないで蛍光体層から直接画像を取り出す方法が工夫され
るようになった。しかし、この蛍光体層は吸湿性が高
く、そのために感度低下が起こりやすく耐湿性向上技術
が必須である。
【0003】この方法としては被写体を透過した放射線
を蛍光体に吸収せしめ、しかる後この蛍光体を例えば光
又は熱エネルギーで励起することによりこの蛍光体が上
記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光とし
て放射せしめ、この蛍光を検出し画像化する方法があ
る。
【0004】具体的には、例えば米国特許3,859,
527号及び特開昭55−12144号公報などに記載
されているような輝尽性蛍光体を用いる放射線画像変換
方法が知られている。
【0005】この方法は輝尽性蛍光体を含有する放射線
画像変換パネルを使用するもので、この放射線画像変換
パネルの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を当
てて被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネ
ルギーを蓄積させて、その後に輝尽性蛍光体を可視光
線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起す
ることにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射
線エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱
による信号をたとえば光電変換し、電気信号を得て、こ
の信号を感光フィルムなどの記録材料やCRTなどの表
示装置上に可視像として再生するものである。
【0006】上記の放射線像記録再生方法によれば、従
来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放
射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝
線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができると
いう利点がある。
【0007】このように輝尽性蛍光体は、放射線を照射
した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であ
るが、実用上では、波長が400〜900nmの範囲に
ある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝
尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。
【0008】従来、放射線像変換パネルに用いられてき
た輝尽性蛍光体の例としては下記のものが一例として挙
げられる。
【0009】(1)特開昭55−12145号公報に記
載されている(Ba1-x、M2+ x)FX:yA(但し、M
2+はMg、Ca、Sr、Zn及びCdのうちの少なくと
も一種、XはCl、Br及びIのうちの少なくとも一
種、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、
Nd、Yb及びErのうち少なくとも一種、そしてxは
0≦x≦0.6、yは0≦y≦0.2である)の組成式
で表わされる希土類元素付活アルカリ土類金属弗化ハロ
ゲン化物蛍光体;また、この蛍光体には以下のような添
加物が含まれていてもよい;特開昭56−74175号
公報に記載されている、X′、BeX″、M3X″′
3(ただし、X′、X″、およびX″′はそれぞれC
l、BrおよびIのうち少なくとも一種であり、M3
三価金属である);特開昭55−160078号公報に
記載されているBeO、MgO、CaO、SrO、Ba
O、ZnO、Al23、Y23、La23、In23
SiO2、TlO2、ZrO2、GeO2、SnO2、Nb2
5、Ta25及びThO2などの金属酸化物;特開昭5
6−116777号公報に記載されているZr、Sc;
特開昭57−23673号公報に記載されているB;特
開昭57−23675号公報に記載されているAs、S
i;特開昭58−206678号公報に記載されている
M・L(ただし、MはLi、Na、K、Rb、およびC
sからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金
属であり;LはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、P
m、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
b、Lu、Al、Ga、In、およびTlからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の三価金属である);特開昭
59−27980号公報に記載されているテトラフルオ
ロホウ酸化合物の焼成物;特開昭59−27289号公
報に記載されているヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフル
オロチタン酸およびヘキサフルオロジルコニム酸の一価
もしくは二価金属の塩の焼成物;特開昭59−5647
9号公報に記載されているNaX′(ただし、X′はC
l、BrおよびIのうちの少なくとも一種である);特
開昭59−56480号公報に記載されているV、C
r、Mn、Fe、CoおよびNiなどの遷移金属;特開
昭59−75200号公報に記載されているM1X′、
2X′′、M3X′′′、A(ただし、M1はLi、N
a、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少な
くとも一種のアルカリ金属であり、M2はBeおよびM
gからなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属で
あり;M3はAl、Ga、In、およびTlからなる群
より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;Aは金
属酸化物であり;X′、X′′およびX′′′はそれぞ
れF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少な
くとも一種のハロゲンである);特開昭60−1011
73号公報に記載されているM1X′(ただし、M1はR
bおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種の
アルカリ金属であり;X′はF、Cl、BrおよびIか
らなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
る);特開昭61−23679号公報に記載されている
2′X′2・M2′X″2(ただし、M2′は、Ba、S
rおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種の
アルカリ土類金属であり、X′およびX″はそれぞれC
l、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンであって、かつX′≠X″である);およ
び特開昭61−264084号公報に記載されているL
nX″3(ただし、LnはSc、Y、La、Ce、P
r、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれる少な
くとも一種の希土類元素であり;X″はF、Cl、Br
およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロ
ゲンである)。
【0010】(2)特開昭60−84381号公報に記
載されているM22・aM22:xEu2+(ただし、M
2およびM2′はBa、SrおよびCaからなる群より選
ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;Xは
Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも
一種のハロゲンであり;そしてaは0.1≦a≦0.
0、xは0<x≦0.2である)の組成式で表わされる
二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロゲン化物蛍
光体;また、この蛍光体には以下のような添加物が含ま
れていてもよい;特開昭60−166379号公報に記
載されているM1X′′(ただし、M1はRbおよびCs
からなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属
であり;X′′はF、Cl、BrおよびIからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);特開昭
60−221483号公報に記載されているKX′′、
MgX′′′2、M3X′′′′3(ただし、M3はSc、
Y、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少な
くとも一種の三価金属であり;X′′、X′′′および
X′′′′はいずれもF、Cl、BrおよびIからなる
群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);特
開昭60−228592号公報に記載されているB;特
開昭60−228593号公報に記載されているSiO
2、P25等の酸化物;特開昭61−120882号公
報に記載されているLiX″、NaX″(ただし、X″
はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少な
くとも一種のハロゲンである);特開昭61−1208
83号公報に記載されているSiO2;特開昭61−1
20885号公報に記載されているSnX″2(ただ
し、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンである);特開昭61−
235486号公報に記載されているCsX″、Sn
X′′′2(ただし、X″およびX′′′はそれぞれ
F、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンである);および、特開昭61−2
35487号公報に記載されているCsX″、Ln
3+(ただし、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群
より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Lnは
Sc、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より
選ばれる少なくとも一種の希土類元素である)。
【0011】(3)特開昭55−12144号に記載さ
れているLnOX:xA、(式中、LnはLa、Y、G
d、およびLuのうち少なくとも一つ;XはCl、B
r、およびIのうち少なくとも一つ;AはCeおよびT
bのうち少なくとも一つ;xは、0<x<0.1であ
る)の組成式で表される希土類元素付活希土類オキシハ
ライド蛍光体。
【0012】(4)特開昭58−69281号に記載さ
れているM(II)OX:xCe、(式中、M(II)はP
r、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、およびBiからなる群より選ばれる少
なくとも一種の酸化金属であり;XはCl、Br、およ
びIのうち少なくとも一つであり;xは0<x<0.1
である)の組成式で表されるセリウム付活三価金属オキ
シハライド蛍光体。
【0013】(5)特開昭62−25189号明細書に
記載されているM(I)X:xBi、(式中、M(I)
はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一
種のアルカリ金属であり;XはCl、BrおよびIから
なる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;
そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成
式で表されるビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物蛍
光体。
【0014】(6)特開昭60−141783号に記載
されているM(II)5(PO43X:xEu2+、(式
中、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選
ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;Xは
F、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲
の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付
活アルカリ土類金属ハロリン酸塩蛍光体。
【0015】(7)特開昭60−157099号に記載
されているM(II)2BO3X:xEu2+、(式中、M
(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる
少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、
BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種の
ハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値であ
る)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ
土類金属ハロホウ酸塩蛍光体。
【0016】(8)特開昭60−157100号に記載
されているM(II)2(PO43X:xEu2+、(式
中、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選
ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;Xは
Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値
である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アル
カリ土類金属ハロリン酸塩蛍光体。
【0017】(9)特開昭60−217354号に記載
されているM(II)HX:xEu2+、(式中、M(II)
はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なく
とも一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、Brお
よびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
ンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の
組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金
属水素化ハロゲン化物蛍光体。
【0018】(10)特開昭61−21173号に記載
されているLnX3・aLn′X′3:xCe3+、(式
中、LnおよびLn′はそれぞれY、La、Gdおよび
Luからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元
素であり;XおよびX′はそれぞれF、Cl、Brおよ
びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン
であって、かつX≠X′であり;そしてaは0.1<a
≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の
範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム付活希
土類複合ハロゲン化物蛍光体。
【0019】(11)特開昭61−21182号に記載
されているLnX3・aM(I)X′3:xCe3+
(式中、LnはY、La、GdおよびLuからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;M
(I)はLi、Na、K、CsおよびRbからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;Xお
よびX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より
選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは
0<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦
0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウ
ム付活希土類複合ハロゲン化物系蛍光体。
【0020】(12)特開昭61−40390号に記載
されているLnPO4・aLnX3:xCe3+、(式中、
LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれ
る少なくとも一種の希土類元素であり;XはF、Cl、
BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種の
ハロゲンであり;そしてaは0.1≦a≦10.0の範
囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値であ
る)の組成式で表されるセリウム付活希土類ハロ燐酸塩
蛍光体。
【0021】(13)特開昭61−236888号明細
書に記載されているCsX:aRbX′:xEu2+
(式中、XおよびX′はそれぞれCl、BrおよびIか
らなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
り;そしてaは0<a≦10.0の範囲の数値であり、
xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表
される二価ユーロピウム付活ハロゲン化セシウム・ルビ
ジウム蛍光体。
【0022】(14)特開昭61−236890号に記
載されているM(II)X2・aM(I)X′:xE
2+、(式中、M(II)はBa、SrおよびCaからな
る群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属で
あり;M(I)はLi、RbおよびCsからなる群より
選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;Xおよ
びX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選
ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは
0.1≦a≦20.0の範囲の数値であり、xは0<x
≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価
ユーロピウム付活複合ハロゲン化物蛍光体。
【0023】上記の輝尽性蛍光体のうちで、ヨウ素を含
有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハロ
ゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム
付活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を
含有する希土類元素付活希土類オキシハロゲン化物系蛍
光体、およびヨウ素を含有するビスマス付活アルカリ金
属ハロゲン化物系蛍光体は高輝度の輝尽発光を示す。
【0024】これらの輝尽性蛍光体を使用した放射線画
像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した後、励起光
の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後
に再度放射線画像の蓄積を行うことができ繰り返し使用
が可能である。つまり従来の放射線写真法では一回の撮
影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、こ
の放射線像変換方法では放射線像変換パネルを繰り返し
使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利であ
る。
【0025】そこで、放射線画像変換パネルには得られ
る放射線画像の画質を劣化させることなく長期間の使用
に耐える性能を付与することが望ましい。
【0026】しかし、放射線画像変換パネルの製造に用
いられる輝尽性蛍光体は一般に吸湿性が大であり、通常
の気候条件の室内に放置すると空気中の水分を吸収し、
時間の経過とともに著しく劣化する。
【0027】具体的には、たとえば輝尽性蛍光体を高湿
度のもとに置くと、吸収した水分の増大にともなって前
記蛍光体の放射線感度が低下する。また一般には輝尽性
蛍光体に記録された放射線画像の潜像は、放射線照射後
の時間の経過にともなって退行するため、再生される放
射線画像信号の強度は放射線照射から励起光による走査
までの時間が長いほど小さくなるという性質を有する
が、輝尽性蛍光体が吸湿すると前記潜像退行の速さが速
くなる。
【0028】そのため、吸湿した輝尽性蛍光体を有する
放射線画像変換パネルを用いると、放射線画像の読み取
り時再生信号の再現性が低下する。
【0029】輝尽性蛍光体の粒子は、一般的にその輝尽
性は、粒子径に依存することが知られており、特開昭5
5−163500号には、平均粒子径1〜30μmのも
のが好ましいとされている。
【0030】又、前記蛍光体粒子サイズと感度、粒状
性、鮮鋭性等の特性値の関係が特公平3−79680号
に開示されている。
【0031】これら輝尽性蛍光体の粒子のサイズ及び形
状を制御する試みが液相法で特開平7−233369号
に開示され、ここでは、従来法として希土類付活アルカ
リ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造法
は、原料化合物のアルカリ土類金属弗化物、弗化物以外
のアルカリ土類金属ハロゲン化物、希土類元素のハロゲ
ン化物、弗化アンモニウム等を一緒に乾式混合するか、
或いは水系媒体中に懸濁させて混合した後、焼成し粉砕
するのに対し、水溶液中で希土類付活アルカリ土類金属
弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体を沈澱させる方法が開
示されている。
【0032】上記の水溶液中で希土類付活アルカリ土類
金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体を沈澱させる液相
法により粉砕による性能の劣化なしに、小粒径で粒径の
そろった蛍光体粒子が得られるようになった。
【0033】しかし、感度が高く、小粒径化することに
よって水分による劣化が従来以上に問題となってきた。
この劣化は焼成後蛍光体粒子が大気中にさらされた瞬間
から始まっており、これを防止する為には焼成後蛍光体
粒子を大気から遮断した環境に保存する方法等が考えら
れるが、蛍光体プレートの作製における全ての工程をこ
の様な環境下で行うことは実際上困難である。
【0034】従来、輝尽性蛍光体粒子の吸湿による前記
の劣化現象を防止するには、特公平2−278196号
記載のチタネート系カップリング剤による方法、特公平
5−52919号記載のシリコーンオイルによる方法、
特公平11−270155号記載の輝尽性蛍光体の前駆
体を金属酸化物粒子存在下で焼成し、焼成された蛍光体
粒子を金属アルコキシドで被覆する方法が考案されてい
るが、どれも根本的な解決には至っていない。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、輝尽
性蛍光体を用いた放射線画像変換パネルにおける前述の
ような問題点を解決し、また、吸湿による性能劣化がな
く長期間良好な状態で使用することの出来る放射線画像
変換パネルのための蛍光体粒子の防湿処理をかけやすい
製造方法を提供することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成によって達成された。
【0037】1.液相法によって作製された下記一般式
(1)で表される平均粒径1〜10μmの希土類付活ア
ルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体粒子の
製造方法において、該希土類付活アルカリ土類金属弗化
ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の前駆体粒子を金属酸化物
微粒子から選ばれる少なくとも2種類で被覆した後、焼
成を行うことを特徴とする希土類付活アルカリ土類金属
弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体粒子の製造方法。 一般式(1) Ba(1-x)2 xFX:yM1,zLn 〔式中、M2はMg、Ca、Sr、Zn及びCdからな
る群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属で
あり、M1はLi、Na、K、Rb及びCsからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、X
はCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも
一種のハロゲンであり、LnはCe、Pr、Sm、E
u、Gd、Tb、Tm、Dy、Ho、Nd、Er及びY
bからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素
である。x、y及びzは、それぞれ0≦x≦0.6、0
≦y≦0.05、0<z≦0.2である。〕 2.上記一般式(1)で表される平均粒径1〜10μm
の希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽
性蛍光体の前駆体を金属酸化物微粒子から選ばれる少な
くとも2種類で被覆することを特徴とする希土類付活ア
ルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体。
【0038】3.希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロ
ゲン化物系輝尽性蛍光体が、金属酸化物微粒子から選ば
れる2種類で被覆され、該輝尽性蛍光体の前駆体に対す
る金属酸化物微粒子の総質量%が0.001質量%以上
10質量%以下であり、2種類の金属酸化物微粒子の比
率が1:10〜1:2であることを特徴とする前記2記
載の希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝
尽性蛍光体。
【0039】4.金属酸化物微粒子の粒子径が2〜50
nmの微粒子であることを特徴とする前記1記載の希土
類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光
体粒子の製造方法。
【0040】5.輝尽性蛍光体の前駆体粒子に対して金
属酸化物微粒子が0.001質量%以上10質量%以下
であることを特徴とする前記1記載の希土類付活アルカ
リ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体粒子の製造
方法。
【0041】6.前記1、4又は5のいずれか1項記載
の希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽
性蛍光体粒子の製造方法により製造したことを特徴とす
る希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽
性蛍光体。
【0042】本発明を更に詳しく説明する。本発明者ら
は、一般式(1)で表される輝尽性蛍光体の吸湿による
感度劣化現象について調査するなかで、性能劣化は吸湿
による蛍光体の潮解と蛍光体の変質によって発生するこ
とを発見した。
【0043】上記の潮解とは、蛍光体粒子が空気中の水
蒸気をとって自分で水溶液を作る現象を言い、変質とい
う現象は、潮解はしないが空気中の水蒸気により蛍光体
自体の蛍光特性が変化する事を言う。変質の機構につい
ては明確ではないが、蛍光体粒子内部の変色等が考えら
れる。
【0044】蛍光体の吸湿特性は毛管凝集をはじめとす
るの多種の原因で発生すると考えられるが、一旦水蒸気
が水滴として蛍光体粒子間に発生すると潮解により性能
劣化がおこる。
【0045】本発明者らはこれらの劣化現象を防止すべ
く鋭意検討し、焼結防止剤として金属酸化物粒子のうち
から選ばれる少なくとも2種類の粒子で蛍光体の前駆体
を被覆処理した後に焼成を行ない、蛍光体の潮解と変質
の防止を向上できることを見出した。その中でも、特
に、Al23粒子とSiO2粒子の2種類の粒子で前駆
体を被覆した後に焼成を行うことで蛍光体の潮解と変質
の防止をさらに向上できることを見出した。
【0046】一般に無機粉末をシランカップリング剤で
処理することで耐水性を付与する方法が知られている
が、本発明者らの試験によると、一般式(1)で表され
る輝尽性蛍光体粒子表面に直接シランカップリング剤に
よる珪素含有被膜を形成することは困難であった。
【0047】該蛍光体の焼成前の前駆体に金属酸化物微
粒子で被覆した後に焼成を行ない、焼成後の蛍光体粒子
にシランカップリング剤等による表面処理を行うこと、
もしくは、焼成後の蛍光体粒子を金属酸化物微粒子で被
覆した後にシランカップリング剤等による表面処理を行
うことによってシランカップリング剤による珪素含有皮
膜が蛍光体粒子上に分散する金属酸化物粒子の周囲を埋
めるように連続相を形成し、シランカップリング剤が有
効に機能すると考えられる。
【0048】一方、蛍光体の焼成前の前駆体の金属酸化
物微粒子による被覆は無く焼成後の蛍光体粒子に金属酸
化物微粒子で被覆した後にシランカップリング剤等によ
る表面処理を行うことでも耐湿性の大きい蛍光体粒子が
得られるものの、その反面、分散、調液、塗布工程を経
て支持体上に蛍光体層として塗布されると粒子の耐湿特
性向上の効果が半減する現象が発生した。
【0049】この現象は金属酸化物微粒子が、分散、調
液、塗布工程で蛍光体粒子から剥離してしまうためであ
る。焼成後の蛍光体粒子と金属酸化物微粒子は電気的な
力だけで結合していると考えられるため、分散、調液、
塗布工程でこの電気力以上の力が作用し、この剥離が発
生すると考えられる。
【0050】本発明に従って輝尽性蛍光体前駆体を焼結
防止剤として金属酸化物微粒子のうちから選ばれる少な
くとも2種類の粒子で被覆後に焼成した蛍光体粒子は前
記シランカップリング剤による表面処理効果が有効に機
能し、従来の該蛍光体よりも耐湿性が向上、また、感度
の向上した蛍光体粒子が得られ、なおかつ、分散、調
液、塗布工程を経て支持体上に蛍光体層として塗布され
ても粒子の耐湿特性向上の効果は保持される。
【0051】塗布後の蛍光体粒子の耐湿性向上および、
特性変化が防止できる主要因としては、焼結防止に有用
な金属酸化物微粒子を焼成前の該蛍光体に被覆すること
で、焼成時に蛍光体粒子と該金属酸化物微粒子が焼結過
程を通して強く結合され、分散、調液、塗布工程で蛍光
体粒子から剥離しなくなると考えられる。
【0052】本発明において、金属酸化物微粒子とし
て、例えば、Al23、SiO2、TiO2等を使用する
と上述した現象もなく、優れた希土類付活アルカリ土類
金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体が得られた。
【0053】本発明に使用される金属酸化物微粒子の粒
径は2〜50nmのものが好ましい。粒径が2nm以下
のものは工業的に入手が困難であり、50nmをこえる
と蛍光体粒子の表面を良好に被覆することができない。
【0054】本発明においては、金属酸化物微粒子の量
が蛍光体に対して10%を越えると感度の低下が発生し
0.05%以下では本発明の効果は見られなかった。
【0055】また、シランカップリング剤量も蛍光体量
に対して10%以上だと感度が低下し塗膜も硬質化し膜
面にひび割れ等が発生する。また0.1%以下だと本発
明の効果はみられない。
【0056】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を例証する。
【0057】実施例1 〈ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体
の形成〉ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性
蛍光体前駆体を合成するために、BaI2水溶液(3.
6mol/l)2780mlとEuI3水溶液(0.2
mol/l)27mlを反応器に入れた。この反応器中
の反応母液を撹拌しながら83℃で保温した。弗化アン
モニウム水溶液(8mol/l)322mlを反応母液
中にローラーポンプを用いて注入し、沈澱物を生成させ
た。注入終了後も保温と撹拌を2時間続けて沈澱物の熟
成を行った。次に沈澱物をろ別後、エタノールにより洗
浄した後真空乾燥させてユーロピウム付活弗化ヨウ化バ
リウムの結晶(粒径2.5μm)を得た。焼成時の焼結
防止剤としてAl23微粒子(平均粒径13nm)とS
iO2微粒子(平均粒径17nm)の2種類を選び、そ
れらの総質量が該蛍光体前駆体の質量に対し0.2質量
%になるようにし、ミキサーで充分撹拌して、粒子表面
にAl23微粒子とSiO2微粒子を均一に付着させ
た。また、このときのAl23微粒子とSiO2微粒子
の質量比率は1:2になるように調整した。これを石英
ボートに充填して、チューブ炉を用いて水素ガス雰囲気
中、850℃で2時間焼成してユーロピウム付活弗化ヨ
ウ化バリウム蛍光体粒子を得た。次に上記蛍光体粒子を
分級することにより平均粒径3μmの粒子を得た。更
に、このようにして得られた蛍光体粒子を、蛍光体粒子
に対して1.0質量%のγ−メルカプトプロピル−トリ
メトキシ−シランをトルエンで希釈した溶液中で30分
室温で攪拌した後、100℃で24時間乾燥させて、シ
ランカップリング剤処理を行った。
【0058】〈放射線画像変換パネルの製造〉蛍光体層
形成材料として、上記で得たシランカップリング剤で表
面処理済みのユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍光
体427g、ポリウレタン樹脂(住友バイエルウレタン
社製、デスモラック4125)15.8g、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂2.0gをメチルエチルケトン−
トルエン(1:1)混合溶媒に添加し、プロペラミキサ
ーによって分散し、粘度25〜30Pa・sの塗布液を
調製した。この塗布液をドクターブレードを用いて厚さ
100μmの黒色PET支持体上に塗布したのち、10
0℃で15分間乾燥させて、270μmの厚さの蛍光体
層を形成した。
【0059】上記塗布サンプルを10cm×10cmの
正方形に断裁することにより輝尽性蛍光体層を有する放
射線画像変換パネルを得た。
【0060】実施例2 〈ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体
の形成〉焼結防止剤として実施例1で用いたAl23
粒子とSiO2微粒子を選び、それらの質量比率を1:
10に変更した以外は実施例1と同様にして輝尽性蛍光
体を得た。
【0061】〈放射線画像変換パネルの製造〉実施例1
の〈放射線画像変換パネルの製造〉において、上述した
焼結防止剤としてのAl23微粒子とSiO2の質量比
率が1:10である輝尽性蛍光体粒子に変更した以外は
実施例1と同様にして輝尽性蛍光体層を有する放射線画
像変換パネルを得た。
【0062】実施例3 〈ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体
の形成〉焼結防止剤として実施例1で用いたAl23
粒子と平均粒径20nmのTiO2微粒子の2種類の粒
子を用い、また、それらの質量比率を1:2に変更した
以外は実施例1と同様にして輝尽性蛍光体を得た。
【0063】〈放射線画像変換パネルの製造〉実施例1
の〈放射線画像変換パネルの製造〉において、上述した
焼結防止剤としてのAl23微粒子とTiO2微粒子の
質量比率が1:2である輝尽性蛍光体粒子に変更した以
外は実施例1と同様にして輝尽性蛍光体層を有する放射
線画像変換パネルを得た。
【0064】比較例1 〈ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体
の形成〉焼結防止剤として実施例1で用いたAl23
粒子の1種類を用いた以外は実施例1と同様にして輝尽
性蛍光体を得た。
【0065】〈放射線画像変換パネルの製造〉実施例1
の〈放射線画像変換パネルの製造〉において、上述した
焼結防止剤としてのAl23微粒子の1種類を用いて焼
成した輝尽性蛍光体粒子に変更した以外は実施例1と同
様にして輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネル
を得た。
【0066】比較例2 〈ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体
の形成〉焼結防止剤として実施例1で用いたSiO2
粒子の1種類を用いた以外は実施例1と同様にして輝尽
性蛍光体を得た。
【0067】〈放射線画像変換パネルの製造〉実施例1
の〈放射線画像変換パネルの製造〉において、上述した
焼結防止剤としてのSiO2微粒子の1種類を用いて焼
成した輝尽性蛍光体粒子に変更した以外は実施例1と同
様にして輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネル
を得た。
【0068】比較例3 〈ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体
の形成〉焼結防止剤として実施例3で用いたTiO2
粒子の1種類を用いた以外は実施例1と同様にして輝尽
性蛍光体を得た。
【0069】〈放射線画像変換パネルの製造〉実施例1
の〈放射線画像変換パネルの製造〉において、上述した
焼結防止剤としてのTiO2微粒子の1種類を用いて焼
成した輝尽性蛍光体粒子に変更した以外は実施例1と同
様にして輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネル
を得た。
【0070】実施例1〜3および比較例1〜3において
製造した放射線画像変換パネルの評価を下記のように行
い、その結果を表1に示した。
【0071】〈輝尽性発光初期感度の評価〉放射線画像
変換パネルに管電圧80kVpのX線を照射した後、パ
ネルにHe−Neレーザー光(633nm)を走査して
励起し、輝尽性蛍光体層から放射される輝尽発光を受光
器(分光感度S−5の光電子増倍管)で受光してその強
度を測定した。下記表1において感度は比較例1を1.
0とした相対値で示した。
【0072】〈輝尽性発光感度劣化の評価〉放射線画像
変換パネルを温度30℃、湿度70%RHの環境下で3
日間放置後の輝尽発光強度を測定した。測定方法は初期
感度の評価と同様である。
【0073】
【表1】
【0074】本発明の焼結防止剤を2種類用いて製造し
た輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換パネルは輝尽発
光感度および耐湿性ともに優れていた。これに対して比
較例1と3は、それぞれ焼結防止剤がAl23微粒子、
TiO2微粒子の1種類であり、輝尽発光感度および感
度劣化ともに本発明より劣っていた。比較例2は、焼結
防止剤がSiO2微粒子の1種類であるが輝尽発光感度
はそう劣らないものの感度劣化は比較例1、3と変わら
ないものであった。
【0075】
【発明の効果】本発明により、吸湿による性能劣化がな
く、長期間感度も良好な状態で使用出来る輝尽性蛍光体
を用いた放射線画像変換パネルのための蛍光体粒子の製
造方法及び希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化
物系輝尽性蛍光体を提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21K 4/00 G21K 4/00 M Fターム(参考) 2G083 AA03 BB01 CC02 DD02 DD11 DD12 EE08 4H001 CA04 CA08 CC02 CF02 XA09 XA12 XA17 XA20 XA30 XA35 XA38 XA48 XA53 XA56 YA03 YA11 YA19 YA37 YA55 YA58 YA59 YA60 YA62 YA63 YA64 YA65 YA66 YA67 YA68 YA69 YA70

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液相法によって作製された下記一般式
    (1)で表される平均粒径1〜10μmの希土類付活ア
    ルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体粒子の
    製造方法において、該希土類付活アルカリ土類金属弗化
    ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の前駆体粒子を金属酸化物
    微粒子から選ばれる少なくとも2種類で被覆した後、焼
    成を行うことを特徴とする希土類付活アルカリ土類金属
    弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体粒子の製造方法。 一般式(1) Ba(1-x)2 xFX:yM1,zLn 〔式中、M2はMg、Ca、Sr、Zn及びCdからな
    る群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属で
    あり、M1はLi、Na、K、Rb及びCsからなる群
    より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、X
    はCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも
    一種のハロゲンであり、LnはCe、Pr、Sm、E
    u、Gd、Tb、Tm、Dy、Ho、Nd、Er及びY
    bからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素
    である。x、y及びzは、それぞれ0≦x≦0.6、0
    ≦y≦0.05、0<z≦0.2である。〕
  2. 【請求項2】 上記一般式(1)で表される平均粒径1
    〜10μmの希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン
    化物系輝尽性蛍光体の前駆体を金属酸化物微粒子から選
    ばれる少なくとも2種類で被覆することを特徴とする希
    土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍
    光体。
  3. 【請求項3】 希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲ
    ン化物系輝尽性蛍光体が、金属酸化物微粒子から選ばれ
    る2種類で被覆され、該輝尽性蛍光体の前駆体に対する
    金属酸化物微粒子の総質量%が0.001質量%以上1
    0質量%以下であり、2種類の金属酸化物微粒子の比率
    が1:10〜1:2であることを特徴とする請求項2記
    載の希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝
    尽性蛍光体。
  4. 【請求項4】 金属酸化物微粒子の粒子径が2〜50n
    mの微粒子であることを特徴とする請求項1記載の希土
    類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光
    体粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 輝尽性蛍光体の前駆体粒子に対して金属
    酸化物微粒子が0.001質量%以上10質量%以下で
    あることを特徴とする請求項1記載の希土類付活アルカ
    リ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体粒子の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項1、4又は5のいずれか1項記載
    の希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽
    性蛍光体粒子の製造方法により製造したことを特徴とす
    る希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽
    性蛍光体。
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