JP2002211159A - 平版印刷版用支持体の製造方法、平版印刷版用支持体、および平版印刷原版 - Google Patents

平版印刷版用支持体の製造方法、平版印刷版用支持体、および平版印刷原版

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JP2002211159A
JP2002211159A JP2001010326A JP2001010326A JP2002211159A JP 2002211159 A JP2002211159 A JP 2002211159A JP 2001010326 A JP2001010326 A JP 2001010326A JP 2001010326 A JP2001010326 A JP 2001010326A JP 2002211159 A JP2002211159 A JP 2002211159A
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aluminum
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plate
printing plate
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JP2001010326A
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English (en)
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Atsuo Nishino
温夫 西野
Yoshitaka Masuda
義孝 増田
Hirokazu Sawada
宏和 澤田
Akio Uesugi
彰男 上杉
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄廃水の発生量を大幅に削減でき、再
製アルミニウム地金から印刷性能の高い平版印刷版用支
持体を製造できる平版印刷版用支持体の製造方法の提
供。 【解決手段】 アルミニウム板の少なくとも一方の面に
少なくとも1種の粗面化処理を施す粗面化工程を有して
なり、前記粗面化処理後に、前記アルミニウム板の表面
にドライアイス粒子を噴射して前記アルミニウム板を洗
浄することを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版用支持
体の製造方法、平版印刷版用支持体、および平版印刷原
版に係り、特に、廃水の排出量が少ない平版印刷版用支
持体の製造方法、前記方法で製造された平版印刷版用支
持体、および前記平版印刷版用支持体の表面に感熱性ま
たは感光性の製版層を形成した平版印刷原版に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版の原版である平版印刷原版
は、一般的に、純アルミニウムまたはアルミニウム合金
(以下、「アルミニウム等」ということがある。)の板
の表面を粗面化し、次いで前記表面を陽極酸化処理する
ことにより、陽極酸化皮膜を形成して平版印刷版用支持
体を得、前記平版印刷版用支持体における陽極酸化皮膜
が形成された表面に感光性樹脂または感熱性樹脂を塗布
して感光性または感熱性の製版層を形成するという手順
に従って作製される。
【0003】前記平版印刷原版の製版層に文字および絵
などの印刷画像を焼き付け、現像することにより、平版
印刷版が作製される。
【0004】前記アルミニウム等の板(以下、「アルミ
ニウム板」という。)の粗面化においては、ナイロンな
どの毛を有するブラシローラまたは表面が研磨布からな
る研磨ローラ等による機械的粗面化処理、アルカリ溶液
中で前記アルミニウム板の表面を化学的に粗面化するエ
ッチング処理、および前記アルミニウム板を電極の一方
として、酸性電解液中で交流を印加して電気分解を行う
交流電解粗面化などの電解粗面化処理などが行なわれて
いる。
【0005】特に、印刷時の水バランスを付与する目的
で、機械的粗面化処理を行い、次いでエッチング処理お
よび電解粗面化処理を施すことが一般的である。
【0006】更に、前記電解粗面化処理および前記化学
的粗面化処理の後に、前記アルミニウム板を酸性溶液に
浸漬するデスマット処理を施し、前記電解粗面化および
化学的粗面化処理によって表面に析出した酸化鉄や水酸
化鉄などの不純物を除去することもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来
は、前記粗面化処理および陽極酸化処理の後にアルミニ
ウム板を水洗していたので、大量の洗浄水が必要であ
り、また、前記アルミニウム板の水洗で排出される廃水
の処理にも大型の設備と膨大な労力とが必要であった。
【0008】また、スクラップ材およびリサイクル材な
どの再生アルミニウム地金が新地金よりも安価であり、
製造時のエネルギー消費が少なく、資源の節約にもなる
ことから、前記再生アルミニウム地金から製造されたア
ルミニウム板から平版印刷版用原版を製造することが検
討されてきた。
【0009】しかし、前記再生アルミニウム地金は、新
地金とは異なり、合金成分の制御は殆どされてなく、各
種の不純物を含んでいる。
【0010】したがって、前記再生アルミニウム地金か
ら製造されたアルミニウム板の表面には、前記不純物に
由来する種々の金属間化合物や析出物が露出するので、
前記アルミニウム板を用いた平版印刷原版においては、
陽極酸化皮膜に欠陥が生じ易く、印刷紙面の全面に点状
にインキが付着する過酷インキ汚れが発生しやすかっ
た。
【0011】また、前記平版印刷原版の表面に露出した
金属間化合物や析出物に起因し、印刷紙面における印刷
画像以外の部分に点状にインキが付着する所謂ポツ汚れ
や、オフセットローラのゴム胴すなわちブランケットに
インキが付着し、このインキが印刷紙面に付着する所謂
ブラン汚れが生じ易いという問題もあった。
【0012】本発明は、従来の方法に比較して洗浄廃水
の発生量を大幅に削減でき、しかも前記再製アルミニウ
ム地金から製造されたアルミニウム板を用いた場合に
も、耐過酷インキ汚れ性に優れ、ポツ汚れやブラン汚れ
が生じることがなく、耐刷性に優れた平版印刷原版が得
られる平版印刷版用支持体を製造できる平版印刷版用支
持体の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、アルミニウム板の少なくとも一方の面に少なくとも
1種の粗面化処理を施す粗面化工程を有してなり、前記
粗面化処理後に、前記アルミニウム板の表面にドライア
イス粒子を噴射して前記アルミニウム板を洗浄すること
を特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法に関する。
【0014】前記平版印刷版用支持体の製造方法によれ
ば、洗浄廃水の発生量が大幅に削減できる。
【0015】また、ドライアイス粒子を噴射して洗浄す
ることにより発生した廃液からドライアイスを蒸発させ
れば、前記廃液を濃縮できるから、前記廃液の再利用が
容易である。したがって、再製地金から作製したアルミ
ニウム板を用いた場合にも、更なるコストダウンが可能
である。
【0016】請求項2に記載の発明は、アルミニウム板
の少なくとも一方の面に少なくとも1種の粗面化処理を
施す粗面化工程と、前記粗面化工程において粗面化処理
を施したアルミニウム板を陽極酸化処理し、前記アルミ
ニウム板の表面に陽極酸化皮膜を形成する陽極酸化工程
とを有してなり、前記粗面化処理後および前記陽極酸化
処理後の何れかまたは両方において、前記アルミニウム
板の表面にドライアイス粒子を噴射して前記アルミニウ
ム板を洗浄することを特徴とする平版印刷版用支持体の
製造方法に関する。
【0017】前記平版印刷版用支持体の製造方法におい
ては、前記粗面化工程の後に前記アルミニウム板に、耐
磨耗性の高い陽極酸化皮膜を形成しているから、前記製
造方法で得られる平版印刷版用支持体からは、耐久性に
優れた平版印刷原版が作製できる。
【0018】請求項3に記載の発明は、前記粗面化処理
は、前記アルミニウム板を機械的に粗面化する機械的粗
面化処理、前記アルミニウム板を化学的に粗面化するエ
ッチング処理、および前記アルミニウム板に交流または
直流を印加して電気化学的に粗面化する電解粗面化処理
のうちの少なくとも1種である平版印刷版用支持体の製
造方法である。
【0019】機械的粗面化処理においては、パミススト
ーンや珪砂などの研磨材を用いるから、機械的粗面化処
理でアルミニウム板の表面に付着した研磨材を水洗によ
って除去しようとすると大量の洗浄水が必要になり、ま
た、大量の廃水が発生する。また、エッチング処理およ
び電解粗面化処理の後に水洗を行っても大量の廃水が発
生する。
【0020】しかし、前記平版印刷版用支持体の製造方
法においては、ドライアイス粒子を噴射して前記研磨材
を除去するから、前記水洗に使用する洗浄水が不要にな
り、、廃水の発生量も大幅に削減できる。
【0021】請求項4に記載の発明は、前記粗面化工程
において、前記アルミニウム板に機械的粗面化処理を施
し、次いでエッチング処理および電解粗面化処理の少な
くとも一方を施す平版印刷版用支持体の製造方法に関す
る。
【0022】前記製造方法によれば、粗面化された側の
面に製版層を形成することにより、印刷時の水バランス
に優れた平版印刷原版が得られる平版印刷版用支持体を
製造できる。
【0023】前記製造方法において、機械的粗面化処理
の後に、エッチング処理または電解粗面化処理の少なく
とも一方を施すときは、機械的粗面化処理の後と、前記
エッチング処理または前記電解粗面化処理の後とにドラ
イアイス粒子を噴射してもよく、前記エッチング処理ま
たは前記電解粗面化処理の後にのみ、ドライアイス粒子
を噴射してもよい。
【0024】また、機械的粗面化処理の後に、エッチン
グ処理と電解粗面化処理との両方を施すときは、各粗面
化処理の後にドライアイス粒子を噴射してもよく、機械
的粗面化後のドライアイス粒子の噴射を省略してもよ
く、エッチング処理と電解粗面化処理との間、またはエ
ッチング処理と電解粗面化処理との後におけるドライア
イス粒子の噴射を省略してもよい。
【0025】請求項5に記載の発明は、前記陽極酸化工
程において、前記陽極酸化処理を施したアルミニウム板
の表面を親水化する親水化処理を行なう平版印刷版用支
持体の製造方法に関する。
【0026】前記製造方法で得られた平版印刷版用支持
体に製版層を形成した平版印刷原版は、陽極酸化皮膜と
製版層との間の接着性が高いから、耐刷性に特に優れて
いる。
【0027】請求項6に記載の発明は、前記陽極酸化工
程において、前記陽極酸化処理により形成された陽極酸
化皮膜における細孔を封ずる封孔処理を行なう平版印刷
版用支持体の製造方法に関する。
【0028】前記製造方法で得られた平版印刷版用支持
体においては、陽極酸化皮膜の欠陥が特に少ないから、
前記平版印刷版用支持体から得られた平版印刷原版は、
耐久性に特に優れる。
【0029】請求項7に記載の発明は、前記アルミニウ
ム板が、アルミニウム含有量が99.4〜95重量%で
あり、しかも、Fe、Si、Cu、Mg、Mn、Zn、
Cr、およびTiからなる群より選択された1以上の元
素を含有するアルミニウム地金から製造されてなる平版
印刷版用支持体の製造方法に関する。
【0030】前記アルミニウム地金としては、前記再生
アルミニウム地金が挙げられる。前記スクラップ材およ
び再生アルミニウム地金は、前述のように、新地金に比
較して安価であるから、前記製造方法によれば、平板印
刷版用支持体をより安価に製造できる。
【0031】請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の
何れか1項に記載の平版印刷版用支持体の製造方法によ
り製造されたことを特徴とする平版印刷版用支持体に関
する。
【0032】前記平板印刷版用支持体における粗面化処
理が施された側の面に、感光性または感熱性の製版層を
形成することにより、過酷インキ汚れ、ブラン汚れ、ポ
ツ汚れなどが発生することがなく、耐刷性に優れた平板
印刷原版が得られる。
【0033】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載
の平版印刷版用支持体における粗面化処理された側の面
に、感光性または感熱性の製版層を形成してなることを
特徴とする平版印刷原版に関する。
【0034】前記平板印刷原版は、過酷インキ汚れ、ブ
ラン汚れ、ポツ汚れなどが発生することがなく、耐刷性
に優れている。
【0035】
【発明の実施の形態】1.アルミニウム板 本発明において使用されるアルミニウム板としては、前
記アルミニウム等から形成されたシートまたは板材のほ
か、スクラップ材および再生アルミニウム地金などから
形成されたシートまたは板材が挙げられる。
【0036】前記アルミニウム等としては、たとえばJ
IS A−1050材、JIS A−1100材などの
純アルミニウム材、およびJIS A−3003材、J
ISA−3103材、JIS A−5005材などのア
ルミニウム合金材などが挙げられる。
【0037】前記再生アルミニウム地金は、前述のよう
に、Fe、Si、Cu、Mg、Mn、Zn、Cr、およ
びTiなどの各種の元素を含んでいてもよいが、アルミ
ニウムの含有量が99.4〜95重量%の範囲であるこ
とが好ましい。
【0038】Feの含有率は0.3〜1.0重量%であ
るのが好ましい。Feは新地金においても0.1〜0.
2重量%前後含有される元素で、アルミニウム中に固溶
する量は少なく、殆どが金属間化合物として残存する。
Feの含有率が前記範囲であるアルミニウム板は、圧延
途中に割れが発生し難く、しかも安価であるから好まし
い。より好ましいFeの含有率は0.5〜1.0重量%
である。
【0039】Siの含有率は0.15〜1.0重量%で
あるのが好ましい。SiはJIS2000系、4000
系、6000系材料のスクラップに多く含まれる元素で
ある。また、新地金においても0.03〜0.1重量%
前後含有される元素であり、アルミニウム中に固溶した
状態、または、金属間化合物として存在する。Siが過
剰に含まれているアルミニウム地金を加熱すると、固溶
していたSiが単体Siとして析出することがある。F
eSi系の金属間化合物と単体Siとは耐過酷インキ汚
れ性に悪影響を与えることが知られている。しかし、S
iの含有率が前記範囲内であれば、たとえ前記金属間化
合物および単体Siが表面に析出しても、後述する硫酸
による処理(デスマット処理工程)で充分に除去できる
から、耐過酷インキ汚れ性などの点で問題が生じること
はなく、また、コスト的にも有利である。より好ましい
Siの含有率は0.3〜1.0重量%である。
【0040】Cuの含有率は0.1〜1.0重量%であ
るのが好ましい。CuはJIS2000系、4000系
材料のスクラップに多く含まれる元素であり、比較的ア
ルミニウムに中に固溶しやすい。Cuの含有率が前記範
囲内であれば、前記デスマット処理により充分に除去で
き、また、コスト面でも有利である。より好ましいCu
の含有率は0.3〜1.0重量%である。
【0041】Mgの含有率は0.1〜1.5重量%であ
るのが好ましい。MgはJIS2000系、3000
系、5000系、7000系材料のスクラップに多く含
まれる元素である。特にcan end材に多く含まれ
るため、スクラップ材に含まれる主要な不純物金属の1
つである。Mgも比較的アルミニウム中に固溶しやす
く、Siと金属間化合物を形成する。しかし、Mgの含
有率が前記範囲内であれば、前記金属間化合物は、前記
デスマット処理で容易に除去できるから、たとえスクラ
ップ材や再生アルミニウム地金を圧延したアルミニウム
板を用いた場合においても、所謂バージン材から作製し
た平版印刷原版とほぼ同様の性能を有する平版印刷原版
が得られる。より好ましいMgの含有率は0.5〜1.
5重量%で、さらに好ましくは1.0〜1.5重量%で
ある。
【0042】Mnの含有率は0.1〜1.5重量%であ
るのが好ましい。MnはJIS3000系材料のスクラ
ップに多く含まれる元素である。特にcan body
材に多く含まれるため、スクラップ材に含まれる主要な
不純物金属の1つである。Mnも比較的アルミニウム中
に固溶しやすく、AlFeSiと金属間化合物を形成す
る。しかし、Mnの含有率が前記範囲内であれば、Si
およびMgのところで述べたのと同様の理由から好まし
い。より好ましいMnの含有率は0.5〜1.5重量
%、さらに好ましくは1.0〜1.5重量%である。
【0043】Znの含有率は0.1〜0.5重量%であ
るのが好ましい。Znは、特にJIS7000系のスク
ラップに多く含まれる元素であり、比較的アルミニウム
中に固溶しやすい。しかし、Znの含有率が前記範囲内
であれば、前記デスマット処理により、容易に除去でき
るから、所謂バージン材から作製した平版印刷原版とほ
ぼ同様の性能を有するものが安価に得られる点で好まし
い。より好ましいZnの含有率は0.3〜0.5重量%
である。
【0044】Crの含有率は0.01〜0.1重量%で
あるのが好ましい。CrはJIS5000系、6000
系、7000系のスクラップに少量含まれる不純物金属
である。Crの含有率が前記範囲内であれば、前記デス
マット処理により充分除去できるから、耐過酷インキ汚
れ性などの点で問題になることはない。また、コスト的
にも有利である。より好ましいCrの含有率は0.05
〜0.1重量%である。
【0045】Tiの含有率は0.03〜0.5重量%で
あるのが好ましい。Tiは通常結晶微細化材として0.
01〜0.04重量%添加される元素である。JIS5
000系、6000系、7000系のスクラップには不
純物金属として比較的多めに含まれる。Tiの含有率が
前記範囲内であれば、CrおよびZnのところで述べた
のと同様の理由から好ましい。より好ましいTiの含有
率は0.05〜0.5重量%である。
【0046】本発明で用いるアルミニウム板は、例え
ば、前記アルミニウム等、スクラップ材、または再生ア
ルミニウム地金を常法で鋳造した鋳塊に、適宜圧延処理
や熱処理を施し、厚さ0.1〜0.7mmまで圧延し、
必要に応じて平面性矯正処理を施して製造される。
【0047】なお、前記アルミニウム等、スクラップ
材、再生アルミニウム地金の鋳造方法としては、DC鋳
造法、DC鋳造法において均熱処理および焼鈍処理の少
なくとも一方を省略した方法、および連続鋳造法を用い
ることができる。
【0048】前記アルミニウム板は、帯状の薄板の連続
体であるアルミニウムウェブであってもよいし、最終製
品である平版印刷原版のサイズに予め切断された枚葉状
のシートであってもよい。
【0049】2.粗面化工程および陽極酸化工程 本発明の平板印刷版用支持体の製造方法は、前記アルミ
ニウム板の表面を粗面化する粗面化工程のみを有しても
よく、前記粗面化工程に加えて、前記粗面化工程におい
て粗面化されたアルミニウム板の表面を陽極酸化処理す
る陽極酸化工程を有していてもよい。
【0050】前記粗面化工程に加えて陽極酸化工程を有
する場合には、粗面化工程と陽極酸化工程とにおいてド
ライアイス粒子の噴射を行うことが好ましい。
【0051】前述のように、粗面化工程においては、通
常、アルミニウム板に、機械的粗面化処理、エッチング
処理、および電解粗面化処理の少なくとも1種の粗面化
処理を施す。
【0052】前記アルミニウム板に、機械的粗面化処理
を施し、次いで、エッチング処理、電解粗面化処理の順
に粗面化処理を施すことが好ましいが、前記機械的粗面
化処理を省略してもよい。また、エッチング処理の後に
デスマット処理を行なってもよい。
【0053】更に、前記電解粗面化処理を施したアルミ
ニウム板に2回目のエッチング処理を施してもよい。2
回目のエッチング処理を施す場合には、1回目および2
回目のエッチング処理の後にデスマット処理を行なって
も良い。
【0054】更に、前記アルミニウム板に、1回目のエ
ッチング処理およびデスマット処理を施し、次いで、予
備の電解粗面化処理を施し、その後、2回目のエッチン
グ処理およびデスマット処理を施し、電解粗面化処理を
施し、最後に3回目のエッチング処理およびデスマット
処理を施してもよい。
【0055】前記粗面化工程において粗面化処理を1回
だけ行なう場合には、前記粗面化処理の後にドライアイ
ス粒子を噴射することが好ましい。
【0056】一方、前記粗面化工程において2回以上の
粗面化処理を行なう場合には、最後の粗面化処理の後に
ドライアイス粒子を噴射してもよいが、各粗面化処理の
後にドライアイス粒子を噴射することが好ましい。ま
た、エッチング処理の後にデスマット処理を行なう場合
には、エッチング処理の後とデスマット処理の後とにド
ライアイス粒子を噴射することが好ましい。
【0057】前記陽極酸化工程においては、前記粗面化
工程で粗面化したアルミニウム板を陽極酸化処理した
後、陽極酸化皮膜を親水化する親水化処理を施したり、
前記陽極酸化皮膜の細孔を塞ぐ封孔処理を施したりして
もよい。
【0058】前記陽極酸化工程において親水化処理また
は封孔処理などの後処理を行なう場合には、前記親水化
処理または封孔処理の後にドライアイス粒子を噴射する
ことが好ましい。
【0059】(1)ドライアイス粒子噴射 ドライアイス粒子としては、ドライアイス粉末およびド
ライアイスペレットの何れも使用できる。ドライアイス
粒子の平均粒子径は、1〜1000μmの範囲が好まし
く、特に10〜100μmの範囲が好ましい。
【0060】ドライアイス粒子噴射は、たとえば図1に
示すドライアイス粉末噴射装置100を用いて行なうこ
とができる。
【0061】図1に示すように、ドライアイス粉末噴射
装置100は、液化炭酸を急激に膨張させてドライアイ
ス粉末に変化させる膨張室Aと、膨張室Aに液化炭酸を
供給する炭酸ガスボンベBと、膨張室Aで生成したドラ
イアイス粉末を噴射するドライアイス噴射ノズルCと、
前記ドライアイス噴射ノズルCに窒素ガスを供給する窒
素ガスボンベDとを備える。
【0062】炭酸ガスボンベBと膨張室Aとは液化炭酸
供給管路B2で接続され、膨張室Aとドライアイス噴射
ノズルCとは、ドライアイス粉末吸出し管路A2で接続
されている。一方、窒素ガスボンベDとドライアイス噴
射ノズルCとの間には、窒素ガス供給管路D2が設けら
れている。
【0063】液化炭酸供給管路B2および窒素ガス供給
管路D2には、それぞれ減圧弁B4およびD4が設けら
れている。
【0064】ドライアイス噴射ノズルCの構成の詳細を
図2に示す。図2に示すように、ノズルCは、前記ドラ
イアイス粉末を噴射する略円筒状のドライアイス噴射管
C2と、ドライアイス噴射管C2の一端に連続して形成
され、S字状に屈曲し、ドライアイス噴射管C2の内径
よりも大きな内径を有する拡大部が内部に形成されたエ
ジェクタC4と、エジェクタC4内部に先端部が貫入し
たドライアイス供給管C6とを備える。
【0065】エジェクタC4におけるドライアイス噴射
管C2に連続する側の端部においては、拡大部は、内径
が円錐状に縮小し、ドライアイス噴射管C2の内壁に連
続する縮径部C8を形成している。
【0066】ドライアイス供給管C6は、全体として略
円筒状であり、先端には、ドライアイス噴射管C2の内
径よりも僅かに小さな外径を有する円筒状の小径部C1
0が形成されている。小径部C10は、噴射管2の内壁
面における縮径部C8近傍の部分に、ドライアイス噴射
管C2に対して同心に延在している。したがって、小径
部C10と、エジェクタC4における縮径部C8および
ドライアイス噴射管C2の内壁面との間には、円筒状の
狭小な隙間が形成される。
【0067】エジェクタC4におけるドライアイス噴射
管C2に連続する側とは反対側の端部には、窒素ガス供
給管路D2が接続され、ドライアイス供給管C6におけ
るドライアイス粉末を噴射する側とは反対側の端部に
は、ドライアイス粉末吸出し管路A2が接続されてい
る。ドライアイス供給管C6とドライアイス粉末吸出し
管路A2との間、およびエジェクタC4と窒素ガス供給
管路D2との間との間には、それぞれロータリージョイ
ントC12およびC14が介装されている。ロータリー
ジョイントC12およびC14により、ドライアイス供
給管C6とドライアイス粉末吸出し管路A2、およびエ
ジェクタC4と窒素ガス供給管路D2とは、互いに回転
可能に結合されている。
【0068】ドライアイス粉末噴射装置100の作用に
ついて以下に説明する。
【0069】炭酸ガスボンベBから膨張室Aに液化炭酸
を供給すると、前記液化炭酸は、膨張室A内で急激に膨
張して半分が雪状のドライアイス粉末になり、残りが気
化する。そして、前記ドライアイス粉末は、膨張室A内
に蓄積する。炭酸ガスボンベBからの膨張室Aへの液化
炭酸の供給量は、ドライアイス噴射ノズルC1個当たり
0.1〜1kg/分の範囲が好ましく、供給圧力は、1
〜20MPaが好ましい。
【0070】一方、窒素ガスボンベDからドライアイス
噴射ノズルCに窒素ガスを供給すると、前記窒素ガス
は、ドライアイス供給管C6における小径部C10と、
エジェクタC4における縮径部C8およびドライアイス
噴射管C2の内壁面との間の狭小な隙間を高速で流通
し、ドライアイス噴射管C2の先端から外部に噴射され
る。これにより、ドライアイス噴射管C2の内部におけ
る小径部C10の先端近傍に減圧部が形成されるから、
膨張室A内部のドライアイス粉末は、ドライアイス粉末
吸出し管路A2およびドライアイス供給管C6を通って
ドライアイス噴射管C2の内部に吸い出される。そし
て、前記窒素ガスの流れに乗ってドライアイス噴射管C
2の先端から外部に噴射される。
【0071】前記ドライアイス粉末噴射装置100にお
いて平均粒径1000μm程度のドライアイスペレット
を噴射するときは、ドライアイス粉末をペレット化して
ドライアイスペレットにするペレタイザを膨張室Aに設
け、前記ペレタイザで得られたドライアイスペレットを
ドライアイス噴射ノズルCから噴射することが好まし
い。
【0072】ドライアイス噴射ノズルCからアルミニウ
ム板に前記ドライアイス粉末を噴射する圧力は、1〜2
0MPaが好ましい。また、ドライアイス噴射ノズルC
の先端から洗浄しようとするアルミニウム板までの間隔
は、1〜100mmが好ましく、特に10〜50mmの
範囲が好ましい。
【0073】(2)粗面化処理 (2−1)機械的粗面化処理 機械的粗面化処理においては、前記アルミニウム板の一
方または両方の面を、円柱状の胴の表面に、ナイロン
(商標名)、プロピレン、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂
からなる合成樹脂毛などのブラシ毛を多数植設したロー
ラ状ブラシを用いて擦って粗面化することが一般的であ
る。但し、表面に研磨層を設けたローラである研磨ロー
ラを使用してもよい。
【0074】前記ローラ状ブラシにおけるブラシ毛の長
さは、前記ローラ状ブラシの外径および胴の直径に応じ
て適宜定めることができるが、一般的には、10〜10
0mmの範囲である。
【0075】研磨材としては、珪砂およびパミスストー
ンが使用されるが、珪砂は、パミスストーンに比較して
硬く、壊れ難いので、アルミニウム板の表面を非常に効
率良く目立てできるから好ましい。
【0076】前記研磨材の平均粒径は、粗面化効率が高
く、しかも砂目立てピッチが狭くできる点から、3〜4
0μmの範囲が好ましく、特に、10〜30μmの範囲
が好ましい。
【0077】前記研磨材は、例えば水中に懸濁させた研
磨スラリー液として使用できる。前記研磨スラリー液に
は、他に、増粘剤、界面活性剤等の分散剤、および防腐
剤等を配合してもよい。
【0078】前記ローラ状ブラシを用いた機械的粗面化
装置の一例を図3に示す。
【0079】図3に示す機械的粗面化装置110は、本
発明におけるアルミニウム板の一例であるアルミニウム
ウェブWが搬送される経路である搬送面Tの上方に配設
され、前記アルミニウムウェブWの上面を粗面化する3
本のローラ状ブラシ2A、2B、および2Cと、ローラ
状ブラシ2A、2B、および2Cのそれぞれに対し、前
記搬送面Tを挟んで反対側に2個づつ設けられ、アルミ
ニウムウェブWを下方から支持する支持ローラ4A、4
A’、4B、4B’、4C、および4C’と、上面が開
口した箱状であり、ローラ状ブラシ2A、2B、2C、
および支持ローラ4A、4A’、4B、4B’、4C、
4C’を収容する筐体8とを備えている。
【0080】ローラ状ブラシ2A、2B、および2Cの
それぞれにおけるアルミニウムウェブWの搬送方向tに
対して上流側(以下、単に「上流側」という。)には、
アルミニウムウェブWの上面に前記珪砂のスラリーであ
る研磨材スラリーを供給するスラリー供給管6A、6
B、および6Cが設けられている。
【0081】ローラ状ブラシ2A,2B、2Cの回転速
度は、100〜1000回転/分程度が好ましく、又、
回転方向は、アルミニウムウェブWにおける研磨面にお
いて、アルミニウムウェブWの搬送方向tと同方向であ
っても反対方向であってもよい。
【0082】また、ローラ状ブラシ2A、2B、および
2Cのそれぞれには、ローラ状ブラシ2A、2B、およ
び2Cを上下方向に移動させるブラシ移動機構(図示せ
ず。)を設けてもよい。前記ブラシ移動機構を設けるこ
とにより、前記ローラ状ブラシ2A、2B、および2C
のアルミニウムウェブWへの押圧力が調節できる。
【0083】筐体8の上方における上流側には、機械的
粗面化装置110に向かって搬送されたアルミニウムウ
ェブWを筐体8の内部に導く1対の入口側ニップローラ
10が設けられ、下流側には、ローラ状ブラシ2A、2
B、および2Cで粗面化されたアルミニウムウェブWを
筐体8の外部に導く1対の出口側ニップローラ12が設
けられている。また、ローラ状ブラシ2Aの上流側に
は、入口側ニップローラ10により筐体8の内部に導か
れたアルミニウムウェブWをローラ状ブラシ2Aと支持
ローラ4Aとの間に導く上流側ガイドローラ14が設け
られ、ローラ状ブラシ2Cの下流側には、ローラ状ブラ
シ2A、2B、および2Cで粗面化されたアルミニウム
ウェブWを出口側ニップローラ12に導く下流側ガイド
ローラ16が設けられている。なお、出口側ニップロー
ラ12は、アルミニウムウェブWに付着した研磨材スラ
リーを切り、後述するドライアイス洗浄装置120に前
記研磨材スラリーが大量に持ち込まれるのを防止する機
能も有する。
【0084】筐体8の下方には、スラリー供給管6A、
6B、および6Cから供給された研磨材スラリーを回収
するスラリー回収槽18が設けられている。筐体8の底
面には、前記研磨材スラリーをスラリー回収槽18に落
下させるスラリー回収管路20が接続されている。
【0085】スラリー回収槽18の底面近傍には、スラ
リー回収槽18中の研磨材スラリーをスラリー供給管6
A、6B、6Cに供給するスラリー供給管路22が接続
されている。スラリー供給管路22にはポンプP1が介
装されている。
【0086】機械的粗面化装置110には、更に、スラ
リー回収槽18中の研磨材スラリーに含まれる研磨材の
平均粒径が一定になるように調整する粒子径調整部24
が設けられている。
【0087】粒子径調整部24は、前記研磨材スラリー
から粒径の小さな粒子を分離して除去するサイクロンな
どの分級器26と、スラリー回収槽18中の研磨材スラ
リーを分級器26に導入する管路28と、分級器26で
分級された研磨材のうち粒径の大きな方をスラリー回収
槽18に戻すスラリー戻し管路30と、前記研磨材のう
ち粒径の小さな方を排出するスラリー排出管路32とを
備える。なお、管路28にはポンプP2が介装されてい
る。
【0088】スラリー回収槽18には、更に、内部の研
磨材スラリーを攪拌して研磨材が沈殿しないようにする
攪拌機34が設けられている。
【0089】機械的粗面化装置110の搬送方向tに対
して下流側(以下、単に「下流側」という。)には、機
械的粗面化装置110で機械的粗面化処理されたアルミ
ニウムウェブWの表面をドライアイス粒子で洗浄するド
ライアイス洗浄装置120が配設されている。
【0090】ドライアイス洗浄装置120は、内部をア
ルミニウムウェブWが通過する筐体36と、筐体36の
内部に配設され、アルミニウムウェブWの両面にドライ
アイス粒子を噴射するドライアイス噴射ノズルCとを有
する。
【0091】ドライアイス噴射ノズルCは、図1に示す
ように、ドライアイス粉末噴射装置100に接続されて
いる。詳細な構成は、図2に示す通りである。
【0092】ドライアイス噴射ノズルCは、ドライアイ
ス噴射管C2の先端がアルミニウムウェブWに向くよう
に配設されている。ドライアイス噴射ノズルCは、図4
に示すように、搬送方向tに対する角度θがある一定の
角度、例えば45℃である仮想線に沿って1列または2
列以上に配列することができる。なお、図4において、
前記仮想線を1点鎖線で示す。図4に示すようにドライ
アイス噴射ノズルCを配列すれば、図5に示すように、
ドライアイス噴射管C2からアルミニウムウェブWに噴
射されたドライアイス粒子の噴射パターンBpが互いに
重なるから、前記アルミニウムウェブWの表面に、幅方
向の洗浄むらが生じ難い故に好ましい。
【0093】筐体36の上面には、アルミニウムウェブ
Wに噴射されたドライアイス粒子が昇華して生じた炭酸
ガスを外部に排出する排気ダクト36Aが設けられ、筐
体36の底面には、アルミニウムウェブWの表面から除
去された研磨材スラリーを外部に排出する排液管36B
が設けられている。
【0094】(2−2)エッチング処理 前記エッチング処理は、通常、前記アルミニウム板をア
ルカリ剤に接触させることにより行なわれる。
【0095】アルミニウム板をアルカリ剤に接触させる
方法としては、例えば前記アルカリ剤を収容する槽中に
前記アルミニウム板を連続的に通過させる方法、前記ア
ルカリ剤を収容する槽中に前記アルミニウム板を浸漬す
る方法、および前記アルカリ剤を前記アルミニウム板の
表面に噴霧する方法などがある。
【0096】前記アルカリ剤としては、苛性アルカリお
よびアルカリ金属塩の溶液等が挙げられる。前記溶液に
おける苛性アルカリおよびアルカリ金属塩の濃度は0.
01〜30重量%が好ましく、温度は20〜90℃の範
囲が好ましい。
【0097】苛性アルカリとしては、苛性ソーダおよび
苛性カリ等が挙げられる。
【0098】前記アルカリ金属塩としては、メタ珪酸ソ
ーダ、珪酸ソーダ、メタ珪酸カリ、および珪酸カリ等の
アルカリ金属珪酸塩、炭酸ソーダおよび炭酸カリ等のア
ルカリ金属炭酸塩、アルミン酸ソーダおよびアルミン酸
カリ等のアルカリ金属アルミン酸塩、グルコン酸ソーダ
およびグルコン酸カリ等のアルカリ金属アルドン酸塩、
並びに第二燐酸ソーダ、第二燐酸カリ、第三燐酸ソー
ダ、および第三燐酸カリ等のアルカリ金属燐酸水素塩等
が挙げられる。前記アルカリ剤としては、エッチング速
度が速い点および安価である点から、苛性アルカリの溶
液、および前記苛性アルカリとアルカリ金属アルミン酸
塩との溶液が特に好ましい。
【0099】エッチング量は、0.1〜20g/m2
範囲が好ましく、1〜15g/m2の範囲が特に好まし
く、2〜10g/m2の範囲が最も好ましい。エッチン
グ時間は、1〜180秒の範囲が好ましい。エッチング
量およびエッチング時間が前記範囲内であれば、機械的
粗面化処理で平版印刷版用支持体の表面に形成された凹
凸が適度に残存するから、非画像部における保水性が高
く、非画像部にインキが付着して所謂ブラン汚れなどの
外観不良を生じさせることのない平版印刷原版が作製で
きる平版印刷版用支持体が得られる。
【0100】前記エッチング処理は、アルミニウム板の
エッチング処理に通常に使用されるエッチング槽を用い
て行うことができる。前記エッチング槽としては、バッ
チ式および連続式の何れも使用できる。また、前記エッ
チング槽の代わりに、前記アルカリ剤をアルミニウム板
に噴霧する噴霧装置を用いてもよい。なお、前記エッチ
ング槽または噴霧装置の下流側に、「(2−1)機械的
粗面化」のところで述べたドライアイス洗浄装置120
と同様のドライアイス洗浄装置を設け、前記エッチング
処理においてアルミニウム板の表面に付着したアルカリ
剤を、ドライアイス粒子を噴射することにより、除去す
ることが好ましい。
【0101】(2−3)電解粗面化処理 電解粗面化処理としては、酸性溶液中において前記アル
ミニウム板に直流または交流を印加して前記アルミニウ
ム板を電解する処理が挙げられるが、前記アルミニウム
板に交流を印加する交流電解粗面化が一般的である。
【0102】上記交流電解粗面化においては、酸性水溶
液中で、アルミニウム板を電極として交流電流を通じて
電解し、前記アルミニウム板の表面を粗面化する。
【0103】前記交流電解粗面化に用いる交流電流の波
形は、サイン波、矩形波、三角波、台形波等が挙げら
れ、この中でも矩形波および台形波が好ましい。
【0104】前記交流電流の周波数は、電源装置を製作
するコストの観点から30〜200Hzが好ましく、4
0〜120Hzがより好ましい。
【0105】前記交流電流におけるアノード反応時間t
a、カソード反応時間tc、電流値が0から正または負
のピークに達するまでの時間tpは、前記交流電流が台
形波である場合において、0.1〜2msecが好まし
く、0.3〜1.5msecがより好ましい。上記時間
tpが0.1msec以上であれば、電源回路のインピ
ーダンスの影響が少なく、電流波形の立ち上がり時に大
きな電源電圧が不要であるから、電源の設備コストが安
価である。また、上記時間tpが2msec以下であれ
ば、酸性水溶液中の微量成分の影響は無視できる程度で
あり、均一な粗面化処理が行なわれる。
【0106】一方、前記交流電流におけるアノードサイ
クル側のピーク時の電流Iap、および、カソードサイ
クル側のピーク時の電流Icpは、ともに10〜200
A/dm2が好ましい。また、Icp/Iapは、0.
9〜1.5の範囲内にあることが好ましい。
【0107】上記粗面化処理工程において、電気化学的
な粗面化が終了した時点でのアルミニウム板のアノード
反応にあずかる電気量の総和は、1〜500クーロン/
dm 2が好ましい。
【0108】前記交流電解粗面化においては、アルミニ
ウム板が陽極となる時における電気量、即ち陽極時電気
量QAと、陰極となる時における電気量、即ち陰極時電
気量QCとの比QC/QAが0.9〜1の範囲内であれ
ば、該アルミニウム板表面にハニカム状の細孔であるハ
ニカムピットを均一に形成することができるから好まし
い。特に、上記QC/QAが0.95〜0.99の範囲
内であれば好ましい。
【0109】前記交流電解粗面化において用いられる交
流電流のdutyは、アルミニウム板表面を均一に粗面
化する点から0.25〜0.5の範囲内が好ましく、電
源装置の製作上の都合からは0.5が最も好ましい。本
発明でいうdutyとは、交流電流の周期Tにおいて、
アルミニウム板が陽極反応する時間(アノード反応時
間)をtaとしたときのta/Tをいう。特に、カソー
ド反応時のアルミニウム板表面には、水酸化アルミニウ
ムを主体とするスマット成分が生成し、更に、酸化被膜
の溶解や破壊が発生することがある。そして、前記酸化
皮膜の溶解や破壊が生じると、前記溶解や破壊が生じた
部分は、次のアルミニウム板のアノード反応時における
ピッティング反応の開始点となる。したがって、交流電
流のdutyの選択は均一な交流電解粗面化を行なう点
から特に重要である。
【0110】なお、前記交流電解粗面化において、交流
電流の流れない時間を1回以上設け、前記時間を0.0
01秒以上0.6秒未満とすれば、前記ハニカムピット
がアルミニウム板の表面全体に均一に形成されるから好
ましい。
【0111】本発明に用いる酸性水溶液としては、通常
の直流電流または交流電流を用いた電機化学的な粗面化
処理に用いるものを使用でき、その中でも硝酸を主体と
する酸性水溶液を用いることが好ましい。ここで、本発
明でいう「主体とする」とは、水溶液中に主体となる成
分が、成分全体に対して、30質量%以上、好ましくは
50質量%以上含まれていることをいう。以下、他の成
分においても同様である。
【0112】上記硝酸を主体とする酸性水溶液として
は、上述の通り、通常の直流電流または交流電流を用い
た電気化学的な粗面化処理に用いるものを使用でき、例
えば、硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモ
ニウム等の硝酸化合物のうち1つ以上を、0.01g/
リットルから飽和に達するまで、硝酸濃度5〜15g/
リットルの硝酸水溶液に添加して使用することができ
る。上記硝酸を主体とする酸性水溶液中には、Fe、S
i、Cu、Mg、Mn、Zn、Cr、およびTi等のア
ルミニウム板中に含まれる金属等が溶解されていてもよ
い。
【0113】上記硝酸を主体とする酸性水溶液として
は、硝酸と、アルミニウム塩と、硝酸塩とを含有し、か
つ、アルミニウムイオンが1〜15g/リットル、好ま
しくは1〜10g/リットル、およびアンモニウムイオ
ンが10〜300ppmとなるように、硝酸濃度5〜1
5g/リットルの硝酸水溶液中に硝酸アルミニウムおよ
び硝酸アンモニウムを添加して得られたものを用いるこ
とが好ましい。なお、上記アルミニウムイオンとアンモ
ニウムイオンとは電気化学的な粗面化処理をおこなって
いる間に自然発生的に増加していくものである。また、
この際の液温は10〜95℃が好ましく、40〜80℃
がより好ましい。
【0114】前記電解粗面化処理においては、縦型、フ
ラット型、およびラジアル型など、各種の電解槽が使用
できる。なお、前記電解槽の下流側に、「(2−1)機
械的粗面化」のところで述べたドライアイス洗浄装置1
20と同様のドライアイス洗浄装置を設け、前記電解粗
面化処理においてアルミニウム板の表面に付着した酸性
水溶液を、ドライアイス粒子を噴射することにより除去
することが好ましい。
【0115】(2−4)デスマット処理 デスマット処理は、前記エッチング処理に前記アルミニ
ウム板の表面に生じたFeなどの酸化物および水酸化物
などを主体とする黒色の粉末であるスマットを除去する
処理である。
【0116】前記デスマット処理は、通常、硫酸、硝
酸、塩酸、燐酸、およびクロム酸のうち、一種以上を含
む酸性水溶液に前記アルミニウム板を浸漬するか、また
は前記アルミニウム板の表面に前記酸性水溶液を噴霧す
ることにより、行うことができる。
【0117】前記酸性水溶液中の酸濃度は、1〜500
g/リットルが好ましい。
【0118】前記酸性水溶液中には、アルミニウムイオ
ンおよび前記アルミニウム板中のFeなどの不純物に由
来する金属イオンが溶解していてもよいが、前記アルミ
ニウムイオンおよび金属イオンの溶解量は、0.1〜1
5g/リットルが好ましい。
【0119】前記酸性溶液の液温は、20〜95℃が好
ましく、とくに30〜80℃が好ましい。
【0120】前記デスマット処理の時間は、1〜180
秒が好ましい。
【0121】前記酸性水溶液としては、前記電解粗面化
処理で使用された酸性水溶液を使用すれば、廃液量を削
減できるから好ましい。
【0122】なお、前記酸性水溶液としては、酸として
主に硫酸を含有する硫酸水溶液、酸として主に硝酸を含
有する硝酸水溶液、および酸として主に塩酸を含有する
塩酸水溶液が特に好ましい。特に、デスマット処理され
たアルミニウム板を陽極酸化処理する場合には、前記デ
スマット処理においては硫酸水溶液を使用することが好
ましい。
【0123】(a)硫酸水溶液 前記硫酸水溶液中の硫酸の濃度は、100〜500g/
リットルが好ましく、特に250〜300g/リットル
が好ましい。液温は、60〜90℃が好ましい。また、
前記酸性水溶液のところで述べたアルミニウムイオンお
よび金属イオンを含有していてもよいが、アルミニウム
イオン濃度は、前記液温において、固形の硫酸アルミニ
ウムが析出しない程度であることが好ましく、具体的に
は、0.1〜15g/リットルの範囲が好ましく、特
に、0.1〜10g/リットルの範囲が好ましい。
【0124】前記硫酸水溶液中におけるデスマット処理
時間は、1〜180秒が好ましい。前記電解粗面化処理
前にデスマット処理を行なう場合には、特に60〜12
0秒の範囲が好ましく、後述する陽極粗面化処理前にデ
スマット処理を行なう場合には、特に1〜10秒の範囲
が好ましい。
【0125】(b)硝酸水溶液 前記硝酸水溶液中の硝酸の濃度は、1〜20g/リット
ルの範囲が好ましい。また、硝酸アルミニウム、硝酸ナ
トリウム、および硝酸アンモニウムから選択される硝酸
塩を1種以上含有していてもよい。前記硝酸塩の含有量
は、1g〜飽和量/リットルが好ましい。更に、前記硝
酸水溶液中には、Fe、Si、Cu、Mg、Mn、Z
n、Cr、およびTiのイオンが含まれていてもよい。
【0126】前記硝酸水溶液としては、硝酸5〜15g
/リットル、アルミニウムイオン5〜15g/リット
ル、アンモニウムイオン10〜300ppmになるよう
に、希硝酸に硝酸アルミニウムおよび硝酸アンモニウム
を添加した溶液が最も好ましい。
【0127】液温は、40〜80℃が好ましく、50〜
70℃が最も好ましい。
【0128】(c)塩酸水溶液 前記塩酸水溶液中の塩酸の濃度は、1〜20g/リット
ルの範囲が好ましい。また、塩化アルミニウム、塩化ナ
トリウム、および塩化アンモニウムから選択される塩化
物を1種以上含有していてもよい。前記塩化物の含有量
は、1g〜飽和量/リットルが好ましい。更に、前記塩
酸水溶液中には、Fe、Si、Cu、Mg、Mn、Z
n、Cr、およびTiのイオンが含まれていてもよい。
【0129】前記塩酸水溶液としては、塩酸5〜15g
/リットル、アルミニウムイオン5〜15g/リット
ル、アンモニウムイオン10〜300ppmになるよう
に、希塩酸に塩化アルミニウムおよび塩化アンモニウム
を添加した溶液が最も好ましい。
【0130】液温は、10〜95℃が好ましく、30〜
50℃が最も好ましい。
【0131】(3)陽極酸化処理 陽極酸化処理においては、前記粗面化処理が施されたア
ルミニウム板を、常法に従って陽極酸化処理する。
【0132】陽極酸化処理においては、たとえば硫酸、
燐酸、蓚酸、クロム酸、およびアミドスルホン酸の少な
くとも1種を含有する電解液中で、前記アルミニウム板
に直流または脈流を印加する。
【0133】陽極酸化処理に使用される電解液として
は、前記電解液のほかに、硫酸、燐酸、蓚酸、クロム
酸、およびアミドスルホン酸の少なくとも1種とアルミ
ニウムイオンとを含有するものも挙げられる。
【0134】電解液における電解質の濃度は、1〜80
重量%の範囲が好ましく、温度は、5〜70℃の範囲が
好ましい。
【0135】陽極酸化処理は、陽極酸化皮膜の量が0.
1〜10g/m2になるように行なうことが、平版印刷
版用支持体の耐磨耗性、ひいては前記平版印刷版用支持
体を支持体とする平版印刷原版の耐久性の点から好まし
く、電流密度は、0.5〜60A/dm2の範囲が好ま
しく、電圧は、1〜100Vの範囲が好ましい。電解時
間は1秒〜5分の範囲が好ましい。
【0136】3.平版印刷原版 本発明の平版印刷原版は、前記平版印刷版用支持体にお
ける機械的粗面化処理等を施した側の表面に感光性樹脂
を含有する感光性樹脂溶液を塗布し、暗所で乾燥するこ
とにより形成できる。
【0137】感光性樹脂溶液の塗布方法としては、回転
塗布法、ワイヤーバー法、ディップ塗布法、エアーナイ
フ塗布法、ロール塗布法、およびブレード塗布法等、従
来公知の方法が挙げられる。
【0138】前記平版印刷版用支持体の機械的粗面化処
理等を施した側の表面に感光性の製版層を形成するに
は、予め、必要に応じて、珪酸ソーダおよび珪酸カリ等
のアルカリ金属珪酸塩の水溶液に浸漬して親水化処理す
るか、または、親水性ビニルポリマーまたは親水性化合
物を塗布して親水性の下塗り層を形成することが好まし
い。
【0139】珪酸ソーダおよび珪酸カリ等のアルカリ金
属珪酸塩の水溶液による親水化処理は、米国特許第2,
714,066号明細書および米国特許第3,181,
461号明細書に記載の方法および手順に従って行なう
ことができ、前記親水性の下塗り層の形成は、特開昭5
9−101651号公報および特開昭60−14949
1号公報に記載された条件および手順にしたがって行な
うことができる。前記親水性ビニルポリマーとしては、
ポリビニルスルホン酸、およびスルホン酸基を有するp
−スチレンスルホン酸等のスルホン酸基含有ビニルモノ
マーと(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の通常の
ビニルモノマーとの共重合体が挙げられ、親水性化合物
としては、NH2基、−COOH基、およびスルホン基
の少なくとも1つを有する化合物が挙げられる。
【0140】前記製版層の形成に使用される感光性樹脂
としては、光が当たると現像液に溶けるようになるポジ
型感光性樹脂、および光が当たると現像液に溶解しなく
なるネガ型感光性樹脂が挙げられる。
【0141】ポジ型感光性樹脂としては、キノンジアジ
ド化合物およびナフトキノンジアジド化合物等のジアジ
ド化合物と、フェノールノボラック樹脂およびクレゾー
ルノボラック樹脂等のフェノール樹脂との組み合わせ等
が挙げられる。
【0142】一方、ネガ型感光性樹脂としては、芳香族
ジアゾニウム塩とホルムアルデヒド等のアルデヒド類と
の縮合物等のジアゾ樹脂、前記ジアゾ樹脂の無機酸塩、
および前記ジアゾ樹脂の有機酸塩等のジアゾ化合物と、
(メタ)アクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、およびポ
リウレタン等の結合剤との組み合わせ、並びに(メタ)
アクリレート樹脂およびポリスチレン樹脂等のビニルポ
リマーと、(メタ)アクリル酸エステルおよびスチレン
等のビニルモノマーと、ベンゾイン誘導体、ベンゾフェ
ノン誘導体、およびチオキサントン誘導体等の光重合開
始剤との組み合わせ等が挙げられる。
【0143】前記感光性樹脂溶液における溶剤として
は、前記感光性樹脂を溶解し、しかも、室温である程度
の揮発性を有する溶剤が挙げられ、具体的には、たとえ
ばアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、
エーテル系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、アミド系
溶剤、および炭酸エステル系溶剤等が挙げられる。
【0144】アルコール系溶剤としては、エタノール、
プロパノール、およびブタノール等が挙げられる。ケト
ン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、およ
びジエチルケトン等が挙げられる。エステル系溶剤とし
ては、酢酸エチル、酢酸プロピル、蟻酸メチル、蟻酸エ
チル等が挙げられる。エーテル系溶剤としては、テトラ
ヒドロフランおよびジオキサン等が挙げられ、グリコー
ルエーテル系溶剤としては、エチルセロソルブ、メチル
セロソルブ、およびブチルセロソルブ等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、ジメチルホルムアミドおよびジ
メチルアセトアミド等が挙げられる。炭酸エステル系溶
剤としては、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエ
チル、および炭酸ジブチル等が挙げられる。
【0145】感光性樹脂の溶液には、更に、各種着色剤
等を配合することができる。前記着色剤としては、通常
の色素のほか、露光により発色する露光発色色素、およ
び露光により殆どまたは完全に無色になる露光消色色素
等が使用できる。前記露光発色色素としては、たとえば
ロイコ色素等が挙げられる。一方、前記露光消色色素と
しては、トリフェニルメタン系色素、ジフェニルメタン
系色素、オキザジン系色素、キサンテン系色素、イミノ
ナフトキノン系色素、アゾメチン系色素、およびアント
ラキノン系色素等が挙げられる。
【0146】また、前記平版印刷版支持体に、感熱性樹
脂を主成分とする溶液を塗布して乾燥し、感熱性の製版
層を形成してもよい。
【0147】前記平版印刷原版を、必要に応じて適宜の
大きさに裁断した後、露光および現像を行うか、レーザ
光線を照射して印刷画像を直接書き込むかして製版す
る。
【0148】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説
明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施例の範囲に
は限定されることはない。
【0149】(実施例1) 《平版印刷版用支持体の作製》表1に示す組成を有する
アルミニウム合金の溶湯を、脱ガスし、濾過した後、D
C鋳造法で鋳塊を製造した。
【0150】前記鋳塊の表面を10mm削り取り、前記
鋳塊を過熱し、均熱処理を行なうことなく、400℃で
熱間圧延し、板圧が4mmのアルミニウム合金板を得
た。
【0151】次いで、前記アルミニウム合金板を、厚み
が1.5mmになるまで冷間圧延し、焼鈍処理を行なっ
た後、再度冷間圧延を行なって厚みを0.24mmまで
減少させ、平面性を矯正してアルミニウムウェブを得
た。
【0152】
【表1】
【0153】前記アルミニウムウェブに、 (1)機械的粗面化処理、 (2)第1回目のエッチング処理 (3)第1回目のデスマット処理 (4)予備的な電解粗面化処理 (5)第2回目のエッチング処理 (6)第2回目のデスマット処理 (7)電解粗面化処理 (8)第3回目のエッチング処理 (9)第3回目のデスマット処理 (10) 陽極酸化処理 を順次施した。前記処理(1)〜処理(10)のそれぞ
れが終了する毎に、ニップローラで処理液を切り、図3
に示すドライアイス洗浄装置120を用いて前記アルミ
ニウムウェブの両面にドライアイス粉末を噴射してドラ
イアイス洗浄した。
【0154】前記ドライアイス洗浄により生じた廃液
は、ドライアイスが気化した後に、前記ドライアイス洗
浄の直前の工程に戻して再利用した。
【0155】前記ドライアイス洗浄においては、平均粒
径が30μmのドライアイス粉末を用いた。
【0156】ドライアイス洗浄装置120においては、
ドライアイス噴射管C2の先端からアルミニウムウェブ
の表面までの距離が20mmになるように、50mmの
取り付けピッチで、図4に示すように、前記アルミニウ
ムウェブの表面に対して平行であり、アルミニウムウェ
ブの搬送方向tに対して45°の角度を成す仮想線に沿
ってドライアイス噴射ノズルCを筐体36の内部に2列
に固定した。
【0157】前記処理(1)〜処理(10)は、以下の
条件に従って行なった。
【0158】(1)機械的粗面化処理 研磨材スラリーとして、比重1.12の珪砂(平均粒径
25μm)を水に懸濁させた懸濁液を用い、図3に示す
機械的粗面化装置110を用いて機械的粗面化を行なっ
た。
【0159】ローラ状ブラシ2A、2B、および2Cと
しては、長さ50mm、直径0.48mmの6・10ナ
イロンの毛を、直径300mmのステンレス鋼製ローラ
の表面に孔を開けて密になるように植設したものを用い
た。
【0160】一方、支持ローラ4A、4A’、4B、4
B’、4C、4C’としては、直径200mmのステン
レス鋼製ローラを用いた。そして、支持ローラ4Aと支
持ローラ4A’、支持ローラ4Bと支持ローラ4B’、
および支持ローラ4Cと支持ローラ4C’との中心間の
距離が何れも300mmになるように、支持ローラ4
A、4A’、4B、4B’、4C、4C’を配設した。
【0161】ローラ状ブラシ2A、2B、および2C
は、機械的粗面化後のアルミニウムウェブの平均表面粗
さが0.45μmになるような圧力で前記アルミニウム
ウェブに押し付け、粗面化面における回転方向が前記ア
ルミニウムウェブWの搬送方向tと同方向になるように
回転させた。ローラ状ブラシ2A、2B、および2Cを
押し付ける圧力は、ローラ状ブラシ2A、2B、および
2Cを回転させる駆動モータの負荷に基づいて制御し
た。
【0162】なお、前記研磨材スラリーの温度と比重と
から前記研磨材スラリー中の珪砂の濃度を連続的に求
め、前記濃度が一定になるように、水および珪砂をスラ
リー回収槽18に補充しつつ、機械的粗面化を行なっ
た。また、機械的粗面化において粉砕され、細粒化した
珪砂は、粒子径調整部24における分級器26で除去
し、前記研磨材スラリー中の珪砂の粒度分布がほぼ一定
になるようにした。なお、分級希26としては、サイク
ロンを用いた。
【0163】(2)第1回目のエッチング処理 苛性ソーダおよびアルミニウムイオンをそれぞれ27重
量%および6.5重量%含有し、液温が70℃のアルカ
リ性水溶液をアルカリ剤として用い、前記アルミニウム
ウェブにおける前記機械的粗面化を施した側の面の溶解
量が8g/m2であり、前記面とは反対側の面の溶解量
が2g/m2になるように、前記アルミニウムウェブの
両面に前記アルカリ性水溶液を吹付けた。
【0164】前記アルカリ性水溶液の温度、比重、およ
び導電率と、苛性ソーダおよびアルミニウムイオンの濃
度との関係を予め求めておき、前記アルカリ性水溶液の
温度、比重、および導電率を測定して前記測定結果に基
づいて苛性ソーダおよびアルミニウムイオンの濃度を求
め、前記濃度が一定になるように、水と48重量%苛性
ソーダ溶液とを補充しつつ、前記エッチング処理を行な
った。
【0165】(3)第1回目のデスマット処理 前記エッチング処理を施したアルミニウムウェブに、液
温が70℃であり、硫酸を300g/リットル含有し、
アルミニウムイオンを2g/リットル含有する硫酸水溶
液をスプレーで2秒間吹き付けた。
【0166】(4)予備的な電解粗面化処理 塩酸の濃度が7.5g/リットルになり、アルミニウム
イオンの濃度が5g/リットルになるように、希塩酸に
塩化アルミニウムを配合した塩酸水溶液中で、前記アル
ミニウムウェブに交流を印加して交流電解粗面化を行っ
た。前記塩酸水溶液の液温は35℃であった。
【0167】前記交流電解粗面化においては、内部に、
前記アルミニウムウェブを巻き掛けるドラムを有し、前
記ドラムを取り囲むように形成され、絶縁体によって円
筒状に結合された一対の半円筒状の電極を有し、底部に
給液ノズルを設けたラジアル型の交流電解槽を用いた。
【0168】前記交流電解粗面化は、前記アルミニウム
ウェブが前記交流電解槽を通過するまでに、アノード反
応に与る電気量が200クーロン/dm2になるように
行った。
【0169】前記交流電解槽に印加した交流は、周波数
が60Hzであり、電流値が0から正または負のピーク
に達するまでの時間tpが0.8msecである台形波
であり、アノードサイクル側のピーク時の電流Iap、
および、カソードサイクル側のピーク時の電流Icp
は、ともに50A/dm2であり、Icp/Iapは、
1.0であった。dutyは0.5であった。
【0170】前記交流電解槽における電解休止時間は、
給液ノズル部分においては0.5秒であり、絶縁体にお
いては0.017秒であった。
【0171】前記交流電解槽においては、塩酸水溶液中
の塩酸およびアルミニウムイオンの濃度と、前記塩酸水
溶液の温度、導電率、および超音波伝播速度との関係を
予め求め、前記交流電解槽中の塩酸水溶液の温度、導電
率、および超音波伝播速度を測定して塩酸およびアルミ
ニウムイオンの濃度を求め、前記濃度が一定になるよう
に、濃塩酸および水の添加量を制御した。
【0172】(5)第2回目のエッチング処理 第1回目のエッチング処理に使用したのと同様の組成を
有し、液温が45℃のアルカリ性水溶液を、前記アルミ
ニウムウェブにおける前記予備的な電解粗面化を施した
側の面の溶解量が0.3g/m2であり、前記面とは反
対側の面の溶解量が0.1g/m2になるように、前記
アルミニウムウェブの両面に吹付けた。
【0173】前記アルカリ性水溶液中の苛性ソーダおよ
びアルミニウムイオンの濃度は、第1回目のエッチング
処理のときと同様な方法で制御した。
【0174】(6)第2回目のデスマット処理 前記アルミニウム板の両面に、第1回目のデスマット処
理(3)で使用されたものと同様の硫酸水溶液を60秒
間噴霧した。
【0175】(7)電解粗面化処理 予備的な電解粗面化処理(4)で使用したのと同様なラ
ジアル型の交流電解槽を用い、硝酸の濃度が10g/リ
ットルになり、アルミニウムイオンの濃度が10g/リ
ットルになり、アンモニウムイオンの濃度が70ppm
になるように、濃度10g/リットルの希塩酸に硝酸ア
ルミニウムと硝酸アンモニウムとを配合した硝酸水溶液
中で、アルミニウムウェブに交流を印加して交流電解粗
面化を行った。前記硝酸水溶液の液温は50℃であっ
た。前記交流は、アルミニウムウェブが前記交流電解槽
を通過する間にアノード反応に与る電気量が、前記第2
回目のデスマット処理(6)のときと同様になるように
印加した。
【0176】前記交流電解槽に印加した交流は、周波数
が60Hzであり、電流値が0から正または負のピーク
に達するまでの時間tpが0.8msecである台形波
であり、アノードサイクル側のピーク時の電流Iap、
カソードサイクル側のピーク時の電流Icp、およびd
utyは、何れも、予備的な電解粗面化処理(4)で印
加した交流と同様であった。
【0177】前記交流電解槽における電解休止時間も、
予備的な電解粗面化処理(4)のときと同様であった。
【0178】前記交流電解槽においては、予備的な電解
粗面化処理(4)のときと同様に、前記交流電解槽中の
硝酸水溶液の温度、導電率、および超音波伝播速度か
ら、硝酸、アルミニウムイオン、およびアンモニウムイ
オンの濃度を求め、前記濃度が一定になるように、硝酸
の濃度が67重量%の濃硝酸と水とを、前記給液ノズル
から、通電量に応じて添加し、余剰の硝酸水溶液をオー
バーフローさせることにより、前記交流電解槽中の硝
酸、アルミニウムイオン、およびアンモニウムイオンの
濃度を一定に保持した。
【0179】(8)第3回目のエッチング処理 苛性ソーダおよびアルミニウムイオンを、それぞれ26
重量%および6.5%含有し、液温が45℃のアルカリ
性水溶液を用い、前記アルミニウムウェブの一方の面に
おける溶解量が1g/m2になり、前記面とは反対側の
面の溶解量が0.3g/m2になるように、前記アルミ
ニウムウェブの両面に吹付けた。
【0180】前記アルカリ性水溶液中の苛性ソーダおよ
びアルミニウムイオンの濃度は、第1回目のエッチング
処理のときと同様な方法で制御した。
【0181】(9)第3回目のデスマット処理 第3回目のエッチング処理を施したアルミニウムウェブ
に、第1回目のデスマット処理(3)で使用したのと同
様の組成を有する硫酸水溶液をスプレーで10秒間吹き
付けた。
【0182】前記硫酸水溶液中の硫酸およびアルミニウ
ムイオンの濃度と、前記硫酸水溶液の温度、比重、およ
び導電度との関係を予め求めておき、前記温度、比重、
および導電度を測定して、前記測定結果に基づき、水と
硫酸濃度が50重量%の濃硫酸とを前記硫酸水溶液に添
加して硫酸およびアルミニウムイオンの濃度を一定に保
持した。
【0183】(10)陽極酸化処理 硫酸およびアルミニウムイオンを、それぞれ10g/リ
ットルおよび5g/リットル含有し、液温が50℃の硫
酸水溶液を用い、陽極酸化皮膜の量が2.4g/m2
なるように、前記第3回目のデスマット処理(9)を施
したアルミニウム板に直流を印加した。
【0184】前記硫酸水溶液中の硫酸およびアルミニウ
ムイオンの濃度の制御は、前記第3回目のデスマット処
理(9)と同様に行った。
【0185】《平版印刷原版の作製》前記手順に従って
得られた平版印刷版用支持体における粗面化処理を施し
た側の面に下塗層、および感光性樹脂溶液を塗布して乾
燥させて感光性の製版層を形成することにより、乾燥膜
厚が2.0g/m2のポジ型平版印刷原版を作製した。
【0186】前記ポジ型平版印刷原版に画像を焼き付け
て現像し、平版印刷版を作製した。
【0187】前記平版印刷版の非画像部を走査型電子顕
微鏡で観察したところ、均一なハニカム状ビットが形成
されているのが認められた。
【0188】(比較例1)実施例1において、前記処理
(1)〜処理(10)のそれぞれが終了する毎に、前記
アルミニウムウェブにドライアイス粉末を噴射する代り
に水を噴射して洗浄した以外は、実施例1と同様の手順
に従って平版印刷版用支持体、平版印刷原版、および平
版印刷版を作製した。
【0189】大量の廃液が生成したので、前記廃液を処
理する排液処理装置には大型のものが必要であった。ま
た、前記廃液を再利用するには、大掛かりな濃縮装置が
必要であり、前記廃液のリサイクルは、コスト的に不可
能であった。
【0190】(実施例2)実施例1と同様の手順に従っ
て作製した平版印刷版用支持体を、沸騰した純水中に通
して陽極酸化皮膜に存在する細孔を封じる封孔処理を行
なった。
【0191】前記封孔処理を行なった平版印刷版用支持
体を、液温が70℃であり、珪酸ソーダの濃度が2.5
重量%の珪酸ソーダ水溶液に14秒間浸漬して親水化処
理した。
【0192】なお、前記珪酸ソーダ水溶液については、
珪酸ソーダの濃度と、液温および導電率との関係を求
め、前記珪酸ソーダ水溶液の液温と導電率とを測定して
珪酸ソーダの濃度を求め、前記珪酸ソーダの濃度が一定
になるように水と珪酸ソーダ原液とを添加した。
【0193】親水化処理した平版印刷版用支持体をニッ
プローラに通して液切りをし、ドライアイス粉末を吹き
付けてドライアイス洗浄を行った。
【0194】ドライアイス洗浄後の平版印刷版用支持体
の表面に、実施例1と同様にして製版層を形成し、平版
印刷原版を作製した。そして、前記平版印刷原版の製版
層に画像を形成して平版印刷版を形成した。
【0195】前記平版印刷版の非画像部を走査型電子顕
微鏡で観察したところ、均一なハニカム状ビットが形成
されているのが認められた。
【0196】(実施例3)実施例1と同様の手順に従っ
て作製した平版印刷版用支持体を、液温が70℃であ
り、珪酸ソーダの濃度が2.5重量%の珪酸ソーダ水溶
液に5秒間浸漬して親水化処理した。
【0197】親水化処理した平版印刷版用支持体をニッ
プローラに通して液切りをし、ドライアイス洗浄を行っ
た。
【0198】ドライアイス洗浄後の平版印刷版用支持体
の表面に、実施例1と同様にして製版層を形成し、平版
印刷原版を作製した。そして、前記平版印刷原版の製版
層に画像を形成して平版印刷版を形成した。 前記平版
印刷版の非画像部を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、均一なハニカム状ビットが形成されているのが認め
られた。
【0199】(実施例4)実施例1と同様の手順に従っ
て作製した平版印刷版用支持体を、液温が70℃である
ポリビニルスルホン酸の1.5重量%水溶液に5秒間浸
漬して親水化処理した。
【0200】前記水溶液中のポリビニルスルホン酸の濃
度と、前記水溶液の温度および導電率との関係を予め求
めておき、前記水溶液の液温と導電率とを測定してポリ
ビニルスルホン酸の濃度を求め、前記濃度が一定になる
ように水とポリビニルスルホン酸原液とを添加した。
【0201】前記親水化処理後の平版印刷版用支持体を
ニップローラに通して液切りをし、ドライアイス洗浄を
行った。
【0202】ドライアイス洗浄後の平版印刷版用支持体
の表面に、実施例1と同様にして製版層を形成し、平版
印刷原版を作製した。そして、前記平版印刷原版の製版
層に画像を形成して平版印刷版を形成した。
【0203】前記平版印刷版の非画像部を走査型電子顕
微鏡で観察したところ、均一なハニカム状ビットが形成
されているのが認められた。
【0204】(実施例5)実施例1〜4においてニップ
ローラを使用しなかった以外は、実施例1〜4と同様の
手順に従って平版印刷版支持体を作製し、前記平版印刷
版用支持体の表面に、実施例1と同様にして製版層を形
成し、平版印刷原版を作製した。そして、前記平版印刷
原版の製版層に画像を形成して平版印刷版を形成した。
【0205】前記平版印刷版用支持体においては、ニッ
プローラの表面に付着した塵が転写することが無かった
ので、実施例1〜4に係る平版印刷版よりも、印刷特性
が更に良好であった。
【0206】(実施例6)アルミニウム板として、下記
の表2に示す組成を有するものを用い、実施例1におけ
る処理(1)〜処理(10)のうち、機械的粗面化処理
(1)を行わなかった以外は、実施例1と同様の手順に
従って平版印刷版用支持体を作製した。
【0207】
【表2】
【0208】前記平版印刷版用支持体の表面を走査型電
子顕微鏡で観察したところ、均一なハニカムピットの生
成が認められた。
【0209】前記平版印刷版用支持体の粗面化面に、実
施例1と同様の手順で製版層を形成して平版印刷原版を
得、前期平版印刷原版に画層を焼き付けて現像して平版
印刷原版を得た。
【0210】前記平版印刷原版の印刷特性を実施例1と
同様の手順で評価したところ、印刷性能が良好で、非画
像部が、インキで酷く汚れることがなかった。
【0211】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来の方法に比較して洗浄廃水の発生量を大幅に削減で
き、しかも、洗浄廃液を容易に再利用できる故に、スク
ラップ材や再製アルミニウム地金から製造されたアルミ
ニウム板を用いた場合にも、平版印刷版用支持体を安価
に製造できる平版印刷版用支持体の製造方法が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る平版印刷版用支持体の製
造方法において、ドライアイス粒子の噴射に使用される
ドライアイス粉末噴射装置の一例を示す概略図である。
【図2】図2は、図1に示すドライアイス粉末噴射装置
が備えるドライアイス噴射ノズルの拡大図である。
【図3】図3は、ドライアイス洗浄装置を備える機械的
粗面化装置の一例を示す概略図である
【図4】図4は、図3に示す機械的粗面化装置が備える
ドライアイス洗浄装置におけるドライアイス噴射ノズル
の配置の一例を示す配置図である。
【図5】図5は、前記ドライアイス噴射ノズルにおける
ドライアイス粒子の噴射パターンを示す概略図である。
【符号の説明】
A 膨張室 B 炭酸ガスボンベ C ドライアイス噴射ノズル C2 ドライアイス噴射管 C4 エジェクタ C6 ドライアイス供給管 D 窒素ガスボンベ 2A ローラ状ブラシ 2B ローラ状ブラシ 2C ローラ状ブラシ 18 スラリー回収槽 24 粒子径調整部 100 ドライアイス粉末噴射装置 110 機械的粗面化装置 120 ドライアイス洗浄装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C25D 11/04 C25D 11/04 E 11/16 301 11/16 301 11/18 301 11/18 301A G03F 7/00 503 G03F 7/00 503 // B05C 19/04 B05C 19/04 (72)発明者 澤田 宏和 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 上杉 彰男 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H096 AA06 CA01 CA03 2H114 AA04 AA14 AA23 AA24 BA01 BA10 DA04 DA64 EA01 EA03 EA05 GA02 GA03 GA04 GA08 GA09 3B116 AA01 AB01 BA06 BB02 BB32 BB82 BB90 4F042 AA02 DA01 DA06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム板の少なくとも一方の面
    に少なくとも1種の粗面化処理を施す粗面化工程を有し
    てなり、 前記粗面化処理後に、前記アルミニウム板の表面にドラ
    イアイス粒子を噴射して前記アルミニウム板を洗浄する
    ことを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム板の少なくとも一方の面
    に少なくとも1種の粗面化処理を施す粗面化工程と、 前記粗面化工程において粗面化処理を施したアルミニウ
    ム板を陽極酸化処理し、前記アルミニウム板の表面に陽
    極酸化皮膜を形成する陽極酸化工程とを有してなり、 前記粗面化処理後および前記陽極酸化処理後の何れかま
    たは両方において、前記アルミニウム板の表面にドライ
    アイス粒子を噴射して前記アルミニウム板を洗浄するこ
    とを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記粗面化処理は、前記アルミニウム
    板を機械的に粗面化する機械的粗面化処理、前記アルミ
    ニウム板を化学的に粗面化するエッチング処理、および
    前記アルミニウム板に交流または直流を印加して電気化
    学的に粗面化する電解粗面化処理のうちの少なくとも1
    種である請求項1または2に記載の平版印刷版用支持体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記粗面化工程において、前記アルミ
    ニウム板に機械的粗面化処理を施し、次いでエッチング
    処理および電解粗面化処理の少なくとも一方を施す請求
    項3に記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記陽極酸化工程において、前記陽極
    酸化処理を施したアルミニウム板の表面を親水化する親
    水化処理を行なう請求項2〜4の何れか1項に記載の平
    版印刷版用支持体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記陽極酸化工程においては、前記陽
    極酸化処理により形成された陽極酸化皮膜における細孔
    を封ずる封孔処理を行なう請求項2〜5の何れか1項に
    記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記アルミニウム板は、アルミニウム含
    有量が99.4〜95重量%であり、しかも、Fe、S
    i、Cu、Mg、Mn、Zn、Cr、およびTiからな
    る群より選択された1以上の元素を含有するアルミニウ
    ム地金から製造されてなる請求項1〜6の何れか1項に
    記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れか1項に記載の平版
    印刷版用支持体の製造方法により製造されたことを特徴
    とする平版印刷版用支持体。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の平版印刷版用支持体に
    おける粗面化処理された側の面に、感光性または感熱性
    の製版層を形成してなることを特徴とする平版印刷原
    版。
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