JP2002209743A - 電気湯沸かし器 - Google Patents

電気湯沸かし器

Info

Publication number
JP2002209743A
JP2002209743A JP2001011270A JP2001011270A JP2002209743A JP 2002209743 A JP2002209743 A JP 2002209743A JP 2001011270 A JP2001011270 A JP 2001011270A JP 2001011270 A JP2001011270 A JP 2001011270A JP 2002209743 A JP2002209743 A JP 2002209743A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric
container
water heater
layer
printing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001011270A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3578086B2 (ja
Inventor
Hideaki Kobayashi
英明 小林
Haruo Ishikawa
春生 石川
Atsushi Asaue
淳 麻植
Hidesato Kawanishi
英賢 川西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001011270A priority Critical patent/JP3578086B2/ja
Publication of JP2002209743A publication Critical patent/JP2002209743A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3578086B2 publication Critical patent/JP3578086B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Heating Bodies (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)
  • Cookers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱時の余熱で沸騰直後の容器底面の湯から
泡が長時間発生する。また熱伝導が充分でないために耐
熱性能の良い材料を必要とした。さらに構成部品が多
く、加工工程が多い。 【解決手段】 下方に底面43を有する水を収容する容
器41と、底面43の裏面に形成した第1の電気絶縁層
49と、この上に印刷で形成した電気抵抗体層50、こ
の上に電気導体層59を形成し、さらに第2の電気絶縁
層58を形成したもので、熱伝導も良く、部品点数が少
なく、加工工程も少ない。また、湯の中に泡が含まれな
いため良好に湯が注出できる加熱部48を形成する。電
気導体層59と金属端子とを金属結線で接続して電気導
体層59に外部から応力が加わらないように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主として一般家庭ま
たは事務所等で使用される電気湯沸かし器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の電気湯沸かし器の構成は
図6および図7に示すようであった。1は上部を開口し
た容器でステンレス鋼板を絞り加工または溶接加工で形
成されている。2は容器1底面に形成された凸部であ
る。すなわち凸部2は容器1の底面に形成された平面で
ある。3は凸部2の裏面に収納される加熱装置であるヒ
ーターユニットである。ヒーターユニット3は上側から
集成マイカでを打ち抜いて形成された第1の絶縁物4、
ステンレス鋼板を打ち抜いて形成して約1000ワット
の消費電力である湯沸かし電熱線5、集成マイカで形成
した第2の絶縁物6、ステンレス鋼板を打ち抜いて形成
した約100ワットの消費電力がある保温電熱線7、集
成マイカで形成された第3の絶縁物8で順番に重ねられ
て構成されている。
【0003】9は湯沸かし電熱線5の一端に溶接で固定
された湯沸かし端子であり、ステンレス鋼板をプレス加
工して形成されている。10は同様にプレス加工して形
成されて一端を保温電熱線7に溶接で固定された保温端
子である。11は前記湯沸かし電熱線5と保温電熱線7
の他端を電気的に結合し共通の端子として溶接した共通
端子である。12は前記湯沸かし端子9と保温端子10
と共通端子11とを機械的に固定する碍子である。この
碍子12は3カ所の貫通穴13を有し前記湯沸かし端子
9と共通端子11とを両端の貫通穴13に通して保温端
子10を中央の貫通穴13に通す構成にしてある。
【0004】容器1の底部側からはアルミ鍍金鋼板など
をプレス加工して形成したシーム板14を抵抗溶接で外
周と中央付近とを複数箇所溶接してヒーターユニット3
を凸部2の裏面に収納して下方からヒーターユニット3
を凸部2の裏面に圧接している。15は容器1の底部に
溶接して固定された一対の取付金具であり、下端は止め
ねじ16でねじ止めされる構造になっている。
【0005】17は前記容器1を収容する筒状のボデー
でPP樹脂などの合成樹脂で形成されている。上端下端
が開口したボデー17下部には開口部18を設けて組立
時等に利用する。19は鋼板をプレス加工して形成して
ボデー17下側の開口部18を塞ぐ底板である。
【0006】20は容器1の下に位置して一端を容器1
の底部に連通し、他端を昇水パイプ21に連通した送水
装置である遠心ポンプである。昇水パイプ21は給湯口
22を介して外方に開放されている。
【0007】23は前記容器1を略中央に備えた合成樹
脂で形成された上枠である。上枠23はボデー17上端
に嵌着する。
【0008】全体の構成は容器1を上枠23の中央に収
納して上枠23をボデー17上端に嵌着する。容器1下
端に固定された取付金具15はボデー17の取付部24
に嵌合する。ここで止めねじ16で底板19を取付部2
4を介して取付金具15に固定する。取付金具15と取
付部24とは設計上約3mmの隙間が締め代として設け
てある。容器1と底板19を締め付けると上枠23とボ
デー17を締め付けることとなり、止めねじ16で取付
金具15を介して容器1底部を引っ張る応力を常に加え
ていることとなる。
【0009】25は給電口である。26は前記容器1の
上部開口を塞ぐ蓋であり、蓋26の一端には回転軸27
が設けてあり、他端には前記上枠23に係止したロック
するロック爪(図示せず)が前後に摺動するように備え
てある。回転軸27は上枠23の軸受け部28に回転自
在に取り付けられて前記蓋26の開閉時に回転する。
【0010】29は凸部2中央の裏面に備えられたサー
ミスタで形成された温度検知素子であり、温度検知素子
29は容器1底部の凸部2の面を介して容器1内の湯の
温度を検知する。30はヒーターユニット3への通電を
制御する制御部であり、上下に分割できる防水ケース3
1内に収納されて容器1の下方に位置している。制御部
30はヒーターユニット3の湯沸かし電熱線5、保温電
熱線7と、遠心ポンプ20と温度検知素子29とを制御
する。
【0011】以上の構成において、動作を説明する。ま
ず、水を容器1に所定量入れる。次に給電口25から給
電する。制御部30が操作に基づいてヒーターユニット
3へ通電する。湯沸かし時には湯沸かし電熱線5と保温
電熱線7に通電して合計1100ワットの電力で湯沸か
しする。ヒーターユニット3で発生した熱は容器1の凸
部2を介して容器1内の水を加熱する。このとき湯沸か
し電熱線5の温度は約500度に達しており、またシー
ム板14の温度は約250度に達している。温度検知素
子29は容器1内の湯温を検知し、やがて温度検知素子
29が湯の沸騰を検知して制御部30は湯沸かし電熱線
5への通電を停止する。湯沸かし電熱線5への通電を停
止させた直後はヒーターユニット3とシーム板14の温
度は100度以上であるのでその熱容量と100度以上
の温度のために、数十秒間は容器1底面の凸部2の表面
から蒸気の気泡が発生し続ける。やがてヒーターユニッ
ト3とシーム板14の温度が100度以下になると気泡
の発生が次第に停止する。以降は制御部30が保温電熱
線7への通電を制御して容器1内の湯温を約95度に維
持する。このとき制御部30はまず温度検知素子29の
温度を信号として入力し、保温電熱線7へ通電するが、
通電当初はヒーターユニット3全体を加熱して温度上昇
させる必要があり、やがてヒーターユニット3全体が加
熱されると次に凸部2を通して容器1内の湯を加熱する
こととなる。このときシーム板14の温度は約110度
である。
【0012】湯沸かし時も保温時もヒーターユニット3
へ通電しているときはシーム板14下面から輻射熱を放
出していることとなる。
【0013】湯を所望のときは、操作部(図示せず)か
ら遠心ポンプ20を駆動して昇水パイプ21と給湯口2
2を介して給湯する。湯が少なくなると蓋26を回動さ
せて容器1上部を開放する。所望の水を容器1内に注水
すると制御部30が温度検知素子29で湯温を検知して
再度湯を沸かしてから保温する。以降は必要に応じて給
湯する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の構成では、第1にヒーターユニット3の熱
容量(ヒートマス)が大きく温度検知素子29で湯温を
検知して制御部30でヒーターユニット3へ通電して湯
温を制御するときの通電と湯温上昇の時間のずれが大き
い。第2にヒーターユニット3の熱容量(ヒートマス)
が大きく沸騰して湯沸かしヒーターユニット3への通電
を停止した直後の数十秒間は容器1底部から熱容量によ
る余熱で沸騰状態の蒸気の泡が多量に発生して遠心ポン
プ20内に巻き込むために、遠心ポンプ20の給湯能力
が著しく低下する。第3に湯沸かし中や保温時にヒータ
ーユニット3へ通電するとシーム板14の温度が湯沸か
し時には約250度になり、また保温時には約110度
になり、容器1底部近傍の部品を構成する材料をより耐
熱の高い材料で形成するか、ヒーターユニット3から距
離をおいて位置させる必要がある。第4にヒーターユニ
ット3へ通電しているときはシーム板14から下方に熱
が輻射により放散している。第5にヒーターユニット3
を構成する第1の絶縁物4と、第2の絶縁物6と、第3
の絶縁物8と、湯沸かし電熱線5と、保温電熱線7と、
湯沸かし端子9と保温端子10と、共通端子11と、碍
子12の各部品を別々に加工する必要があるといった課
題を有していた。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の湯沸かし器は、
上記従来の課題を解決するために、加熱部を、容器底面
の裏面に第1の電気絶縁層を形成し、この第1の電気絶
縁層上に電気抵抗体層を印刷で形成し、さらに前記電気
抵抗体層上に第2の電気絶縁層を形成して構成するとと
もに、前記電気抵抗体層に電気的に接続するように印刷
で形成した電気導体層と、前記電気導体層に一端を結合
させ他端を金属端子に結合した金属結線とを設けたもの
である。これにより、加熱部の熱容量が小さくなり、加
熱時の熱応答性を良くすることができるので、温度制御
を精度良くできるようにし、沸騰直後の余熱による泡の
発生を瞬時に停止し、さらには下部への輻射熱を低減で
きるようにするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、下方に
底面を有する水を収容する容器と、前記底面の裏面に形
成した第1の電気絶縁層とこの第1の電気絶縁層上に印
刷で形成した電気抵抗体層と、さらに前記電気抵抗体層
上に形成した第2の電気絶縁層とを備えた加熱部と、前
記電気抵抗体層に電気的に接続するように印刷で形成し
た電気導体層と、前記電気導体層に一端を結合させ他端
を金属端子に結合した金属結線とを備えた電気湯沸かし
器とすることにより、加熱部の熱容量が小さくなり、加
熱時の熱応答性を良くすることができるので、温度制御
を精度良くできるようにし、沸騰直後の余熱による泡の
発生を瞬時に停止し、さらには下部への輻射熱を低減で
きる。また、加熱部の部品点数を低減するとともに加熱
部の加工工程も著しく簡素化することができる。また、
電気導体層と金属端子とは金属結線を介して結合するの
で金属端子に応力が加わっても電気導体層には応力が加
わらない構成とすることができる。
【0017】請求項2に記載の発明は、下方に底面を有
する水を収容する容器と、前記底面の裏面に形成した第
1の電気絶縁層とこの第1の電気絶縁層上に印刷で形成
した電気抵抗体層と、さらに前記電気抵抗体層上に形成
した第2の電気絶縁層とを備えた加熱部と、前記電気抵
抗体層上に印刷で形成した電気導体層と、前記電気導体
層に一端を結合させ他端を金属端子に結合させた金属結
線と、前記容器下部に固定されて容器を外郭に固定する
取付金具とを備え、前記金属端子は前記取付金具に電気
絶縁部材を介して取り付けられた構成としたものであ
る。これにより、容器取付金具を用いて金属端子を保持
する電気絶縁部材を固定することができ、金属端子に外
部から応力が加わっても電気導体層に外部からの応力が
加わることなくまた電気絶縁部材を固定する部品を増や
すことなく金属端子を固定することができる。
【0018】請求項3に記載の発明は、特に、金属結線
は電気導体層に一端を金属結合し、他端を金属端子に金
属結合した構成としたものである。これにより、発熱部
である電気抵抗体層に近く温度が比較的高い電気導体層
の端部と金属端子とを結合する金属結線の両端をおのお
の電気導体層と金属端子とを金属結合により結合するこ
とで表面の酸化膜の形成による電気抵抗の増大と増大し
た電気抵抗による発熱がなく信頼性が改善できる。
【0019】
【実施例】(実施例1)以下に本発明の実施例1につい
て、図1、図2、図3、図4、図5を参照しながら説明
する。止めねじ16、ボデー17、開口部18、底板1
9、遠心ポンプ20、昇水パイプ21、給湯口22、上
枠23、取付部24、給電口25、蓋26、回転軸2
7、軸受け部28、制御部30、防水ケース31は従来
の実施例と同一の形状と機能であり、同一の名称と符号
を使用して説明は省略する。
【0020】41は上部を開口し底部を有した水を収容
する容器である。容器42はステンレス鋼板で形成され
ている。特にJIS規格SUS444相当の組成成分で
構成されている。42は容器41底部に一段低くして絞
り加工で形成した段部である。43は段部42から一段
上方に位置した底面である。底面43は相対する2カ所
に平行な直線の段部42である直線部44を絞り加工で
形成し、他の部分は段部42の外周からほぼ均等な距離
で絞り加工されている。段部42は全体としては略小判
形をしている。段部42は平面ではなく球面の一部を切
り取った形状をしており、段部42の中央部が一番深い
絞り加工になるように下方に凸な形状をしている。容器
41は底面42外周を、ステンレス鋼板で形成した側壁
45と溶接して水密に形成している。
【0021】46は底面43の外周近傍に穴を開けてス
テンレスパイプを咬めて水密的に形成した流出口であ
り、遠心ポンプ20に連通している。流出口46を段部
42とは別部品とすることで流出口46の取付加工を任
意の行程で行うことができる。これは後述する印刷加工
が極めて施し易い構成である。
【0022】47は底面43下面のほぼ全面にあたる印
刷曲面であり、ここに加熱部48が形成される。印刷曲
面47の曲率については概略次のように設定すると良
い。つまり、印刷曲面47の最長寸法に対してその10
0分の1以上の深さにする。理由は概略金属の熱膨張率
は高くても10のマイナス5乗オーダーであり、温度差
を1000度としても10のマイナス2乗つまり100
分の1膨張することになる。これに対して絞り加工の深
さを100分の1にすることで曲面がどのように熱膨張
してもその凹凸が反転することはない。従って印刷曲面
の絞り深さを最大寸法の100分の1以上にすると局部
的な熱膨張による段部42に発生する応力は印刷曲面4
7の変形のみで吸収することができる。
【0023】加熱部48は以下のような構造になってい
る。まず印刷曲面47全面に無機質であるガラスと金属
酸化物を主成分とする電気絶縁物を3層のスクリーン印
刷で約50マイクロメートルから約200マイクロメー
トルに積層して第1の電気絶縁層49を形成する。この
第1の電気絶縁層49の厚みは定格電圧や必要とする絶
縁耐力によって印刷回数や印刷時のインクの濃度を調節
して所望の厚さにする。印刷状態のまま電気炉で約10
分間約900度で焼結する。するとステンレス鋼板(J
IS規格のSUS444相当)の線膨張係数10.5〜
11.9×10のマイナス6乗と同じ膨張係数の第1の
電気絶縁層49が完成する。
【0024】次に図3のように金属酸化物を主成分とす
る適度な電気抵抗を持った抵抗体を含んだインクで電気
抵抗体層50をスクリーン印刷で形成する。スクリーン
印刷の版は被印刷面よりも大きい面積を必要とするので
容器41の底面43に対して印刷曲面47は一段下に位
置するように形成されている。これによりスクリーン印
刷版は容器41底面43に当たることなく第1の電気絶
縁層49や電気抵抗体層50を印刷することができる。
【0025】印刷のパターンは最内周には幅の広い湯沸
かし回路51の一部を設け、外周部にも湯沸かし回路5
1の一部を設け、その間には幅の狭い保温回路52を形
成するパターンとする。電気抵抗体層50を同心円状と
するのはスクリーン印刷加工法において、スクリーン版
は平面状であるのに印刷曲面47は球面であり、印刷時
にスクリーン版の押し圧が大きい中央付近ほど充分に印
刷される一方で押し圧が小さい外周部ほど薄く印刷され
る傾向があるから同心円状に同一条件の印刷をするため
である。同心円状の印刷条件は比較的管理しやすいので
電気抵抗体層50を同心円状にしてこれにより消費電力
のばらつきを約5%以下に押さえることができる。
【0026】次に、湯沸かし回路51と保温回路52の
電気的結線について説明する。電気的には湯沸かし回路
51と保温回路52とは一端を共通端子53で電気的に
結線し、他端はおのおの湯沸かし端子54と保温端子5
5とを形成して並列な回路として構成される。湯沸かし
回路51と保温回路52はおのおの電気導体層56で形
成した放射状パターン57で結線され、一端は電気導体
層56で形成された共通の共通端子53で結線される。
湯沸かし回路51の他端は電気導体層56で形成された
湯沸かし端子54と結線され、保温回路52の他端は電
気導体層56で形成された保温端子55と結線される。
共通端子53と湯沸かし端子54と保温端子55と放射
状パターン57とは銀を主成分としたインクをスクリー
ン印刷で前記電気抵抗体層50の上に印刷して形成した
電気導体層56で一度に印刷により形成される。共通端
子53と、湯沸かし端子54と、保温端子55とは加熱
部48の外周近傍に配置するとともに各端子とも互いに
近接して一カ所に集中させる。これは加熱部48の端部
は中央部に比べて比較的温度が低く、耐熱耐酸化におい
て有利だからである。従って共通端子53と、湯沸かし
端子54と、保温端子55とを加熱部48の外周に集中
させるものである。
【0027】電気抵抗体層50は容器41底面に同心円
状に断片的に配列されているので、同心円状の電気抵抗
体層50を中心から放射状方向に電気導体層56で形成
した放射状パターン57で結線して湯沸かし回路51と
保温回路52とを形成する。同心円状の電気抵抗体層5
0を中心から放射状方向に電気導体層56で形成した放
射状パターン57で接続するのは熱膨張により印刷曲面
47が中心から放射状方向に熱による膨張と収縮による
応力が大きいためにこの寸法変化に追従できる銀を主成
分とする電気導体層56で放射状方向の接続をおこなう
ためである。前記共通端子53と湯沸かし端子54と保
温端子55と放射状パターン57とで電気導体層56を
形成する。電気導体層56はスクリーン印刷で一度に形
成した後に電気炉で約900度で10分焼結する。
【0028】電気導体層56は第1の電気絶縁層49上
に位置して電気抵抗体層50の上かまたは下に位置して
印刷される。つまり電気抵抗体層50と電気導体層56
の印刷順序はどちらを先に実施しても良い。
【0029】次に、第1の電気絶縁層49の範囲から共
通端子53と湯沸かし端子54と保温端子55と中央部
とを除く範囲を無機質であるガラスと金属酸化物を主成
分とする電気絶縁物を1層または複数層にスクリーン印
刷で約50から200マイクロメートルの厚さに積層し
て第2の電気絶縁層58を形成する。この第2の電気絶
縁層58の厚みは定格電圧や必要とする絶縁耐力によっ
て印刷回数や印刷時のインクの濃度を調節して所望の厚
さにする。印刷状態のまま電気炉で約10分約900度
で焼結する。するとステンレス鋼板(JIS規格のSU
S444相当)の線膨張係数10.5〜11.9×10
のマイナス6乗と同じ膨張係数の第2の電気絶縁層58
が完成する。第1の電気絶縁層49と電気抵抗体層50
と電気導体層56と第2の電気絶縁層58とで加熱部4
8を形成している。
【0030】60は容器41の直線部44近傍の底面4
3に溶接して固定された一対の取付金具である。取付金
具60は下端にねじ穴61が設けてあり、底板19と取
付金具60とでボデー17を挟んで止めねじ16で固定
することとなる。取付金具60を底面43に溶接するの
は取付金具60間に制御部30を内蔵した防水ケース3
1を収納することができるからである。また取付金具6
0はボデー17を締め付けて固定するので締め付けによ
る応力を底面43に加えることとなるが、その応力を印
刷曲面47に伝わりにくくするために印刷曲面47を段
部42に設けている。印刷曲面47には焼結した加熱部
48が固着しているのでこれに応力が加わらないように
することが重要である。
【0031】62は第1の電気絶縁層49の略中央に二
つの電気導体層56で形成した端部63を形成してこの
端部63に銀ろうまたは金属結合で温度検知素子である
サーミスタ64のリード線65を結線した温度検知部で
ある。サーミスタ64は第1の電気絶縁層49に接する
ので電気絶縁物で絶縁する必要はなく、サーミスタ64
のリード線65をそのまま端部63に結線する。端部6
3は電気導体層56を長く伸ばして前記共通端子53付
近まで伸びて形成されている。
【0032】ここで、湯沸かし回路51の一部が最内周
に位置するのは、発熱の多い湯沸かし回路51の熱でい
ち早くサーミスタ64に熱を伝えるためである。
【0033】66は電気導体層56で形成した前記共通
端子53と湯沸かし端子54と保温端子55と端部63
とにその一端を金属結合するアルミニウム合金か金で形
成した金属結線であり、他端は取付金具60に固定され
た電気絶縁物である樹脂で形成された電気絶縁部材67
に保持された金属端子68に金属結合されている。金属
端子68は黄銅にスズ鍍金を施した材料または鉄にニッ
ケル鍍金を施した材料をプレス加工で打ち抜いて形成し
ている。
【0034】また、取付金具60は加熱部48の外周に
位置するとともに電気絶縁部材67は前記共通端子53
と、湯沸かし端子54と、保温端子55との集中した比
較的発熱量が少なく温度の低い加熱部48外周に集中し
て位置している。従って電気絶縁部材67及び金属端子
68の温度は低く押さえることができる。さらにサーミ
スタ64の端部63も前記共通端子53と、湯沸かし端
子54と、保温端子55との近傍に位置して金属結線6
6の一端と金属結合されている。
【0035】69は容器41下部に接して備えられた断
熱材であり、ガラス繊維、発泡シリコンゴム、熱変形温
度が200度以上の熱可塑性樹脂の発泡材、無機質材料
の積層材等で形成されている。
【0036】以上のように構成された電気湯沸かし器に
ついてその動作を説明する。基本的な動作は前述の従来
の技術の動作と同じである。容器41近傍の動作につい
て述べる。容器41内に水を入れる。給電口25から商
用電力を供給する。制御部30がサーミスタ64からの
信号で容器41内の水温を検知して湯沸かしモードに入
り、湯沸かし回路51と保温回路52に通電する。湯沸
かし回路51と保温回路52はジュール熱により発熱し
て約150度の温度になり、第1の電気絶縁層49と第
2の電気絶縁層58に熱が伝導する。第1の電気絶縁層
49から容器41の印刷曲面47を介して容器41内の
水を加熱する。ここで第1の電気絶縁層49は印刷曲面
47と電気抵抗体層50とにそれぞれ焼結で密着してい
るので熱伝導が非常にすぐれており、発熱した熱が電気
抵抗体層50に滞留することなく容器41内の水を加熱
することとなる。この状態で湯沸かしが進行する。
【0037】また、電気抵抗体層50は通電とともに急
激に温度上昇するので熱膨張係数に見合う膨張が発生す
る。温度上昇は急激で局部的な発生であり電気抵抗体層
50が熱膨張する瞬間はまだステンレス鋼板で形成され
た印刷曲面47はまだ温度上昇していないので電気抵抗
体層50と印刷曲面47の層状構成においてバイメタル
のような挙動をする。しかし、印刷曲面47は熱膨張に
よる応力をその曲率がわずかに変化することで吸収して
しまう。印刷曲面47の熱膨張による曲率の変化は底面
43の取付金具60には伝わらないために、ボデー17
の締め付け寸法には影響しない。印刷曲面47の熱膨張
による変化はそれ以外の部品には応力の影響はないこと
となる。また、反対に印刷曲面47には他の部分からの
応力は伝わってはこない。
【0038】やがて容器41内の水は沸騰する。サーミ
スタ64が約100度の沸騰温度または温度上昇が停止
して一定温度になったことを検知して制御部30が湯沸
かし回路51と保温回路52の通電を停止する。このと
き電気抵抗体層50と第1の電気絶縁層49および第2
の電気絶縁層58は熱容量が小さく温度上昇も比較的少
ない上に前述のように電気抵抗体層50と第1の電気絶
縁層49と印刷曲面47とはそれぞれ焼結により結合さ
れているので熱伝導が良いために通電を停止して1秒程
度で印刷曲面47からの沸騰時の蒸気の泡は発生しなく
なる。これにより沸騰直後に遠心ポンプ20を作動させ
ても泡を巻き込んで給湯能力が低下することはない。
【0039】以上のように実施例1によれば、第1に印
刷曲面47に加熱部48を形成することで発熱による熱
膨張応力を印刷曲面47内で吸収することができる。第
2に加熱部48の熱容量が小さいので加熱時のレスポン
スが良く温度制御しやすい。第3に沸騰直後に余熱によ
る蒸気の泡の発生が瞬時に停止するので遠心ポンプ20
が泡を巻き込んで給湯性能が低下することがなく常に安
定した給湯操作が可能となる。第4に加熱部48は焼結
により熱伝導が良いために容器41下部の温度上昇が小
さく従って容器41下部近傍に配置する部品の耐熱温度
を低く設定することができる。第5に第2の電気絶縁層
58の下面温度が比較的低いので輻射による放熱が少な
く効率的な湯沸かしができる。第6に印刷による加熱部
48の形成は各部品の加工行程を著しく簡素化できてし
かも印刷加工では余分な廃材がないために地球環境にも
優しい加工が行える。また定格電圧や定格消費電力の異
なる仕様の加熱部48を生産するときは電気抵抗体層5
0のスクリーン印刷版を作り直せば良いのでコストも切
り替え時間もほとんど必要ない。
【0040】また、電気導体層56と金属端子68とを
金属結線66で接続することで、取付金具60や金属端
子68に加わる応力が電気導体層56に伝わるのを防止
することができる。
【0041】なお、加熱部48の印刷工程を側壁45と
底面43を溶接して容器41を形成した後としたが、底
面43のみの状態のときに先に印刷加工を施してから側
壁45と底面43の溶接加工を施しても良い。
【0042】また、印刷加工をスクリーン印刷加工法と
したが、転写等の異なる印刷方法でも良い。要は液体状
の材料を容器41印刷曲面47に固着させればよい。
【0043】さらに、共通端子53と湯沸かし端子54
と保温端子55と端部63と、金属結線の一端とを銀ろ
うかまたは金属結合させ、金属端子68と金属結線66
の他端とを銀ろうかまたは金属結合で電気的に結合した
が、ボンディングや超音波ウェルダーやレーザーによる
溶接やはんだ付けによる溶接でもよい。要は金属結合に
より接続してあれば良い。
【0044】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜3に記載の発
明によれば、温度制御を応答性良く行い、加熱部下部に
配置する部品の耐熱性を低く設定することができる。ま
た、加熱部の部品点数を低減するとともに加熱部の加工
工程も著しく簡素化することができ、さらに電気導体層
には外部からの応力が加わらない構成とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示す電気湯沸かし器の構成
を示す斜視図
【図2】本発明の実施例1を示す電気湯沸かし器の容器
の分解斜視図
【図3】本発明の実施例1を示す電気湯沸かし器の容器
の底板を除いた状態の底面図
【図4】本発明の実施例1を示す電気湯沸かし器の容器
下面のセンサー部部分図
【図5】本発明の実施例1を示す電気湯沸かし器の容器
下面のセンサー部断面図
【図6】従来の実施例を示す電気湯沸かし器の構成を示
す部分断面図
【図7】従来の実施例を示す電気湯沸かし器の容器の要
部の分解斜視図
【符号の説明】
41 容器 48 加熱部 49 第1の電気絶縁層 50 電気抵抗体層 56 電気導体層 58 第2の電気絶縁層 60 取付金具 66 金属結線 67 電気絶縁部材 68 金属端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 麻植 淳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 川西 英賢 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K034 AA02 AA10 AA19 AA21 AA34 AA37 BB02 BC04 BC16 CA22 CA27 DA05 3K092 PP03 QA05 QB02 QB30 QB44 QB75 QB76 QC06 QC21 QC51 RF03 RF09 RF17 RF22 VV03 VV04 VV16 4B055 AA32 BA13 BA27 BA29 BA35 CA03 CA16 CA64 CB03 CC03 CD02 DA02 DB02 DB21 FA16 FC09 GB01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下方に底面を有する水を収容する容器と、
    前記底面の裏面に形成した第1の電気絶縁層とこの第1
    の電気絶縁層上に印刷で形成した電気抵抗体層と、さら
    に前記電気抵抗体層上に形成した第2の電気絶縁層とを
    備えた加熱部と、前記電気抵抗体層に電気的に接続する
    ように印刷で形成した電気導体層と、前記電気導体層に
    一端を結合させ他端を金属端子に結合した金属結線とを
    備えた電気湯沸かし器。
  2. 【請求項2】下方に底面を有する水を収容する容器と、
    前記底面の裏面に形成した第1の電気絶縁層とこの第1
    の電気絶縁層上に印刷で形成した電気抵抗体層と、さら
    に前記電気抵抗体層上に形成した第2の電気絶縁層とを
    備えた加熱部と、前記電気抵抗体層上に印刷で形成した
    電気導体層と、前記電気導体層に一端を結合させ他端を
    金属端子に結合させた金属結線と、前記容器下部に固定
    されて容器を外郭に固定する取付金具とを備え、前記金
    属端子は前記取付金具に電気絶縁部材を介して取り付け
    られた電気湯沸かし器。
  3. 【請求項3】金属結線は電気導体層に一端を金属結合
    し、他端を金属端子に金属結合した請求項1または請求
    項2記載の電気湯沸かし器。
JP2001011270A 2001-01-19 2001-01-19 電気湯沸かし器 Expired - Fee Related JP3578086B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001011270A JP3578086B2 (ja) 2001-01-19 2001-01-19 電気湯沸かし器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001011270A JP3578086B2 (ja) 2001-01-19 2001-01-19 電気湯沸かし器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002209743A true JP2002209743A (ja) 2002-07-30
JP3578086B2 JP3578086B2 (ja) 2004-10-20

Family

ID=18878423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001011270A Expired - Fee Related JP3578086B2 (ja) 2001-01-19 2001-01-19 電気湯沸かし器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3578086B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009539452A (ja) * 2006-06-05 2009-11-19 エスウベ・セス・ア 液体加熱用家庭電化製品
JP2014171819A (ja) * 2013-03-13 2014-09-22 Hitachi Appliances Inc 炊飯器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009539452A (ja) * 2006-06-05 2009-11-19 エスウベ・セス・ア 液体加熱用家庭電化製品
JP2014171819A (ja) * 2013-03-13 2014-09-22 Hitachi Appliances Inc 炊飯器

Also Published As

Publication number Publication date
JP3578086B2 (ja) 2004-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5508495A (en) Domestic cooking apparatus
RU2138136C1 (ru) Электронагреваемый сосуд для кипячения воды
US20230300951A1 (en) Cooking device having a modular ceramic heater
JP2007143804A (ja) 飲食物加熱装置
JP3578086B2 (ja) 電気湯沸かし器
JPH05293037A (ja) 電気炊飯器
JP2008026199A (ja) 温度センサとそれを備えた暖房便座装置
JP3587134B2 (ja) 電気湯沸かし器
JP2002204749A (ja) 電気湯沸かし器
JP3578123B2 (ja) 電気湯沸かし器
JP2012045757A (ja) サーマルヘッド、プリンタおよびサーマルヘッドの製造方法
JP2001161553A (ja) 炊飯器
JPH10211095A (ja) 調理器及び調理器用容器の製造方法
JPS626806B2 (ja)
CN217937886U (zh) 蒸汽发生器及烹饪器具
JPH03295185A (ja) 発熱体
JPH09190875A (ja) 電気発熱体
JPH0982460A (ja) 発熱体
JP2811897B2 (ja) 電気発熱体
JPS5886110A (ja) 調理具
JP2745736B2 (ja) 電気発熱体
JPH03266387A (ja) 面状発熱体
JP2005110837A (ja) 暖房便座
JP3864856B2 (ja) 電気湯沸かし器
JPH03187180A (ja) 調理用ホットプレート

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040622

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040705

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070723

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080723

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090723

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090723

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100723

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110723

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110723

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120723

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees