JP2002206471A - 燃料供給装置およびこれを搭載した内燃機関 - Google Patents

燃料供給装置およびこれを搭載した内燃機関

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JP2002206471A
JP2002206471A JP2001005017A JP2001005017A JP2002206471A JP 2002206471 A JP2002206471 A JP 2002206471A JP 2001005017 A JP2001005017 A JP 2001005017A JP 2001005017 A JP2001005017 A JP 2001005017A JP 2002206471 A JP2002206471 A JP 2002206471A
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fuel injection
injection valve
valve
warm
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JP2001005017A
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English (en)
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Kiyoshi Amo
天羽  清
Yoshio Okamoto
良雄 岡本
Yuzo Kadomukai
裕三 門向
Masami Nagano
正美 永野
Takanobu Ichihara
隆信 市原
Kenji Watanabe
研二 渡邊
Hiroaki Saeki
浩昭 佐伯
Tei Someno
禎 染野
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Hitachi Ltd
Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Car Engineering Co Ltd
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】暖機時の噴霧燃料の微粒化と均一分配を実現す
る。 【解決手段】暖機用燃料噴射弁507は、主通路205
に開口するようにスロットルボディ206に形成した凹
部220内にノズル509が位置するように設置し、こ
の暖機用燃料噴射弁から噴射した燃料噴霧511の濃度
分布の高い部分が主通路内の流速の比較的速い吸入空気
223に合流するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料供給装置およ
びこれを搭載した内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の燃焼性能を向上させ、暖機時
に排出されるハイドロカーボン(HC)を低減するため
に、米国特許第5,482,023号明細書および図面には、コ
ールドスタートフューエルインジェクタと、ヒータと、
アイドルスピードコントロールバルブ(以下、ISCバ
ルブという)とを備えたコールドスタートフューエルコ
ントロールシステムが記載されている。このシステムで
は、ISCバルブからの空気の一部(第1の空気流)を
コールドスタートフューエルインジェクタから噴射され
た燃料に合流させている。このために、ISCバルブか
らの空気通路の開口がコールドスタートフューエルイン
ジェクタの出口部を取り囲むように環状に設けられてい
る。コールドスタートフューエルインジェクタからの燃
料と第1の空気流とは、合流後に直ちにコールドスター
トフューエルインジェクタの下流側に一列に並べられた
円筒状のヒータ内部に入れられる。一方、ヒータの外周
部には、ISCバルブからの空気の一部を流す空気通路
が形成されており、この空気通路を流れてきた空気(第
2の空気流)は、ヒータの出口部でヒータ内部を通って
きた燃料噴霧と合流する。コールドスタートフューエル
インジェクタから出た燃料は、ヒータ内部を通過する際
に気化が促進され、ヒータの出口部で第2の空気流と混
合されることによって、更に気化が促進される。
【0003】そして、ヒータの出口部は吸気集合管内に
連通し、気化促進された噴霧燃料は吸気集合管内に放出
された後に各気筒へと分配される。
【0004】また、特開平4−232353号公報に
は、スロットルバルブとスロットルボディの間の開口部
の下流側の吸入空気の流速が速い領域に暖機用燃料噴射
弁のノズルを位置させた燃料噴射装置が開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】米国特許のシステムで
は、円筒状のヒータ内部に燃料と空気を混合する混合室
を構成することにより、上流側より、コールドスタート
フューエルインジェクタ,コールドスタートフューエル
インジェクタから噴射された燃料と第1の空気流との合
流点,ヒータ内部に構成した混合室を一列に配置し、ヒ
ータ出口を出口とする1つの微粒化器(アトマイザー)
を構成している。
【0006】この微粒化器は、空気流のエネルギーを利
用したエアアシスト型の微粒化器であると共に、微粒化
器内部で燃料と空気とを合流させて混合する内部混合型
の微粒化器であると考えられる。
【0007】この従来のシステムでは、第2の空気流
は、ヒータの外周部を流れ、ヒータ内部を通ってきた燃
料噴霧と同方向に流れながら合流し、噴霧燃料の気化を
促進する。しかし、燃料噴霧の吸気管への合流とその後
の吸気管内の搬送については、配慮が必ずしも十分では
なかった。
【0008】また、この従来のシステムでは、ヒータの
出口部は吸気集合管内に連通され、気化が促進された噴
霧燃料は吸気集合管内に放出された後に各気筒へと分配
されているが、各気筒への分配向上に対する配慮が必ず
しも十分ではなかった。
【0009】また、この従来のシステムでは、コールド
スタートフューエルインジェクタから噴射された噴霧燃
料は、ヒータ内部に形成された狭く長い通路内をヒータ
と接触しながら通過することによって気化が促進される
が、ヒータによる気化効率に対する配慮が必ずしも十分
ではなかった。
【0010】また、特許公開公報の燃料噴射装置では、
暖機用燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧は、十分に霧
化する前に吸入空気の流速の早い領域を突き抜けてしま
うことになり、効率良く気化することが困難である。
【0011】本発明の1つの目的は、暖機用燃料噴射弁
から噴射された噴霧燃料を吸気管内で効率良く微粒化お
よび気化して各気筒へ供給することができる燃料供給装
置を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、始動直後の暖機時に
用いられる暖機用燃料噴射弁から噴射された噴霧燃料を
吸気管内で効率良く微粒化および気化して各気筒へ供給
することができる燃料供給装置を提供することにある。
【0013】本発明の更に他の目的は、噴霧燃料のヒー
タへの付着量を減少させることにより、燃料気化のため
にヒータで消費される電気エネルギを低減することにあ
る。
【0014】本発明の更に他の目的は、吸気管内へ噴射
される噴霧燃料を各気筒へ均一に分配することができる
ようにすることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、集合管の上流
側に位置し、各気筒内に空気を供給する主通路が形成さ
れ、この主通路内に空気流量を調整するスロットルバル
ブを備え、このスロットルバルブの下流側において前記
主通路内に燃料を噴射する燃料噴射弁とを備えた燃料供
給装置において、前記燃料噴射弁は、前記主通路に開口
するように形成した凹部内にノズルが位置するように設
置し、この燃料噴射弁より噴射した燃料噴霧の濃度分布
の高い部分が主通路内の吸入空気の流速の比較的速い領
域に合流するようにしたことを特徴とする。
【0016】また、本発明は、内燃機関の各気筒毎に燃
料を噴射するための運転用燃料噴射弁と、この運転用燃
料噴射弁の上流側の集合管の上流に位置し、各気筒に空
気を供給する主通路が形成され、この主通路内に空気流
量を調整するスロットルバルブを設けた吸気制御装置
と、前記スロットルバルブの下流側において前記主通路
内に燃料を噴射する暖機用燃料噴射弁とを備えた燃料供
給装置において、前記暖機用燃料噴射弁は、前記主通路
に開口するように形成した凹部内にノズルが位置するよ
うに設置し、この暖機用燃料噴射弁から噴射した燃料噴
霧の濃度分布の高い部分が前記主通路内の吸入空気の流
速の比較的速い領域に合流するようにしたことを特徴と
する。
【0017】そして、具体的には、前記スロットルバル
ブをバイパスするバイパス流路を設け、前記暖機用燃料
噴射弁から噴射した燃料噴霧の濃度分布の高い部分が前
記主通路内のバイパス流路の下流側に位置して吸入空気
の流速の比較的速い領域に合流するようにしたことを特
徴とする。
【0018】また、前記暖機用燃料噴射弁から噴射した
燃料噴霧が前記主通路を流れる吸入空気に合流する領域
を吸入空気の流速が速くなるスロットルバルブ端の開口
部の下流側としたことを特徴とする。
【0019】また、前記暖機用燃料噴射弁は、前記主通
路内の吸入空気の流れに沿うような形状の燃料噴霧を形
成するようにしたことを特徴とする。
【0020】また、前記暖機用燃料噴射弁から噴射した
燃料噴霧の下流側に位置させて前記主流路内に発熱する
ことによって燃料を気化するヒータを設置したことを特
徴とする。
【0021】また、前記スロットルバルブは、バルブ開
度を電気的に制御されるスロットルバルブであることを
特徴とする。
【0022】また、前記暖機用燃料噴射弁として、ノズ
ルの先端近傍に吸入空気の一部を供給して噴霧燃料の微
粒化促進をおこなうエアアシスト燃料噴射弁を用いたこ
とを特徴とする。
【0023】また、本発明の内燃機関は、前記燃料供給
装置を用いたことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態につい
て、図1〜図5を用いて説明する。
【0025】図1に示す内燃機関100は、ガソリンを
燃料とする周知の火花点火式の多気筒内燃機関である
が、1つの気筒のみに着目して図示している。
【0026】吸気系は、エアクリーナ(図示省略)を通
過して吸入される吸入空気201の流量を計測するエア
フローセンサ202と、運転者のアクセルペダル操作に
連動して回動する回転軸203に取り付けられて開閉動
作するスロットルバルブ204を設置する主流路205
を形成したスロットルボディ206と、前記回転軸20
3に連動して前記スロットルバルブ204の開度を計測
するスロットル開度センサ207と、吸気集合管208
と、吸気集合管208から内燃機関100の各気筒に分
岐する吸気マニホールド209と、吸気弁210を備え
た吸気ポート211等を備える。なお、吸気集合管20
8は、各気筒に分岐する前の吸気管のことである。
【0027】エアフローセンサ202およびスロットル
開度センサ207で計測した吸入空気201の流量およ
びスロットルバルブ204の開度情報は、コントローラ
300に入力し、内燃機関100の運転状態の検出や種
々の制御に使用する。
【0028】排気系は、各気筒の排気弁401を備えた
排気ポート402と、排気マニホールド403と、排気
中の酸素濃度を計測する酸素濃度センサ404と、排気
を浄化するための三元触媒コンバータ405と、消音マ
フラー(図示省略)等を備える。酸素濃度センサ404
で計測した酸素濃度情報は、コントローラ300に入力
して内燃機関100の運転状態の検出や種々の制御に使
用する。
【0029】燃料系は、燃料501を貯える燃料タンク
502と、燃料タンク502から燃料501を圧送する
燃料ポンプ503と、燃料フィルタ504と、圧送され
た燃料501の圧力を所定の高さに調整するプレッシャ
レギュレータ505と、各気筒(#1,#2……)の吸
気ポート211に燃料を噴射するポート燃料噴射弁50
6と、スロットルボディ206の主流路205内に燃料
を噴射する暖機用燃料噴射弁507等を備え、これらは
燃料配管508で接続する。
【0030】なお、暖機用燃料噴射弁507は、主流路
205のスロットルバルブ204の下流で、吸気集合管
208の上流に位置する燃料噴射弁であり、始動直後に
三元触媒コンバータ405の暖機に好適な燃料噴射を実
行する。ポート燃料噴射弁506と暖機用燃料噴射弁5
07からの燃料噴射は、内燃機関100の運転状態に応
じて制御し、具体的にはコントローラ300から出力さ
れる指令信号に基づいて実行する。ポート燃料噴射弁5
06は、内燃機関100の始動および始動後から所定期
間経過後の燃料噴射を分担し、暖機用燃料噴射弁507
は、内燃機関100の始動後から所定期間経過までの燃
料噴射を分担する。この内燃機関100の始動後からの
所定期間は、三元触媒コンバータ405の暖機運転期間
に相当する。
【0031】スロットルボディ206は、更に、閉合状
態にあるスロットルバルブ204の前後を結んで吸入空
気をバイパスするバイパス流路212と、このバイパス
流路212の途中に設置したISCバルブ213と、主
流路205を挟んで前記暖機用燃料噴射弁507と反対
側の前記主流路205の壁面を構成するようにスロット
ルボディ206に断熱材214を介して取り付けたヒー
タ215を備える。そして、スロットルバルブ204と
スロットルボディ206とバイパス流路212とISC
バルブ213と断熱材214とヒータ215は、ユニッ
ト化された吸気制御装置216を構成する。なお、エア
フローセンサ202もスロットルボディ206と一体化
することができる。この吸気制御装置216について
は、更なる詳細を後述する。
【0032】内燃機関100の各気筒は、点火プラグ1
01を臨ませて構成した燃焼室102と、開閉動作によ
って吸気−圧縮−膨張−排気のサイクルを制御する前記
吸気弁210と排気弁401を備える。点火プラグ10
1には、バッテリおよびオルタネータ(何れも図示省
略)から供給される電力をコントローラ300からの信
号に応じてイグニッションコイル103にて高電圧化し
て配電することにより火花を発生させて点火を行う。ま
た、燃焼室102の側部にはウォータジャケット104
を設け、その内部には内燃機関100を冷却するための
冷却水105を循環させる。冷却水105の温度は、ウ
ォータジャケット104に設置した水温センサ106で
計測してコントローラ300に入力し、内燃機関100
の運転状態の検出や制御に使用する。また、ピストン1
07にコンロッド108を介して連結したクランク軸
(図示省略)の回転角度は、クランク角度センサ(図示
省略)によって計測してコントローラ300に入力し、
このコントローラ300がピストン107の位置を検出
するために使用する。
【0033】内燃機関100の運転に伴い、燃焼室10
2には暖機用燃料噴射弁507および/またはポート燃
料噴射弁506から噴射された燃料と吸入空気201の
混合気217が吸入され、燃焼室102に吸入された混
合気は、圧縮行程から膨張行程にかけての上死点付近で
点火プラグ101によって点火されて燃焼する。燃焼後
に燃焼室102から排出される燃焼ガス406は、排気
ポート402および排気マニホールド403を経て三元
触媒コンバータ405に至り、ここで浄化された後に最
終的な排気ガス407として機外に排出される。
【0034】次に、前記吸気制御装置216の構成につ
いて、図2を参照して説明する。
【0035】吸気制御装置216内の主流路205は、
スロットルバルブ204を開くことによって主流路20
5の上流と下流が連通する。また、バイパス流路212
は、内燃機関100の始動およびアイドル運転時にIS
Cバルブ213を開閉することによりバイパス流路21
2を流れるバイパス空気218の流量を調整する。
【0036】スロットルボディ206は、外周に円筒形
の凹部として形成した挿入部219を備える。この挿入
部219は、前記暖機用燃料噴射弁507を取り付ける
取付け部であり、スロットルボディ206内の主流路2
05の軸流方向に沿うように該軸流方向に対して所定の
角度αの角度で傾き、奥端(底部)がスロットルボディ
206内の主流路205側に該主流路205に開口する
ように形成した円筒形の凹部220に円孔221を介し
て連通する。挿入部219と凹部220は、同心形状に
形成する。
【0037】このような挿入部219に暖機用燃料噴射
弁507を挿入して取り付けると、暖機用燃料噴射弁5
07の軸心とスロットルボディ206内の主流路205
の中心を通る軸流方向に仮想した中心線とのなす角度
が、前記所定角度αに設定される。また、挿入部219
の底部に形成した円孔221は、暖機用燃料噴射弁50
7のノズル509の外径よりも若干大きい内径に穿って
おくことにより、挿入部219に挿入した暖機用燃料噴
射弁507は、挿入部219の内側面および円孔221
の内面と暖機用燃料噴射弁507の外側部とノズル50
9の外径により芯出し位置決めされる。また、暖機用燃
料噴射弁507の肩部510が挿入部219の底部に当
接することにより、ノズル509の先端面の挿入深さが
位置決めされる。円孔221内に挿入して取り付けた暖
機用燃料噴射弁507のノズル509の先端面は、スロ
ットルボディ206の凹部220内の奥に位置し、主流
路205側に対して下流側に傾いて対面することにな
る。
【0038】バイパス流路212の出口222は、スロ
ットルバルブ204の下流側に位置し、主流路205に
開口する前記凹部220の前記開口の上流に位置させて
該主流路205の軸流方向下流へ向けて開口させる。
【0039】主流路205内に噴射された燃料の気化を
促進するための発熱体であるヒータ215は、暖機用燃
料噴射弁507の下流側で主通路12に面するように設
置する。このヒータ215の設置位置は、暖機用燃料噴
射弁507の軸心の延長線上で凹部220とは主流路2
05を挟んで反対側となるようにする。このヒータ21
5は、板状の複数の発熱素子を配列して主流路205の
内壁面に沿って円弧状に構成する。各発熱素子には、温
度が所定値以上に上昇するとその電気抵抗が急増して電
流が低下することにより温度を一定に保持する機能を持
つPTCヒータ(セラミックヒータ)を用いる。断熱材
214は、ヒータ215からスロットルボディ206側
への熱の移動(放熱)を低減するように配設する。
【0040】なお、この実施の形態では、ヒータ215
としてPTCヒータを用いたが、電流制御回路を付与し
て温度制御を行なうようにすれば、電熱コイル等の一般
的なヒータを用いても実現可能である。
【0041】この実施の形態における吸気制御装置21
6は、スロットルボディ206の前端と後端にフランジ
(図示省略)を設けることにより吸気管の途中に着脱可
能に構成している。従って、内燃機関100における暖
機に係わる重要な構成部品を1つの単位(ユニット)と
して内燃機関100の吸気系に着脱することができるの
で、組立,調整,保守を容易に行うことができる構成と
なる。
【0042】次に、主流路205内における暖機用燃料
噴射弁507による噴霧燃料と吸入空気との混合につい
て説明する。
【0043】暖機運転において、バイパス流路212に
流入する吸入空気218は、ISCバルブ213によっ
て流量が制御されてバイパス流路出口222から主流路
205内のスロットルバルブ204の下流の凹部220
の上流側に流出する。そして、バイパス流路出口222
から主流路205内に流出した吸入空気223は、凹部
220の開口の上を流れるときに、この凹部220の奥
の底部に開口する円孔221から露出する暖機用燃料噴
射弁507のノズル509から噴射する燃料噴霧511
と衝突して該燃料噴霧511を混合および微粒化して主
流路205内の下流側へ搬送する。
【0044】暖機用燃料噴射弁507から噴射する燃料
噴霧511は、内燃機関100の始動直後の所定期間
(暖機運転)中に良く気化した燃料を各気筒に供給ため
に生成する。従って、燃料噴霧511は、主流路205
内で該主流路205内を流れる吸気と良く混合して気化
することが望ましい。
【0045】この実施の形態では、暖機用燃料噴射弁5
07として、ノズル509の先端に多数の噴孔を穿った
多穴ノズル型燃料噴射弁を採用している。この多穴ノズ
ル型燃料噴射弁は、薄い板に複数の噴孔を穿った多穴と
して燃料噴霧511の微粒化を促進することにより、平
均粒径で30〜50μmの噴霧を実現している。
【0046】また、多穴ノズル型燃料噴射弁は、多穴に
穿かれた噴孔のそれぞれに方向性をもたせることがで
き、燃料噴霧511の噴霧形状を所望の形状にすること
が比較的容易である。そこで、この実施の形態において
は、バイパス通路出口222から流出する吸入空気22
3の比較的流速の速いところへ集中して燃料噴霧511
を供給するように暖機用燃料噴射弁507を設置してい
る。この多穴ノズル型燃料噴射弁の詳細については、図
12を用いて後述する。
【0047】内燃機関100の始動直後の所定の暖機中
における主流路205内のスロットルバルブ204の下
流側の吸気流速は、バイパス流路212の出口222か
ら流出する吸入空気223の影響が大きいことから、凹
部220の開口に近い領域で比較的に速い。そして、こ
の凹部220の奥に位置する暖機用燃料噴射弁507の
ノズル509から噴射された燃料噴霧511は、凹部2
20内を通過する間に十分に霧化して主流路205内に
進出し、バイパス流路212の出口222から流出する
吸入空気223と衝突(合流)する。バイパス流路21
2の出口222より流出する吸入空気223の流速は比
較的速いために、この吸入空気223に衝突した燃料噴
霧511は、微粒化が促進すると共に吸入空気223と
良く混合して気化し、各気筒へ効率良く均等に分配され
るようになる。
【0048】また、主流路205に進入した燃料噴霧5
11の微粒化が促進することにより、暖機用燃料噴射弁
507から噴射される燃料噴霧511のペネトレーショ
ン(噴霧到達距離)が短くなる。従って、ヒータ215
まで飛翔して該ヒータ215の表面へ付着する噴霧燃料
は極めて少なくなる。また、ヒータ215に噴霧燃料が
付着したとしても該燃料の粒径が小さいために瞬時に気
化される。
【0049】これらの作用により、暖機用燃料噴射弁5
07から噴射する燃料噴霧511は、微粒化および気化
が促進されると共に効率良く搬送されて各気筒に均等に
分配される。従って、始動直後に点火時期を遅延させて
燃焼ガス406の温度を高めて三元触媒コンバータ40
5を暖機するのに好適となる。
【0050】以上のように、この実施の形態における吸
気制御装置216によれば、次のような効果が得られ
る。
【0051】(1)暖機用燃料噴射弁507のノズル5
09を凹部220の奥に位置するように設置して該ノズ
ル509から噴射する燃料噴霧511を該凹部220内
で微粒化を促進してから主流路205に進出させるよう
にしたので、主流路205内の吸入空気と良く混合させ
ることができる。
【0052】(2)暖機用燃料噴射弁507として、多
穴ノズル型燃料噴射弁を使用することにより、主流路2
05に進出する燃料噴霧511の微粒化を一層促進する
ことができ、ペネトレーションを短くすることができ
る。従って、燃料噴霧511の大部分は、主流路205
内を流れる空気流に混合して搬送され、主流路壁面への
付着を軽減することができる。
【0053】(3)暖機用燃料噴射弁507として、多
穴ノズル型燃料噴射弁を使用し、且つ、多穴のノズル噴
孔をそれぞれ方向性をもって穿つことにより噴霧形状を
比較的容易に所望の形状として主流路205内の吸入空
気と良く混合するようにすることができる。
【0054】(4)暖機用燃料噴射弁507から噴射し
た燃料噴霧511を主流路205内で流速の比較的速い
バイパス流路212からの吸入空気223に衝突させる
ことにより、更なる微粒化の促進と効果的な搬送を実現
することができる。
【0055】(5)暖機用燃料噴射弁507から噴射さ
れた燃料噴霧511は、主流路205内において吸入空
気と良く混合および気化するので、各気筒へ均等に分配
することができる。
【0056】(6)燃料噴霧511が主流路205内に
おいて吸入空気と効率良く混合するために、噴霧燃料の
気化を補助するヒータ215を小型化または廃止するこ
とも可能となる。
【0057】(7)スロットルバルブ204とバイパス
流路212を内蔵する吸気制御装置216に暖機用燃料
噴射弁507を一体的に実装することにより、装置を小
型化することができる。
【0058】(8)内燃機関100への装着性が向上
し、生産面およびコスト面で従来に比べて大幅に改善さ
れている。
【0059】この吸気制御装置216を内燃機関100
へ搭載して運転するときの制御について、図1および図
3〜図5を用いて説明する。
【0060】図1において、内燃機関100が運転され
ると、各気筒の吸入行程に伴って、吸気管(吸気制御装
置216,吸気集合管208,吸気マニホールド20
9,吸気ポート211)内に負圧が発生し、この吸気管
内の負圧により、外部から空気が吸入されて吸入空気2
01が発生する。
【0061】内燃機関100の始動からアイドル運転時
は、スロットルバルブ204はほぼ全閉状態であり、こ
のときの吸入空気は、主として、バイパス流路212を
通って流れることになり、その流量は、バイパス流路2
12に配置したISCバルブ213によって制御され
る。
【0062】外気より吸入されてエアクリーナでろ過さ
れた後の吸入空気201は、エアフローセンサ202で
流量計測されてスロットルバルブ204の上流に達す
る。この吸入空気201の極一部は、スロットルバルブ
204と主流路205の内周壁面との間の僅かな隙間を
通過してスロットルバルブ204の下流の主流路205
内へ流入する。そして、吸入空気201の大部分は、ス
ロットルバルブ204の上流からバイパス流路212に
流入(矢印218)し、ISCバルブ213によって流
量制御されて出口222から主流路205内へ流出す
る。
【0063】ここで、コントローラ300は、内燃機関
100の始動および始動直後の所定期間とその後を区分
して、ポート燃料噴射弁506と暖機用燃料噴射弁50
7の切り換え制御を行う。その制御方法を図3を参照し
て説明する。
【0064】内燃機関100の始動時においては、燃焼
室102で初爆が起きるまで、あるいは内燃機関100
の回転速度が所定の回転速度に達するまでの間は、ポー
ト燃料噴射弁506を動作させて燃料を噴射する。
【0065】内燃機関100が始動すると、その後、ポ
ート燃料噴射弁506の燃料噴射を停止させて暖機用燃
料噴射弁507の燃料噴射に切り換えるが、この切り換
え時には、ポート燃料噴射弁506の燃料噴射期間T1
と時間ΔT1だけオーバーラップするように暖機用燃料
噴射弁507の燃料噴射を開始させて該暖機用燃料噴射
弁507からの燃料噴射を行う。すなわち、オーバーラ
ップ時間ΔT1の間は、ポート燃料噴射弁506と暖機
用燃料噴射弁507の両方から燃料を噴射することによ
り、燃焼室102に供給される燃料が途切れないように
する。このオーバーラップ時間ΔT1は、暖機用燃料噴
射弁507から噴射された燃料が燃焼室102に到達す
るまでの輸送遅れの時間である。オーバーラップ時間Δ
T1を設けることにより、ポート燃料噴射弁506から
暖機用燃料噴射弁507への切り換えの際に燃料が途切
れることにより生じる内燃機関100の発生トルクの段
差をなくすことができる。
【0066】オーバーラップ時間ΔT1の長さは、暖機
用燃料噴射弁507の下流側の吸気管の容積や内燃機関
100の回転速度によって変わり、容積が大きい程ある
いは回転速度が低い程、長くするのが良い。特に、回転
速度に応じて、切り換え時の回転速度が低いときにはオ
ーバーラップ時間ΔT1を長くし、回転速度が高いとき
にはオーバーラップ時間ΔT1を短くするように補正を
加えることで、トルク段差をより一層小さくする制御が
可能となる。
【0067】また、ヒータ215への通電開始を暖機用
燃料噴射弁507の燃料噴射に先行させて行うようにす
ることにより、暖機用燃料噴射弁507から燃料噴射を
始める時点のヒータ215の温度を燃料を気化させるの
に必要な温度までに高めておけるので、燃料の気化の促
進に有効である。
【0068】暖機用燃料噴射弁507の動作は、所定の
期間T2だけ継続させる。例えば、内燃機関100の暖
機期間は、主として、三元触媒コンバータ405が暖機
されて活性化されることを考慮した時間とする。三元触
媒コンバータ406の触媒の温度を検出するセンサや三
元触媒コンバータ405を通過した排気の温度を検出す
るセンサを備えている場合には、これらのセンサが検出
する温度が所定の値に上昇するまでの期間とすると良
い。
【0069】三元触媒コンバータ405の暖機が終了し
た後は、暖機用燃料噴射弁507の燃料噴射を停止し
て、再び、ポート燃料噴射弁506の燃料噴射に切り換
える。その切り換え時には、暖機用燃料噴射弁507の
燃料噴射を停止してからポート燃料噴射弁506の燃料
噴射開始までの間に、両方の燃料噴射弁506,507
の燃料噴射を停止する無噴射時間ΔT2を設け、燃焼室
102に燃料が重複して供給されるようになるのを防止
する。これにより、切り換えの際に生じる過剰燃料によ
り内燃機関100に発生するトルクの段差をなくすこと
ができる。この無噴射時間ΔT2は、オーバーラップ時
間ΔT1と同様に、暖機用燃料噴射弁507から噴射さ
れた燃料が燃焼室102に到達するまでの輸送遅れの時
間である。無噴射時間ΔT2の長さは、オーバーラップ
時間ΔT1の長さと同様に、暖機用燃料噴射弁507の
下流側の吸気管の容積や内燃機関100の回転速度に応
じて制御すると良い。
【0070】このようにポート燃料噴射弁506と暖機
用燃料噴射弁507の燃料噴射の切り換え制御を行うこ
とにより、次のような効果を得ることができる。
【0071】内燃機関100の始動時にポート燃料噴射
弁506から燃料を噴射することによって、暖機用燃料
噴射弁507からの燃料噴射によって始動を行う場合に
比べて、始動に要する時間を短縮することができる。こ
れは、ポート燃料噴射弁506から噴射された燃料は直
ぐに内燃機関100の燃焼室102に吸入されて燃焼が
可能になるからであり、暖機用燃料噴射弁507から噴
射する燃料が燃焼室102に到達するまでの輸送遅れに
相当する時間分だけ始動時間を短縮することができる。
【0072】次に、暖機用燃料噴射弁507から噴射し
た燃料の気化を補助するヒータ215の制御について説
明する。ヒータ215には、図4(a)に示すように、バ
ッテリおよびオルタネータ等の発電機(図示省略)から
一定の電圧を印加する。このとき、ヒータ215に流れ
る電流は、同図(b)に示すように、時間と共に変化す
る。すなわち、この実施の形態では、ヒータ215とし
てPTCヒータを用いているので、通電開始直後でヒー
タ215の温度が低いときにはその抵抗値が小さく、大
きな電流がヒータ215に流れ込む。ヒータ215が発
熱して温度が上昇するのに伴ってヒータ215の抵抗は
加速度的に大きくなるので、電流はピークを迎えた後に
減少していき、最終的には、ヒータ215から奪われる
熱量と均衡する熱量を発生する電流値に落ち着く。図
(b)中の実線は、この実施の形態において実現されるヒ
ータ215の電流の時間変化を示しており、その特徴
を、破線で示す従来例と比較して以下に述べる。
【0073】(1)暖機用燃料噴射弁507からの燃料
噴霧511のペネトレーションを短くし、主流路205
内で吸入空気に効率良く混合させることによって、ヒー
タ215の負担を軽くして該ヒータ215の発熱容量を
低減しているので、ピーク電流を下げることができる。
また、ピーク電流に早く到達させることができる(換言
すると、ヒータ温度を速く上昇させることができる)。
更に、ヒータ215の表面積が小さくすることができる
ために、表面からの放熱量が減少し、その分の電流を下
げることができる。
【0074】(2)燃料噴霧511の微粒化を促進して
吸入空気によって大部分の燃料を搬送するようにしてい
るので、ヒータ215に到達する燃料が少なくなり、燃
料の気化熱に相当するヒータ電流を下げることができ
る。
【0075】(3)ヒータ215からスロットルボディ
206に伝達(放熱)される熱量を断熱材214によっ
て低減するようにしているために、その分のヒータ電流
を下げることができる。スロットルボディ206を金属
ではなく樹脂で構成すれば、スロットルボディ206へ
の放熱を更に軽減してヒータ電流をより一層下げること
が可能となる。
【0076】燃焼ガス406の温度を高めて三元触媒コ
ンバータ405の暖機を促進するために、点火時期を遅
延する方法が好ましいことは前述した通りである。
【0077】図5(a)は、噴霧燃料の粒径と燃焼の安定
性を維持したまま点火時期を遅く(リタード)できる限
界との関係を示している。この実施の形態で得られる噴
霧燃料の粒径は、非常に小さいために、膨張行程に入る
まで点火時期を大幅にリタードさせることが可能とな
る。膨張行程で点火を行うと燃焼室102内の燃焼ガス
が膨張する割合が減るため、燃焼ガスが膨張仕事によっ
て消費する熱量が少なくなり、高温を保ったままの燃焼
ガス406を排気マニホールド403に排出することが
できる。つまり、図5(b)に示すように、点火時期をリ
タードして高温の燃焼ガス406を排出することによっ
て三元触媒コンバータ405を急速に暖機することが可
能になり、内燃機関100の始動後に三元触媒コンバー
タ405の触媒が活性化温度に達するまでの時間を短縮
することができる。すなわち、図5(c)に示すように、
三元触媒コンバータ405の浄化作用が早期に開始され
るので、内燃機関100の始動後に排出されるHCの量
を大幅に低減することができる。なお、三元触媒コンバ
ータ(触媒)405の早期暖機により、HCのみなら
ず、NOx,COの低減も可能である。
【0078】また、暖機用燃料噴射弁507は、主流路
205のスロットルバルブ204の下流に位置し、吸気
集合管208の上流側に燃料を噴射する。従って、燃料
噴霧位置から燃焼室102までの距離が長くなり、燃料
噴霧511と吸入空気との混合および微粒化促進のため
の距離が長くなるために、吸入空気に対する噴霧燃料の
混合および気化が促進し、各気筒への分配がより均一に
なる。
【0079】この実施の形態では、主流路205に進出
する燃料噴霧511は、凹部220の奥に開口させたノ
ズル509の多穴噴孔からの噴射によって微粒化を促進
し、更に、主流路205内でバイパス流路212の出口
222から流出する吸入空気223に衝突(合流)させ
て混合,気化させているが、吸入空気の一部をノズル噴
孔から噴射された燃料噴霧の噴射直後に衝突させるエア
アシスト方式の燃料噴射弁を用いると、微粒化のより一
層の促進を図ることができる。
【0080】次に、本発明の第2の実施の形態につい
て、図6を用いて説明する。図6は、この実施の形態に
おける吸気制御装置を示している。図2に示した第1の
実施の形態との主たる違いは、運転者のアクセルペダル
操作に連動して開閉動作するスロットルバルブ204の
代わりに、電気的制御によって開度が制御される電子制
御スロットルバルブ(以下、ETCバルブという)が設
置され、それに伴ってパイパス流路とISCバルブが廃
止されている点にある。ETCバルブを用いると、内燃
機関の始動時およびアイドル運転時の吸入空気量を、I
SCバルブを用いないで制御することができるので、I
SCバルブが不要となり、当然に、バイパス流路も廃止
されている。
【0081】この実施の形態における吸気制御装置21
6は、ノズルの内部において燃料に旋回を付与する上流
旋回式燃料噴射弁を暖機用燃料噴射弁522として採用
している。この上流旋回式燃料噴射弁は、燃料の圧力エ
ネルギを旋回エネルギに変換することにより噴霧燃料の
微粒化を促進することができる燃料噴射弁である。従っ
て、暖機用燃料噴射弁522から噴射する燃料噴霧52
3の粒径は30〜50μm程度を実現することができ
る。また、この暖機用燃料噴射弁522は、ノズルの噴
孔先端部分を切り欠いて噴孔先端に段差を設けた切り欠
きノズル524を採用している。この切り欠きノズル5
24は、燃料噴霧523が噴孔先端の段の低位側に片寄
った形状に形成される特性を有する。また、前述した実
施の形態におけるスロットルバルブ203と同様に主流
路205を開閉するETCバルブ224は、回転軸20
3に取り付けられ、電気的制御装置によって開閉駆動す
る構成である。その他の構成は、第1の実施の形態と同
じであるのでこれと同一参照符号を付して重複する説明
を省略する。なお、切り欠きノズル524の詳細は、図
12を用いて後述する。
【0082】この実施の形態では、ETCバルブ224
の回転軸203と主流路205の軸流方向とで形成され
る平面に対して、主流路205の中心軸の垂直平面内
に、暖機用燃料噴射弁522の中心軸がほぼ含まれるよ
うに該暖機用燃料噴射弁522および円孔221を配設
する。そして、凹部220は、始動,暖機時およびアイ
ドリング時にETCバルブ224が僅かに回転すること
により該ETCバルブ224の下流側に回転する部分の
先端縁と主流路205の壁面との間に形成する開口部2
25の直後に凹部205の開口縁が位置するように形成
する。また、ヒータ215は、暖機用燃料噴射弁522
の中心軸(弁軸心)を延長した線と主流路205の壁面
が交差する点の近傍の主流路205の壁面に設置する。
【0083】ここで、ETCバルブ224は、内燃機関
100の始動後は、内燃機関100が運転されている間
はその開度の大小の差こそあれ常に開いている。図6に
示すように、ETCバルブ224が回転すると、このE
TCバルブ224の下流側に回転する部分の先端縁と主
流路205の壁面との間に形成される開口部225と、
上流側に回転する部分の先端縁と主流路205の壁面と
の間に形成される開口部226が発生する。2つの開口
部225,226を通過する吸入空気227,228の
流量は、ETCバルブ224の開度が小さいときには、
開口部226を通過する吸入空気228に比べて開口部
225を通過する吸入空気227が多くなる。
【0084】凹部220は、この流量が多く比較的に流
速の速い吸入空気227が流れる領域に面して開口して
おり、この凹部220の奥に位置する暖機用燃料噴射弁
522から噴射する燃料噴霧523は、主流路205に
進出するときにこの吸入空気227と衝突するように合
流して混合する。従って、燃料噴霧523は、主流路2
05内を流れる比較的に速い吸入空気227によって一
層の微粒化促進が図られ、効率的に下流側へ搬送され
る。
【0085】ここで、暖機用燃料噴射弁522は、切り
欠きノズル524から噴射する片寄った燃料噴霧523
が主流路205の軸心に沿って下流方向に伸びて形成さ
れるように設置している。従って、開口部225を通過
した吸入空気227の流速の速い領域に燃料噴霧523
を多く供給することができるために、燃料噴霧523の
微粒化促進と搬送効率向上を実現することができる。
【0086】次に、本発明の第3の実施の形態につい
て、図7を用いて説明する。図7は、この実施の形態に
おける吸気制御装置を示している。図2に示した第1の
実施の形態との違いは、図6に示した第2の実施の形態
と同様に、ETCバルブを用いたことにある。また、E
TCバルブと主流路の壁面との間に形成する空気通路を
改良するための主流路の壁面の変更を行い、暖機用燃料
噴射弁として、燃料噴霧形状を偏向することが容易な多
穴ノズル型の燃料噴射弁を採用した。その他の構成は、
第1の実施の形態と同じであるので、これと同一参照符
号を付して重複する説明を省略する。
【0087】この実施の形態において、ETCバルブ2
24の回転軸203と主流路205の軸流方向とで形成
される平面に対して、主流路205の中心軸の垂直平面
内に、暖機用燃料噴射弁525の中心軸がほぼ含まれる
ように該暖機用燃料噴射弁525を取り付ける挿入部2
19および円孔221を配設する。そして、凹部220
は、始動,暖機時およびアイドリング時にETCバルブ
224が僅かに回転することにより該ETCバルブ22
4の下流側に回転する部分の先端縁と主流路205の壁
面との間に形成する開口部225の直後に凹部220の
開口縁が位置するように形成する。
【0088】ETCバルブ224が所定の開度になるま
での回転範囲において、このETCバルブ224の上流
側に回転する部分の先端縁と主流路205の壁面は僅少
の間隙で対向して実質的な開口部を形成しないように該
壁面を先端縁の回転軌跡と同一曲率の曲面部229に形
成する。この回転範囲は、基本的には、ETCバルブ2
24が始動,暖機時およびアイドリング時において回転
する範囲とする。
【0089】このような吸気制御装置216によれば、
暖機時に主流路205を流れる吸入空気は、開口部22
5を通過する吸入空気227が主体となり、しかも、こ
の吸入空気227は、凹部220の開口に沿って比較的
速い流速で流れる。そして、この凹部220の奥に位置
する暖機用燃料噴射弁525のノズル526から噴射す
る燃料噴霧527は、吸入空気227と衝突して微粒化
が促進され、吸入空気227に良く混合して主流路20
5内の下流側へ効率良く搬送される。
【0090】この実施の形態における暖機用燃料噴射弁
525のノズル526は、多穴噴孔ノズルを採用してい
ることから、微粒化を促進した燃料噴霧527を吸入空
気227と混合し易いように主流路205に進出させる
ことが可能となり、また、主流路205の下流方向に伸
びるように偏向した燃料噴霧527を形成することが可
能となる。従って、噴霧燃料のペネトレーションが短縮
してヒータ215への到達量も極めて少なくなり、吸入
空気227の流れに略沿った噴射方向とすることができ
ることから、ヒータ215の負荷が軽くなると共に吸入
空気による燃料搬送効率が一層向上する。
【0091】次に、本発明の第4の実施の形態につい
て、図8を用いて説明する。図8は、この実施の形態に
おける吸気制御装置を示している。この実施の形態は、
図7に示した実施の形態と同様に、ETCバルブを主流
路内に配置しているが、始動,暖機時およびアイドリン
グ時に主流路の壁面との間に形成する開口部は、暖機用
燃料噴射弁の設置位置と反対側に形成するようにしてい
る点で相違する。また、暖機用燃料噴射弁は、第1の実
施の形態と同様の噴霧形状を持つ多穴噴孔ノズル型の燃
料噴射弁を採用している。その他の構成は、第1の実施
の形態と同様であるのでこれと同一参照符号を付して重
複する説明を省略する。
【0092】この実施の形態において、ETCバルブ2
24は、暖機用燃料噴射弁507から燃料を噴射する凹
部220の側が該凹部220から遠ざかる方向(上流側
方向)に回転することにより、凹部220と反対側の部
分の先端縁が主流路205の下流方向に回転して該主流
路205の壁面から離れて該壁面との間に開口部231
を形成する。そして、このETCバルブ224の凹部2
20側は、ETCバルブ224が所定の開度になるまで
の回転範囲において、このETCバルブ224の上流側
に回転する部分の先端縁と主流路205の壁面は僅少の
間隙で対向して実質的な開口部を形成しないように該壁
面を先端縁の回転軌跡と同一曲率の曲面部232に形成
する。この回転範囲は、基本的には、ETCバルブ22
4が始動,暖機時およびアイドリング時において回転す
る範囲とする。
【0093】このような吸気制御装置216によれば、
暖機時に主流路205に流れる吸入空気は、開口部23
1を通過する吸入空気233が主体となり、ヒータ21
5の表面に沿って比較的速い流速で流れる。そして、暖
機用燃料噴射弁507から噴射される燃料噴霧511
は、凹部220内および主流路205において微粒化を
促進しながらヒータ215の方向へ供給され、ヒータ2
15の表面に沿って流れる吸入空気233と効率良く合
流,混合して下流に搬送される。この吸入空気233
は、比較的高速で流れているので、合流,混合によって
燃料噴霧511の微粒化が促進する。燃料噴霧511内
の粗大粒子は、吸入空気233の流れを貫通してヒータ
215に付着して気化され、吸入空気233によって搬
送される。
【0094】ここで、ヒータ215に付着する燃料噴霧
511の粗大粒子は、ヒータ215の表面に沿って流れ
る比較的高速の吸入空気233に煽られて該表面上で引
き伸ばされることから、ヒータ215の熱を効率良く吸
収して気化する。
【0095】この実施の形態では、ヒータ215に付着
する噴霧燃料の粗大粒子を効率良く気化して効率良く搬
送することができるので、ヒータ215における消費電
力は多少多くなるが、応答性に優れる効果が得られる。
【0096】次に、本発明の第5の実施の形態につい
て、図9を用いて説明する。図9は、この実施の形態に
おける吸気制御装置を示している。この実施の形態は、
図6に示した実施の形態と同様に、ETCバルブを主流
路内に配設しているが、このETCバルブは、縦型の回
転軸に取り付けた構成に違いがある。また、これに伴っ
て、暖機用燃料噴射弁は、ノズルの噴孔先端部分にスリ
ット溝を形成したスリットノズルのものを用いた。その
他の構成は、第2の実施の形態と同様であるのでこれと
同一参照符号を付して重複する説明を省略する。スリッ
トノズルに関する詳細な説明は、図12を用いて後述す
る。
【0097】この実施の形態において、ETCバルブ2
34は、縦型の回転軸235に取り付けてその両側に開
口部236,237を形成するように主流路205内に
設置する。暖機用燃料噴射弁528および凹部220の
中心軸は、前記回転軸235と主流路205の軸流方向
とで形成される平面内にほぼ含まれるように構成する。
また、ヒータ215は、暖機用燃料噴射弁528から噴
射された燃料噴霧529の粗大粒子が到達する部分、す
なわち、暖機用燃料噴射弁528の中心軸(弁軸心)を
延長した線と主流路205の壁面が交差する点の近傍の
該主流路205の内壁面に配置する。
【0098】ここで、ETCバルブ234は、内燃機関
100の始動後は、内燃機関100が運転されている間
はその開度の大小の差こそあれ常に開いている。図9に
示すように、ETCバルブ234が回転すると、このE
TCバルブ234の下流側に回転する部分の先端縁と主
流路205の壁面との間に形成される開口部236と、
上流側に回転する部分の先端縁と主流路205の壁面と
の間に形成される開口部237が発生する。2つの開口
部236,237を通過する吸入空気238,239の
流量は、ETCバルブ234の開度が小さいときには、
開口部237を通過する吸入空気239に比べて開口部
236を通過する吸入空気238が多くなる。また、各
吸入空気1238,239の流量は、各開口部236,
237の中央部(主流路205における側壁中央領域)
を通過する量が最も多く、回転軸235がある上下壁面
部分では流れない。
【0099】そこで、凹部220の奥に露出する暖機用
燃料噴射弁528のスリットノズル530は、噴射する
燃料噴霧529の噴霧濃度が開口部236,237の下
流領域で比較的に速い流速の吸入空気238,239が
発生している領域に分布するように偏平な燃料噴霧形状
となるように構成する。すなわち、スリットノズル53
0のスリットが水平方向を向くように暖機用燃料噴射弁
528を設置することにより、このような燃料噴霧52
9の形状を実現する。
【0100】このように主流路205内に噴射された燃
料噴霧529は、噴霧濃度が濃い部分が吸入空気23
8,239の流速の速い部分に供給されることにより、
噴霧燃料の微粒化が促進し、効率良く主流路205の下
流側へ搬送することが可能となる。また、スリットノズ
ル530から噴射する燃料噴霧529は、偏平に広げら
れることから、ペネトレーションも短くなり、ヒータ2
15への付着量が減少し、ヒータ215の消費電力を低
減することができる。
【0101】また、ヒータ215は、主流路205の回
転軸235を含む面の下流側の吸気流量の少ない壁面に
配置されているので、吸入空気に対する放熱も減少し、
消費電力を低減することができる。
【0102】次に、本発明の第6の実施の形態につい
て、図10を用いて説明する。図10は、第5の実施の
形態を示す図9(a)におけるA−A断面矢視図に相当
する図面である。この実施の形態は、第5の実施の形態
と略同様の構成であるが、暖機用燃料噴射弁のノズルに
噴孔が多数穿かれた多穴ノズルを採用し、また、噴孔を
所定角度傾けて穿つことにより燃料噴霧を2方向噴霧と
したことが相違する。その他の構成は、第5の実施の形
態と同様であるのでそれと同一の参照符号を付して重複
する説明を省略する。
【0103】この実施の形態において、暖機用燃料噴射
弁の多孔ノズル531は、主流路205内に設置された
ETCバルブ234の両側の開口部236,237の下
流側に向けて2方向燃料噴霧532を供給するように燃
料を噴射する構成とする。この燃料噴霧532は、多穴
ノズル531から噴射される燃料により形成するので、
微粒化が促進された燃料噴霧である。この2方向燃料噴
霧532は、吸入空気238,239の流速の速い領域
に供給されることにより、この吸入空気238,239
に衝突するように合流,混合して微粒化が促進されると
共に主流路205内を効率的に搬送することができる。
【0104】また、吸入空気238,239の流量は、
開口部236を通過する吸入空気238の方が多い。従
って、多穴ノズル531から噴射する2方向燃料噴霧5
32は、開口部236側の燃料噴霧濃度を濃く(噴孔の
数を多くする)することにより、濃度の濃い燃料噴霧5
32を吸入空気の通過量の多い開口部236の下流側に
供給することにより、噴霧燃料の微粒化および搬送を一
層効果的に実現することができる。
【0105】次に、本発明の第7の実施の形態につい
て、図11を用いて説明する。図11は、第5の実施の
形態を示す図9(a)におけるA−A断面矢視図に相当
する図面である。この実施の形態は、第5の実施の形態
と略同様の構成であるが、暖機用燃料噴射弁にノズル先
端噴孔部に切り欠きを入れた切り欠きノズルを採用した
ことが相違する。その他の構成は、第5の実施の形態と
同様であるのでこれと同一参照符号を付して重複する説
明を省略する。
【0106】この実施の形態において、暖機用燃料噴射
弁の切り欠きノズル533は、主流路205内に設置さ
れたETCバルブ234の両側の開口部236,237
の下流側に向けて偏向燃料噴霧534を供給するように
燃料を噴射する構成とする。この偏向燃料噴霧534
は、切り欠きノズル533の噴孔先端の切り欠いた方向
に噴霧燃料が大きく偏向し、他方にはさほど偏向しない
特性を利用して実現する。そして、比較的に流量が多く
て流速が速い吸入空気238が発生する開口部236の
下流側に濃い部分を差し向け、比較的に流量が少なく且
つ流速が遅い吸入空気239が発生する開口部237の
下流側には、薄い部分を差し向けるように構成する。
【0107】このような実施の形態によれば、偏向燃料
噴霧534は、噴霧濃度に応じた流量および流速の吸入
空気238,239に合理的に合流,混合して微粒化が
促進され、効率良く搬送することが可能となる。
【0108】次に、図12を参照して、暖機用燃料噴射
弁のノズルの噴孔先端形状と燃料噴霧形状に関して説明
する。図12は、各種のノズルを比較するために、噴孔
の形態が異なる各種ノズルと、噴孔から噴射する燃料噴
霧の形状と、ヒータへの噴霧付着パターンと、燃料噴霧
流量分布を示している。
【0109】各実施の形態において使用する暖機用燃料
噴射弁は、ノズル内部において燃料に旋回を付与する上
流旋回式の燃料噴射弁を用いている。この燃料噴射弁
は、燃料の圧力エネルギを旋回エネルギに置き換えるこ
とにより燃料噴霧の微粒化を促進する燃料噴射弁であ
り、燃料噴射弁より噴射する燃料噴霧の粒径を30〜5
0μm程度にすることができる。また、一穴ノズルを備
えた燃料噴射弁から噴射する燃料噴霧に比べて、噴射さ
れる燃料噴霧の形状制御および微粒化の促進を実現する
ためには多数の噴孔を設けた多穴ノズルを備えた燃料噴
射弁が好ましい。また、燃料噴霧の形状制御には、ノズ
ルの先端の噴孔の出口側を切り欠いた(図中斜線部分)
切り欠きノズルおよびスリット溝(図中斜線部分)を形
成したスリットノズルを備えた燃料噴射弁が好ましい。
更に、燃料噴霧の燃料微粒化を促進するためには、燃料
噴霧の噴射直後に吸入空気の一部を衝突させるエアアシ
ストノズルが好ましい。
【0110】ここで、各ノズル形状による噴霧の形状お
よびヒータへの噴霧付着形状の違いにつき説明する。更
に、燃料噴霧横断面の所定線上の流量分布の違いにつき
説明する。この流量分布は、位相ドップラー式レーザー
粒子分析計(PDPA)を用いて計測したものを模式的
に示したものである。
【0111】1穴ノズル540の場合には、噴孔541
から噴射した燃料噴霧543は、上流旋回式の燃料噴射
弁を用いているためにホロコーン状の噴霧形状となる。
従って、図中噴孔先端形状AおよびB方向矢視図の噴霧
形状は同様であり、各々の噴霧の最外角θ1およびθ2
共に同様の角度である。そして、ヒータ215の表面へ
の噴霧の付着形状もほぼ中空の環状(ドーナッツ形状)
である。但し、図中塗りつぶし領域のごとく1穴ノズル
540を備えた燃料噴射弁と主流路205の中心軸の取
り付け角度αにより、ヒータ215へ付着する噴霧燃料
の付着形状は長楕円形状となる。従って、燃料噴霧54
3の所定断面A―A線上の流量分布は、噴霧543の外
側部分の流量が比較的多くなり、中心付近の流量は少な
くなる。
【0112】多穴ノズル509の場合には、噴孔541
の下流に複数の小さな噴孔544が穿かれた多穴板54
5が配設されているために、1つ1つの噴孔544が1
穴ノズル噴孔541に比べて極めて小さい。従って、各
噴孔544から噴射する燃料噴霧511の粒径は、1穴
ノズル噴孔541から噴射する燃料噴霧543の粒径に
比べ小さい。従って、燃料噴霧511の貫通力は小さく
なり噴霧到達距離(ペネトレーション)が短くなる。ま
た、多穴板545に穿かれた噴孔544に方向性を持た
せることにより、噴孔544の1つ1つから噴射する噴
霧の方向を制御(設定)することができるために、比較
的容易に燃料噴霧511の広がり角度を設定することが
できる。従って、噴霧角θ1およびθ2を容易に設定す
ることが可能であるために、ヒータ215の表面上への
噴霧燃料の付着形状も任意に設定することができる。例
えば、ヒータ215上の塗りつぶし領域を点線内で囲ま
れた領域に変更して設定することも可能となる。更に、
偏平噴霧,偏向噴霧,2方向噴霧等の噴霧形状も比較的
容易に形成することができる。これらにより、1穴ノズ
ル540に比べて、燃料噴霧511の粒径を小さくする
ことができ、ペネトレーションも短くでき、更に、ヒー
タ215への噴霧燃料の付着領域を広くすることができ
るために、ヒータ215からの熱を効率良く付着燃料へ
伝えることができ、燃料の気化を促進することができ
る。
【0113】一方、主流路205を流れる吸入空気22
3の流れに沿った偏向噴霧も形成することができ、吸入
空気223の流れに乗せて効率的に噴霧燃料を燃焼室へ
搬送することが可能となる。
【0114】ここで、燃料噴霧511の所定断面B―B
線上の流量分布は、略均一になる。また、前述したよう
に、燃料噴霧511の形状を噴孔544に方向性を持た
せることにより容易に設定することができるために、そ
の流量分布も燃料噴霧511の形状の変更に伴って変更
することができる。
【0115】切り欠きノズル524の場合には、ノズル
524の先端を、斜線で示す切り欠き部546のよう
に、噴孔541の一部を含めて所定深さで切り欠くこと
により、偏向燃料噴霧523の生成を実現することがで
きる。この場合は、燃料噴霧523の粒径は、1穴ノズ
ル540から噴射する噴霧燃料に比べて数μm程度大き
くなる。しかし、切り欠き部546の段差により燃料噴
霧523の偏向が可能となり、燃料噴射弁の軸方向の燃
料噴霧のペネトレーションを短くすることができる。更
に、ヒータ215の表面への噴霧燃料の付着形状を1穴
ノズル540に比べ広くすることができるために、ヒー
タ215からの熱を効率良く付着燃料へ伝えることがで
き、燃料の気化を促進することができる。更に、燃料噴
霧523を吸入空気の流れに沿った形状に形成すれば、
吸入空気227の流れに乗せて効率的に燃焼室へ搬送す
ることが可能となる。
【0116】燃料噴霧523の所定断面C―C線上の流
量分布は、燃料噴霧523が切り欠き部546側に大き
く偏向されるために、切り欠き部546側の燃料流量分
布が大となる。
【0117】スリットノズル530の場合には、ノズル
530の先端面に、斜線で示すスリット溝547のよう
に、噴孔541上に所定の幅と深さでスリット溝547
を設けることにより、燃料噴霧529を偏平に形成する
ことができる。切り欠きノズル524と同様に、噴霧燃
料の粒径は、1穴ノズル540から噴射する噴霧燃料に
比べて数μm程度大きくなる。しかし、スリット溝54
7によって燃料噴霧529を偏平にすることにより、燃
料噴霧529のペネトレーションを短くすることができ
る。更に、ヒータ215の表面への付着形状を1穴ノズ
ル540に比べて広くすることができるために、ヒータ
215からの熱を効率良く付着燃料へ伝えて噴霧燃料の
気化を促進することができる。
【0118】燃料噴霧529の所定断面D―D線上の流
量分布は、スリット溝547の長手方向に燃料噴霧52
9が偏平に広げられるために、偏平に広げられた燃料噴
霧529の外側が大となる。
【0119】1穴エアアシストノズル548は、1穴ノ
ズル540とアトマイザ549を用いて空気流路を形成
し、燃料噴孔541から噴射する燃料噴霧550の周方
向から吸入空気201の一部の空気240を供給するよ
うに構成する。この1穴エアアシストノズル548を用
いることにより、平均粒径10μm程度の燃料噴霧55
0を形成することができる。また、燃料噴霧550の各
噴霧角θ1およびθ2は、略同角度となる1方向噴霧を
形成することができる。燃料噴霧550のペネトレーシ
ョンは、空気240を供給しない場合に比べて長くな
る。
【0120】燃料噴霧550の所定断面E―E線上の流
量分布は、エアアシストにより微粒化が促進されるため
に略一様になる。
【0121】以上に述べた、各種のノズル形状により燃
料噴霧のペネトレーションを短縮することができ、噴霧
形状を容易に設定することができるためにヒータの表面
への燃料付着形状を設定することができ、ヒータから該
ヒータに付着した燃料への熱の伝達が向上し、燃料の気
化の促進を効率的に行える。従って、前記各実施の形態
は、前記各種のノズルを用いた各種の燃料噴射弁の適用
が可能である。
【0122】以上、前述した各種の実施の形態では、吸
気制御装置内の暖機用燃料噴射弁より噴射した燃料噴霧
を直接、主流路内に供給する構成であるが、噴霧燃料の
より一層の微粒化促進を考慮する場合には、暖機用燃料
噴射弁の噴孔から噴射した燃料噴霧に吸入空気の一部を
供給することにより噴霧を微粒化する前記エアアシスト
型燃料噴射弁を用いることが好ましい。
【0123】また、本発明の総ての実施の形態では、暖
機用燃料噴射弁から噴射する噴霧燃料の平均粒径と吸気
ポートに配設したポート燃料噴射弁から噴射する噴霧燃
料の平均粒径との関係には、常に暖機用燃料噴射弁から
噴射する噴霧燃料の平均粒径の方が小さい関係にある。
【0124】更に、各気筒への燃料を噴射するポート燃
料噴射弁を吸気マニホールドに備えた所謂ポート噴射の
内燃機関を例にとって説明したが、燃料を内燃機関の燃
焼室内に直接噴射する、所謂筒内噴射の内燃機関に本発
明を適用しても同様の効果を得ることができる。
【0125】前述した各実施の形態は、スロットルバル
ブとその駆動機構を備えた燃料噴射装置であると考える
こともできるし、燃料噴射装置を備えたスロットル装置
(吸気制御装置)と考えることもできる。何れにして
も、燃料噴射装置とスロットル装置とを一体化して吸気
管に対して着脱可能に構成しているので、組立,調整,
保守を容易に行うことができる。特に電子制御スロット
ルでは、始動時におけるスロットルの動作と燃料噴射の
動作とを容易に確認することができる。
【0126】また、本発明の暖機用燃料噴射弁を備えた
吸気制御装置は、それ単独で、暖機用途に制限せずに内
燃機関の全運転領域で燃料供給を実行する燃料噴射装置
として使用することも可能である。
【0127】
【発明の効果】本発明によれば、吸入空気の流速の速い
領域に微粒化を促進した燃料噴霧を供給することによ
り、吸入空気に効率良く合流させて混合,微粒化の更な
る促進および気化を実現することができる。
【0128】従って、噴霧燃料を効率良く微粒化および
気化して各気筒に均一に分配することにより暖機を効率
的に行う燃焼を実現し、且つ暖機時に排出するHCを低
減することができ、また、空気流路の壁面への噴霧燃料
の付着を低減してヒータの消費電力を低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の燃料供給装置を搭
載した内燃機関のシステム構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における吸気制御給
装置を示すもので、(a)はその縦断側面図、(b)は
(a)におけるA−A断面矢視図である。
【図3】本発明の各実施の形態におけるポート燃料噴射
弁と暖機用燃料噴射弁の燃料噴射切り換えタイミングを
示すタイムチャートである。
【図4】本発明の各実施の形態におけるヒータに電力を
供給する際の特性を示すものであり、(a)はヒータに
加える電圧と時間の関係を示すタイムチャート、(b)
はヒータに流れる電流と時間の関係を示す特性図であ
る。
【図5】本発明の各実施の形態における内燃機関の運転
条件と排気特性とを示す図であり、(a)は噴霧燃料の
平均粒径と点火時期の関係を示す特性図、(b)は点火
時期と触媒の温度の関係を示す特性図、(c)は(b)
の触媒温度の上昇時間とHCの排出量の関係を示す特性
図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における吸気制御装
置を示すもので、(a)はその縦断側面図、(b)は
(a)におけるA−A断面矢視図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における吸気制御装
置を示すもので、(a)はその縦断側面図、(b)は
(a)におけるA−A断面矢視図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態における吸気制御装
置を示すもので、(a)はその縦断側面図、(b)は
(a)におけるA−A断面矢視図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態における吸気制御装
置を示すもので、(a)はその縦断側面図、(b)は
(a)におけるA−A断面矢視図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態における吸気制御
装置のETCバルブ周りの縦断正面図である。
【図11】本発明の第7の実施の形態における吸気制御
装置のETCバルブ周りの縦断正面図である。
【図12】本発明の各実施の形態において使用する暖機
用燃料噴射弁の噴孔先端形状の違いによる噴霧形状の説
明図である。
【符号の説明】
100…内燃機関、204…スロットルバルブ、205
…主通路、206…スロットルボディ、212…バイパ
ス流路、213…ISCバルブ、216…吸気制御装
置、219…挿入部、220…凹部、222…バイパス
流路出口、223…吸入空気、507…暖機用燃料噴射
弁、511…燃料噴霧。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 31/135 F02M 31/12 301G 35/104 301N 35/10 102A 69/00 350A 350L 350H (72)発明者 岡本 良雄 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 門向 裕三 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 永野 正美 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器グループ内 (72)発明者 市原 隆信 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器グループ内 (72)発明者 渡邊 研二 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器グループ内 (72)発明者 佐伯 浩昭 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式会 社日立カーエンジニアリング内 (72)発明者 染野 禎 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式会 社日立カーエンジニアリング内 Fターム(参考) 3G065 AA11 DA04 HA03 3G301 HA01 HA06 JA00 JA21 KA01 KA05 KA06 LA03 LA04 LB02 LB05 LC03 MA23 NA08 NB03 PA01Z PA11Z PD13Z PE03Z PE08Z PF03Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】集合管の上流側に位置し、各気筒内に空気
    を供給する主通路が形成され、この主通路内に空気流量
    を調整するスロットルバルブを備え、このスロットルバ
    ルブの下流側において前記主通路内に燃料を噴射する燃
    料噴射弁とを備えた燃料供給装置において、 前記燃料噴射弁は、前記主通路に開口するように形成し
    た凹部内にノズルが位置するように設置し、この燃料噴
    射弁より噴射した燃料噴霧の濃度分布の高い部分が主通
    路内の吸入空気の流速の比較的速い領域に合流するよう
    にしたことを特徴とする燃料供給装置。
  2. 【請求項2】内燃機関の各気筒毎に燃料を噴射するため
    の運転用燃料噴射弁と、この運転用燃料噴射弁の上流側
    の集合管の上流に位置し、各気筒に空気を供給する主通
    路が形成され、この主通路内に空気流量を調整するスロ
    ットルバルブを設けた吸気制御装置と、前記スロットル
    バルブの下流側において前記主通路内に燃料を噴射する
    暖機用燃料噴射弁とを備えた燃料供給装置において、 前記暖機用燃料噴射弁は、前記主通路に開口するように
    形成した凹部内にノズルが位置するように設置し、この
    暖機用燃料噴射弁から噴射した燃料噴霧の濃度分布の高
    い部分が前記主通路内の吸入空気の流速の比較的速い領
    域に合流するようにしたことを特徴とする燃料供給装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記スロット
    ルバルブをバイパスするバイパス流路を設け、前記暖機
    用燃料噴射弁から噴射した燃料噴霧の濃度分布の高い部
    分が前記主通路内のバイパス流路の下流側に位置して吸
    入空気の流速の比較的速い領域に合流するようにしたこ
    とを特徴とする燃料供給装置。
  4. 【請求項4】請求項1または2において、前記暖機用燃
    料噴射弁から噴射した燃料噴霧が前記主通路を流れる吸
    入空気に合流する領域を吸入空気の流速が速くなるスロ
    ットルバルブ端の開口部の下流側としたことを特徴とす
    る燃料供給装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4の1項において、前記暖機用
    燃料噴射弁は、前記主通路内の吸入空気の流れに沿うよ
    うな形状の燃料噴霧を形成するようにしたことを特徴と
    する燃料供給装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の1項において、前記暖機用
    燃料噴射弁から噴射した燃料噴霧の下流側に位置させて
    前記主流路内に発熱することによって燃料を気化するヒ
    ータを設置したことを特徴とする燃料供給装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6の1項において、前記スロッ
    トルバルブは、バルブ開度を電気的に制御されるスロッ
    トルバルブであることを特徴とする燃料供給装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜5の1項において、前記暖機用
    燃料噴射弁として、ノズルの先端近傍に吸入空気の一部
    を供給して噴霧燃料の微粒化促進をおこなうエアアシス
    ト燃料噴射弁を用いたことを特徴とする燃料供給装置。
  9. 【請求項9】請求項1〜8の1項に記載した燃料供給装
    置を用いたことを特徴とする内燃機関。
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