JP4083087B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃焼室へ燃料を直接噴射する直接噴射式の内燃機関に適用される燃料噴射制御装置に係る。詳しくは、燃料噴射弁から燃焼室に噴射される燃料と、気体噴射弁から燃焼室に噴射される気体とを互いに衝突させるように燃料噴射弁と気体噴射弁を制御するように構成した内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、直接噴射式の内燃機関において、燃料噴射弁に供給される燃料圧力を一定に保つようにしたものがある。この場合、内燃機関の冷間始動時には、燃焼室の壁面温度が低いことから、燃料噴射弁から噴射される燃料が壁面に付着して蒸発し難くなり、燃焼性能が低下して内燃機関の排気エミッションが悪化するおそれがあった。
【0003】
この内燃機関の部分負荷運転時には、有効な成層燃焼を成立させるために、吸気流に負けない燃料噴霧をつくる必要がある。言い換えると、慣性力が強く、噴霧貫徹距離(燃料噴射後ある一定の経過時間における燃料噴射弁の燃料噴孔から噴霧先端までの距離)が大きくなる燃料噴霧を作る必要がある。また、直接噴射式の内燃機関では、その運転状態全域において燃料気化冷却による吸気効率向上を達成するために、燃料噴霧の微粒化が必要となる。
【0004】
一方、燃料噴射弁に対する燃料圧力を可変とした場合でも、直接噴射式の内燃機関では、その始動時に燃料圧力が上昇しきらずに低いままとなり、燃料噴霧の微粒化が悪化するおそれがあった。また、通常使用される燃料噴射弁は、固定の燃料噴孔を有することから、燃料圧力を変更する以外に燃料の噴霧貫徹距離と噴霧粒径を変更することができなかった。
【0005】
そこで、直接噴射式の内燃機関で、燃料噴射弁に対する燃料圧力を一定にした場合、冷間始動時や全負荷運転時には、燃料噴霧全体の微粒化を向上させると共に噴霧貫徹距離を短くし、部分負荷運転時には、燃料噴霧全体の微粒化を向上させると共に噴霧貫徹距離を長くすることが必要になる。ここで、一般に、燃料の噴霧形状は燃焼室の形状に合わせて設定されることから、噴霧形状は変化しないか、その相似性を保ったまま噴霧貫徹距離や噴霧粒径を可変にすることが望ましい。
【0006】
ここで、例えば、下記の特許文献1乃至3には、燃料噴射弁から噴射される燃料と、空気噴射弁から噴射される空気を互いに関係付けた燃料噴射装置が開示されている。
【0007】
特許文献1には、筒内噴射式(直接噴射式)火花点火機関において、空気噴射弁と燃料噴射弁の取付角度が、両噴射軸線が上下方向及び水平方向で交差し、かつ、噴射方向が共にキャビティ燃焼室に指向する角度に設定されることが記載される。上記構成により、空気噴射軸線と燃料噴射軸線とが交差することから、燃料の吸気行程噴射時に燃料噴霧の微粒化を行えること、噴射空気がキャビティ燃焼室に指向するため、燃料の噴霧形状が調整されてキャビティ燃焼室に対する燃料付着が抑制されてスモーク及び未燃HCの発生を低下できることが、特許文献1には記載される。
【0008】
特許文献2には、直接噴射式ではないが、燃料噴射式内燃機関において、燃料噴口をほぼ含む平面上で燃料噴口を両側から挟む位置に、噴射方向を相互に交差させるようにした一対のエアアシスト噴口が配置されることが記載される。上記構成により、燃料噴口からの燃料流が両側からの空気流により狭められて噴霧形状が全体として扁平になることが、特許文献2には記載される。
【0009】
特許文献3には、燃料と空気をそれぞれ独立的に外部へ噴射させることを可能とし、内燃機関の運転状態に合わせた最適な噴霧形状を得られるようにした燃料噴射装置が記載される。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−97032号公報(第5〜6頁,図10,図11)
【特許文献2】
特開平4−50469号公報(第2〜6頁,図2)
【特許文献3】
特開平11−280593号公報(第2〜4頁,図1〜5)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1に記載された機関では、成層燃焼時(主に部分負荷運転時)に、要求空気量に相当する大量の空気を噴射して燃料に衝突させると、混合気が分散してしまい、成層燃焼に必要な混合気の成層化ができなくなる。このため、成層燃焼時には、空気との衝突による燃料噴霧の微粒化が行えず、結果として直接噴射式の機関で最適な燃焼性能を得るために機関の運転状態全域で燃料噴霧の微粒化を達成することができない。また、特許文献1には、噴霧貫徹距離を可変とする構成が何も記載されていない。このため、機関の冷間始動や部分負荷運転に合わせた燃焼性能を得るために噴霧貫徹距離を可変とすることができず、燃焼性能を向上させることができない。
【0012】
また、特許文献2に記載された内燃機関でも、噴霧貫徹距離や噴霧粒径を可変とする構成が何も記載されていない。このため、内燃機関の冷間始動運転や部分負荷運転に合わせた燃焼性能を得るために噴霧貫徹距離又は噴霧粒径を可変とすることができず、燃焼性能を向上させることができない。
【0013】
更に、特許文献3に記載された燃料噴射装置では、燃料と空気を衝突させないことから、噴霧貫徹距離又は噴霧粒径を全く可変とすることができない。このため、特許文献1及び2と同様に、内燃機関の冷間始動運転や部分負荷運転に合わせた燃焼性能を得るために噴霧貫徹距離又は噴霧粒径を可変とすることができず、燃焼性能を向上させることができない。
【0014】
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、直接噴射式の内燃機関においてその運転状態の違いに応じて燃料の噴霧貫徹距離又は噴霧粒径を変更して最適な燃料噴霧を得ることにより燃料の燃焼性能を向上させることを可能とした内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、内燃機関の燃焼室に開口された燃料噴孔を含み、その燃料噴孔から燃焼室へ加圧された燃料を噴射するための燃料噴射弁と、燃焼室に開口された気体噴孔を含み、その気体噴孔から燃焼室へ加圧された気体を噴射するための気体噴射弁と、気体噴孔から噴射される気体が燃料噴孔から噴射される燃料噴霧に衝突するように気体噴孔及び燃料噴孔の向きがそれぞれ設定されることと、内燃機関の運転状態を検出するための運転状態検出手段と、燃料噴射弁と気体噴射弁をそれぞれ独立に制御するための制御手段とを備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、気体噴孔の中心線と燃料噴孔の中心線とが互いに一点にて鋭角に交差するように設定され、制御手段は、燃料噴孔から噴射される燃料噴霧の貫徹距離を制御するために、検出される運転状態に基づいて燃焼パターンを決定し、決定された燃焼パターンに応じて燃料噴射弁を制御すると共に気体噴射弁による気体噴射タイミング及び気体噴射期間の少なくとも一方を制御することを趣旨とする。
【0016】
上記発明の構成によれば、燃料噴射弁の燃料噴孔から燃焼室に燃料が噴射されることにより、燃焼室の中に燃料噴霧が形成される。一方、気体噴射弁の気体噴孔から燃焼室に気体が噴射されることにより、燃焼室の中に気体噴流が形成される。上記構成では、気体噴孔から噴射される気体が燃料噴孔から噴射される燃料噴霧に衝突するように気体噴孔及び燃料噴孔の向きがそれぞれ設定されるので、気体噴流が燃料噴霧に衝突することにより、燃料噴霧の形態が変えられる。
ここで、燃料噴射弁と気体噴射弁が、燃料噴孔から噴射される燃料噴霧の貫徹距離を制御するために、運転状態検出手段により検出される運転状態に基づいて制御手段によりそれぞれ独立に制御され、気体噴射弁による気体噴射タイミング及び気体噴射期間の少なくとも一方が制御される。これにより、内燃機関の運転状態に最適な燃料噴霧が得られる。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、制御手段は、気体噴射弁による気体噴射をしない場合と比較して噴霧貫徹距離を短くするために、気体噴射弁による気体噴射タイミングを燃料噴射弁による燃料噴射タイミングと同じにすると共に、気体噴射弁による気体噴射期間を燃料噴射弁による燃料噴射期間と等しくしたことを趣旨とする。
【0022】
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、気体噴射弁による気体噴射タイミングを燃料噴射弁による燃料噴射タイミングと同じにすると共に、気体噴射弁による気体噴射期間を燃料噴射弁による燃料噴射期間と等しくしたことにより、気体噴射弁による気体噴射をしない場合と比較して燃料噴霧の貫徹距離が短くなる。
【0023】
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、制御手段は、気体噴射弁による気体噴射をしない場合と比較して噴霧貫徹距離を長くするために、気体噴射弁による気体噴射タイミングを燃料噴射弁による燃料噴射タイミングより先行させたことを趣旨とする。
【0024】
上記発明の構成によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、気体噴射弁による気体噴射タイミングを燃料噴射弁による燃料噴射タイミングより先行させたことにより、気体噴射弁による気体噴射をしない場合と比較して燃料噴霧の貫徹距離が長くなる。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置を具体化した第1の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
図1に、本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置を具体化した直接噴射式内燃機関システム(以下「直噴式エンジンシステム」と言う。)の概略構成図を示す。自動車に搭載された直噴式エンジンシステムは、周知の構造を有するレシプロタイプの多気筒エンジン1を含む。エンジン1の各気筒の燃焼室2のそれぞれには、直接噴射式燃料噴射装置(以下単に「燃料噴射装置」と言う。)3が設けられる。燃料噴射装置3は、燃料と空気を燃焼室2に対して直接噴射するように構成される。エンジン1は、吸気通路4を通じて吸入される空気と、燃料噴射装置3から噴射される燃料及び空気との可燃混合気を各気筒の燃焼室2で爆発・燃焼させ、その燃焼後の排気を排気通路5を通じて外部へ排出することにより、ピストン6を動作させてクランクシャフト7を回転させ、動力を得るようになっている。
【0031】
吸気通路4に設けられたスロットルバルブ8は、同通路4を通じて各気筒の燃焼室2に吸入される空気空気量(吸気量)Gaを調節するために開閉される。このバルブ8は、運転席に設けられたアクセルペダル(図示略)の操作に連動して作動する。スロットルバルブ8に対応して設けられたスロットルセンサ21は、同バルブ8の開度(スロットル開度)TAを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。スロットルバルブ8がアクセルペダルの操作に連動するものであることから、スロットルセンサ21により検出されるスロットル開度TAには、アクセルペダルの操作が反映されることになる。吸気通路4のサージタンク9に設けられた吸気圧センサ22は、スロットルバルブ8より下流の吸気通路4における吸入空気の圧力(吸気圧)PMを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。
【0032】
各燃料噴射装置3は、対応する燃焼室2の中に燃料と空気を直接噴射する。各燃料噴射装置3には、所定の燃料供給装置及び空気供給装置(共に図示略)により所定圧力の燃料と空気が供給される。各燃料噴射装置3に供給される燃料及び空気は、同装置3が作動することにより対応する燃焼室2へ噴射さる。吸気通路4には、エアクリーナ10を通じて外部から空気が取り込まれる。吸気通路4に取り込まれた空気は、各燃料噴射装置3から噴射される燃料及び空気とともに可燃混合気を形成して各気筒の燃焼室2に取り込まれる。
【0033】
各気筒の燃焼室2にそれぞれ設けられた点火プラグ11は、イグニションコイル12から出力される点火信号を受けて点火動作する。各点火プラグ11及びイグニションコイル12は、燃焼室2にて形成される可燃混合気に点火するための点火装置を構成する。
【0034】
排気通路5に設けられた触媒コンバータ13は、燃焼室2から排出される排気を浄化するための三元触媒を内蔵する。
【0035】
排気通路5において、触媒コンバータ13の上流側に設けられた酸素センサ23は、燃焼室2から排気通路5へ排出される排気中の酸素濃度Oxを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。
【0036】
エンジン1に設けられた水温センサ24は、エンジン1の内部を流れる冷却水の温度(冷却水温)THWを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。同じくエンジン1に設けられた回転速度センサ25は、クランクシャフト7の回転速度をエンジン回転速度NEとして検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。この回転速度センサ25は、クランクシャフト7の回転角(クランク角度)の変化を所定角度毎に検出し、その検出をパルス信号として出力するものでる。運転席に設けられたイグニションスイッチ26は、エンジン1を始動するために同スイッチ26がオンされたときには始動信号を、エンジン1を停止するために同スイッチ26がオフされたときには停止信号をそれぞれ出力する。
【0037】
この実施の形態で、前述したスロットルセンサ21、吸気圧センサ22、酸素センサ23、水温センサ24及び回転速度センサ25等は、エンジン1の運転状態を検出するための本発明の運転状態検出手段に相当する。この実施の形態で、吸気量Gaは、吸気圧センサ22及び回転速度センサ25により検出される吸気圧PM及びエンジン回転速度NEの値から換算される。
【0038】
この実施の形態で、電子制御装置(ECU)30は、スロットルセンサ21、吸気圧センサ22、酸素センサ23、水温センサ24、回転速度センサ25及びイグニションスイッチ26から出力される各種信号を入力する。ECU30は、これら入力信号に基づいて燃料噴射制御及び点火時期制御等を実行し、各燃料噴射装置3及びイグニションコイル12をそれぞれ制御する。
【0039】
ここで、燃料噴射制御とは、エンジン1の運転状態に応じて各燃料噴射装置3を制御することにより、燃料噴射量、燃料噴射時期及び燃料噴霧を制御することである。点火時期制御とは、エンジン1の運転状態に応じてイグニションコイル12を制御することにより、各点火プラグ11による点火時期を制御することである。
【0040】
周知のように、ECU30は中央処理装置(CPU)31、読み出し専用メモリ(ROM)32、ランダムアクセスメモリ(RAM)33及びバックアップRAM(B.U.RAM)34等を含んで構成される。ROM32には、前述した各種制御に係る所定の制御プログラム等が予め記憶される。ECU30(CPU31)は、これらの制御プログラムに従って前述した各種制御等を実行する。
【0041】
図2に、燃料噴射装置3のエンジン1に対する取付状態を断面図に示す。この燃料噴射装置3は、エンジン1の燃焼室2に燃料を噴射するための燃料噴射弁43と、同じく燃焼室2に気体としてのエア(空気)を噴射するための気体噴射弁としてのエア噴射弁44とを備える。エンジン1はシリンダブロック45及びシリンダヘッド46を含む。シリンダブロック45に設けられたシリンダボア47には、ピストン6が往復動可能に設けられる。燃焼室2は、シリンダボア47と、ピストン6と、シリンダヘッド46とで囲まれた空間として構成される。図1に示すように、シリンダヘッド46には、各燃焼室2に通じる吸気ポート4a及び排気ポート5aが設けられる。各吸気ポート4aには、周知の吸気バルブ14が、排気ポート5aには、周知の排気バルブ15が設けられる。燃料噴射弁43及びエア噴射弁44は、燃焼室2に対応して取付部材49によりシリンダヘッド46に一体的に取り付けられる。燃料噴射弁43及びエア噴射弁44は、両方の中心軸線L1,L2が互いに斜めに交差するように取付部材49に組み付けられる。
【0042】
燃料噴射弁43は、周知の電磁弁である。燃料噴射弁43は、ハウジング51と、ハウジング51に組み付けられたコア52と、コア52の内部に設けられた調整パイプ53と、ハウジング51とコア52との間に設けられたソレノイド54と、ハウジング51の先端側に設けられたロワボディ55と、ロワボディ55の内部に設けられたノズルボディ56と、ノズルボディ56とコア52との間に設けられた弁体部材57とを備える。弁体部材57は、先端に弁部58aを有する弁軸58と、弁軸58の基端に組み付けられたアーマチュア59とを備える。アーマチュア59と調整パイプ53との間には、圧縮スプリング60が設けられる。コア52の基端部は、燃料配管(図示略)に接続される配管コネクタ61となっている。配管コネクタ61の外周には、Oリング62が設けられる。配管コネクタ61の内部には、異物を除去するストレーナ63が設けられる。ハウジング51には、電気配線に接続される配線コネクタ64が設けられる。ここで、燃料噴射弁43とエア噴射弁44の基本構成はほぼ同じであることから、エア噴射弁44の構成については、燃料噴射弁43の構成部材と同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
図3に、燃料噴射弁43及びエア噴射弁44に係る電気配線、燃料配管及びエア配管に関する構成概念図を示す。図3に示すように、燃料噴射弁43の配管コネクタ61には、燃料配管71が接続される。エア噴射弁44の配管コネクタ61には、エア配管72が接続される。燃料配管71には、プレッシャレギュレータ73及び燃料ポンプ74が設けられる。エア配管72には、プレッシャレギュレータ75及びエアポンプ76が設けられる。各ポンプ74,76は、それぞれ対応するモータ77,78により駆動される。燃料ポンプ74が駆動されることにより、燃料タンク(図示略)の燃料が同ポンプ74から吐出され、プレッシャレギュレータ73を介して一定の高圧燃料として燃料噴射弁43へ供給される。エアポンプ76が駆動されることにより、同ポンプ76からエアが吐出され、プレッシャレギュレータ75を介して加圧エアとしてエア噴射弁44へ供給される。
【0044】
図3に示すように、燃料噴射弁43の配線コネクタ64及びエア噴射弁44の配線コネクタ64は、それぞれ電子制御装置(ECU)30に電気的に接続される。燃料噴射弁43及びエア噴射弁44は、それぞれECU30から送られる噴射信号に基づいて動作する。ECU30からの噴射信号に基づき燃料噴射弁43が動作することにより、同噴射弁43から高圧燃料が噴射される。また、ECU30からの噴射信号に基づきエア噴射弁34が動作することにより、同噴射弁44から加圧エアが噴射される。この実施の形態で、ECU30は、燃料噴射弁43とエア噴射弁44をそれぞれ独立に制御するための本発明の制御手段に相当する。
【0045】
図4に、取付部材49の先端部の拡大断面図を示す。図2〜4に示すように、ブロック状の取付部材49は、燃焼室2に向けられる筒部49aと、燃料噴射弁43のロワボディ55が組み付けられる第1組付穴49bと、エア噴射弁44のノズルボディ56が組み付けられる第2組付穴49cとを含む。筒部49aと第1組付穴49bは同一軸線上に配置され、隔壁49dにより仕切られる。隔壁49dの中心には、孔49eが形成される。筒部49aの中心には、孔66aを有するチューブ66が設けられる。第1組付穴49bに組み付けられたノズルボディ56には、弁部58aに対応する弁座56aが形成される。この弁座56aの弁孔56bが、上記二つの孔49e,66aに整合して一本の燃料通路67が構成される。取付部材49には、第2組付穴49cの中心から筒部49aの内側へ向かって伸びる孔49fが形成される。この孔49fは、筒部49aの中心に対して斜めに交差するよう配置される。第2組付穴49cに組み付けられたノズルボディ56には、弁部58aに対応する弁座56aが形成される。この弁座56aの弁孔56bが、上記斜めの孔49fに整合して一本のエア通路68が構成される。筒部49aの開口端には、オリフィスプレート69が固定される。このオリフィスプレート69の中心には、一つの燃料噴孔69aが燃料噴射弁43に対応して設けられる。この燃料噴孔69aは、燃焼室2に開口されると共に、燃料通路67に整合する。また、このオリフィスプレート69には、気体噴孔としての複数のエア噴孔69bがエア噴射弁44に対応して設けられる。これらエア噴孔69bは、燃料噴孔69aの近傍に配置され、燃焼室2に開口され、筒部49aの内側に連通する。従って、燃料噴射弁43から噴射される高圧燃料は、燃料通路67を通ってオリフィスプレート69の燃料噴孔69aから燃焼室2へ噴射される。また、エア噴射弁44から噴射される加圧エアは、燃料通路68を通って筒部69aの中に一旦噴射され、更にオリフィスプレート69の各エア噴孔69bから燃焼室2へ噴射される。
【0046】
図5に、オリフィスプレート69の平面図を示す。図6に、図5のA−A線断面図を示す。図5,6に示すように、燃料噴孔69aは断面円形をなし、オリフィスプレート69の端面に対して垂直に貫通する。複数のエア噴孔69bは、同じく断面円形(開口端は楕円)をなし、オリフィスプレート69の端面に対して斜めに貫通する。図5に示すように、複数(この場合8個)のエア噴孔69bは、燃料噴孔69aを中心とする円周上に等角度間隔に配置される。この実施の形態で、燃料噴孔69aの内径は「0.6mm」に設定され、各エア噴孔69bの内径は「1.0mm」に設定される。
【0047】
図6に示すように、燃料噴孔69aの中心線と、各エア噴孔69bの中心線は、互いに一点(以下「衝突点」と言う。)HPで交差するように設定される。即ち、燃料噴孔69aから、この衝突点HPへ向かって燃料が噴射されることにより、燃料噴霧が形成される。また、各エア噴孔69bから、この衝突点HPへ向かってエアが噴射されることにより、エア噴流が形成される。従って、燃料噴霧と各エア噴流は、この衝突点HPを中心にして互いに衝突することになる。上記のように、この実施の形態では、各エア噴孔69bから噴射されるエア噴流が燃料噴孔69aから噴射される燃料噴霧に衝突するように各エア噴孔69b及び燃料噴孔69aの向きがそれぞれ設定される。
【0048】
図7(a)〜(c)に燃料噴霧及びエア噴流の概念図を示す。図7(a)に示すように、燃料噴霧は正面及び側面ともほぼ同形な略円錐形をなす。この噴霧の広がり角度(噴霧角度)θ1は、オリフィスプレート69における燃料噴孔69aの内径の大きさにより決定される。図7(b)に示すように、1つのエア噴流(自由噴流)は正面及び側面ともほぼ同形な円錐形をなす。この噴流の広がり角度(噴流角度)θ2は、オリフィスプレート69におけるエア噴孔69bの内径の大きさ等により決定される。図7(c)に示すように、複数のエア噴孔69bから噴射される周囲からのエア噴流(多孔噴流)は正面及び側面ともほぼ同形な王冠形をなす。ここで、一般に、気体噴流の持つエネルギーは気体噴孔から遠ざかるほど小さくなる。そこで、この燃料噴霧における衝突点HPは、エア噴流の持つエネルギーが燃料噴霧に干渉して燃料噴霧の微粒化及び噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節できる程度にエア噴孔69bからの距離が保たれた位置に設定される。また、各エア噴孔69bから噴射されるエア噴流の衝突点HPにおける大きさ(外径(幅))は、燃料噴孔69aから噴射される燃料噴霧の衝突点HPにおける外径D1と同程度になるように設定される。ここで、燃料噴霧の外径D1と同程度になる「エア噴流の大きさ」とは、図9に示すエア噴流の「噴流角β」及び「エア噴流外径b」と、図8に示すエア噴孔から衝突点HPまでの「距離c」と、所定の式「b=2*c*tan(β/2)」とから定義されるものである。
【0049】
図10(a)〜(c)に上記衝突点HPにおける燃料噴霧の強度(噴霧強度)及びエア噴流の強度(噴流強度)の違いを概念図に示す。図10(a)に示すように、燃料噴霧は正面及び側面とも同じ分布幅を有する噴霧強度を示す。図10(b)に示すように、1つのエア噴流(自由噴流)は正面及び側面とも同じ分布幅を有する噴流強度を示す。この噴流強度は、上記噴霧強度よりも若干低い。図10(c)に示すように、複数のエア噴流(多孔噴流)による噴流強度は、正面及び側面とも同じ分布幅を有する。この多孔噴流の噴流強度は、上記1つのエア噴流の噴流強度よりも高い。このように、燃料噴霧の強度分布に対してエア噴流の強度分布が均等に重なるように設定される。ここで、噴霧強度及び噴流強度は、流速と密度との積により計算することができる。
【0050】
上記のように構成したこの実施の形態の燃料噴射装置3によれば、一つの燃料噴射弁43から噴射される燃料が対応する一つの燃料噴孔69aから燃焼室2に噴射されることにより、燃焼室2の中に燃料噴霧が形成される。この燃料噴霧の形態は、燃料噴孔69aの形状、大きさ及び向きが特定されることにより決定される。一方、一つのエア噴射弁44から噴射されるエアが対応する複数のエア噴孔69bから燃焼室2に噴射されることにより、燃焼室2の中にエア噴流が形成される。このエア噴流の形態及び燃料噴霧に与える影響は、各エア噴孔69bの数、形状、大きさ、向き及び燃料噴孔に対する配置が特定されることにより決定される。
【0051】
ここで、各エア噴孔69bからのエアの噴流軸線AL(図4参照)は、燃料噴孔69aからの燃料噴霧における最大径D1(図7(a)参照)の中央にて交差するように設定される。従って、燃料噴霧の形態に応じ、その全体に対して各エア噴流が衝突点HPを中心に衝突することになり、燃料噴霧に対するエア噴流の強度分布が同等となる。この結果、燃料噴霧につき、噴霧全体において同等でより微細な燃料微粒化を図ることができ、燃料の微粒化を促進することができる。これにより、直接噴射式のエンジン1について燃焼性能を向上させることができる。
【0052】
特に、この実施の形態では、オリフィスプレート69の燃料噴孔69aが円形をなすことから、燃料噴霧が円錐形となり、その燃料噴霧の噴霧角度θ1(図7(a)参照)は、燃料噴孔69aの内径の大きさにより決定される。また、オリフィスプレート69の各エア噴孔69bが円形をなすことから、各エア噴流が円錐形となり、それらエア噴流の噴流角度θ2(図7(b)参照)は、各エア噴孔69bの内径の大きさ等により決定される。ここで、燃料噴孔69aを中心とする円周上に複数のエア噴孔69bが等角度間隔に配置され、図7(c)に示すように、各エア噴孔69bからの複数のエア噴流が一つの衝突点HPへ向けて傾けられる。従って、円錐形の燃料噴霧に対し、その周囲に複数のエア噴流が衝突し、燃料噴霧に対するエア噴流の強度分布が同等となる。これにより、燃料噴霧の形状に応じて噴霧の幅方向全体に同等にエア噴霧を衝突させることができ、特に円錐形の燃料噴霧につき、その噴霧形状を大きく変えることなく、噴霧全体に同等でより微細な燃料微粒化を図ることができ、燃料の微粒化を促進することができる。
【0053】
この実施の形態では、各エア噴孔69bが燃料噴孔69aの近傍に配置される。ここで、エア噴流により燃料噴霧の噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節するには、燃料噴霧とエア噴流との衝突点HPにおいて、エア噴流の持つエネルギーが燃料噴霧に干渉し、燃料微粒化及び噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節できる程度に保たれる必要がある。このエア噴流の持つエネルギーは、各エア噴孔69bから遠ざかるほど小さくなる。従って、各エア噴孔69bが燃料噴孔69aの近傍に配置されることにより、エア噴流と燃料噴霧との衝突点HPが燃料噴孔69aの近くに設定されることになる。これにより、燃料微粒化及び噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節することができるようになる。
【0054】
この実施の形態では、各エア噴孔69bから噴射されるエア噴流の大きさが燃料噴孔69aから噴射される燃料噴霧の大きさと同程度になるように設定される。従って、燃料噴霧の形態に対応し、その全体にエア噴流が衝突することになり、燃料噴霧全体で燃料微粒化及び噴霧貫徹距離や噴霧形状の調節が可能となる。このため、燃料噴霧にそれと同程度の大きさのエア噴流を衝突させることにより、燃料噴霧全体でより微細な燃料微粒化を図ることができる。
【0055】
この実施の形態では、燃料噴孔69a及び各エア噴孔69bが共に断面円形をなすことから、それら噴孔69a,69bの加工が比較的容易となる。このため、オリフィスプレート69を比較的容易に製造することができる。また、圧力や各エア噴孔69bの形状(例えば「テーパ」)を変えるだけで、エア噴流の広がり角度(噴流角度)θ2(図7(b)参照)が変えられ、エア噴流の強度分布が調整される。更に、円形の燃料噴孔69aの内径を変えるだけで、燃料噴霧の広がり角度(噴霧角度)θ1(図7(a)参照)が変えられ、燃料噴霧の強度分布が調整される。これにより、微粒化される粒径レベルを比較的容易に任意に設定することができる。併せて、噴霧角度θ1及び噴流角度θ2の調整、燃料噴霧及びエア噴霧の向きをそれぞれ調整することにより、噴霧貫徹距離や噴霧形状を比較的容易に任意に設定することができる。
【0056】
図11に燃料噴霧に複数のエア噴流が衝突したときの概念図を示す。この実施の形態では、図7(a)〜(c)に示すように、一つの衝突点HPで同じ大きさと強度分布を有する複数のエア噴流を一つの燃料噴霧に衝突させるので、燃料噴霧自体の強度分布が不均一であっても、その噴霧全体に対して均一にエア噴流の影響を及ぼすことができる。これにより、燃料を好適に微粒化することができ、噴霧貫徹距離等を好適に設定できることが分かる。
【0057】
この実施の形態では、燃料噴射弁43及びエア噴射弁44が燃焼室2に対応して取付部材49により一体的にシリンダヘッド46に取り付けられる。従って、各噴射弁43,44を個別に取り付ける場合に比べ、燃料噴孔69aに対するエア噴孔69bの位置精度が高くなり、取り付けのためのシリンダヘッド46の加工や作業が少なくなる。また、予め取付部材49に燃料噴射弁43とエア噴射弁44を組み付けてアッセンブリ化しておけば、シリンダヘッド46に取付部材49を取り付けるだけで、各噴射弁43,44が同時にシリンダヘッド46に取り付けられる。このため、燃料噴射装置の製造を簡略化することができる。
【0058】
次に、上記した燃料の噴霧貫徹距離、噴霧粒径及び噴霧形状を可変とするためにECU30が実行する燃料噴射制御の処理内容について説明する。図12に、その「燃料噴射制御ルーチン」をフローチャートに示す。ECU30は、このルーチンをエンジン1の運転中に所定時間毎に周期的に実行する。
【0059】
先ず、ステップ101で、ECU30は、スロットルセンサ21、吸気圧センサ22、酸素センサ23、水温センサ24及び回転速度センサ25による検出信号をそれぞれ読み込む。
【0060】
ステップ102で、ECU30は、上記読み込まれた検出信号に基づいてエンジン1の運転状態を判定する。この実施の形態で、ECU30は、「低温始動運転」、「部分負荷運転」及び「全負荷運転」を含む運転状態を判定する。例えば、冷却水温THWが相対的に低く、エンジン回転速度NEが相対的に低く、スロットル開度TAが相対的に小さい場合、ECU30は「低温始動運転」と判定する。また、冷却水温THWがある程度高く、エンジン回転速度NEがある程度高く、スロットル開度TAに多少の変化がある場合、ECU30は「部分負荷運転」と判定する。更に、冷却水温THWがある程度高く、エンジン回転速度NEがある程度高く、スロットル開度TAが全開へと変化する場合、ECU30は「全負荷運転」と判定する。
【0061】
ステップ103で、ECU30は、上記判定された運転状態に応じた最適な燃焼パターンを決定する。この実施の形態では、各種運転状態に適した燃焼パターンが予め実験的に確認されて設定される。図13に、運転状態と燃焼パターン等との関係を表に示す。この表から分かるように、「低温始動運転」の場合には、「暖機燃焼」が燃焼パターンとして決定される。「部分負荷運転」の場合には、「成層燃焼」が燃焼パターンとして決定される。「全負荷運転」の場合には、「均一燃焼」が燃焼パターンとして決定される。
【0062】
ステップ104で、ECU30は、上記決定された燃焼パターンに応じて、燃料噴射弁43及びエア噴射弁44による「燃料噴射期間」、「エア噴射期間」及び「燃料・エアの噴射タイミング差」をそれぞれ決定する。例えば、「暖機燃焼」の場合には、図13に示すように「燃料・エアの噴射期間」が「同期間」に、燃料・エアの噴射タイミング差が「同タイミング」に決定される。また、「成層燃焼」の場合には、図13に示すように「燃料・エアの噴射期間」が「エア噴射期間を長く」に決定され、燃料・エアの噴射タイミング差が「エア噴射タイミングを先行」に決定される。更に、「均一燃焼」の場合には、図13に示すように「燃料・エアの噴射期間」が「エア噴射期間を若干長く」に決定され、燃料・エアの噴射タイミング差が「エア噴射タイミングを若干先行」に決定される。
【0063】
ステップ105で、ECU30は、上記決定された「燃料・エアの噴射期間」と「燃料・エアの噴射タイミング差」から、クランク角度の変化に対応した燃料噴射弁43及びエア噴射弁44の開閉タイミングをそれぞれ設定する。例えば、「暖機燃焼」の場合には、図14(a)(b)に示すように、燃料噴射弁43及びエア噴射弁44の開きタイミングを、同様に角度a0から角度a3までの範囲に設定する。また、「成層燃焼」の場合には、図15(a)(b)に示すように、燃料噴射弁43の開きタイミングを、角度a2から角度a3までの範囲に設定すると共に、エア噴射弁44の開きタイミングを、燃料噴射弁43の角度a2より角度差ΔAだけ先行させた角度a0から燃料噴射弁43と同じく角度a3までの範囲に設定する。更に、「均一燃焼」の場合には、図16(a)(b)に示すように、燃料噴射弁43の開きタイミングを、角度a2から角度a3までの範囲に設定すると共に、エア噴射弁44の開きタイミングを、燃料噴射弁43の角度a2より角度差ΔB(ΔB<ΔA)だけ若干先行させた角度a1から燃料噴射弁43と同じく角度a3までの範囲に設定する。
【0064】
そして、ステップ106で、ECU30は、上記設定された開閉タイミングに応じた燃料噴射信号及びエア噴射信号を燃料噴射弁43及びエア噴射弁44にそれぞれ出力する。
【0065】
上記のように燃料噴射弁43及びエア噴射弁44の開閉タイミングを制御するのは、燃料噴射装置3による燃料の噴霧貫徹距離、噴霧粒径及び噴霧形状を制御するためである。即ち、ECU30は、燃料の噴霧貫徹距離、噴霧粒径及び噴霧形状を制御するために、燃料噴射弁43による燃料噴射タイミング及び燃料噴射期間をクランク角度の変化に対応して一定に設定した上で、エア噴射弁44によるエア噴射タイミング及びエア噴射期間の両方を、エンジン1について判定された運転状態に基づいて制御するようにしている。より具体的には、ECU30は、「暖機燃焼」を達成するために、エア噴射弁44によるエア噴射タイミングを燃料噴射弁43による燃料噴射タイミングと同じにすると共に、エア噴射弁44によるエア噴射期間を燃料噴射弁43による燃料噴射期間と等しくしている。また、ECU30は、「成層燃焼」及び「均一燃焼」を達成するために、エア噴射弁44によるエア噴射タイミングを燃料噴射弁43による燃料噴射タイミングより先行又は若干先行させると共に、エア噴射弁44によるエア噴射期間を燃料噴射弁43による燃料噴射期間よりクランク角度による角度差ΔA又は角度差ΔBだけ長くしている。
【0066】
上記の燃料噴射制御によれば、図13に示すように「暖機燃焼」において、燃料・エアの噴射期間を「同期間」に、噴射タイミング差を「同タイミング」にすることにより、噴霧貫徹距離が相対的に短く、噴霧粒径が相対的に小さく、噴霧形状が噴霧角大となる噴霧特性が得られる。図17に、この噴霧特性のイメージ図を示す。エンジン1の低温始動運転時には、ピストン6の頂面への燃料付着を防止するために噴霧貫徹距離を相対的に短く、燃料蒸発を促進するために噴霧粒径を相対的に小さく、燃料を燃焼室2の全体に分散させるために噴霧形状を噴霧角大にすることが望ましい。従って、上記の「暖機燃焼」のための噴霧特性は、エンジン1の低温始動運転時に適したものとなる。
【0067】
一方、図13に示すように「成層燃焼」において、燃料・エアの噴射期間を「エア噴射期間を長く」に、噴射タイミング差を「エア噴射タイミングを先行」にすることにより、噴霧貫徹距離が相対的に長く、噴霧粒径が相対的に小さく、噴霧形状が噴霧角小となる噴霧特性が得られる。図18に、この噴霧特性のイメージ図を示す。エンジン1の部分負荷動運転時には、燃焼室2の中の気流変動等の外乱に影響を受けずに毎サイクルに安定した混合気を点火プラグの周辺に集められるよう強い(貫徹距離が長い)噴霧が要求される。また、ピストン6から熱を受けるため、低温始動運転時ほどの高微粒化は要求されないものの、安定した混合気を形成できるよう現状より小さい噴霧粒径が望まれる。更に、噴霧の成層化に適した小さい噴霧角をなす噴霧形状が要求される。従って、上記の「成層燃焼」のための噴霧特性は、エンジン1の部分負荷運転時に適したものとなる。
【0068】
一方、図13に示すように「均一燃焼」において、燃料・エアの噴射期間を「エア噴射期間を若干長く」に、噴射タイミング差を「エア噴射タイミングを若干先行」にすることにより、噴霧貫徹距離が相対的に中程度に、噴霧粒径が相対的に小さく、噴霧形状が噴霧角中となる噴霧特性が得られる。図19に、この噴霧特性のイメージ図を示す。エンジン1の全負荷動運転時には、低温始動運転時と同等の条件ではあるが、燃焼室2の壁面から受ける熱も期待できる。そのため、噴霧貫徹距離を低温始動運転時のそれよりは長く、部分負荷運転時のそれよりは短くすることが要求される。また、安定した混合気を形成するために噴霧粒径を現状よりも小さくすることが要求される。更に、噴霧角を低温始動運転時のそれよりは小さく、部分負荷運転時のそれよりは大きくすることが要求される。従って、「均一燃焼」のための噴霧特性は、エンジン1の全負荷運転時に適したものとなる。
【0069】
上記したこの実施の形態の燃料噴射制御装置によれば、燃料噴射装置3において燃料噴孔69aから燃焼室2に燃料が噴射されることにより、燃焼室2の中に燃料噴霧が形成される。一方、同装置3において各エア噴孔69bから燃焼室2にエアが噴射されることにより、燃焼室2の中にエア噴流が形成される。この構成では、各エア噴孔69bから噴射されるエア噴流が燃料噴孔69aから噴射される燃料噴霧に衝突するように各エア噴孔69b及び燃料噴孔69aの向きがそれぞれ設定されるので、エア噴流が燃料噴霧に衝突することにより、燃料噴霧の形態が変えられる。
【0070】
ここで、燃料噴射装置3の燃料噴孔69aから噴射される燃料噴霧の噴霧貫徹距離、噴霧粒径及び噴霧形状(噴霧角)を制御するために、燃料噴射弁43とエア噴射弁44が、エンジン1の運転状態に基づいて、ECU30によりそれぞれ独立に制御される。この制御では、特に、エア噴射弁44によるエア噴射タイミング及びエア噴射期間の両方が制御される。これにより、直接噴射式のエンジン1においてその運転状態の違いに応じて燃料の噴霧貫徹距離、噴霧粒径及び噴霧形状(噴霧角)を変更することができ、その運転状態に最適な特性を有する燃料噴霧を得ることができる。この結果、エンジン1の燃焼室2における燃料の燃焼性能を向上させることができる。これにより、エンジン1の排気エミッションを改善することができ、エンジン1の燃費及び出力を向上させることができる。
【0071】
ここで、噴霧貫徹距離の制御に関するメカニズムについて説明する。噴霧貫徹距離が相対的に短くなるのは、図14に示すように、燃料噴射弁43及びエア噴射弁44の開閉タイミングを制御することにより、エア噴射タイミングを燃料噴射タイミングと同じに、エア噴射期間を燃料噴射期間と同じにしたときである。これは、燃料噴霧と同時に形成されるエア噴流が、燃料噴霧の抵抗となることによるものである。一方、噴霧貫徹距離が相対的に長くなるのは、図15及び図16に示すように、燃料噴射弁43及びエア噴射弁44の開閉タイミングを制御することにより、エア噴射タイミングを燃料噴射タイミングより先行又は若干先行させたときである。これは、燃料噴霧に先行又は若干先行して形成されるエア噴流が、燃料噴霧に勢いを与えることによるものである。従って、燃料噴射タイミングに対するエア噴射タイミングの先行度合いを変えることにより、噴霧貫徹距離を可変にすることができる。
【0072】
図20(a)〜(c)に、噴霧貫徹距離に関する制御例を示す。図20(a)〜(c)は、燃料噴射装置3を使用して形成された燃料噴霧の状態を示す。図20(a)は、燃料噴射の際にエア噴射を行わない場合の燃料噴霧を示す。図20(b)は、燃料噴射に対して「1.0ms」だけエア噴射を先行させた場合の燃料噴霧を示す。図20(c)は、燃料噴射に対して「2.0ms」だけエア噴射を先行させた場合の燃料噴霧を示す。この図20(a)〜(c)から明らかなように、燃料噴射に対するエア噴射の先行を早めるほど噴霧貫徹距離が相対的に長くなることが分かる。
【0073】
次に、噴霧粒径の制御に関するメカニズムについて説明する。噴霧粒径が相対的に小さくなるのは、図14〜図16に示すように、燃料噴射弁43及びエア噴射弁44の開閉タイミングを制御することにより、エア噴射タイミングと燃料噴射タイミングの関係、エア噴射期間と燃料噴射期間の関係をそれぞれ変えるときの全ての場合である。これは、何れの場合も、燃料噴霧にエア噴流が衝突することにより、燃料噴霧の粒が分割されることによるものである。
【0074】
次に、噴霧形状の制御に関するメカニズムについて説明する。噴霧形状(噴霧角)が変わるのは、図14〜図16に示すように、燃料噴射弁43及びエア噴射弁44の開閉タイミングを制御することにより、エア噴射タイミングと燃料噴射タイミングの関係、エア噴射期間と燃料噴射期間の関係をそれぞれ変えるときの全ての場合である。図13に示すように、「暖機燃焼」のための制御により「噴霧角大」となるのは、燃料・エアの噴射期間と燃料・エアの噴射タイミングが同じであることから、燃料とエアが衝突するときの周囲への分散が良くなるからである。図13に示すように、「成層燃焼」のための制御により「噴霧角小」となるのは、エア噴射を先行させることにより燃料噴霧が気流に乗って噴射方向へ伸びやすくなり噴霧貫徹距離が長くなり、それと同時に幅方向はエアの衝突があっても長さが伸びる分だけ広がりが小さくさるからである。図13に示すように、「均一燃焼」のための制御により「噴霧角中」となるのは、エア噴射の先行度合いが「成層燃焼」のそれよりも小さいからである。
【0075】
上記の「暖機燃焼」、「成層燃焼」及び「均一燃焼」のための燃料噴射制御では、燃料・エアの噴射タイミングの変更と、燃料・エアの噴射期間の変更とを互いに組み合わせた場合について説明したが、燃料・エアの噴射タイミングと、燃料・エアの噴射期間のそれぞれを個別に変更した場合には、以下のような作用効果があると考えられる。
【0076】
ECU30が、エア噴射弁44によるエア噴射タイミングを燃料噴射弁43による燃料噴射タイミングより先行させた場合は、燃料の噴霧貫徹距離が相対的に長くなり、かつ、燃料の噴霧粒径が相対的に小さくなり、成層燃焼に適した特性の燃料噴霧が得られる。これにより、エンジン1における燃料の燃焼性能を向上させることができる。
【0077】
また、ECU30が、エア噴射弁44によるエア噴射期間を燃料噴射弁43による燃料噴射期間と等しくした場合は、燃料噴射期間の全域で燃料の噴霧粒径が相対的に小さくなる。これにより、エンジン1における燃料の燃焼性能を向上させることができる。
【0078】
更に、ECU30が、エア噴射弁44によるエア噴射期間を燃料噴射弁43による燃料噴射期間より長くした場合は、燃料の噴霧貫徹距離が相対的に長くなり、かつ、燃料噴霧の全域で噴霧粒径が相対的に小さくなる。これにより、エンジン1における燃料の燃焼性能を向上させることができる。
【0079】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置を具体化した第2の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0080】
尚、この実施の形態を含む以下の各実施の形態において、前記第1の実施の形態と同じ構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、以下には異なった点を中心に説明する。
【0081】
この実施の形態は、燃料噴射装置がエア噴射弁の機能を燃料噴射弁に一体に設けたものである点で前記第1の実施の形態と構成が異なる。その他の燃料噴射制御に関する構成は、基本的には、第1の実施の形態のそれと同じである。
【0082】
図21にエア噴射弁一体型燃料噴射弁81の断面図を示す。この実施の形態の一体型燃料噴射弁81は、そのロワボディ55の先端に筒部55aが一体的に設けられる。この筒部55aの先端にオリフスプレート90が固定される。ロワボディ55には、筒部55aに開口するエア通路82が設けられる。エア通路82には、エア配管(図示略)を通じて加圧エアが供給される。ロワボディ55の基端部には、別のソレノイド83が設けられる。ロワボディ55には、エア通路82を開閉する弁体84が設けられる。この弁体84が、ソレノイド83の励磁・消磁に基づいて動作することにより、エア通路82が開閉され、筒部55aの中に加圧エアが供給され、オリフィスプレート90のエア噴孔90bから加圧エアが噴射され、エア噴流が形成されるようになっている。また、筒部55aの中心に一体的に設けられたチューブ66の孔66aを通じて噴射される燃料が、オリフィスプレート90の燃料噴孔90aから噴射され、燃料噴霧が形成されるようになっている。
【0083】
従って、この実施の形態では、エア噴射弁一体型燃料噴射弁81を使用することから、燃料噴射弁43とエア噴射弁44を別々に設けた前記1の実施の形態よりも、燃料噴射装置をコンパクトに構成することができる。この実施の形態におけるその他の作用効果は、基本的には、前記第1の実施の形態におけるそれと同じである。
【0084】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置を具体化した第3の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0085】
この実施の形態は、燃料噴射装置がエア噴射弁の噴射機能を燃料噴射弁に設けたものである点で前記各実施の形態と構成が異なる。図22に燃料噴射弁85の断面図を示す。この実施の形態の燃料噴射弁85は、ロワボディがハウジング41と一体的に設けられる。このハウジング51の先端にオリフィスプレート90が直接固定される。ハウジング51の先端部には、オリフィスプレート90の燃料噴孔90aとノズルボディ56の弁孔56bとの間を連通する燃料通路86が設けられる。同じく、ハウジング51の先端部には、燃料通路86の周囲にエア通路87が設けられる。このエア通路87には、別途のエア制御弁(図示略)を通じて加圧エアが供給される。エア制御弁が制御されることにより、エア通路87を通じてオリフィスプレート90のエア噴孔90bから加圧エアが噴射され、エア噴流が形成されるようになっている。また、弁座56aに対して弁部58aが開閉することにより、燃料通路86及びオリフィスプレート90の燃料噴孔90aを通じて燃料が噴射され、燃料噴霧が形成されるようになっている。
【0086】
従って、この実施の形態では、エア噴射弁の機能を燃料噴射弁85に設けていることから、燃料噴射弁43とエア噴射弁44を別々に設けた前記各実施の形態に比べ、燃料噴射装置に関するエンジン周りの構成をコンパクトにすることができる。この実施の形態におけるその他の作用効果は、基本的には、前記各実施の形態におけるそれと同じである。
【0087】
尚、この発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して次のように実施することもできる。
【0088】
(1)前記各実施の形態では、燃料に衝突させる気体としてエア(空気)を使用したが、空気以外の特定の気体を使用してもよい。
【0089】
(2)前記第1の実施の形態では、一つの燃料噴孔69aと、その燃料噴孔69aを中心に等角度間隔に配置された複数のエア噴孔69bとを含むオリフィスプレート69を設けた。これに対し、スリット状の燃料噴孔と、その燃料噴孔の片側又は両側に配置された一つ又は複数のエア噴孔とを含むオリフィスプレートを設けてもよい。つまり、オリフィスプレートにおける燃料噴孔及びエア噴孔の形状、大きさ及び配置は、適宜に変更してもよい。
【0090】
(3)前記第1の実施の形態において、以下のような構成を採用することにより、燃料噴霧の噴霧貫徹距離を短くしたり、長くしたりすることができる。
図23に示す燃料噴霧とエア噴流との衝突角度θ3をある程度大きく(例えば、「75°」)設定すると、エア噴射タイミングの設定により噴霧貫徹距離を短くしたり、長くしたりすることが可能となる。例えば、燃料とエアの同時噴射では、衝突時に発生する気流の逆流と噴霧微粒化により噴霧−気流間の空気抵抗が増大する。この空気抵抗の増大作用が、燃料噴霧とエア噴流との衝突と重なり、噴霧貫徹距離がエアを噴射しない場合より短くなる。その逆に、エアを燃料に先んじて噴射させた場合には、衝突時に噴霧が伸びる方向にも気流が発生するため、噴霧貫徹距離が長くなる。但し、この場合の噴霧貫徹距離の可変効果は、下記に説明するように衝突角度θ3を小さく設定する場合に比べて小さくなることが分かっている(制御の方向性が一方向である場合の方が効果が大きくなる。)。
一方、衝突角度θ3を小さく(例えば、「45°」)設定すると、エア噴射タイミングの設定により噴霧貫徹距離を長くすることが可能になる。これは燃料噴霧を押す方向にエア噴流を燃料噴霧に衝突させるためである。燃料とエアの同時噴射では、噴霧貫徹距離が長くなり、エアを燃料に先んじて噴射させた場合には、噴射時に長くなるような気流が存在しているため、噴霧貫徹距離は更に長くなる。この場合、噴霧貫徹距離の可変量は、上記した衝突角度θ3を大きく設定した場合に比べて大きくなるので、基本となる燃料噴霧は、燃料圧力を減少(例えば、12MPaから2MPaへ減少)させたとしても、その燃料圧力の減少による噴霧微粒化の悪化をエアブラストにより改善することができる。このため、燃料圧力を減少させたまま燃料とエアの噴射タイミングにより燃料噴霧とエア噴流を制御することにより、噴霧貫徹距離を可変制御することができる。例えば、燃料とエアを同時噴射した場合には、噴霧貫徹距離を長く(燃圧を12MPaとし、エアブラストを無しにしたときより短い)することが可能となり、エアを燃料に先んじて噴射した場合には、噴霧貫徹距離を更に長くすることが可能となる(噴霧粒径は、燃圧を12MPaとし、エアブラストを無しとしたときよりも小さくできることは確認済み。)。
【0091】
【発明の効果】
請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明によれば、直接噴射式の内燃機関においてその運転状態の違いに応じて燃料の噴霧貫徹距離又は噴霧粒径を変更して最適な特性の燃料噴霧を得ることができ、それにより内燃機関における燃料の燃焼性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態に係り、直噴式エンジンシステムを示す概略構成図。
【図2】 燃料噴射装置のエンジン取付状態を示す断面図。
【図3】 燃料噴射弁とエア噴射弁に係る電気配線等を示す構成概念図。
【図4】 取付部材の先端部を示す拡大断面図。
【図5】 オリフィスプレートを示す平面図。
【図6】 図5のA−A線断面図。
【図7】 (a)〜(c)は燃料噴霧及びエア噴流を示す概念図。
【図8】 衝突点での燃料噴霧と気体噴流との衝突を示す概念図。
【図9】 気体噴流を示す概念図。
【図10】 (a)〜(c)は衝突点での噴霧強度と噴流強度の違いを示す概念図。
【図11】 燃料噴霧にエア噴流が衝突したときの概念図。
【図12】 燃料噴射制御ルーチンを示すフローチャート。
【図13】 エンジン運転状態と燃焼パターン等との関係を示す表。
【図14】 (a),(b)は、燃料噴射弁及びエア噴射弁の開閉タイミングを示すタイムチャート。
【図15】 (a),(b)は、燃料噴射弁及びエア噴射弁の開閉タイミングを示すタイムチャート。
【図16】 (a),(b)は、燃料噴射弁及びエア噴射弁の開閉タイミングを示すタイムチャート。
【図17】 暖機燃焼の噴霧特性を示すイメージ図。
【図18】 成層燃焼の噴霧特性を示すイメージ図。
【図19】 均一燃焼の噴霧特性を示すイメージ図。
【図20】 (a)〜(c)は、燃料噴霧の貫徹距離の違いを示す説明図。
【図21】 第2の実施の形態に係り、一体型燃料噴射弁を示す断面図。
【図22】 第3の実施の形態に係り、燃料噴射弁を示す断面図。
【図23】 別の実施の形態に係り、燃料噴霧にエア噴流が衝突したときの概念図。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
2 燃焼室
21 スロットルセンサ
22 吸気圧センサ
23 酸素センサ
24 水温センサ
25 回転速度センサ
30 ECU(制御手段)
43 燃料噴射弁
44 エア噴射弁
69 オリフィスプレート
69a 燃料噴孔
69b エア噴孔
81 燃料噴射弁
85 燃料噴射弁
90 オリフィスプレート
90a 燃料噴孔
90b エア噴孔

Claims (3)

  1. 内燃機関の燃焼室に開口された燃料噴孔を含み、その燃料噴孔から前記燃焼室へ加圧された燃料を噴射するための燃料噴射弁と、
    前記燃焼室に開口された気体噴孔を含み、その気体噴孔から前記燃焼室へ加圧された気体を噴射するための気体噴射弁と、
    前記気体噴孔から噴射される気体が前記燃料噴孔から噴射される燃料噴霧に衝突するように前記気体噴孔及び前記燃料噴孔の向きがそれぞれ設定されることと、
    前記内燃機関の運転状態を検出するための運転状態検出手段と、
    前記燃料噴射弁と前記気体噴射弁をそれぞれ独立に制御するための制御手段とを備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記気体噴孔の中心線と前記燃料噴孔の中心線とが互いに一点にて鋭角に交差するように設定され、
    前記制御手段は、前記燃料噴孔から噴射される燃料噴霧の貫徹距離を制御するために、前記検出される運転状態に基づいて燃焼パターンを決定し、前記決定された燃焼パターンに応じて前記燃料噴射弁を制御すると共に前記気体噴射弁による気体噴射タイミング及び気体噴射期間の少なくとも一方を制御する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記気体噴射弁による気体噴射をしない場合と比較して前記噴霧貫徹距離を短くするために、前記気体噴射弁による気体噴射タイミングを前記燃料噴射弁による燃料噴射タイミングと同じにすると共に、前記気体噴射弁による気体噴射期間を前記燃料噴射弁による燃料噴射期間と等しくしたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記気体噴射弁による気体噴射をしない場合と比較して前記噴霧貫徹距離を長くするために、前記気体噴射弁による気体噴射タイミングを前記燃料噴射弁による燃料噴射タイミングより先行させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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