JP2002206058A - 生分解性重合体 - Google Patents

生分解性重合体

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JP2002206058A
JP2002206058A JP2001003693A JP2001003693A JP2002206058A JP 2002206058 A JP2002206058 A JP 2002206058A JP 2001003693 A JP2001003693 A JP 2001003693A JP 2001003693 A JP2001003693 A JP 2001003693A JP 2002206058 A JP2002206058 A JP 2002206058A
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Japan
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polymer
biodegradable polymer
acid
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nutrient salt
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JP2001003693A
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Fumio Matsuoka
文夫 松岡
Masami Takahashi
正美 高橋
Koji Inagaki
孝司 稲垣
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶性や耐熱性が過度に損なわれることな
く、組成物または成形物の耐衝撃性を改良し、使用中の
期間は実質的に品質を維持し、使用後の廃棄では自然環
境下でも速やかな分解が行える生分解性重合体を提供す
る。 【解決手段】 生分解性能を有する重合体中に、少なく
とも一種の栄養塩剤が含有されている生分解性重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルム、繊維及
びその他の成形品に適し、機械的性能が改良されるとと
もに、生分解性速度を制御でき、さらには、廃棄後に土
壌等への積極的栄養源となり得る生分解性重合体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自然環境保護の見地から、自然環
境中で分解する生分解性重合体及びその成形品が求めら
れ、脂肪族ポリエステル等の生分解性重合体の研究が活
発に行われている。その中でも、特にポリ乳酸系重合体
は、農産物を原料とするため、資源的に有利であり、ま
た、溶融成形性や耐熱性に優れており、かつ力学特性も
有しているため最も期待されている。
【0003】しかしながら、ポリ乳酸系重合体は、ガラ
ス転移温度が高く、耐衝撃性に劣り、脆いという欠点が
あり、この欠点の改良が望まれていた。また、自然環境
下の分解性速度が遅く、廃棄処理期間が長くなり、コン
ポスト法や活性汚泥法といったあまり普及されていない
廃棄方法を適用しなければならないという問題があっ
た。
【0004】成形品における耐衝撃性を改良するため
に、ポリ乳酸系重合体に異成分を共重合させることが知
られている。例えば、特開平8−283557号公報には、ポ
リ乳酸に可塑剤を添加して柔軟性や脆さを改善したポリ
乳酸組成物が開示されている。しかしながら、一般的な
可塑剤を添加した場合、ポリ乳酸と可塑剤との親和性が
悪く、可塑剤が表面にブリードアウトし、得られる成型
品の表面が汚れたり、経時的に性能が変化するという問
題があった。
【0005】また、特開平8−283557号公報においては、
可塑剤として脂肪族ポリエステルを添加することで成形
品の改良を行うことも記載されている。しかし、この場
合においても、上記の問題はある程度解決できたが、成
形品の生分解速度については、幾分速くなるものの十分
ではなかった。このような現状において、分解速度の速
いもの及び用途に応じて分解速度が制御できる生分解性
重合体が要求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題点を解決し、結晶性や耐熱性が過度に損なわれるこ
となく、耐衝撃性に優れ、使用中の期間は実質的に品質
を維持し、使用後の廃棄では自然環境下でも速やかな分
解が行える成形品を得ることができる、生分解性重合体
を提供することを技術的な課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。す
なわち、本発明は、生分解性能を有する重合体中に、少
なくとも一種の栄養塩剤が含有されていることを特徴と
する生分解性重合体を要旨とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明について詳細に説明
する。まず、本発明の重合体は、生分解性能を有する重
合体であり、通常知られている脂肪族ポリエステル等が
挙げられる。脂肪族ポリエステルとしては、(1)グリ
コール酸、乳酸、ヒドロキシブチルカルボン酸などのヒ
ドロキシアルキルカルボン酸、(2)グリコリド、ラク
チド、ブチロラクトン、カプロラクトンなどの脂肪族ラク
トン、(3)エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオールなどの脂肪族ジオール、(4)ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、エチレン/
プロピレングリコール、ジヒドロキシエチルブタンなど
のようなポリポリアルキレンエーテルのオリゴマー、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リブチレンエーテルなどのポリアルキレングリコール、
(5)ポリプロピレンカーボネート、ポリブチレンカー
ボネート、ポリヘキサンカーボネート、ポリオクタンカ
ーボネート、ポリデカンカーボネート等のポリアルキレ
ンカーボネートグリコール及びそれらのオリゴマー、
(6)コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカ
ルボン酸など、脂肪族ポリエステル重合原料に由来する
成分を主成分(70質量%以上)とするものであって、脂
肪族ポリエステルのブロック及び/またはランダム共重
合体、および脂肪族ポリエステルに他の成分、例えば芳
香族ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、
ポリアミド、ポリウレタン、ポリオルガノシロキサン等
を30質量%以下(ブロックまたはランダム)共重合したも
の及び/またはそれらを混合したもの等が挙げられる。
【0009】本発明において、上記のような生分解性重
合体の融点は、耐熱性の観点から100℃以上であるこ
とが好ましく、より好ましくは120℃以上、さらに好
ましくは140℃以上である。上記の脂肪族ポリエステ
ルの中でも、最も融点が高いのが乳酸に由来するポリ乳
酸であり、したがって、ポリ乳酸系重合体を用いること
が好ましい。
【0010】ポリ乳酸は、L−乳酸とD−乳酸またはそ
れらのブレンドによる光学異性体の重合体を主成分とし
たものである。L−乳酸の光学純度は0〜100%存在
する中で、このL体に対するD体の比率は、耐熱性や生
分解性に影響する要因であり、L体純度はD体によって
純度が低くなると共に、結晶性が低下し、融点降下が大
きくなり、熱接着性が向上する方向にある。同時に弾性
回復性の改良、熱収縮性増加、分解性の制御などができ
る。
【0011】一方、D−乳酸の光学純度についても0〜
100%存在する中で、このD体に対するL体の比率
は、同様に耐熱性や生分解性に影響する要因であり、D
体の純度がL体によって純度が低くなると、結晶性が低
下し、融点降下が大きくなる。同時に熱収縮性増加、分
解性の制御などができる。光学純度が劣ると前記したよ
うに融点の低下が生じ耐熱性が低下する。また熱収縮特
性が大きくなり過ぎて、汎用的に供さない。したがっ
て、本発明においては、光学純度を90%以上とするこ
とが好ましい。
【0012】また、乳酸系重合体の性能を損なわない程
度にヒドロキシカルボン酸類、ラクトン類等のコモノマ
ーが共重合された共重合体を用いてもよい。共重合可能
なヒドロキシカルボン酸類、ラクトン類としては、グリ
コール酸、3−ヒドロキシ絡酸、4−ヒドロキシ絡酸、
4−ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、グリコ
リド、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、ε
−カプロラクトン等が挙げられる。これらの乳酸系重合
体は、従来公知の方法で乳酸を重合して製造することが
できる。重合法の例としては、例えば、乳酸を直接脱水
縮合して行う方法や、乳酸の環状二量体であるラクチド
を開環重合して得る方法等が挙げられる。また、これら
の重合反応を溶媒中で行ってもよく、必要な場合には触
媒や開始剤を用いて反応を効率よく行ってもよい。これ
らの方法は、必要な分子量や溶融粘度を考慮して適宜選
択すればよい。
【0013】本発明の生分解性重合体の溶融粘度は、メ
ルトフローレート(以下、MFRと記す。)値が0.2
〜100g/10分とすることが好ましい。MFRが
0.2g/10分未満であると加工性が低下し、一方、
100g/10分を超えると機械的物性等が十分発現さ
れない傾向となる。したがって、MFR値は、より好ま
しくは0.5〜50g/10分、さらに好ましくは0.7〜30g/
10分、最も好ましくは1.0〜20g/10分である。なお、
MFR値は、ASTM−D−1238の法に準じ、温度
210℃、2160g下にて測定した値をいう。
【0014】本発明の生分解性重合体は、少なくとも一
種の栄養塩剤を含有している。本発明で言う栄養塩剤と
は、生物の正常な生育に必要な塩類のものであり、植物
プランクトンや藻類の栄養になる無機質系の物質のこと
をいう。この栄養塩剤としては、燐酸系、硝酸系、硫酸
系、珪酸系等の塩類が挙げられる。これらの栄養塩剤
は、水分の影響によって重合体中に塩基性イオンあるい
は酸性イオンが介在することになり、これらのイオンの
影響を受けて重合体成分の加水分解が進行し、より低分
子量化へと進むことになる。
【0015】これらの栄養塩剤を更に具体的に例示する
と、燐酸系の塩には、燐酸カルシウム、燐酸カリウム、
燐酸三ナトリウム、燐酸アンモニウム、燐酸マグネシウ
ム等が挙げられ、硝酸系の塩には、硝酸カルシウム、硝
酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が挙
げられる。また、硫酸系の塩には、硫酸アンモニウム、
硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸カリウムが挙げら
れる。
【0016】珪酸塩については、地球上にある岩石の殆
どが珪酸塩であり、その中でもオルト珪酸イオン SiO4
----やMg++,Fe++を持つカンラン石(Mg、Fe2SiO2
SiO3を持つ輝石(トウキ石)CaMg(SiO3)2、Si4O11 6―を持
つ角閃石(トウセン石)Ca2Mg5(Si4O112(OH)2及びSi
2O5 --を持つ雲母KAl2(AlSi3O10)(OH)2等が挙げられ
る。
【0017】また、その他の塩としては、塩化カリウ
ム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム及びホウ酸マグネ
シウム等も挙げられ、これらもまた栄養塩剤として使用
できる。
【0018】本発明の重合体は、上記のような栄養塩剤
を少なくとも1種含有するものであり、必要に応じて2
種、2種以上の複数種を含有するものである。特に好適
な例としては、土壌の3大栄養素である窒素、燐酸、カ
リに付随した物をバランスよく選ぶことで複数種の配合
肥料成分を含有させることが好ましい。また土壌の性質
に合わせて、石灰質肥料、珪酸質肥料、苦土質肥料、マンガ
ン質肥料、ほう素質肥料に該当する前記栄養塩剤を目的
に合わせて適宜選択すればよい。
【0019】本発明の重合体中の栄養塩剤は、重合体と
のフィラー的役割を果たし、耐衝撃性を向上させたり、
表面摩擦特性の改善等の機能性の付与が可能となる。栄
養塩剤の含有量が多いほど分解速度も速くなり、用いる
栄養塩剤の種類と含有量によって生分解性速度の制御が
可能である。栄養塩剤の含有量が少なすぎると耐衝撃性
等の機能性が向上せず、また分解性も向上しない。しか
し、あまり多量に含有するとコスト的に問題が生じる。
したがって、生分解性重合体中の栄養塩剤の含有量(複
数の栄養塩剤を用いる場合は総含有量)は、好ましくは
0.5〜40質量%、より好ましくは1〜30質量%、
最も好ましくは2〜25質量%である。
【0020】また、栄養塩剤の形態は、粉体形状である
ことが好ましい。その粉体の最大粒径は、5μm以下、
より好ましくは3μm以下、最も好ましくは1μm以下と
する。粉体の最大粒径が大きすぎると、溶融成形時にス
クリーンでの昇圧が生じて操業性が低下したり成形品に
欠点が生じやすい。したがって、粉体形状が大きい場合
には予め粉砕処理を行うとよく、栄養塩剤の形態は、成
形品の製造に係わる操業性や品質安定性に大きく寄与す
るため、できるだけ微粉体とするのがよい。
【0021】次に本発明の生分解性重合体の製造方法に
ついて説明する。まず、前記栄養塩剤には、結晶水を含
有するものもあるため、脱水のための乾燥を施した後、
使用することが好ましい。栄養塩剤の含有は、慣用の手
段で行うことができる。混合方法や混合装置は、特に限
定されないが、連続的に計量混合処理できるものが工業
的に且つ品質的にも好ましい。例えば、重合体のチップ
に計量した栄養塩剤をドライブレンドして、1軸のスク
リュー押し出し機や2軸の混練押出機等で溶融すればよ
い。そしてこの溶融状態の重合体を直ちに射出成形した
り、製膜または紡糸を行えばよい。
【0022】また、予め重合体のチップに計量した栄養
塩剤をドライブレンドして、2軸の混練押出機等で溶融
混練し、ストランド形状に紡出し、冷却した後切断して
マスターバッチとしてチップを製造する。このマスター
バッチと用いる重合体とをそれぞれ別に溶融し、所定比
率で静止混合器及び/または動的混合機で、混合すれば
よい。そして、この重合体を直ちに成形してもよく、又
は一旦チップ化してもよい。さらには、マスターバッチ
と用いる重合体とをジェットカラー計量ミキシング装置
に供給し、押出機等で共に溶融し、成形をしてもよい。
【0023】溶融混合法では、ポリマーの劣化、資質、
エステル交換反応による共重合体化を実質的に防ぐこと
が必要で、できるだけ低温で且つ短時間内に混合するこ
とが好ましい。すなわち、温度は230℃以下とすること
が好ましく、さらに好ましくは210℃以下、より好まし
くは200℃以下である。時間については、30分以内で混
合することが好ましく、より好ましくは20分以内、さら
に好ましくは10分以内である。
【0024】さらに、本発明の生分解性重合体には、副
次的に、添加物を加えていろいろな改質を行ってもよ
い。副次的添加剤の例としては、熱安定剤、顔料、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、滑剤、制電剤、離型
剤、結晶核剤、柔軟化剤、耐光剤、界面活性剤、表面改
質剤、香料、染料、難燃剤、艶消し剤、各種無機あるい
は有機電解質、各種フィラー等が挙げられる。
【0025】そして、本発明の生分解性重合体は各種の
成形品に成形することができ、フィルム、シート、プレ
ート、異型押出品、パイプ、繊維、編物、織物、不織
布、紙、フェルト、網、ロープ、板、棒、多孔質成形品
等をはじめ、各種容器、各種部品等に用いることができ
る。
【0026】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。なお、実施例における各種特性の測定及び評価
は、次の方法により実施した。 (1)重合体のガラス転移温度、融点(℃):パ−キン
エルマ社製示差走査型熱量計DSC−2型を用い、昇温
速度20℃/分で測定した融解吸収曲線の初期極値と極
値を与える温度をガラス転移温度(Tg)と融点(T
m)とした。 (2)MFR〔溶融粘度(g/10分)〕:前記の方法
で測定した。 (3)耐衝撃性:島津製作所製のハイドロショット衝撃
試験機を用いて測定した。10cm×10cm、厚さ400μm
のシートをクランプで固定し、その試料の中央部に落錘
で衝撃を与え、そのエネルギー(N.mm)を読み取った。
測定温度は23℃、落錘速度は3m/秒とした。 (4)生分解性評価:厚さ400μm、5cm×5cmのシー
トを試料とし、屋外の土壌中へ地表より10cmの深さで埋
設した。この試料片を12ヶ月後に掘り出して、目視に
て観測して次に示す4段階で評価した。 ×:全く変化なし △:白化した。 〇:部分的に形状が崩壊した。 ◎:殆ど崩壊した。 (5)製膜性:シート化の際の操業性を目視にて判断
し、次の4段階で評価した。 ◎:シート化が非常に良好 〇:シート化が比較的良好 △:バラスが生じ、シート化がやや困難 ×:シート化が困難
【0027】〔マスターチップ(A1〜A8)の作成〕
栄養塩剤として、表1に示す予め乾燥された栄養塩剤を
準備し、重合体として次の4種のものを用いた。すなわ
ち、光学純度が99%、ガラス転移温度が65℃、融点
が168℃、MFRが15g/10分であるポリL−乳
酸樹脂(B1)、光学純度が95.5%で、ガラス転移
温度が62℃、融点155℃、MFR5g/10分のポ
リL―乳酸樹脂(B2)、ガラス転移温度が42℃、融
点が165℃、MFRが10g/10分のヒドロキシカ
ルボン酸が1.5mol共重合されたポリL−乳酸共重合
樹脂(B3)及びガラス転移温度が−32℃、融点が1
15℃、MFRが8g/10分のブタンジオールとコハ
ク酸が等モル量重合されたポリブチレンサクシネート樹
脂(C1)を用いた。上記重合体の押し出しライン中に
栄養塩剤を供給し、2軸の混練押出機ニーダーを用い
て、温度200℃、滞留時間1.5分で溶融混練し、ダ
イヘッド2孔からストランド形状に紡出した。得られた
ストランドを冷却した後切断して、表1に示すマスター
チップ(A1〜A8)を得た。
【0028】
【表1】
【0029】実施例1〜5 B2(ポリ-L乳酸樹脂)樹脂をベースにし、表1に示
すマスターチップ(乾燥チップ)を用いて、シート化を
行った。すなわち、フルフライトタイプのスクリュウを
有する単軸Tダイ押出機を用い、ベース樹脂とマスター
チップを表2に示す割合(質量割合)でチップブレンド
し、温度200℃、厚さ400μmで押し出し、水冷キャ
ストロールで急冷して、シート化を行った。得られたシ
ートの製膜性、耐衝撃性、生分解性の評価結果を表2に
示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2から明らかなように、実施例1〜5で
得られたシートは、栄養塩剤を含有している本発明の生
分解性重合体からなるものであったため、製膜性、耐衝
撃性、生分解性に優れたものであった。
【0032】実施例6〜9、比較例1 B1(ポリ-L乳酸樹脂)樹脂をベースにし、表1に示
すマスターチップ(乾燥チップ)A2、A3を用いて、
表3に示す割合でチップブレンドした以外は実施例1と
同様にシート化を行った。得られたシートの製膜性、耐
衝撃性、生分解性の評価結果を表3に示す。
【表3】
【0033】表3から明らかなように、実施例6〜9で
得られたシートは、栄養塩剤を含有している本発明の生
分解性重合体からなるものであったため、製膜性、耐衝
撃性、生分解性に優れたものであった。そして、栄養塩
剤の含有量が増加するとともに生分解性能も向上するこ
とが分かった。一方、比較例1で得られたシートは、栄
養塩剤を含有しないポリ乳酸からなるものであったた
め、耐衝撃性に劣り、生分解性にも劣るものであった。
【0034】実施例10〜12 B3(ポリL−乳酸共重合樹脂)樹脂とC1(ポリブチ
レンサクシネート樹脂)樹脂をベースに用い、表1に示
すマスターチップ(乾燥チップ)A4、A5、A7、A
8を用い、表4に示す割合でチップブレンドした以外
は、実施例1と同様にシート化を行った。得られたシー
トの製膜性、耐衝撃性、生分解性の評価結果を表4に示
す。
【0035】
【表4】
【0036】表4から明らかなように、実施例10〜1
2で得られたシートは、栄養塩剤を含有している本発明
の生分解性重合体からなるものであったため、製膜性、
耐衝撃性、生分解性に優れたものであった。また主体樹
脂が共重合体であるB3を適用した実施例19及び主体
樹脂がポリブチレンサクシネートであるC1を適用した
実施例20においても、生分解性速度が速く、速度の制
御が可能であることが分かった。
【0037】実施例21 樹脂として、B1(ポリL―乳酸樹脂)樹脂を用い、栄
養塩剤として、予め110℃、4時間乾燥した最大粒径
2.7μm、平均粒径0.86μmの燐酸水素カリウム
と最大粒径1.5μm、平均粒径0.72μmの硫酸ア
ンモニウムとを重量比で1:1にブレンドしたものを用
いた。この栄養塩剤を樹脂質量に対して2質量%(各栄
養塩剤の添加量は1質量%)になるようドライブレンド
した以外は実施例1と同様にシート化を行った。得られ
たシートは製膜性、耐衝撃性、生分解性ともに優れてい
た。
【0038】
【発明の効果】本発明の生分解性重合体によれば、耐衝
撃性等の機械的物性の改良を図るだけでなく、使用済み
になったものを廃棄する場合に分解性速度の制御が可能
で、土壌に還元する際には積極的な栄養源となり、また
安全な肥料として植物等の育成に寄与することができる
各種成形品を得ることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CF001 CF031 CF101 CF181 CF191 DD056 DE076 DE236 DF036 DG046 DH046 DJ006 DK006 FD206 GA00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性能を有する重合体中に、少なく
    とも一種の栄養塩剤が含有されていることを特徴とする
    生分解性重合体。
  2. 【請求項2】 栄養塩剤が、燐酸系、硝酸系、硫酸系、
    珪酸系の塩であり、栄養塩剤を0.5〜40質量%含有
    してなる請求項1記載の生分解性重合体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023058709A1 (ja) 2021-10-06 2023-04-13 三菱ケミカル株式会社 樹脂、樹脂組成物及び成形体

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WO2023058709A1 (ja) 2021-10-06 2023-04-13 三菱ケミカル株式会社 樹脂、樹脂組成物及び成形体

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