JP2002206019A - リン含有エポキシ樹脂、該樹脂を用いた難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物及び積層板 - Google Patents

リン含有エポキシ樹脂、該樹脂を用いた難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物及び積層板

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JP2002206019A
JP2002206019A JP2001268891A JP2001268891A JP2002206019A JP 2002206019 A JP2002206019 A JP 2002206019A JP 2001268891 A JP2001268891 A JP 2001268891A JP 2001268891 A JP2001268891 A JP 2001268891A JP 2002206019 A JP2002206019 A JP 2002206019A
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Kiyomi Yasuda
田 清 美 安
Terufumi Suzuki
木 照 文 鈴
Shuji Tawara
原 修 二 田
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明に係るリン含有エポキシ樹脂は、
有機リン化合物と、3官能エポキシ樹脂と、2官能エポ
キシ樹脂と、必要に応じ2官能フェノール化合物とを反
応して得られ、本発明に係る難燃性高耐熱エポキシ樹脂
組成物は該リン含有エポキシ樹脂を含んでいる。 【効果】 本発明に係るリン含有エポキシ樹脂を用いる
ことにより、優れた難燃性、耐熱性を有する硬化物が得
られ、プリプレグ、積層板として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン系難燃剤を
使用することなく優れた難燃性を有しかつ高い耐熱性を
有するリン含有エポキシ樹脂、該リン含有エポキシ樹脂
を用いた難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物、ならびに該
難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグお
よび積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂組成物はその優れた特性か
ら電気及び電子機器部品などに広く使用されているが、
火災に対する安全性を確保する為に、難燃性が付与され
ている例が多い。これら樹脂の難燃性は従来、臭素化エ
ポキシなどのハロゲン含有化合物を用いることが一般的
であった。ハロゲン含有化合物は優れた難燃性を有する
が、熱分解によりハロゲン化水素などの有害なハロゲン
化物やポリ臭素化されたジベンゾダイオキシンおよびフ
ランが生成するといった環境の問題が指摘されるように
なった。このような理由から臭素含有難燃剤に代る難燃
剤としてリン化合物が検討されている。
【0003】リン化合物を用いた難燃化の機構としては
「最新 難燃剤・難燃化技術」 株式会社 技術情報協会
発行(1999年)113頁等に概説されている。難燃
化のために用いられるリン化合物としては、様々なもの
が検討されているが、耐熱性などのエポキシ樹脂硬化物
の優れた特性を損なわないために、エポキシ樹脂と何ら
かの化学反応によってエポキシ樹脂骨格にリン化合物を
組み込む方法が試みられている。
【0004】たとえば、エポキシ樹脂中にリン化合物を
組み込むため、エポキシ基と反応できる活性水素を有す
るリン化合物を用いる方法が開示されている。このよう
なリン化合物として特願昭43−34168号記載の
9,10―ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェ
ナントレン−10−オキサイドなどの1個の活性水素を
有するリン化合物、あるいは特願昭58−231508
号記載の10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−1
0H−9−オキサー10−ホスファフェナントレンー1
0−オキサイドなどの2個の活性水素を有するリン化合
物などが用いられている。
【0005】しかし、エポキシ基と反応できる1個の活
性水素を持つリン化合物を使用した場合には、エポキシ
樹脂との反応において末端停止剤として働くため、硬化
物は不完全な網目構造を持ち、耐熱性が低下する。この
ような観点から、エポキシ基と反応できる2個の活性水
素を持つリン化合物を用いる方法も試みられている。し
かし、エポキシ基と反応できる2個の活性水素を持つリ
ン化合物を用いた場合でも従来提案されている方法(特
願平11−16485号等)では、半導体基板などで要
求される優れた耐熱性を持つ硬化物が得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ハロ
ゲン系難燃剤を使用しなくても優れた難燃性を発現し、
かつ高耐熱な硬化物を得るリン含有エポキシ樹脂、該リ
ン含有エポキシ樹脂を用いた難燃性高耐熱エポキシ樹脂
組成物、および該難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物を用
いたプリプレグ、絶縁層及び積層板を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、3官能エポキシ樹脂な
どの特定成分を特定量使用することで、ハロゲン系難燃
剤を使用しなくても優れた難燃性を発現し、かつ優れた
耐熱性を実現できるリン含有エポキシ樹脂、該リン含有
エポキシ樹脂を用いた難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物
および該難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物を用いたプリ
プレグ及び積層板を完成した。この場合、特に前記リン
含有エポキシ樹脂は、エポキシ基と反応できる活性水素
を2個以上有する有機リン化合物と芳香環を有する3官
能エポキシ樹脂と反応させたものが好ましいことを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明の要旨は、下記の通りであ
る。本発明に係るリン含有エポキシ樹脂は、有機リン化
合物5〜50重量部、3官能エポキシ樹脂30〜70重
量部、2官能エポキシ樹脂5〜50重量部および2官能
フェノール化合物0〜20重量部を反応させて得られる
ことを特徴としている。ただし、前記各成分の重量部
は、リン含有エポキシ樹脂100重量部に対する量であ
る。
【0009】前記有機リン化合物は、エポキシ基と反応
する有機リン化合物であることが好ましい。前記有機リ
ン化合物は2個以上の活性水素を有しており、前記3官
能エポキシ樹脂は芳香環を有することが好ましい。前記
有機リン化合物は、リン原子に結合した1個の活性水素
を有する化合物類とキノン化合物とを反応させて得られ
る有機リン化合物であることが好ましい。
【0010】本発明に係るリン含有エポキシ樹脂のエポ
キシ当量は、250〜1000g/eqであることが好
ましい。本発明に係る難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物
は、前記リン含有エポキシ樹脂と硬化剤とを含有するこ
とを特徴としている。本発明に係るプリプレグは、前記
難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物を用いることを特徴と
している。
【0011】本発明に係る積層板は、前記難燃性高耐熱
エポキシ樹脂組成物を用いることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施形態】<リン含有エポキシ樹脂>本発明に
係るリン含有エポキシ樹脂は、特定量の有機リン化合物
と、特定量の3官能エポキシ樹脂と、特定量の2官能エ
ポキシ樹脂と、さらに必要に応じ2官能フェノール化合
物とを反応させて得られる。以下、これらについて詳細
に述べる。
【0013】[3官能エポキシ樹脂]本発明で用いる3
官能エポキシ樹脂に由来する成分は、リン含有エポキシ
樹脂中に、リン含有エポキシ樹脂100重量%に対し
て、30〜70重量%、より好ましくは35〜65重量
%含むことが必要である。また、リン含有エポキシ樹脂
の製造に用いる前記3官能エポキシ樹脂の使用量は、有
機リン化合物と、3官能エポキシ樹脂と、2官能エポキ
シ樹脂と、2官能フェノール化合物との合計量100重
量部に対し、30〜70重量部、より好ましくは35〜
65重量部であることが望ましい。
【0014】3官能エポキシ樹脂の使用量または3官能
エポキシ樹脂由来成分の含有量が30重量%(部)より
も少ないと、硬化物への難燃性の付与が困難であるだけ
でなく、ガラス転移温度(以下Tgとする)が低下する
ことがあり好ましくなく、多すぎると分子量が増大する
ことがあり、溶解性、含浸性が悪くなることがある。本
発明に用いる3官能エポキシ樹脂は、芳香環を有する化
合物であることが好ましく、たとえば公知の方法でトリ
スフェノール化合物とエピクロロヒドリンの縮合によっ
て得られる。前記、トリスフェノール化合物としては特
に拘るものでないが、1−[α−メチル−α−(4−ヒ
ドロキシフェニル)エチル]−4−[α、α−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3,5−
トリス[α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)
エチル]ベンゼン、1,1,1−トリス(ヒドロキシフ
ェニル)メタン、1−[α−メチル−α−(4−ヒドロ
キシフェニル)エチル]−3−[α、α−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,1,1−トリ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等の芳香族環含有
率の高いトリスフェノール化合物が難燃性発現の観点か
ら好ましい。
【0015】本発明に用いられる3官能エポキシ樹脂は
該3官能エポキシ樹脂中の3官能グリシジル化体成分含
有率が、好ましくは60%以上、更に好ましくは80%
以上であることが望ましい。5官能以上のグリシジル化
体成分が多くなると、前記有機リン化合物との反応時に
高分子量化が進み、溶剤への溶解性の低下、基材への含
浸性悪化、Tgの低下が起こることがあり好ましくな
い。また、同様の観点から、4官能以上のエポキシ樹
脂、特にノボラック型エポキシ樹脂の使用は必要最小限
に、好ましくは使用しない方が良い。
【0016】[有機リン化合物]本反応に用いられる有
機リン化合物は、エポキシ基と反応可能な化合物である
ことが好ましく、該有機リン化合物は好ましくは2個以
上の活性水素を有している。該活性水素はエポキシ基と
反応できることが好ましい。このような有機リン化合物
は、好ましくはリン原子に結合した1個以上の活性水素
を有する化合物類とキノン化合物とを反応させて得られ
る化合物である。
【0017】具体的には、好ましくは9,10−ジヒド
ロ―9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10
−オキサイドあるいはジフェニルホスフィンオキサイド
等の活性水素を1個以上持つ化合物と1,4−ベンゾキ
ノン、1,4−ナフトキノン、トルキノンなどのキノン
化合物と反応して得られる有機リン化合物が挙げられ
る。
【0018】本発明において、リン含有エポキシ樹脂中
の前記有機リン化合物に由来する成分の含有率は5〜5
0重量%が好ましい。更に好ましくは10〜35重量%
が良い。また、リン含有エポキシ樹脂の製造に用いる前
記有機リン化合物の使用量は、有機リン化合物と、3官
能エポキシ樹脂と、2官能エポキシ樹脂と、2官能フェ
ノール化合物との合計量100重量部に対し、5〜50
重量部、好ましくは10〜35重量部であることが望ま
しい。
【0019】有機リン化合物の含有率または使用量が低
いと難燃性発現が不十分となることがあり、また多過ぎ
るとリン含有エポキシ樹脂の分子量が増大し、溶解性、
含浸性などが悪化することがある。[2官能エポキシ樹脂および2官能フェノール化合物]
本発明においては、エポキシ当量を目標範囲に制御し、
かつ目標レベル以上の硬化物性能を達成するために、有
機リン化合物および3官能エポキシ樹脂の他に2官能エ
ポキシ樹脂を特定量併用する。
【0020】また、さらに、有機リン化合物、3官能エ
ポキシ樹脂および2官能エポキシ樹脂の他に、2官能フ
ェノール化合物を併用することができる。2官能フェノ
ール化合物を併用することにより、リン含有エポキシ樹
脂のエポキシ当量を350g/eq以上に制御すること
が容易になる。使用する有機リン化合物および3官能エ
ポキシ樹脂の種類、量によって2官能エポキシ樹脂、2
官能フェノール化合物に由来する成分の含有量は異なる
が、リン含有エポキシ樹脂100重量部中、2官能エポ
キシ樹脂に由来する成分が5〜50重量部および2官能
フェノール化合物に由来する成分が0〜20重量部であ
ることが好ましい。
【0021】更に好ましくは、2官能エポキシ樹脂に由
来する成分が10〜40重量部および2官能フェノール
化合物に由来する成分が0〜10重量部であることが望
ましく、特に、2官能フェノール化合物に由来する成分
の含有量は、0〜7重量部であることが望ましい。ま
た、リン含有エポキシ樹脂の製造に用いる前記2官能エ
ポキシ樹脂の使用量は、有機リン化合物と、3官能エポ
キシ樹脂と、2官能エポキシ樹脂と、2官能フェノール
化合物との合計量100重量部に対し、5〜50重量
部、好ましくは10〜40重量部であることが望まし
い。
【0022】また、リン含有エポキシ樹脂の製造に用い
る前記2官能フェノール化合物の使用量は、有機リン化
合物と、3官能エポキシ樹脂と、2官能エポキシ樹脂
と、2官能フェノール化合物との合計量100重量部に
対し、0〜20重量部、好ましくは0〜10重量部、さ
らに好ましくは0〜7重量部であることが望ましい。2
官能エポキシ樹脂が少ないとリン含有エポキシ樹脂が高
分子量化し、溶解性、含浸性が悪化することがある。ま
た2官能エポキシ樹脂が多すぎると硬化物のTgが低下
することがあり、好ましくない。
【0023】さらに、2官能フェノール化合物が多すぎ
るとリン含有エポキシ樹脂が高分子量化することがあ
り、好ましくない。使用する2官能エポキシ樹脂および
2官能フェノール化合物は一般に市販されているもので
良いが、特に、ビスフェノールA、ビスフェノールEお
よびビフェノール系化合物及びそれらのグリシジル化物
が難燃性、Tgの観点から好ましい。
【0024】[その他の成分]本発明においてリン含有
エポキシ樹脂に他のエポキシ樹脂を添加することができ
る。特にエポキシ樹脂の種類、量の限定はないが、本発
明のリン含有エポキシ樹脂の性能を悪化しない範囲での
使用が好ましく、アラルキル型フェノール樹脂のエポキ
シ化体、o−フェニルフェノールノボラック樹脂のエポ
キシ化体などの芳香族環含有率の高い多官能エポキシ樹
脂が好ましい。
【0025】[リン含有エポキシ樹脂]本発明に係るリ
ン含有エポキシ樹脂の製造方法に特に制限はないが、前
記特定量の有機リン化合物と、前記特定量の3官能エポ
キシ樹脂と、前記特定量の2官能エポキシ樹脂と、必要
に応じ特定量の2官能フェノール化合物、その他の成分
とを混合し、好ましくは100〜200℃の温度で加熱
し、好ましくは3時間〜10時間程度反応させることに
よりほぼ定量的に得ることができる。
【0026】このようにして得られるリン含有エポキシ
樹脂のエポキシ当量は250〜1000g/eqが好ま
しい。また、一般には、更に好ましくは350〜600
g/eqであることが望ましい。エポキシ当量が前記範
囲にあると、本発明のリン含有エポキシ樹脂の硬化物の
吸水率増加、吸湿耐熱性の低下を抑制することができ、
特にエポキシ当量が350g/eq以上あると、その効
果が有効に発揮される。
【0027】エポキシ当量が低いと硬化剤使用量の増大
による難燃性、耐熱性の悪化が起こることがあり、ま
た、エポキシ当量が増大すると含浸性、溶解性が悪化し
たり、また硬化物のTgが低下することがあり、好まし
くない。なお、後述する難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成
物に含まれる硬化剤の使用量を少なくしたい場合には、
リン含有エポキシ樹脂のエポキシ当量を300g/eq
未満、特に、250g/eq以上300g/eq未満と
することが好ましい。
【0028】<難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物および
そのプリプレグまたは積層板>本発明における難燃性高
耐熱エポキシ樹脂組成物は前記リン含有エポキシ樹脂と
硬化剤からなる。一般にエポキシ樹脂の硬化に使用し
ている硬化剤を使用できるが、本発明においては、ジシ
アンジアミド、アラルキル型フェノール樹脂、o−フェ
ノールノボラック、p−フェノールノボラック、レゾル
シノールノボラック、ヒドロキノンノボラックなどが好
ましく、特にジシアンジアミドが好ましい。
【0029】硬化剤の使用量は、リン含有エポキシ樹脂
のエポキシ当量当たり好ましくは0.30〜1.2当量
の量で使用される。さらに好ましくは0.35〜0.6
当量であることが望ましい。ジシアンジアミドを使用す
る場合には、リン含有エポキシ樹脂のエポキシ当量当た
り好ましくは0.35〜0.7当量の量で使用される。
さらに好ましくは0.35〜0.6当量であることが望
ましい。
【0030】特に、本発明では、特定量の3官能エポキ
シ樹脂を用いており、ジシアンジアミドなどの前記硬化
剤の使用量が0.35〜0.45当量でも、優れた難燃
性、耐熱性を有するエポキシ樹脂を得ることができる。
また、本発明で使用する活性水素を2個有する有機リン
化合物を硬化剤として併用することもできる。
【0031】本発明において、難燃性高耐熱エポキシ樹
脂組成物に硬化促進剤を使用できる。好適にはイミダゾ
ール類、例えば2−エチルー4−メチルイミダゾール、
2−フェニルイミダゾールおよび1−ブチルー2−メチ
ルイミダゾールなどであり、更にホスフィンも使用でき
る。難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物に溶剤を使用する
場合は、組成物と反応しない溶剤であれば特に限定しな
い。例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、
N−メチルピロリドン、メチルエチルケトン、シクロヘ
キサノン、トルエン、キシレンなどであり、これらを併
用しても良い。
【0032】この難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物をガ
ラス布、ガラス繊維で強化して使用する。この難燃性高
耐熱エポキシ樹脂組成物は、メラミン、リン成分の難燃
剤、シリカ、タルク、酸化アルミニウム水和物、水酸化
アルミニウムなどの充填材を充填することができる。こ
れら充填材を使用した場合は、有機リン化合物の量を減
少できる。この難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物はプリ
プレグおよび積層板に用いる他、表面コーティング、樹
脂付き銅箔、および接着剤などに用いることができる。
【0033】積層板用として使用される場合は、溶剤に
溶かしてワニス化し、ガラス織布、ガラス不織布、ガラ
ス以外の織布、不織布、へ含浸し、80〜170℃で乾
燥し、プリプレグを得る。これを必要枚数重ねあわせ更
に銅箔を組み合わせて、加熱・加圧することにより積層
板を得る。更に、銅等の金属箔への塗布、充填剤を混練
し、ペースト化したもののシート、フィルム化、等の形
態で使用できる。
【0034】このようなプリプレグ、積層板は、電子回
路、電子部品等に用いることができる。
【0035】
【実施例】以下の実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
評価や測定は次の方法に従った。3官能エポキシ化体含
有率はGPCで測定したヒストグラム面積比で表した。
カラムはShodex KF801を2本とKF802
を2本の組み合わせで、検出器はUV検出器、溶出液は
THFで1ml/分の流速で流した。
【0036】エポキシ当量は塩酸−ジオキサン法で測定
した。Tgはセイコー電子(株)製TMA/SS100
で測定した。圧縮モードで荷重は5g、10℃/分の昇
温速度で測定した。燃焼試験はUL−94規格に従い垂
直燃焼試験により評価した。銅箔ピール強度、半田耐熱
性はJIS C6481に準じて測定し、半田耐熱は1
21℃、湿度100%の蒸気相中で5時間吸水処理を行
なった後、260℃の半田槽に20秒浸漬し、膨れ、剥離
等の外観異常の有無を調べた。外観異常のない場合を
A、外観異常のある場合をCとした。
【0037】実施例及び比較例では10−(2,5−ジ
ヒドロキシフェニル)−10H−9オキサ−10−ホス
ファフェナントレン−10−オキシド(HCA−HQ、
三光化学(株)製)、およびジフェニルホスフィニルハ
イドロキノン(PPQ、北興化学工業(株)製)及び
9,10―ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェ
ナントレン−10−オキサイド(三光化学(株)製HC
A)の有機リン化合物を使用した。
【0038】
【合成例1】5Lセパラブルフラスコに有機リン化合物
(10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−
9−オキサ−10−ホスファフェナントレンー10−オ
キシド(HCA−HQ三光化学(株)製)70.5g、
1−[α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エ
チル]−4−[α、α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エチル]ベンゼンのエポキシ樹脂(TECHMORE V
G3101三井化学(株)製、エポキシ当量210g/
eq、3官能グリシジル化体成分87%)165g、ビ
スフェノール−A型エポキシ樹脂(EPOMIK R139S 三井
化学(株)製)64.5g、トリフェニルホスフィン
0.1gを添加し、150℃で5時間加熱することによ
り、エポキシ当量472g/eq、リン含有率2.25
重量%のリン含有エポキシ樹脂を得た。
【0039】
【合成例2〜7】表1に示す原料を使用し、合成例1と
同様の操作で得た、合成例2〜7の結果を表1に示す。
【0040】
【合成例8】5Lセパラブルフラスコに有機リン化合物
(10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−
9−オキサ−10−ホスファフェナントレンー10−オ
キシド(HCA−HQ三光化学(株)製)62.7g、
フェノールノボラックのエポキシ樹脂(エポキシ当量1
90g/eq)237.3g、トリフェニルホスフィン
0.1gを添加し、150℃で加熱、攪拌した。反応途
中で反応生成物がゲル化し、反応を中断した。
【0041】
【合成例9〜11】表1に示す原料を使用し、合成例1
と同様の操作で得た、合成例9〜11の結果を表1に示
す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【実施例1】合成例1で得たリン含有エポキシ樹脂10
0gを50g のメチルエチルケトンに溶解し、メチル
セロソルブ:ジメチルホルムアミド=3:2の混合溶液
に溶解したジシアンジアミド10重量%溶液を22g、
メチルセロソルブに溶解した10重量%2−エチル−4
−メチルイミダゾール溶液を2g添加混合し、ワニス組
成物を得た。このワニス組成物を100μmのガラスク
ロス(日東紡績(株)製WE 116E)に含浸したも
のを150℃のオーブン中で5分乾燥し、プリプレグを
作製した。作製したプリプレグを4ply重ね真空ホッ
トプレス装置で170℃で60分硬化し、燃焼試験用テ
ストピースを作製した。同様にプリプレグ12plyで
Tg測定用テストピースを、プリプレグ4plyを18
μm銅箔(三井金属鉱業(株)製3EC−III)で上下
を挟み込んで銅箔接着強度および吸湿耐熱性試験用テス
トピースを作製した。このもののTgは174℃、難燃
性はUL−94でV−0、銅箔ピール強度は14.1N
/cm、半田耐熱性はC−6/121/100吸湿処理
後(121℃、100%の湿度の蒸気相で6時間吸湿処
理後)で膨れ、剥離は発生しなかった。
【0045】
【実施例2〜7、9〜11】合成例1〜7で得たリン含
有エポキシ樹脂について、実施例1と同様の操作を行な
った。結果を表2に示す。
【0046】
【実施例8】合成例3で得たエポキシ樹脂90gとアラ
ルキルフェノール型エポキシ樹脂(三井化学(株)製E
−XLC−LL、エポキシ当量244g/eq)10g
を混合した樹脂について、実施例1と同様の操作を行な
った。結果を表2に示す。
【0047】
【比較例1〜4】合成例8 〜11のリン含有エポキシ
樹脂について実施例1と同様の操作を行なった。評価結
果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【発明の効果】本発明はハロゲン系難燃剤を使用するこ
となく優れた難燃性を有し、かつ優れた耐熱性を有する
硬化物を与えるリン含有エポキシ樹脂である。また、該
リン含有エポキシ樹脂と硬化剤との組み合わせによる難
燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物および今後ノンハロ材料
として要求されるプリプレグ、積層板を提供することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田 原 修 二 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 4F072 AA04 AA07 AB09 AB28 AD23 AD32 AD33 AD35 AG03 AH02 AK14 AL12 4J036 AD07 AD08 BA02 CC02 CD07 CD10 DB06 DC31 DC40 FB07 JA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機リン化合物5〜50重量部、3官能
    エポキシ樹脂30〜70重量部、2官能エポキシ樹脂5
    〜50重量部および2官能フェノール化合物0〜20重
    量部を反応させて得られるリン含有エポキシ樹脂(ただ
    し、有機リン化合物+3官能エポキシ樹脂+2官能エポ
    キシ樹脂+2官能フェノール化合物=100重量部であ
    る。)。
  2. 【請求項2】 前記有機リン化合物が、エポキシ基と反
    応する有機リン化合物であることを特徴とする請求項1
    に記載のリン含有エポキシ樹脂。
  3. 【請求項3】 前記有機リン化合物が2個以上の活性水
    素を有しており、前記3官能エポキシ樹脂が芳香環を有
    することを特徴とする請求項2に記載のリン含有エポキ
    シ樹脂。
  4. 【請求項4】 前記有機リン化合物が、リン原子に結合
    した1個の活性水素を有する化合物類とキノン化合物と
    を反応させて得られる有機リン化合物であることを特徴
    とする請求項2または3に記載のリン含有エポキシ樹
    脂。
  5. 【請求項5】 エポキシ当量が250〜1000g/e
    qであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載のリン含有エポキシ樹脂。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のリン含
    有エポキシ樹脂と硬化剤とを含有することを特徴とする
    難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の難燃性高耐熱エポキシ
    樹脂組成物を用いることを特徴とするプリプレグ。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の難燃性高耐熱エポキシ
    樹脂組成物を用いることを特徴とする積層板。
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