JP2001011157A - エポキシ樹脂組成物及び電気積層板 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物及び電気積層板Info
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Abstract
ると共に、硬化物の耐熱性や耐水性を高め、特に電気積
層板用途において優れた耐ハンダ性を発現させる。 【解決手段】 ビスフェノール型エポキシ樹脂とフェノ
ールノボラック樹脂とを反応させた構造を有する多官能
エポキシ樹脂(A) アミノ基含有トリアジン化合物とフェノール類とアルデ
ヒド類との反応生成物(B)、および9,10−ヒドロ
−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−
オキシドを含有。
Description
(ハロゲンフリー)で優れた難燃性を有し、且つ、耐熱性
および耐湿性に優れるため、積層部品材料、半導体封止
材料、電気絶縁材料、繊維強化複合材料、塗装材料、成
型材料、接着剤材料などに用途に使用でき、とりわけ電
気用途である積層板(プリント配線板)および半導体封止
材料として有用なエポキシ樹脂組成物に関する。
気特性(絶縁性)ゆえに電気電子材料部品を中心に幅広
く使用されている。
シ積層板やIC封止材に代表される様に高い難燃性(U
L:V−0)が求められる為、通常ハロゲン化されたエ
ポキシ樹脂が用いられている。例えば、ガラスエポキシ
積層板では、難燃化されたFR−4グレードとして、一
般に臭素で置換されたエポキシ樹脂を主原料成分とし、
これに種々のエポキシ樹脂を混合したエポキシ樹脂と、
エポキシ樹脂用硬化剤とを配合して用いられている。
ような有機ハロゲン物質の毒性が大きな問題となってお
り、ICパッケージにおける高温時のハロゲン解離によ
る電気的な長期信頼性への悪影響などから、ハロゲンの
使用量を低減するか、ハロゲンに代替できる他化合物を
使用した難燃剤、あるいは他の難燃処方が強く求められ
ていた。
技術として、例えば、リン系化合物などの難燃剤を添加
する方法知られており、例えば、特再平9−81292
5号公報には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とノボ
ラック型エポキシ樹脂との混合エポキシ樹脂と、トリア
ジン環を有するフェノール樹脂と、リン化合物とを用い
る技術が開示されている。
925号公報記載の技術は、ノンハロゲン系での難燃効
果は良好であるものの、架橋密度が低下し、耐熱性の低
下を招く他、リン系化合物の使用により、その可塑化効
果による極端な耐熱性の低下や耐水性の低下を招いてい
た。
の電気電子分野では、高温高湿処理、煮沸処理、PCT
(フ゜レッシャークッカーテスト)処理が行われる為、吸湿処理後にお
ける高度な耐熱性(ハンダ性)が求められており、耐熱
性や耐水性の向上は吸湿処理後の耐熱性を高めるうえで
不可欠なものであった。本発明が解決しようとする課題
は、ノンハロゲン系で優れた難燃効果を発現させると共
に、硬化物の耐熱性や耐水性を高めることができ、電気
電子分野、特に電気積層板用途において優れた耐ハンダ
性を発現できる難燃性エポキシ樹脂組成物を提供するこ
とにある。
解決すべく鋭意検討した結果、エポキシ樹脂(A)と硬
化剤(B)とリン含有化合物(C)からなるエポキシ樹
脂において、エポキシ樹脂(A)として、ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂(a−1)とフェノールノボラック樹
脂(a−2)とを反応させた構造(A−1)、又はビス
フェノール型エポキシ樹脂(a−1)とノボラック型エ
ポキシ樹脂(a−3)とビスフェノール類(a−4)と
を反応させた構造(A−2)を有するものを用いること
により、難燃性と耐熱性と耐湿性とを兼備させることが
できることを見いだし本発明を完成するに至った。
シ樹脂(a−1)とフェノールノボラック樹脂(a−
2)とを反応させた構造(A−1)、又はビスフェノー
ル型エポキシ樹脂(a−1)とノボラック型エポキシ樹
脂(a−3)とビスフェノール類(a−4)とを反応さ
せた構造(A−2)を有する多官能エポキシ樹脂
(A)、硬化剤(B)、及びリン原子含有化合物(C)
を必須成分とすることを特徴とする難燃性エポキシ樹脂
組成物、及び、該組成物をクロス状基材に含浸後、それ
を積層し加熱加圧成形してなることを特徴とする電気積
層板に関する。
脂(A)は、既述の通り、ビスフェノール型エポキシ樹
脂(a−1)とフェノールノボラック樹脂(a−2)と
を反応させた構造(A−1)、又はビスフェノール型エ
ポキシ樹脂(a−1)とノボラック型エポキシ樹脂(a
−3)とビスフェノール類(a−4)とを反応させた構
造(A−2)を有するものであり、これにより多官能エ
ポキシ樹脂(A)自体の難燃性を高められる他、硬化物
の耐水性、耐熱性が飛躍的に向上する。また、ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂を予め一部反応させグラフト化す
ることによって得られたエポキシ樹脂を用いることで靭
性と耐熱性の相反する特性を具備でき、密着性を損なう
ことなく耐熱性をも具備することができる。このため、
特に電気積層板用途において性能バランスに優れたもの
となり、耐湿耐熱性(ハンダ性)が従来に比べ大幅に改
善される。
的にハロゲン原子非含有のものが好ましい。ここで、実
質的にハロゲン原子非含有の多官能エポキシ樹脂(A)
とは、エピクロルヒドリンと反応する前の原料中にハロ
ゲン原子が含まれていないか或いはハロゲン化された化
合物で変性していないものである。即ち、実質的にハロ
ゲン原子非含有の多官能エポキシ樹脂(A)中には、該
エポキシ樹脂の合成において原料として使用されるエピ
クロルヒドリンに起因する微量のハロゲン原子は混入し
てもよい。この様な実質的にハロゲン原子非含有の多官
能エポキシ樹脂(A)中において許容されるハロゲン原
子含有量としては、具体的には、多官能エポキシ樹脂
(A)中5000ppm以下であることが好ましい。
成するビスフェノール型エポキシ樹脂(a−1)として
は、具体的にはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビス
フェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エ
ポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールA型エポキシ
樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられ
る。
ランス面からは、BPA型エポキシ樹脂およびBPF型
エポキシ樹脂が特に好ましい。また、難燃性の面から
は、ビスフェノールF型およびビスフェノールS型が好
ましい。
−1)は、耐熱性と密着性とのバランスの点からエポキ
シ当量150〜350g/eqであることが好ましい。
(a−2)は、特に制限されるものではないが、フェノ
ール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、
n−プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、n
−ブチルフェノール、イソブチルフェノール、タ−シャ
リブチルフェノール、セカンダリブチルフェノール、n
−ヘキシルフェノール、n−オクチルフェノール、n−
ノニルフェノール、n−ドデシルフェノール、イソアミ
ルフェノール、イソオクチルフェノール、ターシャリア
ミノフェノール、ターシャリオクチルフェノール、ビス
フェノールA等のフェノール類をホルマリン類等で架橋
したノボラック樹脂が挙げられる。これらのなかでも特
に耐熱性の改善効果に優れる点からフェノールをホルマ
リンで架橋したフェノールノボラック樹脂、又はクレゾ
ールをホルマリンで架橋したクレゾールノボラック樹脂
が好ましい。
電気積層板用途におけるクロス状基材への含浸性とのバ
ランスの点から軟化点50〜150℃であることが好ま
しい。
脂(A)は、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂(a−
1)とノボラック樹脂(a−2)とを反応させて得られ
る構造を有するものである。両者の反応割合は特に制限
されるものではないが(a−1)中のエポキシ基と、
(a−2)中のフェノール性水酸基との当量比で、エポ
キシ基/フェノール性水酸基=1/0.05〜1/0.
50なる割合であることが耐熱性と密着性とのバランス
に優れる点から好ましい。
脂(A)の製造方法は、充分なグラフト化率が得られ、
かつゲル化が起こらない様な条件であれば特に制限はな
いが、必要に応じて触媒の存在下、上記各原料を25〜
200℃で反応させることが好ましい。
合もあるが、触媒を使用してもよい。使用可能な触媒と
しては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属水酸化物、トリエチルアミン、ベンジルジ
メチルアミン等の第三級アミン、テトラメチルアンモニ
ウムクロライド等の第4級アンモニウム塩、イミダゾー
ル化合物、トリフェニルホスフィン等リン系の触媒等が
挙げられる。
キシ樹脂(A)で用いるノボラック型エポキシ樹脂(a
−3)は、特に制限されるものではなく、前記したノボ
ラック樹脂(a−2)にエピハロヒドリンを反応させた
エポキシ樹脂が何れも使用できる。そのなかでも特に難
燃性、耐熱性、耐水性に優れる他、基材との密着性と耐
熱性とのバランスに優れる点からフェノールノボラック
樹脂にエピハロヒドリンを反応させた、いわゆるフェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、又は、クレゾールノボ
ラック樹脂にエピハロヒドリンを反応させた、いわゆる
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
3)は、耐熱性と、電気積層板用途におけるクロス状基
材への含浸性とのバランスの点から軟化点50〜150
℃であることが好ましい。
キシ樹脂(A)で用いるビスフェノール類(a−4)と
しては、特に制限されるものではないが、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、テトラ
メチルビスフェノールA、ビスフェノールS等が挙げら
れるが、耐熱性と機械強度のバランス面からは、ビスフ
ェノールAおよびビスフェノールFが好ましく、また、
難燃性の面からは、ビスフェノールFおよびビスフェノ
ールSが好ましい。
脂(A)は、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂(a−
1)とノボラック型エポキシ樹脂(a−3)とビスフェ
ノール類(a−4)とを反応させて得られる構造を有す
るものである。(a−1)、(a−3)及び(a−4)
の反応割合は特に制限されるものではないが、(a−
1)中のエポキシ基、(a−3)中のエポキシ基、及び
(a−4)中の水酸基の当量比で(a−4)/[(a−
1)+(a−3)]=0.05/1〜0.50/1とな
る割合であって、かつ、(a−1)及び(a−3)の重
量比が90/10〜10/90となる割合が耐熱性と密
着性とのバランスに優れる点から好ましい。
脂(A)の製造方法は、充分なグラフト化率が得られ、
かつゲル化が起こらない様な条件であれば特に制限はな
いが、必要に応じて触媒の存在下、上記各原料を25〜
200℃で反応させることが好ましい。
合もあるが、触媒を使用してもよい。使用し得る触媒と
しては、構造(A−1)を有する多官能エポキシ樹脂
(A)の製造方法で例示したものが何れも使用できる。
エポキシ樹脂(A)、構造(A−2)を有する多官能エ
ポキシ樹脂(A)の何れの場合も、ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂(a−1)の一部をその他の多官能エポキシ
樹脂に置き換えて反応を行ってもよい。
と併用し得るその他の多官能エポキシ樹脂としては、特
に制限されるものではないが、レゾルシノールジグリシ
ジルエーテル、1−6ジヒドロキシナフタレンのジグリ
シジルエーテル、ジメチルビスフェノールCジグリシジ
ルエーテル等のその他の2官能型エポキシ樹脂、
エポキシ樹脂、1−(2,7−ジグリシジルオキシナフ
チル)−1−(2−グリシジルオキシナフチル)メタ
ン、1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシナフチ
ル)メタン、1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキ
シナフチル)−1−フェニル−メタン等のナフタレン系
エポキシ樹脂、
ルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD
ノボラック樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、シクロ
ヘキセンオキサイド基を有するエポキシ樹脂、トリシク
ロデセンオキサイド基を有するエポキシ樹脂、シクロペ
ンテンオキサイド基を有するエポキシ樹脂、ジシクロペ
ンタジエンのエポキシ化物等の環式脂肪族エポキシ樹
脂、
ドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタ
ル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジルp−オキシ安
息香酸、ダイマー酸グリシジルエステル、トリグリシジ
ルエステル等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジ
グリシジルアニリン、テトラグリシジルアミノジフェニ
ルメタン、トリグリシジルp−アミノフェノール、トリ
グリシジル−p−アミノフェノール、テトラグリシジル
メタキシリレンジアミン、ジグリシジルトルイジン、テ
トラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン等のグ
リシジルアミン型エポキシ樹脂、
リシドオキシアルキルヒダントイン等のヒダントイン型
エポキシ樹脂、トリアリルイソシアヌレート、トリグリ
シジルイソシアヌレート等の複素環式エポキシ樹脂、
ル、トリヒドロキシビフェニルトリグリシジルエーテ
ル、トリヒドロキシフェニルメタントリグリシジルエー
テル、グリセリントリグリシジルエーテル、2−[4−
(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4
−[1,1−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキ
シ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン、1,3−
ビス[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキ
シ)フェニル]−1−[4−[1−[4−(2,3−エ
ポキシプロポキシ)フェニル]−1−メチルエチル]フ
ェニル]エチル]フェノキシ]−2−プロパノール等の
3官能型エポキシ樹脂、
リシジルエーテル、テトラグリシジルベンゾフェノン、
ビスレゾルシノールテトラグリシジルエーテル、テトラ
グリシドキシビフェニル等の4官能型エポキシ樹脂など
が挙げられる。
は、構造(a−1)及び構造(a−2)の何れも場合に
おいても、単純にビスフェノール型エポキシ樹脂とノボ
ラック型エポキシ樹脂とをブレンドしたものよりも耐熱
性、密着性の特性バランスが向上する。これらの性能が
より顕著に現れる点からエポキシ当量は、200〜40
0g/eqであることが好ましい。
の使用にあたって1種類のみに限定されるものではな
く、2種類以上の併用も可能である。また、反応後のエ
ポキシ樹脂として、一平均分子当たり少なくとも2個よ
り多くなる様であれば、一部以下のn−ブチルグリシジ
ルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘ
キシルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェ
ニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテ
ル、P.Sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、
グリシジルメタクリレート、ビニルシクロヘキセンモノ
エポキサイド等の1官能エポキシ樹脂を併用してもよ
い。
のでなく、例えば、ジシアンジアミド、イミダゾール、
BF3 −アミン錯体、グアニジン誘導体等の潜在性アミ
ン系硬化剤、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェ
ニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族
アミン類、シクロホスファゼンオリゴマー等の窒素原子
を含有する硬化剤、フェノールノボラック樹脂、クレゾ
ールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹
脂、ポリアミド樹脂、無水マレイン酸、無水フタル酸、
無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸などの
酸無水物系硬化剤等が挙げられ、これらはそれぞれ単独
で又は2種以上併用して用いることができるが、難燃
性、耐熱性及び耐湿性の点からフェノール骨格とトリア
ジン骨格とを有する化合物(b)であることが好まし
い。
有する化合物(b)は、特に制限されるものではない
が、トリアジン化合物と、フェノール類と、アルデヒド
類とを縮合反応させて得られる、種々の化合物の混合物
(以下、これを「混合物(b)」と略記する)として用
いることが好ましい。
に起因するフェノール構造部位を現し、また、トリアジ
ン骨格とはトリアジン化合物に起因するトリアジン構造
部位を現す。
特に限定されるものではなく、例えば、フェノール、o
−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシ
レノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、ノニ
ルフェノール、オクチルフェノール等のアルキルフェノ
ール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフ
ェノールS、ビスフェノールAD、テトラメチルビスフ
ェノールA、レゾルシン、カテコール等の多価フェノー
ル類、モノヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシナフタ
レン当のナフトール類、その他フェニルフェノール、ア
ミノフェノール等が挙げられる。これらのフェノール類
は、単独又は2種類以上併用で使用可能であるが、最終
的な硬化物が難燃性に優れ、且つアミノ基含有トリアジ
ン化合物との反応性に優れる点からフェノールが好まし
い。
は、特に限定されるものではないが、下記一般式1又は
イソシアヌル酸が好ましい。
基、フェニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシルアルキ
ル基、エーテル基、エステル基、酸基、不飽和基、シア
ノ基のいずれかを表わす。)
特に、反応性に優れる点から前記中、R1、R2、R3の
うちのいずれか2つ又は3つがアミノ基であるメラミ
ン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなどのグアナ
ミン誘導体に代表されるアミノ基含有トリアジン化合物
が好ましい。
みに限定されるものではなく2種以上を併用することも
可能である。
のではないが、取扱いの容易さの点からホルムアルデヒ
ドが好ましい。ホルムアルデヒドとしては、限定するも
のではないが、代表的な供給源としてホルマリン、パラ
ホルムアルデヒド等が挙げられる。
と、アルデヒド類とを縮合反応させて得られる混合物
(b)のなかでも、特にトリアジン化合物として、前記
したメラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンな
どのグアナミン誘導体に代表されるアミノ基含有トリア
ジン化合物を用いて得られる混合物(以下、「混合物
(b’)と略記する」が、難燃性の改善効果が顕著なも
のとなり好ましい。
アルデヒド類との縮合反応物、 B2:アミノ基含有トリアジン化合物とアルデヒド類と
の縮合反応物、 B3:フェノール類とアルデヒド類との縮合反応物、 B4:フェノール類、 B5:アミノ基含有トリアジン化合物 の混合物であって、かつ、該混合物中に −X−NH−CH2−NH− (b1) −X−NH−CH2−Y− (b2) (式中、Xはトリアジン骨格、Yはフェノール骨格を示
す。)なる構造部位を (b2)/(b1)=1.5〜20 となる割合で含有するものが難燃効果の改善効果が飛躍
的に向上し、かつ、エポキシ樹脂(A)との相溶性に優
れる点から好ましい。
ール類(B4)、アミノ基含有トリアジン化合物(B
5)は、若干残ってもよいが、3重量%以下の範囲であ
ることが好ましい。
ェノール類と、アルデヒド類とを縮合反応させて得られ
る前記混合物、または、トリアジン化合物としてアミノ
基含有トリアジン化合物を用いた混合物(b’)は、混
合物(b)又は混合物(b’)中の窒素原子含有量とし
て5重量%以上、なかでも8重量%以上が好ましく、ま
た、ボールアンドリング法によるグリセリン中で測定し
た軟化点が50℃以上、好ましくは80℃以上が好まし
い。また、コーンプレート型粘度計で測定した150℃
での溶融粘度が0.1Pa・s以上、好ましくは0.3Pa・s
以上が好ましい。
物(C)としては、ハロゲン原子を含まず且つリン原子
を含有している化合物がいずれも使用可能であり、ホス
フェート類、ホスホネート類、ホスフィネート類、ホス
フィンオキシド類、9,10−ヒドロ−9−オキサ−1
0−ホスファフェナントレン−10−オキシドといった
5価のリン化合物、ホスファイト類、ホスホナイト類、
ホスフィナイト類、ホスフィン類といった3価のリン化
合物、赤リン、リン酸、酸性リン酸エステル、フォスフ
ァゼン環含有化合物、非ハロゲンのフェニルホスフォン
酸とその誘導体が挙げられ、例えばフェニルホスフォン
酸、ジフェニルホスフォン酸、他に誘導体としてフェニ
ルホスフォン酸ジメチルエステルに代表されるフェニル
ホスフォン酸エステルなどが挙げられ、いずれも使用可
能であるが、耐熱性と耐湿耐半田特性に優れることか
ら、下記一般式2
炭素原子数1〜10の脂肪族基若しくは芳香族基であ
り、mは1〜4の整数、nは1〜4の整数をそれぞれ表
す。尚、炭素原子数1〜10の脂肪族基若しくは芳香族
基としては、具体的にはメチル基、エチル基、イソプロ
ピル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、フェニル基等
が挙げられる。)で表される化合物、又は、
炭素原子数1〜10の脂肪族基若しくは芳香族基であ
り、mは1〜4の整数、nは1〜4の整数をそれぞれ表
す。尚、炭素原子数1〜10の脂肪族基若しくは芳香族
基としては、具体的にはメチル基、エチル基、イソプロ
ピル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、フェニル基等
が挙げられる。)で表される。
優れる点から一般式2又は一般式3においてRが水素原
子であることが好ましい。また、耐水性の点から一般式
3よりも一般式2の方が好ましく、よって、特に一般式
2においてRが水素原子である9,10−ヒドロ−9−
オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシ
ドが最も好ましい。
は特に制限はないが、組成物中の固形分に対して5〜5
0重量%となる範囲であることが好ましい。即ち、5重
量%以上においては、難然効果が飛躍的に向上する他、
50重量%以下においては、機械物性に優れたものとな
る。これらのバランスに優れる点から特に10〜40重
量%の範囲が好ましい。特に、更に上記リン含有化合物
は、とりわけ難燃性と耐湿性の点から硬化物中のリン含
有量が1〜10重量%、特には1〜5重量%となる様に
配合することが難燃効果と耐湿性とに優れる点から好ま
しい。
合物(C)として上記一般式1又は一般式2で表される
化合物(以下、これを「化合物(C’)」と略記する)
を用いる場合には、予め、また予め多官能エポキシ樹脂
(A)と反応させて使用するか、あるいは硬化反応時にお
いて多官能エポキシ樹脂(A)と反応する様にしても良
い。
キシ樹脂(A)と反応させるには、例えば20〜200℃
の温度条件下で反応させればよい。該反応は無触媒であ
ってもよいが触媒存在下に行うことが好ましく、使用し
得る触媒としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ金属水酸化物、トリエチルアミン、ベンジル
ジメチルアミン等の第三級アミン、テトラメチルアンモ
ニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類、イミダ
ゾール化合物、トリフェニルホスフィン、四級ホスホニ
ウム塩等が挙げられる。また、溶媒存在下に反応を行う
ことができるが、化合物(C’)が溶媒と反応すること
もあるので、無溶媒下に行うことが好ましい。また、上
記した触媒としてはハロゲン原子非含有のものを用いる
ことが好ましい。
要に応じて硬化促進剤を用いてもよい。硬化促進剤とし
ては公知慣用のものがいずれも使用できるが、例えば、
ベンジルジメチルアミン等の第3級アミン、イミダゾー
ル、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げら
れ、これらは単独のみならず2種以上の併用も可能であ
る。
分に加え、更に必要に応じ、有機溶剤(E)を使用する
ことができる。とりわけ、電気積層板用のワニスを調整
する際は、前記(A)、(B)、(C)及び(E)の各
成分を必須の成分とすることが好ましい。尚、塗料用途
等その他の用途においても、勿論(A)、(B)、
(C)、(D)及び(E)の各成分を併用してもよい。
ものではないが、例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、酢
酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、
N、N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、メトキ
シプロパノール、エチルカルビトール、トルエン、シク
ロヘキサノンなどが挙げられる。これらの溶剤は、適宜
2種または、それ以上の混合溶剤として使用することも
可能である。
ものではないが、プリプレグを作成する場合の基材への
含浸性、樹脂付着性等が良好となる点から、固形分濃度
30重量%以上、なかでも40〜70重量%となる範囲
であることが好ましい。
必要に応じて種々の硬化剤、添加剤、難燃剤、充填剤等
を適宜配合することが出来るが、本発明の効果を顕著な
ものとするためには、無機系難燃剤、その他無機系充填
材の使用はできるだけ避けた方が望ましく、使用する場
合においても、組成物中5重量%以下の範囲であること
が好ましい。
は、既述の通り、電気積層板用途として極めて有用であ
る。本発明のエポキシ樹脂組成物から電気積層板を製造
する方法は特に制限されるものではないが、上記各成分
のうち、有機溶媒(E)を除く各成分からなる固形の組
成物を加熱溶融させて、樹脂量30〜70重量%となる
割合でクロス状基材に含浸させるか、又は(A)〜
(E)の各成分を配合してワニスを調整し、これを樹脂
量30〜70重量%となる割合でクロス状基材に含浸し
てプリプレグとし、次いでこのプリプレグの複数枚、好
ましくは1〜10枚を、銅箔と共に加熱プレスして得る
方法が挙げられる。
されるものではないが、ガラスクロスやアラミドクロス
が挙げられる。
は、特に制限されないが、例えば温度条件として160
〜220℃の範囲、圧力条件として2〜10MPaの範
囲が好ましく適用できる。
成物は、上記詳述したものの他、銅箔に接着剤として塗
布し、乾燥半硬化させてビルドアップ工法用にも適用で
きる。
必要に応じて種々の硬化剤、添加剤、難燃剤、充填剤等
を適宜配合することが出来る。
り電気積層板用として極めて有用であるが、硬化剤との
組み合わせによって、例えば接着剤、注型、塗料等の各
種用途に使用することもできる。
熱性を低下させることなく、非ハロゲン系の難燃性硬化
物を得られることから、封止、積層、塗料などの用途特
にガラスエポキシ積層板やIC封止材用に適し、さらに
金属密着性に優れるのでレジストや塗料用途にも適する
被覆用エポキシ樹脂組成物を提供することが出来る。
機溶剤を使用するワニスから積層板を製造する方法とし
ては、特に制限はなく、公知慣用の方法によって製造す
ることができるが、例えばガラスクロス等の基板に本発
明のエポキシ樹脂組成物を樹脂量30〜70重量%とな
る割合で含浸してプリプレグとし、次いでこのプリプレ
グの1〜10枚を加熱プレスして得る方法が挙げられ
る。
より具体的に説明する。尚、例中において「部」および
「%」は特に断りのない限りすべて重量基準である。
シ樹脂100部と、水酸基当量が104で軟化点70℃
のフェノールノボラック樹脂10部とを触媒存在下で1
40℃にて5時間反応させてエポキシ当量が260のエ
ポキシ樹脂を得た。以下、これを樹脂(A−1)と略記
する。
シ樹脂100部と、水酸基当量が118で軟化点70℃
のビスフェノールAノボラック樹脂16部とを合成例1
と同様にして反応させてエポキシ当量が300のエポキ
シ樹脂を得た。以下、これを樹脂(A−2)と略記す
る。
シ樹脂100部と軟化点60℃でエポキシ当量が205
g/eqのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂20部とビ
スフェノールA18部を合成例1と同様にして反応させ
て、エポキシ当量300のエポキシ樹脂を得た。 以
下、これを樹脂(A−3)と略記する。
シ樹脂100部と軟化点が95℃でエポキシ当量が21
5g/eqのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂25部を
120℃で溶融混合し、エポキシ当量が385g/eqのエ
ポキシ樹脂を得た。 以下、これを(A−4)とする。
した。ワニスは、エポキシ樹脂と硬化剤および予めメチ
ルセロソルブとN,N−ジメチルホルムアミドの混合溶
液に溶解したリン化合物を混合した後、そこに硬化剤2
−エチル−4−メチルイミダゾ−ルを加え、最終的に配
合エポキシ樹脂組成物の不揮発分(N.V.)が56%
となるようにメチルエチルケトンにて調整し作成した。
中のエポキシ当量に対して1.0当量となるような割合
で配合した。また、硬化促進剤は、樹脂(エポキシ樹
脂、硬化剤、リン化合物の合計)100部に対して0.
1部となる割合とした。しかるのち、それぞれの混合溶
液を用いて下記の如き条件で硬化させて両面銅張積層板
を試作した。評価結果を第1表に示す。
0」はエポキシ当量188g/eqのビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂(大日本インキ化学社製)、また、「LA−
7751」は窒素含有フェノールノボラック樹脂(大日
本インキ化学工業(株)製 商品名: フェノライトL
A−7751、水酸基当量135g/eq)「PX−2
00」は縮合リン酸エステル(大八化学工業(株) 製、商
品名: PX−200、リン含有率 9.0%)、「HC
A」は9,10−ヒドロ−9−オキサ−10−ホスファ
フェナントイン−10−オキシド(三光(株)製;商品
名:HCA)、2E4MZは2−エチル−4−メチル−
イミダゾールを示す。
膨れが6個以上
た難燃効果を発現させると共に、硬化物の耐熱性や耐水
性を飛躍的に高めることができる。従って、電気電子、
接着剤、注型、塗料等種々の分野に使用出来特に電気絶
縁材料用途である積層板、封止材用途、特に電気積層板
用途において耐ハンダ性が非常に良好となるため特に有
用である。
Claims (8)
- 【請求項1】 ビスフェノール型エポキシ樹脂(a−
1)とノボラック樹脂(a−2)とを反応させた構造
(A−1)、又はビスフェノール型エポキシ樹脂(a−
1)とノボラック型エポキシ樹脂(a−3)とビスフェ
ノール類(a−4)とを反応させた構造(A−2)を有
する多官能エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、及びリ
ン原子含有化合物(C)を必須成分とすることを特徴と
するエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項2】 多官能エポキシ樹脂(A)が、エポキシ
当量200〜400である請求項1記載のエポキシ樹脂
組成物。 - 【請求項3】 硬化剤(B)がフェノール骨格とトリア
ジン骨格とを有する化合物である請求項1又は2記載の
エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】 フェノール骨格とトリアジン骨格とを有
する化合物が、トリアジン化合物と、フェノール類と、
アルデヒド類とを縮合反応した構造を有するものである
請求項3記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項5】 フェノール骨格とトリアジン骨格とを有
する化合物(B)が、 B1:アミノ基含有トリアジン化合物とフェノール類と
アルデヒド類との縮合反応物、 B2:アミノ基含有トリアジン化合物とアルデヒド類と
の縮合反応物、 B3:フェノール類とアルデヒド類との縮合反応物、 B4:フェノール類、 B5:アミノ基含有トリアジン化合物 の混合物であって、かつ、 該混合物中に −X−NH−CH2−NH− (b1) −X−NH−CH2−Y− (b2) (式中、Xはトリアジン骨格、Yはフェノール骨格を示
す。)なる構造部位を (b2)/(b1)=1.5〜20 となる割合で含有する混合物として用いられるものであ
る請求項4記載の組成物。 - 【請求項6】 リン含有化合物(C)の融点が、80℃
以上であるリン酸エステルである請求項1〜5の何れか
1つに記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項7】 エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、リ
ン含有化合物(C)に加え、硬化促進剤(D)および有
機溶剤(E)を含有するものである請求項1〜6の何れ
か1つに記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項8】 請求項1〜7の何れか1つに記載のエポ
キシ樹脂組成物をクロス状基材に含浸後、それを積層し
加熱加圧成形してなることを特徴とする電気積層板。
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---|---|---|---|
JP18157499A JP5099801B2 (ja) | 1999-06-28 | 1999-06-28 | エポキシ樹脂組成物及び電気積層板 |
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JP2002275244A (ja) * | 2001-03-19 | 2002-09-25 | Dainippon Ink & Chem Inc | エポキシ樹脂組成物 |
JP2002284850A (ja) * | 2001-03-26 | 2002-10-03 | Sanko Kk | りん及び窒素変性難燃エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び積層板 |
JP5259580B2 (ja) * | 2007-04-24 | 2013-08-07 | パナソニック株式会社 | エポキシ樹脂組成物、樹脂フィルム、プリプレグ、及び多層プリント配線板 |
CN104497493A (zh) * | 2015-01-15 | 2015-04-08 | 江苏恒神纤维材料有限公司 | 一种无卤低烟低毒阻燃环氧树脂体系 |
-
1999
- 1999-06-28 JP JP18157499A patent/JP5099801B2/ja not_active Expired - Fee Related
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