JP2002202032A - 流体噴射弁 - Google Patents
流体噴射弁Info
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Abstract
ることにより、閉弁後に噴射口内に残る燃料がノズル孔
から漏れ出すのを防止し、信頼性を向上させる。 【解決手段】 弁ケーシング1には、電磁コイル12、
弁ばね13等により開,閉される弁体8と、弁体8の弁
部11が離着座する筒状の弁座部材7と、弁座部材7の
先端側を覆うノズルプレート15とを設ける。そして、
ノズルプレート15には、弁座部材7の噴射口7B内に
突出した蓋部15Cを設け、この蓋部15Cには複数の
ノズル孔16を形成する。これにより、弁体8の閉弁時
には、その弁部11とノズルプレート15の蓋部15C
との間に形成される隙間空間の容積を減少させることが
でき、この隙間空間に残った燃料が閉弁時にノズル孔1
6から漏れ出すのを抑制することができる。
Description
ンジンの燃料噴射弁等として好適に用いられる流体噴射
弁に関する。
動車用エンジンに燃料を噴射する燃料噴射弁が知られて
いる。そして、この燃料噴射弁は、燃料通路が設けられ
た筒状の弁ケーシングと、該弁ケーシングの先端側内周
に設けられ噴射口を囲んで弁座が形成された弁座部材
と、前記噴射口を外側から覆うように該弁座部材の先端
側に設けられ前記弁ケーシング内の燃料を外部に噴出さ
せる複数のノズル孔が形成されたノズルプレートと、前
記弁ケーシング内に設けられ電磁アクチュエータの作動
により前記弁座部材の弁座に離着座する弁体とにより構
成されている(例えば特開平3−194163号、特開
平11−70347号公報等)。
体が電磁アクチュエータにより軸方向に駆動されて開弁
すると、その弁部が弁座から離座することにより、弁ケ
ーシング内に供給された燃料が弁部と弁座との間を介し
て噴射口に流入するようになり、この燃料はノズルプレ
ートの各ノズル孔からエンジンの吸気側に向けて噴射さ
れるものである。
部材の弁座に着座することにより噴射口が閉塞され、燃
料の噴射は停止される。そして、弁体の閉弁時にあって
は、弁座部材の噴射口は、その内側端が弁体の弁部によ
って閉塞され、噴射口の外側端はノズルプレートによっ
て覆われているため、噴射口内には、弁体が閉弁してい
る状態でも、弁体とノズルプレートとの間に位置して一
定容積の隙間空間が形成されている。
来技術では、弁体の閉弁時にも、噴射口内に位置して弁
体とノズルプレートとの間に隙間空間が形成されるた
め、燃料の噴射を停止しているときに、この隙間空間内
に燃料の一部が残るようになる。そして、この状態でエ
ンジンの吸入負圧がノズルプレートの外側に作用する
と、噴射口内に残っている燃料がノズルプレートの各ノ
ズル孔からエンジンの吸入空気側に吸引されることがあ
る。
噴射弁が閉弁状態であるにも拘らず、その噴射口内に残
った燃料が吸入空気中に流出することがあるため、吸入
空気と燃料との混合比にばらつきが生じ易くなり、エン
ジンの空燃比制御が不安定になるという問題がある。
を減少させるため、弁座部材の噴射口周囲を薄肉に形成
し、前記隙間空間の容積を小さくする等の対策も検討さ
れている。
と、弁座部材の噴射口周囲における剛性低下を招くこと
になり、その耐久性、寿命が低下するという問題があ
る。
されたもので、本発明の目的は、弁体の閉弁時に噴射口
内に残る流体の残量を減らすことができ、噴射弁として
の性能、信頼性を向上できるようにした流体噴射弁を提
供することにある。
ために本発明は、流体通路が設けられた筒状の弁ケーシ
ングと、該弁ケーシングの先端側内周に設けられ噴射口
の流入側を囲んで弁座が形成された弁座部材と、前記噴
射口の流出側を外側から覆うように該弁座部材の先端面
側に設けられ前記弁ケーシング内の流体を外部に噴出さ
せる複数のノズル孔が形成されたノズルプレートと、前
記弁ケーシング内に設けられアクチュエータの作動によ
り前記弁座部材の弁座に離着座する弁体とからなる流体
噴射弁に適用される。
特徴は、ノズルプレートは、前記弁座部材の噴射口の流
出側から流入側に向けて突出する凸有蓋形状に形成した
ことにある。
レートのうち凸有蓋形状の部位を弁座部材の噴射口内に
突出させることができるから、弁体の閉弁時には、弁体
の先端側とノズルプレートの凸有蓋形状部位との間に形
成される隙間空間の容積を減少させることができる。
レートは、前記弁座部材の先端面側に当接して固定され
る環状のフランジ部と、該フランジ部の内周側から前記
噴射口内に向けて突出し外周側が前記噴射口に嵌合され
る嵌合筒部と、前記弁座部材内で弁体と対面するように
該嵌合筒部の突出端側に一体形成され前記複数のノズル
孔が穿設された蓋部とにより構成している。
噴射口内に嵌合した状態で、ノズルプレートのフランジ
部を弁座部材の先端面側に容易に固定することができ
る。そして、この状態で各ノズル孔が形成された蓋部を
弁体と対面させ、弁体と蓋部との間の隙間を可能な限り
小さくすることができる。
レートの蓋部は、その中心側から外周側に向けて斜めに
傾斜して形成する構成としている。
側とノズルプレートの蓋部との間に少量の流体が残留し
ている場合でも、この流体を蓋部の外周側に溜めること
ができ、残留した流体が蓋部の中心側に位置するノズル
孔から外部に漏れるのを防止することができる。
プレートの蓋部は、前記弁体に向けて凸湾曲状に突出し
て形成する構成としている。
端側とノズルプレートの蓋部との間に残留した流体を蓋
部の外周側に溜めることができ、この流体が中心側のノ
ズル孔から外部に漏れ出すのを防止することができる。
前記ノズルプレートの蓋部に対し微小隙間を介して対面
する形状に形成する構成としている。
端側とノズルプレートの蓋部との間に微小隙間が介在す
るようになるので、これらの間の隙間空間の容積を減少
させることができる。
前記ノズルプレートの蓋部に対面する部位を切欠いた截
頭球状のポペット弁体として構成している。
体のうちノズルプレートの蓋部に対面する部位を該蓋部
に応じた形状に切欠くことができ、この切欠き部位とノ
ズルプレートの蓋部との間に微小な隙間空間を形成する
ことができる。
材の噴射口は流入側と流出側との間にある長さ寸法をも
って形成し、前記ノズルプレートは前記噴射口内に嵌合
させる構成としている。
を肉厚に形成して剛性を確保できると共に、ノズルプレ
ートのうち凸有蓋形状の部位を噴射口内に安定的に嵌合
させることができる。
の先端側端面と前記弁座との間の軸方向の間隔をHと
し、前記弁座の直径をDとし、前記噴射口の軸方向の長
さをLsとし、前記ノズルプレートに形成されたノズル
孔の個数をn、各ノズル孔の孔径をdとし、前記弁体の
開弁時における前記ノズルプレートの突出端側と弁体と
の間の間隔をhとしたときに、前記間隔H,h、直径
d、長さLs、個数nおよび孔径dは、 からなる3つの関係を満たす構成としている。
は一定の軸方向長さを与えることができ、弁座部材のう
ち噴射口の周囲を肉厚に形成して剛性を確保することが
できる。また、例えばノズルプレートのうち凸有蓋形状
の部位を噴射口内に安定させて嵌合することができる。
体の開弁時には、弁体の先端側とノズルプレートの蓋部
との間に位置する隙間空間の形状を軸方向に対して偏平
に形成でき、弁体の外周側からこの隙間空間内に流入す
る流体の流れをノズルプレートの蓋部表面で互いに衝突
させることができる。
体の開弁時には、各ノズル孔から噴射される流体の総噴
射量に対して弁体の先端側とノズルプレートの蓋部との
間の隙間空間内に十分な量の流体を供給することができ
る。また、このときの隙間空間の軸方向寸法に対応する
間隔hをノズル孔の孔径dに対応して流体の噴射に必要
な最小限の大きさに抑えることができる。
流体噴射弁を、自動車用エンジンに用いられる燃料噴射
弁に適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照して詳細
に説明する。
実施の形態による燃料噴射弁を示している。
シングで、該弁ケーシング1は、例えば電磁ステンレス
鋼等の磁性材料により段付き筒状に形成されている。そ
して、弁ケーシング1は、基端側に後述の樹脂カバー1
8が取付けられた大径筒部1Aと、該大径筒部1Aの先
端側に一体形成された小径筒部1Bとからなり、その内
部には後述の弁体8が挿通される燃料通路2が軸方向に
設けられている。
筒状の連結部材で、該連結部材3は非磁性材料によって
形成され、弁ケーシング1と後述の燃料流入パイプ4と
の間に介在している。
によって形成された筒状の燃料流入パイプで、該燃料流
入パイプ4は、連結部材3を用いて弁ケーシング1の基
端側に固定され、その先端側は燃料通路2に連通してい
る。また、燃料流入パイプ4の基端側内周には燃料フィ
ルタ5が設けられている。
1とは、これらの外周側に取付けられた磁性金属片等か
らなる連結コア6を介して磁気的に連結されている。そ
して、後述の電磁コイル12に通電したときには、弁ケ
ーシング1、燃料流入パイプ4、連結コア6と、後述す
る弁体8の吸着部10との間に閉磁路が形成される。
嵌して設けられた弁座部材で、該弁座部材7は、例えば
金属材料、樹脂材料等からなり、図2、図3に示す如く
略筒状に形成されると共に、その先端面7A側は後述の
ノズルプレート15と押えプレート17とを介して小径
筒部1Bの内周側に固着されている。また、弁座部材7
の内周側には、その先端面7Aに開口した噴射口7B
と、該噴射口7Bを取囲む略円錐状の傾斜面部7Cと、
該傾斜面部7Cの途中部位に位置して後述する弁体8の
弁部11が離着座する環状の弁座7Dとが設けられてい
る。
状の貫通孔からなり、燃料の流入側に位置する流入側開
口7B1と、燃料の流出側に位置する流出側開口7B2と
を有している。そして、噴射口7Bは流入側開口7B1
と流出側開口7B2との間に位置して予め定められた軸
方向の長さLsを有し、この長さLsは、後述するノズ
ルプレート15の筒部15Cを噴射口7B内に安定的に
嵌合させるため、例えばノズル孔16の孔径dに対して
下記数1の式を満たす大きさに設定されている。
Aに対して軸方向に間隔H分だけ離して配設され、この
間隔Hは、後述の図6に示す如く弁体8の開弁時に偏平
な隙間空間S2を形成するため、噴射口7Bの長さLs
とノズル孔16の孔径dに対して下記数2の式を満たす
寸法として予め設定されている。
に配置され、その直径Dは、後述する数3の式を満たす
大きさに予め設定されているものである。
して設けられた弁体で、該弁体8は、図1に示す如く、
金属板等を略筒状に折曲げることにより形成された弁軸
9と、該弁軸9の基端側に固着された磁性材料等からな
る筒状の吸着部10と、弁軸9の先端側に固着して設け
られ、弁座部材7の弁座7Dに離着座する球状の弁部1
1とから構成されている。
パイプ4と軸方向の隙間を挟んで対向し、この隙間の寸
法は弁体8のリフト量として予め調整されている。ま
た、弁部11の外周側には、図2に示す如く周方向の複
数箇所に面取り部11Aが設けられ、該各面取り部11
Aは弁座部材7と弁部11との間に燃料用の通路を形成
している。
ズルプレート15の蓋部15Cの形状に対応して平坦に
切欠いた平坦面部11Bが設けられ、これにより弁体8
は、截頭球状の弁部11を有するポペット弁体として構
成されている。
如く、その弁部11が弁座部材7の弁座7Dに着座する
ことにより、弁部11の平坦面部11Bとノズルプレー
ト15の蓋部15Cとの間には微小な隙間空間S1が形
成された状態となっている。
く弁体8が矢示A方向に変位し、弁部11が弁座7Dか
ら離座することにより、弁部11の平坦面部11Bとノ
ズルプレート15の蓋部15Cとは軸方向の間隔hをも
って互いに対向し、これらの間には偏平な隙間空間S2
が形成されるようになる。そして、この間隔hの大きさ
は、後述の理由により、弁座7Dの直径D、ノズル孔1
6の孔径dおよび個数nに対して、下記数3の式を満た
すように予め設定されている。
ー18内に固着して設けられたアクチュエータとしての
電磁コイルで、該電磁コイル12は、図1に示す如く、
後述のコネクタ19を用いて外部から通電されることに
より弁体8の吸着部10を磁気的に吸引する。これによ
り、弁体8は、弁ばね13に抗して矢示A方向へと軸方
向に変位し、このとき弁部11は弁座部材7の弁座7D
から一定のリフト量をもって離座することにより開弁す
るものである。
縮ばねからなる弁ばねで、該弁ばね13は、燃料流入パ
イプ4の上流側に固着された筒体14と弁体8の基端側
との間に設けられ、弁体8を弁座部材7に向けて閉弁方
向に付勢している。
部材7の先端面7Aに固定されたノズルプレートで、該
ノズルプレート15は、図2ないし図5に示す如く、例
えば円形の金属薄板等をプレス加工することにより一体
形成され、弁座部材7の先端面7A側から噴射口7B内
に突出した凸有蓋形状を有している。
7の噴射口7Bを取囲む位置で先端面7Aに溶接等の手
段を用いて固着された環状のフランジ部15Aと、該フ
ランジ部15Aの内周側に設けられ、弁座部材7の噴射
口7Bの流出側開口7B2から流入側開口7B1に向けて
軸方向に突出した円筒状の嵌合筒部15Bと、該嵌合筒
部15Bの突出端側を施蓋するように該嵌合筒部15B
に設けられ、後述のノズル孔16,16,…が穿設され
た円板状の蓋部15Cとによって構成されている。
く、例えば噴射口7Bの長さLsとほぼ等しい突出寸法
Lpを有し(Lp≒Ls)、噴射口7B内に嵌合して取
付けられている。また、蓋部15Cは、弁体8の閉弁時
に弁部11の平坦面部11Bと微小な隙間空間S1を介
して対面した状態に保持されるため、これらの間に残留
する燃料が隙間空間S1の容積に対応して少量に抑制さ
れるものである。
部15Cを貫通して形成された例えばn個のノズル孔
で、該各ノズル孔16は、例えば0.1〜0.2mm程
度の孔径dを有している。また、各ノズル孔16のう
ち、図4中の直径M−Mを挟んで左側に位置するノズル
孔16は左方向に傾斜して形成され、右側に位置するノ
ズル孔16は右方向に傾斜して形成されている。
如く、弁ケーシング1内に供給される燃料がノズルプレ
ート15の各ノズル孔16から左,右方向に分岐して噴
射され(一方のみ図示)、このとき噴射燃料はノズル孔
16により微粒化されるものである。
成された押えプレートで、該押えプレート17は、図2
に示す如く、外周側が溶接部17Aによって弁ケーシン
グ1の小径筒部1B内に溶接され、内周側が他の溶接部
17Bによってノズルプレート15と一緒に弁座部材7
の先端面7A側に溶接されると共に、これによりノズル
プレート15と弁座部材7とを弁ケーシング1内に固定
している。
A等を覆うように取付けられた樹脂カバーで、該樹脂カ
バー18には、図1に示す如くコネクタ19が設けられ
ている。さらに、20は弁ケーシング1の小径筒部1B
に取付けられたプロテクタで、該プロテクタ20はノズ
ルプレート15等を保護するものである。
き構成を有するもので、次にその作動について説明す
る。
は、燃料流入パイプ4の基端側から燃料が供給される。
そして、電磁コイル12がコネクタ19を介して通電さ
れると、弁体8は、その吸着部10が電磁コイル12に
より弁ケーシング1、燃料流入パイプ4および連結コア
6を介して磁気的に吸引され、弁ばね13に抗して開弁
する。これにより、燃料通路2内の燃料は、弁座部材7
の噴射口7B内を流入側開口7B1から流出側開口7B2
に向けて流出し、ノズルプレート15の各ノズル孔16
からエンジンの吸入空気側に噴射される。
6中の矢示Bに示す如く、弁座部材7の傾斜面部7Cに
沿って弁座7Dと弁体8の弁部11との間を流通し、隙
間空間S2内へと流入する。そして、隙間空間S2内に流
入した燃料は、弁部11の全周から中心側に向けて偏平
な隙間空間S2内を径方向に流通し、隙間空間S2の中央
部で互いに衝突して乱流状態となるため、各ノズル孔1
6から噴射される燃料の微粒化を促進することができ
る。
材7の弁座7Dに着座したときには、ノズルプレート1
5の蓋部15Cが弁座部材7の先端側から噴射口7B内
に突出しているため、この蓋部15Cと弁部11の平坦
面部11Bとの間の隙間容積は大きく減少し、これらの
間には微小な隙間空間S1が形成された状態となる。こ
れにより、隙間空間S1に残留する燃料を減らすことが
でき、弁体8の閉弁時に隙間空間S1内の燃料が各ノズ
ル孔16からエンジンの吸入空気中に漏れ出すのを抑制
することができる。
間S2の間隔h等については、前記数3の式を満たすよ
うに設定しているが、この数3の式を説明するため、弁
体8の開弁時に弁部11の外周側から隙間空間S2内に
流入する燃料と各ノズル孔16から噴射される燃料の流
量について比較してみる。
と弁座7Dとの間に形成された環状の流路を通じて隙間
空間S2内に流入する。そして、この環状流路の流路面
積Raは、弁部11の平坦面部11Bとノズルプレート
15の蓋部15Cとの間の間隔hと、弁座7Dの直径D
と、円周率πとを用いて近似的に表すと、下記数4の式
のようになる。
6から燃料が噴射されるときの総流路面積Rbは、ノズ
ル孔16の個数nと孔径dとを用いて下記数5の式のよ
うに表すことができる。
路面積Rb以上の大きさに形成すれば、各ノズル孔16
から噴射される燃料の総噴射量に対して弁ケーシング1
側から隙間空間S2内に十分な量の燃料が供給されるよ
うになるから、この条件(Ra≧Rb)に前記数4、数
5の式を代入して下記数6の式を得ることができる。
うに変形すると、数7の式は、前述した数3の式の左辺
と中辺に等しいことが判る。
および孔径dが前記数3の式を満たすように設定するこ
とにより、各ノズル孔16からの燃料噴射量に対して弁
ケーシング1側から隙間空間S2内に十分な量の燃料を
供給できると共に、間隔hを孔径dの4倍よりも小さく
して最小限の大きさに形成することができる。
ート15を、弁座部材7の噴射口7Bの流出側開口7B
2から流入側開口7B1に向けて突出する凸有蓋形状に形
成し、フランジ部15A、嵌合筒部15Bおよび蓋部1
5Cにより構成したので、その嵌合筒部15Bと蓋部1
5Cとをフランジ部15Aから噴射口7B内に突出させ
ることができ、弁体8の閉弁時には、弁部11の平坦面
部11Bとノズルプレート15の蓋部15Cとの間に形
成される隙間空間S1の容積を確実に減少させることが
できる。
には、隙間空間S1に残留する燃料を少量に抑えること
ができ、この燃料がエンジンの吸入負圧等によってノズ
ルプレート15のノズル孔16から外部に漏れ出すのを
防止できると共に、隙間空間S1からの燃料漏れを減ら
すために弁座部材7を薄肉に形成する必要もなくなり、
耐久性や寿命を高めることができる。
開,閉動作に応じて燃料の噴射,停止を確実に実行で
き、エンジンの空燃比制御等を安定的に行うことができ
ると共に、噴射弁としての性能、信頼性を向上させるこ
とができる。
Bを弁座部材7の噴射口7B内に嵌合させたので、噴射
弁の組立時にノズルプレート15を弁座部材7に取付け
るときには、その嵌合筒部15Bを噴射口7B内に嵌合
させた状態でフランジ部15Aを弁座部材7の先端面7
Aに容易に溶接でき、取付作業を効率よく行うことがで
きる。しかも、嵌合筒部15Bを噴射口7B内に嵌合さ
せることにより、ノズルプレート15の蓋部15Cを弁
体8等の径方向に対して容易に位置合わせ(センタリン
グ)できるから、各ノズル孔16を設計等により予め定
められた位置に確実に配置でき、組付精度を高めること
ができる。
数1の式による一定の長さLsに形成し、ノズルプレー
ト15の嵌合筒部15Bを噴射口7Bの長さLsとほぼ
等しい突出寸法Lpに形成したので、これらを安定的に
嵌合できると共に、弁座部材7のうち噴射口7Bの周囲
を肉厚に形成して剛性を確保することができる。
ート15の蓋部15Cに対応する形状の平坦面部11B
を設けたので、これらの蓋部15Cと平坦面部11Bと
を微小な隙間空間S1を介して対面させることができ、
隙間空間S1の容積を可能な限り小さく形成することが
できる。
長さLsおよびノズル孔16の孔径dが前記数2の式を
満たすように形成したので、弁体8の開弁時には、隙間
空間S2の形状を軸方向に対して偏平に形成でき、この
隙間空間S2に外周側から流入する燃料をノズルプレー
ト15の蓋部15C上で互いに衝突させつつ、各ノズル
孔16から微粒化状態で噴射できると共に、燃料の噴射
性能をより高めることができる。
2の間隔h、ノズル孔16の個数nおよび孔径dが前記
数3の式を満たすように形成したので、弁体8の開弁時
には、各ノズル孔16から噴射される燃料の総噴射量に
対して弁ケーシング1側から隙間空間S2に向けて十分
な量の燃料を供給でき、噴射弁を安定して作動させるこ
とができると共に、間隔hを可能な限り小さくして隙間
空間S2の偏平化を図ることができる。
態を示し、本実施の形態の特徴は、ノズルプレートを凸
湾曲状に形成する構成としたことにある。なお、本実施
の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同
一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
弁の弁体で、該弁体21は、第1の実施の形態とほぼ同
様に、弁軸9と、吸着部(図示せず)と、外周側に複数
の面取り部22Aが形成された略球状の弁部22とを含
んで構成されている。しかし、弁部22の先端側には、
後述するノズルプレート23の蓋部23Cに対応する形
状に切欠いた凹湾曲面部22Bが形成され、弁体21
は、截頭球状の弁部22を有するポペット弁体として構
成されている。
たノズルプレートで、該ノズルプレート23は、第1の
実施の形態とほぼ同様に、例えば円形の金属薄板等をプ
レス加工することにより凸有蓋形状に形成され、弁座部
材7の先端面7Aに溶接された環状のフランジ部23A
と、該フランジ部23Aの内周側に設けられ、弁座部材
7の噴射口7Bの流出側開口7B2から流入側開口7B1
に向けて軸方向に突出すると共に噴射口7B内に嵌合さ
れた円筒状の嵌合筒部23Bと、該嵌合筒部23Bの突
出端側を施蓋して設けられ、複数のノズル孔24,2
4,…が穿設された蓋部23Cとによって構成されてい
る。
出した凸湾曲状または凸球面状に形成され、その中心部
が最突出端部位となり、中心部から外周側に向けて斜め
に傾斜した形状となっている。そして、弁体21の閉弁
時には、ノズルプレート23の蓋部23Cと弁部22の
凹湾曲面部22Bとが微小な隙間空間S3を介して対面
した状態に保持されるため、これらの間に残留する燃料
が隙間空間S3の容積に対応して少量に抑制されるもの
である。
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、
ノズルプレート23の蓋部23Cを弁体21に向けて突
出した凸湾曲形状に形成する構成としたので、弁体21
の閉弁時には、燃料が微小な隙間空間S3に残留してい
る場合でも、この燃料をノズルプレート23の蓋部23
Cに沿って中心側から外周側へと流動させ、隙間空間S
3のうち各ノズル孔24から離れた外周側の部位に燃料
を溜めることができる。従って、隙間空間S3内の燃料
がノズルプレート23の各ノズル孔24から外部に漏れ
出すのをより確実に防止することができる。
プレート23の蓋部23Cを弁体21に向けて突出した
凸湾曲状または凸球面状に形成する構成としたが、本発
明はこれに限らず、例えば図8に示す変形例のように、
弁体31の弁部32に面取り部32Aと略円錐状に切欠
いた凹部32Bとを形成し、ノズルプレート33を、フ
ランジ部33Aと、嵌合筒部33Bと、弁体31に向け
て略円錐状に突出し各ノズル孔34が形成された蓋部3
3Cとによって形成し、弁体31の閉弁時には、弁部3
2の凹部32Bとノズルプレート33の蓋部33Cとが
微小な隙間空間S4を介して対向する構成としてもよ
い。
れば、ノズルプレートを、弁座部材の噴射口の流出側か
ら流入側に向けて突出する凸有蓋形状に形成する構成と
したので、弁体の閉弁時には、その先端側とノズルプレ
ートの蓋部との間に形成される隙間空間の容積を確実に
減少させることができる。これにより、流体の噴射を停
止しているときには、隙間空間内に残留する流体を少量
に抑えることができ、この流体が外部の負圧等によって
ノズルプレートのノズル孔から外部に漏れ出すのを防止
できると共に、隙間空間からの流体漏れを減らすために
弁座部材を薄肉に形成する必要もなくなり、耐久性や寿
命を高めることができる。従って、弁体の開,閉動作に
応じて流体の噴射,停止を確実に実行でき、噴射弁とし
ての性能、信頼性を向上させることができる。
レートをフランジ部、嵌合筒部および蓋部によって構成
したので、ノズルプレートを弁座部材に取付けるときに
は、その嵌合筒部を噴射口内に嵌合させた状態でフラン
ジ部を弁座部材の先端側に容易に固定でき、取付作業を
効率よく行うことができる。しかも、このときノズルプ
レートの蓋部を弁体等の径方向に対して容易に位置合わ
せ(センタリング)できるから、各ノズル孔を設計等に
より予め定められた位置に確実に配置でき、組付精度を
高めることができる。
レートの蓋部は、その中心側から外周側に向けて斜めに
傾斜して形成する構成としたので、弁体の閉弁時には、
弁体の先端側とノズルプレートの蓋部との間に少量の流
体が残留している場合でも、この流体を各ノズル孔から
離れた蓋部の外周側に溜めることができ、残留した燃料
が各ノズル孔から外部に漏れ出すのをより確実に防止す
ることができる。
プレートの蓋部を弁体に向けて凸湾曲状に突出させる構
成としたので、弁体の閉弁時には、弁体の先端側とノズ
ルプレートの蓋部との間に残留した流体を蓋部の外周側
に溜めることができ、この流体がノズル孔から外部に漏
れ出すのをより確実に防止することができる。
ズルプレートの蓋部に対し微小隙間を介して対面する形
状に形成する構成としたので、弁体の先端側とノズルプ
レートの蓋部との間に形成される隙間空間の容積を可能
な限り小さく形成でき、この空間に残留する燃料をより
減少させることができる。
ノズルプレートの蓋部に対面する部位を切欠いた截頭球
状のポペット弁体として構成したので、例えば球状をな
すポペット弁体のうちノズルプレートの蓋部に対面する
部位を該蓋部に応じた形状に切欠くことができ、この切
欠き部位とノズルプレートの蓋部との間に形成される隙
間空間の容積を可能な限り小さく形成することができ
る。
材の噴射口は流入側と流出側との間にある長さ寸法をも
って形成し、ノズルプレートは噴射口内に嵌合させる構
成としたので、弁座部材のうち噴射口の周囲を肉厚に形
成して剛性を確保できると共に、ノズルプレートのうち
凸有蓋形状の部位を噴射口内に安定的に嵌合させること
ができる。
と弁座との間隔H、弁座の直径D、噴射口の長さLs、
ノズル孔の個数n、孔径d、開弁時におけるノズルプレ
ートと弁体との間隔hは、 からなる3つの関係を満たす構成としたので、(1)の
式によって噴射口には一定の軸方向長さを与えることが
でき、弁座部材のうち噴射口の周囲を肉厚に形成して剛
性を確保することができる。また、例えばノズルプレー
トの突出端側を噴射口内に安定させて嵌合することがで
きる。
体の開弁時には、弁体の先端側とノズルプレートの突出
端側との間の隙間空間の形状を軸方向に対して偏平に形
成でき、この隙間空間に流入する流体をノズルプレート
の突出端側表面で互いに衝突させつつ、各ノズル孔から
微粒化状態で噴射できると共に、流体の噴射性能をより
高めることができる。
体の開弁時には、各ノズル孔から噴射される流体の総噴
射量に対して弁ケーシングの流体通路から弁体の先端側
とノズルプレートとの間の隙間空間内に十分な量の流体
を供給でき、噴射弁を安定して作動させることができ
る。また、間隔hを可能な限り小さくして隙間空間の偏
平化を図ることができる。
示す縦断面図である。
る。
中の要部拡大断面図である。
トの断面図である。
の要部拡大断面図である。
一部を示す拡大断面図である。
一部を示す拡大断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 流体通路が設けられた筒状の弁ケーシン
グと、該弁ケーシングの先端側内周に設けられ噴射口の
流入側を囲んで弁座が形成された弁座部材と、前記噴射
口の流出側を外側から覆うように該弁座部材の先端面側
に設けられ前記弁ケーシング内の流体を外部に噴出させ
る複数のノズル孔が形成されたノズルプレートと、前記
弁ケーシング内に設けられアクチュエータの作動により
前記弁座部材の弁座に離着座する弁体とからなる流体噴
射弁において、 前記ノズルプレートは、前記弁座部材の噴射口の流出側
から流入側に向けて突出する凸有蓋形状に形成したこと
を特徴とする流体噴射弁。 - 【請求項2】 前記ノズルプレートは、前記弁座部材の
先端面側に当接して固定される環状のフランジ部と、該
フランジ部の内周側から前記噴射口内に向けて突出し外
周側が前記噴射口に嵌合される嵌合筒部と、前記弁座部
材内で弁体と対面するように該嵌合筒部の突出端側に一
体形成され前記複数のノズル孔が穿設された蓋部とによ
り構成してなる請求項1に記載の流体噴射弁。 - 【請求項3】 前記ノズルプレートの蓋部は、その中心
側から外周側に向けて斜めに傾斜して形成してなる請求
項1または2に記載の流体噴射弁。 - 【請求項4】 前記ノズルプレートの蓋部は、前記弁体
に向けて凸湾曲状に突出して形成してなる請求項1また
は2に記載の流体噴射弁。 - 【請求項5】 前記弁体は、前記ノズルプレートの蓋部
に対し微小隙間を介して対面する形状に形成してなる請
求項1,2,3または4に記載の流体噴射弁。 - 【請求項6】 前記弁体は、前記ノズルプレートの蓋部
に対面する部位を切欠いた截頭球状のポペット弁体とし
て構成してなる請求項1,2,3,4または5に記載の
流体噴射弁。 - 【請求項7】 前記弁座部材の噴射口は流入側と流出側
との間にある長さ寸法をもって形成し、前記ノズルプレ
ートは前記噴射口内に嵌合させる構成としてなる請求項
1,2,3,4,5または6に記載の流体噴射弁。 - 【請求項8】 前記弁座部材の先端側端面と前記弁座と
の間の軸方向の間隔をHとし、前記弁座の直径をDと
し、前記噴射口の軸方向の長さをLsとし、前記ノズル
プレートに形成されたノズル孔の個数をn、各ノズル孔
の孔径をdとし、前記弁体の開弁時における前記ノズル
プレートの突出端側と弁体との間の間隔をhとしたとき
に、前記間隔H,h、直径d、長さLs、個数nおよび
孔径dは、 からなる3つの関係を満たす構成としてなる請求項1,
2,3,4,5,6または7に記載の流体噴射弁。
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