JP2002199039A - 通信システムにおける受信方法及び受信機 - Google Patents
通信システムにおける受信方法及び受信機Info
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Abstract
発生する局発周波数を軸として信号帯域と対称な周波数
帯域からの干渉信号成分を除去することが可能な通信シ
ステムにおける受信方法及び受信機を提供する。 【解決手段】 本発明は、受信した受信信号と生成され
た直交信号との直交性誤差及びゲインアンバランスを補
償し、補償された受信信号及び直交信号を解析的正弦波
により複素周波数に変換する。
Description
ける受信方法及び受信機に係り、特に、搬送波帯に信号
を変換して伝送を行う通信システムにおいて、所望信号
の成分の抽出をベースバンド帯で行う、通信システムに
おける受信方法及び受信機に関する。
単一の受信機を用いて実現できれば、単一の端末でより
多様な情報を得ることが可能になる。ところが、無線通
信システムの場合、数百MHzから数GHzまでの周波
数を持つ搬送波に情報信号を変換して通信を行う。これ
は、無線が単一の自由空間という媒体を用いて通信を行
うため、各システムがオーバーラップしないよう、各シ
ステム毎に異なった周波数が割り当て、割り当てられた
周波数の搬送波に情報を乗せて通信を行う。従って、多
くのシステムが混在する無線周波数では、周波数軸上で
かなり周密にシステムが配置されている。そこで、所望
の周波数の信号を取り出すには、受信機にチャネルの帯
域に適合した選択性の高いフィルタが必要になる。
る受信機構成を示す。NTT方式のアナログ自動車電話
方式で用いられているダブルスーパヘテロダイン構成の
受信機の抜粋を示す。同図に示す構成は、アンテナ1、
初段の搬送波周波数帯であるRF(Radio Frequency )
帯のバンドパスフィルタ2、第1のIF(Intermediate
Frequency)へ変換するための局部発振器3及び乗算器
4、乗算器4の出力に含まれる高調波成分除去のための
バンドパスフィルタ5、第2のIF(Intermediate Fre
quency) へ変換するための局部発振器6及び乗算器7、
乗算器6の出力に含まれる高調波成分除去及び自チャン
ネル選択用の狭帯域なバンドパスフィルタ8、端末の移
動に伴う受信電力変動を吸収する増幅器9、制御信号と
して送られるディジタル信号と音声信号を分離するため
のバンドパスフィルタ10、復調器11、及び出力端子
12から構成される。
8が高い選択性を有し、自チャネルの信号のみを抽出す
る役割を果している。ところが、同図の構成において多
システムの信号を復調するには、システムに応じてバン
ドパスフィルタ2、5、特に、バンドパスフィルタ8の
帯域等を変更する必要がある。しかし、一般に、RF・
IF帯のアナログフィルタの周波数特性を変化させるこ
とは困難である。即ち、多様な周波数帯域を有するシス
テムに対応するには、RF帯あるいは、IF帯のバンド
パスフィルタによって所望信号帯域信号の選択を行うこ
とはできない。一般に、システム毎に異なる信号帯域は
異なる。従って、多様なシステムの信号を受信するに
は、想定する通信システムにおいて最大の信号帯域を持
つRF・IFフィルタを備える必要がある。この場合に
は、所望信号選択は、周波数特性の可変性や高い選択性
の実現が容易なベースバンドフィルタ、実現性を考慮す
るとディジタル信号処理により実現されたフィルタで行
うことで、多様なシステムの信号受信を可能とする。
周波数シンセサイザが必要となるが、非常に狭帯域のシ
ステムまで想定する場合には、広い周波数範囲に渡って
高精度かつ高安定な周波数シンセサイザが必要になる。
また、周波数シンセサイザでは自由に周波数を選択する
には、回路構成が複雑になり、移動通信のようにデバイ
スに低消費電力化が要求されるシステムには適用が困難
になるという問題も発生する。従って、適当なIF周波
数帯にまで変換し、一旦アナログ・ディジタル変換器に
より、ディジタル信号に変換する。その後、高機能なデ
ィジタル信号処理技術によって正確な搬送波周波数の推
定、及び、復調操作を行うことで通信できるシステムの
領域を拡大できる。加えて、この構成であれば、IF周
波数までしか周波数変換しないため、ベースバンドまで
周波数変換した場合に発生する受信機のDC(Direct C
urrent)成分による特性劣化を回避できるという利点も
ある。
ジタル信号処理によるチャネルフィルタ; (β)IF周波数帯におけるアナログ・ディジタル変
換;という構成の場合には、IF周波数とアナログバン
ドパスフィルタの周波数帯域の関係でイメージ成分が信
号成分に混入し、信号のSNR(Signal to Noise Rati
o )を劣化させるという問題がある。
ルタの周波数帯域の関係を示す。原理的にディジタル無
線通信システムでは、実周波数成分だけ搬送波帯f+Δ
fへ変換して通信を行う。このとき、受信機において、
この信号を局部発振周波数fで周波数変換を行い、IF
周波数Δfの信号を生成する場合には、原理的に搬送波
周波数帯f−Δfの信号も同時にΔfのIF周波数へ干
渉波として落ちてきて、信号のSNRを劣化させる原因
になる。例えば、所望信号帯域及び干渉信号共に、位相
変調を用いている場合には、以下のように干渉信号がI
F周波数帯に現れる。但し、ωは、各周波数であり、ω
=2πfの関係がある。
する関数、ak とbkは所望信号と干渉信号の情報成
分、AとBは、所望信号と干渉信号のレベルを表してい
る。従来は、この問題を回避するために、図19(a)
のように、搬送波帯f−Δfの信号を十分抑圧させるた
めのバンドパスフィルタを周波数変換器の前に配置して
いる。ところが、多様な周波数帯のシステムを受信する
ため、バンドパスフィルタを広帯域にした場合には、図
19(b)のように搬送波帯f−Δfの信号がIF周波
数帯に変換されてしまう。
旦、直交準同期検波した後、イメージ成分を除去する方
法が提案されている。その構成を図20に示す。同図に
示す構成は、アンテナ13、初段のバンドパスフィルタ
14、分岐回路15、19、乗算器16、17、π/2
移相器18、低域通過フィルタ21、22、27、2
8、アナログ・ディジタル変換器23、24、IF周波
数の解析的正弦波exp(-jΔωkT) を乗算する複素周波数
変換器25、出力端子29、30から構成される。但
し、Tは、サンプル周期を示している。同図では、搬送
波周波数帯の実周波数信号を直交準同期検波する。即
ち、(1)に加えて、以下に示すような直交成分を生成
する。
数、式(3.1) と(3.2)が完全な形で実現できれば、理論
的にはイメージ成分をキャンセルできる。ところが、実
際にはアナログ準同期検波器の直交性誤差・ゲインアン
バランスが存在し、その影響で式(3.1) と(3.2) に搬送
波帯f−Δfの信号が混入し、SNRを劣化させる。現
状のアナログ技術では、(1)と(2)のアナログ直交
準同期検波器の直交性やゲインバランスを高精度で実現
することは極めて困難である。実際、これを高精度に行
うためには、従来は、人手により調整を行っているが、
調整では、精々20〜30dBが限界で、通常の無線通
信システムの要求条件(例えば、PDCシステムでは、
80〜90dB)には遠く及ばない。また、多様なシス
テムの信号を受信するには、多様な周波数帯の信号に対
して直交性を保つ必要があるが、アナログπ/2移相器
の特性を広帯域に渡って維持することは、原理的に不可
能である。従って、図20の構成では、アナログ準同期
検波器の直交性誤差やゲインアンバランスより十分なイ
メージ除去性能が得られないという問題がある。
タの帯域より遙かに大きくとることで、このイメージ成
分の混入を防ぐ方法がある。この場合、この高いIF信
号を直接アナログ・ディジタル変換器に入力してディジ
タル信号に変換しなければならない。この場合、アナロ
グ・ディジタル変換器の動作速度は、IF周波数に比較
して遙に低くても、最低ナイキストレートの4倍以上あ
れば理論的には、信号の復調が可能になる。
呼ばれる技術を利用することによって、イメージ周波数
からの干渉を受けずに、前述の(α)と(β)の条件を
満足できる。但し、この場合、アナログ・ディジタル変
換器のサンプリングクロックのジッダによって著しく特
性が劣化し、その劣化量は、IF周波数に比例するた
め、高いIF周波数のシステムには適用が困難になり、
結局適用範囲が殆どなく実用に耐えない。
は、多様なシステムの信号を受信するため、搬送波周波
数帯に広帯域なバンドパスフィルタを備え、その後にア
ナログ直交準同期検波を用いて周波数変換し、ディジタ
ル複素周波数変換とフィルタリングによりイメージ成分
を除去する構成において、アナログ直交準同期検波器の
不完全性によりイメージ成分が十分抑圧できないという
問題がある。例え、多少のSNRを劣化を容認して、あ
る周波数において人が調整を行ったとしても、周波数が
変わった場合には、調整しなおす必要があり、ダイナミ
ックな受信システムの変更が不可能であるという問題が
ある。
複数のシステムを同一ハードウェアを用いて受信する場
合には、受信機には、RF・IF帯に、各システム最大
信号帯域よりも小さなフィルタを設置することができな
い。一方、受信機の小型化を考えた場合、IF帯でサン
プリングし、ディジタルフィルタにより帯域制限フィル
タを構成することが有利である。そのとき、RF・IF
帯により十分に負のIF周波数成分が減衰されていない
ため、干渉波として所望信号に干渉としてかぶさってく
るという問題がある。
で、局部発振器を用いて周波数変換を行う場合に発生す
る局発周波数を軸として信号帯域と対称な周波数帯域か
らの干渉信号成分を除去することが可能な通信システム
における受信方法及び受信機を提供することを目的とす
る。
搬送波周波数帯に変換された信号を受信し、受信された
該受信信号から直交信号を生成し、該受信信号及び該直
交信号を、ある周波数を持つ余弦波を実成分、その正弦
波を虚成分にもつ複素信号である第1の解析的正弦波に
より第1の複素周波数に変換する通信システムにおける
受信方法において、受信信号と生成された直交信号との
直交性誤差及びゲインアンバランスを補償し、補償され
た受信信号及び直交信号を第1の解析的正弦波により第
1の複素周波数に変換する。
ンバランスを補償する際に、直交信号を分岐し、分岐さ
れた直交信号のそれぞれに重み付けを行い、分岐され、
重み付けされた直交信号のいずれか一方と、受信信号と
を加算する。
ンバランスを補償する際に、直交信号と受信信号の各々
に重み付けを行い、重み付けされた信号を加算する。
号及び直交信号をそれぞれ、ある周波数を持つ余弦波を
実成分、その正弦波を虚成分にもつ複素信号である第2
の解析的正弦波により第2の複素周波数に変換する。
波により変換された第2の複素周波数帯の信号に基づ
き、分岐された直交信号へのそれぞれの重み付けを変化
させる。
波により変換された第1の複素周波数帯の信号に基づ
き、所望信号を推定する。
号及び第1の解析的正弦波により変換された第1の複素
周波数帯の信号に基づき、分岐された直交信号へのそれ
ぞれの重み付けを変化させる。
波により変換された第1の複素周波数帯の信号と所定信
号及び、第1の複素周波数から推定された所望信号に基
づいて、誤差信号を検出し、複素周波数帯の信号と誤差
信号に基づいて重み付けを変化させる。
波により変換された第1の複素周波数帯の信号をシンボ
ルレートでサンプリングし、所定信号とサンプリングさ
れた信号及び、第1の複素周波数から推定された所望信
号に基づいて誤差信号を検出し、複素周波数帯の信号と
誤差信号に基づいて重み付けを変化させると共に、サン
プリングされた信号が所定のサンプリング位相になるよ
うに制御する。
に変換された信号を受信する受信手段301と、該受信
手段301により受信された受信信号から直交信号を生
成する準同期検波手段302と、該受信信号及び該直交
信号を、ある周波数を持つ余弦波を実成分、その正弦波
を虚成分にもつ複素信号である第1の解析的正弦波によ
り第1の複素周波数に変換する第1の複素周波数変換手
段304とを具備する通信システムにおける受信機であ
って、受信信号と直交信号との直交性誤差及びゲインア
ンバランスを補償する直交性・ゲインアンバランス補償
手段303を有し、第1の複素周波数変換手段304
は、直交性・ゲインアンバランス補償手段303により
補償された受信信号及び直交信号を解析的正弦波により
複素周波数に変換する手段を有する。
アンバランス補償手段303において、直交交信号を分
岐する分岐手段と、分岐された直交信号のそれぞれに重
み付けを行う重み付け手段と、分岐され、重み付けされ
た直交信号のいずれか一方と、受信信号とを加算する加
算手段とを有する。
アンバランス補償手段は、直交信号と受信信号の各々に
重み付けを行う手段と、重み付けされた信号を加算する
手段とを有する。
アンバランス補償手段303により補償された受信信号
及び直交信号をそれぞれ、ある周波数を持つ余弦波を実
成分、その正弦波を虚成分に持つ複素信号である第2の
解析的正弦波により第2の複素周波数に変換する第2の
複素周波数変換手段を更に有する。
数変換手段の出力に基づき、重み付け手段における分岐
された直交信号へのそれぞれの重み付けを変化させる第
1の制御手段を更に有する。
数変換手段の出力に基づき、所望信号を推定する所望信
号推定手段を更に有する。
段の出力及び第1の複素周波数変換手段の出力に基づ
き、重み付け手段における分岐された直交信号へのそれ
ぞれの重み付けを変化させる第2の制御手段を更に有す
る。
弦波により変換された第1の複素周波数帯の信号と所定
信号、及び第1の複素周波数から推定された所望信号に
基づいて、誤差信号を検出する手段と、複素周波数帯の
信号と誤差信号、及び第1の複素周波数から推定された
所望信号に基づいて重み付けを変化させる手段とを有す
る。
弦波により変換された第1の複素周波数帯の信号をシン
ボルレートでサンプリングする手段と、所定信号とサン
プリングされた信号及び第1の複素周波数から推定され
た所望信号に基づいて誤差信号を検出する手段と、複素
周波数帯の信号と誤差信号に基づいて重み付けを変化さ
せると共に、サンプリングされた信号が所定のサンプリ
ング位相になるように制御する手段とを有する。上記の
ように、本発明は、直交性誤差・ゲインアンバランス補
償手段を設け、受信機の出力に基づいて、補償器におけ
る受信信号と受信信号から生成した直交信号への重み付
け係数を変化させることにより、通信システムの受信機
における受信信号の復調時に発生する干渉信号成分を除
去することが可能となる。
ンアンバランスの発生メカニズムはいくつかあるが、基
本的には直交性誤差の発生後に直交信号と同相信号に異
なった利得がかかって出力されるモデルで記述すること
ができる。言うまでもなく、理想的には、直交信号と同
相信号は、ある位相に対する余弦波と正弦波という直交
信号対で記述される。そこで、直交性誤差とは、余弦成
分が直交信号に(あるいは、正弦波成分が直交信号に)
漏れ込むことによって発生していると理解できる。従っ
て、この漏れ込んだ成分を差し引くことで直交信号対が
復元できる。即ち、直交成分に漏れ込んだ余弦波の大き
さを推定し、これを直交成分から減算することにより直
交性誤差補償が実現できる。
ランスは言うまでもなく、直交準同期検波器の後段に備
えられた直交、同相の各々の信号に対する増幅器の利得
の違いに起因している。従って、自動利得制御増幅器を
備えて、この利得誤差を吸収することで、この問題を解
決できる。前述のように先に直交性誤差が発生し、その
後ゲインアンバランス誤差が発生するため、補償はその
逆、即ち、ゲインアンバランス誤差補償後に、直交性誤
差を補償する構造になる。但し、直交信号からの漏れ込
み量の推定係数に対する2度の乗算演算を避けるため、
アナログ・ディジタル変換した直交信号に利得誤差と漏
れ込み量を直接推定する構成とする。
(1)を行い、直交信号として出力し、分岐された直交
信号にも適当な重み付け(2)を施すことで、直交性と
ゲインアンバランスが補償される。この2種類の重み付
け係数は、後述の適応制御アルゴリズムにより逐次的に
推定される。
と、前述のように最終出力信号にイメージ周波数f−Δ
fからの干渉波が漏れ込んでくる。同様な現象は、イメ
ージ周波数f−Δfの信号を所望信号として復調した場
合、f−Δfの周波数帯の信号が漏れ込んでくることを
意味している。従って、イメージ周波数信号の復調器に
現れるf−Δfの周波数帯の信号を最小化するように、
上記の2つの係数を適応的に制御することで、直交性誤
差・ゲインアンバランスが適応的に補償され、周波数f
が変化しても常にイメージ周波数からの干渉を抑制する
ことができる。
量増加させた時の干渉電力の増減を測定する。もしその
干渉電力が増大するようであれば、係数を微小量減少さ
せる。逆に、干渉量が減少するようであれば、係数も微
小量増大させる。この手続を繰り返すことにより、逐次
的に最適係数を推定できる。
信号を復調しようとした場合に混入するイメージ周波数
からの干渉成分を検出し、これを最小化することでも、
上記の2つの係数を推定できる。即ち、復調器出力信号
に含まれる所望信号の振幅と位相誤差及び、送信された
ディジタル信号をも推定し、このディジタル信号に推定
した振幅と位相誤差を乗算することで雑音の影響のない
受信信号成分(レプリカ)を推定する。復調器出力から
このレプリカを減じることで、漏れ込んだ干渉成分だけ
を検出する。この干渉信号を最小化するように前述の適
応制御アルゴリズムを動作させることで、強い干渉信号
の存在下でも優れた干渉補償が可能になる。
た複数のシステムを同一ハードウェアを用いて受信する
場合には、負の周波数成分が干渉波として所望信号に干
渉としてかぶさってくる。この問題は、イメージ周波数
適応干渉補償器によって補償することができる。しか
し、この干渉補償器はCIR(Carrier to Interferenc
e Raito)=60dBの環境でもブラインドで所望信号だ
けを抽出できるという利点があるものの、サンプリング
タイミングによっては、十分な特性を発揮できないた
め、本発明では、更に、サンプリングタイミング変動に
対して低感度な干渉補償方法として、低域通過フィルタ
の出力をオーバサンプルし、ADF(Adaptive Digital
Filter) を経た後に復調を行ない、ADFと干渉補償部
の両方を適応制御部においてADFの出力を用いて制御
することを提案する。これにより、CIR=60dBの
ような劣悪な環境でもサンプリングタイミングに依存せ
ず、ブラインド動作で高品質にマルチモード受信が可能
になる。即ち、一種類の受信機ハードウェアを用意して
おくだけで、遙に安定した高品質なマルチモード受信、
つまり、多様な帯域のシステムの受信が可能となる。
施例の受信機の構成を示す。
ログ乗算器33、34、分岐回路32、36、π/2移
相器35、発振器37、低域通過フィルタ38、39、
45〜48、アナログ・ディジタル変換器40、41、
直交性誤差・ゲインアンバランス補償器42、複素周波
数変換器44、二乗回路49、50、加算器51、適応
制御回路52、出力端子53、54から構成される。
る。
路32、36、アナログ乗算器33、34、π/2移相
器35、発振器37で構成されるアナログ直交準同期検
波器を経た後、低域通過フィルタ38、39により高調
波成分を除去された後に、アナログ・ディジタル変換器
40,41によりディジタル信号に変換される。アナロ
グ・ディジタル変換器40,41の出力は、直交性誤差
・ゲインアンバランス補償器42によりアナログ準同期
検波器の直交性ゲインアンバランス補償を受けた後、複
素周波数変換器43,44に入力される。
波数をもつ解析的正弦波を入力信号に複素乗算する。入
力信号及び正弦波が解析的に表現されているため、マイ
ナス周波数成分とプラスの周波数成分を別の信号として
区別できる。従って、入力信号に対して負のIF周波数
をもつ解析的正弦波を掛けた複素周波数変換器43から
は、f+Δfの周波数成分だけが、ベースバンド帯に変
換され、複素周波数変換器43に接続された低域通過フ
ィルタ45、46から出力される。
て、正のIF周波数を持つ解析的正弦波を掛けた複素周
波数変換器44からは、f−Δfの周波数成分だけがベ
ースバンド帯に変換され、複素周波数変換器44に接続
された低域通過フィルタ47、48から出力される。
償が行われた場合には、低域通過フィルタ47、48か
らは何も出力されないはずであるが、多少でも誤差が残
留していると信号が出力される。そこで、二乗回路4
9、50、加算器51で構成される電力検出器の出力が
最小になるよう、制御装置52により制御する。
の出力を、yk,i (wk,i ,wk,q)とyk,q (wk,i
,wk,q )とすると、加算器51の出力zk (wk,i
,wk,q )は以下のように書き表せる。
k,q に関するzk (wk,i ,wk,q )の電力平面を計算
し、その最小点を探索すればよい。即ち、あるwk,i ,
wk,q に対するzk (wk,i ,wk,q )電力平面の傾斜
ベクトルを計算し、最小値方向に向かってwk,i ,wk,
q の値を少しずつ動かしていくことで、最適点を算出す
る。
れる。
の原理に従えば、傾斜ベクトルの示す方向と逆方向に進
むことで、最小値に近づくことができる。
ップサイズパラメータと呼ばれる任意の係数である。即
ち、制御回路52では、式(5.1)、(5.2)、
(6.1)、(6.2)の演算を信号が入力される毎に
繰り返し演算する。また、図3は、本発明の第1の実施
例の直交性誤差・ゲインアンバランス補償器の構成を示
す。同図に示す直交性誤差・ゲインアンバランス補償器
42は、入力端子55、56、乗算器57、58、加算
器59、係数入力端子60、61、出力端子62、63
から構成される。
数変換器の構成を示す。実際には、所謂、ディジタル複
素乗算器に加えてNCO(Numerically Controlled Osc
illator )とディジタルπ/2移相器が備えられてい
る。同図(a)は、負のIF周波数を持つ解析的搬送波
を掛け合わせる複素周波数変換器の構成を示し、同図
(b)は、正のIF周波数をもつ解析的搬送波を掛け合
わせる複素周波数変換器の構成を示している。
64、65、76、77、乗算器66〜69、78〜8
1、加算器71、81、ディジタルπ/2移相器72、
83、NCO73,84、出力端子74、75、85、
86から構成される。
による準同期検波後に、直交性誤差・ゲインアンバラン
ス補償器42で直交性誤差・ゲインアンバランス補償を
行った後に、複素周波数変換器44で周波数変換により
ベースバンド帯に変換し、同時に発生する高周波成分を
低域通過フィルタにより除去し、所望信号を得る。本発
明では、この低域通過フィルタ通過後の信号のSNRを
最大にするよう直交性誤差・ゲインアンバランス補償回
路を制御する。その制御方法は、直交性誤差・ゲインア
ンバランス補償回路の係数を微小値だけ変化させ、その
時のSNRの変化を検出することにより、SNRを最大
にする制御係数の変化方法を推定し、その方向に係数を
制御させることで、係数を最適値に漸近させる。
実施例の受信機の構成を示す。
ログ乗算器88,89、分岐回路130,91、π/2
移相器90、発振器92、低域通過フィルタ93,9
4,99,100、アナログ・ディジタル変換器95,
96、直交性誤差・ゲインアンバランス補償器97、複
素周波数変換器98、二乗回路103、104、加算器
105、減算器101,102、適応制御回路107、
位相・振幅・信号推定回路106、出力端子108、1
09を示している。
ゲインアンバランス補償器97までは、前述の図2と全
く同一の処理である。直交性誤差・ゲインアンバランス
補償器97の出力は、複素周波数変換器98に入力され
る。複素周波数変換器98では、入力信号に対して負の
IF周波数をもつ解析的正弦波をかけるため、複素周波
数変換器98からは、f+Δfの周波数成分だけが、ベ
ースバンド帯に変換され、複素周波数変換器98に接続
された低域通過フィルタ99、100から出力される。
この出力信号を分岐し、その一方を位相・振幅・信号推
定回路106に入力する。ここで、位相・振幅・信号推
定回路106では、低域通過フィルタ99、100から
出力された所望周波数帯域を送信されてきた信号の振幅
や位相誤差及び送信ディジタル信号そのものを推定し、
推定されたディジタル信号に位相誤差と振幅を掛け合わ
せてレプリカと呼ばれる受信信号の推定値を出力する。
から、位相・振幅・信号推定回路106より出力された
レプリカ信号を減算器101、102により減算するこ
とで、f−Δfの周波数成分からの干渉信号を出力す
る。もしも、直交性誤差・ゲインアンバランス補償器9
7が不完全であると、低域通過フィルタ99、100か
らf−Δfの周波数成分が出力される。この信号成分が
最小になるよう制御装置107によって、直交性誤差・
ゲインアンバランス補償器97の係数を制御する。即
ち、二乗回路103、104、加算器105により構成
された電力測定器出力をzk として、式(5.1)〜
(6.2)の演算を制御装置107によって行うことで
この制御を実現できる。即ち、式(4)のyk,i (wk,
i ,wk,q )とyk,q (wk,i ,wk,q )を図5におけ
る減算器101、102の出力として式(5.1)〜
(6.2)の演算を行う。
幅・信号推定回路の構成を示す。同図に示す位相・振幅
・信号推定回路106は、変調方式としてBPSK(Bi
naryPhase Shift Keying )を適用した場合の構成例で
ある。また、同図では、それ以前とは異なり、全て複素
数で表現している。即ち、入力信号sk は、sk =yk,
i (wk,i ,wk,q )+jyk,q (wk,i ,wk,q )と
表現される。但し、jは、虚数単位、yk,i (wk,i ,
wk,q )とyk,q (wk,i ,wk,q )は、図5における
低域通過フィルタ99、100の出力信号である。
6は、入力端子110、複素乗算器111、113、1
23、128、複素減算器112、115、スカラ減算
器119、複素加算器125、実数「1」を出力する回
路113、実数「−1」を出力する回路116、複素数
の絶対値の2乗を演算する回路117、118、入力信
号の符号ビットのみを抽出し、それに絶対値「1」を乗
算して出力する回路120、実数係数λを乗算する係数
乗算器124、実数係数1−λを乗算する回路127、
1サンプル遅延回路126、出力端子129から構成さ
れる。
である回路113の出力「1」、あるいは、回路116
の出力「−1」に信号の振幅位相情報を複素乗算器11
1、114により複素乗算することで、入力信号の仮判
定値を2種類発生させる。入力信号と2つの仮判定値と
の差を、各々複素減算器112、115で計算する。こ
の出力の絶対値の2乗、即ち、電力を各々回路117、
118で独立に演算し、その出力を比較する。即ち、減
算器119により回路118の出力から回路117の出
力を減算する。そして、その出力信号の符号を検出し、
それに実数「1」を乗算して出力することで、より入力
信号に近い仮判定値を生成した送信信号が得られる。
関を複素乗算器123で演算し、係数乗算器124に入
力する。係数乗算器124、複素加算器125、1サン
プル遅延回路126で構成された1次の低域通過型ラグ
フィルタにより複素乗算器123の出力である相関値に
含まれる雑音成分や高周波成分を除去し、正確な入力信
号の位相を振幅を推定して、複素乗算器111、114
に各々出力する。一方、推定された送信信号に入力信号
の位相と振幅を複素乗算器128で与えることにより、
入力信号のレプリカを端子129から出力する。
期検波器によりRF(Radio Requency) 帯の信号を解析
的なIF(Intermediate Freequency) 信号に変換し、複
素周波数変換とベースバンドフィルタリングによりイメ
ージ周波数干渉波を取り除く受信機構成について説明す
る。当該受信機では、IF帯でディジタル信号処理によ
り直交準同期検波器の直交性誤差補償を行う。
構成を示す。
岐回路202、203、207、アナログ乗算器20
4、205、π/2移相器35、発振器208、BPF
(バンドパスフィルタ)209、210、アナログ・デ
ィジタル変換器211、212、直交誤差補償器22
0、複素周波数変換器230、低域通過フィルタ21
5、216、Qチャネル出力端子217、Iチャネル出
力端子218、エラー検出器240、及び適応制御回路
250より構成される。
岐回路202、203、207、アナログ乗算器20
4、205、π/2移相器35、発振器208、BPF
(バンドパスフィルタ)209、210、アナログ・デ
ィジタル変換器211、212によりサンプリングされ
たIF信号に対して、直交誤差補償器220でIチャネ
ルとQチャネル信号の直交化・利得制御を行い、複素周
波数変換器230で複素周波数変換を行った後、低域通
過ファイルタ215、216を介して所望信号を得る。
このとき、所望信号の包絡線レベルを一定するように、
直交誤差補償器220で直交化・利得制御を行うこと
で、低域通過フィルタ215、216に含まれる干渉成
分を適応的に補償する。
補償器の構成を示しており、当該直交誤差補償器220
は、Iチャネル入力端子221、Qチャネル入力端子2
22、乗算器223、224、225、加算器226、
Iチャネル出力端子227、Qチャネル出力端子228
から構成される。
施例のエラー検出器の構成を示しており、図9に示すエ
ラー検出器は、Iチャネル入力端子241、Qチャネル
入力端子242、二乗回路243、244、加算器24
5、エラー出力端子251から構成されるエラー検出器
を示している。同図に示すエラー検出器は、ベースバン
ド帯に変換された解析的信号の電力を検出し、所定電力
との差を誤差信号として出力する。このエラー検出器
は、主に、定包絡線変調方式を適用したシステムに用い
ることができる。この構成のエラー検出器を用いた場合
には、本発明の受信機をキャリア同期等の同期回路とは
全く独立に動作させることができる。
入力端子241、Qチャネル入力端子242、関数器2
46、248、加算器247、249、エラー出力端子
252、253から構成される。同図に示すエラー検出
器は、ベースバンド帯に変換された解析信号と、所定の
解析的な信号との差を誤差信号とした場合の構成例であ
る。この構成のエラー検出器を用いた場合には、本発明
の受信機は、IF帯に設置された直交性誤差補償手段が
キャリア同期回路の役目も果たすことができる。従っ
て、大きな周波数オフセットがあれば、アルゴリズム内
に2次ループを形成する必要がある。
の実施例に比較して、位相・振幅・信号推定回路のよう
な複雑処理が不要になる。
とで、所定信号(所望信号)のような既知信号を必要と
しない。また、送信された既知信号との同期が不要とな
る等の利点がある。
ログ乗算器204、205、π/2移相器206、発振
器208からアナログ直交準同期検波器が構成され、時
刻kの準同期検波器の出力 Yk =[yI (k)、yQ (k)]T は以下のように表される。但し、添字Tは、ベクトルの
転置を示しており、yI(k)とyQ (k)は、準同期
検波器出力とIチャネルとQチャネル信号を示してい
る。また、変調方式としては、位相変調系を想定してい
る。
々所望周波数帯と干渉周波数帯信号の受信レベルと情報
信号であり、fIF は、IF周波数で、Tは、シンボル
周期を示している。また、gI (m) とgQ (m) =0,1
は、直交準同期検波器のIチャネルとQチャネルのゲイ
ンを表している。ここで、直交性誤差の発生は、行列G
が直交変換できないことにより判断できる。また、これ
が、複素表現で表せず、行列表現を必要とする理由であ
る。この時の直交誤差補償器220の構成を図8に示
す。
は、図7の構成に従って、複素周波数変換器230で周
波数変換され、さらに、低域通過フィルタ215、21
6を通過する。そこで、低域通過フィルタ215、21
6の出力は以下のように表される。但し、簡単化のた
め、熱雑音は考慮しない。
ンド帯の信号を抽出する、言い換えれば高域周波数帯の
信号を除去する関数である。前述のように、変調方式と
して位相変調を前提としている場合、干渉波が無ければ
定包絡路となる。従って、CMA(Constant Modulus Al
gorithm:J.R.Treichler and B.G.Agee,"ANew Approach
to Multipath Correction of Constant Modulus Signal
s," IEEETrans. Acoust., Speech, Signal Processing,
vol.ASSP-31,No.2, pp.459-472,1983) で用いられる含
絡線偏差の最小化の規範が適用できる。即ち、 εk =|ek |q =|σp −|Zk |p |q →minimize (9) 上記の式(9)は、所望復調レベルを示しており、pと
qは、CMAの乗数を示している。そのとき、Wk 推定
のため更新式は次式で与えられる
ータと呼ばれる、0 <μ<1 の定数である。式(10)の偏
微分項は、式(8.1))の低域通過フィルタの関数形が既知
なら解析的に求めることが可能であるが、ここでは、よ
り一般的な関数でも上記のアルゴリズムが応用できるよ
うに摂動法を用いることとする。即ち、式(10)の偏微分
項は、以下のようにして求める。
補正行列Wk のi番目の要素Δwを(以後、摂動係数と
呼ぶ)だけ増加させた場合の低域通過フィルタ215、
216の出力信号Zk を意味している。従って、上記の
式(8.1) 〜式(11)を繰り返し演算することにより最適な
Wk を推定する。基本的に当該アルゴリズムは、CMA
というブラインドアルゴリズムに基づいているため、ト
レーニング信号が不要であるだけでなく、キャリア周波
数誤差やサンプリングタイミング誤差にロバストであ
る。従って、キャリア周波数同期、サンプリングタイミ
ング同期の確立以前に、動作可能であるという利点があ
る。即ち、CIRがマイナス数+dBの環境では上記の
同期引込みは困難である。従って、トレーニング信号を
用いるシステムでは、トレーニングタイミングを推定で
きず、通信が行えない。これに対し、上記のアルゴリズ
ムを適用することで、同期確立以前に収束を完了でき
る。従って、収束後の干渉波電力比( CIR: Carrier
to Interference Ratio )が改善された信号を使えば、
上記の同期確立も容易に行うことができ、通信が可能に
なる。
下でも動作する必要がある。例えば、所望信号に対する
干渉波電力比(CIR)がマイナス数+dBの環境下で
も安定的に動作する必要がある。即ち、所望信号に対し
て過大な干渉波が入力される場合である。このような環
境下では、前述の式((11) において少しのΔwの変化に
対しても、大きな偏微分項が現れる。この時に、式(10)
は、発散の危険性が増大する。また、発散しないまで
も、常に大きな推定誤差が発生する。そこで、この問題
を回避するためΔwを入力電力で正規化を行う。即ち、
ときの摂動係数である。これによって、所望信号、干渉
信号に係わりなく所望電力より大きな信号電力が入力さ
れた場合には収束が遅くなることに注意が必要である。
うに
開に用いた行列を以下のように定義する。
全ての要素が零である行列を表している。(15.1)〜(15.
4)の関係を用いると、(8.1) は、以下のように書き換え
られる。但し、Wk とGの定義式により、c2 (k)=
c3 (k)となる関係を用いた。
γ(k)は以下のように定義される。
渉信号間の無相関性を用いた。さらに、同一チャネル間
でもIチャネルとQチャネルの信号が統計的に無相関で
あることを利用して式(16)を変形してゆくと、式(16)の
方程式がi=1〜3で全て成立するには、以下の連立方
程式を満足することが十分条件であることが分かる。
解が存在するが、これは、低域通過フィルタ215、2
16が何も出力しない場合に相当する。従って、この解
は、極大値に相当する。もう一つの解は、c2 (k)=
0,c0 (k)c1 (k)=0である。この解は、式(1
8.1)から分かるように干渉波、あるいは、希望波のどち
らかのみを出力することに相当する。即ち、本発明のア
ルゴリズムは干渉を分離して希望波のみを抽出できるこ
とを示している。一方、Wk とGの定義と、式(13)よ
り、c0 (k)〜c2 (k)は、以下のように直交性誤
差行列Gと誤差補正行列Wk の係数により表される。
0の場合、誤差補正行列Wk は以下ようになる。
は、
を計算機シミュレーションにより確認する。変調方式と
しては、QPSK、伝送路は、AWGN(Additive Whi
te Gaussian Channel)を用いる。また、干渉信号と所望
信号が同じシステムの信号であるものとする。復調に
は、同期検波器を用いている。また、他の同期系の影響
を排除するため、キャリア周波数、クロック同期は完全
であるとする。受信機のRF帯における準同期検波器の
直交性誤差が10°存在する場合の、正規化有りと無し
の場合の特性比較を図11に示す。同図では、CNR=
7dB、12dBと、送信側の直交変調器は理想的であ
るとした。発散を防ぐため、正規化していないアルゴリ
ズムは、CIR=−60dBでも安定に収束すように摂
動係数を決定した。CIRが大きい場合には、両者に有
為な差異はみられないが、CIRが−10dBより小さ
くなると、正規化を行わない場合には、干渉抑圧ができ
なくなり、CIR=−30dBでは誤り率が0.5に漸
近する。この後、徐々に誤り率が改善する。これに対し
て、正規化を行ったアルゴリズムは、CIR=20dB
〜−60dBに渡って略、フラットな特性を持つことが
確認できる。従って、以下では、正規化を行うアルゴリ
ズムを用いて特性を検証する。
説明する。
を図12に示す。同図では、CIR=−50dB,CN
R=7dB、12dBで、受信機側の直交準同期検波器
にも10°の直交性誤差がある条件での特性である。6
°程度までの送信側直交性誤差には全く特性を変化させ
ないが、それ以上になると急激に特性が劣化している。
CIR=−50dBであることを勘案すると、この特性
劣化は純粋に送信側変調器の直交性誤差による劣化であ
ると考えられる。即ち、送信側変調器の直交性誤差にも
係わらず、干渉除去は略完全になされていることがわか
る。
交性誤差が10°存在し、CIR=20dB〜−60d
Bの条件におけるBER特性を図13に示す。同図で
は、送信側の直交変調器は理想的であるとした。CIR
=20dB〜40dBまではほぼ同期検波の理論値に一
致している。CIR=−60dBでは、BER=10-4
点で、0.5dB強の特性劣化が見られる。この値は、
SGD(Stochastic Gradient Decent) アルゴリズムで
は共通にいえることで、ステップサイズパラメータμ及
び、Δw0 を小さく設定することで、より理論値に近づ
けることができる。
はシンボルスペースで行うことを前提としているため、
サンプリングタイミングによって特性が劣化するという
問題が生じてしまう。これは、シンボルスペースサンプ
ルがサンプリング定理を満たさないことに起因してい
る。本発明では、この問題を解決する構成について説明
する。
の構成を示す。
1、アンテナ教養機402、送信信号入力端子403、
分配器404、408、乗算器405、406、π/2
移相器407、シンセサイザ409、バンドパスフィル
タ410、411、直交性誤差補償器412、複素周波
数変換器413、低域通過フィルタ414、415、適
応ディジタルフィルタ416、417、復調信号出力端
子418、419、エラー検出器420、適応制御回路
421から構成される。
ルタ416、417までを全てナイキストレートの2倍
以上で処理、あるいは、アナログ信号処理し、その出力
をシンボルレートでサンプルし、情報シンボルを復調
し、復調信号出力端子418、419から出力する構成
となっている。
差をエラー検出器420により検出し、これを適応制御
回路421に出力する。適応制御回路421では、直交
性誤差補償器412を制御するだけでなく、適応ディジ
タルフィルタ416、417の出力においてサンプルさ
れる信号が所定のサンプリング移相になるよう適応ディ
ジタルフィルタ416、417を制御する。
ィジタルフィルタの構成を示す。
6、417は、信号入力端子424、遅延素子425〜
427、乗算器432〜435、乗算器の一方の入力で
ある計数入力端子428〜431、加算器436、出力
端子437から構成される。
16、417を適用した場合、適応制御回路421で
は、適応ディジタルフィルタ416、417の乗算計数
(タップ計数)をHk =[hk,0 , hk,1 , …, hk,L-
1 ]T とすると以下のような制御を行う。
域通過フィルタ414、415の出力を要素とするベク
トル、μh はタップ係数用のステップサイズパラメー
タ、vk は適応ディジタル416、417の出力であ
り、図15に示すされているように、次式で表される。
更新される。
直交性誤差補償のステップサイズμは、以下の関係を満
足させておく必要がある。
ることで、アルゴリズムを更に安定化させることが可能
になる。
サイズパラメータを意味している。図14に示した構成
におけるサンプリング位相誤差に対する誤り特性を図1
6に示す。同図は、AWGNチャネルにおけるCIR=
−60dBにおける特性を示す。因みに、CNR=6d
B、12dBで制御には、正規化アルゴリズムを適用し
ている。また、同図には比較のためシンボル間隔サンプ
ルの場合に特性を付記している。誤差ゼロ付近でナイキ
ストレートサンプルの場合には、大きく特性が劣化して
いるのに対し、本実施例の構成では、サンプリング位相
に関係なく優れた伝送特性が得られることがわかる。
NR対BER特性を図17に示す。同図では、CNRと
サンプリング位相以外のパラメータは図16と同様のも
のを適用した。同図にはまた、干渉波がない場合の理論
特性も付記した。ナイキストレートサンプルの場合に
は、BER=10-2程度でフロア誤りが発生するのに対
して、本実施例の提案の方法は、理論特性からの劣化1
dB以内の優れた伝送特性を達成していることが確認で
きる。
ブラインド動作でCIRが劣悪な条件でも、干渉補償を
行うことが可能であったが、サンプリングタイミングに
よって特性が劣化するという問題がある。此れに対し
て、本実施例を適用することにより、CIRが劣悪な状
況においてもサンプリング位相誤差に関わらず、安定し
た復調特性が得られるという利点がある。上記の第3の
実施例までのアルゴリズムは復調信号は、復調信号の周
波数オフセットや位相誤差に関しても低感度であるた
め、本実施例の構成を適用することで完全にブランド動
作で安定した復調特性が得られる。
ることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応
用が可能である。
御回路を備えた、直交性誤差・ゲインアンバランス補償
器をアナログ・ディジタル変換後に配置することで、広
い周波数帯域に渡ってアナログ準同期検波器の直交性誤
差・ゲインアンバランスを適応的に補償できる。従っ
て、イメージ周波数帯域からの信号を広帯域に渡って高
精度に除去できるため、搬送波周波数帯のバンドパスフ
ィルタを広帯域にしても信号のSNRの劣化なく、通信
が可能となる。これにより、多様なシステムの信号を1
台の受信機で高品質に実現できるため、端末や基地局の
大幅な高機能化が可能になる。従って、多様なサービス
をI種類の端末、I種類の基地局で行うという、製品開
発コストの低減や、端末に大幅な付加価値の付与など、
計り知れない効果がある。
器は広帯域に渡って、移相特性を維持することが困難で
ある。ところが、本発明によれば、適応的に直交性・ゲ
インアンバランスを補償するため、全帯域において高精
度な干渉補償を行うことができる。従って、バンドパス
フィルタを通過する全ての信号、あるいは、異なった周
波数帯域の信号にも柔軟に対応できるという利点があ
る。即ち、受信機に数多く、かつ様々なシステムの信号
を扱えるフレキシビリティを与えられるという効果があ
る。
周波数帯に配置された異なるシステムを受信機を構成す
る場合に問題となるイメージ周波数からの干渉を完全ブ
ラインド動作で除去できる。その後に通常の復調動作に
移ることで、イメージ周波数からの干渉による劣化や同
期の困難さという問題を一気に解消する。つまり、本発
明を適用することで、一つの受信機で異なる無線システ
ムを受信することができるため、ハードウェア規模の削
減が可能になるばかりか、サービスの多様性を著しく向
上させることができる。
る。
ンス補償器の構成図である。
成図である。
る。
回路の構成図である。
る。
図である。
(その1)である。
例(その2)である。
比較を示す図である。
誤差の影響を示す図である。
である。
る。
ルタの構成図である。
対するBER特性を示す図である。
R特性を示す図である。
る。
ある。
F) 95,96 アナログ・ディジタル変換器 97 直交性誤差・ゲインアンバランス補償器 98 複素周波数変換器 101,102 減算器 103,104 二乗回路 105 加算器 107 適応制御回路 106 位相・振幅・信号推定回路 107 適応制御回路 108,109 出力端子 110 入力端子 111,113,123,128 複素乗算器 112,115 複素減算器 119 スカラ減算器 113 実数「1」を出力する回路 116 実数「−1」を出力する回路 117,118 複素数の絶対値の2乗を演算する回路 124 実数係数λを乗算する回路 125 複素加算器 126 サンプル間遅延回路 127 次数係数1−λを乗算する回路 129 出力端子 130 分岐回路 201 入力端子 202,203,207 分岐回路 204,205 アナログ乗算器 206 π/2移相器 208 発振器 209,210 バンドパスフィルタ(BPF) 211,212 アナログ・ディジタル変換器 215,216 低域通過フィルタ(LPF) 217 Qチャネル出力端子 218 Iチャネル出力端子 220 直交誤差補償器 221 Iチャネル入力端子 222 Qチャネル入力端子 223,224,225 乗算器 226 加算器 227 Iチャネル出力端子 228 Qチャネル出力端子 230 複素周波数変換器 240 エラー検出器 241 Iチャネル入力端子 242 Qチャネル入力端子 243、244 二乗回路 245 加算器 246,248 関数器 247,249 加算器 250 適応制御回路 251 エラー出力端子 252,253 エラー出力端子 301 受信手段 302 準同期検波手段 303 直交性誤差・ゲインアンバランス補償手段 304 複素周波数変換手段 305 (第1、第2の)制御手段 401 受信アンテナ 402 アンテナ共用器 403 送信信号入力端子 404,408 分配器 405,406 乗算器 407 π/2移相器 409 シンセサイザ 410,411 バンドパスフィルタ(BPF) 412 直交性誤差補償器 413 複素周波数変換機 414,415 低域通過フィルタ(LPF) 416,417 適応ディジタルフィルタ(ADF) 418、419 復調信号出力端子 420 エラー検出器 421 適応制御回路 424 信号入力端子 425〜427 遅延素子 432〜435 乗算器 428〜431 乗算器の一方の入力である係数入力端
子 436 加算器 437 出力端子
Claims (18)
- 【請求項1】 搬送波周波数帯に変換された信号を受信
し、受信された該受信信号から直交信号を生成し、該受
信信号及び該直交信号を、ある周波数を持つ余弦波を実
成分、その正弦波を虚成分にもつ複素信号である第1の
解析的正弦波により第1の複素周波数に変換する通信シ
ステムにおける受信方法において、 前記受信信号と生成された前記直交信号との直交性誤差
及びゲインアンバランスを補償し、 補償された前記受信信号及び前記直交信号を前記第1の
解析的正弦波により第1の複素周波数に変換することを
特徴とする通信システムにおける受信方法。 - 【請求項2】 前記直交性・ゲインアンバランスを補償
する際に、 前記直交信号を分岐し、 分岐された直交信号のそれぞれに重み付けを行い、 分岐され、重み付けされた直交信号のいずれか一方と、
前記受信信号とを加算する請求項1記載の通信システム
における受信方法。 - 【請求項3】 前記直交性・ゲインアンバランスを補償
する際に、 前記直交信号と前記受信信号の各々に重み付けを行い、 重み付けされた信号を加算する請求項1記載の通信シス
テムにおける受信方法。 - 【請求項4】 前記補償された受信信号及び直交信号を
それぞれ、ある周波数を持つ余弦波を実成分、その正弦
波を虚成分にもつ複素信号である第2の解析的正弦波に
より第2の複素周波数に変換する請求項2または、3記
載の通信システムにおける受信方法。 - 【請求項5】 前記第2の解析的正弦波により変換され
た前記第2の複素周波数帯の信号に基づき、前記分岐さ
れた直交信号へのそれぞれの重み付けを変化させる請求
項4記載の通信システムにおける受信方法。 - 【請求項6】 前記第1の解析的正弦波により変換され
た前記第1の複素周波数帯の信号に基づき、所望信号を
推定する請求項2または、3記載の通信システムにおけ
る受信方法。 - 【請求項7】 推定された前記所望信号及び前記第1の
解析的正弦波により変換された前記第1の複素周波数帯
の信号に基づき、前記分岐された直交信号へのそれぞれ
の重み付けを変化させる請求項6記載の通信システムに
おける受信方法。 - 【請求項8】 前記第1の解析的正弦波により変換され
た前記第1の複素周波数帯の信号と所定信号及び前記第
1の複素周波数数から推定された所望信号に基づいて、
誤差信号を検出し、 複素周波数帯の信号と誤差信号に基づいて重み付けを変
化させる請求項6記載の通信システムにおける受信方
法。 - 【請求項9】 前記第1の解析的正弦波により変換され
た前記第1の複素周波数帯の信号をシンボルレートでサ
ンプリングし、 前記所定信号とサンプリングされた信号及び前記第1の
複素周波数数から推定された所望信号に基づいて誤差信
号を検出し、 複素周波数帯の信号と誤差信号に基づいて重み付けを変
化させると共に、サンプリングされた信号が所定のサン
プリング位相になるように制御する請求項6記載の通信
システムにおける受信方法。 - 【請求項10】 搬送波周波数帯に変換された信号を受
信する受信手段と、該受信手段により受信された受信信
号から直交信号を生成する準同期検波手段と、該受信信
号及び該直交信号を、ある周波数を持つ余弦波を実成
分、その正弦波を虚成分にもつ複素信号である第1の解
析的正弦波により第1の複素周波数に変換する第1の複
素周波数変換手段とを具備する通信システムにおける受
信機であって、 前記受信信号と前記直交信号との直交性誤差及びゲイン
アンバランスを補償する直交性・ゲインアンバランス補
償手段を有し、 前記第1の複素周波数変換手段は、 前記直交性・ゲインアンバランス補償手段により補償さ
れた受信信号及び直交信号を前記第1の解析的正弦波に
より第1の複素周波数に変換する手段を有することを特
徴とする通信システムにおける受信機。 - 【請求項11】 前記直交性・ゲインアンバランス補償
手段は、 前記直交信号を分岐する分岐手段と、 分岐された直交信号のそれぞれに重み付けを行う重み付
け手段と、 分岐され、重み付けされた直交信号のいずれか一方と、
前記受信信号とを加算する加算手段とを有する請求項1
0記載の通信システムにおける受信機。 - 【請求項12】 前記直交性・ゲインアンバランス補償
手段は、 前記直交信号と前記受信信号の各々に重み付けを行う手
段と、 重み付けされた信号を加算する手段とを有する請求項1
0記載の通信システムにおける受信機。 - 【請求項13】 前記直交性・ゲインアンバランス補償
手段により補償された受信信号及び直交信号をそれぞ
れ、ある周波数を持つ余弦波を実成分、その正弦波を虚
成分に持つ複素信号である第2の解析的正弦波により第
2の複素周波数に変換する第2の複素周波数変換手段を
更に有する請求項11記載の通信システムにおける受信
機。 - 【請求項14】 前記第2の複素周波数変換手段の出力
に基づき、前記重み付け手段における前記分岐された直
交信号へのそれぞれの重み付けを変化させる第1の制御
手段を更に有する請求項13記載の通信システムにおけ
る受信機。 - 【請求項15】 前記第1の複素周波数変換手段の出力
に基づき、所望信号を推定する所望信号推定手段を更に
有する請求項11または12記載の通信システムにおけ
る受信機。 - 【請求項16】 前記所望信号推定手段の出力及び前記
第1の複素周波数変換手段の出力に基づき、前記重み付
け手段における前記分岐された直交信号へのそれぞれの
重み付けを変化させる第2の制御手段を更に有する請求
項15記載の通信システムにおける受信機。 - 【請求項17】 前記第1の解析的正弦波により変換さ
れた第1の複素周波数帯の信号と所定信号及び前記第1
の複素周波数数から推定された所望信号に基づいて、誤
差信号を検出する手段と、 複素周波数帯の信号と誤差信号に基づいて重み付けを変
化させる手段とを有する請求項15記載の通信システム
における受信機。 - 【請求項18】 前記第1の解析的正弦波により変換さ
れた前記第1の複素周波数帯の信号をシンボルレートで
サンプリングする手段と、 前記所定信号とサンプリングされた信号及び前記第1の
複素周波数から推定された所望信号に基づいて誤差信号
を検出する手段と、 複素周波数帯の信号と誤差信号に基づいて重み付けを変
化させると共に、サンプリングされた信号が所定のサン
プリング位相になるように制御する手段とを有する請求
項15記載の通信システムにおける受信機。
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