JP2002290254A - ダイレクトコンバージョン受信機 - Google Patents
ダイレクトコンバージョン受信機Info
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- H04B2001/70706—Spread spectrum techniques using direct sequence modulation using a code tracking loop, e.g. a delay locked loop
Abstract
ても、この利得切り替えの際に受信信号のビット誤り率
(BER)を劣化させない。 【解決手段】 複素乗算部30には、低雑音増幅器3の
利得を切り替えた際の位相のシフト量Δが予め設定され
ている。複素乗算部30は、低雑音増幅器3の利得が利
得切り替え信号101により切り替えられるのに応じ
て、A/D変換器71、72からのベースバンド信号の
位相を予め設定されたシフト量Δだけ補正する。低雑音
増幅器3の利得切り替え時に生じる低雑音増幅器3の位
相変化を補正することによりベースバンドI、Q信号の
位相状態を利得切り替え前の状態に保持することがで
き、受信信号のビット誤り率(BER)の劣化を回避で
きる。
Description
信信号を直接ベースバンド周波数へ変換して受信動作を
行うダイレクトコンバージョン受信機に関する。
波周波数を中間周波数を介さずに直接ベースバンド周波
数へ変換して受信動作を行うため、中間周波数(IF)
フィルタが不要となる。そのため部品点数の削減が図れ
る、集積化が容易である等の理由により、実用化が検討
されてきた。さらに、イメージ周波数が存在しないこと
から周波数設計が容易となり複数システムの受信を可能
とするマルチモード携帯電話受信機への適用の検討が、
近年、盛んに行われている。
機の従来の構成を図5に示す。この従来のダイレクトコ
ンバージョン受信機は、図5に示されるように、アンテ
ナ1と、バンドパスフィルタ(BPF)2と、低雑音増
幅器(LNA)3と、バンドパスフィルタ(BPF)4
と、直交ミキサ51、52と、可変利得増幅器61、6
2と、A/D変換器71、72と、位相器8と、局部発
振器9と、逆拡散/復調部10と、PN(Pseudo
random Noise:擬似雑音符号)系列捕捉部
11と、PN系列トラッキング部12と、デジタル信号
処理部(DSP)120とを備えている。
式としては、W−CDMA(Wide band−CD
MA)端末の受信方式である同期検波QPSK(Qua
drature Phase Shift Keyin
g:直交PSK)の場合について説明する。
送周波数成分の信号のみを通過させるためのフィルタで
ある。低雑音増幅器3は、バンドパスフィルタ2を通過
した信号を、利得切り替え信号101に応じて切り替え
た利得により増幅して出力している。例えば、低雑音増
幅器3の利得を15dBと−3dBの2値の間で切り替
える場合、低雑音増幅器3の利得は、利得切り替え信号
101に応じて15dBと−3dBとの間で切り替わ
る。
り周波数が制御された信号を生成して出力している。位
相器8は、局部発振器9により生成された信号の位相を
制御し、位相が90度異なる2つの信号を生成してい
る。直交ミキサ51、52は、位相器8により生成され
た位相が90度異なる2つの信号と、バンドパスフィル
タ4からの信号との乗算をそれぞれ行うことにより、低
雑音増幅器3の出力を、同相(I)成分および直交
(Q)成分のベースバンド信号へそれぞれ変換してい
る。A/D変換器71、72は、直交ミキサ51、52
からの出力をデジタル信号へそれぞれ変換する処理を行
っている。
1、72によりデジタル信号に変換された信号に対し
て、逆拡散および復調の処理を行っている。PN系列捕
捉部11は、A/D変換器71、72によりデジタル信
号に変換されたベースバンド信号に含まれるPN符号
と、受信機内のPN符号との位相差を1チップ以内に揃
えるための処理を行っている。PN系列トラッキング部
12は、PN系列捕捉部11による処理により、1チッ
プ以内となった受信信号におけるPN符号と受信機内の
PN符号との位相差をゼロとする処理を行っている。
出力されたデジタル信号の処理を行うとともに、アンテ
ナ1により受信される信号のレベルが変化した場合で
も、A/D変換器71、72に入力されるI成分、Q成
分のベースバンド信号のレベルが適切なレベルとなるよ
うに、低雑音増幅器3の利得を離散的(ステップ的)に
切り替えるための利得切り替え信号101および可変利
得増幅器61、62の利得を制御するための利得制御信
号102を出力する。
は、低雑音増幅器3の利得および可変利得増幅器61、
62の利得を合計した利得(トータルゲイン)により増
幅されてA/D変換器71、72に入力されるため、D
SP120は、この2つの増幅器3、61、62の利得
をそれぞれ制御することによりA/D変換器71、72
に入力されるI成分、Q成分のベースバンド信号のレベ
ルが適切なレベルとなるような制御を行っている。
雑音増幅器3および可変利得増幅器61、62のトータ
ルゲインを調整しているかについて説明する。A/D変
換器71、72の入力レベルがA/D変換処理すること
ができる上限レベルを越えてしまうと逆拡散/復調部1
0ではデータの逆拡散/復調を行うことができなくな
り、結果として逆拡散/復調部10から出力されるデー
タのBER(ビット誤り率)が悪化してしまう。そのた
め、DSP120は、逆拡散/復調部10に入力される
A/D変換器71、72の出力レベル(I2+Q2)1/2
を監視していて、この値が所定のレベルに達しない場合
には低雑音増幅器3および可変利得増幅器61、62の
トータルゲインを調節してA/D変換器71、72に入
力される信号のレベルの調整を行っている。
ン受信機の動作について説明する。
バンドパスフィルタ2、低雑音増幅器3、バンドパスフ
ィルタ4、直交ミキサ51、52を経て同相成分(I)
および直交成分(Q)のベースバンド信号に変換され
る。
る信号を以下の式(1)のように表現する。
b2(t)=±1はデータ、fcは搬送波周波数(キャリ
ア周波数)、θはキャリア位相である。
め分かっているものとして、局部発振器9においてcos
(2πfct+θ)の信号を生成させる。位相器8で
は、この信号から、cos(2πfct+θ)、sin(2π
fct+θ)という2つの信号を生成する。次に、直交
ミキサ51、52では、位相器8により生成されたこの
2つの信号と、式(1)に表現される信号とを乗算する
ことにより直交変換を行い、 I(t)=s(t)cos(2πfct+θ)=A2c(t+τ1)b1(t) …(2) Q(t)=s(t)sin(2πfct+θ)=A2c(t+τ1)b2(t) …(3) により表現されるベースバンド信号が得られる(A2;
定数)。
ースバンド信号は可変利得増幅器61、62で増幅され
た後、A/D変換器71、72に入力されデジタル信号
に変換される。通常このデジタル信号は6〜8ビットの
信号である。
信機がCDMA受信機の場合には、このA/D変換器7
1、72からの出力を用いて受信PN系列に同期したP
N系列を発生する。ここで、一般に、CDMA受信機で
は、データを拡散する際に使用されるPN符号系列は予
め分かっているが、受信信号の符号位相を知ることがで
きない。
行われる; 1)PN系列捕捉(PN Signal Acquisition) 2)PN系列トラッキング(PN Signal Tracking) 第1の段階では、PN符号系列捕捉部11により、A/
D変換器71、72によりデジタル信号に変換されたベ
ースバンド信号に含まれるPN符号と受信機内のPN符
号との位相差を1チップ以下に揃える。
PN系列c(t+τ)、ただし、│τ−τ1│<αT
c(Tc;チップ周期、α;定数)を発生するものであ
る。
を予め定めた複数の位相値について、入力PN系列と最
も相関の高い値を与えるローカルPN系列位相τを探し
出す。
が1チップ以内になると第2段階としてPN系列トラッ
キング部12が動作し位相差をゼロ(τ=τ1)にす
る。
+τ1)を用いて逆拡散すると、 I’(t)=A3b1(t)…(4) Q’(t)=A3b2(t)…(5) (A3;定数)が得られる。これによりデータb1(t+
τ1)、b2(t+τ1)の復調ができることになる。
は予め分かっているものであることを前提としていた
が、実際には、fc、θの近似値fc’、θ’をまず発生
させ、逆拡散して得られる信号 I’(t)=A3b1(t)+OI(fc’−f、θ’−θ)…(6) Q’(t)=A3b2(t)+OQ(fc’−f、θ’−θ)…(7) を用いてOI(fc’−f、θ’−θ)、OQ(fc’−
f、θ’−θ)の値が最小となるように局部発振器9の
周波数、位相を制御する。
Q(fc’−f、θ’−θ)は微小残さ分である。
が、以下の説明では受信した搬送周波数の信号から元の
データを復調するまでの課程を「同期復調過程」と呼ぶ
ことにする。
機では、RF帯の周波数である搬送波周波数の受信信号
は、中間周波数を介さず直接ベースバンド周波数に変換
される。この場合、可変利得増幅器61、62だけで、
受信信号を増幅する利得を変化させたのでは、受信機の
受信可能電力の範囲(ダイナミックレンジ)を大きな値
とすることができない。そのため、ダイレクトコンバー
ジョン受信機を携帯電話システムに適用した場合、ダイ
ナミックレンジが不足となる。
ン受信機では、扱うことの出来る受信信号のダイナミッ
クレンジを確保するために、低雑音増幅器3の利得を離
散的(ステップ的)に切り替えることが行われる。
Bと−3dBという2値の間で切り替える場合を用いて
説明する。低雑音増幅器3は、DSP20からの利得切
り替え信号101に基づいて利得の切り替えを行う。
から−3dBへ切り替えると低雑音増幅器3の通過位相
も変化する。
行うと、式(1)は s1(t)=A1c(t+τ1)b1(t)cos(2πfct+θ+Δ)+ A1c(t+τ1)b2(t)sin(2πfct+θ+Δ)…(8) となる。ただし、Δ:低雑音増幅器3の利得切り替え時
の通過位相のシフト量(通過位相量の差)である。
は、 I1(t)=s1(t)cos(2πfct+θ)=A2I(t)cos(Δ)+A2 Q(t)sin(Δ)…(9) Q1(t)=s1(t)cos(2πfct+θ)=A2Q(t)sin(Δ)+A2 Q(t)sin(Δ)…(10) となる。
ると下記の式(11)が得られる。
替えるとIQ位相空間ダイヤグラムにおいてIQ座標が
−Δだけ回転することを示している。低雑音増幅器3の
利得を切り替える前後のIQ位相空間ダイヤグラムを図
6に示す。つまり、低雑音増幅器3の利得を切り替える
と、低雑音増幅器3の位相も同時に変化してしまうた
め、ベースバンドI、Q信号も通過位相が離散的に変動
し受信信号のビット誤り率(BER)が劣化してしま
う。そして、受信信号のビット誤り率(BER)を維持
するために、上述の「同期復調過程」を再びやり直さな
ければならないが、この期間は復調が正常に行われずB
ERが劣化してしまう。
クトコンバージョン受信機では、低雑音増幅器の利得を
ステップ的に切り替えると、ベースバンド信号の位相も
変化してしまい、受信信号のビット誤り率(BER)が
劣化するという問題を有していた。
をステップ的に変化させても、この利得切り替えの際に
受信信号のビット誤り率(BER)が劣化することがな
いダイレクトコンバージョン受信機を提供することであ
る。
に、本発明のダイレクトコンバージョン受信機は、搬送
波周波数を直接ベースバンド周波数へ変換して受信動作
を行うダイレクトコンバージョン受信機であって、受信
した搬送周波数成分の信号を、外部からの指示に基づい
て切り替えた利得により増幅する低雑音増幅器と、前記
低雑音増幅器の出力を、同相(I)成分および直交
(Q)成分のベースバンド信号へそれぞれ変換するため
の2つの直交ミキサと、前記各直交ミキサからの出力を
デジタル信号へそれぞれ変換する2つのA/D変換器
と、前記低雑音増幅器の利得を切り替えた際に発生する
搬送波信号の通過位相のシフト量が予め設定されてい
て、前記2つのA/D変換器から出力された同相(I)
成分および直交(Q)成分のベースバンド信号に対し
て、前記低雑音増幅器の利得が切り替えられるのと同期
して前記通過位相のシフト量を打ち消すような位相補正
を行う位相補正手段と、前記位相補正手段により補正さ
れた後のデジタル信号を処理するデジタル信号処理部
と、を備えている。
り替えられ、低雑音増幅器の通過位相が変化した場合で
あっても、位相補正手段により通過位相がシフトした量
を打ち消すような位相補正が行われるため、ベースバン
ド信号の位相状態を利得切り替え前の状態に保持するこ
とができる。従って、受信信号の同期復調過程を再度実
行し直さなくてすみ、低雑音増幅器の利得を切り替えた
際でも、受信信号のビット誤り率(BER)が劣化する
ことがない。
ョン受信機では、前記位相補正手段を、前記通過位相の
シフト量の余弦値が予め設定されていて、前記低雑音増
幅器が切り替えられた利得に応じた余弦値の値を選択し
て、補正量Ψの位相補正を行うための信号cosΨとして
出力する第1の補正信号記憶手段と、前記通過位相のシ
フト量Δの正弦値sinΔが予め設定されていて、前記低
雑音増幅器が切り替えられた利得に応じた余弦値を選択
して、補正量Ψの位相補正を行うための信号sinΨとし
て出力する第2の補正信号記憶手段と、入力された同相
(I)成分の信号x(t)と、前記第1の補正信号記憶
手段から出力された信号cosΨとの間の乗算を行う第1
の乗算器と、入力された直交(Q)成分の信号y(t)
と、前記第2の補正信号記憶手段から出力された信号si
nΨとの間の乗算を行う第2の乗算器と、入力された同
相(I)成分の信号x(t)と、前記第2の補正信号記
憶手段から出力された信号sinΨとの間の乗算を行う第
3の乗算器、入力された直交(Q)成分の信号y(t)
と、前記第1の補正信号記憶手段から出力された信号co
sΨとの間の乗算を行う第4の乗算器と、前記第1の乗
算器により生成された信号x(t)cosΨから、前記第
2の乗算器により生成された信号y(t)sinΨを減算
して、補正後の同相(I)成分の信号{x(t)cosΨ
−y(t)sinΨ}として出力する減算器と、前記第3
の乗算器により生成された信号x(t)sinΨと、前記
第4の乗算器により生成された信号y(t)cosΨとを
加算して、補正後の直交(Q)成分の信号{x(t)si
nΨ+y(t)conΨ}として出力する加算器とから構成
されている複素乗算回路とするようにしてもよい。
ジョン受信機では、前記デジタル信号処理部においてベ
ースバンド信号を復調するための復調方式が、同期検波
方式でもよいし非同期検波方式であってもよい。
て図面を参照して詳細に説明する。
施形態のダイレクトコンバージョン受信機の構成を示す
ブロック図である。図1において、図5中の構成要素と
同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する
ものとする。
信機は、図1に示すように、ベースバンドI、Q経路に
設けられたA/D変換器71、72と逆拡散/復調部1
0との間に複素乗算部30を新たに設け、DSP120
がDSP20に置き換えられたことのみが図5に示した
従来のダイレクトコンバージョン受信機と異なってい
る。
得を15dbから−3dbに切り換えた際に発生する通
過位相のシフト量Δは予め測定されていて、複素乗算部
30にはこの通過位相のシフト量Δが予め設定されてい
る。そして、複素乗算部30は、低雑音増幅器3の利得
が切り替えられるのと同期して通過位相のシフト量Δを
打ち消すような位相補正を行う位相補正手段として動作
する。これによりベースバンドI、Q信号の位相状態を
利得切り替え前の状態に保持して、受信信号のビット誤
り率(BER)の劣化を回避する。
示した従来のダイレクトコンバージョン受信機における
DSP120と比較して、複素乗算部制御信号103が
出力されている点のみが異なっている。そして、DSP
20は、利得切り替え信号101により低雑音増幅器3
の利得を切り替えるタイミングと同じタイミングによ
り、複素乗算部制御信号103を切り替えて、複素乗算
部30による位相補正を行うか否かの制御を行ってい
る。
算器31〜34と、減算器35と、加算器36と、補正
信号レジスタ37、38とから構成されている。
の信号x(t)と、直交(Q)成分の信号y(t)を入
力して、位相補正を行い補正後の同相(I)成分の信
号、補正後の直交(Q)成分の信号として出力するもの
である。
の利得を切り換えた際に発生する通過位相のシフト量Δ
の余弦値cosΔが予め設定されていて、複素乗算部制御
信号103が位相補正を行わないことを指示している場
合には、cos0=1となる信号を出力し、複素乗算部制
御信号103が位相補正を行うことを指示している場合
にはcosΔとなる信号を出力する。
の利得を切り換えた際に発生する通過位相のシフト量Δ
の正弦値sinΔが予め設定されていて、複素乗算部制御
信号103が位相補正を行わないことを指示している場
合には、sin0=0となる信号を出力し、複素乗算部制
御信号103が位相補正を行うことを指示している場合
にはsinΔとなる信号を出力する。
レジスタ37、38は、複素乗算部制御信号103に応
じてΨの値を0またはΔに切り替えて、補正量Ψの位相
補正を行うための信号であるcosΨ、sinΨを出力してい
る。従って、以下の説明では補正信号レジスタ37、3
8から出力される信号をそれぞれcosΨ、sinΨとして表
現して説明する。
の信号x(t)と、補正信号レジスタ37から出力され
た信号cosΨとの間の乗算を行う。乗算器32は、入力
された直交(Q)成分の信号y(t)と、補正信号レジ
スタ38から出力された信号sinΨとの間の乗算を行
う。乗算器33は、入力された同相(I)成分の信号x
(t)と、補正信号レジスタ38から出力された信号si
nΨとの間の乗算を行う。乗算器34は、入力された直
交(Q)成分の信号y(t)と、補正信号レジスタ37
から出力された信号cosΨとの間の乗算を行う。
生成された信号x(t)cosΨから、乗算器32により
生成された信号y(t)sinΨを減算して、補正後の同
相(I)成分の信号{x(t)cosΨ−y(t)sinΨ}
として出力する。加算器36は、乗算器33により生成
された信号x(t)sinΨと、乗算器34により生成さ
れた信号y(t)conΨとを加算して、補正後の直交
(Q)成分の信号{x(t)sinΨ+y(t)conΨ}と
して出力する。
(t)、y(t)からなる信号を入力すると、x(t)
cosΨ+y(t)sinΨ、y(t)cosΨ+x(t)sinΨ
という信号を出力する。これらの信号を複素表現すると
下記の式(12)が得られる。
動作について図面を参照して詳細に説明する。
なっている場合について説明する。この場合には、補正
量Ψ=0となり、補正信号レジスタ37はcos0=1と
なる信号を出力し、正補正信号レジスタ38はsin0=
0となる信号を出力する。
号の複素表現は、式(12)において、x(t)=I
(t)、y(t)=Q(t)、Ψ=0を代入すると z(t)=I(t)+jQ(t)…(13) となる。つまり、この場合には複素乗算部30による位
相補正は行われない。
なった場合について説明する。この場合には、低雑音増
幅器3では、利得が切り替わったことにより、通過位相
がΔだけシフトし、A/D変換器71、72から出力さ
れる信号は、I(t)、Q(t)から、それぞれI
1(t)、Q1(t)に変化する。また、複素乗算部30
では、補正信号レジスタ37、38は、補正量Ψ=Δと
し、sin0=0、cos0=1となる信号からsinΔ、cosΔ
となる信号をそれぞれ出力するようになる。
I1(t)=I(t)exp(−jΔ)、y(t)=Q
1(t)=Q(t)exp(−jΔ)、Ψ=Δを代入すると z(t) =(I1(t)+jQ1(t))×exp(jΔ) =(I(t)exp(−jΔ)+jQ(t)exp(−jΔ))×exp(jΔ) =I(t)+jQ(t)…(14) となる。
えに同期して複素乗算部30の補正量Ψを0からΔに変
化させて位相補正を行えば、複素乗算部30から出力さ
れるベースバンド信号の位相状態は、式(13)、(1
4)に示されるように利得を切り替えた前後において同
じ状態となる。つまり、本実施形態のダイレクトコンバ
ージョン受信機によれば、低雑音増幅器3の利得切り替
え時に生じる低雑音増幅器3の位相変化を補正すること
によりベースバンドI、Q信号の位相状態を利得切り替
え前の状態に保持することができるので、前述の「同期
復調過程」を実行し直さなくてすむ。従って、低雑音増
幅器3の利得を切り替えた際でも、受信信号のビット誤
り率(BER)が劣化することがない。
切り替えるための利得切り替え信号101と、複素乗算
部30の位相補正を制御するための複素乗算部制御信号
103はそれぞれ独立した信号としていたが、低雑音増
幅器3の利得の切り替えおよび複素乗算部30の制御を
1つの信号で制御するようにすることも可能である。
実施形態のダイレクトコンバージョン受信機について説
明する。図3は本発明第2の実施形態のダイレクトコン
バージョン受信機の構成を示すブロック図である。図3
において、図1中の構成要素と同一の構成要素には同一
の符号を付し、説明を省略するものとする。
ジョン受信機では、低雑音増幅器3の利得を切り換えた
際に発生する通過位相のシフト量Δを複素乗算部30に
予め設定するようにしていたが、本実施形態ではこの通
過位相のシフト量ΔをDSPに予め設定しておきDSP
において補正信号を生成するようにしたものである。
信機は、図3に示すように、図1に示した第1の実施形
態のダイレクトコンバージョン受信機に対して、複素乗
算部30が複素乗算部40に置き換えられ、DSP20
がDSP21に置き換えられたことのみが異なってい
る。
音増幅器3の利得を切り替えた際に発生する搬送波信号
の通過位相のシフト量Δが予め設定されていて、低雑音
増幅器3の利得を15dBに設定する場合には、cos0
=1となる信号およびsin0=0となる信号をそれぞれ
補正信号1041、1042として出力し、低雑音増幅器
3の利得を−3dBに設定する場合には、cosΔとなる
信号およびsinΔとなる信号をそれぞれ補正信号10
41、1042として出力する。つまり、DSP21は、
位相補正を行おうとする補正量Ψとした場合に、cosΨ
となる信号を補正信号1041として出力し、sinΨとな
る信号を補正信号1042として出力する。また、DS
P21は、複素乗算部制御信号103の代わりに補正信
号1041、1042を出力する以外は、第1の実施形態
におけるDSP20と同様の動作を行う。
は、図4に示すように、乗算器31〜34と、減算器3
5と、加算器36とから構成され、図2に示した第1の
実施形態における複素乗算部30から補正信号レジスタ
37、38が削除された構成となっている。
同相(I)成分の信号x(t)と、補正信号1041と
の間の乗算を行い、乗算器32は入力された直交(Q)
成分の信号y(t)と補正信号1042との間の乗算を
行う。また、乗算器33は入力された同相(I)成分の
信号x(t)と、補正信号1042との間の乗算を行
い、乗算器34は入力された直交(Q)成分の信号y
(t)と補正信号1041との間の乗算を行う。
て位相補正が行われる動作は、上記で説明した第1の実
施形態における複素乗算部30と同様であるためその説
明は省略する。
ジョン受信機によれば、上記の第1の実施形態と同様
に、低雑音増幅器3の利得切り替え時に生じる低雑音増
幅器3の位相変化を補正することによりベースバンド
I、Q信号の位相状態を利得切り替え前の状態に保持す
ることができるので、低雑音増幅器3の利得を切り替え
た際でも、受信信号のビット誤り率(BER)が劣化す
ることがない。
においては、W−CDMAシステムの同期検波QPSK
復調の場合について説明したが、同期検波方式を用いる
通信システム一般に本発明を適用して場合でも同様の効
果を得ることができる。
は、同期検波方式を用いる通信システムの場合について
説明したが、本発明はこのような場合に限定されるもの
ではなく、非同期検波方式であるπ/4QPSK、GM
SK(Gaussian filtered Mini
mum Shift Keying)等の変調方式に適
用した場合でも、同様の効果を得ることができる。
では低雑音増幅器3の利得を、15dbと−3dbの2
値の間で切り替える場合を用いて説明したが、本発明は
このような場合に限定されるものではなく、任意の3値
以上の利得間で切り替える場合でも予めそれぞれの利得
に応じた通過位相を測定しておけば同様の効果が得られ
ることは自明である。例えば、上記第1および第2の実
施形態では、位相補正を行う補正量Ψを0またはΔの間
で選択して位相補正を行うようにしていたが、低雑音増
幅器3の利得を切り替えた際に発生する搬送波信号の通
過位相のシフト量がΔ1、Δ2、Δ3、…である場合、低
雑音増幅器3の切り替えた利得に応じて位相補正を行う
補正量Ψを0またはΔ1、Δ2、Δ3、…の間で選択して
位相補正を行うようにすればよい。
低雑音増幅器の利得切り替え時に生じる低雑音増幅器の
位相変化を補正することによりベースバンドI、Q信号
の位相状態を利得切り替え前の状態に保持することがで
き、受信信号のビット誤り率(BER)の劣化を回避す
ることができるという効果が得られる。
ジョン受信機の構成を示すブロック図である。
図である。
ジョン受信機の構成を示すブロック図である。
図である。
を示すブロック図である。
位相空間ダイヤグラムを示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 搬送波周波数を直接ベースバンド周波数
へ変換して受信動作を行うダイレクトコンバージョン受
信機であって、 受信した搬送周波数成分の信号を、外部からの指示に基
づいて切り替えた利得により増幅する低雑音増幅器と、 前記低雑音増幅器の出力を、同相(I)成分および直交
(Q)成分のベースバンド信号へそれぞれ変換するため
の2つの直交ミキサと、 前記各直交ミキサからの出力をデジタル信号へそれぞれ
変換する2つのA/D変換器と、 前記低雑音増幅器の利得を切り替えた際に発生する搬送
波信号の通過位相のシフト量が予め設定されていて、前
記2つのA/D変換器から出力された同相(I)成分お
よび直交(Q)成分のベースバンド信号に対して、前記
低雑音増幅器の利得が切り替えられるのと同期して前記
通過位相のシフト量を打ち消すような位相補正を行う位
相補正手段と、 前記位相補正手段により補正された後のデジタル信号を
処理するデジタル信号処理部と、 を備えているダイレクトコンバージョン受信機。 - 【請求項2】 前記位相補正手段が、 前記通過位相のシフト量の余弦値が予め設定されてい
て、前記低雑音増幅器が切り替えられた利得に応じた余
弦値の値を選択して、補正量Ψの位相補正を行うための
信号cosΨとして出力する第1の補正信号記憶手段と、 前記通過位相のシフト量Δの正弦値sinΔが予め設定さ
れていて、前記低雑音増幅器が切り替えられた利得に応
じた余弦値を選択して、補正量Ψの位相補正を行うため
の信号sinΨとして出力する第2の補正信号記憶手段
と、 入力された同相(I)成分の信号x(t)と、前記第1
の補正信号記憶手段から出力された信号cosΨとの間の
乗算を行う第1の乗算器と、 入力された直交(Q)成分の信号y(t)と、前記第2
の補正信号記憶手段から出力された信号sinΨとの間の
乗算を行う第2の乗算器と、 入力された同相(I)成分の信号x(t)と、前記第2
の補正信号記憶手段から出力された信号sinΨとの間の
乗算を行う第3の乗算器、 入力された直交(Q)成分の信号y(t)と、前記第1
の補正信号記憶手段から出力された信号cosΨとの間の
乗算を行う第4の乗算器と、 前記第1の乗算器により生成された信号x(t)cosΨ
から、前記第2の乗算器により生成された信号y(t)
sinΨを減算して、補正後の同相(I)成分の信号{x
(t)cosΨ−y(t)sinΨ}として出力する減算器
と、 前記第3の乗算器により生成された信号x(t)sinΨ
と、前記第4の乗算器により生成された信号y(t)co
sΨとを加算して、補正後の直交(Q)成分の信号{x
(t)sinΨ+y(t)conΨ}として出力する加算器と
から構成されている複素乗算回路である、請求項1記載
のダイレクトコンバージョン受信機。 - 【請求項3】 搬送波周波数を直接ベースバンド周波数
へ変換して受信動作を行うダイレクトコンバージョン受
信機であって、 受信した搬送周波数成分の信号を、外部からの指示に基
づいて切り替えた利得により増幅する低雑音増幅器と、 前記低雑音増幅器の出力を、同相(I)成分および直交
(Q)成分のベースバンド信号へそれぞれ変換するため
の2つの直交ミキサと、 前記各直交ミキサからの出力をデジタル信号へそれぞれ
変換する2つのA/D変換器と、 前記2つのA/D変換器から出力された同相(I)成分
および直交(Q)成分のベースバンド信号に対して、前
記低雑音増幅器の利得を切り替えた際に発生する通過位
相のシフト量を補正する補正量Ψの余弦値である第1の
補正信号cosΨおよび前記通過位相のシフト量を補正す
る補正量Ψの正弦値である第2の補正信号sinΨを用
い、前記低雑音増幅器の利得が切り替えられるのと同期
して前記通過位相のシフト量を打ち消すような位相補正
を行う位相補正手段と、 前記通過位相のシフト量が予め設定されていて、前記低
雑音増幅器が切り替えられた利得に応じた補正量Ψを選
択し、該補正量の余弦値を前記第1の補正信号cosΨと
して出力し、前記補正量の正弦値の値を前記第2の補正
信号sinΨとして出力するとともに前記位相補正手段に
より補正された後のデジタル信号を処理するデジタル信
号処理部と、 を備えているダイレクトコンバージョン受信機。 - 【請求項4】 前記位相補正手段が、 入力された同相(I)成分の信号x(t)と、前記第1
の補正信号cosΨとの間の乗算を行う第1の乗算器と、 入力された直交(Q)成分の信号y(t)と、前記第2
の補正信号sinΨとの間の乗算を行う第2の乗算器と、 入力された同相(I)成分の信号x(t)と、前記第2
の補正信号sinΨとの間の乗算を行う第3の乗算器、 入力された直交(Q)成分の信号y(t)と、前記第1
の補正信号cosΨとの間の乗算を行う第4の乗算器と、 前記第1の乗算器により生成された信号x(t)cosΨ
から、前記第2の乗算器により生成された信号y(t)
sinΨを減算して、補正後の同相(I)成分の信号{x
(t)cosΨ−y(t)sinΨ}として出力する減算器
と、 前記第3の乗算器により生成された信号x(t)sinΨ
と、前記第4の乗算器により生成された信号y(t)co
sΨとを加算して、補正後の直交(Q)成分の信号{x
(t)sinΨ+y(t)conΨ}として出力する加算器と
から構成されている複素乗算回路である、請求項3記載
のダイレクトコンバージョン受信機。 - 【請求項5】 前記デジタル信号処理部においてベース
バンド信号を復調するための復調方式が、同期検波方式
である請求項1から4のいずれか1項記載のダイレクト
コンバージョン受信機。 - 【請求項6】 前記デジタル信号処理部においてベース
バンド信号を復調するための復調方式が、非同期検波方
式である請求項1から4のいずれか1項記載のダイレク
トコンバージョン受信機。
Priority Applications (2)
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US10/104,022 US20020137488A1 (en) | 2001-03-26 | 2002-03-25 | Direct conversion receiver for performing phase correction upon change of the gain of low-noise amplifier |
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JP2001087938A JP2002290254A (ja) | 2001-03-26 | 2001-03-26 | ダイレクトコンバージョン受信機 |
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