JP2002197851A - 磁気ランダムアクセスメモリ - Google Patents

磁気ランダムアクセスメモリ

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JP2002197851A JP2000393200A JP2000393200A JP2002197851A JP 2002197851 A JP2002197851 A JP 2002197851A JP 2000393200 A JP2000393200 A JP 2000393200A JP 2000393200 A JP2000393200 A JP 2000393200A JP 2002197851 A JP2002197851 A JP 2002197851A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MRAMの大容量化と配線の信頼性の向上を
同時に実現する。 【解決手段】 MRAMでは、ライト動作時に、高い電
流密度の電流が配線に流れる。ライトワード線WWL0
とビット線BL0の交点に存在するメモリセルMCに対
してライト動作を実行する場合、ライトワード線WWL
0には、WWLドライバ13から電圧ダウンコンバータ
20に向かう電流が流れる。この後、ライトワード線W
WL0線には、ライト動作時の電流の向きと逆向きの電
流、即ち、電圧ダウンコンバータ20からWWLドライ
バ13に向かう電流が流れる。ビット線BL0,BL1
についても、同様に、例えば、ライト動作後に、ライト
動作時にビット線BL0,BL1に流れる電流と逆向き
の電流が流れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ランダムアタ
セスメモリに関し、特に、ライト(write)時に大電流
が流れる配線の信頼性を向上させる手法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、強磁性トンネル接合(Magne
tic Tunnel Junction:MTJ)が
室温で大きな磁気抵抗比(MR比)を持ち得ることが報
告され、トンネル磁気抵抗(Tunneling ma
gnetoregistive:TMR〕効果をMRA
M(Magnetic RAM)に応用する研究がなさ
れている。
【0003】このTMR効果を応用したMRAMの研究
以前にも、巨大磁気抵抗(Gaint Magneto
−Registance:GMR)効果を応用したMR
AMの研究がなされていたが、GMR効果によるMR比
は、数%から約10%の程度でしかないうえ、金属薄膜
内に電流が流れることから、例えば、リード(read)時
の信号(データ)量が数mVと極めて小さくなる。
【0004】このように、GMR効果を応用したMRA
Mでは、リード時の信号量が極めて小さくなるため、例
えば、同じメモリセルのデータを2回読み出し、素子間
におけるリード時の信号量のバラツキの影響を少なくす
るなどの工夫が必要であった。つまり、GMR効果を応
用したMRAMでは、1つのメモリセルのデータを読み
出すために、2回のリード動作が必要であり、高速化が
困難であった。
【0005】また、メモリセルをGMR素子とスイッチ
としてのMOSトランジスタとから構成する場合、この
MOSトランジスタのオン抵抗を十分に小さくしない
と、MOSトランジスタの特性のバラツキの影響によ
り、メモリセルから読み出される信号(セルデータ)が
消滅してしまう場合がある。
【0006】一方、このような現象を防止するために
は、メモリセル内のMOSトランジスタのオン抵抗をG
MR素子並みに小さくすればよい。しかし、メモリセル
内のMOSトランジスタのオン抵抗をGMR素子並みに
小さくするためには、そのMOSトランジスタのサイズ
をかなり大きなものにしなければならず、結果として、
メモリセルの微細化によるメモリ容量の大容量化が困難
になる問題があった。
【0007】このようにGMR MRAMでは、メモリ
動作の高速化や、メモリ容量の大容量化などを実現する
ことが非常に困難となっている。このため、GMR M
RAMは、高放射線耐性という特徴を生かして、宇宙な
どの特殊な環境下でのみ使用され、一般には、あまり普
及していない。
【0008】TMR素子の基本構造は、2つの強磁性層
により絶縁膜を挟んだMTJ構造である。磁性体には、
磁化が向きやすい方向、即ち、磁化容易軸がある。強磁
性層の成膜時に、特定方向の磁場を印加することによ
り、メモリセルの磁化容易軸をその特定方向に設定でき
る。
【0009】磁化容易軸方向とは、その方向に磁化が向
いている場合に磁性層の内部エネルギーが極小になるよ
うな方向のことである。従って、外部磁場が印加されて
いない状態では、TMR素子の強磁性層の磁化は、磁化
容易軸方向を向いており、2つの強磁性層の磁化の相対
的な方向は、平行、反平行の2種類の状態のどちらかと
なる。
【0010】なお、TMR素子は、2つの強磁性層の磁
化の方向が、平行か、又は反平行かによって、抵抗が変
化する。これは、トンネル確率のスピン依存性によるも
のとされている。
【0011】このように、TMR素子における強磁性層
の磁化の平行、反平行の状態により2値の情報を記憶す
ることができ、また、磁化の状態によるTMR素子の抵
抗の変化を利用して、セルデータを読み出すことができ
る。
【0012】TMR効果におけるMR比は、数十%に達
し、また、TMR素子の抵抗も、トンネル絶縁膜の膜厚
を変えることによって広範囲に設定できるため、リード
時の読み出し信号量は、DRAMにおける読み出し信号
量と同じ程度、又は、それ以上にできる。
【0013】書き込みは、配線に流れる電流により発生
する磁場を用いて、強磁性層の磁化の向きを反転するこ
とによって行なわれる。
【0014】具体的には、2つの強磁性層の厚さを異な
らしめ、両磁性層に保磁力の差を設ければ、厚さの薄い
磁性層(保磁力の弱い磁性層)の磁化のみを自由に反転
し、2つの強磁性層の磁化の相対的な方向を、平行又は
反平行にすることができる。また、2つの強磁性層のう
ちの1つに反磁性層を付加し、交換結合により反磁性層
が付加された磁性層の磁化の向きを固定すれば、反磁性
層が付加されていない磁性層の磁化のみを自由に反転
し、2つの強磁性層の磁化の相対的な方向を、平行又は
反平行にすることができる。
【0015】ところで、磁性層は、磁性層の磁化方向に
対して反対方向の磁場を印加して磁性層の磁化を反転さ
せようとする場合、予め、磁化に直交する方向に磁場を
印加しておくと、磁性層の磁化の反転に必要な磁場(反
転磁場)の大きさを小さくできる、という性質を有して
いる。
【0016】従って、互いに直交する2本の配線を使
い、互いに直交する2方向の磁場を印加することによ
り、その配線の交点にあるメモリセルの磁化だけを選択
的に反転させることができる。
【0017】図11は、アステロイド曲線として知られ
る磁化容易軸方向に平行な磁場と磁化容易軸方向に垂直
な磁場とを同時に印加した場合に、磁化が反転する時の
しきい磁場のベクトルの軌跡を示したものである。
【0018】ここでは、磁化容易軸方向を、x方向とし
ている。
【0019】磁化の反転は、磁場ベクトルの終点がアス
テロイド曲線を超えないと起こらない。図11に示して
いる3本のべクトルは、ライト電流が流れる2本の配線
の交点に位置する一のメモリセル領域及びその一のメモ
リセル領域に隣接する他のメモリセル領域で発生する磁
場のベクトルを表している。
【0020】電流の大きさを制御して、互いに隣接する
2つのメモリセル領域で発生する磁場がアステロイド曲
線内にあるようにすれば、ライト電流が流れる2本の配
線の交点に位置する一のメモリセルだけに選択的にデー
タを書き込むことが可能となる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】反転磁場は、磁性体の
幅に反比例して大きくなるという性質がある。
【0022】従って、メモリセルを微細化し、メモリ容
量の大容量化を図ろうとすると、磁性体の幅が狭くな
り、反転磁場を大きくしなければならない。その結果、
反転磁場を作るために必要な電流も、大きくなる。一
方、メモリセルの微細化により、配線幅は、狭くなるた
め、これに伴い、電流密度は、急激に大きくなる。
【0023】また、メモリセルの微細化を進めていく
と、反転磁場を作るための大電流により、エレクトロマ
イグレーション(EM)現象が発生し易くなるため、配
線の信頼性が低下する。
【0024】なお、電流密度を下げるために、例えば、
配線溝のアスペクト比を高くし、配線の厚さを大きくす
るという対策を施すと、配線に流れる電流のうち磁性層
から遠く離れた電流成分の割合が多くなるために、配線
の直下又は直上における磁場が弱くなる。これを補うに
は、配線に、より大きな電流を流さなければならず、結
局、この対策は、エレクトロマイグレーション現象の発
生を防止する有効な手段とはならない。
【0025】また、配線を厚くすると、大電流を流す配
線に隣接する配線において磁場の減衰の割合が小さくな
る。これは、書き込み磁場の隣接セル(非選択セル)へ
の干渉を増大させることを意味している。つまり、反転
磁場は、メモリセルによってバラツキがあるため、配線
を厚くすることにより、非選択セルに対する誤書き込み
を引き起す確率が増大する。
【0026】以上のように、従来は、エレクトロマイグ
レーション現象の発生を防止し、配線の信頼性を向上さ
せるために、例えば、配線を厚くする対策が考えられて
いたが、この対策は、配線の電流密度の減少には十分で
はなく、また、非選択セルに対する誤書き込みを防止す
るには、配線の厚さをできるだけ薄くし、配線に流れる
大電流により発生する磁場の強度分布を、できるだけ幅
の狭い急峻な分布にしなければならなかった。
【0027】つまり、従来のMRAMにおいては、メモ
リセルの微細化によるメモリ容量の大容量化、配線の信
頼性の向上及び誤書き込みの防止を、同時に達成するこ
とができなかった。
【0028】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、その目的は、MRAMにおいて、メ
モリセルの微細化によるメモリ容量の大容量化を図って
も、配線の信頼性の向上や、誤書き込みの防止などを同
時に実現できる技術を提案することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明の磁気ラン
ダムアクセスメモリは、ライトワード線と、前記ライト
ワード線に交差するビット線と、前記ライトワード線と
前記ビット線の交点に配置され、前記ライトワード線に
流れる電流及び前記ビット線に流れる電流により発生す
る磁場により変化する磁化の向きによりデータを記憶す
る磁気抵抗素子と、前記ライトワード線に一方向に向か
う電流を流して前記磁気抵抗素子にデータを記憶させた
後に、前記ライトワード線に前記一方向に対して逆方向
に向かう電流を流すドライバとを備える。
【0030】前記ライトワード線に前記逆方向に向かう
電流を流している間、前記ビット線に流れる電流は、遮
断されている。
【0031】前記ライトワード線に流れる前記一方向に
向かう電流の電流値と前記ライトワード線に流れる前記
逆方向に向かう電流の電流値とは、互いに等しい。
【0032】前記ライトワード線の一端の電位を固定
し、前記ライトワード線の他端の電位を変化させること
により、前記ライトワード線に流れる電流の向きを制御
する。
【0033】(2) 本発明の磁気ランダムアクセスメモリ
は、ライトワード線と、前記ライトワード線に交差する
ビット線と、前記ライトワード線と前記ビット線の交点
に配置され、前記ライトワード線に流れる電流及び前記
ビット線に流れる電流により発生する磁場により変化す
る磁化の向きによりデータを記憶する磁気抵抗素子と、
前記ビット線に一方向に向かう電流を流して前記磁気抵
抗素子にデータを記憶させた後に、前記ビット線に前記
一方向に対して逆方向に向かう電流を流すドライバとを
備える。
【0034】前記ビット線に前記逆方向に向かう電流を
流している間、前記ライトワード線に流れる電流は、遮
断されている。
【0035】前記ビット線に流れる前記一方向に向かう
電流の電流値と前記ビット線に流れる前記逆方向に向か
う電流の電流値とは、互いに等しい。
【0036】前記ビット線の両端の電位を変化させるこ
とにより、前記ビット線に流れる電流の向きを制御す
る。
【0037】(3) 本発明の磁気ランダムアクセスメモリ
は、ライトワード線と、前記ライトワード線に交差する
ビット線と、前記ライトワード線と前記ビット線の交点
に配置され、前記ライトワード線に流れる電流及び前記
ビット線に流れる電流により発生する磁場により変化す
る磁化の向きによりデータを記憶する磁気抵抗素子と、
前記ライトワード線に第1方向に向かう電流を流し、前
記ビット線に第2方向に向かう電流を流して前記磁気抵
抗素子にデータを記憶させた後に、前記ライトワード線
に前記第1方向に対して逆方向に向かう電流を流し、前
記ビット線に前記第2方向に対して逆方向に向かう電流
を流すドライバとを備える。また、前記ライトワード線
に前記第1方向に対して逆方向に向かう電流を流す期間
と前記ビット線に前記第2方向に対して逆方向に向かう
電流を流す期間は、時間的に重ならない。
【0038】前記ライトワード線に流れる前記第1方向
に向かう電流の電流値と前記ライトワード線に流れる前
記第1方向に対して逆方向に向かう電流の電流値とは、
互いに等しく、前記ビット線に流れる前記第2方向に向
かう電流の電流値と前記ビット線に流れる前記第2方向
に対して逆方向に向かう電流の電流値とは、互いに等し
い。
【0039】前記ライトワード線に流れる電流の向き
は、前記ライトワード線の2つの端部のうちの少なくと
も1つの端部の電位を変化させることにより決定され、
前記ビット線に流れる電流の向きは、前記ビット線の2
つの端部のうちの少なくとも1つの端部の電位を変化さ
せることにより決定される。
【0040】(4) 本発明の磁気ランダムアクセスメモリ
は、ライトワード線と、前記ライトワード線に交差する
複数のビット線と、前記ライトワード線と前記複数のビ
ット線の交点に1つずつ配置され、前記ライトワード線
に流れる電流及び前記複数のビット線に流れる電流によ
り発生する磁場により変化する磁化の向きによりデータ
を記憶する複数の磁気抵抗素子と、前記ライトワード線
に第1方向に向かう電流を流し、前記複数のビット線の
うち選択されたビット線に第2方向に向かう電流を流し
て、前記ライトワード線と前記選択されたビット線の交
点に配置される磁気抵抗素子にデータを記憶させた後
に、前記ライトワード線に前記第1方向に対して逆方向
に向かう電流を流し、前記選択されたビット線に前記第
2方向に対して逆方向に向かう電流を流すドライバとを
備える。また、前記ライトワード線に前記第1方向に対
して逆方向に向かう電流を流す期間と前記選択されたビ
ット線に前記第2方向に対して逆方向に向かう電流を流
す期間は、時間的に重ならない。
【0041】前記ライトワード線と前記選択されたビッ
ト線の交点に配置される磁気抵抗素子に対しては、1回
のライトサイクルでデータライトを完了させ、前記ライ
トワード線に流す電流の向きは、1回のライトサイクル
ごとに変化させる。
【0042】前記ライトワード線と前記選択されたビッ
ト線の交点に配置される磁気抵抗素子に対しては、1回
のライトサイクルでデータライトを完了させ、前記選択
されたビット線に流す電流の向きは、1回のライトサイ
クル内において1回変化させる。
【0043】前記ライトワード線と前記選択されたビッ
ト線の交点に配置される磁気抵抗素子にライトするデー
タは、前記選択されたビット線に流れる電流の向きによ
り決定される。
【0044】(5) 本発明の磁気ランダムアクセスメモリ
は、ライトワード線と、前記ライトワード線に交差する
複数のビット線と、前記ライトワード線と前記複数のビ
ット線に流れる電流により発生する磁場により変化する
磁化の向きによりデータを記憶する複数の磁気抵抗素子
と、前記ライトワード線に第1方向に向かう電流を流
し、前記複数のビット線のうち選択された第1ビット線
に電流を流して、前記ライトワード線と前記選択された
第1ビット線の交点に配置される磁気抵抗素子にデータ
を記憶させた後に、前記ライトワード線に前記第1方向
に対して逆方向に向かう電流を流すドライバとを備え、
前記ライトワード線に前記第1方向に対して逆方向に向
かう電流を流す期間に、前記選択された第1ビット線と
は異なる第2ビット線に電流を流して、前記ライトワー
ド線と前記第2ビット線に交点に配置される磁気抵抗素
子にデータを記憶させる。
【0045】前記ライトワード線と前記第1又は第2ビ
ット線との交点に配置される磁気抵抗素子に対しては、
1回のライトサイクルでデータライトを完了させ、前記
ライトワード線に流す電流の向きは、1回のライトサイ
クルごとに変化させる。
【0046】前記ライトワード線と前記第1又は第2ビ
ット線との交点に配置される磁気抵抗素子に対しては、
1回のライトサイクルでデータライトを完了させ、前記
第1又は第2ビット線に流す電流の向きは、1回のライ
トサイクル内において1回変化させる。
【0047】前記ライトワード線と前記第1又は第2ビ
ット線の交点に配置される磁気抵抗素子にライトするデ
ータは、前記第1又は第2ビット線に流れる電流の向き
により決定される。
【0048】(6) 前記磁気抵抗素子は、2つの磁性層に
より絶縁層を挟み込んだ構造を有している。
【0049】(7) このように、本発明の磁気ランダムア
クセスメモリは、ライト動作が終了した後に、ライトワ
ード線及びビット線に、それぞれ、ライト動作時に流し
た電流の向きとは逆向きの電流を流すようにしている。
また、これら逆向きの電流の電流値は、ライト動作時の
電流値に等しい。
【0050】また、逆向きの電流を流す際には、磁気抵
抗素子の磁化が変化しないように、ライトワード線に逆
向きの電流を流す時期とビット線に逆向きの電流を流す
時期をずらしている。さらに、ライトワード線の電流の
向きは、磁化の方向(メモリセルにライトするデータの
値)に依存しないため、ライトワード線に流れる電流の
向きに関しては、ライトサイクルごとに変化させてもよ
い。
【0051】これにより、ライトワード線及びビット線
には、ライト動作に際して、常に、一方向の電流のみが
流れるということはなく、互いに逆向きの電流が均等に
流れるため、電流の担い手である電子が金属配線を構成
する原子と衝突し、その原子が電子から運動量を受け取
ることによりドリフトし、金属配線の欠損や断線に至る
現象(エレクトロマイグレーション現象)を防止するこ
とができる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の磁気ランダムアクセスメモリについて詳細に説明す
る。
【0053】[第1実施の形態]図1は、本発明の実施
の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリの主要部を
示すブロック図である。
【0054】メモリセルアレイ11のロウ方向の端部に
は、ロウデコーダ12が配置される。ロウアドレス信号
RA0−RAnは、ロウデコーダ12に入力される。ロ
ウデコーダ12は、ライトワード線イネーブル信号WW
LEN又はリードワード線イネーブル信号RWLENが
イネーブル状態になると、動作状態となる。
【0055】ライト時には、ロウデコーダ12は、ロウ
アドレス信号RA0−RAnに基づいて、メモリセルア
レイ11のライトワード線(ロウ)WWLを選択する。
ライトワード線WWLは、後述するビット線BLと共
に、メモリセルの2つの磁性層の磁化の方向を平行又は
反平行にするためのものである。WWLドライバ13
は、選択されたライトワード線WWLをドライブする役
割を有する。
【0056】コントローラ17は、ライトワード線イネ
ーブル信号WWLENがイネーブル状態になると、動作
状態となる。コントローラ17は、例えば、リセット付
きダウントリガD−FF(ディレイフリップフロップ)
回路から構成され、反転出力を入力にフィードバックす
ることにより1ビットのカウンタとして機能する。
【0057】リセット付きダウントリガD−FF回路の
状態は、初期化の段階においてリセット信号により確定
しておく。そして、例えば、ライトワード線イネーブル
信号WWLENが立ち下がる度に、リセット付きダウン
トリガD−FF回路の出力Dを反転させる。
【0058】リセット付きダウントリガD−FF回路の
出力信号は、WWLドライバ13に与えられる。
【0059】リード時には、ロウデコーダ12は、ロウ
アドレス信号RA0−RAnに基づいて、メモリセルア
レイ11のリードワード線(ロウ)RWLを選択する。
リードワード線RWLは、リード時に、選択されたメモ
リセルを構成するMOSトランジスタ(スイッチ)をオ
ン状態にするためのものである。
【0060】カラムアドレス信号CA0−CAmは、カ
ラムデコーダ14に入力される。カラムデコーダ14
は、カラムアドレス信号CA0−CAmをデコードし、
カラム選択信号CSL0,CSL1,・・・を出力す
る。
【0061】カラム選択信号CSL0,CSL1,・・
・は、さらに、カラムデコーダ19A,19Bに入力さ
れる。カラムデコーダ19A,19Bには、カラム選択
信号CSL0,CSL1,・・・の他に、ライトイネー
ブル信号WE及びロウアドレス信号RA0−RAnの最
下位ビットRA0が入力される。
【0062】カラムデコーダ19A,19Bは、ライト
時、即ち、ライトイネーブル信号WEがイネーブル状態
のときに、動作状態となる。
【0063】本例では、カラムデコーダ19A,19B
は、ロウアドレス信号の最下位ビットRA0に基づい
て、ビット線(カラム)の選択を行っている。これは、
メモリセルが市松模様となるようにレイアウトされてい
ることに起因している。
【0064】カラムデコーダ19A,19Bの出力信号
は、ライト電流ドライバ16A,16Bに入力される。
ライト電流ドライバ16A,16Bは、カラムデコーダ
19A,19Bの出力信号に基づいて、選択されたビッ
ト線BLをドライブする。
【0065】ビット線BLに流れる電流の向きは、コン
トローラ18により制御される。コントローラ18に
は、ライトワード線イネーブル信号WWLEN及びライ
トデータDATAが入力される。コントローラ18は、
ライトワード線イネーブル信号WWLENがイネーブル
状態のときに、ライトデータDATAの値(2値)に基
づいて、ビット線BLに流れる電流の向きを制御する。
【0066】コントローラ18は、コントローラ17と
同様に、例えば、リセット付きダウントリガD−FF
(ディレイフリップフロップ)回路から構成され、反転
出力を入力にフィードバックすることにより1ビットの
カウンタとして機能させる。
【0067】リセット付きダウントリガD−FF回路の
状態は、初期化の段階においてリセット信号により確定
しておく。そして、例えば、ライトワード線イネーブル
信号WWLENが立ち下がる度に、リセット付きダウン
トリガD−FF回路の出力Dを反転させる。
【0068】また、コントローラ18は、マルチプレク
サMUXを有し、ライトデータDATAの値に応じて、
2つの出力D,/Dを切り替え、ビット線BLに流れる
電流の向きを変える。
【0069】図2は、図1の磁気ランダムアクセスメモ
リの回路構成の具体例を示すものである。なお、同図に
おいては、リードのためのセンスアンプ及びカラムデコ
ーダを省略している。
【0070】メモリセルアレイ11は、アレイ状に配置
される複数のメモリセルMCから構成される。メモリセ
ルMCは、絶縁層を2つの磁性層で挟んだ構造を有する
TMR素子21とMOSトランジスタからなるスイッチ
素子22とから構成される。TMR素子21の一端は、
ビット線BL0,bBL0,BL1,bBL1,・・・
に接続され、また、TMR素子21とスイッチ素子22
は、ビット線BL0,bBL0,BL1,bBL1,・
・・と接地点との間に直列接続される。
【0071】メモリセルアレイ11のロウ方向の端部に
は、ロウデコーダ12が配置される。ロウデコーダ12
は、1ロウごとに設けられ、例えば、図3に示すよう
に、ロウアドレス信号RA0−RAnが入力されるNA
ND回路23と、リードワード線イネーブル信号RWL
ENの反転信号bRWLENが入力されるNOR回路2
4と、ライトワード線イネーブル信号WWLENの反転
信号bWWLENが入力されるNOR回路25とから構
成される。
【0072】ライト動作時には、選択されるロウ(ライ
トワード線)に対応するロウデコーダにおいて、ロウア
ドレス信号RA0−RAnが全て“1”状態となる。ま
た、この時、ライトワード線イネーブル信号WWLEN
がイネーブル状態(パルス信号を出力している状態)と
なるため、NOR回路25の出力信号RSLのレベル
は、ライトワード線イネーブル信号WWLENの反転信
号bWWLENのレベルに応じて変化し、選択されたラ
イトワード線WWLiにライト電流を流す期間が決定さ
れる。
【0073】なお、ライト動作時においては、リードワ
ード線イネーブル信号RWLENは、常に、“L”レベ
ル(例えば、接地電位)であり、リードワード線イネー
ブル信号RWLENの反転信号bRWLENは、常に、
“H”レベルであるため、NOR回路24の出力信号R
WLは、常に、“L”レベルである。
【0074】リード動作時には、選択されるロウ(リー
ドワード線)に対応するロウデコーダにおいて、ロウア
ドレス信号RA0−RAnが全て“1”状態となる。ま
た、この時、リードワード線イネーブル信号RWLEN
の反転信号bRWLENが“L”レベルとなるため、N
OR回路24の出力信号RWLのレベルは、“H”とな
る。
【0075】なお、リード動作時においては、ライトワ
ード線イネーブル信号WWLENは、常に、“L”レベ
ル(例えば、接地電位)であり、ライトワード線イネー
ブル信号WWLENの反転信号bWWLENは、常に、
“H”レベルであるため、NOR回路25の出力信号R
WLは、常に、“L”レベルである。
【0076】WWLドライバ13は、インバータ回路2
6とトランスファゲートとして機能するNチャネルMO
Sトランジスタ27とから構成される。インバータ回路
26は、コントローラ17の出力信号に基づいて、ライ
トワード線ドライブ信号WWLDRVを出力する。ライ
トワード線ドライブ信号WWLDRVは、NチャネルM
OSトランジスタ27を経由して、ライトワード線WW
L0,WWL1,・・・に転送される。
【0077】トランスファゲートとして機能するNチャ
ネルMOSトランジスタ27のゲートには、ロウデコー
ダ(図3参照)12の出力信号RSL0,RSL1,・
・・が入力される。従って、ロウアドレス信号RA0−
RAnにより選択されたロウのトランスファゲートのみ
がオン状態となるため、WWLドライバ13は、選択さ
れたライトワード線WWLのみをドライブする。
【0078】例えば、ロウアドレス信号RA0−RAn
によりワード線WWL1が選択される場合には、ロウデ
コーダ12は、出力信号(デコード信号)RSL1を
“H”レベルにする。従って、ライト動作時には、WW
Lドライバ13により、ライトワード線WWL1に流れ
る電流の向きが制御される。
【0079】コントローラ17は、例えば、図4に示す
ように、リセット付きダウントリガD−FF(ディレイ
フリップフロップ)回路から構成される。このD−FF
回路は、反転出力が入力にフィードバックされており、
1ビットのカウンタとして機能する。D−FF回路の状
態は、初期化の段階においてリセット信号により確定し
ておく。この時、例えば、図5に示すように、D−FF
回路の出力信号Dは、ライトワード線イネーブル信号W
WLENを立ち下げる度に反転する。
【0080】リードワード線RWL0,RWL1,・・
・は、リード時に、選択されたメモリセルMCを構成す
るMOSトランジスタ(スイッチ)22をオン状態にす
るためのものである。リード時には、ロウデコーダ12
は、ロウアドレス信号RA0−RAnに基づいて、メモ
リセルアレイ11のロウ(リードワード線RWL)を選
択する。
【0081】カラムデコーダ19A,19Bは、NAN
D回路28A,28Bと、NOR回路29−00,29
−01,29−10,29−11,・・・とから構成さ
れる。カラムアドレス信号CA0−CAmをデコードす
ることにより得られるカラム選択信号CSL0,CSL
1,・・・は、NOR回路29−00,29−01,2
9−10,29−11,・・・に入力される。
【0082】ライト動作時、ライトイネーブル信号WE
が“H”レベルとなり、また、例えば、カラム選択信号
CSL0,CSL1,・・・のうちの1つが“H”レベ
ルとなる。本例では、カラムデコーダ19A,19B
は、ロウアドレス信号の最下位ビットRA0に基づい
て、ビット線(カラム)の選択を行っている。その理由
は、上述したように、メモリセルのレイアウトが特殊な
場合(例えば、千鳥格子状の場合)には、ロウアドレス
信号の最下位ビットRA0を用いることにより、カラム
アドレス信号を1ビット減らすことができるためであ
る。
【0083】例えば、カラム選択信号CSL0が“H”
レベル、ロウアドレス信号の最下位ビットRA0が“L
(=0)”であると仮定すると、NAND回路28Aの
出力信号が“H”レベル、NAND回路28Bの出力信
号が“L”レベルとなり、カラムデコーダ19A,19
B内のNOR回路29−00の出力信号が“H”レベル
となる。その結果、ビット線BL0に流れる電流の向き
がライト電流ドライバ16A,16Bにより制御され
る。
【0084】なお、本例では、ロウアドレス信号の最下
位ビットRA0が“L(=0)”のときには、偶数番目
のライトワード線WWLj(jは、0,2,・・・)の
うちの1つが選択され、この時、ビット線BL0,BL
1,・・・のうちの1つが選択される。また、ロウアド
レス信号の最下位ビットRA0が“H(=1)”のとき
には、奇数番目のライトワード線WWLk(kは、1,
3,・・・)のうちの1つが選択され、この時、ビット
線bBL0,bBL1,・・・のうちの1つが選択され
る。
【0085】ライト電流ドライバ16A,16Bは、イ
ンバータ回路30A,30Bとトランスファゲートとし
て機能するNチャネルMOSトランジスタ31A,31
Bとから構成される。インバータ回路30A,30B
は、コントローラ18の出力信号に基づいて、ビット線
ドライブ信号BLDRV,bBLDRVを出力する。ビ
ット線ドライブ信号BLDRV,bBLDRVは、Nチ
ャネルMOSトランジスタ31A,31Bを経由して、
ビット線BL0,bBL0,BL1,bBL1に転送さ
れる。
【0086】トランスファゲートとして機能するNチャ
ネルMOSトランジスタ31A,31Bのゲートには、
カラムデコーダ19A,19Bの出力信号が入力され
る。従って、カラムアドレス信号CA0−CAm及びロ
ウアドレス信号の最下位ビットRA0により選択された
カラムのトランスファゲートのみがオン状態となるた
め、ライト電流ドライバ16A,16Bは、選択された
ビット線BLのみをドライブする。
【0087】例えば、カラムアドレス信号CA0−CA
m及びロウアドレス信号の最下位ビットRA0によりビ
ット線BL0が選択される場合には、カラムデコーダ1
9A,19B内のNOR回路29−00の出力信号(デ
コード信号)が“H”レベルとなる。従って、ライト動
作時には、ライト電流ドライバ16A,16Bにより、
ビット線BL0に流れる電流の向きが制御される。
【0088】コントローラ18は、例えば、図6に示す
ように、リセット付きダウントリガD−FF(ディレイ
フリップフロップ)回路から構成される。このD−FF
回路は、反転出力が入力にフィードバックされており、
1ビットのカウンタとして機能する。D−FF回路の状
態は、初期化の段階においてリセット信号により確定し
ておく。また、コントローラ18は、マルチプレクサM
UXを有し、ライトデータDATAの値に応じて、2つ
の出力D,/Dを切り替え、ビット線BLに流れる電流
の向きを変える(DATA=“1”のとき、D−出力を
選択、DATA=“0”のとき、/D−出力を選択す
る。)。
【0089】なお、例えば、図7に示すように、D−F
F回路の出力信号Dは、ライトワード線イネーブル信号
WWLENが立ち下がる度に反転する。
【0090】次に、本発明の磁気ランダムアクセスメモ
リ(図2)の動作の特徴部分について、図8の波形図を
参照しながら説明する。
【0091】なお、図8の波形図において、信号IWW
L0,IBL0の縦軸は、電流を示し、それ以外の信号
の縦軸は、電圧を示している。
【0092】本発明は、ライト動作に特徴を有する。説
明を簡単にするため、本例では、ライトワード線WWL
0とビット線BL0の交点に存在するメモリセルMCに
ついてデータライトを行う場合について考える。また、
ライトデータDATAは“1”であり、初期状態(ライ
トイネーブル信号WEが“H”となった直後の状態)と
しては、ライトワード線ドライブ信号WWLDRVは、
“H”レベル、ビット線ドライブ信号BLDRV,bB
LDRVは、それぞれ“H”レベル、“L”レベルであ
るものとする。
【0093】まず、ライトイネーブル信号WEが“H”
レベルとなり、ライトモードにエントリーされる。ま
た、ライトワード線イネーブル信号WWLENが“H”
レベルとなり、カラム選択信号CSL0が“H”レベル
となり、その他のカラム選択信号CSL1,・・・は、
“L”レベルを維持する。
【0094】ロウアドレス信号RA0−RAnがロウデ
コーダ12によりデコードされると、ロウデコーダ12
の出力信号RSL0は、“H”レベルとなり、ライトワ
ード線WWL0に繋がるNチャネルMOSトランジスタ
(トランスファゲート)27がオン状態となる。
【0095】この時、ロウデコーダ12の出力信号RS
L1,・・・は、“L”レベルとなるため、非選択のラ
イトワード線WWL1,・・・に繋がるNチャネルMO
Sトランジスタ(トランスファゲート)27は、オフ状
態となる。また、ロウデコーダ12の出力信号RWL
0,RWL1,・・・も、“L”レベルとなるため、メ
モリセルMC内のNチャネルMOSトランジスタ22
も、オフ状態となる。
【0096】コントローラ17の出力信号は、“L”レ
ベルであり、ライトワード線ドライブ信号WWLDRV
は、“H”レベル(例えば、Vdd)、かつ、信号VW
WLtermは、所定のレベル(WWLDRVの“H”
と“L”の間の一定値)となっているため、ライトワー
ド線WWL0には、WWLドライバ13から電圧ダウン
コンバータ20へ向かう電流が流れる(このような電流
の向きをプラス方向とする。)。
【0097】また、カラム選択信号CSL0が“H”レ
ベルであり、bRA0が“H”レベルであるため、ビッ
ト線BL0に繋がるNチャネルMOSトランジスタ(ト
ランスファゲート)31A,31Bがオン状態となる。
【0098】ライトデータDATAが“1”のとき、コ
ントローラ18の出力信号は、“L”レベルとなる。こ
の時、ビット線ドライブ信号BLDRVは、“H”レベ
ル(例えば、Vdd)となり、また、ビット線ドライブ
信号bBLDRVは、“L”レベル(例えば、Vss)
となる。その結果、ビット線BL0には、ライト電流ド
ライバ30Bからライト電流ドライバ30Aへ向かう電
流が流れる(このような電流の向きをプラス方向とす
る。)。
【0099】なお、ライトデータDATAが“0”のと
きは、コントローラ18の出力信号は、“H”レベルと
なる。この時、ビット線ドライブ信号BLDRVは、
“L”レベル(例えば、Vss)となり、また、ビット
線ドライブ信号bBLDRVは、“H”レベル(例え
ば、Vdd)となる。その結果、ビット線BL0には、
ライト電流ドライバ30Aからライト電流ドライバ30
Bへ向かう電流が流れる(このような電流の向きをマイ
ナス方向とする。)。
【0100】このように、ビット線BL0に流れる電流
の向きがライトデータDATAに応じて変化するため、
ビット線BL0に流れる電流IBL0の向きにより、ラ
イトワード線WWL0に流れる電流IWWL0及びビッ
ト線BL0に流れる電流IBL0により作られる磁場を
変化させ、ライトワード線WWL0とビット線BL0の
交点にあるメモリセルMCにライトデータがライトされ
る。
【0101】この後、ライトワード線イネーブル信号W
WLENが“H”から“L”に立ち下がると、コントロ
ーラ17,18の出力信号は、“L”から“H”に変化
する(図4乃至図7に示すように、D−FFの出力レベ
ルは、WWLENの立ち下がりをトリガにして変化す
る。また、ライトデータDATAは、“1”のままとす
る。)。
【0102】従って、ライトワード線ドライブ信号WW
LDRVが“L”レベルとなり、ライトワード線WWL
0に流れる電流IWWL0は、停止状態になる。
【0103】また、コントローラ18の出力信号が
“H”になると、ビット線ドライブ信号BLDRV,b
BLDRVのレベルが反転する。このため、ビット線B
L0には、ライト時の電流の向きに対して逆の向きの電
流が流れる。
【0104】本例では、ライトデータDATAが“1”
の場合を想定しているため、図8の波形図に示すよう
に、ライトの実行時、ビット線BL0には、プラス方向
の電流が流れ、ライトが完了した後、続けて、ビット線
BL0には、マイナス方向の電流が流れる。
【0105】このように、本発明では、ライト動作にお
いて、メモリセルMCに対してデータライトが終了した
後、直ちに、選択されたビット線BL0に、データライ
トの実行時に選択されたビット線BL0に流れる電流に
対して反対の向きの電流を流すようにしている。
【0106】従って、本発明によれば、ビット線BL0
には、常に、互いに向きが逆の電流が均等に流れ、同じ
向きの電流のみが流れるということはないため、ビット
線におけるエレクトロマイグレーションの発生を抑制で
き、高信頼性の磁気ランダムアクセスメモリを提供する
ことができる。
【0107】なお、ライト時の電流の向きに対して逆向
きの電流は、ライト動作終了後にビット線BL0に流
し、ライト動作終了後には、ライトワード線WWL0に
は、電流が流れないため、ビット線BL0に逆向きの電
流を流す際に、メモリセルMCにライトされたデータが
破壊されることはない。
【0108】ビット線BL0に逆向きの電流を流してか
ら適当な時間が経過した後、カラム選択信号CSL0の
レベルが“H”から“L”に立ち下がるため、ビット線
BL0に繋がるNチャネルMOSトランジスタ(トラン
スファゲート)は、オフ状態となり、逆方向電流が停止
する。
【0109】この後、再び、ライトワード線イネーブル
信号WWLENが“L”から“H”に立ち上がると、既
に、ライトワード線ドライブ信号WWLDRVは、
“L”の状態となっているため(WWLDRVは、WW
LENの立ち下がりエッジに反応して変化する。)、今
度は、ライトワード線WWL0には、電圧ダウンコンバ
ータ20からWWLドライバ13へ向かう電流が流れる
(このような電流の向きをマイナス方向とする。)。
【0110】このように、本発明では、ライト動作にお
いて、メモリセルMCに対してデータライトが終了した
後に、選択されたライトワード線WWL0についても、
ライト動作時に選択されたライトワード線WWL0に流
れる電流に対して反対の向きの電流を流すようにしてい
る。
【0111】従って、本発明によれば、ライトワード線
WWL0には、常に、互いに向きが逆の電流が均等に流
れ、同じ向きの電流のみが流れるということはないた
め、ライトワード線におけるエレクトロマイグレーショ
ンの発生を抑制でき、高信頼性の磁気ランダムアクセス
メモリを提供することができる。
【0112】なお、IWLL0の向きによらず、常に、
IWWL0の電流値が一定となるように、例えば、図8
の波形図に示すように、電圧ダウンコンバータ20によ
り信号VWWLtermのレベル(例えば、固定値)を
制御する。
【0113】この後、ライトワード線イネーブル信号W
WLENが“H”から“L”に立ち下がると、コントロ
ーラ17の出力信号は、“H”から“L”に変化する
(図4乃至図7に示すように、D−FFの出力レベル
は、WWLENの立ち下がりをトリガにして変化する。
ライトデータDATAは、“1”のままとする。)。
【0114】従って、ライトワード線ドライブ信号WW
LDRVが“H”レベル、ビット線ドライブ信号BLD
RV,bBLDRVが、それぞれ“H”レベル、“L”
レベルになって、初期状態に戻る。
【0115】なお、図8の波形図では、ライト動作の際
に、ライトワード線WWL0及びビット線BL0に与え
るパルス信号のパルス幅と、逆方向電流を流す際に、ラ
イトワード線WWL0及びビット線BL0に与えるパル
ス信号のパルス幅は、互いに実質的に等しくなってい
る。
【0116】しかし、製品の仕様を満たすだけの十分な
配線の信頼性を確保できることを条件に、逆方向電流を
流す際のパルス信号のパルス幅を、ライト動作の際のパ
ルス信号のパルス幅よりも短くしてもよい。
【0117】[第2実施の形態]磁気ランダムアクセス
メモリ(MRAM)は、メモリセルアレイ内の任意の1
ビットにランダムライトできる。ここで、ライトのバン
ド幅を上げるための手法としては、例えば、ロウアドレ
スを固定しておき、そのロウアドレスにより指定される
ロウと複数カラムの交点に存在するメモリセルに対して
データを書き込む、というものが知られている。
【0118】MRAMでは、ライト電流が大きくなるた
め、複数カラムの全てに対して同時にライト動作を行う
ことは、ピーク電流の供給不足や、電磁波の放射などの
悪影響が発生するため、好ましくない。
【0119】この場合には、複数カラムの全てに対して
同時にライト動作を行わずに、例えば、カラムを選択す
るためのカラム選択信号CSLiを、時間をずらして順
番に入力し、1カラムごとにメモリセルに対するデータ
ライトを実行する。
【0120】ここで、図9のアステロイド曲線から明ら
かなように、メモリセルの磁化を反転させようとする場
合、磁化容易軸方向に垂直な方向の磁場成分は、プラス
方向及びマイナス方向のどちらを向いていても構わな
い。これは、逆方向電流を流す期間においても、ライト
動作を行うことができることを意味する。
【0121】従って、ライトワード線に流れるライト電
流の方向をカラムサイクル毎に反転させれば、ライト動
作ごとに、ライトワード線には逆向きの電流が交互に流
れるため、ライト動作を行わない逆方向電流期間を新規
に設ける必要がなく、パワーの無駄なく、配線の信頼性
の向上を実現できる。
【0122】図10は、ライト動作時に、ライトワード
線及びビット線に流れる電流の具体例を示している。
【0123】なお、図10の波形図において、信号IW
WL0,IBL0の縦軸は、電流を示し、それ以外の信
号の縦軸は、電圧を示している。
【0124】本例では、ライトワード線WWL0とビッ
ト線BL0,BL1,BL2,BL3の交点に存在する
メモリセルMCについて,順次、データライトを行う場
合について考える。
【0125】まず、ライトイネーブル信号WEが“H”
レベルとなり、ライトモードにエントリーされる。ま
た、ライトワード線イネーブル信号WWLENが“H”
レベルとなり、カラム選択信号CSL0が“H”レベル
となり、その他のカラム選択信号CSL1,・・・は、
“L”レベルを維持する。
【0126】ロウアドレス信号RA0−RAnがロウデ
コーダ12によりデコードされると、ロウデコーダ12
の出力信号RSL0は、“H”レベルとなり、ライトワ
ード線WWL0に繋がるNチャネルMOSトランジスタ
(トランスファゲート)27がオン状態となる。
【0127】この時、ロウデコーダ12の出力信号RS
L1,・・・は、“L”レベルとなるため、非選択のラ
イトワード線WWL1,・・・に繋がるNチャネルMO
Sトランジスタ(トランスファゲート)27は、オフ状
態となる。また、ロウデコーダ12の出力信号RWL
0,RWL1,・・・も、“L”レベルとなるため、メ
モリセルMC内のNチャネルMOSトランジスタ22
も、オフ状態となる。
【0128】コントローラ17の出力信号は、“L”レ
ベルであり、ライトワード線ドライブ信号WWLDRV
は、“H”レベル(例えば、Vdd)、かつ、信号VW
WLtermは、所定のレベル(WWLDRVの“H”
と“L”の間の一定値)となっているため、ライトワー
ド線WWL0には、WWLドライバ13から電圧ダウン
コンバータ20へ向かう電流が流れる(このような電流
の向きをプラス方向とする。)。
【0129】また、カラム選択信号CSL0が“H”レ
ベルであり、bRA0が“H”レベルであるため、ビッ
ト線BL0に繋がるNチャネルMOSトランジスタ(ト
ランスファゲート)31A,31Bがオン状態となる。
【0130】ライトデータDATAが“1”のとき、コ
ントローラ18の出力信号は、“L”レベルとなる。こ
の時、ビット線ドライブ信号BLDRVは、“H”レベ
ル(例えば、Vdd)となり、また、ビット線ドライブ
信号bBLDRVは、“L”レベル(例えば、Vss)
となる。その結果、ビット線BL0には、ライト電流ド
ライバ30Bからライト電流ドライバ30Aへ向かう電
流が流れる(このような電流の向きをプラス方向とす
る。)。
【0131】なお、ライトデータDATAが“0”のと
きは、コントローラ18の出力信号は、“H”レベルと
なる。この時、ビット線ドライブ信号BLDRVは、
“L”レベル(例えば、Vss)となり、また、ビット
線ドライブ信号bBLDRVは、“H”レベル(例え
ば、Vdd)となる。その結果、ビット線BL0には、
ライト電流ドライバ30Aからライト電流ドライバ30
Bへ向かう電流が流れる(このような電流の向きをマイ
ナス方向とする。)。
【0132】このように、ビット線BL0に流れる電流
の向きがライトデータDATAに応じて変化するため、
ビット線BL0に流れる電流IBL0の向きにより、ラ
イトワード線WWL0に流れる電流IWWL0及びビッ
ト線BL0に流れる電流IBL0により作られる磁場を
変化させ、ライトワード線WWL0とビット線BL0の
交点にあるメモリセルMCにライトデータがライトされ
る。
【0133】この後、ライトワード線イネーブル信号W
WLENが“H”から“L”に立ち下がると、コントロ
ーラ17,18の出力信号は、“L”から“H”に変化
する。従って、ライトワード線ドライブ信号WWLDR
Vが“L”レベルとなり、ライトワード線WWL0に流
れる電流(プラス方向)IWWL0は、停止状態にな
る。
【0134】また、コントローラ18の出力信号が
“H”になると、ビット線ドライブ信号BLDRV,b
BLDRVのレベルが反転する。このため、ビット線B
L0には、ライト時の電流の向きに対して逆の向きの電
流が流れる。
【0135】本例では、図10の波形図に示すように、
ライト動作時、ビット線BL0には、プラス方向の電流
が流れ、ライト動作が完了した後、続けて、ビット線B
L0には、マイナス方向の電流が流れる。
【0136】このように、本発明では、ライト動作にお
いて、メモリセルMCに対するライト動作が終了した
後、直ちに、選択されたビット線BL0に、ライト動作
時に選択されたビット線BL0に流れる電流に対して反
対の向きの電流を流すようにしている。
【0137】従って、本発明によれば、ビット線BL0
には、常に、互いに向きが逆の電流が均等に流れ、同じ
向きの電流のみが流れるということはないため、ビット
線におけるエレクトロマイグレーションの発生を抑制で
き、高信頼性の磁気ランダムアクセスメモリを提供する
ことができる。
【0138】なお、ライト時の電流の向きに対して逆向
きの電流は、ライト動作が終了した後にビット線BL0
に流し、ライト動作が終了した後には、ライトワード線
WWL0には、電流が流れないため、ビット線BL0に
逆向きの電流を流す際に、メモリセルにライトされたデ
ータが破壊されることはない。
【0139】ビット線BL0に逆向きの電流を流してか
ら適当な時間が経過した後、カラム選択信号CSL0の
レベルが“H”から“L”に立ち下がるため、ビット線
BL0に繋がるNチャネルMOSトランジスタ(トラン
スファゲート)は、オフ状態となり、逆方向電流が停止
する。
【0140】この後、再び、ライトワード線イネーブル
信号WWLENが“L”から“H”に立ち上がると、既
に、ライトワード線ドライブ信号WWLDRVは、
“L”の状態となっているため(WWLDRVは、WW
LENの立ち下がりエッジに反応して変化する。)、今
度は、ライトワード線WWL0には、電圧ダウンコンバ
ータ20からWWLドライバ13へ向かう電流が流れる
(このような電流の向きをマイナス方向とする。)。
【0141】ここで、図10の例が図8の例と異なる点
は、図8の例では、ライトワード線WWL0に、このよ
うなマイナス方向の電流を流している間は、ライト動作
を行っていないのに対し、図10の例では、ライトワー
ド線WWL0に、このようなマイナス方向の電流を流し
ている間においても、次のカラム(CSL1)のメモリ
セルに対してライト動作を行っている点にある。
【0142】つまり、ライトデータDATAが“1”の
とき、コントローラ18の出力信号は、“L”レベルと
なる。この時、ビット線ドライブ信号BLDRVは、
“H”レベル(例えば、Vdd)となり、また、ビット
線ドライブ信号bBLDRVは、“L”レベル(例え
ば、Vss)となる。その結果、ビット線BL1には、
プラス方向の電流が流れる。
【0143】また、ライトデータDATAが“0”のと
きは、コントローラ18の出力信号は、“H”レベルと
なる。この時、ビット線ドライブ信号BLDRVは、
“L”レベル(例えば、Vss)となり、また、ビット
線ドライブ信号bBLDRVは、“H”レベル(例え
ば、Vdd)となる。その結果、ビット線BL1には、
マイナス方向の電流が流れる。
【0144】このように、ビット線BL1に流れる電流
の向きがライトデータDATAに応じて変化するため、
ビット線BL1に流れる電流IBL1の向きにより、ラ
イトワード線WWL0に流れる電流IWWL0及びビッ
ト線BL1に流れる電流IBL1により作られる磁場を
変化させ、ライトワード線WWL0とビット線BL1の
交点にあるメモリセルMCにライトデータがライトされ
る。
【0145】なお、カラムCSL0のメモリセルに対す
るライト動作とカラムCSL1のメモリセルに対するラ
イト動作との間では、ライトワード線に流れる電流の向
きが異なることになる。
【0146】しかし、図9のアステロイド曲線から明ら
かなように、ライトワード線に流れる電流の向きは、メ
モリセルの磁化を反転させることに関して、全く問題と
ならない。つまり、磁化の反転時、磁化容易軸方向に垂
直な方向の磁場成分は、プラス方向及びマイナス方向の
どちらを向いていても構わないため、各カラムCSL
0,CSL1,・・・のメモリセルに対するライト動作
に関して、ライトワード線に流れる電流の向きが異なっ
ていても、問題はない。
【0147】この後、ライトワード線イネーブル信号W
WLENが“H”から“L”に立ち下がると、コントロ
ーラ17,18の出力信号は、“L”から“H”に変化
する。従って、ライトワード線ドライブ信号WWLDR
Vが“H”レベルとなり、ライトワード線WWL0に流
れる電流(マイナス方向)IWWL0は、停止状態にな
る。
【0148】また、コントローラ18の出力信号が
“H”になると、ビット線ドライブ信号BLDRV,b
BLDRVのレベルが反転する。このため、ビット線B
L1には、ライト時の電流の向きに対して逆の向きの電
流が流れる。
【0149】本例では、図10の波形図に示すように、
ライト動作時、ビット線BL1には、プラス方向の電流
が流れ、ライト動作が完了した後、続けて、ビット線B
L1には、マイナス方向の電流が流れる。
【0150】ビット線BL1に逆向きの電流を流してか
ら適当な時間が経過した後、カラム選択信号CSL1の
レベルが“H”から“L”に立ち下がるため、ビット線
BL1に繋がるNチャネルMOSトランジスタ(トラン
スファゲート)は、オフ状態となり、逆方向電流が停止
する。
【0151】この後、再び、ライトワード線イネーブル
信号WWLENが“L”から“H”に立ち上がる。この
時、ライトワード線ドライブ信号WWLDRVは、
“H”レベルであるため、ライトワード線WWL0に
は、WWLドライバ13から電圧ダウンコンバータ20
へ向かう電流が流れる(プラス方向)。
【0152】そして、カラムCSL2のビット線BL2
に、ライトデータDATAに応じた向きを有する電流I
BL2を流し、ライトワード線WWL0とビット線BL
2の交点に存在するメモリセルMCに対してデータライ
トを実行する。
【0153】また、カラムCSL2のメモリセルMCに
対してライト動作が完了した後、同様にして、カラムC
SL3のメモリセルMCに対してライト動作を実行す
る。
【0154】このように、本発明では、例えば、カラム
CSL0,CSL1,・・・という順序でライト動作を
行う場合に、カラムCSL0のメモリセルMCに対する
ライト動作時には、ライトワード線WWL0にプラス方
向の電流を流し、カラムCSL1のメモリセルMCに対
するライト動作時には、ライトワード線WWL0にマイ
ナス方向の電流を流している。
【0155】つまり、ライト動作において、ライトワー
ド線WWL0には、一定方向の電流のみが流れるという
ことはなく、常に、逆向きの電流が交互に等しく流れる
ことになる。従って、本発明によれば、ライトワード線
におけるエレクトロマイグレーションの発生を抑制で
き、高信頼性の磁気ランダムアクセスメモリを提供する
ことができる。
【0156】なお、IWLL0の向きによらず、常に、
IWWL0の電流値が一定となるように、例えば、図1
0の波形図に示すように、電圧ダウンコンバータ20に
より信号VWWLtermのレベル(例えば、固定値)
を制御する。
【0157】このように、本発明によれば、例えば、カ
ラムを選択するためのカラム選択信号CSLiを、時間
をずらして順番に入力し、1カラムごとにメモリセルに
対するデータライトを実行する場合に、ライト動作ごと
(カラムが変わるごと)に、ライトワード線に流れるラ
イト電流の方向を反転させているため、パワーの無駄な
く、配線の信頼性の向上を実現できる。
【0158】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、ライト動作に際して、配線に高い電流密度の電流を
流す必要がある磁気抵抗素子を有する磁気ランダムアク
セスメモリにおいて、ライト動作後、ライトワード線及
びビット線に、ライト動作時の電流の向きと逆向きの電
流を流すことにより、配線の信頼性を著しく向上させる
ことができる。また、これに伴い、ライト電流が流れる
配線の信頼性を低下させることなく、磁気ランダムアク
セスメモリの微細化・大容量化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のMRAMの主要部を示すブロック図。
【図2】本発明のMRAMの主要部を示す回路図。
【図3】図1のロウデコーダ12の具体例を示す回路
図。
【図4】図1のコントローラ17の具体例を示す回路
図。
【図5】図4のコントローラ17の動作を示す波形図。
【図6】図1のコントローラ18の具体例を示す回路
図。
【図7】図6のコントローラ18の動作を示す波形図。
【図8】本発明のMRAMの動作の一例を示す波形図。
【図9】アステロイド曲線を示す図。
【図10】本発明のMRAMの動作の他の例を示す波形
図。
【図11】アステロイド曲線を示す図。
【符号の説明】
11 :メモリセルアレイ、 12 :ロウデコーダ、 13 :ライトワード線(W
WL)ドライバ、 14,19A,19B :カラムデコーダ、 15 :センスアンプ、 16A,16B :ライト電流ドライ
バ、 17,18 :コントローラ、 20 :電圧ダウンコンバー
タ、 21 :TMR素子、 22 :スイッチ素子、 23,28A,28B :NAND回路、 24,25,29-00,29-01,29-10,29-11 :NOR回路、 26,30A,30B :インバータ回路、 27,31A,31B :トランスファゲー
ト、 WWL0,WWL1,・・・ :ライトワード線、 RWL0,RWL1,・・・ :リードワード線、 BL0,bBL0,・・・ :ビット線、 MC :メモリセル、 D−FF :ディレイタイプフリ
ップフロップ回路。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ライトワード線と、 前記ライトワード線に交差するビット線と、 前記ライトワード線と前記ビット線の交点に配置され、
    前記ライトワード線に流れる電流及び前記ビット線に流
    れる電流により発生する磁場により変化する磁化の向き
    によりデータを記憶する磁気抵抗素子と、 前記ライトワード線に一方向に向かう電流を流して前記
    磁気抵抗素子にデータを記憶させた後に、前記ライトワ
    ード線に前記一方向に対して逆方向に向かう電流を流す
    ドライバとを具備することを特徴とする磁気ランダムア
    クセスメモリ。
  2. 【請求項2】 前記ライトワード線に前記逆方向に向か
    う電流を流している間、前記ビット線に流れる電流は、
    遮断されていることを特徴とする請求項1記載の磁気ラ
    ンダムアクセスメモリ。
  3. 【請求項3】 前記ライトワード線に流れる前記一方向
    に向かう電流の電流値と前記ライトワード線に流れる前
    記逆方向に向かう電流の電流値とは、互いに等しいこと
    を特徴とする請求項1記載の磁気ランダムアクセスメモ
    リ。
  4. 【請求項4】 前記ライトワード線の一端の電位を固定
    し、前記ライトワード線の他端の電位を変化させること
    により、前記ライトワード線に流れる電流の向きを制御
    することを特徴とする請求項1記載の磁気ランダムアク
    セスメモリ。
  5. 【請求項5】 ライトワード線と、 前記ライトワード線に交差するビット線と、 前記ライトワード線と前記ビット線の交点に配置され、
    前記ライトワード線に流れる電流及び前記ビット線に流
    れる電流により発生する磁場により変化する磁化の向き
    によりデータを記憶する磁気抵抗素子と、 前記ビット線に一方向に向かう電流を流して前記磁気抵
    抗素子にデータを記憶させた後に、前記ビット線に前記
    一方向に対して逆方向に向かう電流を流すドライバとを
    具備することを特徴とする磁気ランダムアクセスメモ
    リ。
  6. 【請求項6】 前記ビット線に前記逆方向に向かう電流
    を流している間、前記ライトワード線に流れる電流は、
    遮断されていることを特徴とする請求項5記載の磁気ラ
    ンダムアクセスメモリ。
  7. 【請求項7】 前記ビット線に流れる前記一方向に向か
    う電流の電流値と前記ビット線に流れる前記逆方向に向
    かう電流の電流値とは、互いに等しいことを特徴とする
    請求項5記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  8. 【請求項8】 前記ビット線の両端の電位を変化させる
    ことにより、前記ビット線に流れる電流の向きを制御す
    ることを特徴とする請求項5記載の磁気ランダムアクセ
    スメモリ。
  9. 【請求項9】 ライトワード線と、 前記ライトワード線に交差するビット線と、 前記ライトワード線と前記ビット線の交点に配置され、
    前記ライトワード線に流れる電流及び前記ビット線に流
    れる電流により発生する磁場により変化する磁化の向き
    によりデータを記憶する磁気抵抗素子と、 前記ライトワード線に第1方向に向かう電流を流し、前
    記ビット線に第2方向に向かう電流を流して前記磁気抵
    抗素子にデータを記憶させた後に、前記ライトワード線
    に前記第1方向に対して逆方向に向かう電流を流し、前
    記ビット線に前記第2方向に対して逆方向に向かう電流
    を流すドライバとを具備し、 前記ライトワード線に前記第1方向に対して逆方向に向
    かう電流を流す期間と前記ビット線に前記第2方向に対
    して逆方向に向かう電流を流す期間は、時間的に重なら
    ないことを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ。
  10. 【請求項10】 前記ライトワード線に流れる前記第1
    方向に向かう電流の電流値と前記ライトワード線に流れ
    る前記第1方向に対して逆方向に向かう電流の電流値と
    は、互いに等しく、前記ビット線に流れる前記第2方向
    に向かう電流の電流値と前記ビット線に流れる前記第2
    方向に対して逆方向に向かう電流の電流値とは、互いに
    等しいことを特徴とする請求項9記載の磁気ランダムア
    クセスメモリ。
  11. 【請求項11】 前記ライトワード線に流れる電流の向
    きは、前記ライトワード線の2つの端部のうちの少なく
    とも1つの端部の電位を変化させることにより決定さ
    れ、前記ビット線に流れる電流の向きは、前記ビット線
    の2つの端部のうちの少なくとも1つの端部の電位を変
    化させることにより決定されることを特徴とする請求項
    9記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  12. 【請求項12】 ライトワード線と、 前記ライトワード線に交差する複数のビット線と、 前記ライトワード線と前記複数のビット線の交点に1つ
    ずつ配置され、前記ライトワード線に流れる電流及び前
    記複数のビット線に流れる電流により発生する磁場によ
    り変化する磁化の向きによりデータを記憶する複数の磁
    気抵抗素子と、 前記ライトワード線に第1方向に向かう電流を流し、前
    記複数のビット線のうち選択されたビット線に第2方向
    に向かう電流を流して、前記ライトワード線と前記選択
    されたビット線の交点に配置される磁気抵抗素子にデー
    タを記憶させた後に、前記ライトワード線に前記第1方
    向に対して逆方向に向かう電流を流し、前記選択された
    ビット線に前記第2方向に対して逆方向に向かう電流を
    流すドライバとを具備し、 前記ライトワード線に前記第1方向に対して逆方向に向
    かう電流を流す期間と前記選択されたビット線に前記第
    2方向に対して逆方向に向かう電流を流す期間は、時間
    的に重ならないことを特徴とする磁気ランダムアクセス
    メモリ。
  13. 【請求項13】 前記ライトワード線と前記選択された
    ビット線の交点に配置される磁気抵抗素子に対しては、
    1回のライトサイクルでデータライトを完了させ、前記
    ライトワード線に流す電流の向きは、1回のライトサイ
    クルごとに変化させることを特徴とする請求項12記載
    の磁気ランダムアクセスメモリ。
  14. 【請求項14】 前記ライトワード線と前記選択された
    ビット線の交点に配置される磁気抵抗素子に対しては、
    1回のライトサイクルでデータライトを完了させ、前記
    選択されたビット線に流す電流の向きは、1回のライト
    サイクル内において1回変化させることを特徴とする請
    求項12記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  15. 【請求項15】 前記ライトワード線と前記選択された
    ビット線の交点に配置される磁気抵抗素子にライトする
    データは、前記選択されたビット線に流れる電流の向き
    により決定されることを特徴とする請求項12記載の磁
    気ランダムアクセスメモリ。
  16. 【請求項16】 ライトワード線と、 前記ライトワード線に交差する複数のビット線と、 前記ライトワード線と前記複数のビット線に流れる電流
    により発生する磁場により変化する磁化の向きによりデ
    ータを記憶する複数の磁気抵抗素子と、 前記ライトワード線に第1方向に向かう電流を流し、前
    記複数のビット線のうち選択された第1ビット線に電流
    を流して、前記ライトワード線と前記選択された第1ビ
    ット線の交点に配置される磁気抵抗素子にデータを記憶
    させた後に、前記ライトワード線に前記第1方向に対し
    て逆方向に向かう電流を流すドライバとを具備し、 前記ライトワード線に前記第1方向に対して逆方向に向
    かう電流を流す期間に、前記選択された第1ビット線と
    は異なる第2ビット線に電流を流して、前記ライトワー
    ド線と前記第2ビット線に交点に配置される磁気抵抗素
    子にデータを記憶させることを特徴とする磁気ランダム
    アクセスメモリ。
  17. 【請求項17】 前記ライトワード線と前記第1又は第
    2ビット線との交点に配置される磁気抵抗素子に対して
    は、1回のライトサイクルでデータライトを完了させ、
    前記ライトワード線に流す電流の向きは、1回のライト
    サイクルごとに変化させることを特徴とする請求項16
    記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  18. 【請求項18】 前記ライトワード線と前記第1又は第
    2ビット線との交点に配置される磁気抵抗素子に対して
    は、1回のライトサイクルでデータライトを完了させ、
    前記第1又は第2ビット線に流す電流の向きは、1回の
    ライトサイクル内において1回変化させることを特徴と
    する請求項16記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  19. 【請求項19】 前記ライトワード線と前記第1又は第
    2ビット線の交点に配置される磁気抵抗素子にライトす
    るデータは、前記第1又は第2ビット線に流れる電流の
    向きにより決定されることを特徴とする請求項16記載
    の磁気ランダムアクセスメモリ。
  20. 【請求項20】 前記磁気抵抗素子は、2つの磁性層に
    より絶縁層を挟み込んだ構造を有することを特徴とする
    請求項1、5、9、12及び16のいずれか1項に記載
    の磁気ランダムアクセスメモリ。
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