JP2002195698A - ヒートポンプ用制御弁 - Google Patents

ヒートポンプ用制御弁

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JP2002195698A JP2001145344A JP2001145344A JP2002195698A JP 2002195698 A JP2002195698 A JP 2002195698A JP 2001145344 A JP2001145344 A JP 2001145344A JP 2001145344 A JP2001145344 A JP 2001145344A JP 2002195698 A JP2002195698 A JP 2002195698A
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    • F25B2309/06Compression machines, plants or systems characterised by the refrigerant being carbon dioxide
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
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    • F25B9/00Compression machines, plants or systems, in which the refrigerant is air or other gas of low boiling point
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  • Electrically Driven Valve-Operating Means (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 除霜運転用の冷媒回路及び電磁弁等を廃止す
る。 【解決手段】 超臨界ヒートポンプでは高圧側の冷媒圧
力が高いので、循環する冷媒の密度が高く、体積流量が
小さくても大きな質量流量を得ることができる。このた
め、ヒートポンプ運転時は勿論、除霜運転時において
も、フロン等を冷媒とする未臨界ヒートポンプに比べ
て、少ない体積流量にて必要とする熱量(質量流量)を
得ることができる。したがって、除霜運転時において必
要とする体積流量と、ヒートポンプ運転時に必要とする
体積流量との差が小さくなるので、弁体314の全スト
ローク寸法を第2テーパ部314bの長さより大きくす
ることで、制御弁300の最大流量を従来(除霜運転用
の冷媒回路及び電磁弁等を設けている場合)に比べて大
きくすれば、除霜運転用のバイパス回路及び電磁弁を設
けることなく、除霜運転時において必要とする体積流量
を確保することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧側の冷媒圧力
が冷媒の臨界圧力以上となるヒートポンプサイクル(以
下、超臨界ヒートポンプと呼ぶ。)に適用される、流量
制御用の制御弁であって、超臨界ヒートポンプにて温水
を生成する給湯器に用いて有効である。
【0002】
【従来の技術】超臨界ヒートポンプは勿論、高圧側の冷
媒圧力が冷媒の臨界圧力未満となるヒートポンプ(以
下、未臨界ヒートポンプと呼ぶ。)においても、低圧側
の熱交換器(室外器)にて大気中から熱を吸収するた
め、室外器内の冷媒温度を大気(外気)温度より下げる
必要がある。このため、冬期間のごとく、外気温度が低
いときには、室外器の表面温度が0℃以下となるため、
室外器の表面に霜が付着してしまう。
【0003】そこで、通常、室外器の表面に霜が付着し
たときには、圧縮機から吐出した高温の冷媒を室外器に
流入させて室外器の表面に付着した霜を除去する除霜運
転を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、除霜運転中
は、圧縮機から吐出した高温の冷媒を室外器に流入させ
るので、室外器にて大気中から熱を吸収すること(ヒー
トポンプ運転)することができない。そこで、通常、除
霜運転時には、ヒートポンプ運転時に比べて多量の冷媒
を循環させることにより、除霜運転時間を短くしてい
る。
【0005】このため、従来は、除霜運転用の冷媒回路
(圧縮機から吐出された冷媒を室内器を迂回して室外器
に導くバイパス回路)、及びこの冷媒回路を開閉する電
磁弁等を設けていたので、ヒートポンプを構成する部品
点数の低減を図ることが難しく、ヒートポンプの製造原
価低減を図ることが困難であった。
【0006】本発明は、上記点に鑑み、除霜運転用の冷
媒回路及び電磁弁等を廃止することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】超臨界ヒートポンプでは
高圧側の冷媒圧力が高いので、循環する冷媒の密度が高
く、体積流量が小さくても大きな質量流量を得ることが
できる。このため、ヒートポンプ運転時は勿論、除霜運
転時においても、フロン等を冷媒とする未臨界ヒートポ
ンプに比べて、少ない体積流量にて必要とする熱量(質
量流量)を得ることができる。
【0008】したがって、除霜運転時において必要とす
る体積流量と、ヒートポンプ運転時に必要とする体積流
量との差が小さくなるので、除霜運転用の冷媒回路(バ
イパス回路)及び電磁弁等を設けることなく、ヒートポ
ンプ運転時に冷媒流量を制御する制御弁の最大流量を従
来(除霜運転用の冷媒回路及び電磁弁等を設けている場
合)に比べて大きくすることで、除霜運転時において必
要とする体積流量を確保することができる。
【0009】そこで、請求項1に記載の発明では、弁体
(314)の可動可能な全ストローク寸法が、テーパ部
(314b)における前記弁体(314)の移動方向の
長さより大きくなるように設定されていることを特徴と
しているので、最大流量を従来より大きくすることがで
き、除霜運転用の冷媒回路及び電磁弁等を廃止しても、
除霜運転時において必要とする体積流量を確保すること
ができる。
【0010】また、請求項2に記載の発明では、弁口
(313)のうち弁体(314)側の端部には、弁体
(314)側に向かうほど弁口(313)の開口面積が
増大するテーパ部(313a)が形成されており、弁口
(313)を流通する冷媒流量が所定流量未満のときに
は、弁体(314)の先端(314e)が、テーパ部
(313a)のうち最も開口面積が小さくなる部位(3
13c)より開度が縮小する側に位置し、さらに、弁口
(313)を流通する冷媒流量が所定流量以上のときに
は、弁体(314)の先端(314e)が、テーパ部
(313a)のうち最も開口面積が小さくなる部位(3
13c)より開度が拡大する側に位置するように構成さ
れていることを特徴としているので、最大流量を従来よ
り大きくすることができ、除霜運転用の冷媒回路及び電
磁弁等を廃止しても、除霜運転時において必要とする体
積流量を確保することができる。
【0011】さらに、請求項3に記載の発明では、弁体
(314)の移動量に応じて弁口(313)を流通する
冷媒流量を制御する通常流量調節領域(A)と、弁体
(314)の移動量によらず、通常流量調節領域(A)
における最大流量より大きい流量を流通させる最大流量
領域(B)とを有するように構成されていることを特徴
としているので、最大流量を従来より大きくすることが
でき、除霜運転用の冷媒回路及び電磁弁等を廃止して
も、除霜運転時において必要とする体積流量を確保する
ことができる。
【0012】請求項4に記載の発明では、高圧側の冷媒
圧力が冷媒の臨界圧力以上となるヒートポンプサイクル
であって、冷媒を吸入圧縮する圧縮機(100)と、圧
縮機(100)から吐出する高圧冷媒を放冷する放熱器
(200)と、循環冷媒流量を制御するとともに、高圧
冷媒を減圧するヒートポンプ用制御弁(300)と、ヒ
ートポンプ用制御弁(300)から流出した冷媒を蒸発
させる蒸発器(400)とを備え、圧縮機(100)の
起動した時から所定時間が経過するまで、ヒートポンプ
用制御弁(300)の開度を所定開度以上とし、その
後、ヒートポンプ用制御弁(300)の開度を目標開度
まで縮小させるバルブ制御モードを有することを特徴と
する。
【0013】これにより、所定以上の開度を維持してい
る間に異物をヒートポンプ用制御弁(300)外に排出
することができるので、サイクル内に混入した異物が制
御弁300で詰まってしまうことを未然に防止すること
ができる。
【0014】請求項5に記載の発明では、高圧側の冷媒
圧力が冷媒の臨界圧力以上となるヒートポンプサイクル
であって、冷媒を吸入圧縮する圧縮機(100)と、圧
縮機(100)から吐出する高圧冷媒を放冷する放熱器
(200)と、請求項3に記載のヒートポンプ用制御弁
(300)と、ヒートポンプ用制御弁(300)から流
出した冷媒を蒸発させる蒸発器(400)とを備え、圧
縮機(100)の起動した時から所定時間が経過するま
で、ヒートポンプ用制御弁(300)の開度を最大流量
領域(B)に対応する開度とし、その後、通常流量調節
領域(A)に対応する開度にてヒートポンプ用制御弁
(300)の開度を制御するバルブ制御モードを有する
ことを特徴とする。
【0015】これにより、最大流量領域(B)に対応す
る開度を維持している間に異物をヒートポンプ用制御弁
(300)外に排出することができるので、サイクル内
に混入した異物が制御弁300で詰まってしまうことを
未然に防止することができる。
【0016】因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後
述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す
一例である。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)本実施形態は、
本発明に係る超臨界ヒートポンプ用の制御弁を、温水を
生成する給湯器に適用したものであって、図1は本実施
形態に係る給湯器の模式図である。
【0018】図1中、一転鎖線で囲まれた機器が超臨界
ヒートポンプを構成するものであり、100は冷媒(本
実施形態では、二酸化炭素)を吸入圧縮する圧縮機であ
り、本実施形態では、圧縮機構と圧縮機構を駆動する電
動モータ(駆動手段)とが一体となった電動式の圧縮機
を採用している。
【0019】200は圧縮機100から吐出した高温・
高圧の冷媒と給湯水とを熱交換して給湯水を加熱する給
湯用熱交換器(ガスクーラ、放熱器)であり、本実施形
態では、冷媒流れと給湯水流れとを対向流れとすること
により、給湯水と冷媒との熱交換効率を高めている。
【0020】300は、バルブ開度を調節することによ
り、ヒートポンプサイクル内を循環する冷媒流量及び圧
縮機100の吐出圧(高圧側圧力)を制御するととも
に、冷媒を減圧する制御弁であり、400は制御弁30
0にて減圧された低温・低圧の冷媒を蒸発させて外気
(大気)から熱を吸収する室外器(蒸発器)である。な
お、制御弁300の詳細は後述する。
【0021】500は室外器400から流出する冷媒を
液相冷媒と気相冷媒とに分離して気相冷媒を圧縮機10
0の吸入側に流出させるとともに、ヒートポンプサイク
ル中の余剰冷媒を蓄えるアキュムレータである。
【0022】また、600は給湯用熱交換器200にて
生成された高温の温水(給湯水)を保温貯蔵する保温タ
ンクであり、700は給湯水を循環ささせるポンプであ
る。
【0023】次に、制御弁300について述べる。
【0024】図2は制御弁300の断面図であり、31
0は、冷媒流路311を上流側空間311aと下流側空
間311bとに仕切る隔壁部312が形成されたステン
レス製のバルブボディであり、この隔壁部312には、
上流側空間311aと下流側空間311bと連通させる
弁口313が設けられている。
【0025】314は弁口313の開度(バルブ開度)
を調節する柱状のニードル弁体(以下、弁体と略す。)
であり、この弁体314の弁口313側端部には、図3
に示すように、弁口313側に向かうほど断面積が縮小
する第1、2テーパ部314a、314bが形成されて
いる。
【0026】なお、本実施形態では、第1テーパ部31
4aのテーパ比C(JIS B 0612参照)が、第
2テーパ部314bのテーパ比Cより大きくなるように
段付き状のテーパ部としている。
【0027】一方、弁口313のうち弁体314側の端
部には、弁体314側に向かうほど弁口313の開口面
積が増大する第1テーパ部313aが形成され、弁口3
13のうち弁体314と反対側(下流側空間311b
側)の端部には、下流側に向かうほど弁口313の開口
面積が増大する第2テーパ部313bが形成されてい
る。
【0028】因みに、弁口313の第1テーパ部313
aは、図4に示すように、弁口313を弁体314によ
り閉じた際に、弁体314の第1テーパ部314aに接
触して弁体314の座りを良くする弁座をとして機能す
るものである。
【0029】また、図2中、320は弁体314をその
長手方向に可動させるアクチュエータ部であり、このア
クチュエータ部320は、バルブボディ310に対して
回転することにより弁体314を可動させるロータ部3
21、及びロータ部321周りに所定の回転磁界を誘起
することによりロータ部321を回転させる励磁コイル
部322、ロータ部321の回転運動を弁体314の長
手方向の直線運動に変換する送りネジ部材323等から
なるステッピングモータ式のものである。
【0030】ここで、ロータ部321は、アルミニウム
にて成形された略円柱状のスリーブ321a、及びこの
スリーブ321aの外周側に接着された円筒状の永久磁
石(マグネット)321bからなるものである。
【0031】そして、スリーブ321aの略中央部に
は、円筒状の送りネジ部材323の外周部に形成された
ネジ部にネジ嵌合するネジ部が軸方向に延びて形成さ
れ、一方、送りネジ部材323はバルブボディ310に
カシメ固定されている。このため、ロータ部321が回
転すると、ロータ部321は回転しながら送りネジ部材
321の長手方向に直線的に移動する。
【0032】また、弁体314は、スリーブ321a内
をその軸方向に貫通するようにスリーブ321aに配設
された状態で、第1、2テーパ部314a、314bと
反対側の端部に装着された止め輪314cにより係止さ
れるようにスリーブ321aに吊り下げられている。
【0033】また、314dは、止め輪314cとスリ
ーブ321aとの接触面圧が上昇する向き(弁体314
を弁口313側に押し付ける向き)の弾性力を弁体31
4に作用させるコイルバネ(弾性体)であり、このコイ
ルバネ314d(の弾性力)により、ロータ部321が
回転しながら弁口313側に移動する際に、弁体314
をロータ部321に追従させて弁口313側に移動させ
ることができる。
【0034】なお、励磁コイル部322は、第1、2コ
イル322a、322b、磁路を構成する金属製のヨー
ク322c、及び第1、2コイル322a、322bに
パルス電流を供給する端子部322d等からなるもの
で、これれら322a〜322dは樹脂にてモールド固
定されている。
【0035】因みに、322eは、バルブボディ310
に形成された位置決め用の穴部310aに勘合する突起
部322fが形成されたバネ特性を有すL字状の位置決
めバネであり、この位置決めバネ322eは、Pネジに
て励磁コイル部322に固定されている。
【0036】また、330はロータ部321と励磁コイ
ル部322との間に所定の磁気ギャップを形成するとと
もに、ロータ部321側を収納する圧力隔壁を構成する
ステンレス製のカバーであり、このカバー330はバル
ブボディ310に溶接されている。
【0037】331、332はロータ部321がバルブ
ボディ310側に移動した際の最大移動量を規制するス
トッパであり、ロータ部321(スリーブ321a)に
圧入されたストッパ331とバルブボディ310に圧入
されたストッパ332とが衝突することによりロータ部
321の最大移動量が規制される。
【0038】そして、本実施形態では、弁体314の可
動可能な全ストローク寸法が、弁体314の第2テーパ
部314bの長さLより大きくなるように設定されてい
る。なお、第2テーパ部314bの長さLとは、図3に
示すように、第2テーパ部314bのうち弁体314の
長手方向と平行な方向、すなわち弁体314に移動方向
に測った寸法(テーパ比Cの分母寸法)である。
【0039】次に、本実施形態に係る給湯器及び制御弁
300の概略作動を述べる。
【0040】1.給湯器が停止しているとき給湯器が停
止しているときには、圧縮機100及びポンプ700を
停止させるとともに、図4に示すように、弁体314の
第1テーパ部314aを弁口313の第1テーパ部31
3aに密着させるようにして弁口313を閉じる。
【0041】2.給湯器を稼動させて温水を生成すると
き(通常流量調節領域)励磁コイル部322に所定数の
パルス電流を与えることにより、ロータ部321がその
パルス数に応じた回転角度だけ回転することにより、弁
体314がその長手方向に移動する。
【0042】このため、図5に示すように、弁体314
の第2テーパ部314bと弁口313との隙間面積(バ
ルブ開度)が変化することにより、弁口313を流通す
る冷媒流量が変化する。
【0043】このとき、バルブ開度は、給湯用熱交換器
200に流入する給湯水の温度と給湯用熱交換器200
から流出する冷媒の温度との差が所定の温度差ΔT(本
実施形態では、約10℃)となるように、弁体314の
先端314eが、弁口313の第1テーパ部313aの
うち最も開口面積が小さくなる部位313c(図3参
照)よりバルブ開度が縮小する側に位置する範囲内で制
御される。
【0044】3.除霜運転時(最大流量領域)給湯器を
稼動させて温水を生成しているときに、室外器400の
表面に霜が付着したときには、ポンプ700を停止させ
るとともに、図3に示すように、弁体314の先端31
4eが、弁口313の第1テーパ部313aのうち最も
開口面積が小さくなる部位313cよりバルブ開度が拡
大する側に位置する部位まで移動させる。
【0045】これにより、弁口313を流通する冷媒流
量が、バルブ開度(弁体314の移動量)によらず、弁
口313の開口面積によって決定する最大流量まで上昇
するとともに、圧縮機100から吐出した冷媒が、制御
弁300にて大きく減圧されることなく室外器400に
流入するので、室外器400の表面に付着した霜を融解
除去する。
【0046】なお、本実施形態では、外気温と室外器出
口冷媒温度との温度差が所定温度差より大きく、かつ、
外気温と室外器出口冷媒温度との温度差が所定温度差よ
り大きい状態が所定時間以上継続したときに霜が室外器
400の表面に付着したものとみなして、除霜運転を所
定時間だけ実行する。
【0047】ところで、図6は弁体314の移動量比
(全ストローク寸法に対する比率)と流量比(最大流量
に対する比率)との関係を示すグラフであり、Aに示す
領域が給湯器を稼動させて温水を生成するとき(通常流
量調節領域)の弁体314の移動量比を示しており、B
に示す領域が除霜運転時(最大流量領域)の弁体314
の移動量比を示している。
【0048】そして、このグラフからも明らかなよう
に、通常流量調節領域Aにおいては、弁体314の移動
量比の増減に応じて流量比が増減し、最大流量領域Bに
おいては、弁体314の移動量比の増減によらず、流量
比が最大流量比となることが判る。
【0049】次に、本実施形態の特徴(作用効果)を述
べる。
【0050】超臨界ヒートポンプでは高圧側の冷媒圧力
が高いので、循環する冷媒の密度が高く、体積流量が小
さくても大きな質量流量を得ることができる。このた
め、温水を生成するとき(通常流量調節領域)は勿論、
除霜運転時(最大流量領域)においても、フロン等を冷
媒とする未臨界ヒートポンプに比べて、少ない体積流量
にて必要とする熱量(質量流量)を得ることができる。
【0051】したがって、除霜運転時において必要とす
る体積流量と、温水生成時に必要とする体積流量との差
が小さくなるので、除霜運転用の冷媒回路(バイパス回
路)及び電磁弁等を設けることなく、温水生成時に冷媒
流量を制御する制御弁300の最大流量を従来(除霜運
転用の冷媒回路及び電磁弁等を設けている場合)に比べ
て大きくすることで、除霜運転時において必要とする体
積流量を確保することができる。
【0052】つまり、本実施形態のごとく、弁体314
の可動可能な全ストローク寸法が、弁体314の第2テ
ーパ部314bにおける弁体314の移動方向の長さL
より大きくなるように設定し、除霜運転時に、弁体31
4の先端314eが、弁口313の第1テーパ部313
aのうち最も開口面積が小さくなる部位313cよりバ
ルブ開度が拡大する側に位置する部位まで移動させれ
ば、通常流量調節領域Aにおける最大流量より大きい流
量を除霜運転時(最大流量領域)に流通させることがで
きるので、除霜運転用の冷媒回路及び電磁弁等を廃止し
て、除霜運転時において必要とする体積流量を確保する
ことができる。
【0053】(第2実施形態)本実施形態は、制御弁3
00の制御に関するもので、具体的には、図7に示すよ
うに、圧縮機100の起動した時から所定時間(本実施
形態では、60秒)が経過するまで、制御弁300の開
度を除霜運転時(最大流量領域)Bに対応する開度と
し、その後、通常流量調節領域A(温水生成運転)に対
応する開度にて制御弁300の開度を制御するウォーム
アップバルブ制御モード(以下、バルブ制御モードと略
す。)を設けたものである。
【0054】なお、図7、8の縦軸は制御弁300の開
度を制御するためのパルス数を示すもので、本実施形態
ではパルス数が大きくなるほど、開度が大きくなる。
【0055】次に、本実施形態の特徴(作用効果)を述
べる。
【0056】図8はバルブ制御モードを行わず、圧縮機
100が起動した時から直ちに通常流量調節領域A(温
水生成運転)に対応する開度にて制御弁300の開度を
制御する場合を示すチャートである。
【0057】そして、図7、8から明らかなように、圧
縮機100の起動と同時に制御弁300の開度を全開
(制御可能な開度の上限)まで開くが、図8に示すよう
に、バルブ制御モードを行わず、圧縮機100が起動し
た時から直ちに通常流量調節領域A(温水生成運転)に
対応する開度にて制御弁300の開度を制御すると、サ
イクル内に混入した異物が制御弁300で詰まってしま
うおそれがある。
【0058】これに対して、本実施形態では、圧縮機1
00の起動後、所定時間、開度が大きい除霜運転時(最
大流量領域)Bに対応する開度を維持するので、この開
度を維持している間に異物を制御弁300外に排出する
ことができる。したがって、サイクル内に混入した異物
が制御弁300で詰まってしまうことを未然に防止する
ことができる。
【0059】(その他の実施形態)上述の実施形態で
は、本発明に係るヒートポンプ用制御弁を給湯器に適用
したが、本発明はこれに限定されるものでなはく、空調
装置にも適用することができる。
【0060】また、上述の実施形態では、冷媒として二
酸化炭素を採用したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、例えばエチレン、エタン、酸化窒素等であっ
てもよい。
【0061】また、上述の実施形態では、パルス数によ
りアクチュエータ320の作動量を制御したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、電流値や電圧値等の
その他の電気制御信号値によりアクチュエータ320を
制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る給湯器の模式図で
ある。
【図2】本発明の第1実施形態に係る制御弁の断面図で
ある。
【図3】本発明の第1実施形態に係る制御弁の最大流量
領域における絞り部分の拡大図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る制御弁の給湯器停
止時における絞り部分の拡大図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る制御弁の通常流量
調節領域における絞り部分の拡大図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る制御弁の移動量比
(全ストローク寸法に対する比率)と流量比(最大流量
に対する比率)との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の第2実施形態に係る制御弁の制御チャ
ートを示す特性図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る制御弁の特徴を説
明するための特性図である。
【符号の説明】
300…制御弁、310…バルブボディ、313…弁
口、314…弁体、314a…第1テーパ部、314b
…第2テーパ部、320…アクチュエータ部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F25B 30/02 F25B 30/02 H 47/02 510 47/02 510J // F16K 31/04 F16K 31/04 Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上
    となるヒートポンプサイクルに適用され、冷媒流量を制
    御するヒートポンプ用制御弁であって、 冷媒流路(311)を上流側空間(311a)と下流側
    空間(311b)とに仕切る隔壁部(312)、及び前
    記隔壁部(312)に形成され、前記上流側空間(31
    1a)と前記下流側空間(311b)と連通させる弁口
    (313)を有するバルブボディ(310)と、 前記弁口(313)の開度を調節するとともに、前記弁
    口(313)側に向かうほど断面積が縮小するテーパ部
    (314b)を有する弁体(314)とを備え、 前記弁体(314)の可動可能な全ストローク寸法が、
    前記テーパ部(314b)における前記弁体(314)
    の移動方向の長さより大きくなるように設定されている
    ことを特徴とするヒートポンプ用制御弁。
  2. 【請求項2】 高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上
    となるヒートポンプサイクルに適用され、冷媒流量を制
    御するヒートポンプ用制御弁であって、 冷媒流路(311)を上流側空間(311a)と下流側
    空間(311b)とに仕切る隔壁部(312)、及び前
    記隔壁部(312)に形成され、前記上流側空間(31
    1a)と前記下流側空間(311b)と連通させる弁口
    (313)を有するバルブボディ(310)と、 前記弁口(313)の開度を調節する弁体(314)と
    を備え、 前記弁口(313)のうち前記弁体(314)側の端部
    には、前記弁体(314)側に向かうほど前記弁口(3
    13)の開口面積が増大するテーパ部(313a)が形
    成されており、 前記弁口(313)を流通する冷媒流量が所定流量未満
    のときには、前記弁体(314)の先端(314e)
    が、前記テーパ部(313a)のうち最も開口面積が小
    さくなる部位(313c)より前記開度が縮小する側に
    位置し、 さらに、前記弁口(313)を流通する冷媒流量が所定
    流量以上のときには、前記弁体(314)の先端(31
    4e)が、前記テーパ部(313a)のうち最も開口面
    積が小さくなる部位(313c)より前記開度が拡大す
    る側に位置するように構成されていることを特徴とする
    ヒートポンプ用制御弁。
  3. 【請求項3】 高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上
    となるヒートポンプサイクルに適用され、冷媒流量を制
    御するヒートポンプ用制御弁であって、 冷媒流路(311)を上流側空間(311a)と下流側
    空間(311b)とに仕切る隔壁部(312)、及び前
    記隔壁部(312)に形成され、前記上流側空間(31
    1a)と前記下流側空間(311b)と連通させる弁口
    (313)を有するバルブボディ(310)と、 前記弁口(313)の開度を調節する弁体(314)と
    を備え、 前記弁体(314)の移動量に応じて前記弁口(31
    3)を流通する冷媒流量を制御する通常流量調節領域
    (A)と、前記弁体(314)の移動量によらず、前記
    通常流量調節領域(A)における最大流量より大きい流
    量を流通させる最大流量領域(B)とを有するように構
    成されていることを特徴とするヒートポンプ用制御弁。
  4. 【請求項4】 高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上
    となるヒートポンプサイクルであって、 冷媒を吸入圧縮する圧縮機(100)と、 前記圧縮機(100)から吐出する高圧冷媒を放冷する
    放熱器(200)と、循環冷媒流量を制御するととも
    に、高圧冷媒を減圧するヒートポンプ用制御弁(30
    0)と、 前記ヒートポンプ用制御弁(300)から流出した冷媒
    を蒸発させる蒸発器(400)とを備え、 前記圧縮機(100)の起動した時から所定時間が経過
    するまで、前記ヒートポンプ用制御弁(300)の開度
    を所定開度以上とし、その後、前記ヒートポンプ用制御
    弁(300)の開度を目標開度まで縮小させるバルブ制
    御モードを有することを特徴とするヒートポンプサイク
    ル。
  5. 【請求項5】 高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上
    となるヒートポンプサイクルであって、 冷媒を吸入圧縮する圧縮機(100)と、 前記圧縮機(100)から吐出する高圧冷媒を放冷する
    放熱器(200)と、請求項3に記載のヒートポンプ用
    制御弁(300)と、 前記ヒートポンプ用制御弁(300)から流出した冷媒
    を蒸発させる蒸発器(400)とを備え、 前記圧縮機(100)の起動した時から所定時間が経過
    するまで、前記ヒートポンプ用制御弁(300)の開度
    を前記最大流量領域(B)に対応する開度とし、その
    後、前記通常流量調節領域(A)に対応する開度にて前
    記ヒートポンプ用制御弁(300)の開度を制御するバ
    ルブ制御モードを有することを特徴とするヒートポンプ
    サイクル。
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