JP2002195365A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
トロイダル型無段変速機Info
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- F16H—GEARING
- F16H61/00—Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
- F16H61/66—Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings
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- F16H61/6649—Friction gearings characterised by the means for controlling the torque transmitting capability of the gearing
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
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- Friction Gearing (AREA)
Abstract
径を大きくすることなく、入力ディスクと出力ディスク
との間のトルク容量を増加する。 【解決手段】 同一軸線上で互いに対向し、かつ、回転
自在に配置された入力ディスクおよび出力ディスク10
と、入力ディスクと出力ディスク10とにより挟み付け
られ、かつ、入力ディスクと出力ディスクとの間でトル
クを伝達する転動体と、入力ディスクおよび出力ディス
ク10に軸線方向の挟持力を与えることにより、入力デ
ィスクと出力ディスク10との間におけるトルク容量を
制御する油圧式のトルク容量制御機構とを備えたトロイ
ダル型無段変速機において、トルク容量制御機構が、出
力ディスク10に対して軸線方向の押圧力を別個に作用
させる複数の油圧室25,29およびピストン22を備
えている。
Description
出力ディスクとの間にトルクの伝達を媒介する転動体を
挟み込み、その転動体を介して各ディスクの間でトルク
を伝達するように構成されたトロイダル型(もしくはト
ラクション式)の無段変速機に関するものである。
配置された一対のディスクの間に円盤状のローラ(転動
体)を挟み込んだ構成のものである。この一対のディス
クの対向面のうち所定の半径より外側の部分には、一対
のディスクの対向面間に設定された点を中心とした円弧
形状の転動面が形成されている。この転動面は、各ディ
スクの円周方向に連続している。このように、一対のデ
ィスクにそれぞれ形成され、かつ、3次元方向に湾曲し
ている転動面がトロイダル面であって、その転動面同士
の間に、ローラが回転自在に挟み付けられている。
いて、外周部の厚さ方向に沿う断面形状が、各ディスク
の転動面の円弧形状に一致する円弧面とされた円盤体で
ある。したがって、一方のディスクを回転させることに
より、そのローラが回転し、それに伴って他方のディス
クが回転する。そして、ローラを傾けて、ローラと一方
のディスクおよび他方のディスクとの接触半径を調整す
ることにより、接触半径同士の比に応じた変速比が設定
される。
が、特表2000−507667号公報に記載されてい
る。この公報に記載されたトロイダル型無段変速機は、
相互に平行に配置された入力シャフトおよび出力シャフ
トを備えている。入力シャフト側には、2つの入力ディ
スクおよび2つの出力ディスクが設けられている。2つ
の入力ディスクは軸線方向に所定間隔をおいて配置され
ており、2つの入力ディスクの間に、2つの出力ディス
クが配置されている。2つの出力ディスクは、その転動
面が軸線方向の両側に位置する状態で一体的に構成され
ている。そして、入力ディスクと出力ディスクとの対向
面には、前記転動面がそれぞれ設けられている。
とは、軸線方向に相対移動可能に構成され、かつ、一体
回転するように構成されている。これに対して、他方の
入力ディスクと入力シャフトとは、軸線方向に相対移動
不可能に構成され、かつ、一体回転するように構成され
ている。一方の入力シャフトはシリンダ内に配置されて
おり、このシリンダ内には油圧室が形成されている。一
方、2つの出力ディスクと入力シャフトとは相対回転可
能に構成され、2つの出力シャフトのトルクを出力シャ
フトに伝達するチェーン駆動装置が設けられている。入
力ディスクと出力ディスクとの間にはローラが設けられ
ており、各ディスクに形成されている転動面により、ロ
ーラが挟み付けられている。
よびローラを経由して出力ディスクに伝達され、出力デ
ィスクに伝達されたトルクは、チェーン駆動装置を経由
して出力シャフトに伝達される。ここで、トルクの伝達
原理を具体的に説明すると、ローラと各転動面との接触
点の面圧が高圧となり、ローラと各転動面との間に存在
する潤滑油のせん断抵抗によりトルクが伝達される、い
わゆるトラクション伝動となっている。つまり、入力デ
ィスクと出力ディスクとの間におけるトルク容量は、ロ
ーラに対する各ディスクの押し付け力に比例して変化す
る。そして上記公報に記載されたトロイダル型無段変速
機においては、シリンダ内に形成された油圧室の油圧を
制御することにより、一方の入力ディスクを軸線方向に
移動させ、ローラに作用する各ディスクの押し付け力を
制御している。
ローラに作用する各ディスクの挟持力は、油圧室の油
圧、この油圧が作用する入力ディスクの背面の油圧作用
面積、潤滑油の特性に基づくトラクション係数などの条
件により決定される。より具体的には、入力ディスクと
出力ディスクとの間で伝達されるトルク、およびローラ
に作用する各ディスクの押し付け力は、例えば、式
(1)および式(2)により求められる。
ルクを意味し、μは、トラクション係数を意味し、r
は、入力シャフトの軸線を中心とするローラと転動面と
の接触部位の半径(すなわち接触径)を意味し、Fは、
ローラに作用する各ディスクの押し付け力を意味し、n
は、1つの入力ディスクと1つの出力ディスクとの間に
配置されているローラの数を意味し、θは、入力軸の軸
線とローラの軸線とのなす角度(すなわち傾き角)を意
味し、Aは、油圧が作用する入力ディスクの背面の断面
積を意味し、R1は、油圧が作用する入力ディスクの外
周の半径を意味し、r1は、油圧が作用する入力ディス
クの内周の半径を意味し、Pは、油圧室の油圧を意味し
ている。
ション係数の変更には限界があり、油圧室の油圧制御お
よびトラクション係数を同じ条件とした状態において、
入力ディスクと出力ディスクとの間のトルク容量を増加
するためには、入力ディスクの背面の油圧作用面積を拡
大、すなわち、入力ディスクの外径を大きくすなければ
ならなかった。その結果、変速機全体がディスクの半径
方向に大型化し、車両への搭載性が低下するという問題
があった。
なされたものであり、ディスク外径を大きくすることな
く、入力ディスクと出力ディスクとの間のトルク容量を
増加することのできるトロイダル型無段変速機を提供す
ることを目的とするものである。
的を達成するため請求項1の発明は、同一軸線上で互い
に対向し、かつ、回転自在に配置された入力ディスクお
よび出力ディスクと、この入力ディスクと出力ディスク
とにより挟み付けられ、かつ、前記入力ディスクと前記
出力ディスクとの間でトルクを伝達する転動体と、前記
入力ディスクおよび前記出力ディスクに前記軸線方向の
挟持力を与えることにより、前記入力ディスクと前記出
力ディスクとの間におけるトルク容量を制御する油圧式
のトルク容量制御機構とを備えたトロイダル型無段変速
機において、前記トルク容量制御機構が、1つのディス
クに対して、前記軸線方向の押圧力を別個に作用させる
複数の油圧室を備えていることを特徴とするものであ
る。
に対して軸線方向の押圧力を別個に作用させる複数の油
圧室」とは、同じディスクに対して、複数の油圧室から
押圧力が作用することを意味しており、複数の油圧室の
油圧が作用するディスクの数が「1つのみ存在する」と
いう意味ではない。したがって、油圧室の油圧に基づく
押圧力が作用するディスクが2つ以上設けられている無
段変速機も、請求項1の発明に含まれる。
入力ディスクおよび出力ディスクの軸線方向の挟持力が
高められて、入力ディスクと出力ディスクとの間におけ
るトルク容量が増加する。また、複数の油圧室の油圧に
基づく押圧力が1つのディスクに対して軸線方向に作用
するため、1つのディスクの外径を拡大する必要はな
い。
向し、かつ、回転自在に配置された入力ディスクおよび
出力ディスクと、この入力ディスクと出力ディスクとに
より挟み付けられ、かつ、前記入力ディスクと前記出力
ディスクとの間でトルクを伝達する転動体と、前記入力
ディスクおよび前記出力ディスクに前記軸線方向の挟持
力を与えることにより、前記入力ディスクと前記出力デ
ィスクとの間におけるトルク容量を制御する油圧式のト
ルク容量制御機構とを備えたトロイダル型無段変速機に
おいて、前記トルク容量制御機構が、油圧室の油圧が作
用する受圧部材と、この受圧部材に作用する押圧力を倍
力することにより、前記入力ディスクおよび前記出力デ
ィスクに前記軸線方向の挟持力を与える倍力機構とを備
えていることを特徴とするものである。
入力ディスクおよび出力ディスクの挟持力が高められ
て、入力ディスクと出力ディスクとの間におけるトルク
容量が増加する。また、油圧に基づく押圧力が倍力機構
により倍力されて、各ディスク同士の挟持力が高められ
るため、油圧が作用する受圧部材の外径を大きくする必
要はない。
施例に基づいて説明する。図2はこの発明の一実施例と
しての無段変速機1、より具体的には、ダブルキャビテ
ィ式であり、かつ、フルトロイダル型の無段変速機1を
示している。また図1は、無段変速機1の部分的な断面
図である。この無段変速機1の全体は、中空のハウジン
グ(図示せず)の内部に収容されている。無段変速機1
は、入力軸2および出力軸3を有しており、入力軸2と
出力軸3とは相互に平行に、かつ、水平に配置されてい
る。入力軸2は、ハウジング側に設けられた軸受(図示
せず)などにより、回転可能に、かつ、軸線方向に移動
不可能に保持されている。この入力軸2には、エンジン
などの駆動力源(図示せず)から出力された動力(言い
換えればトルク)が伝達される。また、出力軸3のトル
クが、動力伝達装置(図示せず)を経由して車輪(図示
せず)に伝達されるように構成されている。
ドプレート4が固定されており、エンドプレート4の内
周に設けられた軸受5およびその他の部材(図示せず)
などにより、出力軸3とハウジングとが相対回転可能
に、かつ、出力軸3とハウジングとが軸線方向に相対移
動不可能に構成されている。
は、スプロケット6が設けられている。この入力軸2と
スプロケット6とは一体回転する構成になっている。一
方、出力軸3における軸線方向のほぼ中央には、スプロ
ケット7が設けられている。スプロケット6およびスプ
ロケット7には、チェーン38が巻き掛けられている。
この出力軸3とスプロケット7とは相対回転可能に連結
されている。そして、スプロケット7における軸線方向
の両側には、入力ディスク8,9が固定されている。す
なわち、一対の入力ディスク8,9が互いに背中合わせ
に配置されている。この一対の入力ディスク8,9とス
プロケット7とは一体回転する。
の入力ディスク8,9に対向する位置には、出力ディス
ク10,11が設けられている。すなわち、一対の出力
ディスク10,11の間に、一対の入力ディスク8,9
が配置されている。言い換えれば、出力軸3の軸線方向
に、入力ディスク8,9および出力ディスク10,11
が直列に配置されている。出力ディスク11における入
力ディスク9とは反対側の側面は、出力軸3に設けられ
たフランジ39に接触している。
スク10,11は、従来のフルトロイダル型無段変速機
におけるディスクと同様に、互いに対向する転動面1
2,13がフルトロイダル面として形成されたディスク
である。この転動面12,13は、出力軸3の軸線A1
を中心として環状に形成されている。そして、各転動面
12,13は具体的には、以下のような形状を備えてい
る。
内における転動面12,13の断面形状は、入力ディス
ク9と出力ディスク11との間、および入力ディスク8
と出力ディスク10との間に別個に設定された点(図示
せず)を曲率中心として湾曲する一定半径の円弧となる
形状に構成されている。すなわち、各ディスク8,9,
10,11の半径方向において、各転動面12,13
は、その最内周部と最外周部との中間が最も窪んだ(後
退した)形状を備えている。言い換えれば、互いに対向
する入力ディスク8の転動面12と出力ディスク10の
転動面13との間隔、および入力ディスク9の転動面1
2と出力ディスク11の転動面13との間隔が、最内周
部と最外周部との中間の部分で最も広くなっている。
0との間、すなわち、転動面12と転動面13との間に
は、軸線A1を中心とする円周方向に所定間隔をあけ
て、パワーローラ14が複数配置されている。また、入
力ディスク9と出力ディスク11との間、すなわち、転
動面12と転動面13との間には、軸線A1を中心とす
る円周方向に所定間隔をあけて、パワーローラ15が複
数配置されている。
状の部材であって、各パワーローラ14,15は、軸線
B1を中心として回転可能に保持されている。また、軸
線A1を含む平面内において、軸線A1と軸線B1との
なす角度が変更な状態で、各パワーローラ14,15が
保持されている。さらに、パワーローラ14,15を、
軸線A1および軸線B1に直交する方向に前後動させる
アクチュエータ(図示せず)が設けられている。
線B1を含む平面内において、その外周断面形状が各転
動面12,13の曲率に一致する曲率の曲面に形成され
ている。そして、パワーローラ14の外周面と、入力デ
ィスク8の転動面12および出力ディスク10の転動面
13とが接触している。また、パワーローラ15の外周
面と、入力ディスク9の転動面12および出力ディスク
11の転動面13とが接触している。したがって、アク
チュエータによりパワーローラ14,15を軸線B1に
直交して前後動させると、転動面12,13とパワーロ
ーラ14,15との接触部位に作用するベクトルによ
り、パワーローラ14,15の軸線B1の傾きが変位し
て、軸線B1と軸線A1とのなす角度が変化し、パワー
ローラ14,15と転動面12,13との接触部位の半
径が調整される。
動面12,13との接触圧力を調整するトルク容量制御
機構の一具体例を、図1および図3に基づいて説明す
る。なお、各転動面12,13とパワーローラ14,1
5の外周面との間には、潤滑油が存在するため、各転動
面12,13とパワーローラ14,15の外周面とが直
接接触しない場合もあるが、この具体例においては、便
宜上、「接触」と記載する。
て、エンドプレート4と出力ディスク10との間には、
環状のドラム16が取り付けられている。また、出力軸
3の外周にはフランジ部3Aが形成されており、ドラム
16における出力ディスク10とは反対側の側面と、フ
ランジ部3Aとが接触することにより、ドラム16が軸
線方向、具体的には出力ディスク10から離れる方向に
移動することが規制される。このドラム16における出
力ディスク10側の側面には、軸線A1を中心とする環
状の凹部17が形成されている。この凹部17には、環
状の皿ばね18が配置されている。一方、出力軸3の外
周におけるドラム16と出力ディスク10との間には、
環状のプレート19が取り付けられている。出力軸3の
外周におけるドラム16と出力ディスク10との間には
段部34が形成されている。
側の側面と、段部34とが接触することにより、プレー
ト19がドラム16側に向けて軸線方向に移動すること
が規制される。前記出力ディスク10におけるドラム1
6側の側面には環状の凹部24が形成されており、この
凹部24内にプレート19が配置されている。出力ディ
スク10におけるドラム16側の背面には、凹部24に
臨み、かつ、軸線A1に直交する環状の側面24Bが形
成されている。また、プレート19には、軸線A1を中
心とする円周上に、所定間隔おきに孔20が3箇所形成
されている。各孔20は、プレート19を軸線方向に貫
通している。なお、プレート19の端面とドラム16の
端面とは接触している。
りもプレート19寄りの位置には、凹部17よりも外径
の大きい環状の凹部21が形成されている。この凹部2
1には、環状のピストン22が配置されている。このピ
ストン22における出力ディスク10側の側面には、図
3に示すように、同一円周上に所定間隔おきに突出部2
3が3つ形成されている。各突出部23の軸線方向の長
さは、プレート19の軸線方向の厚さよりも長く設定さ
れている。各突出部23は円柱形状に構成されている。
各突出部23の先端面は、出力ディスク10の側面24
Bに接触する。さらに、各突出部23はプレート19の
各孔20内に挿入されている。なお、軸線A1を中心と
する各突出部23の外接円(図示せず)は、プレート1
9の外径未満に設定されている。さらにまた、ピストン
22における凹部17側の背面には、軸線A1に直交す
る受圧面22Aが形成されている。
ラム16ならびにプレート19とが、軸線方向に相対移
動可能に構成されている。このピストン22は、皿ばね
18の弾性力により、出力ディスク10側に向けて軸線
方向に押圧されている。上記のように構成された出力軸
3の外周面とドラム16とピストン22とにより取り囲
まれた空間(主として、凹部17)により、油圧室25
が形成されている。
にはOリング26が設けられており、ドラム16の凹部
21の内周とピストン22の外周との間にはOリング2
7が設けられており、出力軸3の外周とピストン22の
内周との間にはOリング28が設けられている。これら
のOリング26,27,28により、油圧室25が液密
にシールされている。
面と出力ディスク10の凹部24の内壁面とにより取り
囲まれた空間により、油圧室29が形成されている。ま
た、出力ディスク10の内周と出力軸3の外周との間に
はOリング30が設けられており、プレート19の内周
と出力軸3の外周との間にはOリング31が設けられて
おり、プレート19の外周と出力ディスク10の凹部2
4の内周との間にはOリング32が設けられており、各
突出部23の外周と各孔20の内周との間にはOリング
33が設けられている。これらのOリング30,31,
32,33により、油圧室29が液密にシールされてい
る。
油路35が形成されている。この油路35は、電磁弁
(図示せず)などを経由してオイルポンプ(図示せず)
の吐出側に接続されている。このオイルポンプは前述の
駆動力源により駆動される。また、油路35に連通する
油路36,37が形成されている。この油路36は油圧
室25に連通され、油路37は油圧室29に連通されて
いる。なお、前述した駆動力源およびアクチュエータな
らびに電磁弁などを制御する電子制御装置(図示せず)
が設けられている。この電子制御装置には、各種の信号
が入力され、この信号および電子制御装置に記憶されて
いるデータに基づいて、駆動力源およびアクチュエータ
ならびに電磁弁などが制御される。
の無段変速機1に適用した場合の動作および制御を説明
する。駆動力源から入力軸2にトルクが伝達されると、
そのトルクはスプロケット6、チェーン38、スプロケ
ット7を経由して入力ディスク8,9に伝達される。一
方、電子制御装置に入力される信号に基づいて車両の走
行状態が判断され、その判断結果に基づいて無段変速機
1の目標変速比が算出される。この目標変速比の算出結
果に基づいて、アクチュエータが制御される。すると、
軸線A1と各ディスク14,15の軸線B1とのなす角
度が制御されるとともに、軸線A1を中心として、パワ
ーローラ14,15と転動面12,13との接触部位の
半径が制御される。このようにして、無段変速機1の変
速比が制御される。
ルクに応じて電磁弁が制御され、油圧室25,29の油
圧が制御される。まず、油圧室29の油圧が、側面24
Bの一部、具体的には各突出部23が接触している領域
を除く受圧面24Aに作用して、出力ディスク10を入
力ディスク8側に向けて出力軸3の軸線方向に押圧する
押圧力を生じさせる。また、皿ばね18の押圧力および
油圧室25の油圧により、ピストン22が出力ディスク
10側に向けて、出力軸3の軸線方向に押圧される。こ
のピストン22の動作により、突出部23から、出力デ
ィスク10を入力ディスク8側に向けて、出力軸3の軸
線方向に押圧する方向の押圧力が生じる。
ディスク8側に向けて、出力軸3の軸線方向に押圧され
ると、その押圧力はパワーローラ14を経由して入力デ
ィスク8,9に伝達されるとともに、入力ディスク9か
らパワーローラ15に伝達される。パワーローラ15に
伝達された押圧力が、出力ディスク11に伝達される
と、その押圧力がフランジ39により受け止められる。
その結果、出力ディスク11は、入力ディスク9から離
れる方向に移動することが、フランジ39により規制さ
れる。上記の作用により、各パワーローラ14,15
が、入力ディスク8,9と出力ディスク10,11とに
より軸線方向に挟持されて、各転動面12,13との接
触部位の面圧が高圧になるとともに、各パワーローラ1
4,15と各転動面12,13との間に存在する潤滑油
のせん断抵抗により、入力ディスク8,9および出力デ
ィスク10,11と、パワーローラ14,15との間で
トルクの伝達がおこなわれる。出力ディスク10,11
に伝達されたトルクは、出力軸3を経由して車輪に伝達
される。
無段変速機1に適用した場合において、入力ディスク
8,9および出力ディスク10,11と、パワーローラ
14,15との間におけるトルク容量を、主としてパワ
ーローラ14に基づき説明する。まず、油圧室29の油
圧に基づいて、出力ディスク10の受圧面24Aに作用
する押圧力F1は、以下の式(3)により求められる。
また、油圧室25の油圧に基づいて、ピストン22を介
して出力ディスク10の側面24Bに作用する押圧力F
2は、以下の式(4)により求められる。そして、出力
ディスク10からパワーローラ14に作用する押圧力F
3は、式(5)により求められる。
意味し、A1は、軸線A1に直交する平面内において、
油圧室25の油圧が作用する受圧面22Aの面積、A2
は、出力ディスク10の側面24B全体の面積を意味
し、A3は、軸線A1に直交する平面内において、1つ
の突出部23の先端の面積を意味し、n1は突出部23
の数を意味し、R2は、側面24Bの外周の半径を意味
し、r2は、側面24Bの内周の半径を意味し、R3
は、受圧面22Aの外周の半径を意味し、r3は、受圧
面22Aの内周の半径を意味し、r4は、突出部23の
半径を意味している。なお、油圧室25,29の油圧は
同じに制御されてる。さらに、皿ばね18からもピスト
ン22に押圧力が作用するが、式(5)においては、こ
の押圧力を便宜上省略している。
図2の無段変速機1に適用した場合は、油圧室29の油
圧に対応する押圧力F1と、油圧室25の油圧に対応す
る押圧力F2との合成である押圧力F3が、出力ディス
ク10に作用する。すなわち、押圧力F3に関与する受
圧面積が可及的に増加している。この押圧力F3は、入
力ディスク8,9およびパワーローラ15にも伝達され
る。したがって、入力ディスク8,9および出力ディス
ク10,11と、パワーローラ14,15との間におけ
るトルク容量を、可及的に増加することができる。
基づく押圧力が合成されて、出力ディスク10に作用し
ている。言い換えれば、軸線方向に配置された2つの受
圧面22A,24Aに作用する油圧に相当する押圧力
が、出力ディスク10に作用している。そして、受圧面
22A,24Aの面積は、出力ディスク10の側面の面
積よりも広い。つまり、出力ディスク10の側面24B
の面積、すなわち、出力ディスク10の外径を大きくす
ることなく、入力ディスク8,9および出力ディスク1
0,11と、パワーローラ14,15との間におけるト
ルク容量を増加することができる。したがって、無段変
速機1が出力軸3の半径方向に大型化することを抑制で
き、無段変速機1の車載性が向上する。
と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、パワー
ローラ14,15がこの発明の転動体に相当し、ドラム
16、凹部17,21,24、皿ばね18、油圧室2
5,29、ピストン22、受圧面22A,24A、突出
部23、側面24B、プレート19、孔20などの構成
が、この発明のトルク容量制御機構に相当する。
ルク容量制御機構の他の具体例を示す断面図である。図
4においては、出力ディスク10であって、転動面13
とは反対側の側面に、図5に示す環状の突出部40が形
成されている。この突出部40は、軸線A1を中心とし
て配置されている。また、出力軸3の外周には環状のド
ラム41が固定されている。ドラム41と、出力ディス
ク10における転動面13とは反対側の側面とが対向し
ている。ドラム41には、出力ディスク10側に向けて
軸線方向に延ばされた円筒部42が形成されている。こ
の円筒部42の内側に出力ディスク10が配置されてい
る。
0側の面には、軸線A1を中心とする環状の凹部43が
形成されている。この凹部43には、環状のピストン4
4が軸線方向に移動自在に配置されている。そして、ピ
ストン44の内周面および外周円筒部54と、凹部43
の内周壁および外周壁との間には、Oリング45,46
が設けられている。このようにして、凹部43の壁面と
ピストン44の側面とにより取り囲まれた空間に油圧室
47が形成され、Oリング45,46により油圧室47
が液密にシールされている。出力軸3の内部にはその軸
線方向に沿って油路48が設けられている。油路48
は、電磁弁(図示せず)を介してオイルポンプの吐出側
に接続されている。また、ドラム41には油圧室47に
連通する油路49が形成され、油路47と油路49とが
油路50により接続されている。
環状の保持面51が形成されている。また、円筒部42
の内周にはスナップリング52が取り付けられており、
円筒部42内には環状の皿ばね53が設けられている。
この皿ばね53の外周端が、保持面51とスナップリン
グ52との間に配置されて、皿ばね53の外周端の一方
の側面(出力ディスク10とは反対側の側面)と、保持
面51とが接触して接触部C1を形成する。この皿ばね
53の内径は、ピストン44の外周円筒部54の外径R
5よりも小さく設定されている。つまり、皿ばね53の
内周側の一方の側面と、外周円筒部54の端面とが接触
して、接触部D1を形成する。また、皿ばね53の他方
の側面(出力ディスク10の側面)と、出力ディスク1
0の突出部40とが接触して、接触部E1を形成する。
このようにして、接触部D1よりも外周側に接触部E1
が形成され、接触部E1よりも外周側に接触部C1が形
成される。なお、図4において、aは、半径方向におけ
る接触部E1と接触部C1との距離を意味し、bは、半
径方向における接触部D1と接触部C1との距離を意味
している。ここで、距離aと距離bとの対応関係は、 b−a>a に設定されている。なお、外周円筒部54を含むピスト
ン44であって、油圧室47に臨む背面が、受圧面44
Aを形成している。
速機1に適用した場合の動作を説明する。まず、入力デ
ィスク8,9に伝達されるトルクに応じて電磁弁が制御
され、油圧室47の油圧が調整される。そして、油圧室
47の油圧の上昇により、ピストン44が出力ディスク
10側に向けて軸線方向に押圧される。すると、この押
圧力は皿ばね53を介して出力ディスク10に伝達され
る。具体的に説明すると、ピストン44が軸線方向に押
圧されると、外周側円筒部54が皿ばね53の内周端を
出力ディスク10側に向けて軸線方向に押圧する。この
ため、接触部D1に入力された押圧力が、接触部C1を
支点とし、接触部D1を力点とし、接触部E1を作用点
とする梃子の原理により増幅されて、出力ディスク10
に伝達される。すなわち、油圧室47の油圧によりピス
トン44に作用する推力(押圧力)F4は、式(6)に
より求められ、皿ばね53から出力ディスク10に伝達
される押圧力F5は、式(7)により求められる。
し、A4は、油圧室47の油圧が作用するピストン44
の受圧面44Aの面積を意味し、R5は、ピストン44
(外周円筒部54)の外周面の半径を意味し、r5は、
ピストン44の内周面の半径を意味し、αは、梃子の原
理による増倍比(=b/a)を意味している。
図1の無段変速機1に適用すれば、油圧室47の油圧に
基づいてピストン44に作用する押圧力を、梃子の原理
により増幅して出力ディスク10に伝達することによ
り、入力ディスク8,9および出力ディスク10,11
と、パワーローラ14,15との間におけるトルク容量
を、可及的に増加することができる。したがって、油圧
室47の油圧が作用するピストン44の受圧面が半径方
向に大型化することを抑制でき、車両に対する無段変速
機1の搭載性が向上する。
成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、油圧
室47、ピストン44、受圧面44A、外周円筒部5
4、皿ばね53、スナップリング52、突起40、保持
面51などの構成が、この発明のトルク容量制御機構に
相当し、ピストン44、外周円筒部54がこの発明の受
圧部材に相当し、皿ばね53、スナップリング52、突
起40、保持面51などの構成が、この発明の倍力機構
に相当する。
は、入力ディスク8,9および出力ディスク10,11
と、パワーローラ14,15との間におけるトルク容量
を増加する場合に、油圧室25,29または油圧室47
の油圧への依存程度を少なくすることができる。したが
って、油圧室25,29,47の油圧の元圧を発生させ
る電磁弁に接続されたオイルポンプの吐出量の増加を抑
制することができ、このオイルポンプを駆動する駆動力
源の燃費を向上させることができる。
個のパワーローラ14,15を収容する空間であるキャ
ビティを備えたダブルキャビティ式の無段変速機である
が、キャビティを1つ備えたシングルキャビティ式の無
段変速機に対して、この発明を適用することもできる。
さらに、ハーフトロイダル式の無段変速機に対して、こ
の発明を適用することもできる。また、図2に示す無段
変速機1において、入力軸と出力軸との間のトルク伝達
を、チェーンに代えてギヤでおこなう構成とすることも
できる。
よれば、転動体に対する入力ディスクおよび出力ディス
クの軸線方向の挟持力が高められて、入力ディスクと出
力ディスクとの間におけるトルク容量が増加する。ま
た、複数の油圧室の油圧に基づく押圧力が合成され、合
成された押圧力が1つのディスクに対して軸線方向に作
用するため、1つのディスクの外径を拡大する必要がな
い。したがって、軸線の半径方向にディスクが大型化す
ることを抑制でき、トロイダル型無段変速機の車載性が
向上する。
入力ディスクおよび出力ディスクの挟持力が高められ
て、入力ディスクと出力ディスクとの間におけるトルク
容量が増加する。また、油圧に基づく押圧力が倍力機構
により倍力されて、各ディスク同士の挟持力が高められ
るため、油圧が作用する受圧部材の外径を大きくする必
要はない。したがって、軸線の半径方向にディスクが大
型化することを抑制でき、トロイダル型無段変速機の車
載性が向上する。
用されるトルク容量制御機構を示す側面図である。
成を示す略示的な断面図である。
トルク容量制御機構の他の具体例を示す側面図である。
ク、 10,11…出力ディスク、 14,15…パワ
ーローラ、 16…ドラム、 17,21,24…凹
部、 18,53…皿ばね、 19…プレート、 20
…孔、 22,44…ピストン、 22A,24A,4
4A…受圧面、 23…突出部、 24B…側面、 2
5,29,47…油圧室、 40…突起、 51…保持
面、 52…スナップリング、 54…外周円筒部、
A1…軸線。
Claims (2)
- 【請求項1】 同一軸線上で互いに対向し、かつ、回転
自在に配置された入力ディスクおよび出力ディスクと、
この入力ディスクと出力ディスクとにより挟み付けら
れ、かつ、前記入力ディスクと前記出力ディスクとの間
でトルクを伝達する転動体と、前記入力ディスクおよび
前記出力ディスクに前記軸線方向の挟持力を与えること
により、前記入力ディスクと前記出力ディスクとの間に
おけるトルク容量を制御する油圧式のトルク容量制御機
構とを備えたトロイダル型無段変速機において、 前記トルク容量制御機構が、1つのディスクに対して、
前記軸線方向の押圧力を別個に作用させる複数の油圧室
を備えていることを特徴とするトロイダル型無段変速
機。 - 【請求項2】 同一軸線上で互いに対向し、かつ、回転
自在に配置された入力ディスクおよび出力ディスクと、
この入力ディスクと出力ディスクとにより挟み付けら
れ、かつ、前記入力ディスクと前記出力ディスクとの間
でトルクを伝達する転動体と、前記入力ディスクおよび
前記出力ディスクに前記軸線方向の挟持力を与えること
により、前記入力ディスクと前記出力ディスクとの間に
おけるトルク容量を制御する油圧式のトルク容量制御機
構とを備えたトロイダル型無段変速機において、 前記トルク容量制御機構が、油圧室の油圧が作用する受
圧部材と、この受圧部材に作用する押圧力を倍力するこ
とにより、前記入力ディスクおよび前記出力ディスクに
前記軸線方向の挟持力を与える倍力機構とを備えている
ことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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