JP2011043239A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 給油ポンプを駆動する事に伴う動力損失を低く抑えられるダブルピストン型の構造で、フレッチング摩耗の発生を防止できる構造を実現する。
【解決手段】 第一ピストン26aの内周縁部に設けた内径側円筒部66の先端面を、入力側ディスク10aの外側面の内径寄り部分に突き当てる。又、この入力側ディスク10aの外側面外径側端部に設けた第二シリンダハウジング29の先端縁と、上記第一ピストン26aの側面外径寄り部分とを互いに離隔させる。更に、この第一ピストン26aを油密に貫通した伝達ロッド71、71の両端面を、第二ピストン30aの軸方向片側面と第一シリンダハウジング25の底板部33とに突き当てる。上記内径側円筒部66の先端面と上記入力側ディスク10aの外側面の内径寄り部分との突き当て部は、この入力側ディスク10aの弾性変形に拘らず、微小変位しにくい為、上記課題を解決できる。
【選択図】 図1

Description

この発明に係るトロイダル型無段変速機は、単独で、或は遊星歯車式変速機等の他の変速機と組み合わされ、自動車用自動変速装置として、或はポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の変速装置として利用する。
自動車用変速機としてトロイダル型無段変速機を使用する事が、例えば非特許文献1、2に記載される等により従来から広く知られ、又、一部で実施されている。又、変速比の変動幅をより大きくすべく、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とを組み合わせた無段変速装置も、例えば特許文献1に記載される等により従来から広く知られている。トロイダル型無段変速機の場合、入力側、出力側両ディスクの内側面と各パワーローラの周面との転がり接触部(トラクション部)の面圧を確保する為に、上記両ディスク同士を押し付け合う為の押圧装置が必要になる。この様な押圧装置として従来実施されているものは、機械式のローディングカム装置であった。この様なローディングカム装置は、簡単に構成できる代わりに、押圧力の調節は、伝達すべきトルクの大きさに応じてしか行なわれない。従って、トロイダル型無段変速機の伝達効率及び耐久性向上の面からは、改良の余地がある。この様な事情に鑑みて、上記押圧力を油圧式とする事が、上記特許文献1の他、特許文献2〜5に記載される等により、やはり従来から広く知られている。
図9〜11は、従来構造の1例として、上記特許文献1に記載された無段変速装置を示している。この無段変速装置は、本発明の対象となるトロイダル型無段変速機1と、遊星歯車式変速機2とを組み合わせて成り、入力軸3と出力軸4とを有する。図示の例では、これら入力軸3と出力軸4との間に、上記トロイダル型無段変速機1の入力回転軸5と伝達軸6とを、これら両軸3、4と同心に設けている。そして、上記遊星歯車式変速機2のうちの前段ユニット7と中段ユニット8とを上記入力回転軸5と上記伝達軸6との間に掛け渡す状態で、後段ユニット9をこの伝達軸6と上記出力軸4との間に掛け渡す状態で、それぞれ設けている。
上記トロイダル型無段変速機1は、1対の入力側ディスク10a、10bと、一体型の出力側ディスク11と、複数のパワーローラ12、12とを備える。このうちの一方(図9の左方)の入力側ディスク10aが特許請求の範囲に記載した第一ディスクに、上記出力側ディスク11が同じく第二ディスクに、それぞれ相当する。そして、上記1対の入力側ディスク10a、10bは、上記入力回転軸5を介して互いに同心に、且つ、同期した回転を自在として結合されている。又、上記出力側ディスク11は、上記両入力側ディスク10a、10b同士の間に、これら両入力側ディスク10a、10bと同心に、且つ、これら両入力側ディスク10a、10bに対する相対回転を自在として支持されている。更に、上記各パワーローラ12、12は、上記出力側ディスク11の軸方向両側面と上記両入力側ディスク10a、10bの軸方向片側面との間に、それぞれ複数個(本例の場合は2個)ずつ挟持されている。そして、これら両入力側ディスク10a、10bの回転に伴って回転しつつ、これら両入力側ディスク10a、10bから上記出力側ディスク11に動力を伝達する。
上記出力側ディスク11はその軸方向両端部を、ケーシング13内に、それぞれ1対ずつの支柱14、14と、スラストアンギュラ玉軸受である転がり軸受15、15とにより、回転自在に支持している。又、上記両支柱14、14の両端部近傍に設けた、各支持ポスト部16a、16bのうち、下側の支持ポスト部16a、16aに、1対の支持板17a、17bのうちの下側の支持板17aを支持している。又、上側の支持ポスト部16b、16bに、上記1対の支持板17a、17bのうちの上側の支持板17bを支持している。
この様にして設けた上記両支持板17a、17b同士の間には、それぞれが特許請求の範囲に記載した支持部材に相当する複数のトラニオン18、18の両端部に互いに同心に設けられた枢軸19、19を、揺動及び軸方向(図9〜10の上下方向)の変位を可能に支持している。そして、上記各トラニオン18、18の内側面(互いに対向する面)に前記各パワーローラ12、12を、それぞれ支持軸20、20並びに複数組の転がり軸受を介して、回転並びに前記入力回転軸5の軸方向に関する若干の変位を自在に支持している。そして、上記各パワーローラ12、12の周面21と、上記両入力側ディスク10a、10bの入力側面22、22及び上記出力側ディスク11の出力側面23、23とを転がり接触させている。
前記トロイダル型無段変速機1に変速動作を行なわせる際には、上記両支柱14、14の下端部を結合固定したアクチュエータボディー35に内蔵した、各油圧式のアクチュエータ36、36により、上記各トラニオン18、18を上記各枢軸19、19の軸方向に変位させる。この結果、上記各面21、22、23同士の転がり接触部でサイドスリップが発生し、上記各トラニオン18、18が上記各枢軸19、19を中心として揺動する。そして、上記各ディスク10a、10b、11の径方向に関する、上記各転がり接触部の位置が変化し、上記両入力側ディスク10a、10bと上記出力側ディスク11との間の変速比が変化する。尚、上記各アクチュエータ36、36への圧油の給排は、上記アクチュエータボディー35の下方に設けたバルブボディー37に内蔵した制御弁の切換により行なう。
又、図示の無段変速装置の場合、前記入力回転軸5の基端部(図9の左端部)を図示しないエンジンのクランクシャフトに、前記入力軸3を介して結合し、このクランクシャフトにより上記入力回転軸5を回転駆動する様にしている。この為に、上記入力軸3側に設けた係合突片38、38と、上記入力回転軸5の基端部外周面に形成した鍔部39に形成した係合凹部40、40とを凹凸係合させている。
又、上記両入力側ディスク10a、10bの軸方向片側面(入力側面22、22)及び上記出力側ディスク11の軸方向両側面(出力側面23、23)と前記各パワーローラ12、12の周面21、21との転がり接触部(トラクション部)に適正な面圧を付与する。この為に、上記両入力側ディスク10a、10bのうちの基端寄り(図9の左寄り)の入力側ディスク10aを上記入力回転軸5に対し、ボールスプライン41により、同期した回転を確保しつつ、軸方向の変位を可能に支持している。そして、上記入力回転軸5の基端部と上記入力側ディスク10aとの間に、油圧式の押圧装置24を設けている。この押圧装置24は、1対のピストンを力の伝達方向に関して互いに並列に配置した、所謂ダブルピストン型と呼ばれる構造を有する。この様な押圧装置24は、図11に詳示する様に、第一シリンダハウジング25と、第一ピストン26と、第一油圧室27と、第一圧油給排路28と、第二シリンダハウジング29と、第二ピストン30と、第二油圧室31と、第二圧油給排路32とを備える。
このうちの第一シリンダハウジング25は、底板部33及び円筒部34を備えた丸鉢状(シャーレ状)で、上記入力回転軸5の基端部に、油密を確保できる様に、締り嵌めで外嵌している。又、この状態で、上記底板部33の外側面内径寄り部分を上記鍔部39に突き当て、上記第一シリンダハウジング25が上記入力側ディスク10aから遠ざかる方向に変位しない様にしている。同時に、上記第一油圧室27内への圧油送り込みに伴って上記第一シリンダハウジング25に図9、11の左向きに加わるスラスト力を、上記入力回転軸5に伝達自在としている。
又、上記第一ピストン26は、全体を円輪状に形成されており、上述の様な第一シリンダハウジング25を構成する上記円筒部34の内周面と、上記入力回転軸5の基端寄り中間部外周面との間に、油密に、且つ、軸方向(図9、11の左右方向)の変位を可能に、油密に嵌装している。この為に、上記第一ピストン26の内周縁と上記入力回転軸5の外周面との間に第一内径側シールリング42を、この第一ピストン26の外周縁と上記円筒部34の内周面との間に第一外径側シールリング43を、それぞれ設けている。上記第一油圧室27は、この様に組み合わされた、上記第一シリンダハウジング25と上記第一ピストン26との間に設けられている。そして、上記入力回転軸5の基端寄り部分で上記第一油圧室27の内径側に対向する部分に設けた、前記第一圧油給排路28により、この第一油圧室27内に圧油を給排自在としている。
又、前記第二シリンダハウジング29は、円筒状で、上記入力側ディスク10aの外周縁部にこの入力側ディスク10aの外側面側(図9、11の左側)に突出する状態で設けられている。図示の例では、上記第二シリンダハウジング29を上記入力側ディスク10aの外側面の外周縁部に、この入力側ディスク10aと一体に形成している。前記第二ピストン30は、断面L字形で全体を円輪状に形成されており、上記入力回転軸5の中間部に油密に外嵌した状態で、上述の様な第二シリンダハウジング29の内径側に油密に、且つ、この第二シリンダハウジング29に対する軸方向の変位を可能に嵌装している。この為に、上記第二ピストン30の内周縁部に形成した円筒部48を上記入力回転軸5の中間部に締り嵌めで外嵌すると共に、この円筒部48の軸方向一端部をこの入力回転軸5の中間部に形成した段差部49に突き当てている。
又、上記円筒部48の外周面と上記入力側ディスク10aの内周面との間に第二内径側シールリング44を、上記第二ピストン30の外周縁と上記第二シリンダハウジング29の内周面との間に第二外径側シールリング45を、それぞれ設けている。前記第二油圧室31は、上記第二シリンダハウジング29の内径側で、上記入力側ディスク10aの外側面と上記第二ピストン30との間に設けられている。そして、上記入力回転軸5の中間部で上記第二油圧室31の内径側に対向する部分に設けた、前記第二圧油給排路32により、この第二油圧室31内に圧油を給排自在としている。尚、上記第二シリンダハウジング29の先端縁は、上記第一ピストン26に突き当てている。
尚、この第二圧油給排路32と上記第一圧油給排路28とは、上記入力回転軸5の中心孔46と図示しない油圧制御弁とを介して、前記ケーシング13の隔壁部47内に設けた給油ポンプ(図示省略)の吐出口に通じている。前記トロイダル型無段変速機1の運転時には、上記油圧制御弁の切換に基づいて、前記第一油圧室27と上記第二油圧室31とに、所定圧の圧油を送り込む。そして、これら両油圧室27、31内に、これら両油圧室27、31の軸方向寸法が増大する方向の力を惹起させる。これら両油圧室27、31部分で発生した力は、何れも、上記入力側ディスク10aを前記出力側ディスク11に向け押圧すると共に、上記入力回転軸5を基端側(図9、11の左側)に引っ張り、他方の入力側ディスク10bを上記出力側ディスク11に押圧する方向の力として加わる。この為、前記押圧装置24の外径を小さく抑えつつ、上記両入力側ディスク10a、10bを上記出力側ディスク11に押圧する力を大きくできる。或は、必要とする押圧力を得る為に必要とする油圧を低く抑えられる為、上記給油ポンプの駆動に要する動力を低く抑えて、この給油ポンプを駆動する事に伴う動力損失を低く抑えられる。
尚、上記第一油圧室27内に、前記第一シリンダハウジング25と前記第一ピストン26とに互いに離れる方向の弾性力を付与する予圧ばね50を設けて、上記各油圧室27、31内に油圧が導入されていない状態でも、前記各トラクション部に動力伝達の為に必要な最低限以上の押し付け力を付与すると共に、同じく圧油が供給されない状態で構成部材同士ががたつくのを防止している。
又、上記出力側ディスク11に、中空回転軸51の基端部(図9の左端部)をスプライン係合させている。そして、この中空回転軸51を、エンジンから遠い側(図9の右側)の入力側ディスク10bの内側に挿通して、上記出力側ディスク11の回転力を取り出し自在としている。更に、上記中空回転軸51の先端部(図9の右端部)で上記入力側ディスク10bの外側面から突出した部分に、前記遊星歯車式変速機2の前段ユニット7を構成する為の、第一太陽歯車52を固設している。
一方、前記入力回転軸5の先端部(図9の右端部)で上記中空回転軸51から突出した部分と上記入力側ディスク10bとの間に、第一キャリア53を掛け渡す様に設けて、この入力側ディスク10bと上記入力回転軸5とが、互いに同期して回転する様にしている。そして、上記第一キャリア53の軸方向両側面の円周方向等間隔位置(一般的には3〜4個所位置)に、それぞれがダブルピニオン型である上記遊星歯車式変速機2の前段ユニット7及び前記中段ユニット8を構成する為の遊星歯車54〜56を、回転自在に支持している。更に、上記第一キャリア53の片半部(図9の右半部)周囲に第一リング歯車57を、回転自在に支持している。
上記各遊星歯車54〜56のうち、前記トロイダル型無段変速機1寄り(図9の左寄り)で上記第一キャリア53の径方向に関して内側に設けた遊星歯車54は、上記第一太陽歯車52に噛合している。又、上記トロイダル型無段変速機1から遠い側(図9の右側)で上記第一キャリア53の径方向に関して内側に設けた遊星歯車55は、前記伝達軸6の基端部(図9の左端部)に固設した、第二太陽歯車58に噛合している。又、上記第一キャリア53の径方向に関して外側に設けた、残りの遊星歯車56は、上記内側に設けた遊星歯車54、55よりも軸方向寸法を大きくして、これら両遊星歯車54、55に噛合させている。更に、上記残りの遊星歯車56と上記第一リング歯車57とを、互いに噛合させている。
一方、前記後段ユニット9を構成する為の第二キャリア59を、前記出力軸4の基端部(図9の左端部)に結合固定している。そして、この第二キャリア59と上記第一リング歯車57とを、低速用クラッチ60を介して結合している。又、上記伝達軸6の先端寄り(図9の右端寄り)部分に第三太陽歯車61を固設している。又、この第三太陽歯車61の周囲に、第二リング歯車62を配置し、この第二リング歯車62と前記ケーシング13等の固定の部分との間に、高速用クラッチ63を設けている。更に、上記第二リング歯車62と上記第三太陽歯車61との間に配置した複数組の遊星歯車64、65を、上記第二キャリア59に回転自在に支持している。これら各遊星歯車64、65は、互いに噛合すると共に、上記第二キャリア59の径方向に関して内側に設けた遊星歯車64を上記第三太陽歯車61に、同じく外側に設けた遊星歯車65を上記第二リング歯車62に、それぞれ噛合している。
上述の様に構成する無段変速装置の場合、入力回転軸5から1対の入力側ディスク10a、10b、各パワーローラ12、12を介して一体型の出力側ディスク11に伝わった動力は、前記中空回転軸51を通じて取り出される。そして、前記低速用クラッチ60を接続し、上記高速用クラッチ63の接続を断った状態では、前記トロイダル型無段変速機1の変速比を変える事により、上記入力回転軸5の回転速度を一定にしたまま、前記出力軸4の回転速度を、停止状態を挟んで正転、逆転に変換自在となる。
即ち、この状態では、上記入力回転軸5と共に正方向に回転する第一キャリア53と、上記中空回転軸51と共に逆方向に回転する前記第一太陽歯車52との差動成分が、前記第一リング歯車57から、上記低速用クラッチ60、上記第二キャリア59を介して、上記出力軸4に伝達される。この状態では、上記トロイダル型無段変速機1の変速比を所定値にする事で上記出力軸4を停止させられる他、このトロイダル型無段変速機1の変速比を上記所定値から増速側に変化させる事により上記出力軸4を、車両を後退させる方向に回転させられる。これに対して、上記トロイダル型無段変速機1の変速比を上記所定値から減速側に変化させる事により上記出力軸4を、車両を前進させる方向に回転させられる。
これに対して、上記高速用クラッチ63を接続し、上記低速用クラッチ60の接続を断った状態では、上記出力側ディスク11の回転が、上記中空回転軸51、前記遊星歯車式変速機2の第一太陽歯車52、前記各遊星歯車54〜56、前記伝達軸6、前記第二太陽歯車58、前記各遊星歯車64、65、上記第二キャリア59を介して、上記出力軸4に伝達される。この状態では、上記トロイダル型無段変速機1の変速比を増速側に変化させる程、無段変速装置全体としての変速比も増速側に変化する。
上述の様な無段変速装置を構成するトロイダル型無段変速機1に組み込まれる油圧式の押圧装置24の場合、このトロイダル型無段変速機1(更にはこれを組み込んだ無段変速装置)の耐久性確保の面から、次の様な改良すべき点がある。即ち、上記押圧装置24は、第一油圧室27部分で発生するスラスト力を前記入力側ディスク10aに伝達する為に、この入力側ディスク10aの外側面の外周縁部に形成した第二シリンダハウジング29の先端縁と前記第一ピストン26の片側面とを当接させている。従って、上記トロイダル型無段変速機1の運転時には、上記第二シリンダハウジング29の先端縁と上記第一ピストン26の片側面とが、互いに大きな面圧で当接する。
一方、上記トロイダル型無段変速機1の運転時には上記入力側ディスク10aが、図12に鎖線で誇張して示す様に弾性変形する。この様な弾性変形は、この入力側ディスク10aの径方向外側程著しく(変形量が多く)なる。しかも、この様に弾性変形する部分は、この入力側ディスク10aの円周方向に絶えず移動する。この様な弾性変形及びその移動は、上記押圧装置24により前記各トラクション部の面圧を確保しつつ、上記入力側ディスク10aが回転する事に伴って生じる。即ち、上記トロイダル型無段変速機1の運転時に上記入力側ディスク10aの入力側面22は、前記各パワーローラ12、12の周面21、21(図10参照)により強く押される。そして、これら各周面21、21により強く押される部分は、上記入力側ディスク10aの回転に伴って、この入力側ディスク10aの円周方向に移動する。この結果、上記第二シリンダハウジング29の先端縁と上記第一ピストン26の片側面との当接部では、面圧が特に高い部分が円周方向に移動する現象が発生し、この当接部でフレッチング摩耗が発生する。
この様なフレッチング摩耗が発生すると、摩耗粉が混入した潤滑油(トラクションオイル)が、上記各トラクション部や前記各転がり軸受等の可動部に送り込まれる事により、これら各部に早期剥離等の損傷を発生し易くなる。又、上記入力側ディスク10aと前記入力回転軸5との、軸方向に関する相対位置が変化する。この結果、上記押圧装置24部分の油密性能が悪化したり、著しい場合には上記トロイダル型無段変速機1の変速動作が不良になる可能性もある。
上述の説明は、前記特許文献1に記載された構造に基づいて行なったが、前記特許文献2、5に記載された構造にしても、上述の様なフレッチング摩耗の発生と言った問題を生じる可能性がある。これに対して、前記特許文献3、4に記載された発明の場合には、入力側ディスクの外側面と相手面との間に圧油を送り込む構造である為、上述の様なフレッチング摩耗が発生する事はない。但し、上記特許文献3、4に記載された構造は、所謂シングルピストン型の押圧装置である為、必要とする押圧力を得る為には、油圧室内に導入する油圧を高くする必要があり、給油ポンプの駆動に要する動力、延てはこの給油ポンプを駆動する事に伴う動力損失が大きくなる。
特開2004−84712号公報 特開2001−12573号公報 特開2000−257685号公報 特開2001−295904号公報 米国特許第4272999号明細書
青山元男著、「別冊ベストカー 赤バッジシリーズ245/クルマの最新メカがわかる本」、株式会社三推社/株式会社講談社、平成13年12月20日、p.92−93 田中裕久著、「トロイダルCVT」、株式会社コロナ社、2000年7月13日
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、給油ポンプの駆動に要する動力、延てはこの給油ポンプを駆動する事に伴う動力損失を低く抑えられるダブルピストン型の構造で、フレッチング摩耗の発生を防止できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と同様に、回転軸と、この回転軸の中間部に、この回転軸と同期した回転及びこの回転軸の軸方向の変位自在に支持された第一ディスクと、上記回転軸の中間部周囲に、この回転軸に対する相対回転を自在に設けられた第二ディスクと、これら第一、第二両ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動する複数の支持部材と、これら各支持部材に支持された状態で上記第一、第二両ディスクの互いに対向する内側面同士の間に挟持された、その周面を球状凸面としたパワーローラと、上記第一、第二両ディスク同士を互いに近づける方向に押圧する押圧装置とを備える。
又、この押圧装置は、上記回転軸の一端部にこの回転軸に対する軸方向変位を阻止した状態で支持された、底板部及び円筒部を備えた第一シリンダハウジングと、この第一シリンダハウジングの円筒部の内周面と上記回転軸の中間部外周面との間に油密に嵌装された第一ピストンと、この第一ピストンと上記第一シリンダハウジングの底板部との間に設けられた第一油圧室と、この第一油圧室内に圧油を給排する為の第一圧油給排路と、上記第一ディスクの外周縁部にこの第一ディスクの外側面側に突出する状態で設けられた、円筒状の第二シリンダハウジングと、この第二シリンダハウジングの内径側に油密に嵌装された第二ピストンと、この第二ピストンと上記第一ディスクの外側面との間に設けられた第二油圧室と、この第二油圧室内に圧油を給排する為の第二圧油給排路とを備えたものである。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記第一、第二両油圧室内への圧油の送り込みに伴って、上記第一ピストンが上記第一ディスクの外側面の内径寄り部分を上記第二ディスクに向けて押し、上記第二ピストンがこの第一ディスクの外側面をこの第二ディスクに向けて押す様に構成している。
具体的には、請求項2に記載した発明の様に、上記第一ピストンの内周縁部に上記第一ディスクの側に突出する状態で設けられた内径側円筒部を回転軸の中間部外周面に、油密に、且つ、上記第一油圧室内への圧油の給排に基づく軸方向の変位を可能に外嵌する。又、上記第二ピストンの内周縁部は上記内径側円筒部の外周面に、油密に、且つ、上記第二油圧室内への圧油の給排に基づく軸方向の変位を可能に外嵌する。そして、上記内径側円筒部の先端面を、少なくとも上記第一油圧室内への圧油の送り込み時に上記第一ディスクの外側面の内径寄り部分に突き当てると共に、第二シリンダハウジングの先端縁と上記第一ピストンの側面外径寄り部分とを互いに離隔させる。更に、この第一ピストンを油密に貫通した伝達ロッドの両端面を、上記第二ピストンの軸方向片側面と第一シリンダハウジングの底板部とに突き当てる。
本発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した様に、押圧装置を構成する複数の部材のうちで、回転軸の軸方向に関して互いの遠近動を可能に配置された1対の部材同士の間に、これら両部材同士の距離を大きくして第一、第二両ディスク同士を互いに近づける方向の弾力を有する予圧ばねを設ける。この場合に、この予圧ばねを、この予圧ばねに基づく軸方向の押圧力と、押圧装置の各油圧室内への圧油の送り込みに伴って発生する軸方向の押圧力とが互いに直列に作用する状態で設ける。
又、この様な構造を採用する場合に、更に好ましくは、請求項4に記載した様に、互いに間に予圧ばねを設けた1対の部材同士が軸方向に関して互いに近づく方向に相対変位する事を制限するストッパ機構を設ける。そして、各油圧室内への圧油の送り込み時にこのストッパ機構の働きにより、上記予圧ばねが過度に圧縮される事を防止する。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した様に、第一、第二両油圧室内に圧油を給排する為の第一、第二両圧油給排路を、回転軸の中心部に設けられた中心孔を含んで構成する。そして、この中心孔と上記第一、第二両油圧室とを連通させる為に上記回転軸の径方向に形成した通油孔を、上記第一、第二両圧油給排路とで共用する。
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機によれば、給油ポンプの駆動に要する動力、延てはこの給油ポンプを駆動する事に伴う動力損失を低く抑えられるダブルピストン型の構造で、フレッチング摩耗の発生を防止できる。
即ち、第一ディスクの外周縁部に設けられた第二シリンダハウジングの先端縁と第一ピストンの側面外径寄り部分とが互いに離隔しているので、これら第二シリンダハウジングの先端縁と第一ピストンの側面とにフレッチング摩耗が発生する事はない。
この第一ピストンから第一ディスクへのスラスト力の伝達は、内径寄り部分に設けた内径側円筒部により行なうが、この内径側円筒部の先端面が突き当てられた、上記第一ディスクの内径寄り部分は、殆ど弾性変形しないか、仮に弾性変形してもその弾性変形量は、外径寄り部分に比べれば遥かに小さい。
この結果、上述の様に、フレッチング摩耗の防止を図れる。
又、請求項3に記載した発明の構成を採用すれば、第一、第二両油圧室内に圧油が送り込まれていない(これら両油圧室内の油圧が0である)場合でも、上記第一、第二両ディスクの内側面と各パワーローラの周面との転がり接触部である各トラクション部に、動力伝達の為に必要な最低限以上の押し付け力を付与できる。この為、トロイダル型無段変速機の起動直後で、上記両油圧室内に圧油が送り込まれていない状態から、上記各トラクション部で過大な滑りが発生する事を防止できる。この結果、起動直後から良好な伝達効率を得られると同時に、上記各トラクション部を構成する上記各面の摩耗防止を図れる。又、圧油が供給されない状態で、トロイダル型無段変速機の構成部材同士ががたつく事を防止できる。
又、請求項4に記載した発明の様に、ストッパ機構を設ける事により、上記予圧ばねが過度に圧縮される事を防止して、この予圧ばねの耐久性が損なわれる事を防止できる。
更に、請求項5に記載した発明の構成を採用すれば、第一、第二両圧油給排路の構成を単純化して加工コストの低減を図ると同時に、回転軸に形成する孔の数を少なく抑えて、この回転軸の強度確保の為の設計の容易化を図れる。
本発明の実施例1を示す、図9のA部に相当する断面図。 同実施例2を示す、図1と同様の図。 同実施例3を示す、図1と同様の図。 同実施例4を示す、図1と同様の図。 同実施例5を示す、図1と同様の図。 同実施例6を示す、図1と同様の図。 同実施例7を示す、図1と同様の図。 同実施例8を示す、図1と同様の図。 従来から知られている、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とを組み合わせた無段変速装置の1例を示す断面図。 図9のB−B断面図。 図9のA部拡大図。 動力伝達に伴う入力側ディスクの弾性変形の状態を示す半部略断面図。
[実施の形態の第1例]
図1は、請求項1、2に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本発明の特徴は、トロイダル型無段変速機1を構成する各パワーローラ12、12の周面21、21と、1対の入力側ディスク10a、10bの入力側面22、22及び出力側ディスク11の出力側面23、23との転がり接触部(トラクション部、一部の符号に就いては図9〜10参照)の面圧を確保する為の、油圧式の押圧装置24aの構造に関する。その他の部分の構造及び作用は、上記図9〜10に示した様に無段変速装置に組み込んだ構造を含め、従来から知られている各種トロイダル型無段変速機と同様である。又、上記押圧装置24aの構造及び作用に就いても、一部は、上記図9〜10に示した従来構造と同様である。この為、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合には、第一ピストン26aの内周縁部に内径側円筒部66を、第一ディスクである入力側ディスク10aの側に突出する状態で設けている。そして、上記内径側円筒部66を、特許請求の範囲に記載した回転軸である入力回転軸5の中間部外周面に、油密に、且つ、第一油圧室27内への圧油の給排に基づく軸方向(図1の左右方向)の変位を可能に外嵌している。又、上記内径側円筒部66の軸方向中間部で第二油圧室31の内径側に対向する部分の円周方向複数個所に、第二圧油給排路32aの一部を構成する為の通油孔67、67を形成している。更に、上記内径側円筒部66の内周面で、これら各通油孔67、67を軸方向両側から挟む2個所位置にそれぞれシールリングを設けて、上記第二圧油給排路32aに送られる圧油が、上記内周面と上記入力回転軸5の外周面との間から漏洩する事を防止している。又、第二ピストン30aの内周縁部は上記内径側円筒部66の外周面に、第二内径側シールリング44aを介在させる事により油密を保持した状態で、上記第二油圧室31内への圧油の給排に基づく軸方向の変位を可能に外嵌している。
そして、上記内径側円筒部66の先端面(図1の右端面)を、上記入力側ディスク10aの外側面の内径寄り部分に突き当てている。本例の場合には、この入力側ディスク10aの外側面の内径寄り部分に環状段部68を形成し、この環状段部68に上記内径側円筒部66を油密に内嵌している。この為に、この内径側円筒部66の外周面に係止した第三内径側シールリング69を、上記環状段部68の内周面に摺接させている。又、上記内径側円筒部66の先端面は、この環状段部68の奥端面に当接させている。これら両面同士は、トロイダル型無段変速機の作動状態に関係なく、常に当接したままの状態となる。この様に、上記内径側円筒部66の先端面と上記環状段部68の奥端面とを当接させた状態で、上記入力側ディスク10aの外側面外周縁部にこの入力側ディスク10aと一体に形成した第二シリンダハウジング29の先端縁(図1の左端縁)と、前記第一ピストン26aの側面外径寄り部分とが、互いに離隔している。
更に、上記第一ピストン26aの径方向中間部で円周方向等間隔複数個所(例えば4〜8個所)に円形の通孔70、70を、この第一ピストン26aを軸方向に貫通する状態で形成している。そして、これら各通孔70、70に伝達ロッド71、71を、油密に、且つ、軸方向(図1の左右方向)の変位を可能に挿通している。この為に、上記各通孔70、70の内周面軸方向中間部に係止したOリングを、上記各伝達ロッド71、71の中間部外周面に、全周に亙って摺接させている。又、これら各伝達ロッド71、71の軸方向両端面を、前記第二ピストン30aの軸方向片側面(図1の左側面)の径方向中間部と、第一シリンダハウジング25の底板部33の軸方向片側面(図1の右側面)の径方向中間部とに突き当てている。この構成により、前記第二油圧室31内への圧油の送り込みに伴ってこの第二油圧室31の軸方向寸法が増大する方向の力が、上記入力側ディスク10aを図1の右方に、入力回転軸5を図1の左方に、それぞれ変位させる方向に作用する様にしている。
上述の様に構成する本例のトロイダル型無段変速機1の運転時には、前記入力回転軸5の中心孔46を通じて、前記第一油圧室27及び上記第二油圧室31内に圧油を送り込み、これら両油圧室27、31の軸方向寸法を増大させる方向の力を発生させる。このうちの第二油圧室31の軸方向寸法を増大させる方向の力は、上述の様に、上記入力側ディスク10aを図1の右方に、入力回転軸5を図1の左方に、それぞれ変位させる方向に、直接或は上記各伝達ロッド71、71及び第一シリンダハウジング25を介して作用する。これに対して、上記第一油圧室27の軸方向寸法を増大させる方向の力は、第一シリンダハウジング25を介して入力回転軸5を図1の左方に変位させる方向に作用する他、前記内径側円筒部66を介して上記入力側ディスク10aに、この入力側ディスク10aを図1の右方に変位させる方向に加わる。この結果、この入力側ディスク10aを図1の右方に、上記入力回転軸5が図1の左方に、それぞれ強く押され(或は引かれ)、前記各トラクション部の面圧を確保できる。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機1の場合には、上記入力側ディスク10aに、前述の図12に示す様な弾性変形が発生した場合でも、この入力側ディスク10aと、この入力側ディスク10aと当接した状態でこの入力側ディスク10aを押圧する前記第一ピストン26aとの当接部にフレッチング摩耗が発生する事を防止できる。即ち、上記入力側ディスク10aの外周縁部に設けられた、前記第二シリンダハウジング29の先端縁と、上記第一ピストン26aの側面外径寄り部分とは互いに離隔している。この為、トロイダル型無段変速機の運転時に発生する、上記図12に示す様な入力側ディスク10aの弾性変形に拘らず、上記両面同士が接触する事はない。従って、上記第二シリンダハウジング29の先端縁と上記第一ピストン26aの側面とにフレッチング摩耗が発生する事はない。
本例の場合、上記第一ピストン26aから上記入力側ディスク10aへのスラスト力(押圧力)の伝達は、この第一ピストン26aの内周縁部に設けた上記内径側円筒部66により行なうが、この内径側円筒部66の先端面は、上記入力側ディスク10aの内径側端部に突き当てられている。この入力側ディスク10aの内径側端部は、前記各パワーローラ12、12の周面21、21(図10参照)が押し付けられる部分よりも径方向内方に位置し、しかも肉厚が大きい。この為、上記内径側円筒部66の先端面が突き当てられた、上記入力側ディスク10aの内径寄り部分は、殆ど弾性変形しないか、仮に弾性変形してもその弾性変形量は、上記各パワーローラ12、12の周面21、21と転がり接触する外径寄り部分に比べれば遥かに小さい。この結果、上記内径側円筒部66の先端面と前記環状段部68の奥端面との突き当て部に微小変位が発生する事は殆どなく、この突き当て部にフレッチング摩耗が発生する事を十分に防止できる。
[実施の形態の第2例]
図2は、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、第一、第二両油圧室27、31内への圧油の送り込みに伴って相対変位する1対の部材である、第一ピストン26aと入力側ディスク10aとの間に、上記送り込みに伴って変位する方向にこれら両部材26a、10aを付勢する、弾性部材である予圧ばね50aを設けている。本実施例の場合には、上記第一ピストン26aの内周縁部に形成した内径側円筒部66の中間部外周面に形成した係止溝に、皿板ばねである上記予圧ばね50aの内周縁部を係止している。そして、この予圧ばね50aの外周縁部を、上記入力側ディスク10aの外側面のうちで環状段部68の周囲部分に弾性的に当接させて、この入力側ディスク10aを出力側ディスク11(図9参照)に向け、押圧している。又、上記内径側円筒部66の先端面と環状段部68の奥端面とをストッパ機構として機能させ、これら両面同士が突き当たった状態で、上記予圧ばね50aが過度に(平坦になる迄)圧縮されない様にしている。逆に言えば、上記第一、第二油圧室27、31内への圧油の送り込みが行なわれない状態では、上記内径側円筒部66の先端面と環状段部68の奥端面とが互いに離隔している。上記第一、第二油圧室27、31内への圧油の送り込み時には、先ず、上記予圧ばね50aを圧縮して、上記両端面同士を突き当てる。この状態で、この予圧ばね50aの弾力は一定となる。
本例の場合には、上記予圧ばね50aを設ける事により、第一、第二両油圧室27、31内に圧油が送り込まれていない(これら両油圧室27、31内の油圧が0である)場合でも、トロイダル型無段変速機1を構成する各パワーローラ12、12の周面21、21と、1対の入力側ディスク10a、10bの入力側面22、22及び出力側ディスク11の出力側面23、23との転がり接触部(トラクション部、一部の符号に就いては図9〜10参照)に、動力伝達の為に必要な最低限以上の押し付け力を付与できる。この為、上記トロイダル型無段変速機1の起動直後で、上記各油圧室27、31内に圧油が送り込まれていない状態から、上記各トラクション部で過大な滑りが発生する事を防止できる。この結果、起動直後から良好な伝達効率を得られると同時に、上記各トラクション部を構成する上記各面21、22、23の摩耗防止を図れる。又、圧油が供給されない状態で、トロイダル型無段変速機1の構成部材同士ががたつくのを防止できる。更に、上記予圧ばね50aが過度に圧縮される事を防止する為、この予圧ばね50aの耐久性も確保できる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図3は、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、第一ピストン26aの内周縁部に形成した内径側円筒部66の先端面の外径側半部に段部72を形成し、この段部72部分に予圧ばね50bを装着している。第一、第二両油圧室27、31内に圧油が送り込まれていない状態では、上記予圧ばね50bの軸方向寸法が、上記段部72の軸方向寸法よりも大きくなり、上記内径側円筒部66の先端面と、入力側ディスク10aの内径側端部に形成した環状段部68の奥端面とが離隔する。これに対して、上記第一、第二両油圧室27、31内に圧油を送り込んだ状態では、これら両面が当接する。この状態でも、上記予圧ばね50bが完全に押し潰される事はない。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第2例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
図4は、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、第一シリンダハウジング25を入力回転軸5に対し、軸方向の変位を可能に支持している。この為に、この第一シリンダハウジング25を入力回転軸5に隙間嵌で外嵌すると共に、この第一シリンダハウジング25の内周縁部に設けたシールリングにより、この内周縁部と上記入力回転軸5の外周面との間の油密保持を図っている。そして、この入力回転軸5の基端部に設けた鍔部39aと上記第一シリンダハウジング25との間に、予圧ばね50cを設けている。この鍔部39aは、この第一シリンダハウジング25と対向する面の外径側半部に段部73を形成し、この段部73に、上記予圧ばね50cを装着している。
又、本例の場合には、第二ピストン30bの軸方向両側面うちで、入力側ディスク10aの外側面と対向する面の外径側端部に、環状凸部74形成して、上記予圧ばね50cの弾力に基づく押圧力を、上記入力側ディスク10aの外側面の外径寄り部分に伝達する様にしている。
この様な構成を有する本例の場合も、各トラクション部に必要最低限の面圧を付与できる構造で、上記予圧ばね50cの耐久性確保を図れる。
[実施の形態の第5例]
図5は、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、第一シリンダハウジング25の円筒部34の内周面に形成した外径側係止段部75と、第二ピストン30cの外径寄り部分に設けた内径側係止段部76との間に、予圧ばね50dを設けている。第一、第二両油圧室27、31内に圧油が送り込まれていない状態では、上記第二ピストン30cの片面外周寄り部分に形成した環状凸部79が入力側ディスク10aの外側面に当接し、上記予圧ばね50dの弾力をこの入力側ディスク10aに伝達する。この状態では、各伝達ロッド71、71の両端面と何れか又は両方の相手面との間に隙間を生じる。これに対して、上記第二油圧室31内に油圧が導入されると、上記各伝達ロッド71、71の両端面と相手面とが突き当たる(隙間が消失する)。この状態では、上記予圧ばね50dの弾力は一定になる。
この様な構成を有する本例の場合も、各トラクション部に必要最低限の面圧を付与できる構造で、上記予圧ばね50dの耐久性確保を図れる。
[実施の形態の第6例]
図6は、請求項1、2、5に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合も、先に述べた実施の形態の1〜5例と同様に、第一、第二両油圧室27、31内に圧油を給排する為の第一、第二両圧油給排路28a、32bを、入力回転軸5の中心部に設けられた中心孔46を含んで構成する。特に、本例の場合には、この中心孔46と上記第一、第二両油圧室27、31とを連通させる為に上記入力回転軸5の径方向に形成した通油孔77、77を、上記第一、第二両圧油給排路28a、32bとで共用している。この為に本例の場合には、上記各通油孔77、77の外径側開口部を上記第一油圧室27に直接連通させると共に、内径側円筒部66の内周面に形成した通油凹溝78と通油孔67とを介して、上記第二油圧室31に通じさせている。
本例の場合には、上述の様な構成を採用する事により、上記第一、第二両圧油給排路28a、32bの構成を単純化して加工コストの低減を図ると同時に、上記入力回転軸5に形成する孔の数を少なく抑えて、この入力回転軸5の強度確保の為の設計の容易化を図れる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。尚、本例の構造と、前述した実施の形態の第2〜5例の構造とを組み合わせて実施する事もできる。
[実施の形態の第7例]
図7は、請求項1、2、5に対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例の場合には、各伝達ロッド71a、71aを、内部に通油路を有する中空円管状とすると共に、第二ピストン30aの一部でこれら各伝達ロッド71a、71aの通油路の一端開口と整合する部分にも通油孔を形成している。又、これら各伝達ロッド71a、71aの通油路の他端を、第一油圧室27内に開口させている。
この様な本例の場合も、上記入力回転軸5の径方向に形成した通油孔77、77を、第一、第二両圧油給排路28a、32cで共用できる。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第6例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。尚、本例の構造に関しても、前述した実施の形態の第2〜5例の構造と組み合わせて実施する事もできる。
[実施の形態の第8例]
図8は、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第8例を示している。本例の場合には、第二シリンダハウジング29の先端縁部に形成した外径側係止段部75aと、第一ピストン26bの外径寄り部分に設けた内径側係止段部76aとの間に、予圧ばね50eを設けている。第一、第二両油圧室27、31内に圧油が送り込まれていない状態では、上記第一ピストン26bの片面外周寄り部分が第一シリンダハウジング25の内面外径寄り部分に当接し、上記予圧ばね50eの弾力を入力側ディスク10aに作用させる。この状態では、上記第一ピストン26bの内周縁部に形成した内径側円筒部66の先端面と環状段部68の奥面との間、各伝達ロッド71、71の端面と相手面との間に、それぞれ隙間を生じる。これに対して、上記第一、第二両油圧室27、31内に油圧が導入されると、上記内径側円筒部66の先端面と環状段部68の奥面が、上記各伝達ロッド71、71の両端面と相手面とが、それぞれ突き当たる(隙間が消失する)。この状態では、上記予圧ばね50eの弾力は一定になる。
1 トロイダル型無段変速機
2 遊星歯車式変速機
3 入力軸
4 出力軸
5 入力回転軸
6 伝達軸
7 前段ユニット
8 中段ユニット
9 後段ユニット
10a、10b 入力側ディスク
11 出力側ディスク
12 パワーローラ
13 ケーシング
14 支柱
15 転がり軸受
16a、16b 支持ポスト部
17a、17b 支持板
18 トラニオン
19 枢軸
20 支持軸
21 周面
22 入力側面
23 出力側面
24、24a 押圧装置
25 第一シリンダハウジング
26、26a、26b 第一ピストン
27 第一油圧室
28、28a 第一圧油給排路
29 第二シリンダハウジング
30、30a、30b、30c 第二ピストン
31 第二油圧室
32、32a、32b、32c 第二圧油給排路
33 底板部
34 円筒部
35 アクチュエータボディー
36 アクチュエータ
37 バルブボディー
38 係合突片
39、39a 鍔部
40 係合凹部
41 ボールスプライン
42 第一内径側シールリング
43 第一外径側シールリング
44、44a 第二内径側シールリング
45 第二外径側シールリング
46 中心孔
47 隔壁部
48 円筒部
49 段差部
50、50a、50b、50c、50d、50e 予圧ばね
51 中空回転軸
52 第一太陽歯車
53 第一キャリア
54 遊星歯車
55 遊星歯車
56 遊星歯車
57 第一リング歯車
58 第二太陽歯車
59 第二キャリア
60 低速用クラッチ
61 第三太陽歯車
62 第二リング歯車
63 高速用クラッチ
64 遊星歯車
65 遊星歯車
66 内径側円筒部
67 通油孔
68 環状段部
69 第三内径側シールリング
70 通孔
71、71a 伝達ロッド
72 段部
73 段部
74 環状凸部
75、75a 外径側係止段部
76、76a 内径側係止段部
77 通油孔
78 通油凹溝
79 環状凸部

Claims (5)

  1. 回転軸と、この回転軸の中間部に、この回転軸と同期した回転及びこの回転軸の軸方向の変位自在に支持された第一ディスクと、上記回転軸の中間部周囲に、この回転軸に対する相対回転を自在に設けられた第二ディスクと、これら第一、第二両ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動する複数の支持部材と、これら各支持部材に支持された状態で上記第一、第二両ディスクの互いに対向する内側面同士の間に挟持された、その周面を球状凸面としたパワーローラと、上記第一、第二両ディスク同士を互いに近づける方向に押圧する押圧装置とを備え、この押圧装置は、上記回転軸の一端部にこの回転軸に対する軸方向変位を阻止した状態で支持された、底板部及び円筒部を備えた第一シリンダハウジングと、この第一シリンダハウジングの円筒部の内周面と上記回転軸の中間部外周面との間に油密に嵌装された第一ピストンと、この第一ピストンと上記第一シリンダハウジングの底板部との間に設けられた第一油圧室と、この第一油圧室内に圧油を給排する為の第一圧油給排路と、上記第一ディスクの外周縁部にこの第一ディスクの外側面側に突出する状態で設けられた、円筒状の第二シリンダハウジングと、この第二シリンダハウジングの内径側に油密に嵌装された第二ピストンと、この第二ピストンと上記第一ディスクの外側面との間に設けられた第二油圧室と、この第二油圧室内に圧油を給排する為の第二圧油給排路とを備えたものであるトロイダル型無段変速機に於いて、上記第一、第二両油圧室内への圧油の送り込みに伴って、上記第一ピストンが上記第一ディスクの外側面の内径寄り部分を上記第二ディスクに向けて押し、上記第二ピストンがこの第一ディスクの外側面をこの第二ディスクに向けて押す事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 第一ピストンの内周縁部に第一ディスクの側に突出する状態で設けられた内径側円筒部が回転軸の中間部外周面に、油密に、且つ、第一油圧室内への圧油の給排に基づく軸方向の変位を可能に外嵌されており、第二ピストンの内周縁部は上記内径側円筒部の外周面に、油密に、且つ、第二油圧室内への圧油の給排に基づく軸方向の変位を可能に外嵌されており、上記内径側円筒部の先端面は、少なくとも上記第一油圧室内への圧油の送り込み時に上記第一ディスクの外側面の内径寄り部分に突き当たると共に、第二シリンダハウジングの先端縁と上記第一ピストンの側面外径寄り部分とは互いに離隔しており、この第一ピストンを油密に貫通した伝達ロッドの両端面が、上記第二ピストンの軸方向片側面と第一シリンダハウジングの底板部とに突き当てられている、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  3. 押圧装置を構成する複数の部材のうちで、回転軸の軸方向に関して互いの遠近動を可能に配置された1対の部材同士の間に、これら両部材同士の距離を大きくして第一、第二両ディスク同士を互いに近づける方向の弾力を有する予圧ばねを、この予圧ばねに基づく軸方向の押圧力と、押圧装置の各油圧室内への圧油の送り込みに伴って発生する軸方向の押圧力とが互いに直列に作用する状態で設けている、請求項1〜2の何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  4. 互いの間に予圧ばねを設けた1対の部材同士が軸方向に関して互いに近づく方向に相対変位する事を制限するストッパ機構を設け、各油圧室内への圧油の送り込み時にこのストッパ機構の働きにより、上記予圧ばねが過度に圧縮される事を防止する、請求項3に記載したトロイダル型無段変速機。
  5. 第一、第二両油圧室内に圧油を給排する為の第一、第二両圧油給排路が回転軸の中心部に設けられた中心孔を含んで構成されており、この中心孔と上記第一、第二両油圧室とを連通させる為に上記回転軸の径方向に形成した通油孔が、上記第一、第二両圧油給排路とで共用されている、請求項1〜4の何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
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