JP2017003042A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】油圧式の押圧装置を構成するピストン部とディスクとの当接面に発生した摩耗粉を排出することができて、フレッチング摩耗を抑制することができるトロイダル型無段変速機を提供する。【解決手段】トロイダル型無段変速機が動力伝達していないときに、油路98および油路99を通して、第2のピストン部84と第1のピストン部83との間の空間93に摩耗粉排出用の油が供給される。これにより、第1ピストン部83の当接面83aと入力側ディスク2のシリンダ部82の当接面82aに発生した摩耗粉を、トロイダル型無段変速機が動力伝達していないときに排出することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図6および図7に示すように構成されている。図6に示すように、ケーシング50の内側には入力軸1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板(ローディングカム)7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面;トラクション面とも言う)2a,2aと出力ディスク3,3の内側面(凹面;トラクション面とも言う)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図7参照)が回転自在に挟持されている。
図6中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図6の右面)は、入力軸1の外周面に形成されたネジ部に螺合されたローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力(予圧)を付与する。
図7は、図6のA−A線に沿う断面図である。図7に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図7においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図7の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図7の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図6の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は円筒面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図7で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受(スラスト軸受)24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図7の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図7の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。
その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、トロイダル型無段変速機において、トラクション部の面圧を確保するための押圧装置として、燃費向上、コスト削減が期待される油圧式の押圧装置が用いられる場合がある。
この油圧式の押圧装置を備えた従来のトロイダル型無段変速機では、ピストン部と入力側ディスクとの当接面でのフレッチング摩耗が問題となっており、フレッチング摩耗が大きくなると、当該当接面で焼き付きが発生する場合もある。
このフレッチング摩耗の発生原因について述べると以下のとおりである。
トロイダル型無段変速機では、図8に示すように、入力側ディスク2から出力側ディスク3に動力伝達をするために、1つのキャビティーに対して複数個(通常2個または3個)のパワーローラ11を用いる。また、ディスク2,3とパワーローラ11との接触面においてトラクションドライブするためには、入力側ディスク2の背面から押圧力を発生させる必要がある。このとき、位相によりパワーローラ11の有無があるため、つまり、入力側ディスク2にはパワーローラ11が当接している部分と当接していない部分があるため、入力側ディスク2は軸に対して非対称に変形する。つまり、入力側ディスク2は、パワーローラ11から受ける力に基づいて、入力側ディスク2の外径寄り部分がその軸側に近付く方向に倒れるように繰り返し弾性変形する。
このように、入力側ディスク2と押圧力発生のため入力側ディスク2を押圧するピストン部の突き当て部(当接部)とは、位相により接触状態が異なり、入力側ディスク2の外径寄り部分が繰り返し弾性変形するため、押圧力が大きく入力側ディスク2の変形が大きい場合や高回転で運転する場合などにおいて突き当て部(当接部)にフレッチング摩耗が発生する。
また、フレッチングにより磨耗粉が当接面に生成され、当接面に留まり続けることでさらなる磨耗進行が懸念されている。
このようなピストン部と入力側ディスクとの当接部におけるフレッチング摩耗を抑制するトロイダル型無段変速機の例として、特許文献1および2に記載のものが知られている。
特許文献1に記載のトロイダル型無段変速機では、油圧式の押圧装置のピストン部と入力側ディスクとの突き当て部(当接部)に転がり軸受けを配置し、転がり化することでフレッチング摩耗を抑制している。
また、特許文献2に記載のトロイダル型無段変速機では、油圧式の押圧装置のピストン部と、入力側ディスクの突き当て部(当接部)に磨耗防止のシムを配置することでフレッチング摩耗を抑制している。
特開2011−149481号公報 特開2007−2928号公報
しかしながら、特許文献1に記載のトロイダル型無段変速機では、軸受配置による部品点数の増加およびコスト増が問題となるとともに、転動体接触部が高面圧になり、磨耗やフレッチング摩耗が促進することが懸念される。
また、特許文献2に記載のトロイダル型無段変速機では、シム追加による部品点数の増加およびコスト増が問題となる。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、油圧式の押圧装置を構成するピストン部とディスクとの当接面に発生した摩耗粉を排出することができて、フレッチング摩耗を抑制することができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面どうしを互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ回転自在に設けられた入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これら両ディスク間に挟持されたパワーローラと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとのうちの一方のディスクの背面側に油圧室を有し、前記両ディスクおよび前記パワーローラに押し付け力を付与する油圧式の押圧装置とを備え、前記押圧装置は、前記油圧室を構成するシリンダ部と、このシリンダ部に設けられて前記一方のディスクに当接するピストン部とを備えるトロイダル型無段変速機において、前記一方のディスクと前記ピストン部との両当接面の間に隙間を形成する隙間形成手段と、この隙間に連通する前記一方のディスクと前記ピストン部との間の空間に油を供給する油供給手段とを備えていることを特徴とする。
本発明においては、トロイダル型無段変速機が動力伝達しているときには、油圧室に油が送られ、これにより押圧装置として機能する。
一方、トロイダル型無段変速機が動力伝達していないときに、隙間形成手段により、前記一方のディスクとピストン部との両当接面の間に隙間を形成するとともに、油供給手段により、この隙間に連通する前記一方のディスクとピストン部との間の空間に油を供給する。これにより、動力伝達時に発生した摩耗粉が排出される。
本発明によれば、油圧式の押圧装置を構成するピストン部とディスクとの当接面に発生した摩耗粉を、トロイダル型無段変速機が動力伝達していないときに排出することができ、これによりフレッチング摩耗を抑制することができる。
本発明の第1の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の押圧装置を示す図であって、トロイダル型無段変速機が動力伝達しているときの押圧装置の断面図である。 同、トロイダル型無段変速機が動力伝達していないときの押圧装置の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の押圧装置を示す図であって、トロイダル型無段変速機が動力伝達していないときの押圧装置の断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の押圧装置を示す図であって、トロイダル型無段変速機が動力伝達していないときの押圧装置の断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の押圧装置を示す図であって、トロイダル型無段変速機が動力伝達していないときの押圧装置の断面図である。 従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す断面図である。 図6におけるA−A線に沿う断面図である。 トロイダル型無段変速機のディスクとパワーローラの配置関係を示す斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態のトロイダル型無段変速機の特徴は、押圧装置の構成にあり、その他の構成および作用は上述した従来の構成および作用と略同様であるため、以下においては、本実施の形態の特徴部分について説明する。
(第1の実施の形態)
図1および図2は、本発明の第1の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機の押圧装置80を示すもので、図1はトロイダル型無段変速機が動力伝達しているときの押圧装置80の断面図、図2はトロイダル型無段変速機が動力伝達していないときの押圧装置80の断面図である。
図1および図2に示すように、入力軸1の入力側に位置する入力側ディスク2の背面2d側には、入力側ディスク2を軸方向へ押圧する油圧式の押圧装置80が設けられている。
この押圧装置80は、入力軸1の基端部(図1において左端部)1eに結合される第1のシリンダ部81と、入力側ディスク2に設けられた第2のシリンダ部82と、環状の第1のピストン部(油圧ピストン)83と、環状の第2のピストン部(油圧ピストン)84とを備えている。
第1のシリンダ部81は、概略有底円筒状に形成され、筒状部分が第2のシリンダ部82の外周外側に位置しており、底部分が入力側ディスク2の背面(外側面)2dと対向した状態で配されている。また、第1のシリンダ部81は、その底部分が入力軸1に外嵌されて固定されている。また、第2のシリンダ部82は、筒状に形成されており、入力側ディスク2の外周縁から第1のピストン部83に向けて延びている。
第2のピストン部84は、その内周面が入力軸1の外周面に嵌合されるとともに、その外周面が第2シリンダ部82の内周面に嵌合されており、入力側ディスク2の背面2dに対向した状態で配されている。また、第1のピストン部83は、その内周面が入力軸1の外周面に嵌合されるとともに、その外周面が第1のシリンダ部81の内周面に嵌合されており、第2のピストン部84と第1のシリンダ部81との間に配されている。
第1のシリンダ部81の内面と、第1のピストン部83と、入力軸1の外周面の一部とによって囲まれた空間は、第1の油圧室85を構成している。この第1の油圧室85は、複数のシール部材86,87によって流体密に保たれている。
また、第2のシリンダ部82の内周面と、第2のピストン部84と、入力側ディスク2の背面2dと、入力軸1の外周面の一部とによって囲まれた空間は、第2の油圧室(油室)90を構成している。この第2の油圧室90は、複数のシール部材91,92によって流体密に保たれている。
また、第2のシリンダ部82の内周側において、第2のピストン部84と第1のピストン部83との間に位置する空間93は空気室となっている。この空気室93は、複数のシール部材87,91によって流体密に保たれている。また、第2のシリンダ部82は第1のピストン部83と当接可能となっている。そして、第1の油圧室85を一部利用して、第1のピストン部83と第1のシリンダ部81との間には、予圧を付与するための皿バネ94が介挿され、第1のシリンダ部81に対して、入力軸1に沿って移動自在な第1のピストン部83を入力側ディスク2に向かって付勢している。
また、入力側ディスク2のシリンダ部82の先端面82aは、ピストン部83が当接する当接面82aとされている。また、環状のピストン部83の入力側ディスク2側を向く側面の外周部には、前記当接面82aに当接する当接面83aが設けられている。
また、各油圧室85,90に押圧用の油を供給するため、駆動軸22および入力軸1には油路が形成されている。具体的には、入力軸1の基端部1eには、駆動軸22の端部が挿入されており、この駆動軸22に油路95が形成されている。この油路95は、第1のシリンダ部81の内周面近傍まで延び、さらに径方向外側に屈曲して駆動軸22の外周面に開口し、そして入力軸1に形成された油路96に連通している。この油路96は、途中から2つに分岐し、一方は入力軸1の外周面に開口して第1の油圧室85に連通し、他方は第2のピストン部84の内周部に形成された油路97を通して第2の油圧室90に連通している。
また、第2のピストン部84と第1のピストン部83との間の空間93に摩耗粉排出用の油(潤滑油)を供給するため、具体的には、駆動軸22に油路98が形成されている。この油路(隙間形成手段)98は、空間93の内周面近傍まで延び、さらに径方向外側に屈曲して駆動軸22の外周面に開口し、そして入力軸1に形成された油路99に連通している。この油路(隙間形成手段)99は、空間93に連通している。
本実施の形態のトロイダル型無段変速機と、このトロイダル型無段変速機に動力伝達するエンジン等動力発生装置との間には、動力伝達を断続できるクラッチ等の動力伝達断続装置が設けられている。
そして、油路98の上流側には、図示しない切替弁が設けられており、動力伝達断続装置の断絶動作により、動力発生装置からトロイダル型無段変速機に動力伝達されず、このためトロイダル型無段変速機が動力伝達していないときに、油路98に摩耗粉排出用の油(潤滑油)を供給する。また、動力伝達断続装置の接続動作により、動力発生装置からトロイダル型無段変速機に動力伝達され、このためトロイダル型無段変速機が動力伝達しているときには、油路98に摩耗粉排出用の油(潤滑油)を供給しないようになっている。
本実施の形態のトロイダル型無段変速機においては、トロイダル型無段変速機が動力伝達しているときには、図1に示すように、押圧装置80の第1の油圧室85と第2の油圧室90とに、所定圧の圧油を送り込む。そして、これら両油圧室85,90内に、これら両油圧室85,90の軸方向寸法が増大する方向の力を惹起させる。
第1の油圧室85に圧油が送り込まれると、第1ピストン部83が図1中右側(入力側ディスク2側)に押圧され、これによって、入力側ディスク2の背面に一体に形成された第2のシリンダ部82を介して当該入力側ディスク2が右側に押圧される。つまり、第1ピストン部83の当接面83aが、第2のシリンダ部82の当接面82aに当接して、当該当接面82aを図1において右側に押圧することによって、入力側ディスク2が右側に押圧される。
また、第2の油圧室90に圧油が送り込まれると、第2のピストン部84は図1中左側への移動が規制されているので、入力側ディスク2が右側に押圧される。
このように両油圧室85,90で発生した力は、何れも、入力側ディスク2を図示しない出力側ディスク側(右側)に向け押圧するとともに、入力軸1を基端側(図1の左側)に引っ張り、他方の図示しない入力側ディスクを図示しない出力側ディスクに押圧する方向の力として加わる。
このとき、空間93に摩耗粉排出用の油(潤滑油)は供給されない。
一方、トロイダル型無段変速機が動力伝達していないときに、図2に示すように、油路98および油路99を通して空間93に摩耗粉排出用の油(潤滑油)が供給される。この油の油圧による軸方向力の大きさが予圧を付与するための皿バネ(予圧付与部材)94による軸方向力よりも大きくなるように、空間93に圧油が供給される。この圧油が空間93に供給されると、第1ピストン部83の当接面83aと入力側ディスク2のシリンダ部82の当接面82aとの間に隙間を形成され、これにより動力伝達時に当接面83a、当接面82aに発生した摩耗粉が排出される。
このとき、第1の油圧室85と第2の油圧室90とに圧油は供給されない。
本実施の形態にあっては、油圧式の押圧装置80を構成する、第1ピストン部83の当接面83aと入力側ディスク2のシリンダ部82の当接面82aに発生した摩耗粉を、トロイダル型無段変速機が動力伝達していないときに排出することができるので、フレッチング摩耗を抑制することができる。
また、空間93に供給される圧油により、第1ピストン部83の当接面83aと入力側ディスク2のシリンダ部82の当接面82aとの間に隙間を形成するようにしたので、隙間形成手段を別途設ける必要がないため、構成を簡略化できる。
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機の押圧装置80Aを示す断面図である。
本実施の形態では、隙間形成手段として、油圧シリンダ等のアクチュエータ100が入力側ディスク2の外径部に形成された鍔部102を押圧可能に設けられている。このアクチュエータ100は、第1ピストン部83の当接面83aから入力側ディスク2のシリンダ部82の当接面82aを離間させる方向に入力側ディスク2を移動できるようになっている。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態のトロイダル型無段変速機においては、トロイダル型無段変速機が動力伝達していないときに、アクチュエータ100により入力側ディスク2の鍔部102を押圧して、第1ピストン部83の当接面83aと入力側ディスク2のシリンダ部82の当接面82aとの間に隙間を形成するとともに、空間93に摩耗粉排出用の油(潤滑油)を供給して、動力伝達時に当接面83a、当接面82aに発生した摩耗粉を排出する。
このとき、第1の油圧室85と第2の油圧室90とに圧油は供給されない。
本実施の形態にあっては、油圧式の押圧装置80Aを構成する、第1ピストン部83の当接面83aと入力側ディスク2のシリンダ部82の当接面82aに発生した摩耗粉を、トロイダル型無段変速機が動力伝達していないときに排出することができるので、フレッチング摩耗を抑制することができる。
また、アクチュエータ100により当接面83aと当接面82aとの間に隙間を形成するので、第1の実施の形態よりも、空間93に供給する圧油の油圧を小さくすることができる。
(第3の実施の形態)
図4は、本発明の第3の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機の押圧装置80Bを示す断面図である。
本実施の形態では、隙間形成手段として、第1のピストン部83と第2のピストン部84との間に両部材を互いに離間させるように付勢する皿ばね等の付勢部材110が設けられている。一方、第1のピストン部83と第1のシリンダ部81との間には、予圧を付与するための皿バネ94が介挿されていない。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態のトロイダル型無段変速機においては、トロイダル型無段変速機が動力伝達していないときに、付勢部材110で第1のピストン部83と第2のピストン部84とが互いに離間するように付勢されることにより、第1のピストン部83と入力側ディスク2とが互いに離間するように動き、これにより第1ピストン部83の当接面83aと入力側ディスク2のシリンダ部82の当接面82aとの間に隙間を形成される。そして、空間93に摩耗粉排出用の油(潤滑油)を供給して、動力伝達時に当接面83a、当接面82aに発生した摩耗粉を排出する。
このとき、第1の油圧室85と第2の油圧室90とに圧油は供給されない。
本実施の形態にあっては、油圧式の押圧装置80Bを構成する、第1ピストン部83の当接面83aと入力側ディスク2のシリンダ部82の当接面82aに発生した摩耗粉を、トロイダル型無段変速機が動力伝達していないときに排出することができるので、フレッチング摩耗を抑制することができる。
また、付勢部材110により当接面83aと当接面82aとの間に隙間を形成するので、第1の実施の形態よりも、空間93に供給する圧油の油圧を小さくすることができる。
(第4の実施の形態)
図5は、本発明の第4の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機の押圧装置80Cを示す断面図である。
本実施の形態では、隙間形成手段として電磁力を用いるもので、第1のピストン部83および第2のピストン部84の対向面にそれぞれ磁性材料からなる磁性部材(固定磁極および可動磁極;隙間形成手段)120,120を設けるとともに、押圧装置80Cの外周部近傍にコイル(隙間形成手段)122を設けたものである。コイル122の通電によりコイル122が励磁し、これにより磁性部材120どうしが互いに離れる方向に移動し、その結果第1のピストン部83と第2のピストン部84とを離間させるものである。一方、第1のピストン部83と第1のシリンダ部81との間には、予圧を付与するための皿バネ94が介挿されていない。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態のトロイダル型無段変速機においては、トロイダル型無段変速機が動力伝達していないときに、電磁力により第1のピストン部83と第2のピストン部84とが離間して、第1ピストン部83の当接面83aと入力側ディスク2のシリンダ部82の当接面82aとの間に隙間を形成するとともに、空間93に摩耗粉排出用の油(潤滑油)を供給して、動力伝達時に当接面83a、当接面82aに発生した摩耗粉を排出する。
このとき、第1の油圧室85と第2の油圧室90とに圧油は供給されない。
本実施の形態にあっては、油圧式の押圧装置80Cを構成する、第1ピストン部83の当接面83aと入力側ディスク2のシリンダ部82の当接面82aに発生した摩耗粉を、トロイダル型無段変速機が動力伝達していないときに排出することができるので、フレッチング摩耗を抑制することができる。
なお、前述の各実施の形態では、第1シリンダ部81および第2シリンダ部82を有するダブルシリンダ型の押圧装置80を備えたトロイダル型無段変速を例にとって説明したが、本発明は、第1シリンダ部81のみを有するシングルシリンダ型の押圧装置を備えたトロイダル型無段変速に適用してもよい。
また、本発明は、シングルキャビティ式やダブルキャビティ式などの様々なハーフトロイダル型無段変速機のほか、フルトロイダル型無段変速機にも適用することができる。
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
11 パワーローラ
80,80A,80B,80C 押圧装置
81 シリンダ部
83 ピストン部
82a,83a 当接面
85 油圧室
93 空間
98,99 油路(隙間形成手段)
100 アクチュエータ(隙間形成手段)
110 付勢部材(隙間形成手段)
120 磁性部材(隙間形成手段)
122 コイル(隙間形成手段)

Claims (1)

  1. それぞれの内側面どうしを互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ回転自在に設けられた入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これら両ディスク間に挟持されたパワーローラと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとのうちの一方のディスクの背面側に油圧室を有し、前記両ディスクおよび前記パワーローラに押し付け力を付与する油圧式の押圧装置とを備え、前記押圧装置は、前記油圧室を構成するシリンダ部と、このシリンダ部に設けられて前記一方のディスクに当接するピストン部とを備えるトロイダル型無段変速機において、
    前記一方のディスクと前記ピストン部との両当接面の間に隙間を形成する隙間形成手段と、この隙間に連通する前記一方のディスクと前記ピストン部との間の空間に油を供給する油供給手段とを備えていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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