JP2021143672A - 油圧クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】コストアップを招くことなく、簡単な構成で締結時のショックを緩和することができる油圧クラッチを提供すること。【解決手段】駆動軸2に固定されたクラッチドラム8の内部にクラッチハブ9を臨ませ、クラッチドラム8とクラッチハブ9にそれぞれ係合するディスクプレート11とクラッチプレート12を軸方向に交互に配置し、クラッチドラム8内に軸方向に移動可能に嵌装されたクラッチピストン10によって区画される各油室S1,S2を形成し、各油室S1,S2にオイルを給排することによってクラッチピストン10を軸方向に移動させて駆動軸2からギヤ3への動力伝達を断接する油圧クラッチ1において、クラッチドラム8のクラッチピストン10の外周面が摺動可能に嵌合するガイド面8aに、クラッチピストン10の移動によって各油室S1,S2同士を選択的に連通させる凹溝20を形成する。【選択図】図7

Description

本発明は、油圧によって動作して駆動部材から従動部材への動力伝達を断接する油圧クラッチに関する。
例えば、車両のトランスミッションには、油圧によって動作して駆動部材から従動部材への動力伝達を断接する油圧クラッチ(湿式油圧クラッチ)が設けられている。この種の油圧クラッチは、駆動部材に固定されたクラッチドラムの内部に従動部材から一体に延びるクラッチハブを臨ませ、クラッチドラムの内周とクラッチハブの外周にそれぞれ軸方向に摺動可能に係合する複数の摩擦係合部材を軸方向に交互に配置し、クラッチドラム内に軸方向に移動可能に嵌装されたクラッチピストンによって区画される油室を該クラッチピストンの軸方向両側にそれぞれ形成して構成されている。
而して、上記のように構成された油圧クラッチにおいて、各油室にオイルを給排することによってクラッチピストンを軸方向に移動させ、該クラッチピストンによって摩擦係合部材を押圧/押圧解除すれば、当該油圧クラッチがON(締結)/OFF(締結解除)して駆動部材から従動部材への動力伝達が断接される。
ところで、油圧によってクラッチピストンを移動させてこれを摩擦係合部材に押圧し、油圧クラッチをON(締結)させて駆動部材の動力を従動部材へと伝達する場合、油圧によるクラッチピストンの移動速度が速い場合には、当該油圧クラッチに締結によるショックが大きくなるという問題がある。
上記問題を解決するため、例えば、特許文献1〜3には、クラッチピストンに油室同士を連通させる連通路(リーク孔)を形成し、この連通路にチェック弁機構(ボールや帯状弾性体)を設け、油圧クラッチがON(締結)状態になる以前に連通路を開いて一方の油室からオイルを他方の油室へとリークさせることによってクラッチピストンの移動速度を減じ、クラッチON(締結)時のショックを緩和する構成が提案されている。
特開2002−257219号公報 特開2007−170456号公報 特開2014−025539号公報
しかしながら、特許文献1〜3において提案されて構成を採用するには、クラッチピストンに連通路を形成し、この連通路に各種のチェック弁機構を配置する必要があるため、部品点数が増えて構造が複雑化し、当該油圧クラッチのコストアップを招くという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされてもので、その目的は、コストアップを招くことなく、簡単な構成で締結時のショックを緩和することができる油圧クラッチを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、同軸上に配置された駆動部材(2)と従動部材(3)との間に配置され、前記駆動部材(2)に固定されたクラッチドラム(8)の内部に前記従動部材(3)から一体に延びるクラッチハブ(9)を臨ませ、前記クラッチドラム(8)の内周と前記クラッチハブ(9)の外周にそれぞれ軸方向に摺動可能に係合する複数の摩擦係合部材(11,12)を軸方向に交互に配置し、前記クラッチドラム(8)内に軸方向に移動可能に嵌装されたクラッチピストン(10)によって区画される各油室(S1,S2)を該クラッチピストン(10)の軸方向両側にそれぞれ形成し、前記各油室(S1,S2)にオイルを給排することによって前記クラッチピストン(10)を軸方向に移動させ、該クラッチピストン(10)を前記摩擦係合部材(11,12)に押圧/押圧解除することによって前記駆動部材(2)から前記従動部材(3)への動力伝達を断接する油圧クラッチ(1)であって、前記クラッチドラム(8)の前記クラッチピストン(10)の外周面が摺動可能に嵌合するガイド面(8a)に、前記クラッチピストン(10)の移動によって前記各油室(S1,S2)同士を選択的に連通させる凹溝(20)を形成したことを特徴とする。
ここで、前記凹溝(20)は、前記クラッチピストン(10)の前記摩擦係合部材(11,12)を押圧する方向への移動初期と移動終期には前記各油室(S1,S2)の連通を遮断し、同クラッチピストン(10)の移動初期と移動終期との間の過渡期には前記各油室(S1,S2)同士を連通させる位置に形成されている。
本発明によれば、当該油圧クラッチが完全に締結される前の段階で凹溝によって各油室が連通し、一方の油室のオイルが他方の油室へとリークするため、クラッチピストンのクラッチ締結方向への移動速度が減じられ、クラッチピストンは、摩擦係合部材をゆっくりと押圧する。このため、当該油圧クラッチの締結時のショックが緩和され、滑らかな締結が可能となる。そして、このような効果は、クラッチドラムのガイド面に単に凹溝を形成するだけの簡単な構成によって得られるため、部品点数の増加やこれに伴う構造の複雑化、コストアップなどを招くことがない。
また、前記油圧クラッチ(1)において、前記凹溝(20)を前記クラッチドラム(8)のガイド面(8a)の同一円周上に複数形成することが望ましい。そして、複数の前記凹溝(20)を周方向に等角度ピッチで形成することが好ましい。
上記構成によれば、油圧クラッチの締結時に一方の油室内のオイルが複数の凹溝を周方向に均等にリークして他方の油室へと流れ込むため、クラッチピストンを移動させる油圧が該クラッチピストンに周方向に均一に作用する。このため、クラッチ締結時のクラッチピストンの移動速度が均等に減じられて該クラッチピストンのスムーズな移動が可能となる。
また、前記油圧クラッチ(1)において、前記凹溝(20)の開口形状を矩形、円形または楕円形としてもよい。
上述のように、凹溝の開口形状を選択することによって、クラッチ締結時のショック吸収性能を最適に設定することができる。
本発明によれば、油圧クラッチのコストアップを招くことなく、簡単な構成で締結時のショックを緩和することができるという効果が得られる。
本発明に係る油圧クラッチを備える車両のトランスミッション要部の断面図である。 図1のA部拡大詳細図である。 本発明に係る油圧クラッチのクラッチドラムの縦断面図である。 図3のB−B線断面図である。 図3のC部拡大詳細図である。 (a),(b)はクラッチドラムに形成された凹溝の開口部形状の他の例を示す図である。 (a)〜(c)は本発明に係る油圧クラッチの締結時のオイルの流れをその過程順に模式的に示すクラッチドラムとクラッチピストンとの嵌合部の部分断面図である。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る油圧クラッチを備える車両のトランスミッション要部の断面図、図2は図1のA部拡大詳細図である。
図1に示す車両のトランスミッションTにおいては、ミッションケース30の内部に本発明に係る油圧クラッチ1が収容されている。この油圧クラッチ1は、同軸上に配置された駆動部材である駆動軸2と従動部材であるギヤ3との間(動力経路の中間)に配置されており、この油圧クラッチ1によって駆動軸2からギヤ3への動力伝達が断接される。
ここで、駆動軸2は、ミッションケース30内を水平に延びており、ボールベアリング4によってミッションケース30に回転可能に支持されている。そして、この駆動軸2の外周には、ギヤ3がラジアルニードルベアリング5と一対のスラストニードルベアリング6によって相対回転可能に支持されており、このギヤ3には別のギヤ7が噛合している。
ところで、本発明に係る油圧クラッチ1は、駆動軸2の外周に固定されたクラッチドラム8と、ギヤ3からクラッチドラム8に向かって一体に延びて該クラッチドラム8の内部に臨む円筒状のクラッチハブ9と、クラッチドラム8の内部に軸方向(図1及び図2の左右方向)に移動可能に嵌装されたクラッチピストン10と、該クラッチドラム10の内周とクラッチハブ9の外周にそれぞれ軸方向に摺動可能に係合する複数(図示例では、各6枚)のディスクプレート11とクラッチプレート12を主な構成要素として備えている。なお、複数(各6枚)のディスクプレート11とクラッチプレート12は、摩擦係合部材を構成している。
上記クラッチドラム8は、内周側のボス部8Aを駆動軸2の外周に圧入することによって該駆動軸2の外周に固定されており、ボス部8Aの径方向外方の円筒状のガイド部8Bと、該ガイド部8Bとボス部8Aとを連結するリング状縦壁としての側壁部8Cとを備えている。
また、クラッチピストン10は、リングプレート状に成形されており、その内周と外周は、クラッチドラム8のボス部8Aの外周とガイド部8Bの内周のガイド面8aにそれぞれ軸方向に移動可能に嵌合している。そして、このクラッチピストン10の内周とクラッチドラム8のボス部8Aの外周との嵌合部は、クラッチドラム8のボス部8Aの外周部に嵌着されたリング状のシール部材(Oリング)13によってシールされている。同様に、クラッチピストン10の外周とクラッチドラム8のガイド部8Bのガイド面8aとの嵌合部は、クラッチピストン10の外周部に嵌着されたリング状のシール部材(Oリング)14によってシールされている。
ここで、クラッチドラム8のボス部8Aの外周には、リング状のスプリングリテーナ15がスナップリング16によって位置決めされて係止されており、このスプリングリテーナ15とクラッチピストン10との間にはリターンスプリング17が縮装されている。したがって、クラッチピストン10は、リターンスプリング17によってクラッチOFF(締結解除)方向(図1及び図2の右方)に付勢されている。そして、クラッチドラム8の内部には、クラッチピストン10によって区画される油室S1,S2が該クラッチピストン10の軸方向両側に形成されている。
また、摩擦係合部材である複数(各6枚)のリングプレート状のディスクプレート11とクラッチプレート12は、クラッチドラム8のガイド部8Bとこれに径方向内側に対向するクラッチハブ9との間において軸方向に交互に配置されている。そして、これらのクラッチディスク11とクラッチプレート12は、クラッチドラム8のガイド部8Bの内周部にスナップリング18によって係止されたリングプレート状のストッパ19とクラッチピストン10によって軸方向に挟持されている。
ところで、駆動軸2の内部には、軸方向に延びる油路2aが形成されており、この油路2aは、駆動軸2に形成された径方向の油孔2bとクラッチドラム8のボス部8Aに形成された径方向の油孔8bを介して一方の油室S1に連通している。また、油路2aは、油孔2bと円筒状の隙間δを介してラジアルニードルベアリング5と一対のスラストニードルベアリング6に連通している。ここで、隙間δは、駆動軸2の外周面とクラッチドラム8のボス部8Aの内周面との間に形成されている。また、クラッチハブ9には、複数(図1には2つのみ図示)の径方向の油孔9aが形成されている。
さらに、駆動軸2には、軸方向に延びる油路2cが形成されており、この油路2cは、駆動軸2に形成された径方向の油孔2dとクラッチドラム8のボス部8Aに形成された径方向の油孔8cを介して他方の油室S2に連通している。
次に、本発明の特徴的な構成を図3〜図7に基づいて以下に説明する。
図3はクラッチドラムの縦断面図、図4は図3のB−B線断面図、図5は図3のC部拡大詳細図、図6(a),(b)はクラッチドラムに形成された凹溝の開口部形状の他の例を示す図、図7(a)〜(c)は油圧クラッチの締結時のオイルの流れをその過程順に模式的に示すクラッチドラムとクラッチピストンとの嵌合部の部分断面図である。
本実施の形態に係る油圧クラッチ1においては、図3に示すように、クラッチドラム8のクラッチピストン10の外周面が摺動可能に嵌合するガイド面8aには、クラッチピストン10の移動によって各油室S1,S2同士を選択的に連通させる凹溝20が複数形成されている。ここで、図4に示すように、本実施の形態では、4つの凹溝20がクラッチドラム8のガイド面8aの同一円周上に周方向に等角度ピッチ(90°ピッチ)で形成されている。また、この凹溝20は、後述のように(図7参照)、当該油圧クラッチ1を締結(クラッチON)方向(図7の左方)にクラッチピストン10を移動させる方向(ディスクプレート11とクラッチプレート12を押圧する方向)への移動初期と移動終期には各油室S1,S2の連通を遮断し、同クラッチピストン10の移動初期と移動終期の間の過渡期には各油室S1,S2同士を連通させる位置に形成されている。
ここで、本実施の形態では、4つの各凹溝20の開口形状は、図5に示すように矩形とされているが、この凹溝20の開口形状は、例えば、図6(a),(b)に示すように、円形或いは楕円形であってもよく、その開口形状は任意である。また、凹溝20の開口面積も、後述の本発明の効果が得られる範囲で最適に設定される。つまり、本実施の形態では、凹溝20の開口形状が矩形である場合、矩形の長さaと幅b(図5参照)、図6(a)に示す円形である場合には、円形の内径φD、図6(b)に示す楕円である場合には、楕円の長軸cの長さと短軸の長さdが最適な値に設定される。
また、本実施の形態では、凹溝20の数を4つとしたが、凹溝20の数は複数であれば任意に設定することができ、複数の凹溝20は、周方向に等角度ピッチで形成される。
次に、本実施の形態に係る油圧クラッチ1の作用について説明する。
本実施の形態に係る油圧クラッチ1において、図2に矢印にて示すように、駆動軸2の油路2aからオイルの一部が油孔2b,8bを経て油室S1に導入されると、このオイルの圧力とリターンスプリング17の付勢力によってクラッチピストン10がクラッチOFF(締結解除)方向(図1及び図2の右方)へと移動してクラッチドラム8の側壁部8Cの内面に当接する。この状態では、クラッチピストン10は、複数のディスクプレート11とクラッチプレート12を押圧しないため、これらのディスクプレート11とクラッチプレート12の間に摩擦抵抗力が発生せず、両者は自由に相対回転可能となり、ディスクプレート11のみがクラッチドラム8と共に自由回転する。したがって、このクラッチOFF状態では、駆動軸2の回転は、クラッチハブ9とギヤ3には伝達されず、これらのクラッチハブ9とギヤ3は、静止状態を維持し、クラッチドラム8が駆動軸2と共に空転する。
また、駆動軸2の油路2aから油孔2bへと流れるオイルの他の一部は、図2に矢印にて示すように、油孔2bから隙間δを経てラジアルニードルベアリング5と一対のスラストニードルベアリング6に供給されてこれらのラジアルニードルベアリング5とスラストニードルベアリング6の潤滑と冷却に供される。また、駆動軸2の油路2aから油孔2b,8bを経て油室S1へと流入するオイルの一部は、クラッチハブ9に形成された複数の油孔9aを通って複数のディスクプレート11とクラッチプレート12へと供給され、これらのディスクプレート11とクラッチプレート12の潤滑と冷却に供される。
他方、図2に破線矢印にて示すように、駆動軸2の油路2cからオイルが油孔2d,8cを経て油室S2に供給されると、このオイルの圧力を受けてクラッチピストン10がクラッチON(締結)方向(図1及び図2の左方)へと移動し、複数のディスクプレート11とクラッチプレート12をストッパ19との間で押圧する。すると、隣接するディスクプレート11とクラッチプレート12との間に摩擦抵抗が発生し、これらのディスクプレート11とクラッチプレート12が一体に回転する。したがって、油圧クラッチ1は、クラッチON(締結状態)となり、駆動軸2の回転は、クラッチドラム8とディスクプレート11及びクラッチプレート12を経てクラッチハブ9とギヤ3に伝達され、ギヤ3とこれに噛合するギヤ7が回転駆動される。
而して、本実施の形態に係る油圧クラッチ1においては、前述のようにクラッチドラム8のガイド部8Bのガイド面8aに複数の凹溝20を形成したため(図3及び図4参照)、クラッチON時のショックが緩和される。このことを図7(a)〜(c)に基づいて以下に説明する。
すなわち、クラッチON(締結)時において、クラッチピストン10がディスクプレート11とクラッチプレート12を押圧する方向(図7の左方)移動する初期には、図7(a)に示すように、クラッチピストン10の外周部に嵌着されたシール部材14がクラッチドラム8のガイド面8aに密着しているために凹溝20は一方の油室S1のみに開口し、この凹溝20は、各油室S1,S2同士の連通を遮断している。このため、油室S2に供給される全てのオイルの圧力がクラッチピストン10に作用し、この圧力を受けるクラッチピストン10は、クラッチON方向(図7の左方)へと比較的速い速度で移動する。
その後、図7(b)に示すように、クラッチピストン10の外周部に嵌着されたシール部材14がクラッチドラム8の凹溝20の位置まで移動する過渡期においては、凹溝20が各油室S1,S2に開口して各油室S1,S2同士を連通させるため、油室S2内のオイルの一部が4つの凹溝20から油室S1へとリークする。このため、油室S2内のオイルの圧力が低下し、クラッチピストン10にオイルから作用するクラッチON方向への押圧力が弱まり、該クラッチピストン10の移動速度が低下する。また、オイルが4つの凹溝20をリークして油室S1へと流れる際の流動抵抗(流動損失)によってエネルギ損失が発生する。この結果、クラッチON時のショックが緩和され、当該油圧クラッチ1の滑らかな締結が可能となる。
そして、クラッチピストン10の移動終期において当該油圧クラッチ1が完全に締結される段階では、図7(c)に示すように、クラッチピストン10の外周部に嵌着されたシール部材14が凹溝20を通過してクラッチドラム10のガイド面8aに再び密着するため、各油室S1,S2同士の連通が遮断される。
ここで、本実施の形態では、4つの凹溝20をクラッチドラム8のガイド面8aの同一円周上に周方向に等角度ピッチ(90°ピッチ)で形成したため(図5参照)、当該油圧クラッチ1の締結時に一方の油室S2内のオイルが4つの凹溝20を周方向に均等にリークして他方の油室S1へと流れ込むため、クラッチピストン10を移動させる油圧が該クラッチピストン10に周方向に均一に作用する。このため、クラッチ締結時のクラッチピストン10の移動速度が均等に減じられて該クラッチピストン10のスムーズな移動が可能となる。
以上の効果は、クラッチドラム10のガイド面10aに単に凹溝20を形成するだけの簡単な構成によって得られるため、部品点数の増加やこれに伴う構造の複雑化、コストアップなどを招くことがない。
なお、以上は本発明を車両のトランスミッションに備えられた油圧クラッチに対して適用した形態について説明したが、本発明は、他の任意の装置に備えられる油圧クラッチに対しても同様に適用可能である。
その他、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
1 油圧クラッチ
2 駆動軸(駆動部材)
3 ギヤ(従動部材)
8 クラッチドラム
8a クラッチドラムのガイド面
9 クラッチハブ
10 クラッチピストン
11 ディスクプレート(摩擦係合部材)
12 クラッチプレート(摩擦係合部材)
20 凹溝
S1,S2 油室

Claims (5)

  1. 同軸上に配置された駆動部材と従動部材との間に配置され、
    前記駆動部材に固定されたクラッチドラムの内部に前記従動部材から一体に延びるクラッチハブを臨ませ、
    前記クラッチドラムの内周と前記クラッチハブの外周にそれぞれ軸方向に摺動可能に係合する複数の摩擦係合部材を軸方向に交互に配置し、
    前記クラッチドラム内に軸方向に移動可能に嵌装されたクラッチピストンによって区画される各油室を該クラッチピストンの軸方向両側にそれぞれ形成し、
    前記各油室にオイルを給排することによって前記クラッチピストンを軸方向に移動させ、該クラッチピストンを前記摩擦係合部材に押圧/押圧解除することによって前記駆動部材から前記従動部材への動力伝達を断接する油圧クラッチであって、
    前記クラッチドラムの前記クラッチピストンの外周面が摺動可能に嵌合するガイド面に、前記クラッチピストンの移動によって前記各油室同士を選択的に連通させる凹溝を形成したことを特徴とする油圧クラッチ。
  2. 前記凹溝は、前記クラッチピストンの前記摩擦係合部材を押圧する方向への移動初期と移動終期には前記各油室の連通を遮断し、同クラッチピストンの移動初期と移動終期との間の過渡期には前記各油室同士を連通させる位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の油圧クラッチ。
  3. 前記凹溝を前記クラッチドラムのガイド面の同一円周上に複数形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の油圧クラッチ。
  4. 複数の前記凹溝を周方向に等角度ピッチで形成したことを特徴とする請求項3に記載の油圧クラッチ。
  5. 前記凹溝の開口形状を矩形、円形または楕円形としたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の油圧クラッチ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024039841A1 (en) * 2022-08-19 2024-02-22 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Clutch with apply chamber pressure release port

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