JP2001124163A - トロイダル型無段変速機及び変速比無限大無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機及び変速比無限大無段変速機

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JP2001124163A
JP2001124163A JP30373699A JP30373699A JP2001124163A JP 2001124163 A JP2001124163 A JP 2001124163A JP 30373699 A JP30373699 A JP 30373699A JP 30373699 A JP30373699 A JP 30373699A JP 2001124163 A JP2001124163 A JP 2001124163A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皿バネの大型化を抑制して無段変速機の小型
化を推進する。 【解決手段】 CVTシャフト1bの両端部にそれぞれ
配設された一対の入力ディスク20、21と、これら入
力ディスク20、21の間に配設されて、パワーローラ
50をそれぞれ挟持する出力ディスク22、22と、入
力トルクに応じた軸方向推力を入力ディスク20へ付与
するカムローラ24と、無負荷のときに軸方向推力を入
力ディスク21へ付与する皿バネ33と、油圧に応じた
軸方向推力を入力ディスク21へ付与するピストン31
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などに採用さ
れるトロイダル型無段変速機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から車両の変速機として、トロイダ
ル型の無段変速機が知られており、例えば、特開平6−
174030号公報などが知られている。
【0003】これは、2組のトロイダル変速部を同軸上
に配置したダブルキャビティ式で構成されており、入力
軸の両端に入力ディスクを配設する一方、これら入力デ
ィスクと対向する2つの出力ディスクを、入力軸の中央
部で相対回転自在に支持している。
【0004】そして、これら入出力ディスクの間に配置
されたパワーローラを挟持、押圧するために、一方の入
力ディスクには、入力トルクに応じた軸方向推力を発生
するローディングカム装置が配設され、他方の入力ディ
スクは皿バネによって軸方向へ付勢される。
【0005】無段変速機へトルクが入力されている間
は、ローディングカム装置の推力によって入出力ディス
クがパワーローラを挟持、押圧してトルクの伝達を行
い、無負荷時には、皿バネからの推力によって入出力デ
ィスクがパワーローラを挟持し、パワーローラの滑りを
防いで、トルク伝達状態へ円滑に移行することができ
る。
【0006】さらに、上記従来例では、ローディングカ
ム装置を覆う油室を形成し、入力ディスクの背面を油圧
によっても押圧して、入力トルクに応じた軸方向推力
に、入力トルク以外の運転状態に基づく軸方向推力を加
えることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のトロイダル型無段変速機では、ローディングカム装
置と油圧を備えた入力ディスクからの軸方向推力は、他
方の入力ディスクに設けた皿バネを圧縮して一対の入力
ディスク間のパワーローラを挟持、押圧するため、ロー
ディングカム装置と油圧に対抗するために皿バネの付勢
力を増大する必要があり、皿バネが大型化して無段変速
機の小型化を阻害するという問題がある。
【0008】また、上記従来例のトロイダル型無段変速
機を用いて、特開平10−205601号公報等に開示
されるような変速比無限大無段変速機を構成すると、エ
ンジンとトロイダル型無段変速機は常時結合されてお
り、エンジン始動時では、皿バネの付勢力がスタータ等
の負荷となるため、皿バネの大型化によってスタータも
大型化する必要が生じたり、始動性が低下する場合があ
った。
【0009】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、皿バネの大型化を抑制して無段変速機の小
型化を推進するとともに、変速比無限大無段変速機へ採
用した場合には、始動時の負荷を低減することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、入力軸の
両端部にそれぞれ配設された一対の入力ディスクと、こ
れら入力ディスクの間で同軸的かつ相対回転自在に配設
されるとともに、パワーローラをそれぞれ挟持する出力
ディスクと、入力トルクに応じた軸方向推力を前記入力
ディスクへそれぞれ付与する押圧力発生手段と、無負荷
のときに軸方向推力を前記入力ディスクへそれぞれ付与
するプリロード発生手段と、油圧に応じた軸方向推力を
前記入力ディスクへそれぞれ付与する油圧力発生手段と
を備えたトロイダル型無段変速機において、前記一対の
入力ディスクは、一方の入力ディスクに前記押圧力発生
手段を配設し、他方の入力ディスクにプリロード発生手
段と油圧力発生手段を設ける。
【0011】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記油圧力発生手段は、エンジンに駆動される油
圧ポンプと、この油圧ポンプからの作動油を運転状態に
応じて調圧した油圧に基づいて、前記入力ディスクへ軸
方向推力を付与する駆動手段とを有する。
【0012】また、第3の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記プリロード発生手段は、無負荷時にパワーロ
ーラと入出力ディスクとの間に滑りが生じないように軸
方向推力を付与する。
【0013】また、第4の発明は、前記第2の発明にお
いて、前記プリロード発生手段は、前記入力ディスクの
背面を軸方向へ押圧する皿バネで構成されるとともに、
前記駆動手段は、この皿バネの外周で前記入力ディスク
の背面を軸方向へ付勢する円環状のピストンを備える。
【0014】また、第5の発明は、前記第2の発明にお
いて、前記駆動手段は、前記入力ディスクの背面に形成
された円環状の油室と、この油室に収装される円環状の
ピストンを備え、前記プリロード発生手段が、前記油室
に収装された弾性部材で構成される。
【0015】また、第6の発明は、前記第5の発明にお
いて、前記プリロード発生手段は、前記円環状のピスト
ンの端面を基準として、無負荷時の軸方向推力を設定す
る。
【0016】また、第7の発明は、前記第2の発明にお
いて、前記油圧力発生手段は、運転者のシフト操作が走
行状態のときに駆動手段へ油圧を供給する一方、運転者
のシフト操作が停車または駐車状態のときには、駆動手
段から油圧を排出する。
【0017】また、第8の発明は、ユニット入力軸にそ
れぞれ連結されたトロイダル型無段変速機及び一定変速
機と、ユニット出力軸に配設されて、トロイダル型無段
変速機の出力軸に連結したサンギアと、一定変速機の出
力軸に連結したキャリアと、ユニット出力軸に連結した
リングギアと、からなる遊星歯車機構と、前記ユニット
入力軸からキャリアを介して無段変速機出力部に至る伝
達経路の途中に介装された動力循環モードクラッチと、
前記遊星歯車機構のうちの2つの回転要素の間に介装さ
れた直結モードクラッチと、前記トロイダル型無段変速
機から前記サンギア側へ駆動力を伝達する手段とを備え
た変速比無限大無段変速機において、前記トロイダル型
無段変速機は、入力軸の両端部にそれぞれ配設された一
対の入力ディスクと、これら入力ディスクの間で同軸的
かつ相対回転自在に配設されるとともに、それぞれパワ
ーローラを挟持する出力ディスクとを備えて、前記一方
の入力ディスクには、入力トルクに応じた軸方向推力を
前記入力ディスクへそれぞれ付与する押圧力発生手段を
配設し、他方の入力ディスクには、無負荷のときに軸方
向推力を前記入力ディスクへそれぞれ付与するプリロー
ド発生手段に加えて、油圧に応じた軸方向推力を前記入
力ディスクへそれぞれ付与する油圧力発生手段を設け
る。
【0018】
【発明の効果】第1の発明は、一対の入力ディスクと対
向する一対の出力ディスクがそれぞれパワーローラを挟
持してトルクの伝達を行うトロイダル型無段変速機にお
いて、入力トルクが加わっているときには、一方の入力
ディスクに設けた押圧力発生手段からの軸方向推力と、
他方の入力ディスクに設けた油圧力発生手段とプリロー
ド発生手段の軸方向推力が対向してパワーローラの挟
持、押圧が行われる。
【0019】無負荷時では、他方の入力ディスクに設け
たプリロード発生手段からの軸方向推力のみでパワーロ
ーラの挟持、押圧が行われる。
【0020】プリロード発生手段を、例えば、バネなど
で構成した場合には、入力トルクが加わっているとき
に、押圧力発生手段からの軸方向推力によって押圧され
るが、油圧力発生手段が押圧力発生手段に対向して軸方
向推力を発生するため、プリロード発生手段に過大な軸
方向推力が加わるのを防いで耐久性を向上できるととも
に、プリロード発生手段が付与する軸方向推力を小さく
設定することで、プリロード発生手段の小型化を推進で
きる。
【0021】また、第2の発明は、油圧力発生手段が、
エンジンに駆動される油圧ポンプからの作動油を運転状
態に応じて調圧することで、入力トルク以外の運転状態
に応じた軸方向推力を付与することができる。
【0022】また、第3の発明は、プリロード発生手段
は、無負荷時にパワーローラと入出力ディスクとの間に
滑りが生じないような軸方向推力を付与することで、プ
リロード発生手段の小型化を推進しながらも、円滑にト
ルクの伝達を行うことができる。
【0023】また、第4の発明は、プリロード発生手段
は、入力ディスクの背面を軸方向へ押圧する皿バネで構
成される一方、油圧力発生手段の駆動手段が、皿バネの
外周で前記入力ディスクの背面を軸方向へ付勢する円環
状のピストンを備えたため、円環状のピストンにより押
圧力発生手段からの軸方向推力に抗して皿バネが潰れる
のを防止し、さらに、パワーローラの挟持、押圧によっ
て入力ディスクが変形するのを抑制することができる。
【0024】また、第5の発明は、入力ディスクの背面
に形成された円環状の油室に円環状のピストンを収装
し、さらに、弾性部材からなるプリロード発生手段を、
油室内に収装したため、油圧力発生手段とプリロード発
生手段を一体的に構成することで、外径の増大を防いで
トロイダル型無段変速機の小型化を推進することができ
る。
【0025】また、第6の発明は、油室内に収装された
プリロード発生手段は、環状のピストンの端面を基準と
して、無負荷時の軸方向推力を設定することができ、無
負荷時の軸方向推力を調整する部材を不要にして、部品
点数を削減することができる。
【0026】また、第7の発明は、油圧力発生手段が付
与する軸方向推力は、運転者のシフト操作が走行状態の
ときにのみ発生するため、車両の停車中には軸方向推力
発生のためにエンジン出力を消費することがなくなっ
て、燃費の向上を図ることができる。
【0027】また、第8の発明は、変速比無限大無段変
速機では、ユニット入力軸と、トロイダル型無段変速機
の入力軸が常時エンジンと結合しているため、エンジン
の始動時には、スタータがトロイダル型無段変速機を回
転させる必要があるが、プリロード発生手段を小型化し
て、無負荷時の軸方向推力を小さなものに設定しておけ
ば、入出力ディスクが挟持するパワーローラの押圧力を
小さくすることができるため、エンジン始動時の抵抗を
抑制でき、始動性の向上を図ることができる。
【0028】
【実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付図面に
基づいて説明する。
【0029】図1〜図3は、2組のトロイダル変速部2
A、2Bを備えたダブルキャビティのトロイダル型無段
変速機2を、変速比無限大無段変速機へ適用した一例を
示す。
【0030】図1〜図3に示すように、エンジンのクラ
ンクシャフト13に連結される変速比無限大無段変速機
のユニット入力軸1aに、変速比を連続的に変更可能な
トロイダル型無段変速機2と、ギア3a及びギア3bか
ら構成された一定変速機3(減速機)を並列的に配設す
るとともに、これらの出力軸4、3cをユニット出力軸
6側に配設し、これら出力軸4、3cを遊星歯車機構5
で連結したもので、トロイダル型無段変速機2の無段変
速機出力軸4は、遊星歯車機構5のサンギア5aに、一
定変速機3の出力軸3cは動力循環モードクラッチ9を
介して遊星歯車機構5のキャリア5bに連結される。
【0031】無段変速機出力軸4は、ユニット出力軸6
と同軸的かつ、相対回転自在に支持され、スプロケット
4aとチェーン40を介して無段変速機2の出力スプロ
ケット25と連結されている。
【0032】そして、無段変速機出力軸4の一端は、遊
星歯車機構5のサンギア5aに結合する一方、他端は直
結モードクラッチ10に結合する。
【0033】ギア3bと結合した一定変速機3の出力軸
3cは、ユニット出力軸6と同軸的かつ、相対回転自在
に支持され、動力循環モードクラッチ9を介して遊星歯
車機構5のキャリア5bに連結されており、遊星歯車機
構5のリングギア5cは、変速比無限大無段変速機の出
力軸であるユニット出力軸6に結合される。
【0034】ユニット出力軸6の図中左側の端部近傍に
は、変速機出力ギア7が設けられ、この変速機出力ギア
7は、ディファレンシャルギア8のファイナルギア12
と歯合し、ディファレンシャルギア8に結合した駆動軸
が、所定の総減速比で駆動力が伝達される。
【0035】この変速比無限大無段変速機では、動力循
環モードクラッチ9を解放する一方、直結モードクラッ
チ10を締結してトロイダル型無段変速機2の変速比に
応じて駆動力を伝達する直結モードと、動力循環モード
クラッチ9を締結する一方、直結モードクラッチ10を
解放することにより、トロイダル型無段変速機2と一定
変速機3の変速比の差に応じて、変速比無限大無段変速
機全体のユニット変速比(ユニット入力軸1aとユニッ
ト出力軸6の変速比)を負の値(後進)から正の値(前
進)まで無限大(停止状態)を含んでほぼ連続的に制御
を行う動力循環モードとを選択的に使用することができ
る。
【0036】トロイダル型無段変速機2は、図1、図3
に示すように、CVTシャフト1b(入力軸)上に同軸
的に配置した2組の入力ディスク20、21と1つの出
力ディスク22で、パワーローラ50をそれぞれ挟持、
押圧するダブルキャビティのハーフトロイダル型で構成
され、一定変速機3側に第1トロイダル変速部2Aが、
この反対側に第2トロイダル変速部2Bが配置される。
【0037】第1トロイダル変速部2Aの出力ディスク
22と、第2トロイダル変速部2Bの出力ディスク22
の間には出力スプロケット25が介装され、この出力ス
プロケット25がチェーン40を介して、ユニット入力
軸1a、CVTシャフト1bと平行して配置されたユニ
ット出力軸6の無段変速機出力軸4に形成したスプロケ
ット4aと連結する。
【0038】そして、第1及び第2トロイダル変速部2
A、2Bの入力ディスク20、21はCVTシャフト1
bの両端部で対向して配置され、これら入力ディスク2
0、21の間には、出力ディスク22、22がCVTシ
ャフト1bに対して相対回転自在に支持される。
【0039】出力ディスク22、22は、出力スプロケ
ット25と一体的に結合されるとともに、軸受26、2
6を介してケーシング11の内周に結合された中間壁2
7に支持され、出力ディスク22、22は軸方向位置が
固定される。
【0040】一方、入力ディスク20、21とCVTシ
ャフト1bは、ボールスプライン28、28によって連
結されて、相対的な軸方向変位を許容する一方、回転方
向で結合している。
【0041】ユニット入力軸1aは、エンジンのクラン
クシャフト13に結合されるとともに、油圧ポンプ11
0と一定変速機3のギア3aを備えている。
【0042】そして、ユニット入力軸1aとCVTシャ
フト1bは、同軸的に配設されるとともに、入力トルク
の大きさに応じて入力ディスクを軸方向へ押圧するロー
ディングカム装置を介して回転方向で結合する。
【0043】ローディングカム装置は、図1において、
第1トロイダル変速部2Aの入力ディスク20の背面側
に配設されて、ユニット入力軸1aと回転方向で結合す
るとともに、軸受29を介してCVTシャフト1bで相
対回転可能に軸支されたカムフランジ23と、このカム
フランジ23と入力ディスク20との間に介装された複
数のカムローラ24とから構成される。
【0044】なお、カムフランジ23は、ユニット入力
軸1aに形成した一定変速機3のギア3aに設けた孔部
と、回転方向で係合する爪部を備えて、回転方向で結合
している。
【0045】カムフランジ23と入力ディスク20の対
向面には、それぞれ円周方向に所定のカム面が形成され
ており、ユニット入力軸1aにトルクが加わってカムフ
ランジ23と入力ディスク20が相対的に回転すると、
間に介装されたカムローラ24が転動して、第1トロイ
ダル変速部2Aの入力ディスク20を図1の右側へ向け
て押圧し、このカムローラ24からの軸方向推力により
出力ディスク22との間に介装したパワーローラ50を
挟持、押圧して、カムフランジ23と入力ディスク20
は入力トルクに応じた位置まで相対回転した後、回転方
向で結合する。
【0046】一方、カムフランジ23とCVTシャフト
1bとの間に介装された軸受29は、例えば、アンギュ
ラボールベアリング等で構成されて、カムフランジ23
がユニット入力軸1aに近接する方向の変位を規制す
る。
【0047】したがって、カムフランジ23と入力ディ
スク20の相対回転によってカムローラ24が入力ディ
スク20を軸方向へ押圧すると、その反力によってカム
フランジ23はユニット入力軸1a側に押圧されるが、
軸受29によってCVTシャフト1bに係止されるた
め、カムローラ24が発生した軸方向推力は、カムフラ
ンジ23、軸受29、CVTシャフト1bを介して第2
トロイダル変速部2Bの入力ディスク21へ伝達され
る。
【0048】そして、CVTシャフト1bの右側端部に
設けた締結部材30、皿バネ33、33を介して第2ト
ロイダル変速部2Bの入力ディスク21を、対向する出
力ディスク22へ向けて押圧し、一対の入力ディスク2
0、21を、CVTシャフト1bを介して軸方向へ変位
可能に支持しておくことで、ローディングカム装置から
の入力トルクに応じた軸方向推力を等しく分配すること
ができる。
【0049】なお、皿バネ33、33は、無負荷時にパ
ワーローラ50を挟持、押圧するためのプリロードを付
与するもので、このプリロードは、無負荷時にパワーロ
ーラ50と入出力ディスクの間に滑りが生じない程度の
軸方向推力に設定される。
【0050】次に、図3に示すように、CVTシャフト
1bの端部に締結されるとともに、皿バネ33を介して
第2トロイダル変速部2Bの入力ディスク21へ軸方向
推力(プリロード)を付与する締結部材30には、皿バ
ネ33を収装した外周に、油圧によって入力ディスク2
1を出力ディスク22へ向けて押圧する円環状のピスト
ン31が形成される。
【0051】この締結部材30は、貫通孔30Dに挿通
したCVTシャフト1bのネジ部1cと螺合するネジ部
を備えて、ケーシング11の開口部を封止するカバー1
4側には、レンチなどと係合可能な頭部30Bを形成す
る。
【0052】そして、入力ディスク21の背面と対向す
る外周には、円環状のピストン31がCVTシャフト1
bの軸と平行して突設され、このピストン31の内周に
は、同じく円環状の凹部30Aが形成される。
【0053】さらに、この凹部30Aと貫通孔30Dの
間には、皿バネ33と当接する端面30Cが形成され
る。
【0054】一方、締結部材30に対向する入力ディス
ク21の背面には、ピストン31を収装する円環状の油
室36を形成するために、円環状の壁部21A、21B
が締結部材30へ向けて突設される。なお、壁部21A
はピストン31の外周と摺接する一方、壁部21Bはピ
ストン31の内周と摺接する。
【0055】油室36に面したピストン31の端面の一
部には、圧油を供給する油路32が開口しており、この
油路32の他端は、締結部材30の貫通孔30D内周に
開口する。
【0056】貫通孔30Dの内周に開口した油路32
は、CVTシャフト1bの図中右側の軸端から形成され
た油路17と連通しており、さらに、この油路17は軸
端に設けたシール部材16の内周を介して、カバー14
の内部に形成された油路15と連通して、後述する油圧
回路から圧油の供給を受け、軸方向へ変位可能な第2ト
ロイダル変速部2Bの入力ディスク21は、油室36に
加わる油圧に応じてパワーローラ50を挟持、押圧する
軸方向推力を可変制御することができる。
【0057】また、締結部材30の端面30Cと、壁部
21Bよりも内周の入力ディスク21の背面との間に
は、皿バネ33、33が介装されており、皿バネ33の
内周には、円筒状のスペーサ34とカラー35が収装さ
れる。
【0058】スペーサ34は入力ディスク21の背面と
当接可能に形成されて、入力ディスク21の軸方向変位
によって皿バネ33、33が押し潰されるのを防止する
もので、また、カラー35は、CVTシャフト1bに形
成されたボールスプライン28の溝部の端部28Aと端
面30Cとの距離を所定値に設定して、皿バネ33、3
3が入力ディスク21へ付与するプリロード(軸方向推
力)を所定の値に設定するものである。
【0059】これら皿バネ33、33の付勢力(すなわ
ち、軸方向推力)によって、ユニット入力軸1aにトル
クが加わっていない無負荷状態のときにも、2つの入力
ディスク20、21へ軸方向推力を付与し、パワーロー
ラ50を押圧しておき、トルクの伝達に備える。なお、
皿バネ33、33から第1トロイダル変速部2Aの入力
ディスク20への軸方向推力の伝達は、上記カムローラ
24から第2トロイダル変速部2Bの入力ディスク21
へ向けた軸方向推力の伝達と逆になり、皿バネ33から
締結部材30、CVTシャフト1b、軸受29、カムフ
ランジ23、カムローラ24、そして入力ディスク20
へ伝達される。
【0060】なお、図3に示すように、CVTシャフト
1bの軸端は、カバー14との間に介装された軸受18
で支持されている。そして、油路17が開口した軸端か
ら軸受18側へ作動油が漏れないように、内周に油路を
備えたシール部材16が介装される。
【0061】次に、変速比無限大無段変速機の制御を行
う油圧回路について、図4を参照しながら詳述する。
【0062】油圧ポンプ110から供給された油圧は、
PLソレノイド90からの信号圧に基づいて、プレッシ
ャレギュレータ100が所定の供給圧PLに調整してか
ら、ライン圧回路101へ供給される。
【0063】なお、PLソレノイド90はパイロット圧
回路102からのパイロット圧を元圧として信号圧を調
圧し、プレッシャレギュレータ100が供給するライン
圧PLを制御するもので、PLソレノイド90は、図示
しないコントロールユニットからのデューティ比に応じ
て駆動される。
【0064】ライン圧回路101には、図示しないシフ
トレバーに応動するマニュアルバルブ60が配設され
て、このマニュアルバルブ60の下流には、直結モード
クラッチ10及び動力循環モードクラッチ9の締結状態
を制御する制御弁93、94が接続される。
【0065】パイロット圧回路102には、直結モード
クラッチ10を制御する第1ソレノイド91と、動力循
環モードクラッチ9を制御する第2ソレノイド92が配
設される。
【0066】第1ソレノイド91は、図示しないコント
ロールユニットによってデューティ制御され、このデュ
ーティ比に応じた信号圧を出力し、直結モードクラッチ
10と連通した制御弁93は、この信号圧に応じてマニ
ュアルバルブ60から供給されたライン圧PLを調圧し
て直結モードクラッチ10の締結、解放及び半クラッチ
状態を制御する。
【0067】同様に、第2ソレノイド92は、図示しな
いコントロールユニットによってデューティ制御され、
このデューティ比に応じた信号圧を出力し、動力循環モ
ードクラッチ9と連通した制御弁94は、信号圧に応じ
てマニュアルバルブ60から供給されたライン圧PLを
調圧して動力循環モードクラッチ9の締結、解放及び半
クラッチ状態を制御する。
【0068】以上のように構成されて、次に作用につい
て説明する。
【0069】ユニット入力軸1aにトルクが加わると、
ローディングカム装置が作動して、カムローラ24から
の軸方向推力と、皿バネ33及び油室36からの軸方向
推力によって、CVTシャフト1bの両端部に設けた一
対の入力ディスク20、21が中央の出力ディスク22
へ向けて変位することで、各トロイダル変速部2A、2
Bのパワーローラ50が挟持、押圧されてトルクの伝達
が行われ、パワーローラ50の傾転角に応じた変速比で
出力ディスク22、22が回転して、出力スプロケット
25からギア4aを介してユニット出力軸6側へ動力が
伝達される。
【0070】ここで、ライン圧PLは、例えば、図5に
示すように、エンジン負荷(スロットル開度やアクセル
ペダル踏み込み量)の大きさに応じて変化するよう制御
されるため、締結部材30に形成したピストン31と入
力ディスク21との間に画成した油室36にも、このラ
イン圧PLが供給されて、ピストン31及び油室36
が、入力ディスク21を出力ディスク22へ向けて押圧
する軸方向推力もエンジン負荷の増大に応じて増大する
ことになる。
【0071】すなわち、エンジン負荷と第2トロイダル
変速部2Bに生じる軸方向推力(パワーローラ50の押
し付け力)の関係は、図6に示すようになり、エンジン
負荷(図中スロットル開度)が大きくなると、油室36
に供給されるライン圧PLが増大するため、第2トロイ
ダル変速部2Bの入力ディスク21に加わる軸方向推力
も増大し、入力ディスク21には、ライン圧PLによる
軸方向推力と、皿バネ33による軸方向推力が加わっ
て、パワーローラ50を挟持、押圧してトルクの伝達を
行うことになる。
【0072】したがって、ローディングカム装置を備え
ていない第2トロイダル変速部2Bの入力ディスク21
には、従来の皿バネ33に加えて、ピストン31及び油
室36が軸方向推力を発生するため、皿バネ33に加わ
る荷重を低減しながらも、入力ディスク20、21に付
与する軸方向推力を可変制御することが可能となって、
皿バネ33の小型化を可能にして装置の大型化を防ぎな
がら、ローディングカム装置からの軸方向推力に対向す
るピストン31及び油室36を設けたため、皿バネ33
がローディングカム装置からの軸方向推力によって押し
潰されるのを防いで、耐久性を向上させることが可能と
なる。
【0073】なお、図6において、皿バネ33の軸方向
推力(図中荷重)もスロットル開度の大きさに応じて増
大しているが、これは、スロットル開度の増大によりユ
ニット入力軸1aに加わる入力トルクも大きくなるた
め、ローディングカム装置からの軸方向推力によって皿
バネ33、33が圧縮されるためである。
【0074】また、エンジンの停止時、換言すればユニ
ット入力軸1aが停止しているときには、油圧ポンプ1
10から圧油が供給されていないため、第1及び第2ト
ロイダル変速部2A、2Bに加わる軸方向推力は皿バネ
33、33からの軸方向推力のみとなる。
【0075】第2トロイダル変速部2Bの入力ディスク
21には、軸方向推力を発生する手段として、皿バネ3
3に加えてピストン31及び油室36が配設されるた
め、皿バネ33が発生するプリロード(軸方向推力)を
十分小さくしても、ローディングカム装置からの軸方向
推力に対向することができる。
【0076】さらに、入力ディスク21には、パワーロ
ーラ50を押圧する際に、特に外周部分で倒れ等の変形
が発生するが、ピストン31及び油室36を皿バネ33
の外周となるように配置したため、油室36からの軸方
向推力によって、入力ディスク21の変形も抑制するこ
とができる。
【0077】ここで、変速比無限大無段変速機では、ユ
ニット入力軸1a、CVTシャフト1bが常時エンジン
と結合しているため、エンジンの始動時には、図示しな
いスタータがトロイダル型無段変速機2を回転させる必
要があるが、皿バネ33を小型化して無負荷時の軸方向
推力を小さなものに設定しておけば、入出力ディスクが
挟持するパワーローラ50の押圧力を小さくすることが
できるため、エンジン始動時の抵抗を抑制できる。
【0078】すなわち、図7に示すように、時刻t0で
エンジンを始動する際には、トロイダル型無段変速機2
全体に加わる軸方向推力(図中押し付け力)は、皿バネ
33の軸方向推力のみであり、エンジンの始動に要する
負荷を抑制できる。
【0079】エンジンが始動した時刻t0以降は、エン
ジン回転数の上昇に応じてライン圧PLが増大すること
で、ピストン31及び油室36からの軸方向推力が加わ
って、トロイダル型無段変速機2全体に加わる軸方向推
力は、図中Aのように立ち上がる。
【0080】そして、時刻t1で、図示しないシフトレ
バーをNレンジ(あるいはPレンジ)からDレンジへ切
り換えると、トロイダル型無段変速機2には入力トルク
が加わり、上記ローディングカム装置からの軸方向推力
も加わって入出力ディスクがパワーローラ50を挟持す
る圧力が増大し、トルクの伝達が開始される。
【0081】さらに、時刻t2、t3でアクセルペダル
を踏み込むと、入力トルクに応じたカムローラ24から
の軸方向推力と、ライン圧PLに応じたピストン31及
び油室36からの軸方向推力によって、増大するトルク
を確実に伝達して車両を推進する。
【0082】したがって、本発明によるトロイダル型無
段変速機を変速比無限大無段変速機へ適用すると、上記
皿バネ33の耐久性の向上と小型化に加えて、スタータ
の大型化を防ぎながらもエンジンの始動性を向上させる
ことが可能となるのである。
【0083】図8は第2の実施形態を示し、前記第1実
施形態に示した油室36へのライン圧PLの供給を、マ
ニュアルバルブ60の位置、換言すれば図示しないシフ
トレバーの位置に応じて行うようにしたもので、その他
の構成は前記第1実施形態と同様である。
【0084】図8において、直結モードクラッチ10を
制御する制御弁93は、マニュアルバルブ60がDレン
ジのときにのみライン圧回路101と連通する油路96
からライン圧PLの供給を受け、動力循環モードクラッ
チ9を制御する制御弁94は、DレンジまたはRレンジ
のときにライン圧回路101と連通するシャトル弁95
からライン圧PLの供給を受ける。
【0085】このシャトル弁95は、マニュアルバルブ
60がRレンジのときにのみライン圧回路101と連通
する油路97と、Dレンジのときにのみライン圧回路1
01と連通する油路96に接続され、油圧の高い方の油
路からライン圧PLを制御弁94に供給する。
【0086】また、マニュアルバルブ60は、停止位置
であるNレンジまたはPレンジのときには、油路96、
97への圧油の供給を停止する。
【0087】そして、入力ディスク21に軸方向推力を
付与する油室36とライン圧回路101の間には、上記
マニュアルバルブ60下流の油路96、97の油圧に応
じてライン圧PLの供給を選択的に行うインヒビタバル
ブ80が介装される。
【0088】インヒビタバルブ80には、スプール81
を付勢するスプリング80Sに対向して、上記油路9
6、97からライン圧PLを導く油路82、83が接続
され、マニュアルバルブ60がDレンジないしRレンジ
のときには、油路82、83へライン圧PLが供給さ
れ、スプール81はスプリング80Sに抗して変位し、
油室36へライン圧PLを供給する。
【0089】一方、油路82または83にライン圧PL
が供給されないときには、スプール81がスプリング8
0Sに付勢されて、油室36はドレーンされる。
【0090】したがって、入力ディスク21に軸方向推
力を付与する油室36には、DレンジないしRレンジの
ときにライン圧PLが供給され、NレンジまたはPレン
ジのときには油室36がドレーンされることになり、エ
ンジンが始動してもシフトレバーが走行位置であるDレ
ンジないしRレンジとなるまでは、油室36にライン圧
PLが供給されないため、車両の停止中には、油室36
がドレーンされて軸方向推力を発生することがなくなっ
て、燃費の向上を図ることができる。
【0091】この場合の油室36が発生する軸方向推力
は、例えば、図7のBに示すように、エンジンが始動し
た時刻t0では、マニュアルバルブ60がNレンジ(ま
たはPレンジ)にあるため油室36にライン圧PLが供
給されず、時刻t1でDレンジに切り換えられてから、
初めてライン圧PLが供給され、油室36は皿バネ33
と共に軸方向推力を発生する。
【0092】図9は、第3の実施形態を示し、前記第1
実施形態の油室36に皿バネ33、33を収装するとと
もに、ピストン31で皿バネ33を係止するもので、そ
の他の構成は前記第1実施形態と同様である。
【0093】入力ディスク21の背面から突設された壁
部21A、21Bと、締結部材30のピストン31で画
成された油室36には、一対の皿バネ33、33が収装
されており、皿バネ33、33の内周は、壁部21Bの
外周に係合する。
【0094】そして、CVTシャフト1bのネジ部1c
に螺合する締結部材30は、内周側に形成した端面30
Cが、ボールスプライン28の端部28Aに係止するま
で締結される。
【0095】そして、ピストン31の端面から油室36
に面した入力ディスク21の背面の間隔に応じて、皿バ
ネ33、33が発生するプリロードが設定される。
【0096】なお、突設された環状のピストン31と端
面30Cの間には、壁部21Bとの干渉を回避する凹部
30Aが、環状の溝として形成される。
【0097】軸方向推力に関しては、前記第1実施形態
と同様に、皿バネ33が発生する軸方向推力に加えて、
油室36に供給されるライン圧PLに応じた軸方向推力
が入力ディスク21に加わり、カムローラ24と対向す
る皿バネ33に加わる軸方向推力を抑制して、皿バネ3
3の小型化を推進できるのに加え、皿バネ33のプリロ
ードを設定するための部材、すなわち、図3に示した、
スペーサ34、カラー35が不要となるため、部品点数
を削減して製造コストを抑制できる。
【0098】また、ピストン31を皿バネ33と対向す
る位置で一体的に配設できるため、締結部材30の外径
を縮小して、トロイダル型無段変速機2の小型化を推進
することができるのである。
【0099】なお、上記実施形態では、変速比無限大無
段変速機に採用したトロイダル型無段変速機の一例につ
いて述べたが、勿論、通常の自動変速機に採用されるト
ロイダル型無段変速機の場合でも、上記と同様の作用、
効果を得ることができる。
【0100】また、無負荷時にプリロードを付与する手
段として、皿バネ33を用いた例を示したが、皿バネ3
3に限定されることはなく、他のバネや弾性部材を用い
ても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、トロイダル型無段
変速機を用いた変速比無限大無段変速機の断面図。
【図2】同じくトロイダル型無段変速機を用いた変速比
無限大無段変速機の概略図。
【図3】同じくトロイダル型無段変速機の第2トロイダ
ル変速部の拡大図で、入力ディスクと締結部材の断面
図。
【図4】油圧回路の要部を示す回路図。
【図5】スロットル開度(エンジン負荷)とライン圧の
関係を示すグラフ。
【図6】同じく、スロットル開度(エンジン負荷)と第
2トロイダル変速部で発生する軸方向推力(CVT押圧
力)の関係を示すグラフ。
【図7】作用を示すグラフで、スロットル開度、ライン
圧PL、軸方向推力(CVT押圧力)、伝達トルク及び
セレクト位置と時間の関係を示す。
【図8】第2の実施形態を示し、油圧回路の要部を示す
回路図。
【図9】第3の実施形態を示し、トロイダル型無段変速
機の第2トロイダル変速部の拡大図で、入力ディスクと
締結部材の断面図。
【符号の説明】
1a ユニット入力軸 1b CVTシャフト 2 トロイダル型無段変速機 2A 第1トロイダル変速部 2B 第2トロイダル変速部 3 一定変速機 4 無段変速機出力軸 5 遊星歯車機構 6 ユニット出力軸 9 動力循環モードクラッチ 10 直結モードクラッチ 11 ケーシング 20、21 入力ディスク 21A、21B 壁部 22 出力ディスク 23 カムフランジ 24 カムローラ 25 出力スプロケット 26 軸受 27 中間壁 28 ボールスプライン 29 軸受 30 締結部材 30A 凹部 30B 頭部 31 ピストン 32 油路 33 皿バネ 34 スペーサ 35 カラー 36 油室 50 パワーローラ 60 マニュアルバルブ 90〜92 ソレノイド 93、94 制御弁 95 シャトル弁 96、97 油路 100 プレッシャレギュレータ 101 ライン圧回路 102 パイロット圧回路 110 油圧ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川島 啓一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3J051 AA03 AA08 BA03 BD02 BE09 CA05 CB07 EA01 EA08 EB01 ED15 FA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸の両端部にそれぞれ配設された一
    対の入力ディスクと、 これら入力ディスクの間で同軸的かつ相対回転自在に配
    設されるとともに、パワーローラをそれぞれ挟持する出
    力ディスクと、 入力トルクに応じた軸方向推力を前記入力ディスクへそ
    れぞれ付与する押圧力発生手段と、 無負荷のときに軸方向推力を前記入力ディスクへそれぞ
    れ付与するプリロード発生手段と、 油圧に応じた軸方向推力を前記入力ディスクへそれぞれ
    付与する油圧力発生手段とを備えたトロイダル型無段変
    速機において、 前記一対の入力ディスクは、一方の入力ディスクに前記
    押圧力発生手段を配設し、他方の入力ディスクにプリロ
    ード発生手段と油圧力発生手段を設けたことを特徴とす
    るトロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 前記油圧力発生手段は、エンジンに駆動
    される油圧ポンプと、この油圧ポンプからの作動油を運
    転状態に応じて調圧した油圧に基づいて、前記入力ディ
    スクへ軸方向推力を付与する駆動手段とを有することを
    特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 前記プリロード発生手段は、無負荷時に
    パワーローラと入出力ディスクとの間に滑りが生じない
    ように軸方向推力を付与することを特徴とする請求項1
    に記載のトロイダル型無段変速機。
  4. 【請求項4】 前記プリロード発生手段は、前記入力デ
    ィスクの背面を軸方向へ押圧する皿バネで構成されると
    ともに、前記駆動手段は、この皿バネの外周で前記入力
    ディスクの背面を軸方向へ付勢する円環状のピストンを
    備えたことを特徴とする請求項2に記載のトロイダル型
    無段変速機。
  5. 【請求項5】 前記駆動手段は、前記入力ディスクの背
    面に形成された円環状の油室と、この油室に収装される
    円環状のピストンを備え、前記プリロード発生手段が、
    前記油室に収装された弾性部材で構成されたことを特徴
    とする請求項2に記載のトロイダル型無段変速機。
  6. 【請求項6】 前記プリロード発生手段は、前記円環状
    のピストンの端面を基準として、無負荷時の軸方向推力
    を設定することを特徴とする請求項5に記載のトロイダ
    ル型無段変速機。
  7. 【請求項7】 前記油圧力発生手段は、運転者のシフト
    操作が走行状態のときに駆動手段へ油圧を供給する一
    方、運転者のシフト操作が停車または駐車状態のときに
    は、駆動手段から油圧を排出することを特徴とする請求
    項2に記載のトロイダル型無段変速機。
  8. 【請求項8】 ユニット入力軸にそれぞれ連結されたト
    ロイダル型無段変速機及び一定変速機と、 ユニット出力軸に配設されて、トロイダル型無段変速機
    の出力軸に連結したサンギアと、一定変速機の出力軸に
    連結したキャリアと、ユニット出力軸に連結したリング
    ギアと、からなる遊星歯車機構と、 前記ユニット入力軸からキャリアを介して無段変速機出
    力部に至る伝達経路の途中に介装された動力循環モード
    クラッチと、 前記遊星歯車機構のうちの2つの回転要素の間に介装さ
    れた直結モードクラッチと、 前記トロイダル型無段変速機から前記サンギア側へ駆動
    力を伝達する手段とを備えた変速比無限大無段変速機に
    おいて、 前記トロイダル型無段変速機は、 入力軸の両端部にそれぞれ配設された一対の入力ディス
    クと、 これら入力ディスクの間で同軸的かつ相対回転自在に配
    設されるとともに、それぞれパワーローラを挟持する出
    力ディスクとを備えて、 前記一方の入力ディスクには、入力トルクに応じた軸方
    向推力を前記入力ディスクへそれぞれ付与する押圧力発
    生手段を配設し、他方の入力ディスクには、無負荷のと
    きに軸方向推力を前記入力ディスクへそれぞれ付与する
    プリロード発生手段に加えて、油圧に応じた軸方向推力
    を前記入力ディスクへそれぞれ付与する油圧力発生手段
    を設けたことを特徴とする変速比無限大無段変速機。
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