JP2002195262A - 灯心潤滑式スリーブ軸受 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 費用の低減が、必要な灯心を有するスリーブ
軸受の予備組立により可能であるように且つラジアル軸
受とアキシャル軸受への潤滑剤の供給が灯心により確保
されるように周知のスリーブ軸受をさらに開発する。 【解決手段】 スリーブ軸受(6)は軸(13)を収容するた
めの管状のラジアル軸受(7)を有する。このスリーブ軸
受はカラー(8)を有する。灯心(23)がカラー(8)に配置さ
れ、潤滑剤を潤滑剤貯蔵部からラジアル軸受(7)へ輸送
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、請求項１の上位概
念による灯心潤滑式（ウィック・ルーブリケーション）
スリーブ軸受に関する。

【０００２】

【従来の技術】ドイツ連邦共和国特許第820 832号に
は、潤滑剤が、支承されている軸のためのラジアル軸受
へ灯心の助けで導かれる、灯心潤滑式スリーブ軸受が教
示されている。欠点は、スリーブと灯心を別々に取り付
けなければならないので、費用を低減させる、灯心付き
スリーブ軸受の予備組立の可能性がないことにある。こ
のスリーブ軸受のもう１つの欠点は、アキシャル軸受と
して使用されるカラーを別個に潤滑しなければならない
ことにある。これに関して追加の手段を取らなければな
らない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、必要
な灯心を有するスリーブ軸受の予備組立により費用の低
減が可能であるように且つラジアル軸受とアキシャル軸
受への潤滑剤の供給が灯心により確保されるように周知
のスリーブ軸受をさらに開発することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明により、この目的
は、請求項１の特徴構成による灯心潤滑式スリーブ軸受
で達成される。このスリーブ軸受の特別な設計により、
灯心がラジアルおよびアキシャル軸受と接触している所
である、凹部を通って部分的に出現する灯心の収容スペ
ースが得られる。本発明にしたがうスリーブ軸受によれ
ば、軸受を機械に実質的に取り付けるために必要な時間
が低減されるように、コストを節約する灯心の予備組立
が可能になり且つ低コストで実施することができる。

【０００５】請求項２の特徴構成に基づく更なる展開に
より、軸受への潤滑剤の最適な供給を得るための配置が
得られる。材料の蓄積が請求項３による設計の助けによ
り避けられ、この場合スリーブ軸受は射出成形により製
造するのに特に適する構造を有する。請求項４による更
なる展開により、比較的低コストで製造することができ
且つ良好な減摩特性を有するスリーブ軸受が得られる。

【０００６】本発明の細部は図面と関連して説明した代
表的な実施の形態の次の記載から明らかになろう。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態により詳細に説明する。機械のフレーム１には軸受
リブ２が設けられており、この軸受リブ２は円筒状孔か
あるアイ３を有する。さらに、フレーム１は、潤滑剤５
として油の供給物を収容する容器４を有する。アイ３に
しまりばめされているのは、スリーブ軸受６であり、こ
のスリーブ軸受は管状のラジアル軸受７とカラー８とか
らなる。カラー８は外周面９と２つの前端部１０および
１１を有し、その第一の前端部１０はアキシャル軸受１
２を構成する。この形式のスリーブ軸受はカラーブシュ
として市場でよく知られている。

【０００８】軸１３がスリーブ軸受６に、すなわちラジ
アル軸受７として示されたスリーブ軸受６の部分に回転
可能に支持されており、調節リング１４が軸１３上に止
めねじにより固定されている。調節リング１４には、前
端部１０に支持される前端部１５が設けられている。

【０００９】カラー８には、前端部１１からカラー８の
中へ延びている、溝１６ともう一つの溝１７が設けられ
ている（図４）。Ｕ形の溝１６、１７はラジアル軸受７
を回って半円状に配置され且つリブ１８、１９により互
いに範囲を定められている。凹部２０、２１がリブ１
８、１９に前端部１０から付け加えられている。これら
の凹部は、図３により約１８０°の角度Ｗをなして、互
いにほぼ半径方向に配置されている。溝１６の端部が凹
部２０、２１の中に達している（図５）。凹部２０はラ
ジアル軸受７に向かって、すなわちスリーブ軸受６の軸
受孔２２に向かって開放されるように形成されている。
これに対抗するように、凹部２１がカラー８の円周面９
に向かって、すなわち半径方向外側へ開放している。

【００１０】凹部２０、２１を有する溝１６の上記の配
置は本発明にとって不可欠であることに注意されたい。
もう１つの溝１７の配置は、スリーブ軸受６がプラスチ
ックで作られているときに有利であり、且つ材料の蓄積
を凹んだ溝１７により避けることができる。

【００１１】溝６に挿入されているのは灯心２３であ
り、その一端２４が容器４に位置する潤滑剤５の中へ浸
漬しいる。灯心２３の他端には、凹部２０に堅く引き締
まって収容された結び目２５の形態の太くなった部分が
設けられている。スリーブ軸受６の輸送状態では、結び
目２５が約１ｍｍの距離だけ前端部１０を越えて突出し
ている（図２）。結び目２５はほぼ同じ距離だけ軸受孔
２２の中へ突出している（図３と４）。組立状態で且つ
スリーブ軸受６に軸１３を挿入後、前記距離は結び目２
５の可撓性変形により値がゼロになるので、結び目２５
と軸１３および調整リング１４との接触が達成され、す
なわち軸受の潤滑が達成される。

【００１２】スリーブ軸受６は軸受金属から作ることが
できる。スリーブ軸受６がプラスチック材料、例えばポ
リオキシメチレン（ＰＯＭ）で作られた射出成形部品で
あるときに特に低い製造費用が達成される。

【００１３】本発明によるスリーブ軸受６によれば、灯
心２３の毛細管作用により、潤滑剤５が容器４からラジ
アル軸受７へ且つ軸１３と前端部１５の接触の結果とし
てアキシャル軸受１２へ輸送される。

【図面の簡単な説明】

【図１】スリーブ軸受を有する機械の軸受の断面図であ
る。

【図２】スリーブ軸受の図１に対応する拡大断面図であ
る。

【図３】図２の矢印IIIによるスリーブ軸受の前端部の
図である。

【図４】図２の矢印IVによるスリーブ軸受の前端部の図
である。

【図５】灯心が挿入される前の、スリーブ軸受の図３に
対応する図である。

【符号の説明】

１ フレーム ２ 軸受リブ ３ アイ ４ 容器 ５ 潤滑剤 ６，７ スリーブ軸受 ８ カラー ９ 円周面 １０ 第一の前端部 １１ 第二の前端部 １２ アキシャル軸受 １３ 軸 １４ 調節リング １５ 前端部 １６，１７ 溝 １８，１９ リブ ２０．２１ 凹部 ２２ 軸受孔 ２３ 灯心 ２４ 端部 ２５ 結び目 Ｗ 角度

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸(13)を収容する軸受孔(22)とアキシャ
   ル軸受(12)としてのカラー（8)とを備えた管状のラジア
   ル軸受(7)を有する灯心潤滑式スリーブ軸受(6)にして、
   前記アキシャル軸受(12)は外周面(9)と第一の前端部(1
   0)と第二の前端部(11)を有し、前記第一の前端部(10)
   は、軸(13)を囲む肩部(14)のための軸受面を形成してお
   り、灯心(23)の一端(24)が潤滑剤(5)の貯蔵部に接続さ
   れ且つ灯心(23)の他端がスリーブ軸受(6)に接続されて
   いるようなスリーブ軸受(6)において、 - 溝(16)が前記カラー(8)に設けられ、この溝(16)が第
   二の前端部(11)に向かって開放され且つラジアル軸受
   (7)の周りを延びており、 - 前記カラー(8)は第一の前端部(10)に向かって開放さ
   れた２つの凹部(20,21)を有し且つこれらの凹部で溝(1
   6)が終わっており、第一の凹部(20)が軸受孔(22)に開口
   し且つ第二の凹部(21)が円周面(9) に開口しており、 - 太くなっている部分(25)が設けられている灯心(23)の
   一端が第一の凹部(20)に埋設され、前記第一の凹部から
   灯心(23)が溝(16)を通り、そして第二の凹部(21)を通っ
   て潤滑剤(5)の貯蔵部の中へ到達することを特徴とする
   灯心潤滑式スリーブ軸受。
2. 【請求項２】 凹部(20,21)が互いにほぼ点対称に配置
   されていることを特徴とする請求項１に記載のスリーブ
   軸受(6)。
3. 【請求項３】 もう１つの溝(17)がカラー(8)に設けら
   れ、この溝(17)は第二の前端部(11)に向かって開放され
   且つ凹部(20,21)へ接続せずにラジアル軸受の周りを延
   びていることを特徴とする請求項１または２に記載のス
   リーブ軸受(6)。
4. 【請求項４】 ラジアル軸受(7)とアキシャル軸受(12)
   が、凹部(20,21)と少なくとも１つの溝(16)を有する、
   プラスチック材料(POM)で作られた射出成形部品を形成
   することを特徴とする請求項３に記載のスリーブ軸受
   (6)。