JPS6014013Y2 - ジヨイント - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えば自動車のリンク機構における支点あるい
は舵取リンクの支点等に使用される枢動継手機構で、ス
タッドの作動において適当な作動抵抗を必要とするジヨ
イントに関するもので、スタッド摺動部に高圧潤滑油を
塗布しベアリングを装着したものをソケットに圧入し、
更にベアリング押圧リングによりベアリングを押圧しつ
つカシメ装着することによりスタッドの作動抵抗を発生
させ、また摩耗時のガタ発生をも防止することを目的と
するものである。

本考案は弾力性あるベアリングにスタッドを組付けたも
のをソケットに調整圧入し、更にベアリング押圧リング
によりベアリング上部を押圧カシメ装着する際カシメ圧
力を調整装着することによりベアリング内部に弾発力が
発生し、その弾発力によりスタッド端を抱持しスタッド
のあらゆる方向からの衝撃又は振動をも弾力的に吸収し
弾発力を持続する。

又ベアリングをソケットに圧入することにより発生する
弾発力は非常に高く、従来のボールジヨイント等ではベ
アリングとスタッド間の摺動部には一般にグリース等の
潤滑油を使用しているがしばしば油膜切れを起しベアリ
ングおよびスタッドの摺動部の摩耗が増大しスタッドの
異常作動抵抗等も発生するためジヨイントの使用寿命を
短かくしていたが、本考案ではベアリングに一層の弾発
力附与と油切れをなくするための油溜りを兼ねた割溝と
潤滑のための油溝を設けであるためスタッドとベアリン
グとの摺動面に高圧潤滑油を塗布することによりスタッ
ドの作動抵抗を滑らかにし、更に耐摩耗性の向上をも計
りうるものであり、新規な且つ簡単な構成で目的を達成
しうる点に特徴を有する。

更に本考案はスタッド先端形状を球状とした場合と軸状
とした場合とがあり、使用目的により適宜選択し使用す
ることにより有効な効果を収めうるものである。

本考案の内容を理解させるために実施例として第−型の
例（実施例１，２）と第二型の例（実施例３．４）をあ
げて説明する。

先ず第−型の例（実施例１，２）を第１図から第５図に
より説明する。

第１，２実施例の相違はスタッド先端形状が第１〜３図
のように球状であるか、第４，５図のように軸状である
かの差であり、ベアリング３をこれ等にそれぞれ適応さ
せた構造としているが本質的には大差なく、まとめて説
明する。

ソケット１はベアリング圧入装着部１ａとベアリング圧
入口部１ｂとベアリング押圧リング嵌合穴部ＩＣとベア
リング押圧リング４をカシメ装着するためのカシメ部１
ｄとを有する。

ベアリング３は弾性材料、例えばポリアセタール系樹脂
、ウレタン樹脂等により構成せられ、スタッド２との摺
動部面３ａに溝３ｂと割溝３Ｃとを形成する。

この溝３ｂ及び割溝３ｃは油溝及び油溜りを兼ねるもの
で、又ベアリング３の圧入による余分な体積変化分を吸
収する。

スタッド２は第１図に示す通り先端に球状部２ａを有す
るポールスタッド形状としたものと、第４図に示す通り
先端に軸部２ａ’を有するスイベルスタッド形状とした
ものがある。

６はブーツであり、７はクランプである。

構成としてはベアリング形状がスタッド形状に伴ない異
なり、更にソケット形状がベアリング形状に伴ない異な
っている。

第４図の２ｂは軸部先端の鍔部、３ｅは鍔部２ｂの受溝
である。

上記のように構成されたジヨイントにおいてベアリング
３は内径部にスタッド２が装着されているためソケット
に圧入する際ソケット圧入口部１ｂの斜面により圧縮さ
れながらソケット１のベアリング圧入装着部１ａに装着
される。

この時圧縮されたベアリング３は ａ／矢印方向弾発
力が発生、更にスタッド２へｂ方向の予圧を加えること
によりベアリング３にはＣ−Ｃ’矢印方向の弾発力が発
生する。

又ベアリング押圧リング４によりベアリング上部３ｄを
押圧カシメ装着することによりベアリング３はｄ −ｄ
’矢印方向の弾発力が発生し、スタッド先端部２ａ又は
２ ａ／を三方向による弾発力により抱むようにして支
持するためスタッド２よりのあらゆる方向の衝撃又は振
動が加わっても弾力的に吸収しスタッド２の作動抵抗を
ジヨイントの使用期間中絶えず安定に維持することが出
来る。

又この弾発力は高弾発力であるためベアリングとスタッ
ド摺動部には特に高圧に耐えうる潤滑油として高圧潤滑
油を使用することにより潤滑油の薄い層ができ、又割溝
３ｃに貯油されるによりそれが切れることなく作動する
ことができる。

第二型の例（実施例３，４）を第６図（実施例３）と第
７図（実施例４）により説明すると、符号１〜４は第１
図と同様の部材を表示する。

構成部品につき第−型の実施例Ｌ ２のものと比較する
とスタッドシート５をスタッド２の下部に設けたもので
ある。

第８図はスタッドシート例の斜視図で、５′は縦横の溝
である。

従って組付方法等実施例１，２と全く同一であるが、ス
タッドシート５を設けたことによりスタッド２へｂ矢印
方向の予圧を加えた場合スタッドシート２にはｅ矢印方
向の弾発力が発生するため実施例１，２のものよりスタ
ッド先端部２ａ又は２ａ′に働らく弾発力が強くなりス
タッド２の作動抵抗が高くなる。

又スタッド２とベアリングとの摺動部面積増となり、特
にスタッド２のｂ矢印方向外部入力に対し摺動部の面圧
低下となりスタッド２のｂ矢印方向荷重が比較的大きい
場合でも耐えうる構造としたものである。

本考案のジヨイントはソケット穴形状において殆んどが
円筒状の段穴で機械加工が容易であり且つ円筒度、内面
粗度等の精度が不必要である（ベアリングを圧入装着さ
せるためベアリングの弾力により精度誤差等吸収するた
め）。

又ソケットとスタッドとの間には圧入装着されたベアリ
ングがあり、常時ベアリング弾発力がスタッドに働らき
スタッドとベアリング間が摩耗してもベアリング弾発力
により追従するためガタのない滑らかな作動が得られ、
且つスタッドにあらゆる方向の衝撃又は振動が加わって
も弾力的に吸収する。

又スタッドとベアリング間には高圧潤滑油が塗布してあ
り、且つそれが貯油される構成をとるため長期的な使用
においても異常摩耗はもとより摩耗を減じ、スタッドの
作動抵抗を滑らかに安定維持することが出来、構造簡単
にして部品点数も少なく組付容易で且つ廉価である利点
を有し実用効果極めて大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図から第３図はスタッド先端形状を球状とした本考
案の実施例１を示す図で、第１図は断面図、第２図は第
１図中の２部分の拡大断面図、第３図はベアリングの斜
視図、第４図および第５図はスタッド先端形状を軸状と
した実施例２の図面で、第４図は断面図、第５図はベア
リングの斜視図である。 第６図および第７図はそれぞれ本考案の他の実施例を示
す図で、第６図はスタッド先端形状を球状とした場合の
断面図、第７図はスタッド先端形状を軸状とした場合の
断面図である。 尚第８図はスタッドシート例の斜視図である。 １・・・・・・ソケット、２・・・・・・スタッド、３
・・・・・・ベアリング、４・・・・・・ベアリング押
圧リング、５・・・・・・スタッドシート、６・・・・
・・ブーツ、７・・・・・・クランプ。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）ソケット腔内に一体構成のスタッド摺動部面及び
   スラット受部面をもち、且つ油溝及び油溜り兼ベアリン
   グの圧入により余分な体積変化分を吸収するための割溝
   を有する弾性材料よりなるベアリングをスタッドに嵌め
   てスタッドと共に圧入し、更に軸方向の予圧荷重を加え
   て嵌着し、該ソケット腔上部に設けたベアリング圧入口
   部上にスタッドに接触しない配置構成に設けたベアリン
   グ押圧リングにより該ベアリングをソケット腔内に圧入
   しつつ押圧カシメ装着してなることを特徴とするジヨイ
   ント。
2. （２）スタッド端が球状でベアリングは内腔が球状であ
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載のジヨイント。
3. （３）スタッド端が軸状をなしベアリング内腔も円筒状
   である実用新案登録請求の範囲第１項記載のジヨイント
   。
4. （４）スタッド底部に弾性材料でスタッドとの摺動面に
   溝を形成したスタッドシートを設け、ベアリングと併用
   した実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項あるいは
   第３項のいずれか記載のジヨイント。