JP2002194265A - ガスバリア性コート剤、組成物および積層フィルム - Google Patents

ガスバリア性コート剤、組成物および積層フィルム

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JP2002194265A
JP2002194265A JP2000390653A JP2000390653A JP2002194265A JP 2002194265 A JP2002194265 A JP 2002194265A JP 2000390653 A JP2000390653 A JP 2000390653A JP 2000390653 A JP2000390653 A JP 2000390653A JP 2002194265 A JP2002194265 A JP 2002194265A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性に優れたガスバリア性コート剤、なら
びに高湿度下でも高いガスバリア性を有し、かつ燃焼時
にダイオキシンを発生しないフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリビニルアルコール(A)、アクリル
酸−無水マレイン酸共重合体(B)および水系溶媒から
なり、A/Bが97/3〜3/97(質量比)であるコ
ート剤、ならびに熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片
面に、コーティングした後、熱処理してなる水不溶性の
ガスバリア層を有したガスバリア性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高湿度下においても
優れたガスバリア性を有し、燃焼時にダイオキシンを発
生しないガスバリア性フィルムおよびガスバリア性コー
ト剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド、ポリエステル等の熱可塑性
樹脂フィルムは強度、透明性、成形性に優れていること
から、包装材料として幅広い用途に使用されている。し
かしながらこれらの熱可塑性樹脂フィルムは酸素等のガ
ス透過性が大きいため、一般食品、レトルト処理食品等
の包装に使用した場合、長期間保存するうちにフィルム
を透過した酸素等のガスにより食品の変質が生じる。
【0003】そこで、熱可塑性樹脂の表面にポリ塩化ビ
ニリデン(以下PVDCと略記する)のエマルジョン等
をコーティングし、ガスバリア性の高いPVDC層を形
成せしめた積層フィルムが食品包装等に幅広く使用され
てきた。しかしPVDCは焼却時にダイオキシン等の有
害物質を発生する可能性があることから、他材料への移
行が強く望まれている。
【0004】一方、PVDCに替わる材料としてポリビ
ニルアルコールは有毒ガスの発生もなく、低湿度雰囲気
下でのガスバリア性も高いが、湿度が高くなるにつれて
急激にガスバリア性を失い、水分を含む食品等の包装に
は用いることが出来ない場合が多い。
【0005】ポリビニルアルコールの高湿度下でのガス
バリア性の低下を改善したポリマーとして、ビニルアル
コールとエチレンの共重合体(EVOH)が知られてい
るが、このポリマーにおいて高湿度でのガスバリア性を
実用レベルに維持するためにはエチレンの含有量をある
程度高くする必要があり、そのようなポリマーは水に難
溶となり、コーティング材料とする場合には有機溶媒ま
たは水と有機溶媒の混合溶媒を用いる必要があり、環境
問題の観点から望ましくなく、また有機溶媒の回収工程
などを必要とするため、コスト高になるという問題があ
る。
【0006】水溶性のポリマーからなる液状組成物をフ
ィルムにコートし、高湿度下でも高いガスバリア性を発
現させる方法として、ポリビニルアルコールとポリアク
リル酸またはポリメタクリル酸の部分中和物とからなる
水溶液をフィルムにコートし熱処理することにより、両
ポリマーをエステル結合により架橋する方法が提案され
ているが(特開平10−237180号公報)、この方
法ではエステル化を十分に進行させて、フィルムのガス
バリア性を高めるためには高温で長時間の加熱が必要で
あり生産性に問題があった。さらに高温で長時間反応さ
せることによりフィルムが着色し外観を損ねるため、食
品包装用には改善が必要である。
【0007】熱ロールを使って熱処理を効率よく行うこ
とにより、熱処理時間を短時間で行って生産性を高めた
ガスバリアフィルムの製造方法が特開平7−26644
1号公報に開示されている。この方法によれば熱処理の
時間は短縮されるが、工業生産を考えると依然長時間の
熱処理を必要としており、生産性が十分高いとはいえな
い。さらにフィルムにしわが入りやすいという欠点もあ
る。
【0008】特開平10−316779号公報および特
開2000−37822号公報にはポリビニルアルコー
ルとポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーの部分中和物か
らなる水溶液を未延伸の熱可塑性樹脂フィルム上に塗布
し、その後フィルムを延伸してから熱処理をするインラ
インコート法によって生産性を高めたガスバリア性フィ
ルムの製造方法が提案されている。しかし、この方法で
は延伸工程の後に高温かつ長時間の熱処理を必要とする
ため、依然生産性が十分高いとは言えない。
【0009】このような生産性の問題を解決するために
特願平2000−206998号公報では、ポリビニル
アルコールと無水マレイン酸系共重合体の混合物を熱可
塑性樹脂上にコーティングして、比較的短い熱処理時間
で優れたガスバリア性を発現するコートフィルムの製造
方法が記載されている。しかし、無水マレイン酸系共重
合体として、たとえばメチルビニルエーテル−無水マレ
イン酸交互共重合体や、イソブチレン−無水マレイン酸
交互共重合体などを用いたバリアコート剤は確かに高い
ガスバリア性を発現するが、バリア性はまだ充分ではな
かった。また、ポリビニルアルコールとエチレン−無水
マレイン酸交互共重合体の混合物からなるガスバリアコ
ート剤は、ガスバリア性を見れば十分な性能を示した
が、原料となるエチレン−無水マレイン酸交互共重合体
が非常に高価であるという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
ような問題に対して、生産性に優れ、比較的安価なガス
バリア性コート剤を提供し、該コート剤を塗布、乾燥、
熱処理することで高湿度下でも高いガスバリア性を有
し、かつ燃焼時にダイオキシンを発生しないガスバリア
性フィルムを効率よく提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、特定の樹脂組成物を含有するコート剤をフィル
ムの表面に塗布し、該樹脂組成物からなる層を形成させ
ることにより、上記の課題が解決できることを見出し本
発明に到達した。すなわち本発明の要旨は、次のとおり
である。 (1) ポリビニルアルコール(A)、アクリル酸−無
水マレイン酸共重合体(B)、および水系溶媒を含有
し、(A)と(B)の質量比(A/B)が97/3〜3
/97であることを特徴とするガスバリア性コート剤。 (2) アクリル酸−無水マレイン酸共重合体(B)1
00質量部に対して0.05〜200質量部のアルカリ
化合物を含むことを特徴とする(1)記載のガスバリア
性コート剤。 (3) ポリビニルアルコール(A)およびアクリル酸
−無水マレイン酸共重合体(B)からなり、水不溶性で
あり、かつ20℃、85%RHにおける酸素透過係数が
500ml・μm/m2・day・MPa以下であるこ
とを特徴とするガスバリア性組成物。 (4) アクリル酸−無水マレイン酸共重合体(B)1
00質量部に対して0.05〜200質量部のアルカリ
化合物を含むことを特徴とする(3)記載のガスバリア
性組成物。 (5) 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一方の面
に、ポリビニルアルコール(A)およびアクリル酸−無
水マレイン酸共重合体(B)からなる水不溶性の組成物
層を少なくとも一層有することを特徴とする積層フィル
ム。 (6) アクリル酸−無水マレイン酸共重合体(B)1
00質量部に対して0.05〜200質量部のアルカリ
化合物を組成物層に含むことを特徴とする(5)記載の
積層フィルム。 (7) 20℃、85%RHにおける酸素透過係数が2
000ml・μm/m2・day・MPa以下であるこ
とを特徴とする(5)または(6)記載の積層フィル
ム。 (8) 熱可塑性樹脂フィルムがナイロン6である
(5)〜(7)のいずれかに記載の積層フィルム。 (9) 熱可塑性樹脂フィルムがポリエチレンテレフタ
レートである(5)〜(7)のいずれかに記載の積層フ
ィルム。 (10) 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一方の面
に(1)または(2)記載のコート剤を塗布し、120
℃以上で60秒以下の熱処理をすることを特徴とする積
層フィルムの製造方法。 (11) 未延伸熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一
方の面に(1)または(2)記載のコート剤を塗布し、
乾燥して被膜を形成させた後、120℃以上で1〜60
秒の延伸熱処理を施すことを特徴とする積層フィルムの
製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0013】本発明で用いられる熱可塑性樹脂フィルム
としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等
のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレー
ト、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリブチレンナフタレート等の芳香族ポリ
エステル樹脂、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステル樹
脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィ
ン樹脂またはそれらの混合物よりなるフィルムまたはそ
れらのフィルムの積層体が挙げられ、未延伸フィルムで
も延伸フィルムでもよい。また、フィルムの表面をコロ
ナ処理していてもよく、フィルムにアンカーコートして
いてもよい。
【0014】未延伸フィルムを製造する方法としては、
熱可塑性樹脂を押出機で加熱、溶融してTダイより押出
し、冷却ロールなどにより冷却固化させて、未延伸フィ
ルムを得るか、もしくは円形ダイより押出して水冷ある
いは空冷により固化させて未延伸フィルムを得る。延伸
フィルムを製造する場合は、未延伸フィルムを一旦巻き
取った後または連続して同時2軸延伸法または逐次2軸
延伸法により延伸する方法が好ましい。フィルムの機械
的特性や厚み均一性などの性能面からはTダイによるフ
ラット式製膜法とテンター延伸法を組み合わせる方法が
好ましい。
【0015】本発明におけるポリビニルアルコール
(A)、およびアクリル酸−無水マレイン酸共重合体
(B)の質量比(A/B)は、97/3〜3/97、好
ましくは、90/10〜10/90、さらに好ましくは
80/20〜20/80であり、最適には、40/60
〜20/80の範囲であることが必要である。この範囲
を外れる場合には、特に高湿度雰囲気下でのフィルムの
ガスバリア性発現のために有効な架橋密度を得ることが
できず、本発明の目的とするガスバリア性フィルムを得
ることができない。
【0016】本発明において用いられるポリビニルアル
コールは、ビニルエステルの重合体を完全または部分ケ
ン化するなどの公知の方法を用いて得ることができる。
ビニルエステルとしては、ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸
ビニル等が挙げられ、中でも酢酸ビニルが工業的に最も
好ましい。
【0017】本発明の効果を損ねない範囲で、ビニルエ
ステルに対し他のビニル化合物を共重合することも可能
である。他のビニル系モノマーとしては、クロトン酸、
アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸お
よびそのエステル、塩、無水物、アミド、ニトリル類
や、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジ
カルボン酸およびその塩、炭素数2〜30のα−オレフ
ィン類、アルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン
類などが挙げられる。
【0018】本発明において、フィルム表面にガスバリ
ア性を付与するために積層されるポリマーは、フィルム
に積層されるまでは水溶性または水分散性とすることが
生産上好ましく、従って、ビニルエステルの重合体に疎
水性の共重合成分を多量に含有させると水に対する親和
性が損なわれるので好ましくない。
【0019】なお、ビニルエステルの重合体のケン化方
法としては公知のアルカリケン化法や酸ケン化法を用い
ることができ、中でもメタノール中で水酸化アルカリを
使用して加アルコール分解する方法が好ましい。ケン化
度は100%に近いほどガスバリア性の観点からは好ま
しい。ケン化度が低すぎるとバリア性能が低下してくる
ので、ケン化度は通常約90%以上、好ましくは95%
以上のものが用いられる。
【0020】ポリビニルアルコールの平均重合度は特に
制限はないが、あまりに高重合度のものは溶液粘度が高
くなるので作業性を考えると好ましくない。したがっ
て、平均重合度(日本工業規格K6726による)は1
00〜2000のものが好ましく、さらに100〜10
00のものが好ましく、100〜300のものがより好
ましい。平均重合度が100未満になると工業的に製造
するのが困難となる。本発明のようにポリビニルアルコ
ールをアクリル酸−無水マレイン酸共重合体と反応させ
る場合、平均重合度が300以下のポリビニルアルコー
ルを用いると、300より大きいポリビニルアルコール
を用いるよりもさらに高いガスバリア性を持つコート層
を形成することができる。よって、ガスバリア性の点か
ら見て平均重合度が300以下のポリビニルアルコール
を用いることが望ましい。さらに、平均重合度が300
以下のポリビニルアルコールを用いると、本発明のポリ
ビニルアルコールとアクリル酸−無水マレイン酸共重合
体および水系溶媒からなるコート剤は、固形分濃度w
(質量%)と、20℃における溶液粘度η(mPa・
s)との間に下記式で表される関係式が成り立つ。 logη≦0.115w + 0.275 これは本発明のコート剤が固形分濃度の割に粘度が低い
ことを表しており、作業性に優れることを意味してい
る。この式に従えば、本発明のコート剤は、固形分濃度
が10質量%のときの20℃における溶液粘度は26.
6mPa・s以下、20質量%のときは375.8mP
a・s以下である。
【0021】本発明で使用されるアクリル酸−無水マレ
イン酸共重合体はアクリル酸と無水マレイン酸を、ラジ
カル重合などの公知の方法で重合することで得られるも
のである。また、本発明の要件を損なわない範囲で他の
ビニル化合物を共重合することも可能である。用いるこ
とのできるビニル化合物は例えば、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)ア
クリル酸エステル類、ギ酸ビニル、酢酸ビニルなどのビ
ニルエステル類、スチレン、p−スチレンスルホン酸、
プロピレン、イソブチレンなどの炭素数3〜30のオレ
フィン類や、ポリビニルアルコールの水酸基などと反応
する反応性基を有する化合物を挙げることができる。
【0022】なお、本発明で用いるアクリル酸−無水マ
レイン酸共重合体は、乾燥状態では隣接カルボキシル基
が脱水閉環した5員環構造を作りやすい。一方、湿潤時
や水溶液中ではそのような5員環は開環した構造とな
る。しかし、本発明ではこれら閉環、開環を区別せずマ
レイン酸として記述する。
【0023】熱処理によってポリビニルアルコールの水
酸基はアクリル酸−無水マレイン酸共重合体のカルボキ
シル基と反応してエステル結合を形成し、その結果とし
て耐水性およびガスバリア性が発現する。この水酸基と
カルボキシル基の反応はマレイン酸構造のカルボキシル
基の方がアクリル酸構造のそれよりも反応速度が速い。
したがって、本発明におけるアクリル酸−無水マレイン
酸共重合体中のマレイン酸単位が多いほど短時間の熱処
理で要求性能を発現させることができるので好ましい。
しかし、あまり多すぎると樹脂が親水性になりすぎて高
湿度下でのガスバリア性が悪くなるので好ましくない。
この様な理由で、本発明におけるアクリル酸−無水マレ
イン酸共重合体のアクリル酸と無水マレイン酸の共重合
モル比は95/5〜5/95であることが好ましく、9
0/10〜10/90であることがより好ましく、80
/20〜20/80であることがさらに好ましく、70
/30〜30/70であることがその上に好ましい。ア
クリル酸と無水マレイン酸の交互共重合体も高いバリア
性を発現しうるので好ましい。
【0024】ところで特開平7−102083号公報に
はポリビニルアルコールとポリ(メタ)アクリル酸から
なるコート層を設けたガスバリアコートフィルムが開示
されている。しかし、上記のような理由から特開平7−
102083号公報に記載されたコート層は、本発明の
ポリビニルアルコールとアクリル酸−無水マレイン酸共
重合体からなるコート層に比べると、架橋反応が遅い。
このため、1分以下の比較的短時間の熱処理では、本発
明のコート剤をコートしたフィルムの方が特開平7−1
02083号公報に記載されたコート剤をコートしたフ
ィルムよりも高いガスバリア性を発現することができ
る。
【0025】本発明においては、ガスバリア層を形成す
るポリビニルアルコールとアクリル酸−無水マレイン酸
共重合体の混合物100質量部に、架橋性を有する成分
を0.1〜30質量部、好ましくは1〜20質量部配合
することができる。特定の架橋成分を配合することによ
り、さらに優れたガスバリア性を発現させることができ
る。架橋剤の添加量が0.1質量部未満の場合は充分な
架橋効果を得ることができず、また、30質量部より多
い場合は逆に架橋剤がガスバリア性の発現を阻害するた
め好ましくない。架橋剤としては、自己架橋性を有する
架橋剤でもよく、カルボキシル基および/または水酸基
と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物または
多価の配位座を持つ金属錯体等でもよい。このうちイソ
シアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポ
キシ化合物、カルボジイミド化合物、ジルコニウム塩化
合物等が好ましい。また、これらの架橋剤を組み合わせ
て使用してもよい。
【0026】本発明のガスバリア性コート剤および組成
物には、その特性を大きく損わない限りにおいて、熱安
定剤、酸化防止剤、強化材、顔料、劣化防止剤、耐候
剤、難燃剤、可塑剤、離型剤、滑剤などが添加されてい
てもよい。
【0027】熱安定剤、酸化防止剤および劣化防止剤と
しては、例えばヒンダードフェノール類、リン化合物、
ヒンダードアミン類、イオウ化合物、銅化合物、アルカ
リ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物が挙げら
れる。
【0028】強化材としては、例えばクレー、タルク、
炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、
アルミナ、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、アルミ
ン酸ナトリウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネ
シウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜
鉛、酸化錫、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊
維、金属ウィスカー、セラミックウィスカー、チタン酸
カリウムウィスカー、窒化ホウ素、グラファイト、ガラ
ス繊維、炭素繊維、フラーレン(C60、C70な
ど)、カーボンナノチューブなどが挙げられる。
【0029】また、本発明のガスバリア性コート剤およ
び組成物にはバリア性をより高めるために、その特性を
大きく損わない限りにおいて、無機層状化合物を添加す
ることもできる。ここで無機層状化合物とは、単位結晶
層が重なって層状構造を形成する無機化合物のことを指
す。具体的には、燐酸ジルコニウム(燐酸塩系誘導体型
化合物)、カルコゲン化物、リチウムアルミニウム複合
水酸化物、グラファイト、粘土鉱物などがあり、特に溶
媒中で膨潤、劈開するものが好ましい。
【0030】かかる粘土鉱物の好ましい例としては、モ
ンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトラ
イト、ソーコナイト、バーミキュライト、フッ素雲母、
白雲母、パラゴナイト、金雲母、黒雲母、レピドライ
ト、マーガライト、クリントナイト、アナンダイト、緑
泥石、ドンバサイト、スドーアイト、クッケアイト、ク
リノクロア、シャモサイト、ニマイト、テトラシリリッ
クマイカ、タルク、パイロフィライト、ナクライト、カ
オリナイト、ハロイサイト、クリソタイル、ナトリウム
テニオライト、ザンソフィライト、アンチゴライト、デ
ィッカイト、ハイドロタルサイトなどがあり、膨潤性フ
ッ素雲母又はモンモリロナイトが特に好ましい。
【0031】これらの粘土鉱物は、天然に産するもので
あっても、人工的に合成あるいは変性されたものであっ
てもよく、またそれらをオニウム塩などの有機物で処理
したものであってもよい。
【0032】上記粘土鉱物の中で、膨潤性フッ素雲母系
鉱物は白色度の点で最も好ましく、これは次式で示され
るもので、容易に合成できるものである。 α(MF)・β(aMgF2・bMgO)・γSiO2 (式中、Mはナトリウム又はリチウムを表し、α、β、
γ、a及びbは各々係数を表し、0.1≦α≦2、2≦
β≦3.5、3≦γ≦4、0≦a≦1、0≦b≦1、a
+b=1である。)
【0033】このような膨潤性フッ素雲母系鉱物の製造
法としては、例えば、酸化珪素と酸化マグネシウムと各
種フッ化物とを混合し、その混合物を電気炉あるいはガ
ス炉中で1400〜1500℃の温度範囲で完全に溶融
し、その冷却過程で反応容器内にフッ素雲母系鉱物を結
晶成長させる、いわゆる溶融法がある。
【0034】また、タルクを出発物質として用い、これ
にアルカリ金属イオンをインターカレーションして膨潤
性フッ素雲母系鉱物を得る方法がある(特開平2−14
9415号公報)。この方法では、タルクに珪フッ化ア
ルカリあるいはフッ化アルカリを混合し、磁性ルツボ内
で約700〜1200℃で短時間加熱処理することによ
って膨潤性フッ素雲母系鉱物を得ることができる。
【0035】この際、タルクと混合する珪フッ化アルカ
リあるいはフッ化アルカリの量は、混合物全体の10〜
35質量%の範囲とすることが好ましく、この範囲を外
れる場合には膨潤性フッ素雲母系鉱物の生成収率が低下
するので好ましくない。
【0036】上記の膨潤性フッ素雲母系鉱物を得るため
には、珪フッ化アルカリ又はフッ化アルカリのアルカリ
金属は、ナトリウムあるいはリチウムとすることが必要
である。これらのアルカリ金属は単独で用いてもよいし
併用してもよい。また、アルカリ金属のうち、カリウム
の場合には膨潤性フッ素雲母系鉱物が得られないが、ナ
トリウムあるいはリチウムと併用し、かつ限定された量
であれば膨潤性を調節する目的で用いることも可能であ
る。
【0037】さらに、膨潤性フッ素雲母系鉱物を製造す
る工程において、アルミナを少量配合し、生成する膨潤
性フッ素雲母系鉱物の膨潤性を調整することも可能であ
る。
【0038】上記粘土鉱物の中で、モンモリロナイト
は、次式で示されるもので、天然に産出するものを精製
することにより得ることができる。 MaSi4(Al2-aMga)O10(OH)2・nH2O (式中、Mはナトリウムのカチオンを表し、aは0.2
5〜0.60である。また、層間のイオン交換性カチオ
ンと結合している水分子の数は、カチオン種や湿度等の
条件に応じて変わりうるので、これ以降、式中ではnH
2Oで表す。) またモンモリロナイトには次式群で表される、マグネシ
アンモンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、鉄マグネ
シアンモンモリロナイトの同型イオン置換体も存在し、
これらを用いてもよい。 MaSi4(Al1.67-aMg0.5+a)O10(OH)2・nH
2O MaSi4(Fe2-a 3+Mga)O10(OH)2・nH2O MaSi4(Fe1.67-a 3+Mg0.5+a)O10(OH)2・n
2O (式中、Mはナトリウムのカチオンを表し、aは0.2
5〜0.60である。)
【0039】通常モンモリロナイトは、その層間にナト
リウムやカルシウム等のイオン交換性カチオンを有する
が、その含有比率は産地によって異なる。本発明におい
ては、イオン交換処理等によって層間のイオン交換性カ
チオンがナトリウムに置換されていることが好ましい。
また水ひ処理により精製したモンモリロナイトを用いる
ことが好ましい。
【0040】さらに、本発明において、前記架橋剤成分
と前記無機層状化合物とを併用することもできる。
【0041】本発明のガスバリア性コート剤は、ポリビ
ニルアルコールとアクリル酸−無水マレイン酸共重合体
と水系溶媒とからなるが、水系溶媒としては、メタノー
ル、エタノールなどのアルコールや、テトラヒドロフラ
ンなどのエーテル、ジメチルスルホキシド、Nメチルピ
ロリドンなどの極性溶媒が挙げられる。いずれも水可溶
性の溶媒である。また水とこれらの溶媒の混合溶媒でも
よく、特に水が60%以上含まれていることが好まし
い。
【0042】本発明における、ポリビニルアルコールと
アクリル酸−無水マレイン酸共重合体と水系溶媒とから
コート剤を調製する際には、アクリル酸−無水マレイン
酸共重合体100質量部に対して0.05〜200質量
部のアルカリ化合物、特に金属水酸化物を加えることが
好ましい。このとき、アクリル酸−無水マレイン酸共重
合体のカルボキシル基のうち1〜20モル%が中和され
ていることが重要である。このようにアルカリ化合物を
適正量添加することにより、得られるフィルムのガスバ
リア性が格段に向上される。アルカリ化合物としては、
アクリル酸−無水マレイン酸共重合体中のカルボキシル
基を中和できるものであればどのようなものでもよい
が、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カ
ルシウムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸
化物、水酸化アンモニウム、有機水酸化アンモニウム化
合物等が挙げられる。
【0043】コート剤の調製方法としては、撹拌機を備
えた溶解釜等を用いて公知の方法で行えばよい。たとえ
ば、ポリビニルアルコールとアクリル酸−無水マレイン
酸共重合体を別々に水系溶媒に溶解し、使用前に混合し
て用いる方法が好ましい。この時、アルカリ化合物をア
クリル酸−無水マレイン酸共重合体の溶液に加えておく
ことにより溶液の安定性が向上する。また、ポリビニル
アルコールとアクリル酸−無水マレイン酸共重合体を溶
解釜中の水系溶媒に加えてもよいが、アルカリは最初に
添加しておく方が溶解性がよい。また溶解性を高める目
的や乾燥工程の短縮、溶液の安定性の改善などの目的に
より、アルコールや有機溶媒を少量添加することもでき
る。
【0044】本発明のフィルムのガスバリア性を高める
ためには、ポリビニルアルコールとアクリル酸−無水マ
レイン酸共重合体との間にエステル結合による架橋反応
が起こることが必要であるが、架橋反応を促進させるた
めに、酸などの触媒を添加することもできる。
【0045】本発明におけるガスバリア層の厚みは、フ
ィルムのガスバリア性を十分高めるためには少なくとも
0.1μmより厚くすることが望ましい。また、ガスバ
リア性コート剤をフィルムにコートする際のポリマー濃
度は、液の粘度や反応性、用いる装置の仕様によって適
宜変更されるものであるが、あまりに希薄な溶液ではガ
スバリア性を発現するのに充分な厚みの層をコートする
ことが困難となり、また、その後の乾燥工程において長
時間を要するという問題を生じやすい。一方、溶液の濃
度が高すぎると溶液粘度が高くなって、混合操作や保存
性などに問題を生じることがある。この様な観点から、
ポリマー濃度は5〜60質量%であることが好ましく、
10〜50質量%であることがより好ましい。
【0046】ガスバリア性コート剤をフィルムにコーテ
ィングする方法は特に限定されないが、グラビアロール
コーティング、リバースロールコーティング、ワイヤー
バーコーティング、エアーナイフコーティング等の通常
の方法を用いることができる。延伸に先だってコーティ
ングを行うには、まず未延伸フィルムにコーティングし
て乾燥した後、テンター式延伸機に供給してフィルムを
走行方向と幅方向に同時に延伸(同時2軸延伸)、熱処
理するか、あるいは、多段熱ロール等を用いてフィルム
の走行方向に延伸を行った後にコーティングし、乾燥
後、テンター式延伸機によって幅方向に延伸(逐次2軸
延伸)してもよい。また、走行方向の延伸とテンターで
の同時2軸延伸を組み合わせることも可能である。
【0047】本発明においては、フィルムの片面あるい
は両面にポリビニルアルコールとアクリル酸−無水マレ
イン酸共重合体および水系溶媒からなるコート剤を塗布
し、乾燥して被膜を形成させ、温度120℃以上、好ま
しくは150℃以上、さらに好ましくは180℃以上で
60秒以下の熱処理をすることにより水不溶性のガスバ
リア層を形成することができる。
【0048】熱処理は適温に設定されていれば、熱雰囲
気下でも、熱ロールなどに接触させても、どのような方
法で行われても構わないが、熱ロールなどの発熱体に直
接フィルムを接触させて熱処理する方法ではフィルムに
しわが入りやすく、巻き取り速度もあまり速くできない
ので生産性が悪くなる。
【0049】本発明のガスバリア性フィルムは熱雰囲気
下で熱処理することができるので、フィルムにしわが入
りにくく、巻き取り速度も速くて生産性が高い。
【0050】同時2軸延伸をする時には、未延伸熱可塑
性樹脂フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアル
コールとアクリル酸−無水マレイン酸共重合体および水
系溶媒からなるコート剤を塗布し、乾燥して被膜を形成
させた後、120℃以上の熱雰囲気下で1〜60秒の延
伸熱処理を施すことにより、水不溶性のガスバリア層を
形成することができる。
【0051】熱処理温度が低いと架橋反応を充分に進行
させることができず、充分なガスバリア性を有するフィ
ルムを得ることが困難になる。熱処理時間は、あまり短
すぎると上記架橋反応を充分に進行させることができ
ず、充分なガスバリア性を有するフィルムを得ることが
困難になり、長すぎると生産性が悪くなる。通常熱処理
時間として1秒〜60秒、好ましくは3秒〜45秒、よ
り好ましくは5秒〜30秒が適用されるが、生産性を考
えずにバリア性だけを見れば熱処理時間は1分を超えて
もよく、15分程度までは長くする程よい。15分程度
の熱処理で反応はほぼ完了するので15分以上の熱処理
は意味がない。
【0052】本発明のポリビニルアルコールとアクリル
酸−無水マレイン酸共重合体の間にできるエステル結合
は上記のような比較的短時間の熱処理で形成され、高い
ガスバリア性を示す点に特徴がある。これが理由で本発
明のポリビニルアルコールとアクリル酸−無水マレイン
酸共重合体から成るコート層を有するガスバリア性フィ
ルムは熱雰囲気下で効率よく生産ができる。
【0053】本発明においては、フィルムのガスバリア
性は基材フィルムの種類や厚み、およびコート層の厚み
により変化するため、コート層自体の酸素透過係数を評
価した。酸素透過係数は、下記式より求めた。 1/QF=1/QB+L/PC ただし、QF:コートフィルムの酸素透過度(ml/m2
・day・MPa) QB:熱可塑性樹脂フィルムの酸素透過度(ml/m2
day・MPa) PC:コート層の酸素透過係数(ml・μm/m2・da
y・MPa) L:コート層厚み(μm) したがって、コート層の酸素透過係数PCは、QF、QB
およびLが分かれば上式より見積もることができる。本
発明で得られるガスバリアコート層の20℃、85%R
Hにおける酸素透過係数は500ml・μm/m2・d
ay・MPa以下であり、さらに好ましくは400ml
・μm/m2・day・MPa以下であり、より好まし
くは300ml・μm/m2・day・MPa以下であ
る。
【0054】本発明のガスバリア性フィルムは、熱可塑
性樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、ポリビニルア
ルコール(A)およびアクリル酸−無水マレイン酸共重
合体(B)からなる組成物の層を少なくとも一層有する
ことを特徴とするガスバリア性フィルムであって、この
フィルムの20℃、85%RHにおける酸素透過係数は
2000ml・μm/m2・day・MPa以下であ
り、好ましくは1600ml・μm/m2・day・M
Pa以下である。
【0055】
【作用】フィルムにポリビニルアルコールとアクリル酸
−無水マレイン酸共重合体との特定の割合からなる混合
物と水系溶媒から構成されたガスバリア性コート剤を塗
布し、その後、熱処理によって緻密な架橋構造が形成さ
れることによって高湿度下において優れたガスバリア性
を有するフィルムを得ることができる。さらに、本発明
のコート剤を用いると短い熱処理時間でも優れたガスバ
リア性を有するコート層を形成することができるため工
業的に有用である。
【0056】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0057】酸素バリア性は、モコン社製酸素バリア測
定器(OX−TRAN 2/20)により20℃、相対
湿度85%の雰囲気における酸素透過度を測定した。溶
液粘度はB型粘度計にて20℃で測定した。また、コー
ト層の酸素透過係数は次のように算出した。モコン社製
酸素バリア測定器によりコートフィルムの20℃、相対
湿度85%の雰囲気における酸素透過度を測定し、これ
をQFとした。一方、コートしていないフィルムの酸素
透過度を測定し、これをQBとした。次に、未コートフ
ィルムとコートフィルムの平均厚みの差からコート厚み
を求め、これをLとした。以上の数値から前記式を用い
てコート層の酸素透過係数PCを算出した。なお、厚み
12μmのPETフィルムの酸素透過度は900ml/
2・day・MPa、また、厚み15μmのナイロン
6フィルムの酸素透過度は400ml/m2・day・
MPaとした。
【0058】実施例1 ポリビニルアルコール(ユニチカケミカル社製、UMR
10HH、ケン化度98.9%、平均重合度240)を
純水に溶解し、20質量%の水溶液を得た。これを水溶
液とする。これとは別に、アクリル酸−無水マレイン
酸共重合体の水溶液(ALDRICH社製、樹脂濃度5
0質量%、重量平均分子量3,000)に水酸化ナトリ
ウム水溶液を加えた樹脂濃度20質量%の水溶液を用意
した。ここで水酸化ナトリウムはアクリル酸−無水マレ
イン酸共重合体100質量部に対して5.6質量部にな
るように調製した。これを水溶液とする。ポリビニル
アルコールとアクリル酸−無水マレイン酸共重合体との
質量比が30/70となるように水溶液と水溶液を
混合し、攪拌してコート剤を得た。このコート剤を2軸
延伸ナイロンフィルム(ユニチカ社製エンブレム、厚み
15μm)上に乾燥後の塗膜厚みが約2μmになるよう
にエアナイフコーターでコートし、熱風乾燥機を用いて
100℃で2分間乾燥した後、200℃の熱雰囲気下で
15秒間、熱処理した。得られた積層フィルムの外観は
着色も無く良好であり、コート層は水に不溶であった。
この積層フィルムの20℃、85%RHにおける酸素透
過度は42ml/m2・day・MPaであり、酸素透
過係数は715ml・μm/m2・day・MPaであ
った。また、ガスバリア性組成物からなるコート層の酸
素透過係数は94ml・μm/m2・day・MPaで
あった。
【0059】実施例2、3 表1に示したポリビニルアルコールとアクリル酸−無水
マレイン酸共重合体の組成比となるように、実施例1で
用いた水溶液と水溶液を混合した以外は実施例1と
同様にコート剤を調製し、積層フィルムを得た。得られ
た積層フィルムの物性を表1にまとめた。
【0060】実施例4 実施例1で用いたコート剤を、2軸延伸ポリエステルフ
ィルム(ユニチカ社製エンブレットPET12、厚み1
2μm)にコートした以外は実施例1と同様の操作で積
層フィルムを得た。得られた積層フィルムの物性を表1
にまとめた。
【0061】実施例5 ナイロン6樹脂をTダイを備えた押出機(75mm径、
L/Dが45の緩圧縮タイプ単軸スクリュー)を用い
て、シリンダー温度260℃、Tダイ温度270℃でシ
ート状に押し出し、表面温度10℃に調節された冷却ロ
ール上に密着させて急冷し、厚み150μmの未延伸フ
ィルムとした。続いて、未延伸フィルムをグラビアロー
ル式コーターに導き、乾燥後のコート厚みが12μmに
なるように実施例1で使用したコート剤をコーティング
し、80℃の熱風ドライヤー中で45秒間乾燥した。次
に、フィルムをテンター式同時2軸延伸機に供給し、温
度100℃で2秒間予熱した後、170℃の熱雰囲気下
で縦方向に3倍、横方向に3.5倍の倍率で延伸した。
次に、横方向弛緩率5%で、200℃で15秒間の熱処
理を行い、室温まで冷却後延伸フィルムを巻き取った。
得られた積層フィルムの外観は良好であり、コート層は
水に不溶であった。このコートフィルムの厚みは17μ
mであり、そのうちコート層の厚みは2μmであった。
このバリアフィルムの20℃、85%RHにおける酸素
透過度は40ml/m 2・day・MPa、酸素透過係
数は688ml・μm/m2・day・MPaであっ
た。また、コート層の酸素透過係数は90ml・μm/
2・day・MPaであった。
【0062】比較例1 アクリル酸−無水マレイン酸共重合体水溶液(ALDR
ICH社製、樹脂濃度50質量%、質量平均分子量3,
000)を、2軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ社製
エンブレム、厚み15μm)上に乾燥後の塗膜厚みが約
2μmになるようにエアナイフコーターでコートし、熱
風乾燥機を用いて100℃で2分間乾燥した後、200
℃の熱雰囲気下で15秒間熱処理した。得られた積層フ
ィルムの外観は着色も無く良好であったが、コート層は
耐水性が悪く、20℃、85%RHにおけるガスバリア
性にはコート層の効果が全くなかった。このフィルムの
酸素透過度は基材並みであった。
【0063】比較例2 ポリビニルアルコールとアクリル酸−無水マレイン酸共
重合体との質量比が99/1となるように実施例1で調
製した水溶液と水溶液を混合し、攪拌してコート剤
を得た。このコート剤を2軸延伸ナイロンフィルム(ユ
ニチカ社製エンブレム、厚み15μm)上に乾燥後の塗
膜厚みが約2μmになるようにエアナイフコーターでコ
ートし、熱風乾燥機を用いて100℃で2分間乾燥した
後、200℃の熱雰囲気下で15秒間熱処理した。得ら
れた積層フィルムの外観は着色も無く良好であり、コー
ト層は水に不溶であったが、このフィルムの20℃、8
5%RHにおける酸素透過度は185ml/m2・da
y・MPaであり、酸素透過係数は3150ml・μm
/m2・day・MPaであった。また、コート層の酸
素透過係数は690ml・μm/m2・day・MPa
であった。
【0064】比較例3 ポリビニルアルコールとアクリル酸−無水マレイン酸共
重合体との質量比が1/99となるように実施例1で調
製した水溶液と水溶液を混合し、攪拌してコート剤
を得た。このコート剤を2軸延伸ポリエステルフィルム
(ユニチカ社製エンブレットPET12、厚み12μ
m)上に乾燥後の塗膜厚みが約2μmになるようにエア
ナイフコーターでコートし、熱風乾燥機を用いて100
℃で2分間乾燥した後、200℃の熱雰囲気下で15秒
間熱処理した。得られた積層フィルムの外観は着色も無
く良好であり、コート層は水に不溶であったが、このフ
ィルムの20℃、85%RHにおける酸素透過度は80
7ml/m2・day・MPaであり、酸素透過係数は
11300ml・μm/m2・day・MPaであっ
た。また、このフィルムのコート層の酸素透過係数は1
5600ml・μm/m2・day・MPaであった。
【0065】比較例4 ポリビニルアルコール(ユニチカケミカル社製、UMR
10HH、ケン化度98.9%、平均重合度240)を
純水に溶解し、20質量%の水溶液を得た。これを水溶
液とする。これとは別に、ポリアクリル酸水溶液(和
光純薬工業社製、樹脂濃度25質量%、数平均分子量1
50,000)に水酸化ナトリウム水溶液を加えた樹脂
濃度20質量%の水溶液を用意した。ここで水酸化ナト
リウムはポリアクリル酸100質量部に対して5.6質
量部になるように調製した。これを水溶液とする。ポ
リビニルアルコールとポリアクリル酸との質量比が30
/70となるように水溶液と水溶液を混合し、攪拌
してコート剤を得た。このコート剤を用いた以外は実施
例5と同様の操作を行って同時2軸延伸ナイロンフィル
ムを得た。得られた積層フィルムの外観は良好であり、
厚みは17μmであり、そのうちコート層の厚みは2μ
mであった。この積層フィルムのコート層は水に不溶で
あったが、このフィルムの20℃、85%RHにおける
酸素透過度は218ml/m2・day・MPa、酸素
透過係数は2509ml・μm/m2・day・MPa
であった。また、コート層の酸素透過係数は575ml
・μm/m2・day・MPaであった。
【0066】比較例5 ポリビニルアルコール(ユニチカケミカル社製、UMR
10HH、ケン化度98.9%、平均重合度240)を
純水に溶解し、20質量%の水溶液を得た。これを水溶
液とする。これとは別に、イソブチレン−無水マレイ
ン酸交互共重合体(クラレ社製、イソバン04)をカル
ボキシル基に対しての60モル%アンモニアを含む水に
溶解し、樹脂濃度20質量%にした。これにイソブチレ
ン−無水マレイン酸交互共重合体100質量部に対して
5.1質量部の水酸化ナトリウムを加えてよく攪拌して
水溶液を得た。ポリビニルアルコールとイソブチレン
−無水マレイン酸交互共重合体との質量比が30/70
となるように水溶液と水溶液を混合し、攪拌してコ
ート剤を得た。このコート剤を用いた以外は実施例5と
同様の操作を行って同時2軸延伸ナイロンフィルムを得
た。得られた積層フィルムの外観は良好であり、厚みは
17μmであり、そのうちコート層の厚みは2μmであ
った。このコートフィルムのコート層は水に不溶であっ
た。この積層フィルムの20℃、85%RHにおける酸
素透過度は187ml/m2・day・MPa、酸素透
過係数は2801ml・μm/m2・day・MPaで
あった。また、コート層の酸素透過係数は701ml・
μm/m2・day・MPaであった。
【0067】実施例、比較例で用いたコート剤の物性と
それらのコート剤から得られた積層フィルムの物性を表
1にまとめた。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、高湿度下においても優
れたガスバリア性を有し、燃焼時にダイオキシンを発生
しないガスバリア性フィルムおよびガスバリア性コート
剤を工業的に生産性よく製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/30 102 B32B 27/30 102 C08K 3/22 C08K 3/22 C08L 29/04 C08L 29/04 Z 33/02 33/02 C09D 5/00 C09D 5/00 Z 133/02 133/02 135/00 135/00 (72)発明者 大西 早美 京都府宇治市宇治小桜23 ユニチカ株式会 社中央研究所内 Fターム(参考) 4D075 BB07Z BB24Z BB93Z BB95Z CA38 CA42 DA04 DB48 DB53 DC36 EA06 EB13 EB14 EB19 EB20 EB22 EB32 EB33 EB38 EB45 EB56 EC01 EC54 4F100 AA17A AK01B AK21A AK24A AK25A AK42B AK48B AL01A BA02 CC01A EJ37 EJ41 GB15 JB16B JD02A JD03 4J002 BE02W BG01X BH02X FA000 FA040 FA100 FD010 FD060 FD070 GG02 4J038 CE021 CE022 CE031 CE032 CE041 CE042 CG031 CG032 CG081 CG082 HA116 HA176 HA186 HA306 JA19 JA70 JB01 JB27 JC11 MA08 MA09 NA19 NA27 PB04 PC08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール(A)、アクリル
    酸−無水マレイン酸共重合体(B)、および水系溶媒を
    含有し、(A)と(B)の質量比(A/B)が97/3
    〜3/97であることを特徴とするガスバリア性コート
    剤。
  2. 【請求項2】 アクリル酸−無水マレイン酸共重合体
    (B)100質量部に対して0.05〜200質量部の
    アルカリ化合物を含むことを特徴とする請求項1記載の
    ガスバリア性コート剤。
  3. 【請求項3】 ポリビニルアルコール(A)およびアク
    リル酸−無水マレイン酸共重合体(B)からなり、水不
    溶性であり、かつ20℃、85%RHにおける酸素透過
    係数が500ml・μm/m2・day・MPa以下で
    あることを特徴とするガスバリア性組成物。
  4. 【請求項4】 アクリル酸−無水マレイン酸共重合体
    (B)100質量部に対して0.05〜200質量部の
    アルカリ化合物を含むことを特徴とする請求項3記載の
    ガスバリア性組成物。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一方
    の面に、ポリビニルアルコール(A)およびアクリル酸
    −無水マレイン酸共重合体(B)からなる水不溶性の組
    成物層を少なくとも一層有することを特徴とする積層フ
    ィルム。
  6. 【請求項6】 アクリル酸−無水マレイン酸共重合体
    (B)100質量部に対して0.05〜200質量部の
    アルカリ化合物を組成物層に含むことを特徴とする請求
    項5記載の積層フィルム。
  7. 【請求項7】 20℃、85%RHにおける酸素透過係
    数が2000ml・μm/m2・day・MPa以下で
    あることを特徴とする請求項5または6記載の積層フィ
    ルム。
  8. 【請求項8】 熱可塑性樹脂フィルムがナイロン6であ
    る請求項5〜7のいずれかに記載の積層フィルム。
  9. 【請求項9】 熱可塑性樹脂フィルムがポリエチレンテ
    レフタレートである請求項5〜7のいずれかに記載の積
    層フィルム。
  10. 【請求項10】 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一
    方の面に請求項1または2記載のコート剤を塗布し、1
    20℃以上で60秒以下の熱処理をすることを特徴とす
    る積層フィルムの製造方法。
  11. 【請求項11】 未延伸熱可塑性樹脂フィルムの少なく
    とも一方の面に請求項1または2記載のコート剤を塗布
    し、乾燥して被膜を形成させた後、120℃以上で1〜
    60秒の延伸熱処理を施すことを特徴とする積層フィル
    ムの製造方法。
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