JP2002194203A - 導電性ゴム材料及び電子写真用導電性部材の製造方法 - Google Patents
導電性ゴム材料及び電子写真用導電性部材の製造方法Info
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Abstract
れ、表面欠陥を防止できる導電性ゴム材料及びそれを用
いた電子写真用導電性部材の製造方法を提供する。 【解決手段】 エピクロルヒドリンと、エチレンオキサ
イド及び/又はアリルグリシジルエーテルとを共重合し
てなる導電性ゴム100重量部、並びに、炭酸カルシウ
ム30〜150重量部からなる導電性ゴム材料であっ
て、前記炭酸カルシウムは、前記導電性ゴム中に、最大
粒径が30μm以下であり、平均粒径が1〜8μmであ
り、かつ、粒径15μm以上の分散粒子の割合が10%
以下である状態で分散している導電性ゴム材料。
Description
られ、特に、帯電、転写、現像等の目的のために用いら
れる導電性ゴム材料及びそれを用いた電子写真用導電性
部材の製造方法に関する。
て、電気抵抗性、バラツキ安定性、環境安定性等を伴う
導電性能、非汚染性、低硬度、低摩擦係数、耐摩耗性、
寸法安定性等が求められる。しかしながら、特に体積固
有抵抗値が106 〜1010Ω・cmである中抵抗領域に
おける電気抵抗のバラツキを抑えることは、カーボン導
電機構を用いたゴム配合設計では、混練状態の違いや加
硫時のゴム流動等の加工条件によって電気抵抗が大きく
変動するので困難であった。
機構を有するポリマーとして、エピクロルヒドリンの単
独重合体、又は、エピクロルヒドリンとエチレンオキサ
イド、更に、架橋成分としてのアリルグルシジルエーテ
ル等を用いた2元又は3元共重合体を使用して電子写真
用導電部材とする方法が特開昭58−87572号公
報、特開昭60−150071号公報、特開平8−29
2640号公報等において多数提案されている。
て、ゴム混練加工時のロール作業及び押出成形加工作業
を行うことは困難である。一般にこの問題は、ゴム配合
中に充填材を加えることにより解決可能であることが知
られている。エピクロルヒドリン系重合体が本来持つ良
好な電気特性を維持したまま加工性を向上させるには、
補強性、電気伝導性が低く、かつ、充填量を多くできる
炭酸カルシウム系の充填材が好適である。しかしなが
ら、通常の炭酸カルシウムを配合混練するだけでは、ロ
ール加工性が改良されたとしても押出時の表面肌や研削
加工を施したときの表面粗度は満足の得られる水準には
達しない。
鑑み、良好な電気特性を維持したまま、加工性に優れ、
表面欠陥を防止できる導電性ゴム材料及びそれを用いた
電子写真用導電性部材の製造方法を提供することを目的
とするものである。
ドリンと、エチレンオキサイド及び/又はアリルグリシ
ジルエーテルとを共重合してなる導電性ゴム100重量
部、並びに、炭酸カルシウム30〜150重量部からな
る導電性ゴム材料であって、前記炭酸カルシウムは、前
記導電性ゴム中に、最大粒径が30μm以下であり、平
均粒径が1〜8μmであり、かつ、15μm以上の分散
粒子の割合が10%以下である状態で分散している導電
性ゴム材料である。以下に本発明を詳述する。
ドリンと、エチレンオキサイド及び/又はアリルグリシ
ジルエーテルとを共重合してなる導電性ゴム及び、並び
に、炭酸カルシウムからなるものである。
リン及びエチレンオキサイドからなる2元共重合体、エ
ピクロルヒドリン及びアリルグリシジルエーテルからな
る2元共重合体、エピクロルヒドリン、エチレンオキサ
イド及びアリルグリシジルエーテルからなる3元共重合
体を挙げることができる。なかでも、エピクロルヒドリ
ン、エチレンオキサイド及びアリルグリシジルエーテル
からなる3元共重合体が好ましい。
は、軽質炭酸カルシウムであるのが好ましい。重質炭酸
カルシウムは粒径が大きく、また微粉砕品であっても粒
径分布が広いので、混練後所定の分散状態を得にくい。
2次粒径が5μm以下であり、かつ、1次粒径の平均値
が0.03〜1.5μmであるものが好ましい。ここ
で、1次粒径とは炭酸カルシウム粒子を電子顕微鏡で撮
影したときの1粒子の大きさを意味し、2次粒径とは炭
酸カルシウムの水中分散液を遠心沈降法にて測定したと
きに得られる平均粒径を意味する。
よる炭酸カルシウムの粉砕・分散が困難となり、所望の
分散状態が得られなくなる。より好ましくは、3.5μ
m以下である。1次粒径の平均値が0.03μm未満で
あると、成形表面の見かけのゴム分率が大きくなるため
加工装置の金属表面への粘着挙動が現れる一方、表面状
態改良効果は小さくなることがあり、1.5μmを超え
ると、押出成形時に異物による表面欠陥及び研削時の炭
酸カルシウム脱落による表面欠陥が顕著に表れることが
ある。
量は、上記導電性ゴム100重量部に対して30〜15
0重量部である。30重量部未満であると、所望の加工
性改良効果が得られず、150重量部を超えると、充填
材が多すぎ、混練時の分散不良、炭酸カルシウム粉残留
による不良、硬度の必要以上の増大等の不具合を生じ
る。好ましくは、50〜120重量部であり、より好ま
しくは、90〜110重量部である。
に、最大粒径が30μm以下であり、平均粒径が1〜8
μmであり、かつ、粒径15μm以上の分散粒子の割合
が10%以下である状態で分散している。
時に異物による表面欠陥及び研削時の炭酸カルシウム脱
落による表面欠陥が顕著に表れる。好ましくは、25μ
m以下である。
の見かけのゴム分率が大きくなるため加工装置の金属表
面への粘着挙動が現れる一方、表面状態改良効果は小さ
くなる。更に、このような分散状態を得るには必要以上
の混練分散操作が必要であり、生産コストに問題を生じ
る。一方、8μmを超えると、所望の加工性改良効果が
得られず、押出成形時の表面肌が悪くなり、研削加工時
の表面粗度も大きくなる。好ましくは、1〜4μmであ
る。
シウムのうち粒径が15μm以上であるものは、相手材
との接触を不均一にし、画像欠陥の原因になり、また、
最外層をコーティングにより形成する場合も、凹凸を減
少させる効果をカバーしきれない。15μm以上の分散
粒子の割合が10%を超えると、押出成形時に異物によ
る表面欠陥及び研削時の炭酸カルシウム脱落による表面
欠陥が発生する。好ましくは、5%以下である。
剤としては特に限定されず、例えば、オイルサルファ
ー、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカルバメ
ート等を挙げることができる。
促進剤としては特に限定されず、例えば、ジエチルジチ
オカルバミン酸テルル、N−シクロヘキシル−2−ベン
ゾチアゾル−スルフェンアミド、ジフェニルグアニジ
ン、テトラメチルチウラムジスルフィド、メルカプトベ
ンゾチアゾール等を挙げることができる。これらは、単
独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の導電性ゴム材料は、更に、公知のゴム添加剤が
添加されてもよい。
適宜選択されたゴム添加剤は、所定の混練操作により炭
酸カルシウムが上記の分散状態を得られるように混練さ
れる。混練条件の設定が適切でないと炭酸カルシウムの
分散状態が悪くなり、充分な加工性改良効果が得られな
い。例えば、混練装置としてニーダーを用い、途中に天
地返し操作を加える等の常法を用いて残留粉体のない均
一な混練物を得ることが好ましい。
ドリン系共重合体に混練分散せしめた炭酸カルシウムの
分散状態を規定することによって、エピクロルヒドリン
系共重合体が持つ良好な電気特性を維持したまま混練加
工時のシート肌の悪化や、加工性の低下を招くことな
く、押出時の表面肌を改良し、研削加工を施したときの
表面粗度を小さくして表面欠陥を防止できる。
は導電性円筒支持体上に同心円状に成形し、加硫した後
に円筒研削盤等を用いて表面を研削することにより電子
写真用導電性部材を製造することができる。本発明の導
電性ゴム材料を導電性軸芯上に成形した場合は、図1に
示すような帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ等の導
電性ローラが得られ、また、本発明の導電性ゴム材料を
導電性円筒支持体上に成形した場合は、図2に示すよう
な導電性ベルトを得ることができる。
もまた、本発明の1つである。上記の電子写真用導電性
部材の製造方法においては、研削後の表面粗度Rzが1
5μm以下であることが好ましい。表面粗度Rzが15
μm以下であれば、研削時に炭酸カルシウムの脱落によ
って発生する穴状の表面欠陥が発生しない。従って、電
子写真用導電性部材として使用したときに、相手材との
均一な接触性が得られ、所望の機能を充分に発揮するこ
とができる。より好ましくは、13μm以下である。本
発明の導電性ゴム材料は、更に、帯電ブレード、クリー
ニングブレード、トナー規制ブレード等の電子写真用部
材に用いてもよい。
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
ゴム配合物に対して、接線式ニーダー(モリヤマ社製、
実容量75L)を用い、混練操作を行い、ゴム混練物を
得た。得られたゴム混練物からランダムに10ヵ所サン
プリングを行い、各サンプル毎に厚さ2mmのゴムシー
トを160℃で30分加硫して作製した。なお、各配合
で用いられた炭酸カルシウムは表2に示した。
ら、20mm×20mmのゴム試験片を打ち抜き、その
断面を走査型電子顕微鏡にて倍率200倍で観察した。
図3に画像の一例を示した。得られた画像の炭酸カルシ
ウム分散状態を画像解析装置を用いて解析した。その結
果、分散している炭酸カルシウムの平均粒径は2.78
μmであり、最大粒径は24.15μmであり、計測粒
子全数に対する粒径15μm以上の粒子の占める割合は
0.2%であった。
押出機にて押出成形し、押出成形物の表面状態(押出成
形肌)を目視で確認した。その結果、表面肌が良好であ
ることを確認した。更に、本押出成形物を金型内で16
0℃で30分加硫し、冷却後円筒研削盤(砥石:GC8
0)で研削した。研削表面を表面粗度測定装置(東京精
機製作所社製、サーフテスタ)で測定した結果、表面粗
度Rzは11.5μmであった。表面状態を走査型電子
顕微鏡にて倍率200倍で観察した結果、良好な研削表
面が得られていることが確認された。
ゴム配合物を用い、実施例1と同様の方法で混練物の作
製及び評価を行った。その結果、分散している炭酸カル
シウムの平均粒径は2.47μmであり、最大粒径は1
5.35μmであり、計測粒子全数に対する粒径15μ
m以上の粒子の占める割合は0.05%であった。押出
成形後の表面肌も良好で、研削表面の表面粗度Rzは1
0.8μmであった。表面状態を走査型電子顕微鏡にて
倍率200倍で観察した結果、良好な研削表面が得られ
ていることが確認された。
ゴム配合物を用い、混練機にバンバリーミキサー(神戸
製鋼所社製、3号バンバリーミキサー)を用いた以外は
実施例1と同様の方法で混練物の作製及び評価を行っ
た。各ゴムシートから打ち抜いたゴム試験片断面の走査
型電子顕微鏡の画像の一例は図4に示した。その結果、
分散している炭酸カルシウムの平均粒径は2.71μm
であり、最大粒径は18.65μmであり、計測粒子全
数に対する粒径15μm以上の粒子の占める割合は0.
34%であった。押出成形後の表面肌も良好で、研削表
面の表面粗度Rzは12.1μmであった。表面状態を
走査型電子顕微鏡にて倍率200倍で観察した結果、良
好な研削表面が得られていることが確認された。
ゴム配合物を用い、混練機にバンバリーミキサー(神戸
製鋼所社製、3号バンバリーミキサー)を用いた以外は
実施例1と同様の方法で混練物の作製及び評価を行っ
た。各ゴムシートから打ち抜いたゴム試験片断面の走査
型電子顕微鏡の画像の一例は図4に示した。その結果、
分散している炭酸カルシウムの平均粒径は6.08μm
であり、最大粒径は31.3μmであり、計測粒子全数
に対する粒径15μm以上の粒子の占める割合は11.
0%であった。押出成形後の表面肌はやや悪く、研削表
面の表面粗度Rzは16.2μmであった。表面状態を
走査型電子顕微鏡にて倍率200倍で観察した結果、研
削表面に炭酸カルシウムの脱落跡と思われる凹部が多数
観察された。
ゴム配合物を用いた以外は実施例1と同様の方法で混練
物の作製及び評価を行った。各ゴムシートから打ち抜い
たゴム試験片断面の走査型電子顕微鏡の画像の一例は図
5に示した。その結果、分散している炭酸カルシウムの
平均粒径は8.46μmであり、最大粒径は36.8μ
mであり、計測粒子全数に対する粒径15μm以上の粒
子の占める割合は13.1%であった。押出成形後の表
面肌はやや悪く、研削表面の表面粗度Rzは18.5μ
mであった。表面状態を走査型電子顕微鏡にて倍率20
0倍で観察した結果、研削表面に炭酸カルシウムの脱落
跡と思われる凹部が多数観察された。
形肌の評価は以下のような基準にて行った。 [押出成形肌] ○:押出成形物の表面が滑らかである。 △:押出成形物の表面に僅かの凹凸が認められる。 ×:押出成形物の表面に多数の凹凸が認められる。
ような評価を行った。 [混練物の状態]各実施例及び比較例で得られたゴム混
練物の状態の評価を以下の基準で目視にて行った。 ○:炭酸カルシウムの分散が良好である。 ×:炭酸カルシウムの分散が不良である。
られたゴム混練物を用いてゴムシートを作製する際のロ
ール加工性を以下の基準で評価した。 ○:ロールから取り出すことができる。 ×:ロールから取り出すことができない。
準拠して測定した。 [加硫速度]JIS K 6300のダイ加硫試験B法
(ねじり振動式円錐ダイ加硫試験機)に準拠して測定し
た。 [破断強度]JIS K 6251に準拠して測定し
た。 [破断伸び]JIS K 6251に準拠して測定し
た。 [体積固有抵抗]印加電圧250Vにおける抵抗値を測
定した。
例及び比較例における炭酸カルシウムの分散状態を表す
ヒストグラムを図6に示し、例として、実施例1及び比
較例1における研削表面の走査電子顕微鏡写真を図7に
示した。
好な電気特性を維持したまま混練加工時にシート肌が悪
くなることや加工性の低下を招くことなく、押出時の表
面肌を改良し、研削加工を施したときの表面粗度を小さ
くかつ表面欠陥を防止できる。
炭酸カルシウム分散状態観察の一例を示す図である。
真での炭酸カルシウム分散状態観察の一例を示す図であ
る。
カルシウム分散状態観察の一例を示す図である。
分散状態を示すヒストグラムである。
電子顕微鏡写真である。
Claims (6)
- 【請求項1】 エピクロルヒドリンと、エチレンオキサ
イド及び/又はアリルグリシジルエーテルとを共重合し
てなる導電性ゴム100重量部、並びに、炭酸カルシウ
ム30〜150重量部からなる導電性ゴム材料であっ
て、前記炭酸カルシウムは、前記導電性ゴム中に、最大
粒径が30μm以下であり、平均粒径が1〜8μmであ
り、かつ、粒径15μm以上の分散粒子の割合が10%
以下である状態で分散していることを特徴とする導電性
ゴム材料。 - 【請求項2】 炭酸カルシウムは、2次粒径が5μm以
下であり、かつ、1次粒径の平均値が0.03〜1.5
μmである軽質炭酸カルシウムであることを特徴とする
請求項1記載の導電性ゴム材料。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の導電性ゴム材料か
らなることを特徴とする電子写真装置用導電性部材。 - 【請求項4】 請求項1又は2記載の導電性ゴム材料を
導電性軸芯上に同心円状に成形し、加硫した後に表面を
研削することを特徴とする電子写真用導電性部材の製造
方法。 - 【請求項5】 請求項1又は2記載の導電性ゴム材料を
導電性円筒支持体上に同心円状に成形し、加硫した後に
表面を研削することを特徴とする電子写真用導電性部材
の製造方法。 - 【請求項6】 研削後の表面粗度Rzが15μm以下で
あることを特徴とする請求項4又は5記載の電子写真用
導電性部材の製造方法。
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