JP2002193777A - 口腔用組成物 - Google Patents

口腔用組成物

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JP2002193777A JP2000396666A JP2000396666A JP2002193777A JP 2002193777 A JP2002193777 A JP 2002193777A JP 2000396666 A JP2000396666 A JP 2000396666A JP 2000396666 A JP2000396666 A JP 2000396666A JP 2002193777 A JP2002193777 A JP 2002193777A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 う蝕及び歯周病などの口腔内疾患
の病原菌に対して抗菌活性を示す口腔用組成物を提供す
る。 【解決手段】 乳酸菌培養ろ液に抗菌剤および/
又はハイドロキシアパタイトを配合して、口腔用組成物
を作る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、う蝕及び歯周病等
の口腔内疾患に対して優れた抗菌活性を示す口腔用組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】う蝕及び歯周病等の口腔内疾患は、口腔
内細菌によるものであり、う蝕や歯周病の発生には、ス
トレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus muta
ns)やストレプトコッカス・ソブリヌス(Streptococcu
s sobrinus)などのミュータンス連鎖球菌が、また、歯
周組織破壊に関与する酵素や内毒素を産生するポルフィ
ロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)
やアクチノバチラス・アクチノマイセタミコミタンス
(Actinobacillus actinomycetemcomitans)などの細菌
が深く関与している。従来より、前記の口腔内病原菌を
除去する目的で、各種の口腔用組成物に殺菌剤としてク
ロルヘキシジン、トリクロサン、塩化ベンザルコニウム
などの有機性物質や食塩等が配合されている。
【0003】しかしながら、前記に示した口腔内細菌の
活動を低減する目的で使用されてきた種々の殺菌剤は、
それぞれ欠点を有しており、必ずしも満足すべき結果が
得られていない。例えば、クロルヘキシジンなどの殺菌
剤は一時的には口腔内殺菌力が強いものの、持続性に乏
しい。そのため、結果的には歯周病予防の効果に乏し
い。また、刺激性もあるので、使用感が悪い。或いは、
上記殺菌剤を口腔用組成物に多量に配合すると、その抗
菌力の強さ或いは抗菌スペクトルの強さによって、口腔
内の菌叢が変化して菌交代症が生じたり、毒性が強くな
る上、歯牙や舌を着色する等安全性の面から問題があっ
た。
【0004】一方、銀、銅及び亜鉛などの金属及びそれ
らの塩が強い抗菌力を有することは知られているが、こ
れらを安全に歯磨に配合させることはできず、金属イオ
ンの溶出が多く、従って毒性が出やすいという問題点が
あった。このようなことから、う蝕、歯周病などの口腔
内疾患の病原菌に対して優れた抗菌活性を有し、安全性
の高い口腔用歯磨剤の開発が望まれていた。
【0005】また、牛乳等の獣乳を乳酸菌に代謝させる
ことによって得られる乳酸菌培養ろ液には、表皮のター
ンオーバーの促進効果や表皮の新陳代謝を活発化させる
といった効果(FRAFRANCE JOURNAL 1996-2; 41-46)
や、角質の保湿性成分を長時間安定に皮膚上に保ち、皮
膚の保湿効果があることが報告されている(香料全誌 V
ol.6 No.4(1982))。しかしながら、乳酸菌培養ろ液
を口腔用組成物として使用した場合に、口腔内細菌等に
対し、どのような影響が生じるかは未だ不明である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、う蝕及び歯周病などの口腔
内疾患の病原菌に対して優れた抗菌活性を示し、しかも
安全性の高い口腔用組成物を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述した課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結
果、乳酸菌培養ろ液と抗菌剤を所定量含有せしめること
によって、前記の口腔内細菌の菌数を著しく低減させる
とともに、歯周病によって破壊された歯周組織を改善す
ることができること、それによってう蝕予防や歯周病等
の口腔内疾患の予防及び治療に優れた口腔用組成物が得
られることを見出し、本発明をなすにいたった。また、
意外にも乳酸菌培養ろ液とハイドロキシアパタイト粉末
を口腔用組成物に所定量含有せしめることによっても、
前記の口腔内細菌の菌数を著しく低減させるとともに、
歯周病によって破壊された歯周組織を改善することがで
きることを見出した。即ち本発明は、(A)抗菌剤および
/又はハイドロキシアパタイトから選ばれる1種以上、
及び(B)乳酸菌培養ろ液を少なくとも配合した口腔用組
成物を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の口腔用組成物は、抗菌剤
の作用により、口腔内細菌が繁殖してう蝕や歯周病など
の口腔内疾患の原因となることを抑制するとともに、乳
酸菌培養ろ液が口腔内細菌増殖の原因となるのを防止し
て、歯周組織の改善に優れた効果を有する。本発明の口
腔用組成物に配合する抗菌剤としては、有機系抗菌剤及
び無機系抗菌剤のいずれも使用することができる。有機
系抗菌剤の場合、クロルヘキシジン、トリクロサン、塩
化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム等を使用
することができる。前述したように、これらの有機系抗
菌剤を配合した従来の口腔用組成物は、使用感等の点で
充分満足できるものではなかった。
【0009】これに対して本発明の口腔用組成物は乳酸
菌培養ろ液が含まれており、歯周組織の改善に優れた効
果を有する。本発明の口腔用組成物は、抗菌剤の作用に
より、口腔内細菌が繁殖してう蝕や歯周病などの口腔内
疾患の原因となることを抑制するとともに、乳酸菌培養
ろ液が口腔内細菌増殖の原因となるのを防止して乳酸菌
培養ろ液が皮膚に対して有する良好な効果を発揮させる
ことができ、歯周組織の改善に優れた効果を有する。
【0010】前記の乳酸菌培養ろ液の作用によって、有
機系抗菌剤とともに口腔用組成物に配合した場合であっ
ても、歯周組織の改善に優れた効果が発揮される。口腔
用組成物に配合する抗菌剤が有機系抗菌剤の場合、抗菌
効果及び皮膚刺激性を考慮して、口腔用組成物の全量に
対して0.01〜0.5重量%で配合するのが好まし
い。口腔用組成物に配合する抗菌剤が無機系抗菌剤の場
合、抗菌効果から口腔用組成物の全量に対して、0.0
1重量%〜50重量%、さらに0.05重量%〜30重
量%で配合することが好ましい。本発明に使用される乳
酸菌培養ろ液とは、乳を主成分とする培養基に乳酸菌を
接種して発酵することにより得られる培養物をろ過し、
培養物中の乳固形物を除去して得られるものである。乳
酸菌培養ろ液は、そのまま或いは減圧下、加熱して香気
成分を除去したものとして、或いは適宜濃縮、希釈等し
て使用される。発酵(培養)は定法に従い行えばよく、
用いる乳酸菌としては、ストレプトコッカス・サーモフ
ィルス等のストレプトコッカス属細菌、ラクトバチルス
・カゼイ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバ
チルス・ガッセリ、ラクトバチルス・ゼアエ、ラクトバ
チルス・ジョンソニー、サブスピーシーズ・デルブルッ
キィ、ラクトバチルス・デルブルッキィ、サブスピーシ
ーズ・ブルガリカス等のラクトバチルス属細菌、ラクト
コッカス・ラクチス、ラクトコッカス・プランタラム、
ラクトコッカス・ラフィノラクチス等のラクトコッカス
属細菌、ロイコノストック・メセンテロイデス、ロイコ
ノストック・ラクチス等のロイコノストック属細菌、エ
ンテロコッカス・フェーカリス、エンテロコッカス・フ
ェシウム等のエンテロコッカス属細菌等を例示すること
ができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使
用することができ、中でもストレプトコッカス・サーモ
フィルスを用いることが好ましい。また、発酵に用いる
培養基としては、人乳、牛乳、山羊乳等の獣乳や、これ
らの還元乳(脱脂乳、全脂乳等)、更には大豆の水抽出
液、すなわち豆乳等を使用することができる。
【0011】本発明者は、口腔用組成物中の乳酸菌培養
ろ液の好ましい比を研究したところ、組成物中の乳酸菌
培養ろ液の濃度が高まる程、再石灰化効果が高まること
が判明した。このため、乳酸菌培養ろ液は、口腔用組成
物中、0.01〜80重量%配合することが好ましく、
特に0.05〜40重量%程度配合することが好まし
い。或いは、乳酸菌培養ろ液の成分をハイドロキシアパ
タイト、無機系抗菌剤粉末に吸着させたものを口腔用組
成物の成分として用いることができる。
【0012】乳酸菌培養ろ液をハイドロキシアパタイト
若しくは無機系抗菌剤粉末に含浸させて用いるには、例
えば粉末状ハイドロキシアパタイト若しくは無機系抗菌
剤粉末と乳酸菌培養ろ液を混合機等を用いて混合して乳
酸菌培養ろ液を前記の粉末に充分浸透させた後、加熱し
乾燥させ、さらに粉砕機等により粉砕することによっ
て、乳酸菌培養ろ液の成分をハイドロキシアパタイト若
しくは無機系抗菌剤粉末に固定することができる。前述
したように、乳酸菌培養ろ液とハイドロキシアパタイト
粉末を口腔用組成物に所定量含有せしめることによって
も、乳酸菌培養ろ液と無機系抗菌剤を所定量含有せしめ
た口腔用組成物の場合と同様の効果を発揮し得る。
【0013】ハイドロキシアパタイトは蛋白質や脂質、
細菌等に対する吸着能が高いので、歯磨剤の使用時に細
菌が吸着除去され、口腔内細菌が口腔内で繁殖するのを
防止する。このようにハイドロキシアパタイトによって
口腔内細菌増殖が防止されるので、乳酸菌培養ろ液が皮
膚に対して有する良好な効果を発揮させることができ
る。また、ハイドロキシアパタイトに吸着された乳酸菌
培養ろ液の成分が徐放されることによって、長時間にわ
たり乳酸菌培養ろ液が皮膚に対して有する良好な効果を
発揮させることができ、本発明の口腔用組成物は、歯周
組織の改善に優れた効果を有する。使用するハイドロキ
シアパタイトは、Ca10(PO46(OH)2なる化学
量論組成で示されるが、Ca/Pモル比が1.67にな
らなくても、ハイドロキシアパタイトの性質を示し、非
化学量論的な特徴を有する。このように、本発明に使用
するハイドロキシアパタイトとは、Ca/Pモル比1.
4〜1.8でCa塩とリン酸塩とを反応させて得られた
ものである。一般に、ハイドロキシアパタイトの合成方
法は、乾式合成、湿式合成等の様々な合成方法がある
が、いずれの合成方法で得られたものも用いることがで
き、製造過程は限定されない。
【0014】例えば、湿式合成による場合、水酸化カル
シウム懸濁液にCa/P比1.66となるようにリン酸
を滴下してハイドロキシアパタイトを得ることができ
る。或いは、カルシウム塩水溶液(塩化カルシウム、酢
酸カルシウム、硝酸カルシウム、乳酸カルシウム等)と
リン酸塩水溶液(リン酸アンモニウム、リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム等)をCa/P比1.66になるよ
うに混合攪拌して沈殿物を得る。この沈殿物を洗浄濾過
して、ハイドロキシアパタイトを得ることができる。或
いは、リン酸カルシウム2水和物をアルカリ溶液中で熟
成した後、濾過洗浄を行い、溶液中のアルカリ成分を除
去してハイドロキシアパタイトを得ることができる。
【0015】本発明において、前記のハイドロキシアパ
タイトの平均粒径は、0.1μm〜30.0μmのものを
使用するのが好ましい。平均粒径が0.1μm未満では
製造時の作業性が悪く、30.0μmを超えたものでは
使用感が損なわれる。前記のハイドロキシアパタイトの
配合量は、口腔用組成物全体の0.1〜50重量%、よ
り好ましくは1〜30重量%配合することが望ましく、
0.1%未満であると再石灰化の効果が十分に発揮され
ず、配合量が90%を超えると、口腔用組成物としての
保存安定性に欠けるからである。尚、乳酸菌培養ろ液の
成分をハイドロキシアパタイトに吸着させたものを使用
する場合も、同様の範囲内で使用する。
【0016】次に、本発明の口腔用組成物に用いる無機
系抗菌剤について説明する。本発明の口腔用組成物に配
合する無機系抗菌剤は、抗菌性を有する金属元素及び/
又は金属イオン(以下、抗菌性金属と称することがあ
る。)を無機系の担体に担持させた無機系抗菌剤であ
り、人体に安全なものであれば特に制限はない。前記無
機系抗菌剤に担持される抗菌性金属としては、人体の安
全性を考慮すると、銀、銅、亜鉛、金、白金及びニッケ
ルからなる群より選ばれる少なくとも一種が挙げられる
が、高い抗菌性を確保することと、生産性及び製造コス
ト等とを考慮すると、前述の抗菌性金属のうち、銀、
銅、亜鉛の使用が最も好ましい。これらの抗菌性金属は
単独で用いてもよいが、複数種を混合してもよい。
【0017】一方、抗菌性金属元素や金属イオン等を担
持させる担体としては、活性炭、アルミナ、シリカゲ
ル、ゼオライト、リン酸カルシウム及びリン酸ジルコニ
ウム等のリン酸塩系化合物、炭酸カルシウム、ケイ酸カ
ルシウム、ベントナイト、酸化チタンからなる群より選
ばれる少なくとも一種を挙げることができる。前述の化
合物、即ち、活性炭、アルミナ、シリカゲル、ゼオライ
ト、リン酸塩系化合物、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシ
ウム、ベントナイト、酸化チタンは、人体に安全であ
り、金属元素及び/又は金属イオンを固定する能力に優
れている。これらの担体のうち、単独の化合物を選択し
て担体として使用することができるが、複数の化合物を
選択して担体として使用することもできる。
【0018】イオン交換能が高く、担持した抗菌性金属
の溶出量が低い物質であることから、リン酸塩系化合物
を担体として選択して使用するのが好ましい。また、抗
菌性金属と担体との担持形態は、すべて金属イオンとし
てイオン交換されているわけではなく、一部吸着保持さ
れている金属があると考えられ、抗菌性の点でこのよう
な形態であることが好ましい。前記リン酸塩系化合物の
具体例としては、リン酸三カルシウム〔Ca3 (PO
42 〕、リン酸水素カルシウム〔CaHPO4 〕、ハ
イドロキシアパタイト〔Ca10(PO46 (OH)
2 〕、ピロリン酸水素カルシウム〔CaH22
7 〕、ピロリン酸カルシウム〔Ca227 〕等のリ
ン酸カルシウム系化合物、〔Ti(HPO42 〕等の
リン酸チタン系化合物、〔Zr(HPO42 〕等のリ
ン酸ジルコニウム系化合物、〔Mg3 (PO42 〕等
のリン酸マグネシウム系化合物、〔AlPO4 〕等のリ
ン酸アルミニウム系化合物、〔Mn3 (PO42 〕等
のリン酸マンガン系化合物、及び、〔Fe3 (PO4
2 〕等のリン酸鉄系化合物からなる群より選ばれる少な
くとも一種を挙げることができる。これらのリン酸塩系
化合物を担体とした抗菌剤は、特に、金属イオンの溶出
量(脱離)が少なく、抗菌効果の持続性が高い。
【0019】これらの担体は、天然品でも合成品でもよ
いが、品質の均一な粒子が得られることから合成品が好
ましい。溶液反応による湿式法でリン酸塩を合成した場
合、非晶質のものを製造することができ、また、焼成工
程を施すと結晶性が高いものを得ることができる等、製
造方法によって様々な結晶性のものができるが、いずれ
のものであってもよい。また、リン酸塩は結晶水を含有
したものであってもよい。
【0020】なお、人体との親和性(生体親和性)が良
好であり、高い抗菌持続性、優れた安全性を有している
ことから、前述のリン酸塩系化合物のうち、特に、リン
酸カルシウム系化合物の使用が最も好ましい。リン酸カ
ルシウム系化合物としては、前述したもの以外に、Ca
10(PO462 (X=F、Cl)のハロゲン化アパ
タイト及び非化学量論アパタイトCa10-z(HPO4
y (PO46-y2- y ・z H2 O(X=OH、F、C
l;y、zは不定比量)であってもよい。
【0021】本発明の口腔用組成物においては、前述し
た担体としての化合物、好ましくはリン酸塩系化合物、
特にリン酸カルシウム系化合物を担体として選択し、こ
の担体に、前述の抗菌性金属のうち、特に銀、銅、亜鉛
から選ばれる少なくとも一種の抗菌性金属を担持させ、
これを前記無機系抗菌剤とすることが好ましい。前記担
体に前記抗菌性金属を担持させる方法としては、金属元
素及び/又は金属イオンを吸着により担持させる方法、
イオン交換反応により担持させる方法、或いはメカノケ
ミカル反応により担持させる方法等の方法が挙げられ、
これらの方法で無機化合物からなる担体に抗菌性金属が
担持された無機系抗菌剤を作製できる。
【0022】なお、このメカノケミカル反応とは、ボー
ルミル等の混合装置を使用することにより、出発物質か
ら吸着及び/又はイオン交換を行いながら均一な粒径の
抗菌剤のスラリーを製造する方法であり、例えば、担体
を製造するための出発物質(炭酸カルシウム等のカルシ
ウム化合物等及びリン酸等)及び抗菌性金属水溶液をボ
ールミルに投入し、このボールミルを一定時間運転させ
ることにより、ボールミル内部のジルコニアボールが出
発物質のスラリーを攪拌すると同時に反応生成物の粉砕
を行うことができる。このように、メカノケミカル反応
を一定時間行うことによって、出発物質の反応と反応生
成物の粉砕とが同時に行われるので、均質かつ均一な粒
径の抗菌剤を得ることができ、特に大量生産に好適であ
る。
【0023】前記無機系抗菌剤としては、前述した抗菌
性金属を、前記担体に対して0.05重量%〜10重量
%の範囲内で担持させることが好ましい。前記抗菌性金
属の担持量が0.05重量%未満の場合、抗菌性能が低
く、抗菌剤自身を大量に使用する必要が生じることがあ
る。他方、前記抗菌性金属を10重量%を越える担持量
で担持させた場合、一部の抗菌性金属と担体との結合が
弱いために、抗菌性金属が脱離し易くなって、歯磨剤等
の口腔用組成物が着色され易くなる傾向にある。
【0024】また、本発明に使用される無機系抗菌剤に
は、本発明の目的を妨げない範囲内で、その他の目的に
応じて、前記担体としての無機化合物及び前記抗菌性金
属以外に、例えば、二酸化ケイ素、酸化亜鉛等の他の無
機化合物が含有されたものであってもよい。例えば、二
酸化ケイ素は、抗菌剤の白色性を向上させる効果があ
り、また、酸化亜鉛は、抗菌剤の抗菌スペクトルを向上
させる効果(抗菌効果を作用し得る対象の菌種が増え
る)があり、いずれの無機化合物も人体に安全である。
この場合、前記抗菌性金属として、特に銀を用いると抗
菌作用の対象が広くなり、また銅の場合は抗カビ効果も
ある。
【0025】リン酸塩系化合物を担体として使用する無
機系抗菌剤は、更に500℃〜1200℃の焼成処理が
施されたものが好ましい。前記焼成処理が施された無機
系抗菌剤は、焼成されていないものと比較して、抗菌性
金属の溶出割合が極めて低く、抗菌効果の耐久性(持続
性)も一段と優れているので製品の保存安定性も良好で
あることから、焼成工程を施したリン酸塩化合物の使用
がより好ましい。前記無機系抗菌剤の粒子径は、20μ
m以下が好ましく、10μm以下がさらに好ましい。粒子
径が20μmを越える場合、その比表面積が小さくなる
ので、抗菌効果を発揮させるためには、無機系抗菌剤の
配合量を多くしなければならないが、粒子径が大きいた
め、その配合量が多いと口腔用組成物の使用感が損なわ
れる恐れがある。また、無機系抗菌剤の粒子径が10μ
m以下であれば、口腔用組成物の使用感を損なわずに、
抗菌力をより効果的に発揮し得る。
【0026】本発明の口腔用組成物の剤型は多様であ
り、各種成分とともに常法に従って配合し、練歯磨剤、
液状歯磨剤、粉歯磨剤等の歯磨類、マウスウォッシュ、
口中清涼剤、うがい用錠剤等の剤型で使用できる。本発
明の口腔内組成物は必須成分以外に通常使用される添加
剤、例えば、研磨剤、湿潤剤、界面活性剤、香料、甘味
料、防腐剤、及び各種有効成分などを本発明の効果を妨
げない範囲で通常量とすることができる。これらの成分
の具体例を下記に示す。
【0027】研磨剤:炭酸カルシウム、ピロリン酸カル
シウム、燐酸水素カルシウム、燐酸三カルシウム、無水
珪酸、珪酸アルミニウム、水酸化アルミニウム等; 湿潤剤:グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール等; 界面活性剤:アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、ショ糖脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウ
ム等; 増粘剤:ヒドロキシエチルセルロース、カラギーナン、
カルボキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマ
ー、ポリアクリル酸ナトリウム、キサンタンガム等; 甘味料:サッカリンナトリウム、キシリトール、ステビ
オエキス、トレハロース等; 香料:メントール、オレンジ油、スペアミント油、ペパ
ーミント油、レモン油、ユーカリ油、サリチル酸メチル
等;および その他有効成分:酢酸トコフェロール、β−グリチルレ
チン酸、デキストラナーゼ、フラボノイド、トラネキサ
ム酸等。
【0028】以下、実施例及び比較例を示しながら本発
明の口腔用組成物を具体的に説明するが、本発明はこれ
によって何ら限定されるものではない。
【0029】
【実施例】[乳酸菌培養ろ液の製造]脱脂粉乳3重量部に
精製水94重量部を加え、100℃で1時間加熱した
後、37℃まで冷却する。別に調整した乳酸菌(ストレ
プトコッカス・サーモフィラス)の菌株を接種して37
℃にて24時間攪拌培養した。培養ろ液を室温まで冷却
し、これを濾過して透明な溶液を得た。
【0030】[乳酸菌培養ろ液成分吸着HAp粉体の製
造]平均粒径2.5μmのハイドロキシアパタイト100
gと前記の乳酸菌培養ろ液100gを混合機に投入して
充分に混合した後、60℃以下で乾燥させた。これを粉
砕機にて粉砕して、乳酸菌培養ろ液の成分が表面に吸着
したハイドロキシアパタイト粉末(以下、乳酸菌培養ろ
液成分吸着HAp粉体)を得た。
【0031】[抗菌剤の調製]まず、下記抗菌剤(抗菌成
分)1、2を下記の要領で調製した。 (1)抗菌剤1(リン酸三カルシウム−銀系抗菌剤) 1000mlの蒸留水にリン酸三カルシウム100g及び
硝酸銀3.3gを加え、室温にて充分に攪拌、混合した
後、得られた生成物を蒸留水でよく洗浄して、120℃
で乾燥させた(湿式法:以下の調製方法も同様であ
る)。次いで、この乾燥物を700℃で焼成し、得られ
た焼成物を粉砕して銀を担持したリン酸三カルシウム
(リン酸三カルシウム−銀系抗菌剤)の粉体を得た。こ
の粉体における銀の割合(担持量)は、2.0重量%で
あった。
【0032】(2)抗菌剤2(ハイドロキシアパタイト
−銀系抗菌剤) 1000mlの蒸留水にハイドロキシアパタイト100g
及び硝酸銀3.3gを加え、室温にて充分に攪拌、混合
した後、得られた生成物を蒸留水でよく洗浄して、12
0℃で乾燥させた。次いで、この乾燥物を1000℃で
焼成し、得られた焼成物を粉砕して、銀を担持したハイ
ドロキシアパタイト(ハイドロキシアパタイト−銀系抗
菌剤:以下、HAp−銀系抗菌剤と称する。)の粉体を
得た。この粉体における銀の割合(担持量)は、2.0
重量%であった。
【0033】[実施例1] 練歯磨剤組成物 炭酸カルシウム 29.0重量% ハイドロキシアパタイト 1.0 リン酸水素カルシウム 15.0 グリセリン 25.0 ラウリル硫酸ナトリウム 0.5 ヒドロキシエチルセルロース 1.0 乳酸菌培養ろ液 1.0 メントール 0.8 水 残 部 合 計 100.0
【0034】[実施例2] 練歯磨剤組成物 リン酸三カルシウム 35.0 ハイドロキシアパタイト 5.0 グリセリン 20.0 プロピレングリコール 10.0 ラウリル硫酸ナトリウム 0.5 ヒドロキシエチルセルロース 1.0 乳酸菌培養ろ液 3.0 メントール 0.8 水 残 部 合 計 100.0
【0035】[実施例3] 練歯磨剤組成物 ピロリン酸カルシウム 45.0 リン酸三カルシウム−銀系抗菌剤 0.1 グリセリン 20.0 プロピレングリコール 10.0 ポリエチレングリコール 5.0 ラウリル硫酸ナトリウム 0.8 ヒドロキシエチルセルロース 0.5 キタンサンガム 0.5 乳酸菌培養ろ液 5.0 水 残 部 合 計 100.0
【0036】[実施例4] 練歯磨剤組成物 水酸化アルミニウム 40.0 ハイドロキシアパタイト−銀系抗菌剤 5.0 グリセリン 20.9 プロピレングリコール 5.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 カラギナン 1.0 乳酸菌培養ろ液 10.0 水 残 部 合 計 100.0
【0037】[実施例5] 練歯磨剤組成物 水酸化アルミニウム 30.0 ハイドロキシアパタイト−銀系抗菌剤 15.0 グリセリン 20.0 プロピレングリコール 10.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 モノフルオロリン酸ナトリウム 0.7 カラギナン 1.0 乳酸菌培養ろ液 10.0 水 残 部 合 計 100.0
【0038】[実施例6] 練歯磨剤組成物 炭酸カルシウム 45.0 塩化ベンザルコニウム 0.05 トリクロサン 0.05 グリセリン 20.0 プロピレングリコール 10.0 ポリエチレングリコール 5.0 ラウリル硫酸ナトリウム 0.8 ヒドロキシエチルセルロース 0.5 キタンサンガム 0.5 乳酸菌培養ろ液 5.0 水 残 部 合 計 100.0
【0039】[実施例7] 練歯磨剤組成物 リン酸三カルシウム−銀系抗菌剤 30.0 リン酸水素カルシウム 6.0 グリセリン 27.0 ポリエチレングリコール 3.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 キタンサンガム 1.0 メントール 0.5 乳酸菌培養ろ液 30.0 水 残 部 合 計 100.0
【0040】[実施例8] 練歯磨剤組成物 乳酸菌培養ろ液成分吸着HAp粉体 20.0 炭酸カルシウム 25.0 グリセリン 30.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 ヒドロキシエチルセルロース 1.0 スペアミント 0.5 水 残 部 合 計 100.0
【0041】[実施例9] 練歯磨剤組成物 乳酸菌培養ろ液吸着HAp粉体 60.0 グリセリン 30.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 ヒドロキシエチルセルロース 1.0 スペアミント 0.5 水 残 部 合 計 100.0
【0042】[実施例10] 練歯磨剤組成物 リン酸三カルシウム−銀系抗菌剤 50.0 プロピレングリコール 2.0 ソルビット 5.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.2 カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.2 キタンサンガム 0.5 乳酸菌培養ろ液 40.0 水 残 部 合 計 100.0
【0043】[実施例11] 粉歯磨剤組成物 乳酸菌培養ろ液成分吸着HAp粉体 80.0 グリセリン 10.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.2 パラオキシ安息香酸メチル 0.005 サッカリン 0.1 香料 1.0 水 残 部 合 計 100.0
【0044】[実施例12] 洗口剤 ハイドロキシアパタイト 0.1 エチルアルコール 10.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 グリセリン 10.0 メントール 0.4 乳酸菌培養ろ液 40.0 水 残 部 合 計 100.0
【0045】[実施例13] 洗口剤 ハイドロキシアパタイト−銀系抗菌剤 0.05 エチルアルコール 8.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 グリセリン 10.0 メントール 0.4 乳酸菌培養ろ液 80.0 水 残 部 合 計 100.0
【0046】[比較例の作製]比較例1〜12の口腔用組
成物を以下に示すように作製した。
【0047】[比較例1]1.0重量%のハイドロキシア
パタイトの代わりに、同量の炭酸カルシウムを用いた以
外は、実施例1と同様に口腔用組成物を作製した。
【0048】[比較例2]5.0重量%のハイドロキシア
パタイトの代わりに、同量のリン酸三カルシウムを用い
た以外は、実施例2と同様に口腔用組成物を作製した。
【0049】[比較例3]0.1重量%のリン酸三カルシ
ウム−銀系抗菌剤の代わりに、同量のピロリン酸カルシ
ウムを用いた以外は、実施例3と同様に口腔用組成物を
作製した。
【0050】[比較例4]5.0重量%のハイドロキシア
パタイト−銀系抗菌剤の代わりに、同量の水酸化アルミ
ニウムを用いた以外は、実施例4と同様に口腔用組成物
を作製した。
【0051】[比較例5]15.0重量%のハイドロキシ
アパタイト−銀系抗菌剤の代わりに、同量の水酸化アル
ミニウムを用いた以外は、実施例5と同様に口腔用組成
物を作製した。
【0052】[比較例6]0.05重量%の塩化ベンザル
コニウムと、0.05重量%のトリクロサンの代わり
に、同量の炭酸カルシウムを用いた以外は、実施例6と
同様に口腔用組成物を作製した。
【0053】[比較例7]1.0重量%の乳酸菌培養ろ液
の代わりに、同量の水を用いた以外は、実施例1と同様
の処方にて口腔用組成物を作製した。
【0054】[比較例8]3.0重量%の乳酸菌培養ろ液
の代わりに、同量の水を用いた以外は、実施例2と同様
の処方にて口腔用組成物を作製した。
【0055】[比較例9]5.0重量%の乳酸菌培養ろ液
の代わりに、同量の水を用いた以外は、実施例3と同様
の処方にて口腔用組成物を作製した。
【0056】[比較例10]10.0重量%の乳酸菌培養
ろ液の代わりに、同量の水を用いた以外は、実施例4と
同様の処方にて口腔用組成物を作製した。
【0057】[比較例11]10.0重量%の乳酸菌培養
ろ液の代わりに、同量の水を用いた以外は、実施例5と
同様の処方にて口腔用組成物を作製した。
【0058】[比較例12]5.0重量%の乳酸菌培養ろ
液の代わりに、同量の水を用いた以外は、実施例6と同
様の処方にて口腔用組成物を作製した。
【0059】[抗菌活性の測定試験]実施例1〜6、比較
例1〜12の口腔用組成物について、虫歯菌であるスト
レプトコッカス・ミュータンス、歯周病菌であるアクチ
ノバチラス・アクチノマイセタミコミタンスに対する抗
菌力試験を行った。その結果を表1と表2に示す。実施
例1〜6、比較例1〜12の口腔用組成物それぞれ1g
を、それぞれの菌液10ml中に添加し、シェークフラス
コ法により抗菌力を測定した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】乳酸菌培養ろ液に抗菌剤若しくはハイドロ
キシアパタイトを併用しなかったものは、抗菌効果が発
揮されておらず、実験に使用した口腔内細菌はむしろ増
加傾向であった。これは、乳酸菌培養ろ液中に含有され
る各種成分が口腔内細菌の栄養源となったことによるも
のと考えられる。
【0063】一方、乳酸菌培養ろ液に抗菌剤若しくはハ
イドロキシアパタイトを併用したものは、口腔内細菌が
低減している。これは、抗菌剤による抗菌効果或いはハ
イドロキシアパタイトの菌吸着能によって菌数が低減し
たことによると考えられる。実施例1〜6の口腔用組成
物は、抗菌剤若しくはハイドロキシアパタイトを配合し
た比較例7〜12と同程度の抗菌力を有している。この
ように、抗菌剤を配合することにより、乳酸菌培養ろ液
中に含有される各種成分が口腔内細菌を増殖させること
を防止できることがわかった。
【0064】[歯肉炎症に対する効果の検証]実施例2〜
4、及び6の歯磨剤及び比較例2〜4、6、8〜10、
及び12の歯磨剤を使用して、次の臨床実験を実施し
た。被験者は、臨床所見から測定に支障をきたすような
歯列不正、修復物を認めない、歯肉炎或いは歯周病を有
するもの60名とした。実験方法は、被験者を5名ず
つ、実施例2〜4、6の歯磨剤4種と比較例2〜4、
6、8〜10、12の歯磨剤8種の計12種をそれぞれ
使用する群に分けて、4週間口腔清掃させることにより
行った。
【0065】効果の比較検討は、被験者の歯肉炎症程度
及び歯周ポケット深さを診査することにより行った。 (1)歯肉炎症程度の診査 Loe.HらのGingival Index の基準を用い、
【数1】
【数2】 の歯肉を近心、遠心、頬側、下側の4部位について診査
し、各群毎にGI指数の平均値を求めることにより効果
を比較した。 1.GIの診査基準 0 炎症所見なし 1 軽度の炎症(歯肉の色と表面状態のわずかな変化) 2 中等度の炎症(中等度の表面光沢化、発赤、浮腫と
増殖、加圧による出血) 3 強度の炎症(著明な発赤と腫張、自然出血の傾向、
潰傷形成) 2.指数計算
【数3】 3.指数値の判定 0 たいへんよい 0.1〜1.0 よい 1.1〜2.0 悪くない 2.1〜3.0 悪い
【0066】(2) 歯周ポケット深さの診査 上顎左右犬歯の近心側の歯周ポケット深さを、プローブ
を用いて診査し、各群毎の被験者の平均値を求めること
により効果を比較した。
【0067】(3) 診査結果 表3は、実施例2〜4、6の歯磨剤及び比較例2〜4、
6、8〜10、12の各歯磨剤をそれぞれ使用した群の
被験者について、初診時、2週後、4週後におけるGI
指数の平均値と標準偏差を示したものである。実施例2
〜4、6を使用した群はいずれも有意に歯肉炎症程度が
改善されているが、比較例2〜4、6を使用した群につ
いては歯肉炎症程度の改善が認められず、比較例3、比
較例4、及び比較例6の歯磨剤についてはむしろ悪化の
傾向を示した。また、抗菌剤若しくはハイドロキシアパ
タイトを配合した比較例8〜10、12の各歯磨剤につ
いて、歯肉炎症が改善されていることがわかる。しかし
ながら、乳酸菌培養ろ液及び抗菌剤若しくはハイドロキ
シアパタイトを併用した実施例2〜4、6の歯磨剤程度
の効果が得られなかった。
【0068】
【表3】
【0069】表4は、実施例2〜4、6の歯磨剤及び比
較例2〜4、6、8〜10、12の各歯磨剤をそれぞれ
使用した群の被験者について、初診時、2週後、4週後
における歯周ポケット深さの平均値と標準偏差を示した
ものである。実施例2〜4、6を使用した群はいずれも
有意に、歯周ポケット深さが改善されているが、比較例
2〜4、6を使用した群については、歯肉炎症程度の改
善が認められず、比較例3、比較例4、及び比較例6の
歯磨剤についてはむしろ悪化の傾向を示した。また、抗
菌剤若しくはハイドロキシアパタイトを配合した比較例
8〜10、12の各歯磨剤について、歯周ポケット深さ
が改善されていることがわかる。しかしながら、乳酸菌
培養ろ液及び抗菌剤若しくはハイドロキシアパタイトを
併用した実施例2〜4、6の歯磨剤程度の効果が得られ
なかった。このように、口腔用組成物に乳酸菌培養ろ液
及び抗菌剤若しくはハイドロキシアパタイトを所定量併
用することによって、口腔内疾患により損傷した歯周組
織の改善に極めて優れた効果を発揮できることが示され
た。
【0070】
【表4】
【0071】実施例1〜6の抗菌試験、歯肉炎症の検
証、歯周ポケット深さの診査データを示したが、他の実
施例についても同様のデータが得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐久間 周治 東京都中央区築地3丁目11番6号 株式会 社サンギ内 (72)発明者 福島 幸雄 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式会 社ヤクルト本社内 (72)発明者 吉川 聡 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式会 社ヤクルト本社内 (72)発明者 篠原 雅明 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式会 社ヤクルト本社内 Fターム(参考) 4C083 AA031 AA032 AB131 AB171 AB191 AB211 AB221 AB241 AB281 AB291 AB292 AB321 AB322 AB381 AB441 AB472 AC102 AC122 AC482 AC692 AC782 AC812 AC862 AD042 AD272 AD282 AD352 AD532 BB48 CC41 DD22 DD23 EE32 EE33

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌剤及び乳酸菌培養ろ液を少なくとも
    配合した口腔用組成物。
  2. 【請求項2】 前記抗菌剤が口腔用組成物の全重量に対
    して、0.01〜50重量%である請求項1に記載した
    口腔用組成物。
  3. 【請求項3】 前記抗菌剤が無機抗菌剤である、請求項
    1の口腔用組成物。
  4. 【請求項4】 前記無機抗菌剤が、活性炭、アルミナ、
    シリカゲル、ゼオライト、リン酸塩系化合物、炭酸カル
    シウム、ケイ酸カルシウム、ベントナイト及び酸化チタ
    ンからなる群より選ばれる少なくとも一種の担体に、
    銀、銅、亜鉛、金、白金及びニッケルからなる群より選
    ばれる少なくとも一種の金属を担持した無機系抗菌剤で
    ある、請求項3に記載した口腔用組成物。
  5. 【請求項5】 前記リン酸塩系化合物が、リン酸カルシ
    ウム系化合物、リン酸チタン系化合物、リン酸ジルコニ
    ウム系化合物、リン酸マグネシウム系化合物、リン酸ア
    ルミニウム系化合物、リン酸マンガン系化合物、及びリ
    ン酸鉄系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種
    の化合物である、請求項4に記載した口腔用組成物。
  6. 【請求項6】 リン酸三カルシウム、リン酸水素カルシ
    ウム及びハイドロキシアパタイトからなる群より選ばれ
    る少なくとも一種の前記リン酸カルシウム系化合物から
    なる担体に、銀、銅及び亜鉛からなる群より選ばれる少
    なくとも一種の金属が担持されている、請求項5に記載
    した口腔用組成物。
  7. 【請求項7】 ハイドロキシアパタイト及び乳酸菌培養
    ろ液を少なくとも配合した口腔用組成物。
  8. 【請求項8】 乳酸菌培養ろ液が口腔用組成物の全重量
    に対して、0.01〜80重量%である請求項3又は7
    に記載した口腔用組成物。
  9. 【請求項9】 ハイドロキシアパタイトの配合量が口腔
    用組成物の全重量に対して、0.1〜50重量%である
    請求項6又は7に記載した口腔用組成物。
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