JP2019104676A - 銀担持炭粉末の製造方法、銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 一定時間水にさらした場合にも抗菌力を維持することのできる銀担持炭粉末の製造方法と、当該銀担持炭粉末製造方法で製造した銀担持炭粉末を用いた銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法を提供する。【解決手段】 本発明の銀担持炭粉末の製造方法は、抗菌性を備えた炭粉末の製造方法であって、銀イオン水溶液に炭粉末を浸漬し、炭粉末が浸漬した銀イオン水溶液を抵抗加熱による加熱装置で昇温させることによって、銀イオン水溶液中の銀粒子を炭粉末に担持させ、銀粒子担持後の炭粉末を銀イオン水溶液から回収して銀担持炭粉末を製造する方法である。本発明の銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法は、前記銀担持炭粉末の製造方法で製造された銀担持炭粉末と歯磨剤のベース材料とを練和してペースト状の銀担持炭粉末含有歯磨剤を製造する方法である。【選択図】なし
Description
本発明は、炭粉末に銀粒子を担持させて銀担持炭粉末を製造する方法(銀担持炭粉末の製造方法)と、当該銀担持粉末を用いて歯磨剤(銀担持炭粉末含有歯磨剤)を製造する方法(銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法)に関する。
従来、銀イオン(Ag+)には抗菌効果があることが知られており、歯磨剤や洗剤など様々な用途で用いられている(例えば、特許文献1)。また、抗菌力を備えた銀粒子(イオン化された銀粒子)を物体に担持させる方法として、対象物体を浸漬した銀イオン水溶液をマイクロ波や超音波、IH等を利用して加熱する方法などが知られている(特許文献2及び3)。
前記各文献には、前記各方法で銀粒子を物体に担持させることによって、抗菌力の高い物体を得られることが開示されているが、当該物体を一定時間水にさらし続けた場合に、抗菌力がどの程度持続するかについては開示されていない。
本発明は、一定時間水にさらした場合にも抗菌力を維持することのできる銀担持炭粉末の製造方法と、当該銀担持炭粉末の製造方法で製造した銀担持炭粉末を用いた銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法を提供することにある。
[銀担持炭粉末の製造方法]
本発明の銀担持炭粉末の製造方法は、抗菌性を備えた炭粉末の製造方法であって、銀イオン水溶液に炭粉末を浸漬し、炭粉末が浸漬した銀イオン水溶液を抵抗加熱による加熱装置で昇温させることによって、銀イオン水溶液中の銀粒子を炭粉末に担持させ、銀粒子担持後の炭粉末を銀イオン水溶液から回収して銀担持炭粉末を製造する方法である。ここで、「抵抗加熱による加熱装置」とは、電気加熱のうち、抵抗に電流が流れる際に発生する熱を熱源とする加熱装置をいい、赤外加熱やアーク加熱、プラズマ加熱、誘導加熱、誘電加熱、マイクロ波加熱、レーザ加熱、電子ビーム加熱、ヒートポンプ加熱と区別されるものである。
本発明の銀担持炭粉末の製造方法は、抗菌性を備えた炭粉末の製造方法であって、銀イオン水溶液に炭粉末を浸漬し、炭粉末が浸漬した銀イオン水溶液を抵抗加熱による加熱装置で昇温させることによって、銀イオン水溶液中の銀粒子を炭粉末に担持させ、銀粒子担持後の炭粉末を銀イオン水溶液から回収して銀担持炭粉末を製造する方法である。ここで、「抵抗加熱による加熱装置」とは、電気加熱のうち、抵抗に電流が流れる際に発生する熱を熱源とする加熱装置をいい、赤外加熱やアーク加熱、プラズマ加熱、誘導加熱、誘電加熱、マイクロ波加熱、レーザ加熱、電子ビーム加熱、ヒートポンプ加熱と区別されるものである。
[銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法]
本発明の銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法は、前記銀担持炭粉末の製造方法で製造された銀担持炭粉末と歯磨剤のベース材料とを練和してペースト状の銀担持炭粉末含有歯磨剤を製造する方法である。
本発明の銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法は、前記銀担持炭粉末の製造方法で製造された銀担持炭粉末と歯磨剤のベース材料とを練和してペースト状の銀担持炭粉末含有歯磨剤を製造する方法である。
[銀担持炭粉末の製造方法]
本発明の銀担持炭粉末の製造方法は、銀粒子を担持させる対象がイオン吸着効果の高い炭粉末であることに加え、抵抗加熱による加熱装置で時間をかけて昇温させるため、銀粒子が炭粉末の内部にまで浸透しやすく、一定時間水にさらした後であっても、JIS2801「抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果」で定める基準を上回る抗菌力を維持した銀担持炭粉末を得ることができる。
本発明の銀担持炭粉末の製造方法は、銀粒子を担持させる対象がイオン吸着効果の高い炭粉末であることに加え、抵抗加熱による加熱装置で時間をかけて昇温させるため、銀粒子が炭粉末の内部にまで浸透しやすく、一定時間水にさらした後であっても、JIS2801「抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果」で定める基準を上回る抗菌力を維持した銀担持炭粉末を得ることができる。
[銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法]
本発明の銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法は、本発明の銀担持炭粉末の製造方法で製造された銀担持炭粉末を用いているため、抗菌力を維持した銀担持炭粉末含有歯磨剤を得ることができる。
本発明の銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法は、本発明の銀担持炭粉末の製造方法で製造された銀担持炭粉末を用いているため、抗菌力を維持した銀担持炭粉末含有歯磨剤を得ることができる。
(銀担持炭粉末の製造方法の実施形態)
本発明の銀担持炭粉末の製造方法の実施形態の一例を説明する。本発明の銀担持炭粉末の製造方法は、銀イオン水溶液中に炭粉末を浸漬し、当該炭粉末が浸漬した銀イオン水溶液を抵抗加熱による加熱装置で昇温させることによって、銀イオン水溶液中のイオン化した銀粒子を前記炭粉末に離散して担持させ、銀粒子担持後の炭粉末を銀イオン水溶液から回収することで、銀担持炭粉末を得る方法である。本発明の銀担持炭粉末の製造方法では、任意サイズの容器に銀イオン水溶液と炭粉末を入れ、炭粉末が完全に銀イオン水溶液中に浸った状態で銀イオン水溶液を昇温させる。銀イオン水溶液は5分以上かけて30℃以上昇温させる。
本発明の銀担持炭粉末の製造方法の実施形態の一例を説明する。本発明の銀担持炭粉末の製造方法は、銀イオン水溶液中に炭粉末を浸漬し、当該炭粉末が浸漬した銀イオン水溶液を抵抗加熱による加熱装置で昇温させることによって、銀イオン水溶液中のイオン化した銀粒子を前記炭粉末に離散して担持させ、銀粒子担持後の炭粉末を銀イオン水溶液から回収することで、銀担持炭粉末を得る方法である。本発明の銀担持炭粉末の製造方法では、任意サイズの容器に銀イオン水溶液と炭粉末を入れ、炭粉末が完全に銀イオン水溶液中に浸った状態で銀イオン水溶液を昇温させる。銀イオン水溶液は5分以上かけて30℃以上昇温させる。
前記銀イオン水溶液は、電荷を帯びた銀粒子(銀イオン)を含む水溶液である。銀イオン水溶液には、既存の又は新規の銀イオン水溶液を用いることができる。銀イオン水溶液としては、例えば、銀イオン濃度(銀含有率)10ppm〜10000ppm程度のものを用いることができる。ただし、この数値は一例であり、この範囲より含有率の高いものや低いものを排除するものではない。また、銀イオン水溶液は加熱前温度が常温のもの(例えば、20℃〜40℃程度)を用いるのが好ましいが、5℃〜60℃程度であれば、加熱前温度がこれ以外のものを用いることもできる。
銀イオン水溶液には、粒径1nm〜1000nm程度の銀粒子が含まれたものを用いることができる。ただし、この数値は一例であり、この範囲より粒径の大きな銀粒子を含む銀イオン水溶液を用いることや粒径の小さな銀粒子を含む銀イオン水溶液を用いることを排除するものではない。
炭粉末には、例えば、竹炭やオガクズ炭等を粒径10nm〜1000μm程度の粉末状にしたものを用いることができる。ただし、この数値は一例であり、この範囲より粒径の大きい炭粉末を用いることや、粒径の小さな炭粉末を用いることを排除するものではない。また、竹炭やオガクズ炭以外の炭を粉末状にしたものを排除するものでもない。
炭粉末の混合量は銀イオン水溶液に対して、重量比1%〜40%程度とするのが好ましい。炭粉末の混合量は40%より多いと製造が困難となる。ただし、この数値は一例であり、炭粉末の混合量をこれより多くすることや少なくすることを排除するものではない。
銀イオン水溶液は、抵抗加熱による加熱装置によって昇温させる。ここでいう、抵抗加熱による加熱装置とは、電気加熱のうち、抵抗に電流が流れる際に発生する熱を熱源とする加熱装置をいい、赤外加熱やアーク加熱、プラズマ加熱、誘導加熱、誘電加熱、マイクロ波加熱、レーザ加熱、電子ビーム加熱、ヒートポンプ加熱による加熱装置と区別されるものである。陰イオン水溶液は、5分以上加熱する又は/及び30℃以上昇温させるのが好ましい。出願人の実験では、加熱前温度23.3℃の銀イオン水溶液を5分33秒かけて60.0℃に昇温させた場合、加熱前温度29.7℃の銀イオン水溶液を9分6秒かけて60.0℃に昇温させた場合、及び、加熱前温度29.4℃の銀イオン水溶液を28分30秒かけて59.7℃に昇温させた場合のいずれにおいても、高い抗菌性が得られることが確認できた。5分以上かけて30℃以上昇温させるのが好ましい。
前記実施形態の銀担持炭粉末の製造方法で製造された銀担持炭粉末は、炭粉末にイオン化した銀粒子が離散して担持したものである。銀粒子の担持量は炭粉末に対して、重量比0.0001%〜10%程度である。炭粉末に担持される銀粒子は、例えば、粒径1nm〜1000nm程度であり、炭粉末は、粒径10nm〜1000μm程度である。ただし、これら数値は一例であり、これらの範囲外の粒径の銀粒子や炭粉末を排除するものではない。
(銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法の実施形態)
本発明の銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法の実施形態の一例を説明する。本発明の銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法は、抗菌性を備えた歯磨剤の製造方法であって、前記銀担持炭粉末の製造方法で製造された銀担持炭粉末と歯磨剤のベース材料とを練和してペースト状の歯磨剤を製造する方法である。
本発明の銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法の実施形態の一例を説明する。本発明の銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法は、抗菌性を備えた歯磨剤の製造方法であって、前記銀担持炭粉末の製造方法で製造された銀担持炭粉末と歯磨剤のベース材料とを練和してペースト状の歯磨剤を製造する方法である。
前記ベース材料とは歯磨剤のベースとなる材料を意味するものである。具体的には、炭酸カルシウムや水、ソルビトール、グリセリン、キシリトール、キサンタンガム、カラギーナン等が練和されたものをベース材料(以下「歯磨剤ベース」という)として使用する。ここに示す歯磨剤ベースの材料は一例であり、歯磨剤ベースはこれら以外であってもよい。銀担持炭粉末には、本件発明の銀担持炭粉末の製造方法で製造された銀担持炭粉末を用いることができる。
銀担持炭粉末は、歯磨剤のベース材料に対して重量比0.01%〜10%程度、好ましくは0.5%程度混合することができる。0.01%より少ないと抗菌力の不足となり、10%より多いと製造が困難となる。ただし、この混合比率は一例であり、これ以外の混合比率とすることを排除するものではない。
ベース材料と銀担持炭粉末の練和には、真空攪拌機など、既存の又は新規の攪拌機を用いることができる。ベース材料と銀担持炭粉末の温度や撹拌速度等の条件は、製造する物品に応じて適宜設定することができる。所定形状に成形された固形状の銀担持炭粉末含有物を製造する場合、既存の又は新規の成形装置を用いることができる。
(実験1)
本件出願人は、抵抗加熱による加熱装置(ヒーター)で加熱した場合の銀担持炭粉末の抗菌性維持力の優位性を検証するため、次の実験(実験1)を行った。実験1の概要は次のとおりである。
本件出願人は、抵抗加熱による加熱装置(ヒーター)で加熱した場合の銀担持炭粉末の抗菌性維持力の優位性を検証するため、次の実験(実験1)を行った。実験1の概要は次のとおりである。
[実験1の概要]
(1)銀イオン水溶液100gに炭粉末(オガクズ炭)2gを浸漬する。
(2)前記(1)で得た液を三つのビーカーA〜Cに分ける。
(3)前記(2)で得た液のうち、ビーカーAに入った液をヒーター(実験ではホットスターラーを使用)で、ビーカーBに入った液をマイクロ波加熱装置で加熱し、前記(2)で得た液のうち、ビーカーCに入った液は、加熱せずに常温下に放置する。なお、ビーカーAに入った液の加熱時間は5分33秒、加熱前温度は23.3℃、加熱後温度は60.0℃である。ビーカーBに入った液の加熱時間は1分19秒、加熱前温度は18.6℃、加熱後温度は53.5℃である。ビーカーCに入った液の放置温度は23.3℃、放置時間は4分13秒である。
(4)前記(3)で得た三種類の液を濾過する。
(5)前記(4)で得た炭粉末及び濾紙を折畳み、それぞれを別の濾紙で包む。
(6)前記(5)で得た濾紙で包まれた三種類の対象物を、流水洗浄実験装置内に重ならないようにセットし、水を少量ずつ装置内に供給する。水の供給は72時間継続する。
(7)前記(6)で得たそれぞれの対象物から炭粉末を0.01gずつ取り出し、バイアル瓶に収容する。
(8)前記(7)で得たそれぞれの対象物に、1/500NB培地(日水製薬株式会社)で調製したCandida albicance菌液(57500CFU/mL)を20ml添加する。培地中の炭粉末は0.05重量パーセントである。
(9)前記(8)で得たそれぞれの対象物を、170rpmで撹拌しながら32℃で培養する。
(10)前記(9)で得た対象物の夫々について、24時間後に塗抹平板培養法で菌数を測定した。
(1)銀イオン水溶液100gに炭粉末(オガクズ炭)2gを浸漬する。
(2)前記(1)で得た液を三つのビーカーA〜Cに分ける。
(3)前記(2)で得た液のうち、ビーカーAに入った液をヒーター(実験ではホットスターラーを使用)で、ビーカーBに入った液をマイクロ波加熱装置で加熱し、前記(2)で得た液のうち、ビーカーCに入った液は、加熱せずに常温下に放置する。なお、ビーカーAに入った液の加熱時間は5分33秒、加熱前温度は23.3℃、加熱後温度は60.0℃である。ビーカーBに入った液の加熱時間は1分19秒、加熱前温度は18.6℃、加熱後温度は53.5℃である。ビーカーCに入った液の放置温度は23.3℃、放置時間は4分13秒である。
(4)前記(3)で得た三種類の液を濾過する。
(5)前記(4)で得た炭粉末及び濾紙を折畳み、それぞれを別の濾紙で包む。
(6)前記(5)で得た濾紙で包まれた三種類の対象物を、流水洗浄実験装置内に重ならないようにセットし、水を少量ずつ装置内に供給する。水の供給は72時間継続する。
(7)前記(6)で得たそれぞれの対象物から炭粉末を0.01gずつ取り出し、バイアル瓶に収容する。
(8)前記(7)で得たそれぞれの対象物に、1/500NB培地(日水製薬株式会社)で調製したCandida albicance菌液(57500CFU/mL)を20ml添加する。培地中の炭粉末は0.05重量パーセントである。
(9)前記(8)で得たそれぞれの対象物を、170rpmで撹拌しながら32℃で培養する。
(10)前記(9)で得た対象物の夫々について、24時間後に塗抹平板培養法で菌数を測定した。
実験1は、前記(1)〜(10)の手順で三回行った。
[実験1の結果]
実験1の結果を表1に示す。
実験1の結果を表1に示す。
[実験1の考察]
表1に示すとおり、ヒーターで加熱した場合、3回とも生菌は検出されなかった。一方、マイクロ波加熱装置で加熱した場合、1回目には生菌は検出されなかったが、2回目には17UFC/枚の生菌が、3回目には50UFC/枚の生菌が検出された。また、浸漬のみ(加熱せず)の場合、1回目と2回目には生菌は検出されなかったが、3回目には17UFC/枚の生菌が検出された。この結果から、ヒーターで加熱した場合、マイクロ波加熱装置で加熱する場合や加熱せず浸漬のみの場合に比して、抗菌性維持力(抗菌性を維持する能力をいう。以下同じ。)が安定していることが確認できた。
表1に示すとおり、ヒーターで加熱した場合、3回とも生菌は検出されなかった。一方、マイクロ波加熱装置で加熱した場合、1回目には生菌は検出されなかったが、2回目には17UFC/枚の生菌が、3回目には50UFC/枚の生菌が検出された。また、浸漬のみ(加熱せず)の場合、1回目と2回目には生菌は検出されなかったが、3回目には17UFC/枚の生菌が検出された。この結果から、ヒーターで加熱した場合、マイクロ波加熱装置で加熱する場合や加熱せず浸漬のみの場合に比して、抗菌性維持力(抗菌性を維持する能力をいう。以下同じ。)が安定していることが確認できた。
(実験2)
本件出願人は、炭粉末の優位性を検証するため、次の実験(実験2)を行った。実験2の概要は次のとおりである。
本件出願人は、炭粉末の優位性を検証するため、次の実験(実験2)を行った。実験2の概要は次のとおりである。
[実験2の概要]
(1)三つのビーカーA〜Cを用意し、ビーカーA内の銀イオン水溶液100gに炭粉末2gを、ビーカーB内の銀イオン水溶液100gにPMMA粉末を、ビーカーC内の銀イオン水溶液100gにシリカゲル粉末2gを浸漬する。
(2)前記(1)で得た液が入ったビーカーA〜Cの夫々を、ヒーター(実験ではホットスターラーを使用)で加熱する。
(3)前記(2)で得た三種類の液を濾過する。
(4)前記(3)で得た炭粉末及び濾紙を折畳み、それぞれを別の濾紙で包む。
(5)前記(4)で得た濾紙で包まれた三種類の対象物を、流水洗浄実験装置内に重ならないようにセットし、水を少量ずつ装置内に供給する。水の供給は72時間継続する。
(6)前記(5)で得たそれぞれの対象物から炭粉末を0.01gずつ取り出し、バイアル瓶に収容する。
(7)前記(6)で得たそれぞれの対象物に、1/500NB培地(日水製薬株式会社)で調製したCandida albicance菌液(234556CFU/mL)を20ml添加する。培地中の対象物(各粉末)は0.05重量パーセントである。
(8)前記(7)で得たそれぞれの対象物を、170rpmで撹拌しながら32℃で培養する。
(9)前記(8)で得た対象物の夫々について、24時間後に塗抹平板培養法で菌数を測定した。
(1)三つのビーカーA〜Cを用意し、ビーカーA内の銀イオン水溶液100gに炭粉末2gを、ビーカーB内の銀イオン水溶液100gにPMMA粉末を、ビーカーC内の銀イオン水溶液100gにシリカゲル粉末2gを浸漬する。
(2)前記(1)で得た液が入ったビーカーA〜Cの夫々を、ヒーター(実験ではホットスターラーを使用)で加熱する。
(3)前記(2)で得た三種類の液を濾過する。
(4)前記(3)で得た炭粉末及び濾紙を折畳み、それぞれを別の濾紙で包む。
(5)前記(4)で得た濾紙で包まれた三種類の対象物を、流水洗浄実験装置内に重ならないようにセットし、水を少量ずつ装置内に供給する。水の供給は72時間継続する。
(6)前記(5)で得たそれぞれの対象物から炭粉末を0.01gずつ取り出し、バイアル瓶に収容する。
(7)前記(6)で得たそれぞれの対象物に、1/500NB培地(日水製薬株式会社)で調製したCandida albicance菌液(234556CFU/mL)を20ml添加する。培地中の対象物(各粉末)は0.05重量パーセントである。
(8)前記(7)で得たそれぞれの対象物を、170rpmで撹拌しながら32℃で培養する。
(9)前記(8)で得た対象物の夫々について、24時間後に塗抹平板培養法で菌数を測定した。
実験2は、前記(1)〜(9)の手順で三回行った。
[実験2の結果]
実験2の結果を表2に示す。
実験2の結果を表2に示す。
[実験2の考察]
表2に示すとおり、炭粉末については、3回とも生菌は検出されなかった。一方、PMMA粉末については、1回目には2180000UFC/枚の生菌が、2回目には404000UFC/枚の生菌が検出された。3回目は実験の不備により測定できなかった。シリカゲル粉末については、1回目には200UFC/枚の生菌が、2回目には83500UFC/枚の生菌が、3回目は15950UFC/枚の生菌が検出された。この結果から、炭粉末は、PMMA粉末やシリカゲル粉末に比して、流水下での抗菌性維持力が高いことが確認できた。
表2に示すとおり、炭粉末については、3回とも生菌は検出されなかった。一方、PMMA粉末については、1回目には2180000UFC/枚の生菌が、2回目には404000UFC/枚の生菌が検出された。3回目は実験の不備により測定できなかった。シリカゲル粉末については、1回目には200UFC/枚の生菌が、2回目には83500UFC/枚の生菌が、3回目は15950UFC/枚の生菌が検出された。この結果から、炭粉末は、PMMA粉末やシリカゲル粉末に比して、流水下での抗菌性維持力が高いことが確認できた。
本発明の銀担持炭粉末の製造方法は抗菌性維持力の高い銀担持炭粉末の製造方法として、本発明の銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法は抗菌性維持力の高い銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法として、産業上の利用可能性が認められる。
Claims (4)
- 抗菌性を備えた炭粉末の製造方法であって、
銀イオン水溶液に炭粉末を浸漬し、
前記炭粉末が浸漬した銀イオン水溶液を抵抗加熱による加熱装置で昇温させることによって、銀イオン水溶液中の銀粒子を前記炭粉末に担持させ、
前記銀粒子担持後の炭粉末を銀イオン水溶液から回収する、
ことを特徴とする銀担持炭粉末の製造方法。 - 請求項1記載の銀担持炭粉末の製造方法において、
炭粉末が浸漬した銀イオン水溶液を5分以上かけて30℃以上昇温させる、
ことを特徴とする銀担持炭粉末の製造方法。 - 歯磨剤の製造方法であって、
請求項1又は請求項2記載の銀担持炭粉末の製造方法で製造された銀担持炭粉末と、前記歯磨剤のベース材料とを練和してペースト状の銀担持炭粉末含有歯磨剤を製造する、
ことを特徴とする銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法。 - 請求項3記載の銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法において、
銀担持炭粉末を歯磨剤のベース材料に対して0.01重量%〜10重量%混合する、
ことを特徴とする銀担持炭粉末含有歯磨剤の製造方法。
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