JP2002193123A - 動力舵取装置 - Google Patents

動力舵取装置

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JP2002193123A
JP2002193123A JP2000394907A JP2000394907A JP2002193123A JP 2002193123 A JP2002193123 A JP 2002193123A JP 2000394907 A JP2000394907 A JP 2000394907A JP 2000394907 A JP2000394907 A JP 2000394907A JP 2002193123 A JP2002193123 A JP 2002193123A
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Japan
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steering
input shaft
torsion bar
torsion
shaft
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JP2000394907A
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English (en)
Inventor
Asaharu Horiuchi
朝晴 堀内
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行状態に適応した補助力特性が得られる動
力舵取装置を加工及び組付けに手間を要することなく簡
易に実現する。 【解決手段】 操舵補助用の油圧アクチュエータに圧油
を給排する油圧制御弁2を、トーションバー3により連
結された入力軸1aと出力軸1bとの連結部に構成する。ト
ーションバー3の中途の掴持部30を入力軸1aの中空部内
面に滑り環4を介して掴持し、舵輪を介して入力軸1aに
加えられる操舵トルクが滑り環4に滑りが発生する上限
トルクに達するまでは、掴持部30下側のトーション部32
のみが捩れ、上限トルクに達した後は、掴持部30両側の
トーション部31,32が捩れて、この捩れに応じた相対角
変位が入力軸1aと出力軸1bとの間に生じるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、舵取機構中に配し
たパワーシリンダ等の油圧アクチュエータを操舵補助力
の発生源とする油圧式の動力舵取装置に関し、更に詳述
すれば、前記油圧アクチュエータの作動用の圧油を給排
する油圧制御弁の動作を操舵の程度に応じて制限し、常
に適正な補助力が得られるようにした動力舵取装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】油圧式の動力舵取装置は、車両の舵取機
構中に配されて操舵補助力を発生する油圧アクチュエー
タと、舵輪(ステアリングホイール)の操作に応じて圧
油の給排動作をなす油圧制御弁とを備え、油圧源として
の油圧ポンプから供給される作動用の圧油を、前記油圧
制御弁を経て前記油圧アクチュエータに送給し、この送
給に応じて該油圧アクチュエータが発する油圧力(操舵
補助力)を舵取機構に加え、舵取りに要する運転者の労
力負担を軽減する構成となっている。
【0003】前記油圧制御弁としては、舵輪と舵取機構
とを連絡する舵輪軸(コラムシャフト)の中途に構成さ
れ、舵輪の操作に応じた舵輪軸の回動を利用するロータ
リ弁が多く用いられている。この油圧制御弁は、舵輪側
の入力軸と舵取機構側の出力軸とを細径のトーションバ
ーを介して同軸上に連結して前記舵輪軸を構成し、前記
入力軸及び出力軸の一方と一体に形成されたバルブスプ
ールを他方に連結された筒形のバルブボディーに内嵌し
て構成されている。
【0004】バルブスプールの外周面とバルブボディー
の内周面とには、夫々の長手方向に延びる複数の油溝が
等配をなして並設されており、これらは、嵌合周上にて
周方向に千鳥配置されて、相隣する油溝間に前記相対角
変位に応じて絞り面積を変える複数の絞り部を形成して
いる。前記油圧ポンプからの圧油の供給は、前記油溝の
いずれかに対してなされ、該油溝の両側に相隣する油溝
は、操舵補助用の前記油圧アクチュエータに夫々連通さ
せてある。
【0005】以上の構成において、舵輪に操舵トルクが
加えられたとき、入力軸と出力軸との間、即ち、バルブ
ボディーとバルブスプールとの間に前記トーションバー
の捩れを伴って相対角変位が生じ、両者の嵌合周上に並
ぶ絞り部の絞り面積が変化する結果、前記油圧ポンプか
ら供給される圧油は、絞り面積を増した側の絞り部を経
て同側に相隣する油溝に導入され、例えば、前記油圧ア
クチュエータとして舵取機構中に構成されたパワーシリ
ンダの一方の油室に送給される。これによりパワーシリ
ンダは、他方の油室との間に生じる圧力差に応じた油圧
力を発生し、この油圧力が操舵補助力として舵取機構に
加えられる。
【0006】以上の動作をなす油圧制御弁を備えた動力
舵取装置において、舵輪に加えられる操舵トルクと、こ
れに応じて得られる操舵補助力との対応関係(補助力特
性)は、入力軸と出力軸とを連結するトーションバーの
捩れ特性により一義的に決定され、操舵トルクの増加に
応じて操舵補助力が比例的に増加する補助力特性が得ら
れる。
【0007】ところが車両の舵取りは、操向用の車輪
(一般的には前輪)に作用する路面反力に抗して行わ
れ、路面反力の大小は、車速の遅速及び操舵角度の大小
に夫々対応するため、停止時又は低速走行時に大なる舵
取りが行われる場合を基準として前記トーションバーの
捩れ特性を柔に選定した場合、高速走行中に舵輪に加わ
るわずかな力にて舵取りがなされ、直進安定性が損なわ
れる不具合が生じ、逆に、高速走行中に小なる舵取りが
行われる場合を基準として前記トーションバーの捩れ特
性を剛に選定した場合、多大の力を要する停止中の舵取
り、所謂、据え切りに際して十分な操舵補助力が得られ
ないという不具合が生じる。
【0008】このような不具合を解消し、車速の遅速及
び操舵角度の大小に拘わらず常に良好な操舵感覚を得る
べく、従来から種々の構成が提案されている。このよう
な構成の一つに、特公昭61-41787号公報、本願出願人に
よる特開平9-267760号公報等に開示された動力舵取装置
がある。これらの動力舵取装置は、特公昭61-41787号公
報においては、中空軸として構成された前記入力軸に周
壁を貫通する孔を形成し、また特開平9-267760号公報に
おいては、トーションバーを囲繞する外筒を貫通する孔
を形成し、各孔に半径方向への摺動自在にボールを装着
して、これらの内側への突出端を前記入力軸の中空部に
内挿されたトーションバーの中途部に係合せしめ、外側
から掴持する構成としたものである。
【0009】前記ボールの夫々は、特公昭61-41787号公
報においては、入力軸の外側を囲うように設けられた圧
力室に導入される車速の高低に対応する油圧の作用によ
り、また特開平9-267760号公報においては、トーション
バーの外側を囲繞するように取付けた弾性を有する外筒
の作用により、夫々内向きに押圧されており、この押圧
力により前記トーションバーの中途を掴持するようにな
してある。
【0010】而して、特公昭61-41787号公報に開示され
た構成によれば、前記圧力室への導入油圧が低圧となる
停止時及び低速走行時には、舵輪に加わる操舵トルクの
作用により前記トーションバーが全長に亘って捩れるの
に対し、前記導入油圧が高圧となる高速走行時には、前
記トーションバーの有効長さが前記ボールによる掴持部
までの間に制限される。従って、トーションバーの捩れ
に伴ってバルブボディーとバルブスプールとの間に生じ
る相対角変位の増加率は、停止時及び低速走行時には
大、高速走行時には小となり、油圧制御弁から送給され
る圧油の作用によりパワーシリンダが発生する操舵補助
力の増加率は、停止時及び低速走行時に大きく、高速走
行中に小さくなって、望ましい補助力特性が得られる。
【0011】一方、特開平9-267760号公報に開示された
構成によれば、舵輪を介して入力軸及び出力軸に加わる
操舵トルクが小さい間には、前記トーションバーの有効
長さが前記ボールによる掴持部までの長さに制限される
のに対し、前記操舵トルクが所定の大きさを超えた後
は、前記ボールが前記外筒による押し付けに抗して浮き
上がり、前記トーションバーの中途の掴持が外れて、該
トーションバーが全長に亘って捩れる状態となる。
【0012】従って、トーションバーの捩れに伴ってバ
ルブボディーとバルブスプールとの間に生じる相対角変
位、及びパワーシリンダが発生する操舵補助力は、舵輪
に加えられる操舵トルクが全般的に小さい高速走行時に
は漸増し、停止時又は低速走行時に所定量を超える操舵
トルクが加えられると共に急増するようになり、高速走
行時の直進安定性と、停止時又は低速走行時の十分な操
舵補助力とが両立した望ましい補助力特性、所謂、2段
折れ特性が得られる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特公昭61-4
1787号公報に開示された動力舵取装置においては、前記
圧力室への導入油圧を得るべく、車速に対応する油圧を
発生する専用の油圧ポンプ(車速ポンプ)を車両の推進
軸の近傍に設ける必要があり、このような車速ポンプの
配設位置の確保、更には、車速ポンプから前記圧力室へ
の導圧管の取回しに困難を伴い、実用性に欠けるという
問題があった。
【0014】また前記圧力室への導入油圧は、例えば、
動力舵取装置用の油圧源として設けた油圧ポンプから油
圧制御弁に至る油圧配管の中途に車速の低下に従って絞
り開度を減じる可変絞りと固定絞りとを介して低圧源に
連なる分岐油路を設け、両絞り間の油圧を圧力室に導く
構成によっても得ることができるが、この場合、車速を
検出するセンサと、該センサの検出速度に基づいて前記
可変絞りの絞り開度を変更制御する制御回路とが必要で
あり、構成の複雑化を招く問題があった。
【0015】これに対し特開平9-267760号公報に開示さ
れた動力舵取装置は、トーションバーの中途を掴持する
ボールを前記外筒により押圧せしめた簡素な構成を有す
る反面、得られる補助力特性が前記外筒のばね特性に依
存し、前述した2段折れ特性を高精度に実現することが
難しいという問題がある。
【0016】即ち、前記外筒は、細径のトーションバー
の一端部から掴持部に至るまでを覆う態様に取付けられ
た薄肉のスリーブであり、掴持側の端部に設けた切欠き
溝の拡開変形により各ボールの押し付けのためのばね力
を加える構成としてある。従って、前記2段折れ特性の
漸増域から急増域への遷移点を決定する外筒の押し付け
力は、前記切欠き溝の幅及び長さ、外筒の肉厚等、各部
の寸法誤差の影響を受けることとなり、適正な遷移点を
有する2段折れ特性を実現するためには、細径薄肉の前
記外筒の加工に高い精度が要求され、また、このような
外筒の組付けに多大の手間を要するという問題があっ
た。
【0017】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、作動用の圧油の給排動作をなす油圧制御弁にお
いて、バルブボディーとバルブスプールとの間に相対角
変位を生ぜしめるトーションバーの中途を掴持する構成
を、加工及び組付けに手間を要することなく簡易に実現
し、走行状態に適応した補助力特性が得られる動力舵取
装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る動力舵取装
置は、舵輪に連なる入力軸と舵取機構に連なる出力軸と
をトーションバーを介して連結し、これら両軸間に前記
舵輪に加わる操舵トルクに応じた相対角変位を生ぜし
め、この相対角変位を利用して操舵補助用の油圧アクチ
ュエータに圧油を給排する油圧制御弁を構成してなる動
力舵取装置において、前記トーションバーの中途を、所
定のトルクの作用下にて滑りを生じる滑り環を介して掴
持する掴持部を備えることを特徴とする。
【0019】本発明においては、入力軸及び出力軸の中
空部に挿通されて両軸を連結するトーションバーの中途
を、前記中空部の内面との間に介装された滑り環を介し
て掴持する。ここで用いる滑り環は、予め設定されたト
ルクの作用時に周方向の滑りが生じる特性を有する市販
の機械要素であり、介装部位となるトーションバーの中
途部外周と前記中空部の内周との限定された範囲を所定
の精度下にて加工することにより、所望の操舵トルクの
作用下にてトーションバーの掴持が解除されるようにな
り、舵輪に加えられる操舵トルクが小さい高速走行時に
操舵補助力が漸増し、停止時又は低速走行時に操舵補助
力が急増する2段折れ特性が、簡易に、しかも高精度に
実現される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る動力
舵取装置の全体構成を示す模式図である。
【0021】本図は、ラックピニオン式の舵取機構を備
える車両への適用例を示している。ラックピニオン式の
舵取機構は、舵輪(ステアリングホイール)10の下側に
同軸的に連設された舵輪軸1の下端にピニオン11を固設
し、該ピニオン11を車体の前部に左右方向に延設された
ラック軸12の中途部に噛合せしめ、舵取りのための舵輪
10の回転をラック軸12の軸方向の摺動に変換し、該ラッ
ク軸12の両端に各別のナックルアームを介して連結され
た左右一対の操向車輪(一般的には前輪)13,13の向き
を変え、舵取りを行わせる公知の構成を有している。
【0022】本発明に係る動力舵取装置は、以上の如き
舵取り動作を油圧により補助するものであり、油圧源と
なる油圧ポンプPと作動油を収納する油タンクTとを結
ぶ循環油路の中途に、前記舵輪軸1の下部に構成された
油圧制御弁2と前記ラック軸12の一部に構成された操舵
補助用のパワーシリンダSとを配し、油圧ポンプPから
供給される作動用の圧油を、舵輪10の操作に応じた油圧
制御弁2の後述する動作によりパワーシリンダSに送給
し、この送給に応じて該パワーシリンダSが発する油圧
力(操舵補助力)により前記ラック軸12を軸長方向に押
圧し、該ラック軸12の摺動により前述の如く行われる舵
取りを補助する構成となっている。
【0023】図2は、本発明に係る動力舵取装置の要部
である前記油圧制御弁2の構成部分近傍の縦断面図であ
る。図中1aは、中空の入力軸、同じく1bは、ピニオン軸
(出力軸)であり、これらは、筒形をなすバルブハウジ
ングH1 の内部に同軸上での回動自在に支承され、前記
舵輪軸1の下部を構成している。
【0024】入力軸1aの下端部は、ピニオン軸1bの上端
部に適長内嵌されて相対回転自在に支持されており、こ
れら両軸1a,1bは、トーションバー3を介して連結され
ている。該トーションバー3は、入力軸1a及びピニオン
軸1bとの連結のために拡径された連結部3a,3bを上下両
端部に備えると共に、これらの中間部を略同径に拡径し
てなる掴持部30を備えており、上下の連結部3a,3bと掴
持部30との間を、これらよりも小径であり、周方向トル
クの作用下にて所定の捩れ挙動をなすべく寸法設定され
た細径のトーション部31,32により各別に連絡した構成
となっている。
【0025】このようなトーションバー3による入力軸
1aとピニオン軸1bとの連結は、該トーションバー3を入
力軸1aの中空部に挿通し、上端の連結部3aを前記入力軸
1aの上端部にピン結合する一方、下端の連結部3bをピニ
オン軸1bの上端面の軸心部に開口する嵌着孔に圧入して
スプライン結合することによりなされている。
【0026】このとき、トーションバー3の中途に設け
られた掴持部30は、トーションバー3が挿通される入力
軸1aの中空部内面に滑り環4を介して嵌合されている。
図3は、この掴持部近傍の拡大断面図、図4は、滑り環
4の外観斜視図である。
【0027】滑り環4は、トレランスリング(レンコル
トトレランスリング社製)なる商品名にて市販されてい
るものであり、図4に示す如く、薄肉円環状に成形され
た弾性に富む金属製のリング本体40の外周に、軸長方向
に延びる複数の鞍形突起41,41…を、周方向に略等配を
なして一体形成して構成されている。
【0028】このような滑り環4は、トーションバー3
の中途部を拡径して構成された掴持部30にリング本体40
を外嵌固定し、この状態でトーションバー3を入力軸1a
の中空部に挿通させることにより、図3に示す如く、前
記リング本体40の周上に並ぶ鞍形突起41,41…の夫々を
前記中空部の内面に弾接せしめた状態で介装されてい
る。
【0029】このようにトーションバー3の掴持部30と
入力軸1aとの間に介装された滑り環4は、これの周方向
に加わる力が所定の大きさを超えたとき、即ち、トーシ
ョンバー3に加わる回転トルクが所定の上限トルクを超
えたとき、前記掴持部30と入力軸1aとの間で滑りを生
じ、両者の連結を解除するトルクリミッタとしての作用
をなす。
【0030】前記入力軸1aの上部は、バルブハウジング
1 の上部に適長突出され前記舵輪10に連結されてい
る。またピニオン軸1bの下半部には、前記ピニオン11が
形成してあり、該ピニオン11は、バルブハウジングH1
の下部に交叉するラックハウジングH2 内に支承された
前記ラック軸12に噛合させてある。
【0031】而して、舵輪10が回動操作された場合、こ
れに伴う舵輪軸1の回転が入力軸1a及びトーションバー
3を介してピニオン軸1bに伝達され、これの下半部のピ
ニオン11と噛合するラック軸12の軸長方向の摺動に変換
されて舵取りが行われるが、このとき、入力軸1aとピニ
オン軸1bとの間には、トーションバー3の捩れを伴って
舵輪10に加わる操舵トルクに応じた相対角変位が生じ
る。
【0032】前記油圧制御弁2は、このように生じる相
対角変位を利用して前記パワーシリンダSに送給される
圧油を給排制御する動作をなすものであり、前記バルブ
ハウジングH1 の内部に同軸回動自在に内嵌された円筒
形のバルブボディー20と、これの内側に嵌合するバルブ
スプール21とを備えて構成されている。
【0033】バルブボディー20は、その一側をピニオン
軸1bの上端部外周に打設されたダウエルピン1cに係合さ
せ、該ピニオン軸1bと共に回転するようになしてある。
またバルブスプール21は、バルブボディー20の内側に嵌
合する入力軸1aの中途部外周に一体的に構成されてい
る。これにより、油圧制御弁2のバルブボディー20とバ
ルブスプール21との間には、舵輪10の操作に伴って入力
軸1aとピニオン軸1bとの間に生じる相対角変位、即ち、
舵輪10に加わる操舵トルクの方向及び大きさに応じた相
対角変位が生じる。バルブボディー20とバルブスプール
21との嵌合周上には、前記相対角変位に応じて絞り面積
を変える絞り部が並設されている。
【0034】このような油圧制御弁2には、前記油圧ポ
ンプPから供給される圧油が、バルブハウジングH1
外側に開口するポンプポート22を経て導入されており、
この圧油は、バルブボディー20とバルブスプール21と嵌
合周上において、両者の相対角変位に応じて絞り面積を
変える絞り部により振り分けられて、バルブハウジング
1 に形成された一対のシリンダポート23,24のいずれ
か一方に送出され、これらに接続された前記パワーシリ
ンダSの一方の油室SR (又はSL )に送給される。こ
の圧油の送給に伴いパワーシリンダSは、他側の油室S
L (又はSR )との間に生じる圧力差に応じた油圧力を
発生し、前述した如く、この油圧力が操舵補助力として
ラック軸12に加えられる。
【0035】また、バルブハウジングH1 の内側には、
バルブボディー20の上部に位置しタンクポート26を経て
前記油タンクTに接続された還流室25が形成してあり、
パワーシリンダSの前述した動作に伴って他側の油室S
L (又はSR )から押し出される作動油は、前記シリン
ダポート24,23を経て油圧制御弁2に還流した後、バル
ブスプール21を構成する入力軸1aの中空部を経て前記還
流室25に導入され、前記タンクポート26を経て油タンク
Tに還流せしめられる。
【0036】以上の如く構成された油圧制御弁2におい
て、バルブボディー20とバルブスプール21との間の相対
角変位は、後者と一体回転する入力軸1aと前者と一体回
転するピニオン軸1bとを連結するトーションバー3の捩
れに応じて発生する。
【0037】本発明に係る動力舵取装置において前記ト
ーションバー3は、前述した滑り環4を介して入力軸1a
に掴持された掴持部30を備えており、この掴持部30は、
舵輪10の操作によりトーションバー3に加わる操舵トル
クが前記上限トルクを超えるまで入力軸1aと一体化され
た状態にある。このとき前記トーションバー3の捩れ
は、前記掴持部30とピニオン軸1bに嵌着された下端の連
結部3bとの間の長さ、即ち、トーション部32の長さL2
(図2参照)を有効長として生じる。
【0038】これに対し、前記舵輪10の操作によりトー
ションバー3に加わる操舵トルクが前記上限トルクに達
した場合、前記滑り環4の滑りにより前記掴持部30の掴
持が外れ、入力軸1aとの一体化が解除された状態とな
り、この後のトーションバー3の捩れは、入力軸1aにピ
ン結合された上端の連結部3aとピニオン軸1bに嵌着され
た下端の連結部3bとの間の長さ、即ち、前記トーション
部32の長さL2 に、掴持部30の上側に連続するトーショ
ン部31の長さL1 (図2参照)を加えた長さを有効長
(=L1 +L2 )として生じるようになる。
【0039】本発明に係る動力舵取装置において、舵輪
10に操舵トルクが加えられない直進走行中には、油圧制
御弁2のバルブボディー20とバルブスプール21との間に
相対角変位が生じていないため、該油圧制御弁2へ前記
油圧ポンプPから供給される圧油は、供給位置の両側の
絞り部に均等に振り分けられる。従って、パワーシリン
ダSの両油室SL ,SR 間には圧力差が生じず、該パワ
ーシリンダSは、何らの操舵補助力も発生しない。
【0040】このとき、入力軸1aとピニオン軸1bとを連
結するトーションバー3は、その中途の掴持部30が掴持
された状態にあり、この状態で舵取りを行うべく舵輪10
に操舵トルクが加えられた場合、これによるバルブボデ
ィー20とバルブスプール21との相対角変位は、掴持部30
の下側のトーション部32の捩れによって生じ、前記操舵
トルクの増加に対する前記相対角変位の増加率は小さ
く、パワーシリンダSが発生する操舵補助力は、舵輪10
に加わる操舵トルクの増加に応じて漸増する特性を示
す。
【0041】そして、舵輪10に加わる操舵トルクが更に
増し、前記滑り環4の上限トルクを超えた場合、前記掴
持部30の掴持が外れ、バルブボディー20とバルブスプー
ル21との相対角変位が、トーションバー3の略全長(=
1 +L2 )を有効長として生じるようになり、該相対
角変位の増加率が大となる結果、パワーシリンダSが発
生する操舵補助力は、舵輪10に加わる操舵トルクの増加
に応じて急増する特性を示すようになる。
【0042】図5は、以上の動作により得られる補助力
特性の一例を示すグラフである。図中の破線は、トーシ
ョンバー3の有効長がL2 である場合に得られる特性
を、同じく一点鎖線は、トーションバー3の有効長がL
1 +L2 である場合の特性を夫々示している。
【0043】図示の如く本発明装置においては、舵輪10
に加わる操舵トルクの絶対量が小さい場合、パワーシリ
ンダSは、操舵トルクの増加に伴って破線に示す特性に
沿って緩やかに増加する操舵補助力を発生するが、舵輪
10に加わる操舵トルクが更に増し、前記滑り環4に滑り
を生じる上限トルクT0 に達した後は、トーションバー
3の中途の掴持部30における掴持が解除される結果、パ
ワーシリンダSが発生する操舵補助力は急増して一点鎖
線に示す特性に収束することとなり、前記上限トルクT
0 を遷移点として漸増域から急増域に移行する望ましい
2段折れ特性が得られる。
【0044】従って、舵輪10に加えられる操舵トルクが
全般的に小さい高速走行時には、パワーシリンダSによ
る操舵補助が殆どなされず、舵輪10に適度な剛性が付与
されて直進安定性の向上が図れ、逆に、停止時又は低速
走行時には、前記上限トルクT0 を超える操舵トルクを
舵輪10に加えることにより、パワーシリンダSが大なる
操舵補助力を発生するようになり、運転者の労力負担を
十分に軽減することができる。
【0045】本発明に係る動力舵取装置においては、以
上の如き2段折れ特性が、トーションバー3の中途の掴
持部30を滑り環4を介して掴持する構成により実現され
るから、簡略な構成により走行状態に適応した補助力特
性が得られるようになる。
【0046】また、漸増域から急増域への遷移点となる
上限トルクT0 は、滑り環4の組み付け時に前記鞍形突
起41,41…の夫々に与えられる径方向の変形量の大きさ
に対応するが、この変形量は、掴持部30と入力軸1aとの
間の隙間寸法に支配され、この隙間寸法は、高精度での
加工が容易な掴持部30の外径及び入力軸1aの内径の寸法
管理により高精度に実現することができる。従って、適
正な遷移点を有する所望の補助力特性を容易に実現する
ことが可能となる。
【0047】前記掴持部30の両側のトーション部31,32
の捩れ特性は、図2に示す夫々の長さ(L1 ,L2 )と
共に、図3に示す夫々の直径(d1 ,d2 )を異ならせ
ることにより適宜に選定することができ、この選定によ
り、図5に示す漸増域及び急増域での変化率を含めて所
望の補助力特性を実現することができる。
【0048】なお、以上の実施の形態においては、ラッ
クピニオン式の舵取機構を備える車両への適用例につい
て述べたが、本発明は、ボールねじ式等、他の形式の舵
取機構を備えた車両においても適用可能であり、同様の
効果が得られることは言うまでもない。
【0049】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係る動力舵取
装置においては、舵輪側の入力軸と舵取機構側の出力軸
とを連結するトーションバーの中途部を滑り環を介して
掴持した簡素な構成により、舵輪に加えられる操作トル
クにより入力軸と出力軸との間に発生する相対角変位の
変化率を、前記滑り環に滑りが発生するトルクの前後に
おいて相違させることができ、この相対角変位を利用し
て操舵補助用の油圧アクチュエータに圧油を給排する油
圧制御弁の動作により、走行状態に適応した補助力特性
が得られるようになり、このことが加工及び組付けに手
間を要することなく簡易に実現される等、本発明は優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動力舵取装置の全体構成を示す模
式図である。
【図2】本発明に係る動力舵取装置の要部を示す縦断面
図である。
【図3】トーションバーの中途の掴持部近傍の拡大断面
図である。
【図4】図3に示す掴持部に介装される滑り環の外観斜
視図である。
【図5】本発明に係る動力舵取装置により得られる補助
力特性の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 舵輪軸 1a 入力軸 1b ピニオン軸(出力軸) 2 油圧制御弁 3 トーションバー 4 滑り環 10 舵輪 11 ピニオン 12 ラック軸 20 バルブボディー 21 バルブスプール 30 掴持部 P 油圧ポンプ S パワーシリンダ T 油タンク

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舵輪に連なる入力軸と舵取機構に連なる
    出力軸とをトーションバーを介して連結し、これら両軸
    間に前記舵輪に加わる操舵トルクに応じた相対角変位を
    生ぜしめ、この相対角変位を利用して操舵補助用の油圧
    アクチュエータに圧油を給排する油圧制御弁を構成して
    なる動力舵取装置において、 前記トーションバーの中途を、所定のトルクの作用下に
    て滑りを生じる滑り環を介して掴持する掴持部を備える
    ことを特徴とする動力舵取装置。
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