JPH08230700A - 動力舵取装置 - Google Patents

動力舵取装置

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Publication number
JPH08230700A
JPH08230700A JP4212795A JP4212795A JPH08230700A JP H08230700 A JPH08230700 A JP H08230700A JP 4212795 A JP4212795 A JP 4212795A JP 4212795 A JP4212795 A JP 4212795A JP H08230700 A JPH08230700 A JP H08230700A
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JP
Japan
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steering
torsion bar
control valve
hydraulic
shaft
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Application number
JP4212795A
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English (en)
Inventor
Hiroto Sasaki
裕人 佐々木
Osamu Sano
修 佐野
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車速に応じた油圧を得るための手段を必要と
せずに走行状態に適応した補助力特性を実現する。 【構成】 舵輪に連なる入力軸2と舵取機構に連なるピ
ニオン軸3とをトーションバー6を介して連結し、ピニ
オン軸3に噛合するラック軸12を軸長方向に摺動させて
舵取りを行わせる舵取り装置を構成する。入力軸2とピ
ニオン軸3との連結部に、トーションバー6の捩れに応
じて油圧の給排動作を行う油圧制御弁4を構成し、ラッ
ク軸12の中途に構成した操舵補助用の油圧シリンダへの
送給油圧を制御する。油圧制御弁4の上側に、外側に巻
着した板ばね52の付勢により内側に突出するプランジャ
51,51…により、トーションバー6の中途を掴持する制
限機構5を構成する。また、入力軸2の内側中空部に導
油室7を形成し、油圧制御弁4への供給油圧を導入して
プランジャ51,51…の内側に作用させ、油圧制御弁4へ
の供給油圧が高くなったとき、この油圧によりプランジ
ャ51,51…が押されて、トーションバー6の掴持が解除
される構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、舵取機構中に配したパ
ワーシリンダ等の油圧アクチュエータを操舵補助力の発
生源とする油圧式の動力舵取装置に関し、更に詳述すれ
ば、前記油圧アクチュエータへの作動油圧の給排のため
の油圧制御弁の動作を舵輪の操作状態に応じて制限し
て、操舵の程度に応じた適正な補助力が得られるように
した動力舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧式の動力舵取装置は、操舵補助力の
発生源として自動車の舵取機構中に配された油圧アクチ
ュエータと、舵輪(ステアリングホィール)の操作に応
じて油圧の給排動作をなす油圧制御弁とを備え、油圧源
たる油圧ポンプから油圧制御弁に供給される作動油圧を
舵輪の操作に応じて前記油圧アクチュエータに送給し、
この送給に応じて油圧アクチュエータが発する油圧力
(操舵補助力)を舵取機構に加え、舵取りに要する運転
者の労力負担を軽減する構成となっている。
【0003】前記油圧制御弁としては、舵輪と舵取機構
とを連結する舵輪軸(ステアリングコラム)の中途に構
成された回転式のものが広く用いられている。これは、
舵輪側の入力軸と舵取機構側の出力軸とを両者の軸心部
に挿通された細径のトーションバーを介して連結し、こ
の連結部分において、両軸の一方と一体的に形成された
バルブスプールを他方に連結された筒形のバルブボディ
ーに内嵌し、これら両者間に、前記トーションバーの捩
れに応じた相対角変位が生じるように構成されたもので
ある。
【0004】バルブスプールの外周面とバルブボディの
内周面とには、夫々の長手方向に延びる複数の油溝が等
配をなして並設されており、これらは、嵌合周上にて周
方向に千鳥配置されて、相隣する油溝間に前記相対角変
位に応じて絞り面積を変える複数の絞り部を形成してい
る。油圧ポンプからの作動油圧の供給は、前記油溝のい
ずれかに対してなされ、該油溝の両側に相隣する油溝
は、操舵補助用の前記油圧アクチュエータに夫々連通さ
せてある。
【0005】以上の構成において、舵輪に操舵トルクが
加えられたとき、入力軸と出力軸との間、即ち、バルブ
ボディーとバルブスプールとの間に前記トーションバー
の捩れを伴って相対角変位が生じ、前記絞り部の絞り面
積が変化する結果、前記油圧ポンプからの供給油圧は、
絞り面積を増した側の絞り部を経て同側に相隣する油溝
に導入され、例えば、前記油圧アクチュエータとして舵
取機構中に構成されたパワーシリンダの一方の油室に送
給される。これによりパワーシリンダは、他方の油室と
の間に生じる圧力差に応じた油圧力を発生し、この油圧
力が操舵補助力として舵取機構に加えられることとな
る。
【0006】以上の動作をなす油圧制御弁を備えた動力
舵取装置において、舵輪に加えられる操舵トルクと、こ
れに応じて得られる操舵補助力との対応関係(補助力特
性)は、入力軸と出力軸とを連結するトーションバーの
捩れ特性により一義的に決定され、操舵トルクの増加に
応じて操舵補助力が比例的に増加する補助力特性が得ら
れるが、このような特性は、自動車の舵取りにとって好
ましいものではない。
【0007】即ち、自動車の舵取りは、操向用の車輪
(一般的には前輪)に作用する路面反力に抗して行わ
れ、路面反力の大小は、車速の遅速及び操舵角度の大小
に夫々対応するため、停止時又は低速走行時に大なる舵
取りが行われる場合を基準として前記トーションバーの
捩れ特性を柔に選定した場合、高速走行中に舵輪に加わ
るわずかな力にて舵取りがなされ、直進安定性が損なわ
れる不都合があり、逆に、高速走行中に小なる舵取りが
行われる場合を基準として前記トーションバーの捩れ特
性を剛に選定した場合、多大の力を要する停止中の舵取
り、所謂、据え切りに際して十分な操舵補助力が得られ
ないという不都合がある。
【0008】この不都合を解消し、車速の遅速及び操舵
角度の大小に拘わらず常に良好な操舵感覚を得るべく、
従来から種々の構成が提案されており、この内の一つ
に、特公昭61-41787号公報に開示された動力舵取装置が
ある。これは、中空軸として構成された前記入力軸に周
壁を貫通する孔を形成し、各孔に半径方向への摺動自在
にボールを装着して、これらの内側への突出端を前記中
空部に内挿されたトーションバーの中途部に係合せし
め、外側から掴持する構成としたものである。
【0009】前記ボールの夫々は、入力軸の外側を囲う
圧力室に導入される車速の高低に対応する油圧の作用に
より内向きに押圧され、前記トーションバーを掴持する
ようになしてある。而して、前記圧力室への導入油圧が
低い停止時及び低速走行時には、舵輪に加わる操舵トル
クの作用により前記トーションバーが全長に亘って捩れ
るのに対し、導入油圧が高い高速走行時には、前記トー
ションバーの有効長さが前記出力軸との連結部位から前
記ボールによる掴持部位までの間に制限される結果、操
舵トルクの作用に応じたトーションバーの捩れに伴いバ
ルブボディーとバルブスプールとの間に生じる相対角変
位の増加率は、停止時及び低速走行時のそれに比して小
となり、油圧制御弁からの送給油圧の作用によりパワー
シリンダが発生する操舵補助力の増加率は、停止時及び
低速走行時に大きく、高速走行中に小さくなって、望ま
しい補助力特性が得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】さて、以上の如く構成
された動力舵取装置においては、前記圧力室への導入油
圧となすべく車速に対応する油圧を得る必要があって、
特公昭61-41787号公報においては、車両の推進軸により
駆動され、車速に応じた油圧を発生する専用の油圧ポン
プ(以下車速ポンプという)を設け、この発生油圧を前
記導入油圧として利用しているが、推進軸の近傍におけ
る前記車速ポンプの配設位置の確保、更には、車速ポン
プから前記圧力室への導圧管の取回しに困難を伴い、実
用性に欠けるという問題があった。
【0011】また、前述の如き導入油圧は、動力舵取装
置用の油圧ポンプの発生油圧を利用し、例えば、この油
圧ポンプから油圧制御弁に至る油圧配管の中途に車速の
低下に従って絞り開度を減じる可変絞りと固定絞りとを
介して低圧源に連なる分岐油路を設け、両絞り間の油圧
を圧力室に導く構成によっても得ることができるが、こ
の場合、前記可変絞りに加えて、車速を検出する車速セ
ンサと、該センサの検出速度に基づいて絞り開度を変更
制御する制御回路とが必要であり、構成の複雑化を招く
問題があった。
【0012】更には、以上の如き従来の動力舵取装置に
おいてはいずれも、車速ポンプ、車速センサ、又は制御
回路等の不具合により、前記圧力室への導入油圧が失わ
れた場合に、前記ボールによるトーションバーの掴持が
解除されるために、該トーションバーの全長を有効長さ
とする捩れに応じて油圧制御弁の給排動作がなされ、停
止時及び低速走行時において望ましい補助力特性が得ら
れる結果、特に、高速走行中に前記不具合が生じた場
合、急激に軽くなる操舵感覚の変化が思わぬ事故の原因
となる虞れがあった。
【0013】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、特別な付加装置を必要とすることなく走行状態
に適応した補助力特性が得られると共に、この特性変更
動作の不具合時には、高速走行に適した重い目の操舵感
覚が得られ、安全性の向上に寄与できる動力舵取装置を
提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る動力舵取装
置は、舵輪に連なる入力軸と舵取機構に連なる出力軸と
を両者の軸心部に挿通されたトーションバーを介して連
結し、これら両軸間に、舵輪に加わる操舵トルクの作用
による前記トーションバーの捩れに応じた相対角変位を
生ぜしめ、油圧源からの供給油圧を操舵補助用の油圧ア
クチュエータに給排する油圧制御弁と、前記入力軸又は
前記出力軸の周壁を内外に貫通する装着孔に沿って摺動
し、内側への突出部により前記トーションバーの中途部
を掴持して、該トーションバーの有効長さを制限する制
限部材とを備える動力舵取装置において、前記制限部材
を内向きに付勢する付勢手段と、該付勢手段の付勢に抗
して前記制限部材を外向きに押圧すべく、前記油圧源か
らの供給油圧を導く導圧手段とを具備することを特徴と
する。
【0015】
【作用】本発明においては、トーションバーを介して連
結された入力軸及び出力軸の一方の周壁を貫通する装着
孔に嵌挿した制限部材が、ばね等の機械的な付勢手段に
より内向きに付勢されて、内側への突出端をトーション
バーの中途部に押し付けて掴持し、該トーションバーの
有効長さを制限した状態にあり、このとき油圧制御弁に
よる給排動作は、制限された長さ間でのトーションバー
の捩れ特性に従って行われる。
【0016】この状態での舵輪の操作によりトーション
バーが捩れ、バルブボディーとバルブスプールとが相対
角変位して、両者の嵌合周上に並ぶ絞り部の絞り面積が
変化すると、これに応じて絞り部の上流側の油圧、即
ち、油圧制御弁への供給油圧が上昇し、この油圧が導圧
手段を介して制限部材に導かれて外向きの押圧力として
作用する。この押圧力が付勢手段の付勢力を上回ると、
制限部材によるトーションバーの掴持が解除され、その
後の油圧制御弁による給排動作は、トーションバーの全
長に亘る捩れ特性に従って行われる。
【0017】従って、舵輪に加わる操舵トルクが比較的
小さい間には、操舵トルクの増大に対して緩やかに増大
する操舵補助力が得られ、このような特性下での油圧制
御弁の動作により、該油圧制御弁への供給油圧が上昇
し、この油圧の作用による制限部材の外向きの押圧が前
記付勢手段の付勢力を上回った後は、操舵トルクの増大
に対して急激に増大する操舵補助力が得られ、走行状態
に適応した補助力特性となる。
【0018】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づい
て詳述する。図1は、ラック・ピニオン式の舵取機構を
備えた車両に装備された本発明に係る動力舵取装置(以
下本発明装置という)の全体構成を示す模式図である。
【0019】ラック・ピニオン式の舵取機構は、舵輪1
の下側に同軸的に連設された舵輪軸10の下端にピニオン
11を固設し、該ピニオン11を車体の前部に左右方向に延
設されたラック軸12の中途部に噛合せしめ、舵取りのた
めの舵輪1の回転をラック軸12の軸方向の摺動に変換
し、該ラック軸12の両端に各別のナックルアームを介し
て連結された左右一対の操向車輪(一般的には前輪)1
3,13の向きを変え、舵取りを行わせる構成となってい
る。
【0020】本発明装置は、以上の如きラック・ピニオ
ン式の舵取機構における舵取り動作を油圧により補助す
るものであり、油圧源となる油圧ポンプPと作動油を収
納する油タンクTとを結ぶ循環油路の中途に、舵輪1と
ラック軸12とを連結する舵輪軸10の中途に構成した油圧
制御弁4を介装し、舵輪1の操作に応じた油圧制御弁4
の後述する動作により、油圧ポンプPの発生油圧をラッ
ク軸12の中途に構成された操舵補助用のパワーシリンダ
Sに送給し、この送給油圧によりパワーシリンダSが発
生する油圧力(操舵補助力)をラック軸12に直接的に加
える構成となっている。
【0021】前記油圧制御弁4の一側には、これの動作
を後述の如く制限する制限機構5が並設されており、該
制限機構5には、油圧ポンプPから油圧制御弁4に至る
供給油路14の中途にて分岐された分岐油路15が接続さ
れ、該分岐油路15を介して油圧制御弁4への供給油圧が
導入されている。
【0022】図2は、本発明装置の要部の縦断面図であ
り、油圧制御弁4及び制限機構5の構成例が示されてい
る。図中2は、中空の入力軸、同じく3は、ピニオン軸
(出力軸)であり、これらは、筒形をなすバルブハウジ
ング20の内部に、夫々の一端部を突き合わせ同軸回りで
の回動自在に支承されている。
【0023】入力軸2の突き合わせ端部(下端部)は、
ピニオン軸3の突き合わせ端部(上端部)に適長内嵌さ
れて相対回転自在に支持されており、この嵌合部分は、
入力軸2の外周に巻着され、ピニオン軸3の内周に弾接
するOリング2aにより液密に封止されている。入力軸2
とピニオン軸3とは、前者の中空部に内挿されて上端部
にピン結合された細径のトーションバー6を、後者の上
端部に圧入してスプライン結合することにより相互に連
結されている。
【0024】入力軸2の上半部は、バルブハウジング20
の上部に適長突出させてあり、この突出端は、舵輪1の
下側に連設された前記舵輪軸10に連結されている。また
ピニオン軸3の下半部には、前記ピニオン11が形成して
あり、該ピニオン11は、バルブハウジング20の下部に交
叉するラックハウジング21内に支承された前記ラック軸
12に噛合させてある。
【0025】而して、舵輪1が回動操作された場合、こ
れに伴う舵輪軸10の回転が入力軸2及びトーションバー
6を介してピニオン軸3に伝達され、これの下半部のピ
ニオン11と噛合するラック軸12の軸長方向の摺動に変換
されて舵取りが行われるが、このとき、入力軸2とピニ
オン軸3との間には、トーションバー6の捩れを伴って
舵輪1に加わる操舵トルクに応じた相対角変位が生じ
る。
【0026】油圧制御弁4は、このように生じる相対角
変位を利用して前記パワーシリンダSへの送給油圧を制
御する公知のものであり、前記バルブハウジング20の内
部に同軸回動自在に内嵌された円筒形のバルブボディー
40と、これの内側に嵌合するバルブスプール41とを備え
てなる。
【0027】バルブボディー40は、ピニオン軸3の上端
部外周に打設されたダウエルピン30を介して連結され、
該ピニオン軸3と共に回転するようになしてある。また
バルブスプール41は、バルブボディー40の内側に嵌合す
る入力軸2の中途部外周に一体的に構成されている。こ
れにより、油圧制御弁4のバルブボディー40とバルブス
プール41との間には、舵輪1の操作に伴って入力軸2と
ピニオン軸3との間に生じる相対角変位、即ち、舵輪1
に加わる操舵トルクの方向及び大きさに応じた相対角変
位が生じる。
【0028】油圧制御弁4には、前記油圧ポンプPから
の供給油圧が、バルブハウジング20の外側に開口するポ
ンプポート22を経て導入されており、この油圧は、バル
ブボディー40とバルブスプール41との間に前述の如く生
じる相対角変位に応じて振り分けられて、一対のシリン
ダポート23,24を経て各別の送油路 16a,16b(図1参
照)に送出され、夫々に接続された前記パワーシリンダ
Sの両油室のいずれか、例えば、送油路 16aを経て一方
の油室に送給される。この油圧送給に伴いパワーシリン
ダSは、他方の油室との間に生じる圧力差に応じた油圧
力を発生し、前述した如く、この油圧力が操舵補助力と
してラック軸12に加えられる。
【0029】バルブハウジング20内側のバルブボディー
40の上部には、バルブハウジング20の外側に開口するタ
ンクポート26を経て前記油タンクTに接続された還流室
25が形成してあり、パワーシリンダSの前述した動作に
伴って他方の油室から押し出される作動油は、他方の送
油路 16bを経て油圧制御弁4に還流し、この還流位置に
てバルブボディー40とバルブスプール41との嵌合周上に
形成された連通路を経て前記還流室25に導入され、タン
クポート26を経て油タンクTに還流するようになしてあ
る。
【0030】以上の如く構成された油圧制御弁4の上側
には、前記還流室25の内部に位置して、油圧制御弁4の
前述した制御動作を制限する制限機構5が構成されてい
る。図3は、制限機構5周辺の拡大断面図、図4及び図
5は、制限機構5の動作説明のための図3のIV−IV線に
よる横断面図である。
【0031】制限機構5は、図3及び図4に示す如く、
中空をなす入力軸2の中途部に、これの周壁を内外に貫
通する複数個(図においては4つ)の装着孔50,50…を
形成し、これらの夫々に、制限部材としてのプランジャ
51,51…を摺動自在に嵌挿してなり、入力軸2の内側に
突出する各プランジャ51,51…の先端により、夫々の突
出部に臨ませた前記トーションバー6の中途を外側から
掴持し、これの有効長さを制限する構成となっている。
【0032】図2及び図3に示す如く、プランジャ51,
51…の突出端を臨むトーションバー6の中途部には、他
部よりも大径とされ、入力軸2の中空部にわずかな隙間
を有して嵌合する大径部60が設けてある。該大径部60の
両側は、これの外周に巻着され、入力軸2の内周に弾接
するOリング6aにより、プランジャ51,51…の突出部位
よりも上側にて液密に封止されており、また、トーショ
ンバー6の下端が連結されたピニオン軸3と入力軸2と
の嵌合部は、前述した如く、入力軸2に巻着されたOリ
ング2aにより液密に封止されている。
【0033】即ち、入力軸2の内側には、トーションバ
ー6の下端から前記大径部60に至るまでの間に、Oリン
グ6a,2aにより上下両端を封止された導油室7が、プラ
ンジャ51,51…の突出部位を含めて形成されたことにな
る。この導油室7は、入力軸2の周壁を貫通する導油孔
70により、バルブスプール41とバルブボディー40との嵌
合周上に連通されており、前記油圧ポンプPからポンプ
ポート22を経て油圧制御弁4へ供給される油圧が、前記
導油孔70を経て導入されるようになしてある。即ち、入
力軸2の内側の導油室7及び導油孔70は、図1におい
て、油圧制御弁4への供給油路14の中途にて分岐された
分岐油路15を構成するものである。
【0034】一方、入力軸2の外周には、前記装着孔5
0,50…の形成部位を含めて浅底の溝が周設され、この
溝中に環状に成形された板ばね52が巻着されており、各
装着孔50,50…に嵌挿されたプランジャ51,51…は、図
4に示す如く、夫々の外端に弾接する前記板ばね52によ
り、一括して内向きに付勢されている。
【0035】また、トーションバー6の中途の前記大径
部60には、図4に示す如く、装着孔50,50…の配設周の
内側に臨ませて凹所61,61…が形成してあり、各装着孔
50,50…に嵌挿され前記板ばね52の付勢力により内向き
に押圧されたプランジャ51,51…の内側尖端は、各別の
凹所61,61…に係合し、大径部60、即ち、トーションバ
ー6の中途部を外側から掴持する構成となっている。
【0036】凹所61,61…に係合するプランジャ51,51
…の尖端は、入力軸2の内側に前述の如く構成された導
油室7に臨ませてあり、各プランジャ51,51…は、導油
室7の内圧、即ち、油圧制御弁4への供給油圧の作用に
より、板ばね52の付勢に抗して外向きに押圧される。従
って、プランジャ51,51…による前記大径部60の掴持
は、前記導油室7に導入される油圧制御弁4への供給油
圧が上昇し、導油室7の内圧による各プランジャ51,51
…の押圧力が前記板ばね52による付勢力を上回った時点
で解除されることになる。
【0037】図5は、プランジャ51,51…による大径部
60の掴持が解除された状態を示している。このとき大径
部60は、図示の如く、各別の凹所61,61…の傾斜により
プランジャ51,51…を押し上げつつ入力軸2に対して相
対回転することができ、入力軸2とピニオン軸3との間
には、その全長(=L2 図2参照)を有効長とするトー
ションバー6の捩れに応じた相対角変位が生じる。
【0038】これに対しプランジャ51,51…による掴持
状態が保たれている場合、トーションバー6は、図4に
示す如く、これの中途の大径部60において入力軸2と一
体化され、入力軸2とピニオン軸3との間には、ピニオ
ン軸3との連結端から前記大径部60までの間の限定され
た長さ(=L1 図2参照)を有効長とするトーションバ
ー6の捩れに応じた相対角変位が生じる。
【0039】前記掴持状態の解除は、プランジャ51,51
…の内側尖端に作用する導油室7の内圧、即ち、油圧制
御弁4への供給油圧の上昇に伴って生じ、この供給油圧
の上昇は、前述した如く、舵輪1の操作に応じて入力軸
2に加わる操舵トルクの作用によりトーションバー6が
捩れ、バルブボディー40とバルブスプール41との間に相
対角変位が生じ、両者の嵌合周上に並ぶ絞り部の絞り面
積が変化することにより生じる。
【0040】以上の如く構成された本発明装置におい
て、舵輪1に操舵トルクが加えられない直進走行中に
は、油圧制御弁4のバルブボディー40とバルブスプール
41との間に相対角変位が生じていないため、油圧ポンプ
Pから油圧制御弁4へ供給される油圧は、供給位置の両
側の絞り部に均等に振り分けられる。従って、パワーシ
リンダSの両油室間には圧力差が生じず、該パワーシリ
ンダSは、何らの操舵補助力も発生しない。
【0041】このとき、油圧制御弁4への供給油圧は低
く、入力軸2内側の導油室7の内圧も低いため、制限機
構5においては、板ばね52の付勢によりプランジャ51,
51…が内向きに進出し、トーションバー6の中途部(大
径部60)が掴持された状態にある。この状態で舵輪1に
操舵トルクが加えられた場合、これに伴うバルブボディ
ー40とバルブスプール41との相対角変位は、トーション
バー6の限定された有効長(=L1 )での捩れに応じて
生じ、前記操舵トルクの増加に対する前記相対角変位の
増加率は低く、パワーシリンダSが発生する操舵補助力
は低レベルに保たれる。
【0042】一方、この間においても油圧制御弁4への
供給油圧は、バルブボディー40とバルブスプール41との
相対角変位に伴い、両者の嵌合周上に並ぶ絞り部の絞り
面積が変化することにより上昇しており、この油圧は、
導油孔70を経て導油室7に導入されて、プランジャ51,
51…に外向きの押圧力として作用する。
【0043】そして、舵輪1に加わる操舵トルクが更に
増し、有効長(=L1 )下でのトーションバー6の捩れ
により、バルブボディー40とバルブスプール41との相対
角変位が所定レベルに達し、これに伴って供給油圧が上
昇して、導油室7の内圧によるプランジャ51,51…の押
圧力が板ばね52の付勢力を上回ったとき、各プランジャ
51,51…が大径部60の凹所61,61…から抜け出し、該大
径部60の掴持が解除される。この後は、トーションバー
6の捩れが略全長を有効長(=L2 )として生じるよう
になり、バルブボディー40とバルブスプール41との相対
角変位の増加率が大となる結果、パワーシリンダSが発
生する操舵補助力は、舵輪1に加わる操舵トルクの増加
に応じて急増する。
【0044】図6は、本発明装置の以上の動作により得
られる補助力特性の一例を示すグラフである。図中の破
線は、トーションバー6の有効長がL1 である場合に得
られる特性を、同じく一点鎖線は、トーションバー6の
有効長がL2 である場合の特性を夫々示している。
【0045】図示の如く本発明装置においては、舵輪1
に加わる操舵トルクの絶対量が小さい場合、パワーシリ
ンダSは、操舵トルクの増加に伴って破線に示す特性に
沿って増加する操舵補助力を発生するが、前記操舵トル
クが所定値、即ち、制限装置5によるトーションバー6
の掴持が解除されるに足る操舵トルクT1 を超えた場
合、パワーシリンダSが発生する操舵補助力は急増し、
一点鎖線に示す特性に収束する。
【0046】従って、舵輪1に加えられる操舵トルクが
全般的に小さい高速走行時には、パワーシリンダSによ
る操舵補助が殆どなされず、舵輪1に適度な剛性が付与
されて直進安定性の向上が図れ、逆に、停止時又は低速
走行時には、前記T1 を超える操舵トルクを舵輪1に加
えることにより、パワーシリンダSが大なる操舵補助力
を発生するようになり、運転者の労力負担を十分に軽減
することができる。
【0047】そして本発明装置においては、以上の如き
補助力特性が、油圧制御弁4への供給油圧の作用に応じ
た制限機構5の前述した動作により、車速に対応する油
圧を必要とせずに実現され、この種の油圧を得るための
特別な付加装置を必要としないことから、簡略な構成に
より走行状態に適応した補助力特性が得られるようにな
る。また、制限機構5の動作不調時には、板ばね52の付
勢力によりプランジャ51,51…が内進してトーションバ
ー6の中途部を掴持し、該トーションバー6の有効長さ
が制限された状態となり、高い安全性が要求される高速
走行時に適応した重い目の操舵感が得られ、安全性の向
上に寄与できる。
【0048】なお本実施例においては、入力軸2を貫通
する装着孔50,50…に嵌挿されたプランジャ51,51…に
よりトーションバー6の中途を掴持する構成としたが、
特公昭61-41787号公報に開示されている如く、プランジ
ャ51,51…の夫々に換えてボールを配し、これらのボー
ルによりトーションバー6を掴持する構成としてもよ
く、また、入力軸2側ではなく、出力軸たるピニオン軸
3側に同様に構成された制限機構5を設けることも可能
である。
【0049】更に本実施例においては、ラック・ピニオ
ン式の舵取機構における適用例について述べたが、本発
明の適用範囲はこれに限らず、ボールねじ式等、他の形
式の舵取機構においても適用可能であり、同様の効果が
得られることは言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係る動力舵取
装置においては、舵輪に連なる入力軸及び舵取機構に連
なる出力軸の一方に構成された制限機構における制限部
材が、ばね等の機械的な付勢手段の付勢力により両軸を
連結するトーションバーの中途を掴持し、該トーション
バーの捩れに伴う油圧制御弁の動作を制限する一方、こ
のトーションバーの掴持が、油圧制御弁への供給油圧を
制限部材に作用させることにより解消されるから、舵輪
に加わる操舵トルクが小さい領域では重く、操舵トルク
が大きい領域では軽い操舵が可能となり、またこのため
に車速に応じた油圧を得るための付加的な手段を設ける
必要がなく、走行状態に適応した補助力特性が簡略な構
成により得られるようになると共に、制限部材の動作の
不具合時には、トーションバーの有効長さの制限によ
り、高速走行に適した重い目の操舵感が得られ、安全性
の向上に寄与できる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明装置の要部を示す縦断面図である。
【図3】制限機構の周辺の拡大断面図である。
【図4】制限機構の動作説明図である。
【図5】制限機構の動作説明図である。
【図6】本発明装置により得られる補助力特性を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 舵輪 2 入力軸 3 ピニオン軸 4 油圧制御弁 5 制限機構 6 トーションバー 7 導油室 11 ピニオン 12 ラック軸 40 バルブボディー 41 バルブスプール 50 装着孔 51 プランジャ 52 板ばね 60 大径部 61 凹所 70 導油孔 P 油圧ポンプ S パワーシリンダ T 油タンク

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舵輪に連なる入力軸と舵取機構に連なる
    出力軸とを両者の軸心部に挿通されたトーションバーを
    介して連結し、これら両軸間に、舵輪に加わる操舵トル
    クの作用による前記トーションバーの捩れに応じた相対
    角変位を生ぜしめ、油圧源からの供給油圧を操舵補助用
    の油圧アクチュエータに給排する油圧制御弁と、前記入
    力軸又は前記出力軸の周壁を内外に貫通する装着孔に沿
    って摺動し、内側への突出部により前記トーションバー
    の中途部を掴持して、該トーションバーの有効長さを制
    限する制限部材とを備える動力舵取装置において、前記
    制限部材を内向きに付勢する付勢手段と、該付勢手段の
    付勢に抗して前記制限部材を外向きに押圧すべく、前記
    油圧源からの供給油圧を導く導圧手段とを具備すること
    を特徴とする動力舵取装置。
JP4212795A 1995-03-01 1995-03-01 動力舵取装置 Pending JPH08230700A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000344117A (ja) * 1999-06-02 2000-12-12 Mitsubishi Electric Corp 電動式ステアリング装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000344117A (ja) * 1999-06-02 2000-12-12 Mitsubishi Electric Corp 電動式ステアリング装置

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