JP2002192642A - 表面親水性部材 - Google Patents

表面親水性部材

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JP2002192642A
JP2002192642A JP2000394013A JP2000394013A JP2002192642A JP 2002192642 A JP2002192642 A JP 2002192642A JP 2000394013 A JP2000394013 A JP 2000394013A JP 2000394013 A JP2000394013 A JP 2000394013A JP 2002192642 A JP2002192642 A JP 2002192642A
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ionic
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Koichi Kawamura
浩一 川村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた表面親水性を示し、耐磨耗性が良好な
親水性部材を提供する。 【解決手段】 イオン性基を表面に有する基材のイオン
性基に、該イオン性基とイオン的に結合しうる親水性荷
電微粒子を静電的に結合させた親水性表面層を備えるこ
とを特徴とする。このイオン性基を表面に有する基材
が、イオン性基をグラフト重合により導入した表面グラ
フト重合体であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高度に親水化され
た表面層を有する部材に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂フィルムは種々の目的で使用されて
いるが、それらの表面は疎水性を示すものが一般的であ
る。樹脂フィルム基材の表面が親水化されると、付着水
滴が基材表面に一様に拡がり均一な水膜を形成するよう
になるので、ガラス、レンズ、鏡の曇りを有効に防止で
き、湿分による失透防止、雨天時の視界性確保等に役立
つ。さらに、都市媒塵、自動車等の排気ガスに含有され
るカーボンブラック等の燃焼生成物、油脂、シーラント
溶出成分等の疎水性汚染物質が付着しにくく、付着して
も降雨や水洗により簡単に落せるようになるので、種々
の用途に有用である。
【0003】このような事情から特に防曇塗料、外装防
汚塗料の分野において、従来から親水性樹脂が提案され
ている。例えば、実開平5−68006号には、車両用
灯具用に親水性基を有するアクリル系モノマーに疎水性
基を有するモノマーをグラフト重合してなる重合体が開
示されており、また、「高分子」、44巻、1995年
5月号、p.307には、疎水性モノマー、親水性モノ
マー、シロキサンモノマーからなる共重合体などが記載
されている。また、例えば、実開平3−129357号
公報には、親水化するための表面処理方法として、高密
度に酸性基を有する表面硬化層の形成が提案されてい
る。
【0004】しかしながら、従来提案されている上記の
各親水性樹脂は、いずれも水との接触角に換算して30
〜50゜程度までしか親水化されておらず、このレベル
の表面親水性では、充分な曇り防止効果が発揮されず、
また、無機粘土質からなる汚染物質の付着防止効果及び
降雨、水洗浄による清浄効果などは実用上充分とはいえ
ない。従来提案されている親水化するための表面処理方
法、例えば、エッチング処理、プラズマ処理等によれ
ば、高度に親水化されるものの、その効果は一時的であ
り、親水化状態を長期間維持することができない。
【0005】また、親水性樹脂の一つとして親水性グラ
フトポリマーを使用した表面親水性塗膜も提案されてい
る(新聞“化学工業日報”1995年1月30日)。この報告
によればこの塗膜は水との接触角に換算して30〜40
゜の親水性を有する。しかしながら、粘土鉱物に代表さ
れる無機質汚染物質の水との接触角は20〜50゜であ
り、水との接触角が30〜40゜のグラフトポリマーに
対しては、かえって親和性を有し、表面に付着しやすく
なるため、このようなグラフトポリマーの塗膜は無機質
汚染物質による汚れを防止できないものと考えられる.
【0006】またその他の表面親水性に優れたフィルム
としては従来から酸化チタンを使用したフィルムが知ら
れており、例えば、PCT/JP96/00733号に
おいて、基材表面に光触媒含有層を形成すると、光触媒
の光励起に応じて表面が水との接触角に換算して10゜
以下まで高度に親水化されることが開示されており、こ
の技術をガラス、レンズ、鏡、外装材、水回り部材等の
種々の複合材に適用すれば、これら複合材に優れた防
曇、防汚等の機能を付与できることが報告されている。
この方法によれば、水との接触角に換算して10゜以下
まで高度に親水化されるので、充分な曇り防止効果が発
揮され、無機粘土質からなる汚染物質の付着及び降雨、
水洗浄による清浄性も飛躍的に向上する。また光触媒の
光励起に応じて親水化された状態が維持、回復される。
しかしながら酸化チタンを用いた親水性フィルムは充分
な膜強度を有さず、より良好な耐摩耗性を有する樹脂基
材が求められていた。
【0007】また、従来、米澤らの報告(平成11年
日本化学会秋季年会講演予講集4P1B013)におい
て、高密度な荷電表面作成により超親水性が発現するこ
とは報告されていたが、これらは実験的に作製されたも
のであり、この報告に記載の方法では、実用的に使用し
うる広い面積でそのような親水性表面を形成し、維持す
ることは困難であり、簡便な方法で、且つ、実用上使用
しうる広い面積の、耐久性を有する表面親水性の材料が
熱望されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、親水
化の程度が高く、且つ、より良好な耐摩耗性を有する表
面親水性部材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、グラフトポリマーを表面に有する基材のグラフトポ
リマーの強いイオン吸着性に着眼し研究を進めた結果、
本発明者は、グラフトポリマー表面が荷電を有する微粒
子に対して強い吸着性を有し、高密度で荷電粒子を配
列、充填しうることを見出し、本発明を完成した。すな
わち、本発明の表面親水性部材は、イオン性基を表面に
有する基材のイオン性基に、該イオン性基とイオン的に
結合しうる親水性荷電微粒子を静電的に結合させた親水
性表面層を備えることを特徴とする。ここで、イオン性
基を表面に有する基材が、イオン性基をグラフト重合に
より導入した表面グラフト重合体であることが好まし
い。
【0010】本発明はイオン性基を有する表面上に該イ
オン性基とは逆の荷電を有する微粒子層を高密度に充填
することで超親水性が発現し、さらに表面の耐摩耗性に
優れる表面親水層が得られるという発見に基づく。本発
明の効果発現の正確な機構は現時点では明らかではない
が、(1)イオン性基を有する表面上に該イオン性基とは
反対の荷電を有する微粒子が高密度で充填された層を形
成し、結果として、高密度な荷電表面が達成されたこと
による親水性の増大、(2)荷電微粒子表面層の表面凹凸
性付与による親水性の増大、(3) 表面にあるイオン性基
とそれとは反対の荷電を有する微粒子間の静電的な引力
による耐摩耗性の増大、これら3つの作用があいまって
本発明の効果が発現されたものと推定される。
【0011】このような構造の表面親水層の存在は、透
過型電子顕微鏡、或いは、AFM(原子間力顕微鏡)を
用いて表面を観察し、表面の緻密な凹凸形状が形成され
ていることによりその構造を確認することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の好ましい態様においては、イオン性基を有する
表面は、一般的に表面グラフト法により作成されたもの
であることが好ましい。表面グラフト法により作成され
た表面とは、高分子表面上に光、電子線、熱などの従来
公知の方法にてイオン性モノマーをグラフトし、該グラ
フトされたイオン性モノマーが表面のイオン性基を形成
した状態を指す。また、イオン性基を形成するイオン性
モノマーとしては、アンモニウム、ホスホニウムなどの
正の荷電を有するモノマー、もしくは、スルホン酸基、
カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基などの負の荷
電を有するか負の荷電に解離しうる酸性基を有するモノ
マー等が挙げられる。
【0013】フィルム基材上にグラフトポリマーからな
る、イオン性基を有する表面を作成する方法としては、
公知の方法を適用すればよく、具体的には、例えば、日
本ゴム協会誌,第65巻,604,1992年,杉井新治著,
「マクロモノマーによる表面改質と接着」の記載を参考
にすることができる。その他、以下に述べる表面グラフ
ト重合法と呼ばれる方法を適用することもできる。表面
グラフト重合法とは高分子化合物鎖上に活性種を与え、
これによって開始する別の単量体を重合し、グラフト
(接ぎ木)重合体を合成する方法で、特に活性種を与え
る高分子化合物が固体表面を形成する時には表面グラフ
ト重合と呼ばれる。
【0014】本発明を実現するための表面グラフト重合
法としては、文献記載の公知の方法をいずれも使用する
ことができる。たとえば、新高分子実験学10、高分子
学会編、1994年、共立出版(株)発行、P135に
は表面グラフト重合法として光グラフト重合法、プラズ
マ照射グラフト重合法が記載されている。また、吸着技
術便覧、NTS(株)、竹内監修、1999.2発行、
p203,p695には、γ線、電子線などの放射線照
射グラフト重合法が記載されている。光グラフト重合法
の具体的方法としては特開昭63−92658号公報、
特開平10−296895号公報および特開平11−1
19413号公報に記載の方法を使用することができ
る。表面グラフトポリマーを有する表面を作成するため
の手段としてはこれらの他、高分子化合物鎖の末端にト
リアルコキシシリル基、イソシアネート基、アミノ基、
水酸基、カルボキシル基などの反応性官能基を付与し、
これと基材表面官能基とのカップリング反応により形成
することもできる。
【0015】プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射
グラフト重合法においては上記記載の文献、およびY.Ik
ada et al, Macromolecules vol. 19, page 1804(198
6)などの記載の方法にて作成することができる。具体的
にはPETなどの高分子表面をプラズマ、もしくは電子
線にて処理し、表面にラジカルを発生させ、その後、そ
の活性表面とイオン性官能基を有するモノマーとを反応
させることによりグラフトポリマー表面層、即ち、イオ
ン性基を有する表面層を得ることができる。光グラフト
重合は上記記載の文献のほかに特開昭53−17407
号公報(関西ペイント)や、特開20000−2123
13号公報(大日本インキ)記載のように、フィルム基
材の表面に光重合性組成物を塗布し、その後イオン性ラ
ジカル重合化合物とを接触させ光を照射することによっ
ても作成することができる。
【0016】本発明において好適に用い得るイオン性基
を形成し得るイオン性モノマーとは、前記したように、
アンモニウム,ホスホニウムなどの正の荷電を有するモ
ノマーもしくはスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸
基、ホスホン酸基などの負の荷電を有するか負の荷電に
解離しうる酸性基を有するモノマーが挙げられる。本発
明においてとくに有用なイオン性モノマーの具体例とし
ては、次のモノマーを挙げることができる。例えば、
(メタ)アクリル酸もしくはそのアルカリ金属塩および
アミン塩、イタコン酸もしくはそのアルカリ金属塩およ
びアミン酸塩、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水
素酸塩、3−ビニルプロピオン酸もしくはそのアルカリ
金属塩およびアミン塩、ビニルスルホン酸もしくはその
アルカリ金属塩およびアミン塩、ビニルスチレンスルホ
ン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、2−
スルホエチレン(メタ)アクリレート、3−スルホプロ
ピレン(メタ)アクリレートもしくはそのアルカリ金属
塩およびアミン塩、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびア
ミン塩、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、アリルアミンもしく
はそのハロゲン化水素酸塩等の、カルボキシル基、スル
ホン酸基、リン酸、アミノ基もしくはそれらの塩、2−
トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレートもしくは
そのハロゲン化水素酸塩等の、カルボキシル基、スルホ
ン酸基、リン酸、アミノ基もしくはそれらの塩、などを
使用することができる。
【0017】基材にイオン性基を導入するにあたり、表
面積を増加させてより多くのイオン性基の導入を図る目
的で、基材表面を粗面化することが好ましい。粗面化方
法は基材の材質に適合する公知の方法を選択することが
できる。具体的には、例えば、基材が樹脂フィルムの場
合には、グロー放電処理、スパッタリング、サンドブラ
スト研磨法、バフ研磨法、粒子付着法、粒子塗布法等が
挙げられる。また、基材がアルミニウム板のような金属
板の場合には、機械的に粗面化する方法、電気化学的に
表面を溶解粗面化する方法および化学的に表面を選択溶
解させる方法などが適用でき、機械的方法としては、ボ
ール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨
法などの公知の方法を用いることができる。また、電気
化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸電解液中で交
流または直流により行う方法がある。また、両者を組み
合わせた方法も利用することができる。
【0018】次に、前記イオン性基とイオン的に結合し
うる親水性荷電微粒子について説明する。本発明の好ま
しい態様においては、親水性荷電微粒子のコアと呼ばれ
る微粒子の中心部分は無機物、有機物のどちらでもよ
く、コアが無機物の場合、好ましくは、金、銀、パラジ
ュウム、ロジュウム、白金などの貴金属粒子である。ま
た、コアが有機物の場合は、好ましくは有機のポリマー
である。荷電微粒子の粒径は、0.1nmから1000
nmの範囲であることが好ましく、1nmから100n
mの範囲であることがさらに好ましい。粒径が0.1n
mよりも小さくなると、表面の凹凸の効果が少なくなり
親水性が劣化する傾向がある。また、1000nmより
も大きくなると、グラフト界面とイオン的に結合する接
触面積が小さくなるためグラフト表面と粒子との密着が
低下し、親水膜の強度が劣化する傾向がある。また、特
にガラスや鏡などの透明な表面層を必要とする部材に用
いる場合には、光透過性、視認性を確保する観点から、
好ましくは0.2〜100nm、さらに好ましくは1〜
10nmの範囲のものを用いる。
【0019】表面に高密度で荷電を有する微粒子は、例
えば、米澤徹らの方法、すなわち、T.Yonezawa, Chemis
try Letters., 1999 page1061, T.Yonezawa, Langumuir
2000, vol16, 5218および米澤徹, Polymer preprint
s, Japan vol.49. 2911 (2000)に記載された方法にて作
成することができる。米澤らは金属−硫黄結合を利用
し、金属粒子表面を荷電を有する官能基で高密度に化学
修飾できることを示している。
【0020】荷電微粒子は、フィルム基材表面のイオン
性基に吸着し得る最大量、結合されることが耐久性の点
で好ましい。また、親水性表面の形成効率からは、分散
液の分散濃度は、10〜20重量%程度が好ましい。
【0021】表面にイオン性基を有する基材において、
該イオン性基に荷電微粒子を結合させ、表面親水性層を
設ける方法としては、表面上に荷電を有する微粒子の分
散液を表面グラフトポリマー、即ち、イオン性基を有す
る基材表面上に塗布する方法、及び、表面上に荷電を有
する微粒子の分散液中にイオン性基を表面に有するフィ
ルム基材を浸漬する方法などが挙げられる。塗布、浸漬
のいずれの場合にも、過剰量の荷電微粒子を供給し、イ
オン性基との間に十分なイオン結合による導入がなされ
るために、分散液と表面にイオン性基を有する基材との
接触時間は、10秒から60分程度であることが好まし
く、1分から20分程度であることがさらに好ましい。
【0022】本発明が適用可能な基材としては、上記防
曇効果を期待する場合には透明な基材であり、その材質
はガラス、プラスチック等が好適に利用できる。防曇効
果を有する部材が適用可能な用途としては、車両用バッ
クミラー、浴室用鏡、洗面所用鏡、歯科用鏡、道路鏡の
ような鏡;眼鏡レンズ、光学レンズ、写真機レンズ、内
視鏡レンズ、照明用レンズ、半導体用レンズ、複写機用
レンズのようなレンズ;プリズム;建物や監視塔の窓ガ
ラス;自動車、鉄道車両、航空機、船舶、潜水艇、雪上
車、ロープウエイのゴンドラ、遊園地のゴンドラ、宇宙
船のような乗物の窓ガラス;自動車、鉄道車両、航空
機、船舶、潜水艇、雪上車、スノーモービル、オートバ
イ、ロープウエイのゴンドラ、遊園地のゴンドラ、宇宙
船のような乗物の風防ガラス;防護用ゴーグル、スポー
ツ用ゴーグル、防護用マスクのシールド、スポーツ用マ
スクのシールド、ヘルメットのシールド、冷凍食品陳列
ケースのガラス;計測機器のカバーガラス、及び上記物
品表面に貼付させるためのフィルムを含む。
【0023】また、本発明の表面親水性部材に表面清浄
化効果を期待する場合には、その基材は、例えば、金
属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木、石、セ
メント、コンクリート、繊維、布帛、それらの組合せ、
それらの積層体が、いずれも好適に利用できる。表面正
常化効果を有する部材が適用可能な用途としては、建
材、建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、構造部材、
乗物の外装及び塗装、機械装置や物品の外装、防塵カバ
ー及び塗装、交通標識、各種表示装置、広告塔、道路用
防音壁、鉄道用防音壁、橋梁、ガードレールの外装及び
塗装、トンネル内装及び塗装、碍子、太陽電池カバー、
太陽熱温水器集熱カバー、ビニールハウス、車両用照明
灯のカバー、住宅設備、便器、浴槽、洗面台、照明器
具、照明カバー、台所用品、食器、食器洗浄器、食器乾
燥器、流し、調理レンジ、キッチンフード、換気扇、及
び上記物品表面に貼付させるためのフィルムを含む。
【0024】本発明の表面親水性部材に帯電防止効果を
期待する場合には、その材質は、例えば、金属、セラミ
ックス、ガラス、プラスチック、木、石、セメント、コ
ンクリート、繊維、布帛、それらの組合せ、それらの積
層体が好適に利用できる。適用可能な用途としては、ブ
ラウン管、磁気記録メディア、光記録メディア、光磁気
記録メディア、オーディオテープ、ビデオテープ、アナ
ログレコード、家庭用電気製品のハウジングや部品や外
装及び塗装、OA機器製品のハウジングや部品や外装及
び塗装、建材、建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、
構造部材、乗物の外装及び塗装、機械装置や物品の外
装、防塵カバー及び塗装、及び上記物品表面に貼付させ
るためのフィルムを含む。
【0025】基材は高分子樹脂からなる表面を有する基
材が好ましく、樹脂自体、表面に樹脂が被覆されている
基材、表面層が樹脂層からなる複合材のいずれをもを含
む。樹脂自体としては、飛散防止フィルム、意匠性フィ
ルム、耐蝕性フィルム等のフィルム基材;看板、高速道
路の防音壁等の樹脂基材などが代表例として挙げられ
る。表面に樹脂が被覆されている基材としては、自動車
筐体、塗装建材等の塗装板、表面に樹脂フィルムが貼着
された積層板、プライマー処理した基材、ハードコート
処理した基材などが代表例として挙げられる。表面層が
樹脂層からなる複合材としては、裏面に接着剤層が設け
られた樹脂シール材、反射ミラー、などが代表例として
挙げられる。
【0026】本発明における優れた親水性とは、水との
接触角に換算して10゜以下、好ましくは5゜以下の水
濡れ性を呈する状態をいう。PCT/JP96/007
33号に示したように、部材表面が水との接触角に換算
して10゜以下の状態であれば、空気中の湿分や湯気が
結露しても、凝縮水が個々の水滴を形成せずに一様な水
膜になる傾向が顕著になる。接触角の測定方法は、公知
の方法が適用でき、例えば、協和界面科学(株)製、C
A−Zなどの市販の装置を用いて接触角(空中水滴)を
測定する方法などを適用することができる。この方法
で、拡張濡れが観察されれば、本発明の好ましい親水性
が達成されていると判断することができる。
【0027】上記の好ましい親水性を達成した場合に、
表面に光散乱性の曇りを生じない傾向が顕著になる。同
様に、窓ガラスや車両用バックミラーや車両用風防ガラ
スや眼鏡レンズやヘルメットのシールドが降雨や水しぶ
きを浴びた場合に、離散した目障りな水滴が形成されず
に、高度の視界と可視性を確保し、車両や交通の安全性
を保証し、種々の作業や活動の能率を向上させる効果が
飛躍的に向上する。また、同様にPCT/JP96/0
0733号に示したように、部材表面が水との接触角に
換算して10゜以下、好ましくは5゜以下の状態であれ
ば、都市煤塵、自動車等の排気ガスに含有されるカーボ
ンブラック等の燃焼生成物、油脂、シーラント溶出成分
等の疎水性汚染物質、及び無機粘土質汚染物質双方が付
着しにくく、付着しても降雨や水洗により簡単に落せる
状態になる。
【0028】本発明の親水性表面層を備える部材によれ
ば、任意の基材表面に比較的簡易な処理で前記の優れた
親水性表面性状を有する表面層を形成することが可能で
あり、さらには、その親水性表面層の耐久性が良好であ
るため、先に述べたような多用な目的に好適に使用しう
るという利点を有する。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに制限されるものではない。 (実施例1〜2) 〔イオン性基を表面に有する基材の作成〕膜厚188μ
の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(A4
100、東洋紡(株)社製)を用い、グロー処理として
平版マグネトロンスパッタリング装置(芝浦エレテック
製CFS−10−EP70)を使用し、下記の条件で酸
素グロー処理を行った。 (酸素グロー処理条件) 初期真空 :1.2×10-3Pa 酸素圧力 :0.9Pa RFグロー:1.5KW,処理時間 :60sec
【0030】(イオン性基の導入)次に、グロー処理し
たフィルムを窒素バブルしたスチレンスルホン酸ナトリ
ウム水溶液(10Wt%)に70℃にて7時間浸漬し
た。浸浸した膜を水にて8時間洗浄することによりスチ
レンスルホン酸ナトリウムが表面にグラフトポリマー化
された基材Aを得た。また同様に、スチレンスルホン酸
ナトリウムをアクリル酸に変えた以外は上記と同じ方法
にてアクリル酸がグラフトされた表面グラフトフィルム
である基材Bを得た。
【0031】〔該イオン性基とイオン結合しうる表面荷
電微粒子の作成〕T.Yonezawa,, Langumuir 2000, vol1
6, P5218に記載の方法に従い、表面が四級アンモニウ
ム塩で覆われた銀粒子1を得た。銀粒子に吸着する四級
アンモニウム塩の部分構造は下記に示す構造Aである。
この粒子の平均粒径を電子顕微鏡(日本電子 JEOL
JEM−200CX 加速電圧100kv)で求めた
ところ5nmであった。
【0032】
【化1】
【0033】また、T.Yonezawa, Chemistry .Letters.,
1999、P1061に記載の方法に従って、表面が四級アン
モニウム塩で覆われた金粒子1を得た.金粒子に吸着す
る四級アンモニュウム塩の部分構造は前記構造Aであ
る。この粒子の平均粒径を電子顕微鏡(日本電子 JE
OL JEM−200CX 加速電圧100kv)で求
めたところ4nmであった。
【0034】〔基材への荷電粒子の塗布〕上記微粒子の
10重量%水分散液に、表面グラフトポリマーを有する
基材A及び基材Bをそれぞれ10分間浸漬した。その
後、流水で表面を十分洗浄して余分な微粒子水分散液を
除去し、親水性表面を有する部材A及び部材Bを得た。
親水性部材A、Bの表面を透過型電子顕微鏡(JEOL
JEM−200CX)にて10万倍で観察したとこ
ろ、いずれの表面においても、微粒子に起因する緻密な
凹凸形状が形成されていることが確認された。
【0035】〔親水性の測定〕得られた親水性部材A、
B表面の接触角(空中水滴)を協和界面科学(株)製、
CA−Zを用いて測定した。その結果、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム表面にスチレンスルホン酸ナトリ
ウムをグラフトした基材Aに架電粒子として銀粒子1を
イオン結合させて表面親水性層を形成した表面親水性部
材A、ポリエチレンテレフタレートフィルム表面にアク
リル酸をグラフトした基材Bに架電粒子として金粒子1
をイオン結合させて表面親水性層を形成した表面親水性
部材Bのいずれも、拡張濡れを示し、荷電粒子を導入し
た親水性層を設けたことで優れた親水性表面が得られた
ことが確認できた。
【0036】〔耐磨耗性の評価〕得られた表面親水性部
材A、Bを水で湿らせた布(BEMCOT、旭化成工業
社製)を用いて手で往復30回こすった。こすった後に
前記と同様にして接触角を測定したところ、いずれも拡
張濡れを示し、表面の親水性がこすりにより損なわれな
かったことが確認された。
【0037】実施例の評価結果より、本発明の親水性表
面層を備えた表面親水性部材は、優れた表面親水性が発
現され、該親水性表面層の耐久性が良好であることが確
認され、本発明によれば実用に適する表面親水性部材が
得られるであることがわかった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、親水化の程度が高く、
且つ、より良好な耐摩耗性を有する表面親水性部材を提
供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C03C 17/32 C03C 17/32 A Fターム(参考) 4F100 AK01A AK01J AK42A AL04A AR00B AR00C AT00A BA02 BA03 BA06 BA07 BA10A BA10B BA10C CC00B CC00C DE01B DE01C EJ61A EJ68A GB07 JB05B JB05C JG03B JG03C JK09 JL06 JL07 4G059 AA01 AA11 AA20 AB01 AB03 AB09 AB11 AC21 AC24 DA01 DA02 DB09 FA10 FA15 FA16 FA27 FB06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン性基を表面に有する基材のイオン
    性基に、該イオン性基と結合しうる親水性荷電微粒子を
    静電的に結合させてなる親水性表面層を備えた表面親水
    性部材。
  2. 【請求項2】 イオン性基を表面に有する基材が、イオ
    ン性基をグラフト重合により導入した表面グラフト重合
    体であることを特徴とする請求項1に記載の表面親水性
    部材。
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