JP2002188656A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

駆動力伝達装置

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    • F16D27/108Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor with an electromagnet not rotating with a clutching member, i.e. without collecting rings with axially movable clutching members
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    • F16D27/115Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor with an electromagnet not rotating with a clutching member, i.e. without collecting rings with axially movable clutching members with flat friction surfaces, e.g. discs with more than two discs, e.g. multiple lamellae

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Abstract

(57)【要約】 【課題】内外両回転部材間にメインクラッチ、カム機
構、電磁式のパイロットクラッチ機構を備える駆動力伝
達装置を搭載する四輪駆動車での異音(バキ音)の発生
を防止する。 【解決手段】当該駆動力伝達装置に、前記両回転部材の
差動回転に反転状態が発生した際にカム推力の残存量を
低減または零とする電気的、機械的なカム推力残存規制
手段を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動力伝達装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】駆動力伝達装置の一形式として、例え
ば、特開2000−234635号公報に示されている
ように、外側回転部材および内側回転部材間にメインク
ラッチ、カム機構、および、電磁式のパイロットクラッ
チ機構を備えた形式の駆動力伝達装置がある。
【0003】当該形式の駆動力伝達装置においては、前
記パイロットクラッチ機構の電磁コイルに電流を印加す
ることにより発生するパイロットトルクを前記カム機構
にて軸方向のカム推力に変換し、このカム推力にて前記
メインクラッチを押圧して係合動作させて、前記両回転
部材間のトルク伝達を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、当該形式の
駆動力伝達装置は、車両の動力伝達系に搭載されて車両
を四輪駆動車に構成するように使用されるが、当該使用
状態においては、カム機構がパイロットトルクにより作
動状態にあって両回転部材間でトルク伝達がなされてい
る場合に、両回転部材の差動回転に反転状態が発生する
ことがある。両回転部材の差動回転に反転状態が発生す
ると、駆動力伝達装置やこれに連結する周囲の装置から
異音、所謂バキ音が発生する。
【0005】例えば、当該形式の駆動力伝達装置を搭載
する後輪駆動をベースをとする四輪駆動車においては、
特に発進時では後輪の回転速度が前輪の回転速度より速
いが、例えば、この状態から旋回走行状態に移行する
と、旋回半径の関係で、前輪の回転速度が後輪の回転速
度より速くなって、両回転部材の差動回転が反転する状
態が発生する。両回転部材の差動回転が反転すると、各
回転部材にスプライン結合している各構成部材のスプラ
イン結合部のガタ、カム機構におけるカム回転角、各構
成部材の摩擦等が相乗的に作用して、異音、所謂バキ音
が発生することがある。また、この旋回走行から発進状
態に復帰させた場合にも、旋回走行時の差動回転に反転
状態が発生する。
【0006】その他、後輪駆動をベースとする四輪駆動
車、前輪駆動をベースとする四輪駆動車の両者におい
て、駆動力伝達装置の両回転部材の差動回転が反転する
状態が発生する場合としては、前進走行から後進走行に
移行した場合、および、後進走行から前進走行に移行し
た場合がある。
【0007】本発明者等は、当該異音の発生原因を鋭意
検討した結果、当該駆動力伝達装置でのトルク伝達時
に、カム推力が保持された状態で差動回転が反転した際
には、カム推力が残存した状態で差動回転が反転するこ
とになり、この際、当該駆動力伝達装置を構成する各構
成部材間のスプライン結合部のガタ、カム機構における
カム回転角、各構成部材の摩擦等が相乗的に作用して、
異音、所謂バキ音が発生することを知得した。
【0008】本発明はこのような知得に基づいてなされ
たもので、その目的とするところは、当該形式の駆動力
伝達装置にこのような知得に基づく技術的手段を講ずる
ことにより、両回転部材の差動回転が反転した場合の異
音の発生を効果的に防止することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は駆動力伝達装置
に関するもので、外側回転部材および内側回転部材間に
メインクラッチ、カム機構、および、電磁式のパイロッ
トクラッチ機構を備え、同パイロットクラッチ機構の電
磁コイルに電流を印加することにより発生するパイロッ
トトルクを前記カム機構にて軸方向のカム推力に変換
し、同カム推力にて前記メインクラッチを押圧して係合
動作させて、前記両回転部材間のトルク伝達を行う形式
の駆動力伝達装置を適用対象とするものである。
【0010】しかして、本発明に係る駆動力伝達装置
は、上記した形式の駆動力伝達装置において、前記両回
転部材の差動回転に反転状態が発生した際に前記カム推
力の残存量を低減または無くすカム推力残存規制手段を
備えていることを特徴とするものである。
【0011】本発明に係る駆動力伝達装置においては、
前記カム推力残存規制手段としては、前記パイロットク
ラッチ機構の電磁コイルへの印加電流を増減制御する電
気的制御手段を採用することができ、前記両回転部材の
差動回転が反転した際、前記電磁コイルへの印加電流を
低減制御して前記カム推力の残存量を低減または無くす
ようにすることができる。
【0012】また、本発明に係る駆動力伝達装置におい
ては、前記カム推力規制手段として、前記カム機構を構
成する一方のカム部材と前記インナシャフトのスプライ
ン隙間L1を、前記メインクラッチを構成するクラッチ
プレートと前記インナシャフトのスプライン隙間L2よ
り小さく設定する機械的手段や、前記カム機構のカム角
θ1を、前記カム機構を構成する他方のカム部材と前記
パイロットクラッチ機構を構成するクラッチプレートの
スプライン隙間に起因する回転角度θ2より大きく設定
する機械的手段等を採用することができる。
【0013】
【発明の作用・効果】本発明に係る駆動力伝達装置にお
いては、両回転部材の差動回転が反転した際、電気制御
的または機械的にカム推力の残存量を低減または無くす
ことができて、これにより、当該駆動力伝達装置でのト
ルク伝達時に、カム推力が保持された状態で差動回転が
反転した際の、カム推力の残存に起因するバキ音等の異
音の発生を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明すると、図1には本発明の一例に係る駆動力伝達装置
の部分断面が示されている。当該駆動力伝達装置10
は、軸線を中心として略対称の構造を呈するもので、図
1には、軸線を中心とした略半分の断面が示されてい
る。当該駆動力伝達装置10は、図2に示すように、後
輪駆動をベースとする四輪駆動車を構成するトランスフ
ァの構成部品として搭載されている。
【0015】当該四輪駆動車は、縦型エンジン21を搭
載する後輪駆動をベースとする四輪駆動車であって、エ
ンジン21の後側に配設したトランスミッション22の
後側にトランスファ23を備えている。トランスファ2
3は、後側プロペラシャフト24aと前側プロペラシャ
フト24b間に配設されていて、これら両プロペラシャ
フト24a,24bの連結を断続するもので、エンジン
21の駆動力を後側プロペラシャフト24aへ常時出力
するとともに、両プロペラシャフト24a,24bが互
いに連結されている場合には、エンジン21の駆動力を
分配して前側プロペラシャフト24bへも出力する。
【0016】当該四輪駆動車においては、両プロペラシ
ャフト24a,24bが非連結状態にある場合には、エ
ンジン21の駆動力は後側プロペラシャフト24aにの
み出力されて、当該駆動力は後側ディファレンシャル2
5aを介して両アクスルシャフト26a,26aに出力
して左右の後輪26b,26bを駆動させる。これによ
り、当該四輪駆動車は、後輪26b,26b駆動の二輪
駆動状態を構成する。また、当該四輪駆動車において
は、両プロペラシャフト24a,24bが連結状態にあ
る場合には、エンジン21の駆動力は後側プロペラシャ
フト24aおよび前側プロペラシャフト24bへ分配さ
れ、前側プロペラシャフト24bへ出力された駆動力
は、前側ディファレンシャル25bを介して両アクスル
シャフト27a,27aに出力して左右の前輪27b,
27bを駆動させる。これにより、当該四輪駆動車は、
四輪駆動状態を構成する。
【0017】駆動力伝達装置10は、図示しない連結機
構と一体にトランスファを構成するもので、図1に示す
ように、アウタケース10a、インナシャフト10b、
メインクラッチ10c、パイロットクラッチ機構10
d、および、カム機構10eを備えている。
【0018】駆動力伝達装置10を構成するアウタケー
ス10aは、筒状のハウジング11aと、ハウジング1
1aの後端開口部に嵌合螺着されて同開口部を覆蓋する
リヤカバー11bとにより形成されている。ハウジング
11aは非磁性材料であるアルミ合金にて、かつ、リヤ
カバー11bは磁性材料である鉄にてそれぞれ形成され
ている。リヤカバー11bには、その中間部に、非磁性
材料であるステンレス製の筒体11cが埋設されてお
り、筒体11cは環状の非磁性部位を形成している。イ
ンナシャフト10bは、リヤカバー11bの中央部を液
密的に貫通してアウタケース10a内に同軸的に挿入さ
れていて、軸方向を規制された状態で、ハウジング11
aの前側壁部とリヤカバー11bに回転可能に支持され
ている。
【0019】インナシャフト10bは、その内孔を貫通
する後側プロペラシャフト24aとスプライン嵌合し
て、後側プロペラシャフト24aとはトルク伝達可能に
連結される。なお、ハウジング11aの前側壁部には図
示しないドライブスプロケットが一体回転可能に組付け
られ、かつ、前側プロペラシャフト24bの外周には図
示しないドリブンスプロケットが一体回転可能に組付け
られている。これら両スプロケットには、図示しないド
ライブチェーンが懸装されていて、トランスファの連結
機構を構成している。連結機構は、アウタケース10a
の駆動力を前側プロペラシャフト24bに伝達すべく機
能する。
【0020】メインクラッチ10cは湿式多板式の摩擦
クラッチであり、多数のクラッチプレート(インナクラ
ッチプレート12a、アウタクラッチプレート12b)
を備え、ハウジング11a内に配設されている。メイン
クラッチ10cを構成する各インナクラッチプレート1
2aは、インナシャフト10bの外スプライン11dに
スプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられ、か
つ、各アウタクラッチプレート12bはハウジング11
aの内スプライン11eにスプライン嵌合して軸方向へ
移動可能に組付けられている。各インナクラッチプレー
ト12aと各アウタクラッチプレート12bは交互に位
置していて、互いに当接して摩擦係合するとともに、互
いに離間して自由状態となる。
【0021】パイロットクラッチ機構10dは、電磁石
13、摩擦クラッチ14、アーマチャ15、および、ヨ
ーク16にて構成されている。電磁石13は環状を呈
し、ヨーク16に嵌着された状態でリヤカバー11bの
環状凹所に嵌合されている。ヨーク16は、リヤカバー
11bの後端部の外周に回転可能に支持された状態で、
車体側に固定されている。
【0022】摩擦クラッチ14は、複数のアウタクラッ
チプレート14aとインナクラッチプレート14bとか
らなる湿式の摩擦クラッチであり、各アウタクラッチプ
レート14aは、ハウジング11aの内スプライン11
eにスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けら
れ、かつ、各インナクラッチプレート14bは、後述す
るカム機構10eを構成する第1カム部材17aの外ス
プライン17a1にスプライン嵌合して軸方向へ移動可
能に組付けられている。アーマチャ15は環状を呈する
もので、ハウジング11aの内スプライン11eにスプ
ライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられていて、
摩擦クラッチ14の前側に位置してこれと対向してい
る。
【0023】以上の構成のパイロットクラッチ機構10
dにおいては、電磁石13の電磁コイルへの通電によ
り、電磁石13を基点としてヨーク16、リヤカバー1
1b、摩擦クラッチ14、および、アーマチャ15を循
環する磁束が通るループ状の循環磁路が形成される。電
磁石13の電磁コイルへの印加電流は、デューティ制御
により設定された所定の電流値に制御される。
【0024】電磁石13の電磁コイルへの通電の断続
は、手動スイッチの切替え操作によりなされ、後述する
3つの駆動モードを選択できるようになっている。当該
スイッチは、車室内の運転席の近傍に配設されて、運転
者が容易に操作し得るようになっている。なお、駆動力
伝達装置10を後述する第2の駆動モードのみの構成と
すれば、当該スイッチを省略できる。
【0025】カム機構10eは、第1カム部材17a、
第2カム部材17b、および、カムフォロアー17cに
て構成されている。第1カム部材17aは、インナシャ
フト10bの外周に回転可能に嵌合していて、リヤカバ
ー11bに回転可能に支承されており、その外スプライ
ン17a1に摩擦クラッチ14のインナクラッチプレー
ト14bがスプライン嵌合している。第2カム部材17
bは、インナシャフト10bの外スプライン11dにス
プライン嵌合して一体回転可能に組付けられていて、メ
インクラッチ10cのインナクラッチプレート12aの
後側に対向して位置している。第1カム部材17aと第
2カム部材17bの互いに対向するカム溝には、ボール
状のカムフォロア17cが介在している。
【0026】当該駆動力伝達装置10においては、パイ
ロットクラッチ機構10dを構成する電磁石13の電磁
コイルが非通電状態にある場合には磁路は形成されず、
摩擦クラッチ14は非係合状態にある。このため、パイ
ロットクラッチ機構10dは非作動の状態にあって、カ
ム機構10eを構成する第1カム部材17aはカムフォ
ロア17cを介して第2カム部材17bと一体回転可能
であり、メインクラッチ10cは非作動の状態にある。
このため、アウタケース10aとインナシャフト10b
とは非連結状態にあって、車両は後輪26b,26bが
駆動する二輪駆動である第1の駆動モードを構成する。
【0027】一方、当該駆動力伝達装置10において、
パイロットクラッチ機構10dの電磁石13の電磁コイ
ルへ通電されると、電磁石13を基点とするループ状の
循環磁路が形成されて磁力が発生し、電磁石13はアー
マチャ15を吸引する。これにより、アーマチャ15は
摩擦クラッチ14を押圧して摩擦係合させ、カム機構1
0eの第1カム部材17aをアウタケース10a側へ連
結させて、第2カム部材17bとの間に相対回転を生じ
させる。この結果、カム機構10eでは、カムフォロア
17cが両カム部材17a,17bを互いに離間する方
向へ押圧する。
【0028】このため、第2カム部材17bはメインク
ラッチ10c側へ押動されて、メインクラッチ10cを
ハウジング11aの前側壁部とにより押圧して、摩擦ク
ラッチ14の摩擦係合力に応じて摩擦係合させる。これ
により、アウタケース10aとインナシャフト10b間
のトルク伝達が生じ、車両は両プロペラシャフト24
a,24bが非直結状態と直結状態間での四輪駆動であ
る第2の駆動モードを構成する。この駆動モードでは、
車両の走行状態に応じて、後前輪間の駆動力分配比を1
00:0(二輪駆動状態)〜直結状態の範囲で制御する
ことができる。
【0029】この第2の駆動モードでは、車輪速度セン
サ、アクセル開度センサ、舵角センサ等各種のセンサか
らの信号に基づいて、車両の走行状態や路面状態に応じ
て電磁コイルへの印加電流をデューティ制御することに
より、摩擦クラッチ14の摩擦係合力に起因するカム推
力が制御されて、前輪27b,27b側への伝達トルク
が制御される。
【0030】また、電磁石13の電磁コイルへの印加電
流を所定の値に高めると電磁石13のアーマチャ15に
対する吸引力が増大し、アーマチャ15は強く吸引され
て摩擦クラッチ14の摩擦係合力を増大させ、両カム部
材17a,17b間の相対回転を増大させる。この結
果、カムフォロアー17cは第2カム部材17bに対す
る押圧力(カム推力)を高めて、メインクラッチ機構1
0cを結合状態とする。このため、車両は両プロペラシ
ャフト24a,24bが直結状態の四輪駆動である第3
の駆動モードを構成する。
【0031】当該駆動力伝達装置10は、図2に示すよ
うに、後輪駆動をベースとする四輪駆動車を構成するト
ランスファの構成部品として搭載されているものである
が、当該駆動力伝達装置10を、前輪駆動をベースとす
る四輪駆動車の後輪側の駆動力伝達系路の途中に配設で
きる構成に変更して、変更された駆動力伝達装置10A
を、図3に示すように、後輪側への駆動力伝達経路の途
中に配設することにより、前輪駆動をベースとする四輪
駆動車を構成することができる。
【0032】当該駆動力伝達装置10Aにおいては、図
1に示す駆動力伝達装置10を構成するアウタケース1
0aが後述する第1プロペラシャフト24cにトルク伝
達可能に連結される構成に変更され、インナシャフト1
0bが後述する第2プロペラシャフト24dが挿入され
てトルク伝達可能に連結される構成に変更されている。
当該駆動力伝達装置10Aは、アウタケース10aに第
1プロペラシャフト24cをトルク伝達可能に連結し、
かつ、インナシャフト10bに第2プロペラシャフト2
4dをトルク伝達可能に連結することにより、後輪側へ
の駆動力伝達経路の途中に配設されて、前輪駆動をベー
スとする四輪駆動車を構成している。
【0033】当該四輪駆動車において、トランスアクス
ル28はトランスミッション、トランスファおよびフロ
ントディファレンシャルを一体に備えるもので、エンジ
ン21の駆動力をトランスアクスル28の前側ディファ
レンシャル25bを介して、両アクスルシャフト27
a,27aに出力して左右の前輪27b,27bを駆動
させるとともに、第1プロペラシャフト24c側に出力
させる。第1プロペラシャフト24cは、駆動力伝達装
置10Aを介して第2プロペラシャフト24dに連結さ
れており、両プロペラシャフト24c,24dがトルク
伝達可能に連結された場合には、駆動力は後側ディファ
レンシャル25aに伝達され、後側ディファレンシャル
25aから両アクスルシャフト26a,26aへ出力さ
れて左右の後輪26b,26bを駆動させる。
【0034】しかして、当該駆動力伝達装置10,10
Aにおいては、異音発生防止手段として、下記に示す各
種のカム推力残存規制手段を採用することができる。第
1のカム推力残存規制手段は電気的制御手段であり、第
2,第3のカム推力残存規制手段はいずれも機械的手段
である。
【0035】電気的制御手段30は、パイロットクラッ
チ機構10dの電磁コイル13aへの印加電流を増減制
御する電気的制御手段であり、アウタケース10aとイ
ンナシャフト10bの差動回転が反転した際、電磁コイ
ル13aへの印加電流を低減制御して、カム推力の残存
量を低減または無くすべく機能するものである。
【0036】電気的制御手段30は、図4に示すよう
に、マイクロコンピュータおよびドライバを内蔵する制
御装置31、左右の前輪の回転速度をそれぞれ検出する
前輪速度センサ32、左右の後輪の回転速度をそれぞれ
検出する後輪速度センサ33、アクセル開度センサ3
4、舵角センサ35を備えているもので、制御装置31
は電源36に接続されていて、マイクロコンピュータは
エンジンの始動により動作を開始し、制御プログラムを
図5、図6または図7のいずれかに示すフローチャート
40,50,60に基づいて実行する。なお、制御装置
31は、当該四輪駆動車の駆動状態を制御するその他の
制御プログラムも実行するものであるが、この制御プロ
グラムを実行するためのフローチャートは省略されてい
る。
【0037】第1の機械的手段は、図8に示すように、
カム機構10eを構成する第2カム部材17bとインナ
シャフト10bのスプライン隙間L1を、メインクラッ
チ10cを構成するインナクラッチプレート12aとイ
ンナシャフト10bのスプライン隙間L2より小さく設
定する機械的手段である。
【0038】また、第2の機械的手段は、図9(a)に
示すように、カム機構10eのカム角θ1を、カム機構
10eを構成する第1カム部材17aとパイロットクラ
ッチ機構10dを構成するインナクラッチプレート14
bのスプライン隙間に起因する回転角度より大きく設定
する機械的手段である。一般には、これら両回転角度は
同一角度に設定されていて、通常のカム機構10eのカ
ム角は図9(b)に示すようにカム角θ2に設定されて
いる。換言すれば、第2の機械的手段では、カム機構1
0eのカム角θ1は従来のカム機構10eのカム角θ2に
比較して大きく設定されている。
【0039】図10〜図13は、後輪駆動をベースとす
る四輪駆動車を構成する駆動力伝達装置10における、
アウタケース10aとインナシャフト10b間の差動回
転が反転する際の各構成部材の動作状態を経時的に示す
タイムチャートの一例である。図10のタイムチャート
は、カム推力残存規制手段を具備しない場合を示す。図
11のタイムチャートは、カム推力残存規制手段である
電気的制御手段30を具備する場合を示す。図12のタ
イムチャートは、カム推力残存規制手段である第1の機
械的手段を具備する場合を示す。図13のタイムチャー
トは、カム推力残存規制手段である第2の機械的手段を
具備する場合を示す。なお、当該駆動力伝達装置10に
おいては、インナシャフト10bが入力側で、アウタケ
ース10aが出力側である。
【0040】カム推力残存規制手段を具備しない場合の
タイムチャートを示す図10においては、10種類のタ
イムチャート(1)〜(10)を示している。これらの
タイムチャートのうち、タイムチャート(1)は、反転
時におけるインナシャフト10bの回転方向の経時的変
化を示す。このタイムチャート(1)では、インナシャ
フト10bが+θから−θ方向へ回転する場合を逆転方
向の回転(後進)とし、この回転方向とは逆方向へ回転
する場合を正転方向の回転(前進)としている。
【0041】タイムチャート(2)は、パイロットクラ
ッチ機構10dにおけるアーマチャ15に対する吸引力
の経時的変化を示す。このタイムチャート(2)は、ア
ーマチャ15に対する吸引力Fを一定として、アウタケ
ース10aとインナシャフト10bが結合状態にあるロ
ックモード(上記した第3の駆動モード)に設定してい
る。
【0042】タイムチャート(3)は、インナシャフト
10bとメインクラッチ10cのインナクラッチプレー
ト12a間のスプライン隙間の回転角度の経時的変化を
示す。タイムチャート(3)では、+θから−θへの移
行を開始する時点(a)は、インナシャフト10bに逆
転(反転)が生じて、メインクラッチ10cのインナク
ラッチプレート12aのスプラインが反対側へつまり始
める時点であり、−θに到達した時点(b)は、インナ
クラッチプレート12aのスプラインが反対側へ完全に
つまって当接する時点である。
【0043】タイムチャート(4)は、メインクラッチ
10cのアウタクラッチプレート12bとアウタケース
10aのハウジング11a間のスプライン隙間の回転角
度の経時的変化を示す。このタイムチャート(4)で
は、+θから−θへの移行を開始する時点(c)は、ア
ウタクラッチプレート12bとハウジング11aのスプ
ライン隙間がつまり始める時点であって、インナクラッ
チプレート12aのスプラインが反対側へ完全につまっ
て当接する時点(b)とタイミング的に一致する。−θ
に到達する時点(d)は、アウタクラッチプレート12
bのスプラインが反対側へ完全につまって当接する時点
である。
【0044】タイムチャート(5)は、インナシャフト
10bとカム機構10eの第2カム部材17b間のスプ
ライン隙間の回転角度の経時的変化を示す。タイムチャ
ート(5)では、+θから−θへの移行を開始する時点
(e)は、インナシャフト10bと第2カム部材17b
間のスプライン隙間がつまり始める時点であり、−θに
到達する時点(f)は、インナシャフト10bと第2カ
ム部材17b間のスプライン隙間が完全につまって当接
する時点である。従来の駆動力伝達装置では、これらの
各時点(e),(f)は、タイムチャート(3)におけ
る時点(a),(b)とタイミング的に一致するように
設定されている。
【0045】タイムチャート(6)は、カム機構10e
におけるカム回転角度の経時的変化を示す。このタイム
チャート(6)では、+θから−θへの移行を開始する
時点(g)は、カム機構10eが作動状態から中立状態
への移行を開始する時点であり、時点(h)は中立状態
に到達する時点であり、時点(i)は中立状態から作動
状態への移行を開始する時点であり、時点(j)は作動
状態に完全に復帰する時点である。タイムチャート
(6)における、カム機構10eが作動状態から中立状
態への移行を開始する時点(g)は、インナクラッチプ
レート12aのスプラインが反対側へ完全につまって当
接する時点(b)、アウタクラッチプレート12bとハ
ウジング11aのスプライン隙間がつまり始める時点
(c)、インナシャフト10bと第2カム部材17b間
のスプライン隙間が完全につまって当接する時点(f)
とタイミング的に一致する。
【0046】タイムチャート(7)は、第1カム部材1
7aとパイロットクラッチ機構10dにおける摩擦クラ
ッチ14のインナクラッチプレート14b間のスプライ
ン隙間の回転角度の経時的変化を示す。このタイムチャ
ート(7)では、+θから−θへの移行を開始する時点
(k)は、第1カム部材17aとインナクラッチプレー
ト14b間のスプライン隙間が反対側につまり始める時
点であり、時点(l)は、第1カム部材17aとインナ
クラッチプレート14b間のスプライン隙間が完全につ
まって当接する時点である。第1カム部材17aとイン
ナクラッチプレート14b間のスプライン隙間が反対側
につまり始める時点(k)は、カム機構10eが中立状
態に到達する時点(h)とタイミング的に一致してい
る。
【0047】タイムチャート(8)は、パイロットクラ
ッチ機構10dにおける摩擦クラッチ14のアウタクラ
ッチプレート14aとアウタケース10aのハウジング
11a間のスプライン隙間の回転角度の経時的変化を示
す。このタイムチャート(8)では、+θから−θへの
移行を開始する時点(m)は、アウタクラッチプレート
14aとハウジング11aのスプライン隙間がつまり始
める時点であり、−θに到達した時点(n)は、アウタ
クラッチプレート14aとハウジング11aのスプライ
ン隙間が反対側へ完全につまって当接する時点である。
アウタクラッチプレート14aとハウジング11aのス
プライン隙間がつまり始める時点(m)は、第1カム部
材17aとインナクラッチプレート14b間のスプライ
ン隙間が完全につまって当接する時点(l)とタイミン
グ的に一致する。
【0048】タイムチャート(9)は、カム推力の経時
的変化を示す。カム推力Fは、カム回転角度の絶対値に
比例するもので、カム推力Fが低下し始める時点
(o)、および、カム推力Fがゼロとなる時点(p)
は、タイムチャート(6)における、カム機構10eが
作動状態から中立状態への移行を開始する時点(g)、
および、中立状態に到達した時点(h)とタイミング的
に一致する。カム推力Fの低下開始時点(o)とカム推
力Fが零となる時点(p)の間において、カム推力Fが
残存する。
【0049】なお、タイムチャート(9)における時点
(q)および時点(r)は、カム推力Fの低下開始時点
(o)とカム推力Fが零となる時点(p)に相当する時
点であり、インナシャフト10bが後進から前進に切り
替わる際に発生する反転に伴うカム推力Fの残存する範
囲を示す。
【0050】タイムチャート(10)は、メインクラッ
チ10cにおけるトルクの経時的変化を示す。このタイ
ムチャート(10)では、時点(s)〜時点(t)にて
トルクが発生することを示している。当該トルクは、タ
イムチャート(4)における、メインクラッチ10cの
インナクラッチプレート12aインナシャフト10bの
スプライン隙間が完全につまる時点(d)以降に、存在
するカム推力の残存量fに起因して発生する。なお、時
点(u)〜時点(v)でのトルクの発生も同様である。
これらのトルクが異音(バキ音)の発生原因である。
【0051】従って、タイムチャート(9)で示す時点
(o)〜時点(p)間でのカム推力の残存量f、およ
び、時点(q)〜時点(r)間での同様のカム推力の残
存量を低減または皆無にする手段(カム推力残存規制手
段)を採れば、タイムチャート(10)で示す発生トル
クを低減または皆無にすることができる。
【0052】以上のタイムチャートの関係は、前輪駆動
をベースとする四輪駆動車を構成する駆動力伝達装置1
0Aにも同様に成立するもので、カム推力残存規制手段
を採用することにより、タイムチャート(10)で示す
発生トルクを低減または皆無にすることができる。カム
推力残存規制手段としては、図4に示す電気的制御手段
30を採用することができ、また、図8に示す第1の機
械的手段、および、図9に示す第2の機械的手段を採用
することができる。
【0053】電気的制御手段30は、パイロットクラッ
チ機構10dの電磁コイル13aへの印加電流を増減制
御するもので、制御装置31のマイクロコンピュータ
は、エンジンの始動により動作を開始し、制御プログラ
ムを図5、図6または図7のいずれかに示すフローチャ
ート40,50,60に基づいて実行する。電気的制御
手段30により、電磁コイル13aへの印加電流を増減
制御することにより、図10に示すタイムチャートは図
11に示すタイムチャートに変更されて、タイムチャー
ト(10)で示す発生トルクが零となり、バキ音の発生
を防止することができる。
【0054】図5は、前輪駆動をベースとする四輪駆動
車の駆動力伝達装置10Aを制御するプログラムを実行
するフローチャート40であり、制御装置31のマイク
ロコンピュータはエンジンの始動により動作を開始し、
制御プログラムを図5に示すフローチャート40に基づ
いて実行する。制御装置31のマイクロコンピュータ
は、ステップ41にて動作を開始し、先ずステップ42
にて車両の走行状態が減速側か否かを判定する。マイク
ロコンピュータは、車両の走行状態が減速側でない場合
には、NOと判定しステップ45にてプログラムの実行
を終了し、また、車両の走行状態が減速側である場合に
は、YESと判定してプログラムをステップ43に進め
る。マイクロコンピュータは、ステップ43にて、車両
の走行状態が停止寸前か否かを判定する。
【0055】マイクロコンピュータは、車速が「しきい
値」より小さくない場合には、NOと判定してステップ
45にてプログラムの実行を終了し、また、車速が「し
きい値」より小さい場合には、YESと判定してプログ
ラムをステップ44に進める。マイクロコンピュータ
は、ステップ44にて、電磁コイル13aに対する印加
電流を徐々に低減すべくドライバに指令して、ステップ
45にてプログラムの実行を終了する。ドライバは、こ
の指令信号に基づいて、電磁コイル13aへの印加電流
を徐々に低減すべく制御する。
【0056】これにより、車両の停止直前のアーマチャ
15に対する吸引力Fは、図11のタイムチャート
(2)に示すように一旦零となり、これに起因して、タ
イムチャート(9)に示すカム推力残存量fは、図11
に示すように零となって、タイムチャート(10)に示
す発生トルクが零となる。このため、前進走行から後進
走行に移行する際、および、後進走行から前進走行に移
行する際のバキ音の発生を防止することができる。
【0057】図6は、後輪駆動をベースとする四輪駆動
車の駆動力伝達装置10を制御するプログラムを実行す
るフローチャート50であり、制御装置31のマイクロ
コンピュータはエンジンの始動により動作を開始し、制
御プログラムを図6に示すフローチャート50に基づい
て実行する。制御装置31のマイクロコンピュータは、
ステップ51にて動作を開始し、先ずステップ52に
て、後輪の回転速度が前輪の回転速度より大きいか否か
を判定し、後輪の回転速度が前輪の回転速度より大きい
場合には、YESと判定してプログラムをステップ53
へ進め、後輪の回転速度が前輪の回転速度より大きくな
い場合には、NOと判定してプログラムをステップ56
へ進める。
【0058】マイクロコンピュータは、ステップ53に
て、ハンドルの操舵状態、アクセルの開度状態から、後
輪の回転速度が前輪の回転速度より小さくなるか否かを
判定する。後輪の回転速度が前輪の回転速度より小さく
ならない場合には、NOと判定してステップ55にてプ
ログラムの実行を終了する。後輪の回転速度が前輪の回
転速度より小さくなる場合には、YESと判定してプロ
グラムをステップ54に進め、ステップ54にて、電磁
コイル13aに対する印加電流を徐々に低減すべくドラ
イバに指令して、ステップ55にてプログラムの実行を
終了する。ドライバは、この指令信号に基づいて、電磁
コイル13aへの印加電流を徐々に低減すべく制御す
る。
【0059】一方、マイクロコンピュータは、ステップ
52にて、後輪の回転速度が前輪の回転速度より大きく
ない場合には、NOと判定してプログラムをステップ5
6へ進め、ステップ56にて、ハンドルの操舵状態、ア
クセルの開度状態から、後輪の回転速度が前輪の回転速
度より大きくなるか否かを判定する。後輪の回転速度が
前輪の回転速度より大きくなる場合には、YESと判定
してプログラムをステップ57へ進め、後輪の回転速度
が前輪の回転速度より大きくならない場合には、NOと
判定してプログラムをステップ58へ進めてプログラム
の実行を終了する。
【0060】マイクロコンピュータは、後輪の回転速度
が前輪の回転速度より大きくなると判定した場合には、
ステップ57にて、電磁コイル13aに対する印加電流
を徐々に低減すべくドライバに指令して、ステップ58
にてプログラムの実行を終了する。ドライバは、この指
令信号に基づいて、電磁コイル13aへの印加電流を徐
々に低減すべく制御する。
【0061】図7は、後輪駆動をベースとする四輪駆動
車の駆動力伝達装置10を制御するプログラムを実行す
るフローチャート60であり、制御装置31のマイクロ
コンピュータは、エンジンの始動により動作を開始し、
制御プログラムを図7に示すフローチャート60に基づ
いて実行する。制御装置31のマイクロコンピュータ
は、ステップ61にて動作を開始し、先ずステップ62
にて、後輪の回転速度が前輪の回転速度より小さいか否
かを判定し、後輪の回転速度が前輪の回転速度より小さ
い場合には、YESと判定してプログラムをステップ6
3へ進め、後輪の回転速度が前輪の回転速度より小さく
ならない場合には、NOと判定してステップ65にてプ
ログラムの実行を終了する。
【0062】マイクロコンピュータは、ステップ63に
て、ハンドルの操舵状態、アクセルの開度状態から、後
輪の回転速度が前輪の回転速度より大きくなるか否かを
判定する。後輪の回転速度が前輪の回転速度より大きく
ならない場合には、NOと判定してステップ65にてプ
ログラムの実行を終了する。後輪の回転速度が前輪の回
転速度より大きくなる場合には、YESと判定してプロ
グラムをステップ64に進め、ステップ64にて、電磁
コイル13aに対する印加電流を徐々に低減すべくドラ
イバに指令して、ステップ65にてプログラムの実行を
終了する。ドライバは、この指令信号の基づいて、電磁
コイル13aへの印加電流を徐々に低減すべく制御す
る。
【0063】電気制御手段30においては、以上の制御
プログラムを単独で、または、適宜併用して実行するこ
とができ、駆動力伝達装置10,10Aの各構成部材の
経時的な動作を、図11に示すタイムチャートのごとく
制御することができ、これにより、バキ音の発生を防止
することができる。
【0064】このように、当該電気制御手段30では、
駆動力伝達装置10,10Aにおいて、アウタケース1
0aとインナシャフト10b間の差動回転が反転する際
に、電磁コイル13aへの印加電流を徐々に低減するこ
とにより、バキ音の発生要因であるカム推力残存量fを
零に制御し、カム推力が残存する途中でメインクラッチ
10cに発生するトルクを零にすることにより、バキ音
の発生を防止するものであるが、当該電気的手段30に
替えて、図8に示す第1の機械的手段、または、図9に
示す第2の機械的手段を採用することができる。
【0065】図8に示す第1の機械的手段は、カム機構
10eを構成する第2カム部材17bとインナシャフト
10bのスプライン隙間L1を、メインクラッチ10c
を構成するインナクラッチプレート12aとインナシャ
フト10bのスプライン隙間L2より小さく設定する機
械的手段である。当該第1の機械的手段を採用すること
により、駆動力伝達装置10,10Aを構成する各構成
部材の動作の経時的変化は、図10に示すタイムチャー
トの状態から、図12に示すタイムチャートの状態に変
更される。
【0066】すなわち、第2カム部材17bとインナシ
ャフト10bのスプライン隙間L1を、メインクラッチ
10cを構成するインナクラッチプレート12aとイン
ナシャフト10bのスプライン隙間L2より小さく設定
しているため、タイムチャート(3)に示す、インナク
ラッチプレート12aのスプラインが当接する時点
(b)、および、タイムチャート(5)に示す、第2カ
ム部材17bが当接する時点(f)が同一タイミングで
あったものが、時点(b)より時点(f’)が早いタイ
ミングとなる。この結果、タイムチャート(6)に示
す、カム機構10eが中立状態へ復帰を開始する時点
(g’)のタイミングが早くなり、換言すれば、カム回
転が早く開始されてカムの中立状態への復帰が早くな
り、タイムチャート(4)に示す、アウタクラッチプレ
ート12bが当接する時点(d)でのカム推力の残存量
f1が、図10に示すカム推力の残存量fに比較して小
さくなる。
【0067】なお、時点(f’)が早いタイミングにな
るのに起因して、時点(g’)〜時点(r’)も同様に
早いタイミングとなる。
【0068】これにより、当該第1の機械的手段によれ
ば、駆動力伝達装置10,10Aにおいて、アウタケー
ス10aとインナシャフト10b間の差動回転が反転す
る際に、カム推力の残存量を小さく制御することができ
て、カム推力が残存する途中でメインクラッチ10cに
発生するトルクt1を小さくし得て、バキ音の発生を防
止することができる。
【0069】また、第2の機械的手段は、図9(a)に
示すように、カム機構10eのカム角θ1を、カム機構
10eを構成する第1カム部材17aとパイロットクラ
ッチ機構10dを構成するインナクラッチプレート14
bのスプライン隙間に起因する回転角度θ2より大きく
設定する機械的手段である。一般には、これら両回転角
度は同一角度に設定されていて、通常のカム機構10e
のカム角は図9(b)に示すようにカム角θ1に設定さ
れている。換言すれば、第2の機械的手段では、カム機
構10eのカム角θ1は従来のカム機構10eのカム角
θ2に比較して大きく設定されている。
【0070】当該第2の機械的手段を採用することによ
り、駆動力伝達装置10,10Aを構成する各構成部材
の動作の経時的変化は、図10に示すタイムチャートの
状態から、図13に示すタイムチャートの状態に変更さ
れる。
【0071】すなわち、図13のタイムチャート(6)
に示す、カム機構10eが中立状態に到達する時点
(h”)が、図10のタイムチャート(6)に示す同時
点(h)に比較して早くなり、換言すれば、カムの中立
状態への復帰が早くなり、タイムチャート(4)に示
す、アウタクラッチプレート12bが当接する時点
(d)でのカム推力の残存量f2が、図10に示すカム
推力の残存量fに比較して小さくなる。
【0072】なお、時点(h”)が早いタイミングにな
るのに起因して、時点(i”)〜時点(p”)および時
点(r”)も同様に早いタイミングとなる。
【0073】これにより、当該第2の機械的手段によれ
ば、駆動力伝達装置10,10Aにおいて、アウタケー
ス10aとインナシャフト10b間の差動回転が反転す
る際に、バキ音の発生要因であるカム推力残存量f2を
小さく制御することができて、カム推力が残存する途中
でメインクラッチ10cに発生するトルクt2を図10
のタイムチャートのタイムチャート(10)に示すトル
クtに比較して小さくし得て、バキ音の発生を防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係る駆動力伝達装置の部分断面
図である。
【図2】同駆動力伝達装置をトランスファに組込んで搭
載した後輪駆動をベースとする四輪駆動車のスケルトン
図である。
【図3】同駆動力伝達装置を変更して搭載した前輪駆動
をベースとする四輪駆動車のスケルトン図である。
【図4】同駆動力伝達装置のカム推力残存規制手段の一
例である電気的制御手段の概略を示すブロック図であ
る。
【図5】同電気的制御手段が実行する一例のプログラム
を実行するフローチャトである。
【図6】同電気的制御手段が実行する他の一例のプログ
ラムを実行するフローチャトである。
【図7】同電気的制御手段が実行するさらに他の一例の
プログラムを実行するフローチャトである。
【図8】同カム推力残存規制手段の他の一例である第1
の機械的手段の概略を示す説明図である。
【図9】同カム推力残存規制手段のさらに他の一例であ
る第2の機械的手段の概略を示す説明図である。
【図10】従来の駆動力伝達装置の各構成部材の動作の
経時的変化を示すタイムチャートである。
【図11】本発明に係る電気的制御手段を設けた駆動力
伝達装置の各構成部材の動作の経時的変化を示すタイム
チャートである。
【図12】本発明に係る第1の機械的手段を設けた駆動
力伝達装置の各構成部材の動作の経時的変化を示すタイ
ムチャートである。
【図13】本発明に係る第2の機械的手段を設けた駆動
力伝達装置の各構成部材の動作の経時的変化を示すタイ
ムチャートである。
【符号の説明】
10,10A…駆動力伝達装置、10a…アウタケー
ス、10b…インナシャフト、10c…メインクラッ
チ、10d…パイロットクラッチ機構、10e…カム機
構、11a…ハウジング、11b…リヤカバー、11c
…筒体、11d…外スプライン、11e…内スプライ
ン、12a…インナクラッチプレート、12b…アウタ
クラッチプレート、13…電磁石、13a…電磁コイ
ル、14…摩擦クラッチ、14a…アウタクラッチプレ
ート、14b…インナクラッチプレート、15…アーマ
チャ、16…ヨーク、17a…第1カム部材、17b…
第2カム部材、17c…カムフォロア、21…エンジ
ン、22…トランスミッション、23…トランスファ、
24a…後側プロペラシャフト、24b…前側プロペラ
シャフト、24c…第1プロペラシャフト、24d…第
2プロペラシャフト、25a…後側ディファレンシャ
ル、25b…前側ディファレンシャル、26a…後側ア
クスルシャフト、26b…後輪、27a…前側アクスル
シャフト、27b…前輪、28…トランスアクスル、3
0…電気的制御手段、31…制御装置、32…前輪速度
センサ、33…後輪速度センサ、34…アクセル開度セ
ンサ、35…舵角センサ、36…電源、L1,L2…スプ
ライン隙間、θ1,θ2…カム角。f,f1,f2…カム推
力残存量、t,t1,t2…発生トルク。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外側回転部材および内側回転部材間にメイ
    ンクラッチ、カム機構、および、電磁式のパイロットク
    ラッチ機構を備え、同パイロットクラッチ機構の電磁コ
    イルに電流を印加することにより発生するパイロットト
    ルクを前記カム機構にて軸方向のカム推力に変換し、同
    カム推力にて前記メインクラッチを押圧して係合動作さ
    せて、前記両回転部材間のトルク伝達を行う駆動力伝達
    装置において、前記両回転部材の差動回転に反転状態が
    発生した際に前記カム推力の残存量を低減または無くす
    カム推力残存規制手段を備えていることを特徴とする駆
    動力伝達装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の駆動力伝達装置におい
    て、前記カム推力残存規制手段は、前記パイロットクラ
    ッチ機構の電磁コイルへの印加電流を増減制御する電気
    的制御手段であって、前記両回転部材の差動回転が反転
    した際、前記電磁コイルへの印加電流を低減制御して前
    記カム推力の残存量を低減または無くすことを特徴とす
    る駆動力伝達装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の駆動力伝達装置におい
    て、前記カム推力規制手段は、前記カム機構を構成する
    一方のカム部材と前記インナシャフトのスプライン隙間
    L1を、前記メインクラッチを構成するクラッチプレー
    トと前記インナシャフトのスプライン隙間L2より小さ
    く設定する機械的手段であることを特徴とする駆動力伝
    達装置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の駆動力伝達装置におい
    て、前記カム推力規制手段は、前記カム機構のカム角θ
    1を、前記カム機構を構成する他方のカム部材と前記パ
    イロットクラッチ機構を構成するクラッチプレートのス
    プライン隙間に起因する回転角度θ2より大きく設定す
    る機械的手段であることを特徴とする駆動力伝達装置。
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