JP2002188388A - 立坑構造 - Google Patents

立坑構造

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JP2002188388A
JP2002188388A JP2000387349A JP2000387349A JP2002188388A JP 2002188388 A JP2002188388 A JP 2002188388A JP 2000387349 A JP2000387349 A JP 2000387349A JP 2000387349 A JP2000387349 A JP 2000387349A JP 2002188388 A JP2002188388 A JP 2002188388A
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corner
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JP2000387349A
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Katsuhiko Kimura
克彦 木村
Masaki Wakabayashi
雅樹 若林
Kenichi Ito
健一 伊藤
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設計及び施工に対する高い自由度を確保する
とともに、工期の短縮及び工費の節減を図り、立坑の強
度を充分に確保することができる立坑構造を提供する。 【解決手段】 地中に構築される立坑10の構造であっ
て、周囲地山Gからの土圧あるいは水圧等に対抗するた
めに設けられた山留壁11が、周方向に複数の壁部に区
分され、かつ各壁部においては、平面視すると外周側に
アーチ状に張り出した長アーチ部12a,12a及び短
アーチ部12b,12bが形成されるとともに、その両
端部で隣接する他の壁部とは隅角部13a,13b,1
3c,13dを形成して連続する構成とされ、これら隅
角部同士を緊結して周囲地山Gからの土圧あるいは水圧
等に抗するタイバー20,20が設けられるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばトンネル発
進・到達用等として構築される立坑構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】トンネルを掘削するシールド掘削機の発
進・到達用等として用いられる立坑は、その外周部に周
囲地山からの土圧あるいは水圧等に対抗する山留壁を構
築し、この山留壁の内部を掘削することによって構築し
ている。そして、この山留壁の側壁部分からシールド掘
削機を発進あるいは到達させて、所定断面のトンネルを
掘削している。このとき、山留壁の内部には周囲地山か
らの土圧あるいは水圧等に抵抗するため、杭、腹起こし
材、切梁等を設けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の立
坑構造では、掘削深度が大きくなると、周囲地山からの
土圧あるいは水圧等に対する支圧力を高めるために、腹
起こし材の設置間隔を小さくしたり、あるいは腹起こし
材の断面寸法も大きくする必要がある。すると、立坑の
内部空間が狭まるため、それに応じて掘削断面を大きく
したり、あるいは内部空間が十分に確保できなくなって
施工性が低下する等といった問題が生じる。
【0004】また、従来の立坑は、その施工上、平面視
すると略真円形状となっている円形立坑である場合が多
いが、こうした円形立坑では、シールド掘削機の発進等
に必要な平面積に対してその径が非常に大きなものとな
り、掘削量が増えるために不経済であるとともに、産業
廃棄物となる掘削土の量が増大する等といった問題があ
る。これに対して、半円状の山留壁を連続させる工法も
考えられるが、半円状の部分の径を大きくすれば、シー
ルド掘削機の径に対して必要以上の掘削をすることにな
り不経済であり、逆に半円状の部分の径を小さくする
と、山留壁の施工が複雑となるとともに、内部に設置す
る切梁の間隔が小さくなり、施工性が低下してしまうと
いう問題が生じる。
【0005】そこで図7に示すような、円形立坑を改良
した形状の立坑が提案されている。この図に示している
のは、地盤に構築した立坑110を平面視したものであ
る。この立坑110は、その外周部に、所定の厚さを有
したコンクリート製の山留壁111が形成された構成と
なっている。山留壁111は、周方向に4つの壁部に区
分された平面視略矩形状をなしており、そのうち長スパ
ン(長辺)の壁部(長壁)112a,112aが各々一
つの区分とされており、また短スパン(短辺)の壁部
(短壁)112b,112bが各々一つの区分とされて
いる。各壁部の端部とこれに隣接する壁部の端部とは、
隅角部113を形成して連続している。
【0006】この山留壁111の各壁部においては、外
周側にアーチ状に張り出したアーチ部が形成されてい
る。すなわち、長スパンの壁部は長アーチ部をなし、短
スパンの壁部は短アーチ部をなしている。
【0007】このような立坑110は、山留壁111が
アーチ部を周方向に連続させることによって形成された
構成となっているので、従来の略真円形状の立坑と比較
して、掘削断面積を大幅に小さくすることができる、掘
削土量の削減による施工性および経済性の向上、および
産業廃棄物の削減を図ることができる、といった利点が
ある。
【0008】しかし、この立坑110の場合、真円形状
の場合と異なり隅角部113が存在するために、立坑1
10に加わる土圧あるいは水圧等により発生する応力
は、隅角部113に集中し易いという欠点がある。すな
わち、スパンの異なるアーチ部同士が連続しているた
め、隅角部113に発生する不釣り合いな力によって過
大なモーメント(曲げモーメント)やせん断力が発生し
て、補強の面から好ましくない場合がある。こうした欠
点を克服すべく、アーチ部同士が円弧を描くように滑ら
かに連続するよう隅角部113の形状を改善する、等の
対策が施されているが、依然としてせん断力は大きく、
設計の面からも好ましくない場合がある。
【0009】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、設計及び施工に対する高い自由度を確保するととも
に、工期の短縮及び工費の節減を図り、立坑の強度を充
分に確保することができる立坑構造を提供すること、を
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、地中に構築される立坑の構造であって、周囲地山か
らの土圧あるいは水圧等に対抗するために設けられた山
留壁が、前記立坑の周方向に複数の壁部に区分され、か
つ各壁部においては、平面視すると外周側にアーチ状に
張り出したアーチ部が形成されるとともに、その両端部
で隣接する他の壁部とは隅角部を形成して連続する構成
とされ、前記隅角部同士を緊結して周囲地山からの土圧
あるいは水圧等に対抗する緊結部材が設けられているこ
とを特徴とする。
【0011】各壁部にアーチ部を有する山留壁において
は、周囲地山から作用する土圧あるいは水圧等によって
内側方向への圧縮力を受け、これによって各アーチ部の
端部側にはスパン(幅寸法)方向への引張応力が作用
し、各アーチ部の端部つまり隅角部には応力が集中し
て、外側方向へ変位しようとする。このため、各隅角部
には、大きなせん断力やモーメント(曲げモーメント)
が発生する。そこで、緊結部材によって隅角部同士を緊
結し、外側方向への変位を拘束するようにすれば、周囲
地山からの土圧あるいは水圧等に抗することができ、発
生するせん断力やモーメントを低減させることができる
とともに、軸力を大幅に増加させることができる。ま
た、アーチ状とした山留壁を採用することにより、従来
に比較して掘削土の量を抑えることができる。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の立坑構造であって、前記各壁部のアーチ部が、該壁部
の幅寸法に対する外周側への張り出し寸法の比を0.0
5以上に設定した構成となっていることを特徴とする。
【0013】このように、各アーチ部のスパンとライズ
(アーチの外周側への張り出し寸法)を適切に設定する
ことによって、圧縮応力が作用するようにでき、各アー
チ部の圧縮力が卓越がするようにできる。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の立坑構造であって、周方向に隣り合う前
記隅角部同士を直線で結んだ際に、これら直線は略矩形
を形成し、前記緊結部材は、これら直線に沿って設けら
れることを特徴とする。
【0015】このように、各壁部が平面視略矩形となる
ようにし、隅角部同士を直線状に緊結するように緊結部
材を設けるようにすれば、例えばシールド掘削機の形状
に応じた立坑形状とすることができるとともに、アーチ
部をタイドアーチとして隅角部の変位を抑制することが
できる。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の立坑構造であって、隣接する前記壁部
同士が、前記隅角部において曲線部又は直線部を介して
連続することを特徴とする。
【0017】このようにすれば、隅角部において壁部同
士を滑らかに連続させることが可能であるので、隅角部
への応力集中を抑制し、発生するせん断力やモーメント
を更に低減させることができる。
【0018】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載の立坑構造であって、前記緊結部材は、
前記隅角部の各々に埋設される第1の部材と、これら第
1の部材間に連結される第2の部材と、から構成される
ことを特徴とする。
【0019】このように、緊結部材を分割しているの
で、立坑の施工時には第1の部材を埋設しておき、立坑
施工後に第2の部材を施工できるので、施工性を向上さ
せることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る立坑構造の実
施の形態について、図1乃至図6を用いて説明する。
【0021】図1に、地盤に構築した立坑10を平面視
したものを示す。立坑10は、その外周部に、所定の厚
さを有したコンクリート製の山留壁11が形成された構
成となっており、全体として平面視略矩形を成してい
る。山留壁11は、その周方向に4つの壁部に区分され
ており、そのうち長スパン(長辺)の壁部12a,12
aが各々一つの区分とされており、また短スパン(短
辺)の壁部12b,12bが各々一つの区分とされてい
る。
【0022】この山留壁11は、各区分において、外周
側にアーチ状に張り出したアーチ部を形成している。そ
のため以下においては、長スパンの壁部を「長アーチ
部」と、短スパンの壁部を「短アーチ部」と、各々称す
ることとする。これら長アーチ部12aと短アーチ部1
2bとは、各々の両端部が隅角部を形成して連続してい
る。これら隅角部を、符号13a,13b,13c,1
3dとして図示している。これら隅角部13a,13
b,13c,13dの、周方向に隣り合うもの同士を直
線で結んだ際に、これら直線は略矩形を形成するように
なっているので、立坑10は、全体として平面視略矩形
を成している。
【0023】このような立坑10は、例えばシールド発
進用のものであれば、短辺方向の側壁11bの幅を、シ
ールド掘削機Sの外径、つまり掘削すべきトンネル3の
径に対応させた寸法に設定する。長スパンをX、短スパ
ンをYとしたとき、例えばXは12m、Yは8mに設定
されている。
【0024】さらに、長アーチ部12a,12aは、そ
の長スパンXに対するライズ(外周側への張出し寸法)
Aの比A/Xが、0.05以上の適正値、例えば0.1
となるように形成されている。短アーチ部12b,12
bも同様に、その短スパンYに対するライズBの比B/
Yが、0.05以上の適正値、例えば0.1となるよう
に形成されている。こうすることで、長アーチ部12
a,12a、短アーチ部12b,12bの各々には、圧
縮応力が作用するようにでき、各アーチ部を圧縮力が卓
越するようにできる。
【0025】さらに、山留壁11の内部には、互いに隣
接する隅角部13aと13bとの間、および隅角部13
cと13dとの間に、各々タイバー(緊結部材)20が
設けられている。これらタイバー20,20は、山留壁
11の長アーチ部12a,12aを介して隅角部13
a,13b,13c,13dに伝達される、周囲地山G
からの土圧あるいは水圧等に対抗するためのものであ
る。
【0026】隅角部13a,13b,13c,13dの
各々に発生するせん断力あるいはモーメント(曲げモー
メント)は、長アーチ部12a,12aあるいは短アー
チ部12b,12bの各々に周囲地山Gからの土圧ある
いは水圧等が加わることにより、その端部すなわち隅角
部13a,13b,13c,13dの、外側方向の変位
が大きい程大きくなる。特に、長アーチ部12a,12
aは、周囲地山Gとの接触面積が大きい分、その端部
は、短アーチ部12b,12bの端部よりも大きく変位
しようとする。すなわち、隅角部13a,13b,13
c,13dには各々不釣り合いな力が加わり、そのため
に過大なせん断力あるいはモーメントが発生しやすくな
っている。こうしたことから、隅角部13aと13b、
隅角部13cと13dとを各々タイバー20,20で連
結・固定する、すなわち長アーチ部12a,12aをタ
イドアーチとすれば、隅角部13a,13b,13c,
13dの変位は拘束される。
【0027】これらタイバー20,20は、鋼材等から
なるもので、隅角部13a,13b,13c,13dの
各々に埋設された埋設部材(第1の部材)21,21,
21,21と、これら埋設部材21同士の間に連結・固
定される連結部材(第2の部材)22,22と、から構
成されている。埋設部材21,21と連結部材22と
は、図2に示すように、連結部23,23で互いに連結
されている。なお、周囲地山Gからの土圧あるいは水圧
等は、深度にほぼ比例して大きくなるので、タイバー2
0,20の断面積は、設置する深度の土圧や水圧等に合
わせて適宜変更される。例えば、設置深度が−20mで
あれば断面積は100cm2/mに、−40mであれば
320cm2/mに、各々設定される。
【0028】また、隅角部の形状を変更した例を、図3
に示す。この図には、隅角部13aのみを示している
が、他の隅角部13b,13c,13dも、同様に形状
が改善されている。この図に示すように、隣接する壁部
同士である短アーチ部12bと長アーチ部12aとが、
隅角部13aにおいて曲線部15を介して連続するよう
にされている。ここでは曲線部15の一例として、点O
を中心として曲率半径がrである円弧を示している。こ
のように、壁部同士が隅角部において滑らかに連続する
ようにすれば、隅角部への応力集中を抑制することがで
き、タイバー20,20による隅角部の変位の拘束と相
俟って、立坑10の強度を更に増加させることができ
る。なお、図3に示すような、壁部同士が曲線部15を
なして連続するように隅角部の形状を変更した状態を、
「隅角部形状改善有」と、図2に示すような、壁部同士
が曲線部をなさずに連続するような隅角部の状態を、
「隅角部形状改善無」と、各々称することとする。隅角
部への応力集中を抑制できるのであれば、この曲線部1
5の替わりに、直線部を介して連続するようにしてもよ
い。
【0029】タイバー設置の有無あるいは隅角部形状改
善の有無によって、隅角部の周囲における軸力、モーメ
ントあるいはせん断力がどのように変化するかについ
て、検討モデルを用いて検討した結果を図4乃至図6に
示す。これら各図中における線a,b,cの意味は、次
の通りである。 a: タイバー無、隅角部形状改善無。 b: タイバー有、隅角部形状改善無。 c: タイバー有、隅角部形状改善有。 このモデルにおいては、長スパンXを12m、短スパン
Yを8mとし、周囲地山Gの地盤ばね定数を500MN
として検討している。なお、これら各図の横軸において
は、隅角部から短アーチ部12b側をプラスとして、長
アーチ部12a側をマイナスとして、各々示している。
すなわち、左端の「隅角部からの距離:−6m」とは、
長アーチ部12aの中間部つまり最も張り出した位置
を、右端の「隅角部からの距離:4m」とは、短アーチ
部12bの中間部つまり最も張り出した位置を、各々指
している。
【0030】先ず軸力に関しては、図4に示すように、
タイバーを設置した場合には、設置しない場合に比べ
て、長アーチ部の軸力が最大で45%程度増加してい
る。そして、隅角部の形状改善の有無は、軸力の増減に
はあまり影響していない。次にモーメントに関しては、
図5に示すように、タイバーを設置した場合には大きく
減少している。更に、隅角部の形状改善を有とした場合
には、隅角部近傍におけるモーメントが、より大きく減
少している。更にせん断力に関しては、図6に示すよう
に、タイバーを設置した場合には大きく減少している。
更に、隅角部の形状改善を有とした場合には、隅角部近
傍の広い範囲におけるせん断力が、より大きく減少して
いる。
【0031】このように、モーメント及びせん断力は、
タイバーの設置、隅角部の形状改善等により、大きく低
減できることがわかる。そして、軸力は、タイバーの設
置によって最大で45%増加させることができ、軸力の
卓越した立坑を構成することができることがわかる。
【0032】本実施形態に係る立坑構造においては、山
留壁11を複数の壁部、すなわち長アーチ部12a,1
2aと短アーチ部12b,12bとに区分し、隅角部1
3a,13bと、隅角部13c,13dとをタイバー2
0,20によって緊結し、外側方向への変位を拘束する
ようにしている。そのため、長アーチ部12a,12a
の端部側に作用するスパン方向への引張応力を低減さ
せ、立坑10の強度を増加させて、周囲地山Gからの土
圧あるいは水圧等に抗することができ、発生するせん断
力やモーメントを低減させることができるとともに、軸
力を大幅に増加させることができる。これにより、山留
壁11を構成するコンクリートの強度を有効に利用で
き、鉄筋等の補強材を不要とする、あるいは使用量を大
幅に低減させることができ、設計を合理的にできるとと
もに、工期の短縮及び工費の節減を図ることができる。
【0033】また、アーチ状の山留壁11としたことに
より、従来の略真円形状の立坑と比較して、掘削土の量
を抑えることができ、施工性および経済性の向上を図る
とともに、産業廃棄物の削減を図ることができる。
【0034】更に、各アーチ部のスパンとライズの比
を、0.05以上となるように設定しているので、各ア
ーチ部に圧縮応力が作用し、圧縮力が卓越するようにで
きるため、コンクリートの圧縮強度を有効に利用するこ
とができる。これらアーチ部を構成するコンクリート
は、一般に、引張よりも圧縮に対して大きな強度を有し
ており、従って、これらアーチ部を単なる平板状とする
場合よりも強度を有効に利用することができる。そのた
め、山留壁11の厚さを小さくすることができ、山留壁
11をより経済的に構築することができる。そして、腹
起こしが不要になるので、施工の自由度を高めることが
できる。
【0035】更に、長アーチ部12a,12a及び短ア
ーチ部12b,12bが平面視略矩形となるようにし、
隅角部13a,13bと、隅角部13c,13dとを直
線状に緊結するようにタイバー20,20を設けるよう
にしているので、例えばシールド掘削機の形状に応じた
立坑形状とすることができ、立坑10の用途に応じた平
面積の山留壁11を構築することができるとともに、ア
ーチ部をタイドアーチとして隅角部の変位を抑制するの
で、簡易な構成で立坑10を構築することができる。
【0036】更に、長アーチ部12a,12aと短アー
チ部12b,12bとが、隅角部13a,13b,13
c,13dにおいて曲線部15を介して連続するように
形状を改善すれば、長アーチ部12aと短アーチ部12
bとを滑らかに連続するようにでき、隅角部13a,1
3b,13c,13dへの応力集中を抑制し、発生する
せん断力やモーメントを更に低減させることができる。
【0037】更に、タイバー20を、隅角部13a,1
3b,13c,13dの各々に埋設される埋設部材21
と、これら埋設部材21,21間に連結される連結部材
22と、から構成するようにしている、すなわちタイバ
ー20を分割するようにしているので、立坑10の施工
時には埋設部材21,21を埋設しておき、立坑10の
施工後に連結部材22を連結させて施工できるので、タ
イバー20の設置を任意にでき、施工性を向上させるこ
とができる。更に工期の短縮及び工費の節減を図ること
ができる。
【0038】なお、上記実施の形態においては、緊結部
材の例としてタイバーを挙げたが、これに限定するもの
ではなく、例えばH鋼等を緊結部材として用いてもよ
い。また、構築する立坑10の長スパンと短スパンの寸
法比などは、上記に挙げたものに何ら限定するものでは
ない。また、山留壁11を構築するための施工方法や使
用する材料については何ら限定するものではなく、いか
なるものを用いてもよい。もちろん立坑10の用途につ
いては、シールド掘削機の発進到達用に限定するもので
はなく、他のいかなる用途のものであってもよい。
【0039】これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない
範囲内であれば、いかなる構成を採用しても良く、また
上記したような構成を適宜選択的に組み合わせたものと
しても良いのは言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る立
坑構造によれば、山留壁が、周方向に複数の壁部に区分
され、かつ各壁部においては、平面視すると外周側にア
ーチ状に張り出したアーチ部が形成されるとともに、そ
の両端部で隣接する他の壁部とは隅角部を形成して連続
され、隅角部同士を緊結して周囲地山からの土圧あるい
は水圧等に対抗する緊結部材が設けられる構成となって
いる。このように、緊結部材によって隅角部同士を緊結
し、外側方向への変位を拘束するようにすれば、立坑の
強度を増加させて、周囲地山からの土圧あるいは水圧等
に抗することができ、発生するせん断力やモーメントを
低減させることができるとともに、軸力を大幅に増加さ
せることができる。これにより、山留壁を構成するコン
クリートの強度を有効に利用でき、鉄筋等の補強材を不
要とする、あるいは使用量を大幅に低減させることがで
き、設計を合理的にできるとともに、工期の短縮及び工
費の節減を図りつつ、立坑の強度を十分に確保すること
ができる。また、アーチ状の山留壁を採用したことによ
り、従来の略真円形状の立坑と比較して、掘削土の量を
抑えることができ、施工性および経済性の向上を図ると
ともに、産業廃棄物の削減を図ることができる。
【0041】請求項2に係る立坑構造によれば、各壁部
のアーチ部が、該壁部の幅寸法に対する外周側への張り
出し寸法の比を0.05以上に設定した構成となってい
る。このように、各アーチ部のスパンとライズを適切に
設定することによって、圧縮応力が作用し、各アーチ部
の圧縮力が卓越がするようにでき、コンクリートの圧縮
強度を有効に利用することができる。そのため、山留壁
の厚さを小さくすることができ、山留壁をより経済的に
構築することができる。そして、腹起こしが不要になる
ので、施工の自由度を高めることができる。
【0042】請求項3に係る立坑構造によれば、周方向
に隣り合う隅角部同士を直線で結んだ際に、これら直線
は略矩形を形成し、緊結部材は、これら直線に沿って設
けられるような構成となっている。このように、各壁部
が平面視略矩形となるようにし、隅角部同士を直線状に
緊結するように緊結部材を設けるようにすれば、用途に
応じた平面積を有する立坑形状とすることができるとと
もに、アーチ部をタイドアーチとして隅角部の変位を抑
制することができ、簡易な構成で立坑を構築することが
できる。
【0043】請求項4に係る立坑構造によれば、隣接す
る壁部同士が、隅角部において曲線部又は直線部を介し
て連続する様な構成となっている。このようにすれば、
隅角部において壁部同士を滑らかに連続させることが可
能であるので、隅角部への応力集中を抑制し、発生する
せん断力やモーメントを更に低減させることができる。
【0044】請求項5に係る立坑構造によれば、緊結部
材は、隅角部の各々に埋設される第1の部材と、これら
第1の部材間に連結される第2の部材と、から構成され
るようになっている。このように、緊結部材を分割して
いるので、立坑の施工時には第1の部材を埋設してお
き、立坑施工後に第2の部材を施工できるので、設計及
び施工に対するより高い自由度を確保することができる
とともに、工期の短縮及び工費の節減を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る立坑構造の一実施形態を示す
平断面図である。
【図2】 図1における隅角部近傍を拡大して示す平
断面図である。
【図3】 図2の隅角部の形状を改善した例を示す平
断面図である。
【図4】 隅角部からの距離と軸力との関係を示すグ
ラフ図である。
【図5】 隅角部からの距離とモーメントとの関係を
示すグラフ図である。
【図6】 隅角部からの距離とせん断力との関係を示
すグラフ図である。
【図7】 従来の立坑構造の一例を示す平断面図であ
る。
【符号の説明】
10 立坑 11 山留壁 12a 長アーチ部(壁部、アーチ部) 12b 短アーチ部(壁部、アーチ部) 13a,13b,13c,13d 隅角部 15 曲線部 20 タイバー(緊結部材) 21 埋設部材(第1の部材) 22 連結部材(第2の部材) G 周辺地山 S シールド掘削機 X 長スパン(スパン、幅寸法) Y 短スパン(スパン、幅寸法) A,B ライズ(アーチの外周側への張り出し寸法)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中に構築される立坑の構造であっ
    て、周囲地山からの土圧あるいは水圧等に対抗するため
    に設けられた山留壁が、前記立坑の周方向に複数の壁部
    に区分され、かつ各壁部においては、平面視すると外周
    側にアーチ状に張り出したアーチ部が形成されるととも
    に、その両端部で隣接する他の壁部とは隅角部を形成し
    て連続する構成とされ、 前記隅角部同士を緊結して周囲地山からの土圧あるいは
    水圧等に対抗する緊結部材が設けられていることを特徴
    とする立坑構造。
  2. 【請求項2】 前記各壁部のアーチ部が、該壁部の幅
    寸法に対する外周側への張り出し寸法の比を0.05以
    上に設定した構成となっていることを特徴とする請求項
    1に記載の立坑構造。
  3. 【請求項3】 周方向に隣り合う前記隅角部同士を直
    線で結んだ際に、これら直線は略矩形を形成し、前記緊
    結部材は、これら直線に沿って設けられることを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の立坑構造。
  4. 【請求項4】 隣接する前記壁部同士が、前記隅角部
    において曲線部又は直線部を介して連続することを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の立坑構造。
  5. 【請求項5】 前記緊結部材は、前記隅角部の各々に
    埋設される第1の部材と、これら第1の部材間に連結さ
    れる第2の部材と、から構成されることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の立坑構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012077447A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Nippon Steel Corp トンネル接続構造およびトンネル施工方法
CN106677787A (zh) * 2016-12-27 2017-05-17 中冶集团武汉勘察研究院有限公司 竖井修复加固结构及修复加固施工方法
CN107060767A (zh) * 2017-05-25 2017-08-18 安徽理工大学 既有井筒条件下深立井地层加固注浆系统及其注浆方法

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