JP2002188316A - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JP2002188316A
JP2002188316A JP2000385117A JP2000385117A JP2002188316A JP 2002188316 A JP2002188316 A JP 2002188316A JP 2000385117 A JP2000385117 A JP 2000385117A JP 2000385117 A JP2000385117 A JP 2000385117A JP 2002188316 A JP2002188316 A JP 2002188316A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低コストで容易に製作でき、圧縮歪みを極力
抑えた支持体を有する免震装置を提供する。 【構成】 免震装置1は、基礎40に固定される支持体
4と、建築物41に固定され且つ基礎40と前記建築物
41とが相対的に変位したときに支持体4上を転動する
ボール3を回転自在に保持するボール保持体2と、から
構成され、支持体4は、支持体4の中央に位置し且つ建
築物41の静止時にボール3を支持する支持面が硬化処
理された支持ブロック21と、支持ブロック21の周囲
に位置し且つ建築物41が変位したときにボール3が転
動する転動面19を有する支持板22と、から構成され
ていることにより、建築物41の静止時に建築物41の
重量によって圧縮歪みが発生し易い支持ブロック21の
支持面だけを硬化処理すればよいため、支持体4全体を
硬化処理する必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基礎と建築物との
間に介装されて該建築物を水平方向に移動可能に支持す
る免震装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物を地震から保護するための装置と
して、基礎と建築物との間に介装されて、地震による揺
れを建築物に伝えないことにより建築物を保護する免震
装置が知られており、近年、この免震装置が設置された
建築物が増加する傾向にある。免震装置には、弾性材料
を使用してその弾性を利用したものや、建築物側に設置
されたボールが基礎側に固定された支持体上を転動する
構造のものなどがあるが、特に、後者の免震装置は、前
者の免震装置が適用させにくい戸建住宅にも対応するこ
とができるため、その利用が増加する傾向にある。
【0003】上記した、建築物側に設置されたボールが
基礎側に固定された支持体上を転動する構造の免震装置
においては、地震が発生していない状態、即ち、基礎に
対して建築物が静止している通常の状態では、支持体の
中心部にボールが位置しているため、支持体の中心部で
建築物の重量を常時保持することになる。このため、支
持体の中心部だけが局部的に圧縮され、支持体が鋼板製
である場合には、圧縮によって歪みが生じ、この歪みが
地震による建築物の起動時に悪影響を及ぼしていた。こ
のような問題点を解消するため、支持体全体に熱処理を
行うことにより硬化させ、歪みの発生を抑えることが考
えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、鋼板製の支持
体全体に熱処理を施した場合、変形が生じ、この変形を
後加工により除去して所望の形状にすることは困難な作
業であり、また、製造コストが上がるという問題があっ
た。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、そ
の目的とするところは、低コストで容易に製作でき、圧
縮歪みを極力抑えた支持体を有する免震装置を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1に係る発明においては、基礎と建築物
との間に介装されて該建築物を水平方向に移動可能に支
持する免震装置において、該免震装置は、前記基礎に固
定される支持体と、前記建築物に固定され且つ前記基礎
と前記建築物とが相対的に変位したときに前記支持体上
を転動するボールを回転自在に保持するボール保持体
と、から構成され、前記支持体は、該支持体の中央に位
置し且つ前記建築物の静止時に前記ボールを支持する支
持面が硬化処理された支持ブロックと、該支持ブロック
の周囲に位置し且つ前記建築物が変位したときに前記ボ
ールが転動する転動面を有する支持板と、から構成され
ていることを特徴とする。このように構成することによ
り、建築物の静止時に建築物の重量によって圧縮歪みが
発生し易い支持ブロックの支持面だけを硬化処理すれば
よいため、支持体全体を硬化処理する必要がない。この
ため、建築物静止時の圧縮歪みを極力抑えた支持体を、
製造コストを上げることなく容易に製作することができ
る。
【0006】また、請求項2に係る発明においては、前
記支持ブロックは、鋼製であり、前記支持面の硬化処理
は、熱硬化処理であることを特徴とする。このように構
成することにより、支持ブロックの支持面の硬化処理を
簡単且つ低コストで行うことができる。
【0007】また、請求項3に係る発明においては、前
記支持板の少なくとも前記転動面も硬化処理されている
ことを特徴とする。このように構成することにより、地
震発生時に転動面上をボールが転動した場合の、建築物
の重量による支持板の歪みを極力抑えることができるた
め、転動面上をボールが滑らかに転動することができ、
免震装置の機能を十分に引き出すことができる。
【0008】また、請求項4に係る発明においては、前
記転動面の硬化処理は、硬質クロムメッキ処理であるこ
とを特徴とする。このように構成することにより、転動
面の圧縮歪みを抑えることができ、免震装置の機能を十
分に引き出すことができる。
【0009】更に、請求項5に係る発明においては、前
記支持体全体が防錆処理されていることを特徴とする。
このように構成することにより、支持体の錆びつきによ
る劣化や破壊等を防ぐことができ、長期間に亘って免震
装置の機能を維持することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。まず、図1乃至図3を参照
して、実施形態に係る免震装置1について説明する。図
1は、基礎40と建築物41との間に介装される免震装
置1の断面図であり、図2は、免震装置1を構成するボ
ール保持体2の平面図であり、図3は、図2のA−Aで
切断した断面図であり、図4は、支持体4の中央に位置
する支持ブロック21の断面図である。
【0011】図1において、免震装置1は、基礎40と
建築物41との間に介装されるものであり、基礎40に
固定され且つ表面が中心に向かって下り傾斜する円錐形
状に形成される支持体4と、基礎40と建築物41とが
相対的に変位したときに支持体4上を転動するボール3
と、建築物41に固定され且つボール3を回転自在に保
持するボール保持凹部5が形成されるボール保持体2
と、から構成されている。
【0012】また、支持体4の外周の基礎40には、複
数箇所に亘ってL字状に屈曲したアンカーボルト23a
が埋設されている。アンカーボルト23aの上端部に
は、ネジ部が形成されると共に、その上端部が基礎40
の上面に突設し、突出したネジ部には、押さえ板25が
挿通されて取付ナット24が螺着されている。また、支
持体4の中央下部にもL字状に屈曲したアンカーボルト
23bが埋設されており、後述する支持ブロック21の
下面を支持している。なお、アンカーボルト23a,2
3bは、L字状のものに限らず、真直ぐな形状等のもの
であってもよい。
【0013】図2において、ボール保持体2は、平面視
でほぼ正方形状の上板15とほぼ円筒形状のボール保持
筒16とが一体的に、ステンレス鋳物により形成される
ものである。ボール保持筒16の外周4ヵ所には、ボー
ル保持筒16から上板15に亘って、ボール保持体2の
強度を高めるためのリブ14が形成されている。上板1
5の隅角部4ヵ所には、それぞれ取付座12が形成さ
れ、この取付座12の中心には、ボール保持体2を建築
物41に取り付けるための取付穴13が穿設されてい
る。
【0014】図3において、ボール保持筒16の内側
は、ボール3を回転自在に保持するボール保持凹部5と
して形成され、その上面中央には、球面の一部によって
湾曲面17が凹状に形成されている。この湾曲面17の
ほぼ中央には、溝穴部11が穿設されている。湾曲面1
7には、その表面に沿ってすべり軸受6が接着またはカ
シメ,ビスによって取り付けられている。また、このす
べり軸受6のほぼ中央には、前記溝穴部11とほぼ同じ
径で穴部7が穿設されている。なお、ボール保持凹部5
に保持されるボール3は、ステンレス又は軸受鋼により
ほぼ球状に形成されるものである。
【0015】すべり軸受6は、鋼裏金の表面に施された
多孔質金属層の孔隙とその表面に含浸被覆用組成物を含
浸及び被覆することにより形成されている。この含浸被
覆用組成物は、ボール3が摺動する表面摺動層として形
成されるものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)をベース樹脂とし、各種固体潤滑剤を
含浸被覆した材料から構成されている。このようなすべ
り軸受6は、摩擦摩耗特性,耐熱性,機械的強度等に優
れているため、すべり軸受6を広い温度領域や高荷重等
の過酷な条件下で使用した場合であっても、良好な摺動
特性を維持することができる。
【0016】一方、基礎40に固定される支持体4は、
支持体4の中央に位置する支持ブロック21と、支持ブ
ロック21の周囲に位置する平面視でほぼ円環状の支持
板22と、から構成されている。この支持体4は、図1
に示すように、停止壁20の上端面と基礎40の表面が
ほぼ同一面となる状態で、基礎40に対して埋設されて
いる。このように、支持体4を基礎40に対して埋設す
ることにより、建築物41の施工時に支持体4が障害物
とならないため施工し易く、また、免震装置1の取付の
省スペース化を図ることができる。
【0017】支持ブロック21は、ステンレス又は鋼板
により形成されるもので、図4に示すように、支持板2
2に嵌合する嵌合部30と、支持ブロック21の基体を
なすブロック基体31と、から構成され、嵌合部30と
ブロック基体31との間には、段差部32が形成されて
いる。嵌合部30の上面には、凹状に支持面33が形成
され、この支持面33は、高周波焼入れ又は熱硬化処理
等の硬化処理が施されている。
【0018】支持板22は、薄板のステンレス又は鋼板
により形成されるもので、中心に嵌合穴(図示しない)
が穿設される転動面19と、転動面19の外周縁に形成
される停止壁20とから構成されている。転動面19
は、中心に向かって下り傾斜する円錐形状に形成される
と共に、その表面に硬質クロムメッキ等の硬化処理が施
され、停止壁20は、転動面19の全周に亘って突設さ
れている。(図1に示すように、傾斜角θが設定されて
いる。) しかして、支持板22の中心の嵌合穴に支持ブロック2
1の嵌合部30を挿入し、段差部32を支持板22の裏
面に当接させ、この状態で、支持ブロック21と支持板
22を溶接,カシメ等により結合する。そして、支持体
4全体に錆止め材の塗布あるいはテフロン等の樹脂コー
ティング等による防錆処理を施すことにより支持体4が
組み立てられる。なお、硬質クロムメッキによる硬化処
理は、防錆効果も有するため、転動面19に硬質クロム
メッキを施した場合には、錆止め材の塗布あるいはテフ
ロン等の樹脂コーティング等の防錆処理は、転動面19
以外の面にのみ施してもよい。また、支持体4全体に硬
質クロムメッキを施すことで支持体4全体に防錆効果を
持たせてもよい。このように支持体4に防錆処理を施す
ことにより、支持体4の錆びつきによる劣化や破壊等を
防ぐことができ、長期間に亘って免震装置1の機能を維
持することができる。
【0019】しかして、上記したボール保持体2,ボー
ル3及び支持体4を用いて、免震装置1を組み立てるに
は、以下のように行う。まず、ボール保持体2のボール
保持凹部5内にボール3を載置する。このとき、ボール
3の一部が湾曲面17に取り付けられたすべり軸受6に
当接する。なお、すべり軸受6のほぼ中央には、前述し
たように、穴部7が穿設されているため、ボール3とす
べり軸受6との接触面積を調整でき、面圧依存性を利用
してボール3とすべり軸受6が摺動する際の摺動摩擦抵
抗を調整することができる。
【0020】ボール保持凹部5内にボール3を載置した
後、ボール保持凹部5の開口部に脱落防止材8を圧入す
ることにより取り付ける。この脱落防止材8は、ステン
レスにより形成されるもので、その縦断面がL字形状
で、中央に穴が穿設されて環状に形成されるものであ
る。圧入の際には、脱落防止材8の外周の垂直部分がボ
ール保持凹部5の内側面に当接した状態で挿入した後、
水平面がボール保持筒16の先端面とほぼ同じ位置にな
るまで圧入する。このように、脱落防止材8をボール保
持凹部5に取り付けた際、ボール3の一部がボール保持
凹部5から外側に突出することとなる。
【0021】脱落防止材8を取り付けた後、脱落防止材
8とボール3との間に生じる隙間から塵等がボール保持
凹部5内に侵入しないよう、脱落防止材8上に防塵枠9
を取り付ける。この防塵枠9は、ゴム又はプラスチック
の薄板により形成され、中央に穴が穿設されて環状に形
成されるものである。防塵枠9を脱落防止材8に取り付
けるには、防塵枠9に穿設された取付穴(図示しない)
に取付ネジ10を挿通し、脱落防止材8に穿設された取
付ネジ穴(図示しない)に螺着することにより行う。こ
うして取り付けられた防塵枠9の中央に穿設された穴の
外周が、脱落防止材8から突出したボール3の表面に密
着するため、脱落防止材8とボール3との間の隙間を塞
ぎ、ボール保持凹部5内に塵等が侵入し難くなる。な
お、防塵枠9は、ボール保持筒16の先端面にネジ止め
されるものであってもよい。
【0022】防塵枠9を取り付けた後、取付ボルト18
をボール保持体2の取付穴13に挿通し、建築物41の
下面に穿設された取付ネジ穴(図示しない)に螺着する
ことにより、ボール保持体2が建築物41に対して取り
付けられることとなる。
【0023】一方、支持体4を基礎40に対して設置す
るには、まず、停止壁20の上端面と基礎40の表面が
ほぼ同一面となる状態で支持体4を基礎40に対して埋
設した後、停止壁20の上端面に、アンカーボルト23
aに挿通した押さえ板25を当接させる。そして、この
押さえ板25の上方から取付ナット24をアンカーボル
ト23aに螺着することにより、図1に示すように、支
持体4が基礎40に対して取り付けられる。このとき、
基礎40の支持体4のほぼ中央に対応する基礎40の位
置にアンカーボルト23bが埋設されているため、この
アンカーボルト23bによって支持ブロック21の下面
を支持することとなる。なお、支持体4は、8箇所以上
のアンカーボルト23aにより固定されることが望まし
い。また、アンカーボルト23aは、前述のように、支
持体4の外周に埋設されたものばかりでなく、転動面1
9の下方に埋設され、その上端部が転動面19に穿設さ
れた取付穴から突出するように埋設されているものであ
ってもよい。この場合には、転動面19上に取付ナット
24が位置して支持体4を固定することとなる。また、
この場合には、転動面19の面積を十分に広くとること
が望ましい。
【0024】そして、上記した、建築物41に取り付け
られたボール保持体2を、基礎40に取り付けられた支
持体4上に載置することにより、免震装置1が組み立て
られ、基礎40と建築物41との間に介装されることと
なる。この状態において、ボール3は、支持体4の中心
部、即ち、支持ブロック21の支持面33上に位置する
こととなる。
【0025】しかして、上記のように組み立てられた免
震装置1を備えた基礎40及び建築物41が地震の影響
を受けた場合、基礎40に固定された支持体4が横揺れ
し、支持体4が横揺れすることによって、ボール3が支
持体4の転動面19上を転動する。このように、ボール
3が転動面19を転動することにより、横揺れが吸収さ
れるため、地震による揺れが建築物41に伝わり難く、
建築物41が地震から保護されることとなる。このと
き、前述したように、支持体4の転動面19の外周縁に
は、停止壁20が全周に亘って突設されているため、極
めて大きな揺れが生じてもボール3が転動面19から飛
び出してしまうことはない。そして、地震が止まった
後、建築物41がボール3を介して転動面19上を若干
揺れることになるが、この揺れは、すべり軸受6とボー
ル3との間のすべり摩擦抵抗によって徐々に収束し、や
がて建築物41は、転動面19の傾斜角によって基礎4
0に対して元の位置で停止することとなる。
【0026】前述したように、転動面19には、硬質ク
ロムメッキ等による硬化処理が施されているため、上記
のように、地震発生時に転動面19上をボール3が転動
した場合、建築物41の重量による支持板22の歪みを
極力抑えることができるため、転動面19上をボール3
が滑らかに転動することができ、免震装置1の機能を十
分に引き出すことができる。なお、前述したように、ボ
ール保持体2の湾曲面17のほぼ中央およびすべり軸受
6のほぼ中央には、溝穴部11および穴部7が穿設され
ているため、ボール3がすべり軸受6と摺動した際に発
生する粉塵をこの溝穴部11および穴部7に収めること
ができ、ボール保持凹部5内に飛散させることがない。
また、ボール3とすべり軸受6の摺動摩擦抵抗を調節す
るために、上述の溝穴部11および穴部7が穿設されて
いなくてもよい。
【0027】しかし、地震が発生していない状態、即
ち、基礎40に対して建築物41が静止している通常の
状態では、支持ブロック21の支持面33上にボール3
が位置しているため、支持ブロック21の支持面33で
建築物41の重量を常時保持することになり、支持ブロ
ック21だけが局部的に圧縮されて歪みが生じ易いが、
上記したように、支持面33には、窒化処理,浸硫処理
等の表面改質や高周波焼入れ等の熱硬化処理の硬化処理
が施されているため、圧縮による歪みを抑えることがで
きる。このように、圧縮歪みが発生し易い支持ブロック
21だけを硬化処理すればよく、支持体4全体を硬化処
理する必要がないため、建築物41静止時の圧縮歪みを
極力抑えた支持体4を、製造コストを上げることなく容
易に製作することができる。
【0028】なお、上記した実施形態(以下、第1実施
形態という)においては、免震装置1の支持体4は、基
礎40の表面から突出しない位置で基礎40に埋設され
ているものを示したが、基礎40に埋設されているもの
に限らず、基礎40の表面に取り付けられるものであっ
てもよい。このような実施形態(以下、第2実施形態と
いう)について、図5及び図6を参照して説明する。図
5は、第2実施形態に係る免震装置1の断面図であり、
図6は、第2実施形態に係る支持体4の中央に位置する
支持ブロック21の断面図である。なお、上記した免震
装置1に係る第1実施形態と同一の部品には、同一の符
号を付した。
【0029】図5において、基礎40に固定される支持
体4は、支持体4の中央に位置する支持ブロック21
と、支持ブロック21の周囲に位置する平面視でほぼ正
方形状の底板26を有するほぼ円形状の支持板22と、
から構成されている。この支持体4は、図5に示すよう
に、基礎40表面に設置されている。
【0030】支持ブロック21は、ステンレス又は鋼板
により形成されるもので、図6に示すように、その上面
には、凹状に支持面33が形成され、この支持面33
は、窒化処理,浸硫処理等の表面改質や高周波焼入れ等
の熱硬化処理の硬化処理が施されている。
【0031】支持板22は、ステンレス又は鋼板で切削
加工により形成されるもので、中心に嵌合穴(図示しな
い)が穿設される転動面19と、転動面19の外周縁に
形成される停止壁20とから構成されている。転動面1
9は、中心に向かって下り傾斜する(第1実施形態と同
じ傾斜角θが設定されている)円錐形状に形成されると
共に、その外周縁には、停止壁20が全周に亘って突設
されている。
【0032】しかして、支持板22の中心の嵌合穴に、
支持ブロック21を接着あるいは圧入等により取り付け
る。そして、第1実施形態と同様、支持体4全体あるい
は転動面19以外の面に錆止め材の塗布あるいはテフロ
ン等の樹脂コーティング等による防錆処理を施すか、ま
たは、支持体4全体に硬質クロムメッキを施すことによ
り支持体4が組み立てられる。
【0033】そして、第1実施形態と同様、建築物41
に取り付けられたボール保持体2を、基礎40に埋設さ
れた支持体4に載置することにより、免震装置1が組み
立てられ、基礎40と建築物41との間に介装されるこ
ととなる。なお、上記した第2実施形態に係る支持体4
は、基礎40の表面に設置されるものを示したが、第1
実施形態に示した支持体4と同様、停止壁20の上端面
と基礎40の表面がほぼ同一面となる状態で、基礎40
に対して埋設したものであってもよい。
【0034】また、上記した第1実施形態及び第2実施
形態においては、免震装置1の支持体4は、転動面19
が中心に向かって下り傾斜する円錐形状に形成されるも
のを示したが、中心に向かって下り傾斜する円錐形状に
形成されるものに限らず、平面状に形成されるものであ
ってもよい。このような実施形態(以下、第3実施形態
という)について、図7を参照して説明する。図7は、
第3実施形態に係る免震装置1の断面図である。なお、
上記した免震装置1に係る第1実施形態及び第2実施形
態と同一の機能を有する部品には、同一の符号を付し
た。
【0035】図7において、第3実施形態に係る免震装
置1において、建築物41に取り付けられるボール保持
体2及びボール3は、第1実施形態及び第2実施形態と
まったく同様の形状である。一方、基礎40に取り付け
られる支持体4は、第2実施形態における免震装置1の
支持板22の転動面19及び支持ブロック21の支持面
33を水平面にした以外は、まったく同様の形状であ
る。また、第3実施形態と第1実施形態及び第2実施形
態との相違点としては、第3実施形態においては、復帰
用ダンパ部材34が設置されていることである。図7に
おいて、第3実施形態における免震装置1の左右両側方
には、基礎40と建築物41とに亘って復帰用ダンパ部
材34が設置されている。この復帰用ダンパ部材34
は、基礎40及び建築物41に取り付けられる上下2つ
のフランジ部36と、ゴム等の弾性部材により形成され
て2つのフランジ部36を連結する弾性部35と、から
構成されている。この復帰用ダンパ部材34は、取付ボ
ルト(図示しない)をフランジ部36に穿設された取付
穴(図示しない)に挿通し、基礎40及び建築物41に
それぞれ螺着することにより取り付けられるものであ
り、地震後の建築物41の揺れが停止する際に、建築物
41を元の位置に戻す働きをするものである。即ち、地
震が止まった後、建築物41がボール3を介して転動面
19上を若干揺れることになるが、この揺れは、復帰用
ダンパ部材34の弾性部35の復元力及びすべり軸受6
とボール3との間のすべり摩擦抵抗によって徐々に収束
し、やがて建築物41は、復帰用ダンパ部材34の弾性
部35が元の形状に戻ることにより、基礎40に対して
元の位置に復帰して停止することとなる。なお、復帰用
ダンパ部材34として、免震装置1の左右両側に取り付
けられるものを示したが、免震装置1の左右両側に取り
付けられるものに限らず、基礎40と建築物41との間
で任意の位置に取り付けられるものであっても良い。
【0036】また、上記した第3実施形態においては、
支持板22の転動面19及び支持ブロック21の支持面
33が水平面に形成されたものを示したが、水平面に形
成されたものに限らず、第1実施形態及び第2実施形態
と同様に、支持板22の転動面19が中心に向かって下
り傾斜する円錐形状に形成され、支持ブロック21の支
持面33が湾曲状に形成されるものに復帰用ダンパ部材
34が設置してもよい。
【0037】なお、本発明は、上記した実施形態に限定
されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変
更して実施し得るものである。
【0038】以上、実施形態について詳細に説明してき
たが、本実施形態においては、基礎40と建築物41と
の間に介装されて該建築物41を水平方向に移動可能に
支持する免震装置1において、該免震装置1は、前記基
礎40に固定される支持体4と、前記建築物41に固定
され且つ前記基礎40と前記建築物41とが相対的に変
位したときに前記支持体4上を転動するボール3を回転
自在に保持するボール保持体2と、から構成され、前記
支持体4は、該支持体4の中央に位置し且つ前記建築物
41の静止時に前記ボール3を支持する支持面33が硬
化処理された支持ブロック21と、該支持ブロック21
の周囲に位置し且つ前記建築物41が変位したときに前
記ボール3が転動する転動面19を有する支持板22
と、から構成されていることにより、建築物41の静止
時に建築物41の重量によって圧縮歪みが発生し易い支
持ブロック21の支持面33だけを硬化処理すればよい
ため、支持体4全体を硬化処理する必要がない。このた
め、建築物41静止時の圧縮歪みを極力抑えた支持体4
を、製造コストを上げることなく容易に製作することが
できる。
【0039】また、本実施形態においては、前記支持ブ
ロック21は、鋼製であり、前記支持面33の硬化処理
は、表面改質や熱硬化処理であることにより、支持ブロ
ック21の支持面33の硬化処理を簡単且つ低コストで
行うことができる。
【0040】また、本実施形態においては、前記支持板
22の少なくとも前記転動面19が硬化処理されている
ことにより、地震発生時に転動面19上をボール3が転
動した場合の、建築物41の重量による支持板22の歪
みを極力抑えることができるため、転動面19上をボー
ル3が滑らかに転動することができ、免震装置1の機能
を十分に引き出すことができる。
【0041】また、本実施形態においては、前記転動面
19の硬化処理は、硬質クロムメッキ処理であることに
より、転動面19の圧縮歪みを抑えることができ、免震
装置1の機能を十分に引き出すことができる。
【0042】更に、本実施形態においては、前記支持体
4全体が防錆処理されていることにより、支持体4の錆
びつきによる劣化や破壊等を防ぐことができ、長期間に
亘って免震装置1の機能を維持することができる。
【0043】なお、上記した実施形態においては、支持
板22の転動面19に硬質クロムメッキ等の硬化処理を
施したものを示したが、硬化処理を施さず、支持体4全
体に防錆処理を施したものであってもよい。
【0044】
【発明の効果】以上、説明したところから明らかなよう
に、請求項1に係る発明においては、建築物の静止時に
建築物の重量によって圧縮歪みが発生し易い支持ブロッ
クの支持面だけを硬化処理すればよいため、支持体全体
を硬化処理する必要がない。このため、建築物静止時の
圧縮歪みを極力抑えた支持体を、製造コストを上げるこ
となく容易に製作することができる。
【0045】また、請求項2に係る発明においては、支
持ブロックの支持面の硬化処理を簡単且つ低コストで行
うことができる。
【0046】また、請求項3に係る発明においては、地
震発生時に転動面上をボールが転動した場合の、建築物
の重量による支持板の歪みを極力抑えることができるた
め、転動面上をボールが滑らかに転動することができ、
免震装置の機能を十分に引き出すことができる。
【0047】また、請求項4に係る発明においては、転
動面の圧縮歪みを抑えることができ、免震装置の機能を
十分に引き出すことができる。
【0048】更に、請求項5に係る発明においては、支
持体の錆びつきによる劣化や破壊等を防ぐことができ、
長期間に亘って免震装置の機能を維持することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】基礎と建築物との間に介装される免震装置の断
面図である。
【図2】免震装置を構成するボール保持体の平面図であ
る。
【図3】図2のA−Aで切断した断面図である。
【図4】支持体の中央に位置する支持ブロックの断面図
である。
【図5】第2実施形態に係る免震装置の断面図である。
【図6】第2実施形態に係る支持体の中央に位置する支
持ブロックの断面図である。
【図7】第3実施形態に係る免震装置の断面図である。
【符号の説明】
1 免震装置 2 ボール保持体 3 ボール 4 支持体 5 ボール保持凹部 6 すべり軸受 19 転動面 21 支持ブロック 22 支持板 23a,23b アンカーボルト 24 取付ナット 25 押さえ板 30 嵌合部 31 ブロック基体 32 段差部 33 支持面 40 基礎 41 建築物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴山 隆之 愛知県名古屋市北区猿投町2番地 大同メ タル工業株式会社内 Fターム(参考) 3J048 AA07 AC01 AD05 BG02 BG04 DA01 EA38

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎と建築物との間に介装されて該建築
    物を水平方向に移動可能に支持する免震装置において、 該免震装置は、前記基礎に固定される支持体と、前記建
    築物に固定され且つ前記基礎と前記建築物とが相対的に
    変位したときに前記支持体上を転動するボールを回転自
    在に保持するボール保持体と、から構成され、 前記支持体は、該支持体の中央に位置し且つ前記建築物
    の静止時に前記ボールを支持する支持面が硬化処理され
    た支持ブロックと、該支持ブロックの周囲に位置し且つ
    前記建築物が変位したときに前記ボールが転動する転動
    面を有する支持板と、から構成されていることを特徴と
    する免震装置。
  2. 【請求項2】 前記支持ブロックは、鋼製であり、前記
    支持面の硬化処理は、熱硬化処理であることを特徴とす
    る請求項1記載の免震装置。
  3. 【請求項3】 前記支持板の少なくとも前記転動面も硬
    化処理されていることを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載の免震装置。
  4. 【請求項4】 前記転動面の硬化処理は、硬質クロムメ
    ッキ処理であることを特徴とする請求項3に記載の免震
    装置。
  5. 【請求項5】 前記支持体全体が防錆処理されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    の免震装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004144135A (ja) * 2002-10-22 2004-05-20 Nippon Pillar Packing Co Ltd 滑り部材及びその製作方法
JP2013227769A (ja) * 2012-04-25 2013-11-07 Seiichi Ishii 免震装置
KR101465335B1 (ko) * 2013-05-22 2014-11-25 장성철 롤링부의 중심부와 주변부의 재질을 서로 다르게 형성한 면진장치

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