JP4945507B2 - クリップナット - Google Patents

クリップナット Download PDF

Info

Publication number
JP4945507B2
JP4945507B2 JP2008116525A JP2008116525A JP4945507B2 JP 4945507 B2 JP4945507 B2 JP 4945507B2 JP 2008116525 A JP2008116525 A JP 2008116525A JP 2008116525 A JP2008116525 A JP 2008116525A JP 4945507 B2 JP4945507 B2 JP 4945507B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nut
clip
washer
bolt
metal plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008116525A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009264522A (ja
Inventor
輝夫 中上
忠一 相葉
哲也 田中
弘行 本徳
矢島  隆
Original Assignee
輝夫 中上
西日本高速道路株式会社
株式会社丸エム製作所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 輝夫 中上, 西日本高速道路株式会社, 株式会社丸エム製作所 filed Critical 輝夫 中上
Priority to JP2008116525A priority Critical patent/JP4945507B2/ja
Publication of JP2009264522A publication Critical patent/JP2009264522A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4945507B2 publication Critical patent/JP4945507B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、ナットをクリップ本体に固定したものであって、ナット側に手が届きにくい、例えばH型鋼支柱と外装板のような被締結体を締結するのに好適なクリップナットに関する。
ナット及びボルトを用いた締結用部材に関して、本願発明者らは、強固な締結を可能にするために、特有形状のナットとワッシャ(座金)を有した締結用部材を提案している(例えば特許文献1、2)。
ところで、ナット及びボルトを用いて被締結体を締結する際に、その構造上裏面側、すなわちナット側に手が届きにくく、締結作業が困難になることがしばしば生ずる。このような場合、クリップナットと称される締結用部材は、締結作業を容易に行えるものとして好適に用いられる。クリップナットは、ナットと、ボルト挿通孔を有した対向する略長四角形状の挟持片とこれらを連結する連結片により大略コ字状をなす、被締結体を挟持するためのクリップ本体と、を備える。ナットは、例えば特許文献3に記載されているように溶接、又は、例えば特許文献4に記載されているように係止により、一方の挟持片の外方においてクリップ本体と一体になるように固定される。このようなクリップナットは、被締結体を挟持して、他方の挟持片の外方からボルトの雄ねじ部を挿通してナットに螺合させ、ボルトを回動していくことにより、ボルトの頭部が位置する側だけで締結作業を行うことができる。
クリップナットにおける締結後の緩み止め強化のために、特許文献3においては、ナットを加工してクリップ本体の挟持片と反対側の内部に薄板状の摩擦抵抗部を取り付け、ボルトとの摩擦力を増加させようとしている。また、特許文献4においては、ナットを加工してクリップ本体の挟持片と近接する側の外郭に溝を設け、ばね座金を外れないように係合して取り付け、ばね座金の反発力により緩み止めを強化しようとしている。
特開2002−206515号公報 特開2007―211892号公報 実開平2―24121号公報 特開2000−310212号公報
しかしながら、ボルトだけを回動させて締結作業を行うクリップナットでは、ボルトとナットをともに回動させることができる通常の締結用部材と同等の緩み止め効果を得ることは難しく、特許文献3、4に記載の技術を用いても、高速道路等においてH型鋼支柱と外装板のような被締結体を締結し、十分な緩み止め効果を得ることは必ずしも容易ではない。
本発明は係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、強力な緩み止め効果を容易に得ることができるクリップナットを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載のクリップナットは、外郭形状が角柱状であり、雌ねじ部の一方の開口部周辺に軸対称でかつ断面視略台形状の嵌合凹部を有するナットと、軸対称でかつ側面視略台形状に基部の中央部から突出形成した嵌合突出部を有するとともに、嵌合突出部にボルトの雄ねじ部が挿通するボルト挿通孔を有し、しかもボルト挿通孔が嵌合突出部の中心位置から偏心しているワッシャと、ボルト挿通孔を有した対向する挟持片とこれらを連結する連結片により大略コ字状をなし、一方の挟持片には、ボルト挿通孔を含む領域であってワッシャを支持するワッシャ支持部、ワッシャ支持部との間に空間を形成するようにその両側から外方に突出してナットが嵌るナット挿通孔が設けられたナット固定部、を有する被締結体を挟持するためのクリップ本体と、を備え、前記クリップ本体は、前記ワッシャの嵌合突出部が軸方向及び径方向に遊びを持ってナットの嵌合凹部に嵌合した状態でワッシャを設置するようにワッシャ支持部及びナット固定部が形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載のクリップナットは、請求項1に記載のクリップナットにおいて、外郭形状が前記ナットの嵌合凹部の内径に略等しい外径の円柱状であり、挿通されるボルトの雄ねじ部の外径に略等しい内径のボルト挿通孔を有する弾性体ワッシャを更に備えることを特徴とする。
請求項3に記載のクリップナットは、請求項1又は2に記載のクリップナットにおいて、前記クリップ本体は、対向する挟持片とこれらを連結する連結片により大略コ字状をなし、一方の挟持片は、前記ナット固定部を有した第1の金属製板部材と、前記ワッシャ支持部をなして両端部が第1の金属製板部材に当接する第2の金属製板部材と、により構成され、第2の金属製板部材の両端部が第1の金属製板部材に固着されてそれらの内側には隆起部が形成されていること、又は、第2の金属製板部材の一方の端部が第1の金属製板部材に固着され他方の端部が第1の金属製板部材に固着されていないことを特徴とする。
請求項4に記載のクリップナットは、請求項1乃至3のいずれかに記載のクリップナットにおいて、前記クリップ本体は、ナット固定部のナット挿通孔の周縁の少なくとも2箇所からナットを被覆するように外方に突出し、中央にボルト通過孔が形成されているナット被覆部を更に有することを特徴とする。
請求項5に記載のクリップナットは、請求項4に記載のクリップナットにおいて、前記ナット被覆部のボルト通過孔の周縁から内側に向かって、ボルトと係合する複数の係合突起片が設けられ、該係合突起片の先端を結んで形成される円の直径はナットの雌ねじ部の内径よりも小さいことを特徴とする。
本発明のクリップナットによれば、ワッシャ支持部及びナット固定部は、ワッシャの嵌合突出部が軸方向及び径方向に遊びを持ってナットの嵌合凹部に嵌合した状態でワッシャを設置するように形成されているので、ボルトの雄ねじ部を挿通してナットに螺合させ、ボルトを回動していくにつれて嵌合突出部の中心軸と嵌合凹部の中心軸が一致するようにワッシャが移動し、そして、ワッシャのボルト挿通孔の周縁の一部がボルトの雄ねじ部に噛み合って集中的な径方向の力をかけるため、ワッシャとボルトが強く結合して強力な緩み止め効果を容易に得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照しながら説明する。図1(a)、(b)はそれぞれ、本発明の第1の実施形態に係るクリップナット1の平面図、側面図、図2はクリップナット1の側面視断面図である。クリップナット1は、ナット2、ワッシャ3、弾性体ワッシャ4、クリップ本体5が一体に構成された締結用部材であり、後述のボルト7とともに用いられるものである。このボルト7は、従来から広く用いられ、クリップナット1とともに或いはクリップナット1とは関係なく市場に提供されるものである。なお、図1(a)(及び後述するクリップナット全体やクリップ本体を示す全ての平面図も同様)において、説明の理解のために隠れている部分(ワッシャ3や弾性体ワッシャ4などを除く)を点線で表示している。
図3はナット2を示すもので、(a)は側面視断面図、(b)は底面図である。ナット2は、外郭形状が角柱状(例えば正六角形の角柱)であり、ボルト7の雄ねじ部71と噛み合う雌ねじ部21がその中心に形成されている。このナット2は、雌ねじ部21の一方(図3(a)において下方側)の開口部周辺に軸対称でかつ断面視略台形状の嵌合凹部22が形成されている。ここで、軸対称とはナット2の中心軸Tに関して対称の意である。この嵌合凹部22は、詳細には、側面22Aと底面22Bからなる。側面22Aは、更には、開放側端縁22aから底面22Bに向かって傾斜角θで傾斜する第1の側面22Aaと、第1の側面22Aaに連続して底面22Bまで形成されており傾斜角θよりも傾斜が急で垂直か或いはほとんど垂直な第2の側面22Abと、からなる。図3(b)において、開放側端縁22aが描く円、第1の側面22Aaと第2の側面22Abの交点22bが描く円、第2の側面22Abと底面22Bの交点22cが描く円、雌ねじ部21の山21a(雌ねじ部21の内径)が描く円は、中心軸T上のh点を中心とした実質的に同心円である。
図4は、ワッシャ3を示すもので、(a)は平面図、(b)は側面視断面図である。ワッシャ3は、基部31の中央部からナット2の嵌合凹部22に嵌合するよう軸対称で側面視略台形状に外方に突出する嵌合突出部32が形成されている。嵌合突出部32は、詳細には、傾斜面32Aと頂面32Bとを有する。上記軸対称とは、傾斜面32Aがその中心軸Xに関して対称に設けられているという意である。頂面32Bは中心軸Xに対し略直交し、それにはボルト挿通孔32Cが形成されている。ワッシャ3の基部31と傾斜面32Aとの交点32aが描く円、傾斜面32Aと頂面32Bとの交点32bが描く円の中心位置は、中心軸X上のi点にある。ボルト挿通孔32Cの内周縁32cが描く円の中心位置は、中心軸Xとは異なる中心軸Y上のj点にある。従って、ボルト挿通孔32Cの中心位置j点は嵌合突出部32の中心位置i点から偏心している。
ワッシャ3の傾斜面32Aの位置等や傾斜面32Aの傾斜角φは、締結作業時にナット2の嵌合凹部22の側面22Aに嵌合突出部32が平面的に重合し、それらが適切に接触できるように設定する。そのため、傾斜面32Aと頂面32Bとの交点32bが描く円の直径は、ナット2の嵌合凹部22の開放側端縁22aが描く円の直径よりも小さくなるようにする。そして、望ましくは、交点32bが描く円の直径は、ナット2の第1の側面22Aaと第2の側面22Abの交点22bが描く円よりも大きくなるようにする。また、望ましくは、傾斜角φはナット2の嵌合凹部22の第1の側面22Aaの傾斜角θよりも小さく設定する。例えば、傾斜角θを中心軸Tに対して約30度として傾斜角φを中心軸Xに対して約20度とする。そうすると、後述の締結作業において、嵌合凹部22の側面22Aが嵌合突出部32に接触するときには、嵌合凹部22の第1の側面22Aaが嵌合突出部32の交点32bに接触することになる。そして、嵌合凹部22の側面22Aが嵌合突出部32を押圧するときは、交点32bは基部31から離れた位置にあるため、嵌合突出部32が変形し易い。また、交点32bの部分は実際に製造すると自然に緩やかな曲線になっている(自然Rが付いている)ため、嵌合凹部22の側面22Aが嵌合突出部32を押圧する力の方向が安定し、また、嵌合凹部22の側面22Aと嵌合突出部32の接触点における滑り抵抗も小さい。
図5は、弾性体ワッシャ4を示すものであり、(a)は平面図、(b)は側面視断面図である。弾性体ワッシャ4は、締結に際してはナット2の嵌合凹部22の奥側に嵌め込まれるものである。弾性体ワッシャ4は、ナット2の嵌合凹部22の内径に略等しい外径の円柱状の外郭形状であり、ボルト7の雄ねじ部71の外径(最大の径)に略等しい内径のボルト挿通孔41を有して平板状をなしている。弾性体ワッシャ4の外周縁43とボルト挿通孔41を形成する内周縁42とは実質的に同心円である。さらに詳細には、内周縁42の径(弾性体ワッシャ4の内径)は、締結時にボルト7の雄ねじ部71との間に隙間が生じないように、ボルト7の雄ねじ部71の外径と同じか若干小さいことが望ましい。厚みは、締結したときに嵌合凹部22の側面22Aと嵌合突出部32との接触を阻害しないように、少なくとも嵌合凹部22の深さよりも小さくしている。また、弾性体ワッシャ4において嵌合突出部32側になる面44は、締結したときにボルト7の雄ねじ部71と嵌合突出部32との接触を阻害しないように、平坦(突起がない)であることが望ましい。弾性体ワッシャ4の材質は、ゴム(例えば、耐候性が優れたネオプレーン系のゴム)とするのが望ましいが、シリコンその他合成樹脂等の同様の弾性を有するものであればよい。
図6は、クリップ本体5を示すもので、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は側面視断面図である。クリップ本体5は、ボルト挿通孔51A、51Bを有した対向する略長四角形状の挟持片50a、50bとこれらを連結する連結片50cにより大略コ字状をなしており、挟持片50a、50bにより被締結体を挟持する。また、一方の挟持片50aには、ボルト挿通孔51Aを含む領域であってワッシャ3を支持するワッシャ支持部52と、ワッシャ支持部52との間にワッシャ3を設置できる空間Sを形成するようにその長手方向の両側から外方に側面視略台形状に突出し、ナット2を嵌めて固定するようにナット挿通孔53Aが設けられたナット固定部53と、を有する。ナット挿通孔53Aは、ナット2の外郭とほぼ同じ大きさ、同じ形状である。なお、挟持片50a、50bの長手方向の長さはほぼ同じ程度であり、一方の挟持片50aの連結片50cと反対側の端部54は、被締結体を差し込み易いように、折曲して斜めに開いている。
クリップ本体5は、具体的には、厚みが例えば0.8〜1.0mmの第1の金属製板部材5Aと、厚みが例えば0.5mmの第2の金属製板部材5Bとにより構成されている。すなわち、第1の金属製板部材5Aは、第2の金属製板部材5Bとともに一方の挟持片50aを構成する部分と、他方の挟持片50bと、これらを連結する連結片50cにより大略コ字状をなしている。第1の金属製板部材5Aの一方の挟持片50aを構成する部分には、ナット固定部53や斜めに開いた端部54が形成されている。また、第2の金属製板部材5Bは、第1の金属製板部材5Aとともに一方の挟持片50aを構成し、平板状であって中央にボルト挿通孔51Aを有し、それを含む領域がワッシャ3を支持するワッシャ支持部52となっている。第2の金属製板部材5Bの長手方向の両端部は、第1の金属製板部材5Aに当接されており、その当接部M1、M2において例えば溶接により固着されている。これにより、第1の金属製板部材5Aに突出形成したナット固定部53を第2の金属製板部材5Bが塞ぐこととなって空間Sが形成される。また、第2の金属製板部材5Bの当接部M1、M2の各内側には側面視三角形状に隆起した隆起部5Ba、5Baが形成されている。また、望ましくは、設置されるワッシャ3を囲むようにナット側に向かって例えば同図に示す4個の突起52A、52A、・・・のような、ワッシャ3の奥行き方向(長手方向に対して垂直方向)への離脱防止の離脱防止用突起を形成する。また、望ましくは、第2の金属製板部材5Bと第1の金属製板部材5Aとの位置合わせのため、各当接部M1、M2における第1の金属製板部材5A側か第2の金属製板部材5B側に複数個(例えば2個)の孔55、55を形成し、それらに対応する第2の金属製板部材5B側か第1の金属製板部材5A側の位置に突起55A、55Aを形成する。そして、孔55、55と突起55A、55Aを嵌合し、スポット溶接して1又は複数の接着部55Bを設ける。
以上説明したナット2、ワッシャ3、弾性体ワッシャ4、クリップ本体5が、図1及び図2に示すように、一体になるように組み込まれ、クリップナット1を構成する。弾性体ワッシャ4は、ナット2の嵌合凹部22の奥側に嵌め込まれる。ナット2は、嵌合凹部22がワッシャ3の嵌合突出部32に対向できるように、クリップ本体5のナット挿通孔53Aに嵌め込まれ、複数(例えば4個)の接着部53B、53B、・・・においてナット挿通孔53Aの周縁に溶接されることにより、クリップ本体5に固定される。ワッシャ3は、クリップ本体5のワッシャ支持部52により支持され、嵌合突出部32が軸方向及び径方向に遊びを持ってナット2の嵌合凹部22に浅く嵌合した状態で設置される。つまり、クリップ本体5は、ワッシャ3の嵌合突出部32が軸方向及び径方向に遊びを持って嵌合凹部22に嵌合した状態でワッシャ3を設置するようにワッシャ支持部52及びナット固定部53が形成されているのである。ワッシャ3のボルト挿通孔32Cの中心位置j点は、上述のように、嵌合突出部32の中心位置i点から偏心しているが、その偏心の方向は、クリップ本体5の長手方向、奥行き方向のどちらでもよい。
次に、クリップナット1を用いた締結構造体及びクリップナット1の作用効果を図7に基づいて説明する。この締結構造体の締結作業は、ボルト7の頭部72が位置する側だけで行う。図7はこの締結構造体の側面視断面図であって、(a)は締結作業途中状態、(b)は締結作業完了状態のものである。
対向する挟持片50a、50bの間に被締結体8(例えばH型鋼支柱)を挟み入れ、被締結体9(例えば外装板)を位置合わせし、被締結体9のボルト挿通孔9A、ボルト挿通孔51B、被締結体8のボルト挿通孔8A、ボルト挿通孔51Aの順に、ボルト7の雄ねじ部71を挿通し、ナット2の雌ねじ部21に雄ねじ部71を螺合させる。このとき、ワッシャ3は、その嵌合突出部32が軸方向及び径方向に遊びを持ってナット2の嵌合凹部22に浅く嵌合した状態で設置されているので、ボルト7の雄ねじ部71の挿通を妨げないように、軸方向及び径方向に移動する。
ボルト7を回動させていくと、クリップ本体5のナット固定部53は、その突出の高さが低くなるように形状変化する。ここで、突出の高さが低くなるにつれて、第1の金属製板部材5Aに当接部M1、M2で固着された第2の金属製板部材5Bの両方の端部は長手方向に拡がろうとし、それにより隆起部5Ba、5Baが拡がる。そうすることで、ナット固定部53の形状変化を阻止しないようにすることができる。そして、図7(a)に示すように、ナット2の嵌合凹部22の第1の側面22Aaが嵌合突出部32に接触すると、嵌合突出部32の中心軸Xと嵌合凹部22(ナット2)の中心軸Tが一致する方向にワッシャ3は移動する。ボルト7を更に回動させていくと、嵌合凹部22の第1の側面22Aaが嵌合突出部32を押圧し、嵌合突出部32は中心軸Xの方向に変形しつつ、徐々にナット2の嵌合凹部22に嵌まり込んでいく。
そして、最後にボルト7を強く締め付けると、ワッシャ3のボルト挿通孔32Cの中心位置j点と嵌合突出部32の中心位置i点とは前述のように偏心している(ボルト挿通孔32Cの中心軸Yと嵌合突出部32の中心軸Xとは異なる)ため、大きな締め付けトルクにより、ボルト挿通孔32Cの周縁は、一部がボルト7の雄ねじ部71と接触して強く反発し合いながら楔として噛み合う形になる(図7(b)参照)。こうして、嵌合突出部32とボルト7の雄ねじ部71の接触部分Aにおいて集中的な大きな径方向の力がかかり、嵌合突出部32とボルト7が互いに押し付け合ってワッシャ3とボルト7間の強力な緩み止め効果が得られる。更には、ワッシャ3とボルト7の雄ねじ部71の接触部分Aにおける力が中心軸T(中心軸X)に対して反対側の雄ねじ部71とナット2の接触部分Bに伝達され、そこにも集中的な横方向の力がかかる。よって、その箇所においてボルト7とナット2が互いに押し付けあい、ボルト7とナット2間の強力な緩み止め効果が得られる。
また、弾性体ワッシャ4の作用効果は以下のとおりである。すなわち、ボルト挿通孔32Cの周縁がボルト7の雄ねじ部71と噛み合うときには、ボルト挿通孔32Cの周縁と雄ねじ部71の接触部分Aの面積は小さく、その他のボルト挿通孔32Cの周縁と雄ねじ部71の間は、隙間である非接触部分が生じる。その隙間は、接触部分Aの中心の中心軸Xに対する反対側Cでは、かなり大きくなる。この雄ねじ部71とボルト挿通孔32Cの周縁の隙間は、図7(b)に示すように、弾性体ワッシャ4によって埋め込まれる。すなわち、弾性体ワッシャ4は、嵌合突出部32が嵌合凹部22に嵌まり込むにつれて弾性変形し、ボルト7の雄ねじ部71とボルト挿通孔32Cの周縁の隙間に突出してそれを埋めることになる。この弾性変形した弾性体ワッシャ4は、接触部分Aほどではないが、非接触部分においても径方向の力がかかり、雄ねじ部71とボルト挿通孔32Cの周縁が互いに押し付け合って緩み止め効果に寄与する。更には、弾性体ワッシャ4は、締結後において、微小振動の力を分散させてそれによる緩みを抑制し脱落を抑止する。
また、このボルト挿通孔32Cの周縁とボルト7の雄ねじ部71の接触部分Aの集中的な径方向の力は、最後にボルト7を強く締め付けるときにかかるのであるから、それまでの締結作業ではボルト7を回動するのに必要なトルクは比較的小さいものである。このことは、クリップナット1により被締結体8、9の仮止めを手作業で行い、最後に電動器具を用いて締め付けを行う場合などに好適であり、作業効率が非常に良いものとなる。また、最後にボルト7を強く締め付けるとき、雄ねじ部71と雌ねじ部21の摩擦によりボルト7の回動に伴ってナット2が共回りしようして、ナット2とナット固定部53の接触部分に強い力がかかるが、ボルト挿通孔32Cの周縁とボルト7の雄ねじ部71の間に大きな径方向の力がかかることで、締め付けトルクによる力が分散され、ナット2とナット固定部53の接触部分に過度の力がかかって変形したりそこに亀裂が生じたりするのを防止することができる。
なお、最後にボルト7を強く締め付けるときに強い力がかかるナット2とナット固定部53の接触部分は、主に、溶接の接着部53B、53B、・・・であるが、ナット挿通孔53Aの内周全体もナット2を係止するため、接着部53B、53B、・・・に局所的にかかる力を低減する。
クリップナット1は、例えば以下のように実施形態を変形することが可能である。
ボルト挿通孔32Cの周縁とボルト7の雄ねじ部71の非接触部分の隙間を埋め込む弾性体ワッシャ4を、それについての上述の効果は得ることができないものの、要求される緩み止効果及び微小振動の程度によってはコスト削減等のため、省略することも可能である。
また、第1の金属製板部材5Aの端を第1の金属製板部材5Aと第2の金属製板部材5Bの一方の当接部M1までとし、第2の金属製板部材5Bを延長してそれに斜めに開いた端部54を形成することも可能である。図8は、そうした第1の金属製板部材5A’と第2の金属製板部材5B’により構成されたクリップ本体5’を含むクリップナット1’を示すもので、(a)は平面図、(b)は側面視断面図である。同図に示すように、端部54の角度の維持のために、角度固定部材5Bcを少なくとも1個、折曲部分に例えば溶接により固着する場合もある。この実施形態の変形例のようにすると、挟持片50a、50bの間に被締結体を差し込むときに、上記第2の金属製板部材5Bの端部が形成するような段差がないために、差し込み易い。
また、上記クリップナット1では、ボルト7を回動させてナット固定部53の突出の高さを低くする際にナット固定部53の形状変化を阻止しないようにするために、第2の金属製板部材5Bに隆起部5Ba、5Baを形成していたが、それに代えて、他方の当接部M2において第1の金属製板部材5Aと第2の金属製板部材5Bを固着せずに当接するだけするようにすることも可能である。図9はそうしたクリップ本体5’’を含むクリップナット1’’を用いた締結構造体の側面視断面図であって、(a)は締結作業途中状態、(b)は締結作業完了状態のものである。突出の高さが低くなるにつれて、第1の金属製板部材5Aに一方の当接部M1で固着された第2の金属製板部材5Bの一方の端部は長手方向に拡がろうとし、他方の当接部M2の端部は元に位置からずれていく。そうすることで、ナット固定部53の形状変化を阻止しないようにすることができる。
また、第1の金属製板部材5Aにワッシャ支持部52を形成し、第2の金属製板部材5Bにナット固定部53を突出形成することにより、その間にワッシャ3を設置できる空間Sを形成することも可能である。図10(a)、(b)はそれぞれ、そうした第1の金属製板部材5A’’’と第2の金属製板部材5B’’’により構成されたクリップ本体5’’’を含むクリップナット1’’’の平面図、側面視断面図である。第2の金属製板部材5B’’’には鍔部分が設けられ、それらが第1の金属製板部材5A’’’に例えば溶接により固着される当接部M1、M2となる。第2の金属製板部材5B’’’には、前述の隆起部5Ba、5Baも形成されている。その他の構造は、前述のクリップナット1と同様である。このクリップナット1’’’は、比較的厚みが少ない第2の金属製板部材5B’’’のナット固定部53にナット2が固定されているので、締結作業時に、ナット固定部53が容易に形状変化することができる。反面、最後にボルト7を強く締め付けるときにナット2との接触部分であるナット挿通孔53Aの内周が変形し易くなる場合もある。また、クリップナット1’’’は、最後にボルト7を強く締め付けるときの力がナット2から当接部M1、M2に伝播する。従って、その力を、当接部M1、M2における孔55、55及びそれらに嵌合する突起55A、55Aとの接触部分で吸収できるように、その接触部分の強度を高めておくのが望ましい。
次に、本発明の第2の実施形態に係るクリップナット1Xを説明する。図11(a)、(b)、(c)はそれぞれ、クリップナット1Xの平面図、側面図、側面視断面図である。クリップナット1Xのクリップ本体5Xには、ナット固定部53のナット挿通孔53Aに嵌め込まれたナット2を被覆するように、ナット挿通孔53Aの周縁の少なくとも2箇所から外方に突出したナット被覆部56が設けられている。ナット被覆部56の中央にはボルト通過孔56Aが形成されている。ここでは、ナット2は、ナット固定部53のナット挿通孔53Aの周縁に溶接等により固着されていない。また、第2の金属製板部材5BXは前述の第2の金属製板部材5Bとほぼ同様であるが、隆起部5Ba、5Baが形成されていない。その他は、クリップナット1と同様である。
ナット被覆部56は、具体的には、厚みが例えば第2の金属製板部材5BXより少し厚めの第3の金属製板部材5Cを用いて構成し、鍔部分56a、56aを設け、それらをナット固定部53に当接し、その当接部M3、M4において例えば溶接により固着する。望ましくは、ナット被覆部56とナット固定部53との位置合わせのため、各当接部M3、M4におけるナット被覆部56側かナット固定部53側に複数個(例えば2個)の孔57、57を形成し、それらに対応するナット固定部53側かナット被覆部56側の位置に突起57A、57Aを形成する。そして、孔57、57と突起57A、57Aを嵌合し、スポット溶接して1又は複数の接着部57Bを設ける。また、望ましくは、ナット2の外郭の周囲に配するように、例えば同図に示す4個の突設部56b、56b、・・・のような、ナット2の奥行き方向への離脱防止の離脱防止用突設部を形成する。
図12はクリップナット1Xを用いた締結構造体の側面視断面図であって、(a)は締結作業途中状態、(b)は締結作業完了状態のものである。クリップナット1Xを用いた締結構造体及びクリップナット1Xの作用効果は、第1の実施形態のクリップナット1とほぼ同様であるが、ナット2はナット挿通孔53Aの周縁に固着されていないので、ボルト7の回動につれてナット2はナット挿通孔53Aの周縁に接触しつつ軸方向に移動し、ワッシャ3の嵌合突出部32はナット2の嵌合凹部22に嵌まり込んでいく。従って、ナット固定部53は形状変化しない。また、最後にボルト7を強く締め付けるときには、ナット挿通孔53Aの内周全体又はナット被覆部56の側部によってナット2が共周りしないようにナット2が係止される。
このクリップナット1Xは、ナット2とクリップ本体5Xとを溶接などにより固着していないので、その固着(溶接)コストを削減できる。また、ナット2とクリップ本体5Xとを容易に異なる材質により形成することができ、具体的には、ナット2は鉄(例えば、亜鉛等でメッキした鉄)、クリップ本体5Xはステンレスとすることができ、それにより、屋外において錆が発生しにくく耐候性が良好で、かつ、低コストの締結構造体を得ることが可能になる
クリップナット1Xは、例えば以下のように実施形態を変形することが可能である。すなわち、ワッシャ支持部52を第1の金属製板部材5Aにより形成し、ナット固定部53を第2の金属製板部材5BXにより形成することも可能である。図13はそうした第1の金属製板部材5AX’、第2の金属製板部材5BX’、第3の金属製板部材5Cにより構成されたクリップ本体5X’を含むクリップナット1X’を示すもので、(a)は平面図、(b)は側面視断面図である。第2の金属製板部材5BX’と第3の金属製板部材5Cを1個の部材で形成し、それにナット固定部53及びナット被覆部56を形成してもよい。
次に、本発明の第3の実施形態に係るクリップナット1Yを説明する。図14はクリップナット1Yの平面図である。また、図15は、クリップナット1Yとそれと組み合わされるボルト7Yを用いた締結構造体の締結作業完了状態の側面視断面図である。
クリップナット1Yのクリップ本体5Yを構成する第3の金属製板部材5CYには、ナット被覆部56のボルト通過孔56Aの周縁の複数個所(例えば、4箇所)から内側に向かって、後述のボルト7Yの係合溝73と係合する係合突起片56c、56c、・・・が設けられている。その他は、クリップナット1Xと同様である。
ボルト7Yは、クリップナット1Yとともに用いられるに適した特殊形状のものである。ボルト7Yは、雄ねじ部71Yの端からねじ山1〜3個程度の雄ねじ端部71Yaを残して中間部に、ねじ山のない環状の係合溝73が設けられている。雄ねじ部71Yの頭部72側の残りは雄ねじ本部71Ybである。係合溝73の軸方向の長さは、雄ねじ端部71Yaから雄ねじ本部71Ybに連続してナット2の雌ねじ部21が螺合するように、ナット2の雌ねじ部21の軸方向の長さよりも短いのが望ましい。また、係合溝73の深さは、後述の脱落防止の能力の点からは深い方が望ましく、少なくとも係合溝73の底部74の直径は雄ねじ部71Yの谷の径よりも小さい。
係合突起片56cの形状は特に限定されないが、例えば、台形状や三角形状である。係合突起片56c、56c、・・・の先端を結んで形成される円の直径は、ナット2の雌ねじ部21の内径よりも小さく、また、脱落防止の能力の点から、ボルト7Yの係合溝73の底部74の直径に略等しいか僅かに大きい。
係合突起片56c、56c、・・・は、次に説明するように、厚み方向に力がかかり変形するので、ナット被覆部56の材質は、バネ性を有し、形状が適切に回復できるものである必要がある。また、十分な強度を有しながら変形し易いように細長形状であるのが望ましい。
クリップナット1Yを用いた締結構造体及びクリップナット1Yの作用効果は、第2の実施形態について説明したものに、係合突起片56c、56c、・・・の効果が加えられる。すなわち、締結作業において、ボルト7Yの雄ねじ端部71Yaがボルト通過孔56Aに達し、係合突起片56c、56c、・・・に接すると、係合突起片56c、56c、・・・は厚み方向に力がかかり変形する。更にボルト7Yを回しボルト7Yの係合溝73がボルト通過孔56Aに達すると、係合突起片56c、56c、・・・は形状が回復して係合溝73と係合する。この係合状態で、最後にボルト7Yが強く締め付けられ、締結作業完了となる。なお、この係合状態から更に締め込まれ、ボルト7Yの雄ねじ本部71Ybがボルト通過孔56Aに達した状態で締結作業完了となっても構わない。
この締結作業完了後の締結構造体は、過度の振動その他の原因で仮に、ワッシャ3のボルト挿通孔32Cの周縁とボルト7Yの雄ねじ本部71Ybの接触部分において緩みが生じたとしても、又は、ナット被覆部56がクリップ本体5Yから外れたとしても、係合突起片56c、56c、・・・がボルト7Yの係合溝73と係合しているため、ボルト7Yやクリップナット1Yを構成する部材は、ほぼ位置関係が保たれたまま、脱落が防止されるものである。例えば、仮に、ボルト7Yの緩みが進行し雄ねじ端部71Yaが係合突起片56c、56c、・・・に接触した場合、図16に示すように、係合突起片56c、56c、・・・が雄ねじ端部71Yaとナット2の雌ねじ部21との間に挟まり、それらの螺合を阻止する。それによって、ボルト7Y、ナット2、クリップ本体5Yの位置関係がほぼ保たれ、それらの脱落が防止される。ナット側に手が届きにくい被締結体の裏面側などにおいては、もしクリップナットを構成する部材が脱落すると回収は困難であり、クリップナット1Yとボルト7Yを用いた締結構造体は特に有効である。
以上、本発明の実施形態に係る締結用部材について説明したが、本発明は、実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。例えば、実施形態に記載したナット2の嵌合凹部22、ワッシャ3の嵌合突出部32の大きさや細かな形状などは、それらが用いられる環境や被締結体に合わせて任意に変更可能である。また、第1の実施形態の変形例は、第2、第3の実施形態に対しても適宜適用可能であり、第2の実施形態の変形例は、第3の実施形態に対しても適宜適用可能である。
本発明の第1の実施形態に係るクリップナットを示すもので、(a)は平面図、(b)は側面図である。 同上のクリップナットを示す側面視断面図である。 同上のナットを示すもので、(a)は側面視断面図、(b)は底面図である。 同上のワッシャを示すもので、(a)は平面図、(b)は側面視断面図である。 同上の弾性体ワッシャを示すもので、(a)は平面図、(b)は側面視断面図である。 同上のクリップ本体を示すもので、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は側面視断面図である。 同上のクリップナットを用いた締結構造体の側面視断面図であり、(a)は締結作業途中状態のもの、(b)は締結作業完了状態のものである。 同上のクリップナットの変形例を示すもので、(a)は平面図、(b)は側面視断面図である。 同上のクリップナットの変形例を用いた締結構造体の側面視断面図であり、(a)は締結作業途中状態のもの、(b)は締結作業完了状態のものである。 同上のクリップナットの他の変形例を示すもので、(a)は平面図、(b)は側面視断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るクリップナットを示すもので、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は側面視断面図である。 同上のクリップナットを用いた締結構造体の側面視断面図であり、(a)は締結作業途中状態のもの、(b)は締結作業完了状態のものである。 同上のクリップナットの変形例を示すもので、(a)は平面図、(b)は側面視断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るクリップナットを示す平面図ある。 同上のクリップナットを用いた締結構造体の締結作業完了状態の側面視断面図である。 同上の締結構造体の脱落防止を説明するための側面視断面図である。
符号の説明
1、1X、1Y クリップナット
2 ナット
21 ナットの雌ねじ部
22 ナットの嵌合凹部
3 ワッシャ
31 ワッシャの基部
32 ワッシャの嵌合突出部
32C ワッシャのボルト挿通孔
5、5X、5Y クリップ本体
5A クリップ本体の第1の金属製板部材
5B、5BX クリップ本体の第2の金属製板部材
5C クリップ本体の第3の金属製板部材
50a、50b クリップ本体の挟持片
50c クリップ本体の連結片
51A、51B クリップ本体のボルト挿通孔
52 クリップ本体のワッシャ支持部
53 クリップ本体のナット固定部
53A クリップ本体のナット挿通孔
56 クリップ本体のナット被覆部
56A クリップ本体のボルト通過孔
56c クリップ本体の係合突起片
S 空間

Claims (5)

  1. 外郭形状が角柱状であり、雌ねじ部の一方の開口部周辺に軸対称でかつ断面視略台形状の嵌合凹部を有するナットと、
    軸対称でかつ側面視略台形状に基部の中央部から突出形成した嵌合突出部を有するとともに、嵌合突出部にボルトの雄ねじ部が挿通するボルト挿通孔を有し、しかもボルト挿通孔が嵌合突出部の中心位置から偏心しているワッシャと、
    ボルト挿通孔を有した対向する挟持片とこれらを連結する連結片により大略コ字状をなし、一方の挟持片には、ボルト挿通孔を含む領域であってワッシャを支持するワッシャ支持部、ワッシャ支持部との間に空間を形成するようにその両側から外方に突出してナットが嵌るナット挿通孔が設けられたナット固定部、を有する被締結体を挟持するためのクリップ本体と、を備え、
    前記クリップ本体は、前記ワッシャの嵌合突出部が軸方向及び径方向に遊びを持ってナットの嵌合凹部に嵌合した状態でワッシャを設置するようにワッシャ支持部及びナット固定部が形成されていることを特徴とするクリップナット。
  2. 請求項1に記載のクリップナットにおいて、
    外郭形状が前記ナットの嵌合凹部の内径に略等しい外径の円柱状であり、挿通されるボルトの雄ねじ部の外径に略等しい内径のボルト挿通孔を有する弾性体ワッシャを更に備えることを特徴とするクリップナット。
  3. 請求項1又は2に記載のクリップナットにおいて、
    前記クリップ本体は、対向する挟持片とこれらを連結する連結片により大略コ字状をなし、一方の挟持片は、前記ナット固定部を有した第1の金属製板部材と、前記ワッシャ支持部をなして両端部が第1の金属製板部材に当接する第2の金属製板部材と、により構成され、
    第2の金属製板部材の両端部が第1の金属製板部材に固着されてそれらの内側には隆起部が形成されていること、又は、第2の金属製板部材の一方の端部が第1の金属製板部材に固着され他方の端部が第1の金属製板部材に固着されていないことを特徴とするクリップナット。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のクリップナットにおいて、
    前記クリップ本体は、ナット固定部のナット挿通孔の周縁の少なくとも2箇所からナットを被覆するように外方に突出し、中央にボルト通過孔が形成されているナット被覆部を更に有することを特徴とするクリップナット。
  5. 請求項4に記載のクリップナットにおいて、
    前記ナット被覆部のボルト通過孔の周縁から内側に向かって、ボルトと係合する複数の係合突起片が設けられ、
    該係合突起片の先端を結んで形成される円の直径はナットの雌ねじ部の内径よりも小さいことを特徴とするクリップナット。
JP2008116525A 2008-04-28 2008-04-28 クリップナット Expired - Fee Related JP4945507B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008116525A JP4945507B2 (ja) 2008-04-28 2008-04-28 クリップナット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008116525A JP4945507B2 (ja) 2008-04-28 2008-04-28 クリップナット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009264522A JP2009264522A (ja) 2009-11-12
JP4945507B2 true JP4945507B2 (ja) 2012-06-06

Family

ID=41390609

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008116525A Expired - Fee Related JP4945507B2 (ja) 2008-04-28 2008-04-28 クリップナット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4945507B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013015159A (ja) * 2011-06-30 2013-01-24 Wakai & Co Ltd 複合ナット
KR102528398B1 (ko) * 2015-12-11 2023-05-03 주식회사 성우하이텍 연질 소재 접합 구조체
KR102066563B1 (ko) * 2017-12-21 2020-01-15 동아공업 주식회사 터보차저의 스프링와셔
CN108791116A (zh) * 2018-08-02 2018-11-13 东莞利富高塑料制品有限公司 一种车牌固定的方法和固定卡

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0224121A (ja) * 1988-07-13 1990-01-26 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 光学的造形法
JP2000310212A (ja) * 1999-04-23 2000-11-07 Masuda Shoten:Kk クリップナット
JP3522695B2 (ja) * 2001-01-12 2004-04-26 輝夫 中上 緩み止め用締結構造及び当該締結構造用の座金
JP2006064045A (ja) * 2004-08-26 2006-03-09 Teruo Nakagami 緩み止め用締結構造
JP2007170518A (ja) * 2005-12-21 2007-07-05 Ideal Brain Kk ナット用キャップ
JP4822865B2 (ja) * 2006-02-09 2011-11-24 輝夫 中上 締結構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009264522A (ja) 2009-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101563395B1 (ko) 러그 플레어를 갖는 너트
JP5336644B1 (ja) ねじ体の逆回転防止構造
JP3914975B2 (ja) ロックナット
JP4945507B2 (ja) クリップナット
JP4822865B2 (ja) 締結構造体
US8702363B2 (en) Lock nut and a fastening unit comprising the same
WO2015060425A1 (ja) ねじ体の逆回転防止構造
JP2007315580A (ja) ボルトの緩み防止用座金
JP2013087947A (ja) クロスボルト緩み止め組み合わせナット
JP2012251583A (ja) 部品締結構造
JP2007092836A (ja) ねじの弛み止め構造
JP2007285319A (ja) クリップ、及びクリップとカバー体の取付構造
JP2012177466A (ja) ナット
JP6332859B2 (ja) 樹脂ワッシャ
JP2007040505A (ja) 締結構造
JP6260843B1 (ja) 緩まないロックナット
JP5089327B2 (ja) 締結用部材
JP2006242206A (ja) 締結部材
JP6039515B2 (ja) ねじ体の逆回転防止構造
JP4509009B2 (ja) オイルフィルタの取付構造及びこれに使用するクリップ
JPH10159900A (ja) 防振装置
JP2015048875A (ja) ねじ体の逆回転防止構造
JP4837963B2 (ja) ねじの弛み止め構造
JP6083632B1 (ja) 緩み止めナット
JP6231795B2 (ja) ボルト・ナットの弛み止め構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110428

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120224

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120229

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120305

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150309

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees