JP2002188098A - 水置換型または粒子除去用洗浄剤組成物 - Google Patents

水置換型または粒子除去用洗浄剤組成物

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JP2002188098A
JP2002188098A JP2000384880A JP2000384880A JP2002188098A JP 2002188098 A JP2002188098 A JP 2002188098A JP 2000384880 A JP2000384880 A JP 2000384880A JP 2000384880 A JP2000384880 A JP 2000384880A JP 2002188098 A JP2002188098 A JP 2002188098A
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carbon atoms
hydrocarbon
fatty acid
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JP2000384880A
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Tatsuya Yamauchi
辰也 山内
Keita Matsushita
景太 松下
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Original Assignee
Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 金属表面上に付着した水分や水溶性汚れ、部
品表面に付着した加工油、金属切削屑、樹脂バリ屑、研
磨屑、ハンダ屑、セラミック屑等の粒子、水分、油脂状
界面活性剤等の極性物質、人体からのタンパク質含有油
脂汚れを効率よく除去し、低温でも界面活性剤の析出が
ない炭化水素系水置換型および粒子除去用洗浄剤組成物
を提供する。 【解決手段】 炭化水素系溶剤と、a)脂肪酸アルカノ
ールアミド、b)一般式R−NH(RNH
2R−COOH(RはC7〜22のアルキル基、R
はC1〜4のアルキレン基、RはC7〜22のアル
キルまたはアルケニル基、nは1〜6)のN−アルキル
ポリアルキレンジアミン脂肪酸塩およびc)一般式R
−(OR−OH(RはC1〜8のアルキル基、
はC2〜5のアルキレン基、mは0〜3)のアルコ
ールまたはグリコールモノエーテルを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属製部品などの
被洗浄物に付着した水分、あるいは水分を含む加工油な
どを効率よく除去する性能を有する水置換型洗浄剤組成
物、または金属製部品、樹脂製部品、ガラス製部品、電
子電気基板、セラミック製部品等の加工時に付着する金
属切削屑、樹脂バリ屑、研磨屑、研磨砥石、ハンダ屑、
セラミック屑等の粒子を洗浄するための洗浄剤に係わ
り、特には、炭化水素系溶媒を主成分とし、水分を添加
することなく付着粒子を除去可能な洗浄剤組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】金属製加工部品の製造加工工程におい
て、汚れの除去等を目的とした水系洗浄剤による洗浄を
始め、種々の水による処理が行われている。しかし、こ
の水系洗浄剤による処理後には、水滴が残存しやすく、
錆やシミの原因となっている。そのため、これらの付着
水は、迅速に除去しなければならない。従来は、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、アセトン等の親
水性溶媒に物品を浸漬して水切りする方法や、フロン等
のフッ素系溶剤、1,1,1−トリクロロエタン、塩化
メチレン、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤に、脂肪
族アミンと脂肪族カルボン酸との塩である界面活性剤等
を添加した溶媒に浸漬するなどして水切りする方法が用
いられていた。例えば、特開平2−229502号公報
には、塩素系炭化水素溶剤に、界面活性剤として炭素数
が6〜12のアミンと炭素数5〜6の脂肪族カルボン酸
を配合した水切り洗浄剤が記載されている。また、特公
平5−42281号公報には、塩化メチレンに、界面活
性剤としてオクチルアミンとカプロン酸を配合した水切
り洗浄剤が記載されている。
【0003】しかしながら、前記親水性溶媒は引火点が
低く、また洗浄剤としての寿命が比較的短いという課題
を有している。一方、フロン等のフッ素系溶剤や1,
1,1−トリクロロエタン等の塩素系溶剤は、地下水汚
染やオゾン層の破壊等、自然環境や人体に対する安全上
の問題があり、今後その使用が増々規制されていく方向
にある。そこで、この様な見地から、塩素系溶剤に代わ
って炭化水素系溶剤に、カチオン活性剤や高級アミンま
たはそのカルボン酸塩等の界面活性剤を添加した水置換
剤が提案されている。例えば、特開平8−60191号
公報には、炭化水素系溶剤に、界面活性剤としてアルキ
ルプロピレンジアミンにカルボン酸を配合した水切り洗
浄剤が報告されている。
【0004】しかし、アルキルプロピレンジアミンのカ
ルボン酸塩は炭化水素系溶剤への溶解度が低い場合が多
く、洗浄剤の製造に多くの時間を要したり、界面活性剤
濃度の維持管理に多くの時間と手間を必要とした。ま
た、低温において界面活性剤が析出するために洗浄剤の
水切り性能が低下しやすい等の問題も有していた。特開
平10−121098公報では、上記問題点のうち、ほ
とんどの問題は解決されたが、なお低温に長期間保管し
た場合に、界面活性剤の析出により水切り性能が低下す
る場合があった。
【0005】金属製部品、樹脂製部品、ガラス製部品、
電子電気基板、セラミック製部品を加工した後には切削
油、プレス油等の非極性の液状鉱物油、フラックス、界
面活性剤等の極性物質、金属切削屑、樹脂バリ屑、研磨
屑、研磨砥石、ハンダ屑、セラミック屑等の粒子が付着
している。また、手作業がある場合には、人体から生じ
る汗や、タンパク質含有油脂汚れが付着する。以上のよ
うに非極性、極性、粒子が複合した形で付着しているた
め、これらに対して親和性を有する洗浄剤を使用する必
要がある。特開平11−293286公報において、こ
れらに汚れに対する洗浄剤組成物が示されているが、低
温においては界面活性剤の析出により、洗浄性能が低下
しやすい問題があった。また、長期保管や使用時の界面
活性剤の劣化により、洗浄剤が黄変し、洗浄性能が低下
する場合もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フロン系ま
たは塩素系溶剤などを使用しない炭化水素系洗浄剤であ
って、(1)金属表面上に付着した水分および水溶性汚
れ、または、部品の表面に付着した加工油、金属切削
屑、樹脂バリ屑、研磨屑、研磨砥石、ハンダ屑、セラミ
ック屑等の粒子、水分、フラックス、油脂状界面活性剤
等の極性物質、人体からの生じるタンパク質含有油脂汚
れを効率よく除去するに適し、(2)低温においても界
面活性剤の析出がない炭化水素系水置換型および粒子除
去用洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、特開平1
0−121098公報およびに特開平11−29328
6公報に示される洗浄剤の改良を試みた結果、特定のア
ルコールまたはグリコールモノエーテルを添加すること
により、低温において界面活性剤の析出が見られなくな
るばかりでなく、界面活性剤の溶解性、水切りおよび粒
子除去性能が低温においても維持されることを見出し
た。さらに検討を進めた結果、炭化水素系溶剤と、
(a)脂肪酸アルカノールアミド、(b)一般式R
NH(RNH・2R−COOH(式中R
炭素数7〜22のアルキル基、Rは炭素数1〜4のア
ルキレン基、Rは炭素数7〜22のアルキル基または
アルケニル基、nは1〜6)で示されるN−アルキルポ
リアルキレンジアミン脂肪酸塩、および、(c)一般式
−(OR−OH(式中Rは炭素数1〜8の
アルキル基、Rは炭素数2〜5のアルキレン基、mは
0〜3)で示されるアルコールまたはグリコールモノエ
ーテルを含有することを特徴とする洗浄剤が、前記課題
をすべて解決できることを見出し、本発明を完成させ
た。
【0008】水切りおよび粒子除去性能を保持したま
ま、これらのアルコールまたはグリコールモノエーテル
が低温安定性を向上させる理由は明確ではないが、これ
により洗浄剤の製造、界面活性剤の濃度管理、維持管理
が極めて容易になった。また、本発明者等は、フェノー
ル系酸化防止剤を添加することにより、界面活性剤の劣
化による着色を防止できることも見出した。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で使用される炭化水素系溶
剤は、市販の炭化水素系溶剤が使用でき、特に制限はな
いが、環境汚染の少ないものを選択するのが望ましい。
このような溶剤としては、炭素数が5〜20、好ましく
は炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数9〜15の範
囲の炭化水素を主成分、具体的には95質量%以上、特
には99質量%含有するものが使用できる。炭素数5未
満のものは、引火点が低いため作業中に火災や爆発の危
険が大きく安全面に問題がある。また、炭素数20を越
えると、乾燥性が悪くなる上、洗浄剤組成物の粘性が増
加するため、被洗浄物に付着している水分の除去性能が
低下し、好ましくない。さらに、良好な乾燥性が要求さ
れる場合は、実質的に炭素数が同一の炭化水素、或いは
炭素数が1つ異なる2種の炭素数からなる炭化水素の混
合物を用いることが望ましい。このような炭化水素系溶
剤としては、炭素数5〜17のノルマルパラフィン溶剤
や、炭素数6〜20のイソパラフィン溶剤等がある。こ
のイソパラフィン溶剤は、炭素数3或いは4のオレフィ
ンを重合して得ることができる。
【0010】ノルマルパラフィン溶剤は、炭素数が5〜
17、好ましくは炭素数7〜14、特に好ましくは炭素
数9〜13の範囲のものが使用できる。炭素数が17を
超えると、乾燥性が悪くなる上、洗浄剤組成物の粘性が
増加するため、被洗浄物に付着している水分の除去性能
が低下し好ましくない。さらに、沸点が高すぎて蒸留回
収が困難であったり、加温しないと溶液状態にならない
ものがあったりする。
【0011】また、イソパラフィン溶剤は炭素数5〜2
0、好ましくは8〜16、特に好ましくは8〜12の範
囲のものが使用できるが、溶剤合成のし易さから通常
は、炭素数6、8、9、12及び16から適当なものを
選択するのが実際的である。この場合において、炭素数
が1異なる溶剤と混合するときは、8と9の組合せにす
るか、ノルマルパラフィンと組合せて使用する。
【0012】本発明で使用する界面活性剤としては、一
般式R−NH(RNH・2R−COOH
(式中Rは炭素数7〜22のアルキル基、Rは炭素
数1〜4のアルキレン基、Rは炭素数7〜22のアル
キル基またはアルケニル基、nは1〜6)で示されるN
−アルキルポリアルキレンジアミン脂肪酸塩と脂肪酸ア
ルカノールアミドを併用する。
【0013】N−アルキルポリアルキレンジアミン脂肪
酸塩のアミン成分のアルキル基Rは、炭素数が7〜2
2、好ましくは10〜20、より好ましくは14〜18
である。ポリアルキレン部分は、Rがメチレン基でn
が3であることが好ましい。中でも、オクタデシルプロ
ピレンジアミン、ヘキサデシルプロピレンジアミン、テ
トラデシルプロピレンジアミンが入手の容易さから特に
好適に使用できる。また、脂肪酸R−COOHとして
は、Rの炭素数が7〜22、好ましくは8〜20のも
のが使用できる。具体的には、オクタン酸、デカン酸、
ドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸(ミリスチ
ン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、オクタデカ
ン酸(ステアリン酸)等の飽和脂肪酸や、オレイン酸等
の不飽和脂肪酸を挙げることができる。これらの中で
も、オレイン酸等の不飽和脂肪酸の方が融点が低い点で
好適に使用できる。
【0014】N−アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩
は、種々の方法で合成できる。例えば、相当するN−ア
ルキル一級アミンとアクリロニトリルを窒素雰囲気下、
100〜200℃で触媒を用いて反応させ、さらに水素
化し、得られたN−アルキルジアミンに窒素雰囲気下で
脂肪酸を加える方法等を採用することができる。N−ア
ルキル基や脂肪酸は、単一のものである必要はなく、2
種以上の混合物や、天然由来のものを用いることは何等
問題がない。特に、牛脂や植物油を原料として用いる場
合は、原料が安価であるため、製品を安価に製造する上
で好ましい。
【0015】一方、脂肪酸アルカノールアミドである
が、脂肪酸としては、脂肪酸の炭素数が7〜22、好ま
しくは8〜20のものが使用できる。具体的には、オク
タン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキ
サデカン酸、オクタデカン酸等の飽和脂肪酸や、オレイ
ン酸等の不飽和脂肪酸、これらの混合物、或いは天然由
来の脂肪酸を挙げることができる。これらの中でも、オ
レイン酸等の不飽和脂肪酸の方が融点が低い点で好適に
使用できる。また、アミンとしては、炭素数2〜6のア
ルカノールアミンが好ましく、ジエタノールアミン、モ
ノエタノールアミン、モノイソ−プロパノールアミン、
或いはこれらの混合物を挙げることができる。上記の脂
肪酸とアミンから得られるものとして、ドデカン酸(ラ
ウリン酸)モノエタノールアミド、ドデカン酸ジエタノ
ールアミド、オクタデカン酸ジエタノールアミド、オク
タデカン酸モノエタノールアミド、オレイン酸ジエタノ
ールアミド、オレイン酸モノエタノールアミド、ヤシ油
脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノー
ルアミド、テトラデカン酸(ミリスチン酸)ジエタノー
ルアミド、テトラデカン酸モノエタノールアミド、テト
ラデカン酸ジエタノールアミド、ヘキサデカン酸(パル
ミチン酸)ジエタノールアミド、ヘキサデカン酸モノエ
タノールアミド、ドデカン酸イソプロパノールアミド、
イソ−オクタデカン酸ジエタノールアミド、イソ−オク
タデカン酸モノエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジ
エタノールアミド、パーム核油脂肪酸モノエタノールア
ミド等を挙げることができるが、これらの中でもドデカ
ン酸モノエタノールアミド、ドデカン酸ジエタノールア
ミドが入手の容易さの点で好ましい。
【0016】脂肪酸アルカノールアミドの製造方法であ
るが、所定量の脂肪酸に対して2倍モル量のジエタノー
ルアミン、モノエタノールアミン、モノイソ−プロパノ
ールアミンなどのアルカノールアミンを添加し、窒素気
流下で加熱、脱水縮合させる方法等を用いることができ
る。N−アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩の場合と
同様に、使用する脂肪酸は、単一成分のものである必要
はなく、2種以上の混合物や、天然由来のものを用いる
ことは何等問題がない。
【0017】脂肪酸アルカノールアミドの併用により、
界面活性剤濃度を大幅に向上させることが可能となった
が、界面活性剤の濃度があまり高すぎると、溶液の粘度
が著しく大きくなって、逆に水置換性能を低下させる要
因となる。N−アルキルポリアルキレンジアミン脂肪酸
塩の添加量については、洗浄剤組成物の0.01〜5質
量%、好ましくは0.5〜3質量%で充分な水置換性能
を発揮する。添加量が0.01質量%未満のときは、水
置換性能が不十分となりやすい。また、5質量%を超え
ると、溶液の粘度が著しく大きくなって、水置換性能を
低下させることがある。一方、脂肪酸アルカノールアミ
ドは、N−アルキルポリアルキレンジアミン脂肪酸塩濃
度の0.01〜2.0倍、好ましくは0.1〜1.5
倍、より好ましくは0.3〜1.0倍の範囲とするのが
望ましい。この範囲内であれば、界面活性剤濃度を大き
く向上させることが可能となる。これが、0.01倍を
切ったり2.0倍を超えたりすると界面活性剤濃度を高
めることが難しくなる。
【0018】さらに、N−アルキルポリアルキレンジア
ミン脂肪酸塩と脂肪酸アルカノールアミドの付帯的な効
果として、金属の防錆作用を挙げることができる。防錆
作用は、N−アルキルポリアルキレンアミン脂肪酸塩を
単独で使用する場合よりも向上しており、この意味でも
有効な組合せと言える。
【0019】本発明で使用するアルコールまたはグリコ
ールモノエーテルであるが、配合量は、洗浄剤組成物の
0.1〜30質量%が好ましく、1〜5質量%がより好
ましい。0.1質量%を下回ると低温安定性改良効果が
ほとんど期待されなくなり、30質量%を越えても低温
安定性改良効果は向上しない。
【0020】アルコールまたはグリコールモノエーテル
の末端アルキル鎖Rとしては、直鎖または分岐鎖の炭
素数1〜8のものが使用できる。具体例としてはメチ
ル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチ
ル、i−ブチル、t−ブチル、1−メチルプロピル 、
n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、
3−メチルブチル、1−エチルプロピル、1,1−メチ
ルプロピル、1,2−メチルプロピル、2,2−メチル
プロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メ
チルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチ
ル、2−エチルブチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキ
シル、1−エチルプロピル、n−オクチル、1−メチル
ヘプチル、2−エチルヘキシル、およびこれらの混合物
が挙げられる。炭素数が8を越えると、水置換性および
低温安定性が悪化する。
【0021】グリコールモノエーテルのグリコール成分
(ORであるが、Rが炭素数2〜5のグリコー
ル成分(オキシアルキレン基)が使用でき、その重合度
mは1〜3のものが使用できる。具体例としては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリ
コール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、
ペンチルグリコール、ジペンチルグリコール、トリペン
チルグリコール、これらの混合物由来の成分を挙げるこ
とができる。これらのグリコール成分のアルキレン基R
は直鎖および分岐のものが使用できる。これらの中で
も、ジ、およびトリグリコール成分(m=2または3)
からなるグリコールモノエーテルは引火点、沸点が高い
ため、作業中に火災や爆発の危険性が少なく、下流での
炭化水素系洗浄剤の蒸留再生液に混入しにくいという上
で好ましい。
【0022】本発明で使用するアルコールまたはグリコ
ールモノエーテルとしては、2−エチルヘキシルアルコ
ール、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、
トリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエー
テルなどが特に好ましい。
【0023】本発明に使用されるフェノール系酸化防止
剤としては、たとえば2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,4
−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,4−ジエ
チル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−
エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4
−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、n−
オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ3’,5−ジ―
t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,4−(n−
オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ3’,5’−ジ
−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ス
チレン化フェノール、スチレン化クレゾール、トコフェ
ノール、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−
5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチ
ルフェニルアクリレート、2,2’−メチレンビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メ
チレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シク
ロヘキシルフェノール)、2,2’−ジヒドロキシ−
3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’
−ジメチルジフェニルメタン、2,2’−エチリデン−
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’
−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−
ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサ
ンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレン
グリコール−ビス−3−(−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)プロピオネート、N,N’−
ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N’−ヘ
キサメチレンビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ)ヒドロシンナミド、2,2’−チオビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チ
オビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2−チオジエチレンビス−[3(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
ビス[2−t−ブチル−4−メチル−6−(3−t−ブ
チル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニ
ル]テレフタレート、1,1,3−トリス(2−メチル
−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、トリス(3,5−ジ−t−4−ヒドロキシベンジ
ル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−
ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)
イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン、カルシウム(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルモノエチルホス
フォネート)、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、
没食子酸ラウリル、2,4,6−トリ−t−ブチルフェ
ノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5
−ジ−t−アミルヒドロキノン、1,1,3−トリス−
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニ
ル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−
ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピ
オニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,8,
10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、α−
トコフェロール等を挙げることができる。フェノール系
酸化防止剤は1種或いは2種以上が使用でき、これらの
濃度は3〜1000質量ppm、好ましくは5〜200
質量ppm、より好ましくは10〜100質量ppmで
ある。3質量ppmを切ると効果が見られなくなる場合
があり、また1000質量ppmを超えても効果の増加
はない。
【0024】本発明の水置換型または粒子除去用洗浄剤
は、水分または粒子の付着した被洗浄物にこの洗浄液を
接触させることで、水分または粒子を被洗浄物から取り
除くものである。被洗浄物は、通常、金属、樹脂、ガラ
ス、セラミックなどの硬質材料からなる。洗浄液の接触
は、浸漬、揺動、シャワー、スプレーなどにより行うこ
とができる。洗浄後の被洗浄物は、液切り後そのまま乾
燥するか、あるいは、炭素数5〜20の炭化水素系溶剤
(好ましくは、水置換型または粒子除去用洗浄剤に用い
た炭化水素系溶剤と同一の溶剤)に浸漬後、乾燥する。
部品表面に残留する微量の界面活性剤が問題となる場合
は、後者の方法が好ましい。
【0025】本発明の水置換型および粒子除去用洗浄剤
に、添加しうる他の成分としては、可溶化剤、着香剤、
着色剤、防錆剤などがあげられる。
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げて更に詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】[低温安定性試験方法]被検試料を0℃の
低温庫に24時間放置し、白濁の有無を観察した。判定
基準は以下の通りである。 ○:白濁なし ×:白濁ありもしくは2層に分離
【0028】[水置換性試験方法]ステンレスメッシュ
(30mm×30mm、目開き63μm)を1,1,1
−トリクロロエタンで脱脂後、水性顔料の3%水溶液に
浸漬して取り出し、被検試料に浸漬させるための試料と
する。水を着色させる目的は、メッシュ表面における水
置換現象を観察し易くするためである。次に、ガラス製
ビーカーに入った水置換型洗浄剤100ml中に、ステ
ンレスメッシュを垂直に浸漬させて、メッシュ表面に付
着していた水が玉状になって落下し終わるまでの時間を
測定した。判定基準は以下の通りである。 ○:5秒以内に水置換完了 △:5〜10秒間で水置換完了 ×:10秒以内に水置換が完了しない
【0029】[粒子洗浄性試験方法]研磨粒子(青粉)に
よって研磨加工して粒子が付着したステンレス板(SUS30
4、3.0mm×12.5mm×75mm)を、ビーカー
に入った洗浄剤100ml中に浸漬し、40℃で超音波洗
浄した(シャープ製SILENTSONIC UT-304(39MHz))。洗浄
後のステンレス板表面の状態を目視観察した。判定基準
は以下の通りである。 ○:粒子が完全に除去 △:僅かに粒子が残る ×:まったく洗浄できていない
【0030】[長期保管試験方法]被検試料を暗所、室
温にて6ヶ月間保管し、色調を目視にて観察した。 ○:黄色度がほとんど変化しない ×:濃い黄色に変化
【0031】[実施例その1]表1〜7に示す組成の実
施例及び比較例の洗浄剤を調製し、上記試験方法に従っ
て低温安定性試験、水置換性および粒子洗浄性試験を行
った。表1から明らかなように、アルコールまたはグリ
コールモノエーテルを配合したものでは低温においての
界面活性剤の析出による白濁が見られないばかりでな
く、十分な水切りおよび粒子洗浄性能を示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】[実施例その2]表8に示す組実施例及び
比較例の洗浄剤を調製し、上記試験方法に従って長期保
管試験を行った。表8から明らかなように、フェノール
系酸化防止剤を配合したものは長期保管しても黄変しに
くい。
【0040】
【表8】
【0041】
【発明の効果】本発明の水置換型または粒子除去用洗浄
剤を用いるとハロゲン系溶剤を使用することなく、被洗
浄物上の水分、水溶性汚れおよび粒子汚れを迅速に除去
することができる。又、低温に放置しても界面活性剤の
析出がなく水切りおよび粒子除去性能が低下しにくく、
変質しにくいため、産業上の利用価値が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C11D 3/43 C11D 3/43 17/08 17/08 C23G 5/036 C23G 5/036 Fターム(参考) 4H003 AB03 AB46 AC13 AE02 BA12 DA09 DA14 DA15 DC03 EB04 ED03 ED28 ED29 FA14 FA15 FA16 FA45 4K053 PA01 QA01 QA07 RA40 RA41 RA49 RA52 RA63

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素系溶剤と、(a)脂肪酸アルカ
    ノールアミド、(b)一般式R−NH(RNH
    ・2R−COOH(式中Rは炭素数7〜22のア
    ルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキレン基、R
    炭素数7〜22のアルキル基またはアルケニル基、nは
    1〜6)で示されるN−アルキルポリアルキレンジアミ
    ン脂肪酸塩、および、(c)一般式R−(OR
    −OH(式中Rは炭素数1〜8のアルキル基、R
    炭素数2〜5のアルキレン基、mは0〜3)で示される
    アルコールまたはグリコールモノエーテルを含有するこ
    とを特徴とする水置換型または粒子除去用洗浄剤組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記炭化水素系溶剤が、炭素数5〜20
    の炭化水素である請求項1に記載の水置換型または粒子
    除去用洗浄剤組成物。
  3. 【請求項3】 前記炭化水素系溶剤が、実質的に炭素数
    が同一の炭化水素、或いは炭素数が1つ異なる2種の炭
    素数からなる炭化水素の混合物である請求項2に記載の
    水置換型または粒子除去用洗浄剤組成物。
  4. 【請求項4】 フェノール系酸化防止剤を含有する請求
    項1、請求項2または請求項3に記載の水置換型または
    粒子除去用洗浄剤組成物。
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