JP2002186423A - カゼインを含有しないクリームチーズ様製品の製造方法 - Google Patents
カゼインを含有しないクリームチーズ様製品の製造方法Info
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Abstract
するクリームチーズ様製品、およびそのような製品を製
造する方法を提供すること。 【解決手段】 カゼインを実質的に含有しないクリーム
チーズ様製品を製造する方法であって、該方法は(1)
ミルクカゼイン以外の蛋白質、(2)脂肪、および
(3)水を混合することで混合物を形成する工程と;混
合物に第1の均質化を施すことで蛋白質マトリックス安
定化エマルジョン系を形成する工程と;蛋白質マトリッ
クス安定化エマルジョン系を蛋白質を変性させるのに有
効な温度まで加熱することで変性蛋白質マトリックス安
定化エマルジョンを形成する工程と;変性蛋白質マトリ
ックス安定化エマルジョンのpHを約4から約6に調節
する工程と;pHを調節したエマルジョンに第2の均質
化を施すことでクリームチーズ様製品を形成する工程
と;クリームチーズ様製品を容器詰めする工程とを有す
る。
Description
びその製造方法を対象とする。より詳細には、本発明
は、実質的にカゼインを含まず、エマルジョンをベース
とした無凝乳および無乳清(カードおよびホエーを生成
しない)方法を用いて製造されるクリームチーズ様製品
を対象とする。
産し、酸性を発現することのできる微生物をミルクに添
加することによって一般に製造される。ミルクは通常、
レンネットのような凝乳酵素で、または蛋白質の等電点
に酸性を発現することによって凝固する。凝固したミル
クを分けると、生成したカードからホエーが分離し、回
収される。カードを圧搾してチーズ塊を形成し、その
際、制御条件下で、暫くの時間をかけて硬化が一般に起
こる。ミルクの動物脂肪の少なくとも一部を植物油で置
換することによって、および/またはミルクのカゼイン
の少なくとも一部を植物蛋白質で置換することによっ
て、天然チーズの風味と濃厚の特性を有する製品が製造
されてきた。このようなチーズは、一般に「アナログチ
ーズ」と呼称される。
めの必須蛋白質成分と一般に見なされてきた。風味と機
能性のために、カゼインおよびカゼイン酸ナトリウムな
どのカゼイネートは、カゼインをチーズ、チーズ製品、
ホイップトッピング、コーヒー用クリーム代用品などの
食品の中で最も汎用される蛋白源の1つとなっている。
その結果、カゼインおよびカゼイネートに対する需要と
コストとの両方が増大している。さらに、チーズ製造の
副産物としてのホエーの生成は、一般に十分に利用しき
れないホエー蛋白源を生み出すことになる。その上、チ
ーズ製品を製造するために、大豆蛋白、とりわけ単離大
豆蛋白などの植物性蛋白質を使用することによって、蛋
白源について、特にカゼインと比較したとき、チーズ様
製品に向けた豊富で安価な蛋白源が提供されることにな
る。
ン蛋白質(即ち、代用蛋白質)を用いて、許容し得る質
感および堅さを有するチーズ様製品を製造するための連
続的方法を提供することが望ましいであろう。また、カ
ードおよびホエーのどちらも生成しないような方法を提
供することも望ましいであろう。また、連続法であっ
て、他の食品製造法において一般に十分に利用されてい
ない副産物を安価な出発物質として使用する、エマルジ
ョンをベースとした、本質的にカゼインを含有しない連
続的方法を提供することも望ましいであろう。また、実
質的にカゼインを含有しない代用蛋白質からチーズ様製
品を提供することも望ましいであろう。その方法が、カ
ードおよびホエーのいずれも生成することなくチーズ様
製品を製造するものであることも望ましいであろう。ま
た、非カゼイン蛋白源を利用して、チーズ様製品を製造
する連続的方法を提供することも望ましいであろう。本
発明は、それらの技術的進歩、および以下の明細書を参
照することによって認められる他の利点を提供するもの
である。
白質(即ち、カゼインを含有しない代用蛋白質)をカゼ
イン蛋白質の代用とし、重要な形態では、チーズ様製品
において実質的に完全にカゼインの代用とするチーズ様
製品を提供する。また、本発明は、ホエーを生産しない
が、ホエー蛋白質を利用することができる方法を提供す
る。本発明は、カードを生成しない、単独でエマルジョ
ンをベースとした無凝乳法も提供する。本発明は、連続
的方法も提供する。本発明は、高圧均質化と熱処理とを
併用することによって乳濁能力を増強または拡張し、か
つ不可逆的に熱変性した蛋白質マトリックスにより安定
化されたエマルジョンを形成する方法も提供する。本発
明は、エマルジョン系内の蛋白質を変性した後、その系
を酸性化する方法も提供する。
ミルクカゼインを必要としない。したがって、従来のク
リームチーズと同様な質感(即ち、堅さと滑らかさ)を
有するカゼインを含有しないクリームチーズ様製品を生
産するために、蛋白源として他の食品蛋白質(例えば、
ホエー蛋白質、大豆蛋白質、およびそれらの組み合わ
せ)を使用してもよい。重要な形態では、本発明の方法
は大豆をベースとしたクリームチーズ様製品を生産す
る。非常に重要な形態では、本発明の方法は、大豆系蛋
白質を実質的に完全にカゼインの代用としている。他の
重要な形態では、本発明の方法は、カゼインの代わりに
ホエー蛋白質を利用する。さらに非常に重要な形態で
は、本発明の方法は、ホエー蛋白質を実質的に完全にカ
ゼインの代用としている。本発明のさらに他の利点は、
(1)調製物中にカゼインを必要としないことによる生
産性の顕著な節約、(2)副産物の酸性ホエーの処理法
を削除することによる大きな経費節減、(3)処理時間
を短縮し簡潔化した方法、および(4)最終製品の最小
限のシネレシスを含む。重要な点として、唯一の蛋白源
として大豆蛋白を用いる本発明により調製される製品
は、約20時間までの間、室温で本質的にシネレシスを
示さない。
チーズ様製品を含む。また、本発明は、実質的にカゼイ
ンを含有しないクリームチーズ様製品を製造するのに有
効な方法であって、(1)ミルクカゼイン以外の蛋白
質、(2)バター脂肪、他の食品用脂肪などの溶融脂
肪、および(3)華氏約120度から華氏約170度
(約49℃から約77℃)の水を混合することによっ
て、混合物を形成する工程と、得られた混合物に第1の
均質化を施すことによって、蛋白質マトリックス安定化
エマルジョン系を形成する工程と、得られた蛋白質マト
リックス安定化エマルジョン系を、蛋白質を変性させる
のに有効な温度および時間にわたって加熱することによ
って、変性蛋白質マトリックス安定化エマルジョンを形
成する工程と、得られた変性蛋白質マトリックス安定化
エマルジョンのpHを約4.0から約6.0に調節する
工程と、pHを調節して得られたエマルジョンに第2の
均質化を施すことによって、クリームチーズ様製品を形
成する工程と、得られたクリームチーズ様製品を容器詰
めする工程とを有する方法も含む。安定化剤(例えば、
ガム)、他の乳化剤、塩類、着色剤、フレーバリングな
どの任意選択的な成分を、混合物またはエマルジョン
(即ち、第1または第2の均質化段階の前)に添加する
ことができる。
モジナイザー中で実施し、その第1段階は少なくとも約
1000psi(6.89MPa)、一般には約100
0から約5000psi(約6.89から約34.5M
Pa)であり、その第2段階は少なくとも約300ps
i(約2.07MPa)、一般には約300から約10
00psi(約2.07から約6.89MPa)である
のが好ましい。
安定化エマルジョン系を少なくとも華氏約155度(約
68℃)に少なくとも約5分間、一般には華氏約155
度から華氏約195度(約68℃から約91℃)に約5
分から約80分間にわたって加熱することによって、蛋
白質を変性させる。
クス安定化エマルジョンのpHは、変性段階の間または
後で約pH4.0から約6.0の所望の酸性度に、食品
用酸を用いて調節される。
ルジョンの第2の均質化も二段階ホモジナイザー中で実
施し、その第1段階は少なくとも約1500psi(約
10.3MPa)、一般には約3000から約6000
psi(約20.7から約41.4MPa)であり、そ
の第2段階は少なくとも約300psi(約2.07M
Pa)、一般には約300から約1000psi(約
2.07から約6.89MPa)であるのが好ましい。
ホットパッケージ技術により実施し、高温で容器詰めし
たクリームチーズ様製品を冷蔵温度まで冷却する。好ま
しくは、ホットパッケージに向けたクリームチーズ様製
品の温度は、華氏約120度から華氏約170度(約4
9℃から約77℃)である。
イン」とは、ミルク中に存在するか、または酸によって
ミルクから沈殿されている(酸カゼイン)か、またはレ
ンネットによってミルクから沈殿されている(レンネッ
トカゼイン)かしている、ポリペプチドまたは蛋白質の
混合物を意味する。ミルク、酸カゼインおよびレンネッ
トカゼインにおけるポリペプチドまたは蛋白質の個々の
配合物は異なるが、それらは一般にαS1−カゼイン、
αS2−カゼイン、β−カゼイン、κ−カゼイン、およ
びそれらの遺伝的変異体を含んでいる。レンネットカゼ
インの場合、κ−カゼインの一部がレンネット処理の間
に加水分解されてしまう。
最終的なクリームチーズ様製品が、約1パーセント未
満、より好ましくは約0.5パーセント未満のカゼイン
および/またはカゼイネートを有することを意味する。
「無凝乳法」とは、カードおよびホエーの生産が回避さ
れる方法を意味することを意図している。したがって、
このような無凝乳法はホエーの分離段階を全く必要とし
ない。「単離大豆蛋白」とは、大豆から得た少なくとも
約90パーセントの蛋白質を有する、大豆から単離した
物質を意味する。
クス安定化エマルジョン系」とは、蛋白質マトリックス
によって安定化され、マトリックス内に水分子を捕捉し
ている(即ち、連続相が蛋白質マトリックスおよび水を
含む)エマルジョン系を指す。本発明の目的のために、
「変性蛋白質マトリックス安定化エマルジョン」とは、
変性蛋白質を含み、蛋白質マトリックスによって安定化
され、マトリックス内に水分子を捕捉している(即ち、
連続相が蛋白質マトリックスおよび水を含む)エマルジ
ョン系を意味する。このようなマトリックス安定化系の
蛋白質濃度は、従来の蛋白質安定化エマルジョン系より
も一般に高い。従来のエマルジョン系では、蛋白質は主
に界面に吸収され、水が一部の可溶化蛋白質と共に連続
相を形成する。したがって、このような従来のエマルジ
ョン系の安定性は制限される。なぜならば、連続相中の
水分子の運動がエマルジョン系を不安定化および/また
は破壊する傾向を示すと考えられるからである。
を、熱水(例えば、華氏約120度から華氏約170度
(約49℃から約77℃))および溶融脂肪(好ましく
はバター脂肪)と混合する。次いで、生成した混合物に
せん断力を掛けることによって、粗製のエマルジョンを
形成する。一般に、混合は、華氏約120度から華氏約
170度(約49℃から約77℃)の温度で実施する。
一般に、混合物は、約3から約12パーセントの非カゼ
イン蛋白質、約5から約35パーセントの脂肪、約40
から約80パーセントの水で形成される。より好ましく
は、混合物は、約4から約10パーセントの非カゼイン
蛋白質、約15から約30パーセントの脂肪、約45か
ら約65パーセントの水で形成される。適当な非カゼイ
ン蛋白質は、ホエー蛋白、大豆蛋白、他の豆類蛋白、卵
蛋白、動物蛋白およびその混合物を含み、一般に、ホエ
ー蛋白および大豆蛋白が好ましい。適当な脂肪は、バタ
ー脂肪および大豆油、ピーナッツ油などの他の食用脂肪
を含むが、そのような脂肪の混合物も使用することがで
きる。非カゼイン蛋白質は、所望のエマルジョンを形成
する際の乳化剤として作用することができる。追加の乳
化剤は必要ではないが、所望であればそれらを使用する
ことができる。適当な乳化剤は、例えばリン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、クエン酸ナトリウムなどを含む。
このような乳化剤を、第1および/または第2の均質化
段階の前に添加することができる。
とによって、精細なエマルジョンを形成する。一般に、
このエマルジョンは約1から約100ミクロン、より好
ましくは約1から約20ミクロンの範囲に平均粒度を有
する。第1の均質化を二段階ホモジナイザー中で実施
し、その第1段階は約1000から約5000psi
(約6.89から約34.5MPa)であり、その第2
段階は約300から約1000psi(約2.07から
約6.89MPa)であるのが好ましい。蛋白質マトリ
ックス安定化エマルジョン系は、第1の均質化で形成さ
れる。その後、蛋白質を変性させるのに有効な温度およ
び有効な時間にわたって、蛋白質マトリックス安定化エ
マルジョン系を加熱する。一般に、温度は少なくとも華
氏約155度(約68℃)で、重要な形態では、華氏約
155度から華氏約195度(約68℃から約91℃)
である。本発明の目的のために、「蛋白質を変性させ
る」とは、蛋白質マトリックス安定化エマルジョン系に
含まれる蛋白質の少なくとも80パーセント、より好ま
しくは少なくとも90パーセントが変性されることを意
味するものである。次いで、変性エマルジョンのpH
を、乳酸、クエン酸、食用酢などの食用酸で約4から約
6の間に調節する。pHを調節したエマルジョンに第2
の均質化を施すことによって、クリームチーズ様製品を
形成する。好ましくは、第2の均質化を二段階ホモジナ
イザー中で実施し、その第1段階は約1500から約6
000psi(約10.3から約41.4MPa)であ
り、その第2段階は約300から1000psi(約
2.07から6.89MPa)である。クリームチーズ
様製品を従来の技術を用いて容器詰めし、次いで冷蔵温
度(即ち、約35から約45℃)まで冷却する。好まし
くは、クリームチーズ様製品を華氏約120から約17
0度(約49から約77℃)の温度で適当な容器(例え
ば、小型食品容器)中に高温で詰め、次いで冷蔵温度ま
で冷却する。
塩、乳化剤、安定化剤、ガム、着色剤、フレーバリン
グ、香辛料などの追加成分を含んでもよい。適当な乳化
剤は、例えばリン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエ
ン酸ナトリウムなどを含む。適当なガムは、例えばロー
カストビーンガム、カラゲニンガム、キサンタンガム、
アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースな
どを含む。一般にこのような任意選択的な成分を使用す
る場合、その量は約2パーセント未満である。一般に、
このような任意選択的な成分を、第1の均質化前の混合
物、または第2の均質化前のエマルジョンに添加するこ
とができる。一般に、このような任意選択的な成分を第
2の均質化前のエマルジョンに添加することが好まし
い。
供するが、本発明を制限するためではない。他に示さな
い限り、全てのパーセンテージおよび比は重量を基準と
するものである。
トホエー蛋白をベースとしたクリームチーズの調製を例
示し、ホエー蛋白変性の製品質感に対する効果を示す。
以下のような方法を使用した。
AMPC800)を、13.2kgの熱水(華氏約16
0度(約71℃))および4.0kgの溶融した無水バ
ター脂肪と混合し、(2)得られた混合物を二段階ホモ
ジナイザーで均質化(第1段階を3000psi(2
0.7MPa)で、第2段階を500psi(3.45
MPa)で実施)し、(3)得られた均質化混合物を華
氏160度(71℃)(表1の試料A)または華氏17
0度(77℃)(表1の試料B)まで加熱し、約30分
間保持し、(4)得られた加熱混合物に90gの乳酸
(88%)を添加することによって、pHを5.0より
低く調節し、(5)NaCl(40g)およびキサンタ
ンガム(40g)を添加し、次いで混合し(所望であれ
ば、この時点にフレーバリングおよび/または他の任意
選択的な成分を添加することができる)、(6)得られ
た試料を、二段階ホモジナイザーを用いて均質化(第1
段階を4000psi(27.6MPa)で、第2段階
を500psi(3.45MPa)で実施)し、(7)
得られた均質化試料をカップの中に高温で詰め、封入
し、(8)高温でカップに詰めた試料を華氏40度
(4.4℃)で貯蔵する。
調製した。
エー蛋白は従来のクリームチーズ生産の副産物である
が、開発された本発明の技術にホエー蛋白を使用するこ
とにより、クリームチーズ様製品を生産することができ
る。実験設計によれば、最終的クリームチーズ製品に対
する目標組成は、蛋白質6.0パーセント、脂肪22パ
ーセント、および水分68パーセントであった。全般的
に見て、試料Aおよび試料Bの両方で、3000Paよ
り高い冷時粘度および平滑な質感を有している。試料B
の実際の水分は69.8パーセント(目標値より約1.
8パーセント高い)である。しかし、試料Bの粘度は試
料Aよりはるかに高い。このことは、加熱条件が製品質
感にとって重要であることを示唆する。熱変性ホエー蛋
白(特にβ−ラクトグロブリン分子)は分子間ジスルフ
ィド結合(架橋)を形成することが可能であるため、加
熱条件を十分に制御すべきである。
品の質感にカゼインが寄与しているが、他の蛋白質もク
リームチーズ様質感を形成することができることを示し
ている。
スとしたクリームチーズ様製品の調製を例示する。以下
のような手順を使用した。
upro670,ProteinTechnology
International,セントルイス)、1
2.7kgの熱水(華氏約160度(約71℃))、お
よび4.1kgの溶融した無水バター脂肪を混合し、
(2)得られた混合物を二段階ホモジナイザーで均質化
(第1段階を4000psi(27.6MPa)で、第
2段階を500psi(3.45MPa)で実施)し、
(3)得られた均質化試料を華氏180度(82℃)ま
で加熱し、約20分間保持し、(4)得られた加熱混合
物に100.0gの乳酸(88%)を添加することによ
って、pHを5.0より低く調節し、(5)30gのク
リームチーズフレーバリングを添加し、混合し、(6)
得られた生成物を3つの部分に分割し、(7)試料Aを
形成するために、第1部分に33.3gのNaClを添
加し、混合し、(8)試料Bを形成するために、33.
3gのNaClおよび15.1gのローカストビーンガ
ムを添加し、混合し、(9)試料Cを形成するために、
33.3gのNaClおよび15.1gのカラゲニンガ
ムを添加し、混合し、(10)試料A、B、Cを、それ
ぞれ二段階ホモジナイザーを用いて均質化(第1段階を
5000psi(34.5MPa)で、第2段階を50
0psi(3.45MPaで実施)し、(11)各均質
化試料をカップの中に高温で詰め、封入し、(12)高
温でカップに詰めた試料を華氏40度(4.4℃)で貯
蔵する。
を以下の表3に要約する。
て、優れた製品が得られた。これらの製品は100パー
セント大豆蛋白を含んでいた(乳蛋白を含有しない)
が、平滑なクリームチーズ様の質感を有していた。設計
時の蛋白含量(目標処方値:総大豆蛋白6.3パーセン
ト、脂肪22.5パーセント、水分68パーセント)で
は、各試料の冷時粘度は1500Paを超えていた。総
大豆蛋白の含量を増加させると、製品がもっと堅くなる
と予想される。ガムの添加で顕著な粘度を生じなかった
が、平滑性は増加し、シネレシスが大いに減少した。着
色剤を添加しなくても、全体的な色は許容し得るもので
ある。非公式グループによる味覚評価の結果、顕著な豆
の風味がなく、質感は滑らかで(特に、ローカストビー
ンガムを用いた試料Cに対して)、後味や嫌な風味のな
いことが判明した。
に低く、安定な系が十分に確立されていることを示し
た。ガムを添加しなくても、室温で5時間インキュベー
ションしている間のシネレシスの割合は、わずかに約
2.4パーセントであった。ローカストビーンガムを添
加すると、室温で5時間後のシネレシスの割合は本質的
に0パーセントであり、優れた質感の安定性を示した。
3種の試料の性質を以下の表4に要約する。
非カゼイン蛋白質を用いて、許容し得る質感および堅さ
を有する実質的にカゼインを含有しないクリームチーズ
様製品を提供することが可能となる。また、そのような
クリームチーズ様製品を製造する方法では、カードおよ
びホエーのいずれも生成されないため、簡便かつ低コス
トで製品を提供することが可能となる。
Claims (25)
- 【請求項1】 クリームチーズ様製品を製造する方法で
あって、 非カゼイン蛋白質、脂肪、および水を混合することによ
って、混合物を形成する工程と、 前記混合物に第1の均質化を施すことによって、蛋白質
マトリックス安定化エマルジョン系を形成する工程と、 前記蛋白質マトリックス安定化エマルジョン系を、蛋白
質を変性させるのに有効な温度および有効な時間にわた
って加熱することによって、変性蛋白質マトリックス安
定化エマルジョンを形成する工程と、 前記変性蛋白質マトリックス安定化エマルジョンのpH
を約4から約6に調節する工程と、 pHを調節したエマルジョンに第2の均質化を施すこと
によって、クリームチーズ様製品を形成する工程と、 クリームチーズ様製品を容器詰めする工程とを有するこ
とを特徴とする方法。 - 【請求項2】 前記蛋白質マトリックス安定化エマルジ
ョン系を、華氏約155度から華氏約195度(約68
℃から約91℃)の温度に約5分から約80分間にわた
って加熱することを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 前記第1の均質化を二段階ホモジナイザ
ー中で実施し、その際、第1段階は約1000から約5
000psi(約6.89から約34.5MPa)の圧
力下にあり、第2段階は約300から約1000psi
(約2.07から約6.89MPa)の圧力下にあるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項4】 前記第2の均質化を二段階ホモジナイザ
ー中で実施し、その際、第1段階は約1500から約6
000psi(約10.3から約41.4MPa)の圧
力下にあり、第2段階は約300から1000psi
(約2.07から6.89MPa)の圧力下にあること
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項5】 前記クリームチーズ様製品を、ホットパ
ッケージ技術を用いて容器詰めし、次いで冷蔵温度まで
冷却することを特徴とする請求項1から4のいずれかに
記載の方法。 - 【請求項6】 実質的にカゼインを含有しないクリーム
チーズ様製品を製造する方法であって、 非カゼイン蛋白質、脂肪、および水を混合することによ
って、水性の蛋白質−脂肪配合物を形成し、その際の非
カゼイン蛋白質が大豆蛋白、ホエー蛋白、豆類蛋白、卵
蛋白、動物蛋白、またはその混合物である工程と、 前記水性の蛋白質−脂肪配合物に第1の均質化を施すこ
とによって、蛋白質マトリックス安定化エマルジョンを
形成する工程と、 前記蛋白質マトリックス安定化エマルジョンを、前記非
カゼイン蛋白質を変性させるのに十分な温度および時間
にわたって加熱することによって、変性蛋白質マトリッ
クス安定化エマルジョンを形成する工程と、 前記変性蛋白質マトリックス安定化エマルジョンのpH
を約4から約6に調節する工程と、 pHを調節したエマルジョンに第2の均質化を施すこと
によって、クリームチーズ様製品を形成する工程と、 前記クリームチーズ様製品を高温で容器詰めする工程
と、 前記クリームチーズ様製品を冷蔵温度まで冷却する工程
とを有することを特徴とする方法。 - 【請求項7】 前記蛋白質マトリックス安定化エマルジ
ョンを加熱する温度が華氏約155度から華氏約195
度(約68℃から約91℃)であり、前記蛋白質マトリ
ックス安定化エマルジョンを加熱する時間が約5分から
約80分であることを特徴とする請求項6に記載の方
法。 - 【請求項8】 前記第1の均質化を二段階ホモジナイザ
ー中で実施し、その際、第1段階は約1000から約5
000psi(約6.89から約34.5MPa)の圧
力下にあり、第2段階は約300から約1000psi
(約2.07から約6.89MPa)の圧力下にあるこ
とを特徴とする請求項6または7に記載の方法。 - 【請求項9】 前記第2の均質化を二段階ホモジナイザ
ー中で実施し、その際、第1段階は約1500から約6
000psi(約10.3から約41.4MPa)の圧
力下にあり、第2段階は約300から1000psi
(約2.07から6.89MPa)の圧力下にあること
を特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の方法。 - 【請求項10】 前記クリームチーズ様製品が約0.0
1から約2パーセントのガムを含むことを特徴とする請
求項6から9のいずれかに記載の方法。 - 【請求項11】 前記非カゼイン蛋白質が大豆蛋白であ
ることを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載
の方法。 - 【請求項12】 前記非カゼイン蛋白質がホエー蛋白で
あることを特徴とする請求項6から10のいずれかに記
載の方法。 - 【請求項13】 前記非カゼイン蛋白質が大豆蛋白とホ
エー蛋白との混合物であることを特徴とする請求項6か
ら10のいずれかに記載の方法。 - 【請求項14】 前記大豆蛋白が単離大豆蛋白であるこ
とを特徴とする請求項11に記載の方法。 - 【請求項15】 変性非カゼイン蛋白質を含み、実質的
にカゼインを含有しないクリームチーズ様製品であっ
て、 非カゼイン蛋白質が、ホエー蛋白、大豆蛋白、豆類蛋
白、卵蛋白、動物蛋白、およびその混合物から成る群か
ら選択されることを特徴とする製品。 - 【請求項16】 請求項15に記載の実質的にカゼイン
を含有しないクリームチーズ様製品であって、 非カゼイン蛋白質、脂肪、および水を混合することによ
って、混合物を形成する工程と、 前記混合物に第1の均質化を施すことによって、蛋白質
マトリックス安定化エマルジョン系を形成する工程と、 前記蛋白質マトリックス安定化エマルジョン系を、蛋白
質を変性させるのに有効な温度および有効な時間にわた
って加熱することによって、変性蛋白質マトリックス安
定化エマルジョンを形成する工程と、 前記変性蛋白質マトリックス安定化エマルジョンのpH
を約4から約6に調節する工程と、 pHを調節したエマルジョンに第2の均質化を施すこと
によって、実質的にカゼインを含有しないクリームチー
ズ様製品を形成する工程と、 前記実質的にカゼインを含有しないクリームチーズ様製
品を容器詰めする工程とを含む方法によって調製される
ことを特徴とする製品。 - 【請求項17】 前記蛋白質マトリックス安定化エマル
ジョン系を華氏約155度から華氏約195度(約68
℃から約91℃)の温度に約5分から約80分にわたっ
て加熱することを特徴とする請求項16に記載の実質的
にカゼインを含有しないクリームチーズ様製品。 - 【請求項18】 前記第1の均質化を二段階ホモジナイ
ザー中で実施し、その際、第1段階は約1000から約
5000psi(約6.89から約34.5MPa)の
圧力下にあり、第2段階は約300から約1000ps
i(約2.07から約6.89MPa)の圧力下にある
ことを特徴とする請求項16または17に記載の実質的
にカゼインを含有しないクリームチーズ様製品。 - 【請求項19】 前記第2の均質化を二段階ホモジナイ
ザー中で実施し、その際、第1段階は約1500から約
6000psi(約10.3から約41.4MPa)の
圧力下にあり、第2段階は約300から1000psi
(約2.07から6.89MPa)の圧力下にあること
を特徴とする請求項16から18のいずれかに記載の実
質的にカゼインを含有しないクリームチーズ様製品。 - 【請求項20】 前記クリームチーズ様製品を、ホット
パッケージ技術を用いて容器詰めし、次いで冷蔵温度ま
で冷却することを特徴とする請求項16から19のいず
れかに記載の実質的にカゼインを含有しないクリームチ
ーズ様製品。 - 【請求項21】 前記非カゼイン蛋白質が、ホエー蛋
白、大豆蛋白、豆類蛋白、卵蛋白、動物蛋白、またはそ
の混合物であることを特徴とする請求項16から20の
いずれかに記載の実質的にカゼインを含有しないクリー
ムチーズ様製品。 - 【請求項22】 前記非カゼイン蛋白質がホエー蛋白で
あることを特徴とする請求項16から20のいずれかに
記載の実質的にカゼインを含有しないクリームチーズ様
製品。 - 【請求項23】 前記非カゼイン蛋白質が大豆蛋白であ
ることを特徴とする請求項16から20のいずれかに記
載の実質的にカゼインを含有しないクリームチーズ様製
品。 - 【請求項24】 前記実質的にカゼインを含有しないク
リームチーズ様製品が約0.01から約2パーセントの
ガムを含むことを特徴とする請求項16から23のいず
れかにに記載の実質的にカゼインを含有しないクリーム
チーズ様製品。 - 【請求項25】 前記ガムが、ローカストビーンガム、
カラゲニンガム、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウ
ム、またはカルボキシメチルセルロースであることを特
徴とする請求項24に記載の実質的にカゼインを含有し
ないクリームチーズ様製品。
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