JP2002185141A - 多層プリント配線板 - Google Patents

多層プリント配線板

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JP2002185141A
JP2002185141A JP2000382804A JP2000382804A JP2002185141A JP 2002185141 A JP2002185141 A JP 2002185141A JP 2000382804 A JP2000382804 A JP 2000382804A JP 2000382804 A JP2000382804 A JP 2000382804A JP 2002185141 A JP2002185141 A JP 2002185141A
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resin
layer
wiring board
printed wiring
plane layer
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JP2000382804A
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English (en)
Inventor
Yoichiro Kawamura
洋一郎 川村
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力供給を適正に行い得る多層プリント配線
板を提供する。 【解決手段】 多層プリント配線板において、プレーン
層58に複数のバイアホール160が配設されている。
プレーン層58に複数設けられた電力供給を行うための
バイアホール160は、外部基板からICチップまでの
電気抵抗を小さくして、ICチップへ適正に電力供給を
行うことができるため、ICチップの誤作動を防ぐこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、層間樹脂絶縁層
と導体層とを交互に積層してなる多層プリント配線層に
関し、特に、導体層として形成されるプレーン層を備え
る多層プリント配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多層プリント配線板では、ノイズを低減
するため、電磁波干渉をシールドするプレーン層を設け
る構成が採用されている。現在、多層プリント配線板に
搭載されるICチップは、能力の向上に伴い、消費する
瞬間電力も飛躍的に増大しているため、このプレーン層
を電源層として流用することによって、ICチップへ瞬
間的に大電力を供給できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図19(A)は、IC
チップ搭載前の多層プリント配線板の断面図を示す。図
19(A)に示すように、プリント配線板310では、
コア基板30内にスルーホール36が形成され、該コア
基板30の両面には下層導体回路34が形成されてい
る。また、この下層導体回路34の上には、バイアホー
ル60、バイアホール62、導体回路57及びプレーン
層58の形成された層間樹脂絶縁層40が配設されてい
る。該層間樹脂絶縁層40の上には、バイアホール16
0、バイアホール162及び導体回路158が形成され
た層間樹脂絶縁層140が配設されている。層間樹脂絶
縁層140の上には、ソルダーレジスト層70が配設さ
れている。該ソルダーレジスト層70には、開口71
U、71Dが形成され、上面側の該開口71Uには、半
田バンプ76が配設されている。また、底面側の該開口
71Dには、外部基板との接続を得るための導電性接続
ピン96が、導電性接着剤97によって接続固定されて
いる。
【0004】図19(A)のJ−J断面、即ち、プレー
ン層58の配置を図19(B)に示す。図19(B)の
K−K断面が図19(A)に相当する。図19(B)に
示すように、プレーン層58には、上面に電力を供給す
るためのバイアホール160が1つ配設されており、こ
のプレーン層58の下面にも、電力を供給するためのバ
イアホール60が1つ配設されている。上側にICチッ
プを配設する領域であるチップ搭載領域D内には、電気
信号を送信するためのバイアホール162およびバイア
ホール62が配設されている。
【0005】半田バンプ76に接続されるICチップに
は、図19(B)に示すように、プレーン層58を介し
て電力が供給されており、このプレーン層58には、プ
レーン層58の上面にあるバイアホール160と、プレ
ーン層58の下面にあるバイアホール60とがそれぞれ
1個ずつ接続されている。つまり、プレーン層58に設
けられているバイアホールは、1つのみであるため、外
部基板からICチップまでの電気抵抗は大きくなり、I
Cチップに供給される電力は小さくなる。この電力供給
が小さくなっているため、ICチップへの正確な電気伝
達を妨げることとなり、ICチップの誤動作の原因とな
っている。
【0006】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、その目的は、電力供給を適正に行
い得る多層プリント配線板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1は、層間樹脂絶縁層と導体層とを交互に積
層してなる多層プリント配線板において、前記導体層の
内の少なくとも1層は、プレーン層であり、前記プレー
ン層には、複数のバイアホールが配設されていることを
技術的特徴とする。
【0008】請求項1の発明では、プレーン層が配設さ
れた多層プリント配線板について、このプレーン層に
は、バイアホールが少なくとも2つ以上設けられてい
る。つまり、このプレーン層に複数設けられた電力供給
を行うためのバイアホールは、外部基板からICチップ
までの電気抵抗を小さくして、ICチップへ適正に電力
供給を行うことができるため、ICチップの誤作動を防
ぐことができる。
【0009】請求項2は、請求項1に記載の多層プリン
ト配線板において、前記プレーン層には、前記プレーン
層の上層および下層に配設された樹脂絶縁層を接続する
ためのメッシュ孔が配設されていることを技術的特徴と
する。
【0010】請求項2の発明では、プレーン層には、メ
ッシュ孔が設けられているため、このプレーン層の上層
に配設された樹脂絶縁層と下層に配設された樹脂絶縁層
とが直接接触されている。この直接接触している2つの
樹脂絶縁層の間には、プレーン層が挟まれているため、
このプレーン層の剥離を防ぎ、このプレーン層と上層お
よび下層の樹脂絶縁層との接続性を改善することができ
る。また、このメッシュ孔を通して、この樹脂絶縁層に
吸収された水分等からなるガスを発散しやすくするた
め、樹脂絶縁層の絶縁性を高めることができる。さら
に、このプレーン層に設けられた複数ある電力供給を行
うためのバイアホールは、外部基板からICチップまで
の電気抵抗を小さくするため、ICチップへ適正に電力
供給を行うことができる。したがって、ICチップの誤
作動を防ぐことができる。
【0011】また、請求項3は、請求項1に記載の多層
プリント配線板において、前記プレーン層には、バイア
ホールを配設するための開口が配設されていることを技
術的特徴とする。
【0012】請求項3の発明では、電気信号を伝送する
ためのバイアホールを有するプレーン層が配設された多
層プリント配線板において、プレーン層に、電力供給を
行うためのバイアホールが2つ以上設けられているた
め、外部基板からICチップまでの電気抵抗を小さくし
て、ICチップへ適正に電力供給を行うことができる。
したがって、ICチップの誤作動を防ぐことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
を参照して説明する。先ず、本発明の第1実施例に係る
プリント配線板の構成について、図6および図7を参照
して説明する。図6は、ICチップ搭載前の多層プリン
ト配線板の断面図を示す。図6に示すように、プリント
配線板10では、コア基板30内にスルーホール36が
形成され、該コア基板30の両面には下層導体回路34
が形成されている。また、この下層導体回路34の上に
は、バイアホール60、バイアホール62、導体回路5
7及びプレーン層58の形成された層間樹脂絶縁層40
が配設されている。該層間樹脂絶縁層40の上には、バ
イアホール160、バイアホール162及び導体回路1
58が形成された層間樹脂絶縁層140が配設されてい
る。層間樹脂絶縁層140の上には、ソルダーレジスト
層70が配設されている。該ソルダーレジスト層70に
は、開口71U、71Dが形成され、上面側の該開口7
1Uには、半田バンプ76が配設されている。また、底
面側の該開口71Dには、外部基板との接続を得るため
の導電性接続ピン96が、導電性接着剤97によって接
続固定されている。
【0014】図6のC−C断面、即ち、プレーン層58
の平面図を図7に示す。図7のE−E断面が図6に相当
する。図7に示すように、プレーン層58には、上面に
電力を供給するためのバイアホール160が4つ配設さ
れており、このプレーン層58の下面にも、電力を供給
するためのバイアホール60が4つ配設されている。上
側にICチップを配設する領域であるチップ搭載領域D
内には、電気信号を送信するためのバイアホール162
およびバイアホール62が配設されている。
【0015】第1実施例の多層プリント配線板10で
は、電力を供給するためのバイアホール160およびバ
イアホール60が、プレーン層58にそれぞれ2つ以上
設けられているため、外部基板からICチップまでの電
気抵抗を小さくして、ICチップへ瞬間的に大電力を供
給することが可能となり、ICチップへ適正に電力供給
を行うことができる。
【0016】次に、本発明の第1実施例のプリント配線
板の製造方法に用いるA.層間樹脂絶縁層用樹脂フィル
ム、B.樹脂充填剤について説明する。
【0017】A.層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量46
9、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30
重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキ
シ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロン
N−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノー
ルノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大
日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−705
2)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重
量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱
溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム
(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)
15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシ
メチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリ
カ2重量部、シリコン系消泡剤0.5重量部を添加しエ
ポキシ樹脂組成物を調製する。得られたエポキシ樹脂組
成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さ
が50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布し
た後、80〜120℃で10分間乾燥させることによ
り、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製する。
【0018】B.樹脂充填剤の調製 ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社
製、分子量:310、YL983U)100重量部、表
面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒
径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のS
iO2 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−
CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社
製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌
混合することにより、その粘度が23±1℃で45〜4
9Pa・sの樹脂充填剤を調製する。なお、硬化剤とし
て、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−
CN)6.5重量部を用いる。
【0019】引き続き、図6を参照して上述したプリン
ト配線板の製造方法について、図1〜図6を参照して説
明する。
【0020】(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹
脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からな
る基板30の両面に18μmの銅箔32がラミネートさ
れている銅張積層板30Aを出発材料とする(図1
(A)参照)。まず、この銅貼積層板30Aをドリル削
孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチン
グすることにより、基板30の両面に下層導体回路34
とスルーホール36を形成する(図1(B)参照)
【0021】(2)スルーホール36および下層導体回
路34を形成した基板30を水洗いし、乾燥した後、N
aOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、
Na3PO4 (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化
浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/
l)、NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴と
する還元処理を行い、下層導体回路34およびスルーホ
ール36の表面に粗化面34aを形成する(図1(C)
参照)。
【0022】(3)上記Bに記載した樹脂充填剤を調製
した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スル
ーホール36内、および、基板30の片面の下層導体回
路34非形成部に樹脂充填剤38の層を形成する。すな
わち、まず、スキージを用いてスルーホール36内に樹
脂充填剤38を押し込んだ後、100℃、20分の条件
で乾燥させる。次に、下層導体回路34非形成部に相当
する部分が開口したマスクを基板30上に載置し、スキ
ージを用いて凹部となっている下層導体回路34非形成
部に樹脂充填剤38の層を形成し、100℃、20分の
条件で乾燥させる(図1(D)参照)。
【0023】(4)上記(3)の処理を終えた基板30
の片面を、#600のベルト研磨紙(三共理化学製)を
用いたベルトサンダー研磨により、下層導体回路34の
表面やスルーホール36のランド36a表面に樹脂充填
剤38が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサ
ンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行う。
このような一連の研磨を基板30の他方の面についても
同様に行う。次いで、100℃で1時間、150℃で1
時間の加熱処理を行って樹脂充填剤38を硬化させる。
【0024】このようにして、スルーホール36や導体
回路34非形成部に形成された樹脂充填材38の表層部
および下層導体回路34の表面を平坦化し、樹脂充填材
38と下層導体回路34及びスルーホール36とが粗化
面34aを介して強固に密着した絶縁性基板を得る(図
2(A)参照)。すなわち、この工程により、樹脂充填
剤38の表面と下層導体回路34の表面とが同一平面と
なる。
【0025】(5)上記基板30を水洗、酸性脱脂した
後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板
30の両面にスプレイで吹きつけて、下層導体回路34
の表面とスルーホール36のランド36a表面とをエッ
チングすることにより、下層導体回路34の全表面に粗
化面34bを形成する(図2(B)参照)。エッチング
液としては、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、
グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部からなる
エッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使
用する。
【0026】(6)基板30の両面に、上記Aで作製し
た基板30より少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィ
ルムを基板30上に載置し、圧力4kgf/cm2 、温
度80℃、圧着時間10秒の条件で仮圧着して裁断した
後、さらに、以下の方法により真空ラミネーター装置を
用いて貼り付けることにより層間樹脂絶縁層40を形成
する(図2(C)参照)。すなわち、層間樹脂絶縁層用
樹脂フィルムを基板30上に、真空度0.5Torr、
圧力4kgf/cm2 、温度80℃、圧着時間60秒の
条件で本圧着し、その後、170℃で30分間熱硬化さ
せる。
【0027】(7)次に、層間樹脂絶縁層40上に、厚
さ1.2mmの貫通孔44aが形成されたマスクを42
介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビ
ーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.
0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの
条件で層間樹脂絶縁層40に、直径80μmのバイアホ
ール用開口44を形成する(図2(D)参照)。
【0028】(8)バイアホール用開口44を形成した
基板30を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の
溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層40の表面に存
在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バ
イアホール用開口44の内壁を含む層間樹脂絶縁層40
の表面に粗化面40aを形成する(図3(A)参照)。
【0029】(9)次に、上記処理を終えた基板30
を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いす
る。さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板
30の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、
層間樹脂絶縁層40の表面およびバイアホール用開口4
4の内壁面に触媒核を付着させる。
【0030】(10)次に、以下の組成の無電解銅めっ
き水溶液中に基板30を浸漬して、粗化面40a全体に
厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜48を形成
する(図3(B)参照)。 〔無電解めっき水溶液〕 NiSO4 0.003 mol/l 酒石酸 0.200 mol/l 硫酸銅 0.030 mol/l HCHO 0.050 mol/l NaOH 0.100 mol/l α、α′−ビピリジル 40 mg/l ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l 〔無電解めっき条件〕35℃の液温度で40分
【0031】(11)市販の感光性ドライフィルム50
を無電解銅めっき膜48に貼り付ける。その後、感光性
ドライフィルム50上にパタン52aを載置する(図3
(C)参照)。次いで、100mJ/cm2 で露光し、
0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することによ
り、厚さ30μmのめっきレジスト54を設ける(図3
(D)参照)。
【0032】(12)ついで、基板30を50℃の水で
洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗
浄してから、以下の条件で電解銅めっきを施し、厚さ2
0μmの電解銅めっき膜56を形成する(図4(A)参
照)。 〔電解めっき水溶液〕 硫酸 2.24 mol/l 硫酸銅 0.26 mol/l 添加剤 19.5 ml/l (アトテックジャパン社製、カパラシドHL) 〔電解めっき条件〕 電流密度 1 A/dm2 時間 65 分 温度 22±2 ℃
【0033】(13)めっきレジスト54を5%NaO
Hで剥離除去した後、そのめっきレジスト54下の無電
解めっき膜48を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチン
グ処理して溶解除去し、無電解銅めっき膜48と電解銅
めっき膜56からなる厚さ18μmのプレーン層58、
バイアホール60、バイアホール62、導体回路57を
形成する(図4(B)参照)。
【0034】(14)上記(5)と同様の処理を行い、
第二銅錯体と有機酸とを含有するエッチング液によっ
て、粗化面58aを形成する(図4(C)参照)。
【0035】(15)上記(6)〜(14)の工程を繰
り返すことにより、さらに上層に、層間樹脂絶縁層14
0及び導体回路158(バイアホール160、バイアホ
ール162を含む)を形成し、多層配線板を得る(図4
(D)参照)。
【0036】(16)次に、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるよ
うに溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した
感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.6
7重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%
のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、
商品名:エピコート1001)15.0重量部、イミダ
ゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−C
N)1.6重量部、感光性モノマーである2官能アクリ
ルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)4.5
重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、
商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サ
ンノプコ社製、S−65)0.71重量部を容器にと
り、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成
物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化
学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケト
ン(関東化学社製)0.2重量部、を加えることによ
り、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダー
レジスト組成物を得る。なお、粘度測定は、B型粘度計
(東京計器社製、DVL−B型)で60rpmの場合は
ローターNo.4、6rpmの場合はローターNo.3
によった。
【0037】(17)次に、多層配線基板の両面に、上
記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、
70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理
を行った後、ソルダーレジスト開口部71U、71Dの
パターンが描画された厚さ5mmのフォトマスク(開示
せず)をソルダーレジスト層70に密着させて1000
mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処
理し、200μmの直径の開口部71U、71Dを形成
する。そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1
時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそ
れぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化さ
せ、開口部71U、71Dを有し、その厚さが20μm
のソルダーレジスト層70を形成する(図5(A)参
照)。上記ソルダーレジスト組成物としては、市販のソ
ルダーレジスト組成物を使用することもできる。
【0038】(18)次に、ソルダーレジスト層70を
形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol
/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol
/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/
l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に2
0分間浸漬して、開口部71U、71Dに厚さ5μmの
ニッケルめっき層72を形成する。さらに、その基板を
シアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩
化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン
酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン
酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電
解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニ
ッケルめっき層72上に、厚さ0.03μmの金めっき
層74を形成する(図5(B)参照)。
【0039】(19)この後、基板30のソルダーレジ
スト層70の開口71Uにスズ−鉛を含有する半田ペー
ストを印刷する。さらに、他方の面の開口部71D内に
導電性接着剤97として半田ペーストを印刷する。次
に、導電性接続ピン96を適当なピン保持装置に取り付
けて支持し、導電性接続ピン96の固定部98を開口部
71D内の導電性接着剤97に当接させる。そして、2
00℃でリフローを行い、開口部71Uに半田バンプ7
6を形成し、開口部71Dの導電性接続ピン96を導電
性接着剤97に固定する。(図6参照)。
【0040】続いて、本発明の第1実施例のプリント配
線板及びプリント配線板の製造方法において層間樹脂絶
縁層を形成するために使用する樹脂フィルムについて説
明する。該樹脂フィルムは、難溶性樹脂、可溶性粒子、
硬化剤、その他の成分が含有されている。それぞれにつ
いて以下に説明する。
【0041】本発明の製造方法において使用する樹脂フ
ィルムは、酸または酸化剤に可溶性の粒子(以下、可溶
性粒子という)が酸または酸化剤に難溶性の樹脂(以
下、難溶性樹脂という)中に分散したものである。な
お、本発明で使用する「難溶性」「可溶性」という語
は、同一の酸または酸化剤からなる溶液に同一時間浸漬
した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可
溶性」と呼び、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上
「難溶性」と呼ぶ。
【0042】上記可溶性粒子としては、例えば、酸また
は酸化剤に可溶性の樹脂粒子(以下、可溶性樹脂粒
子)、酸または酸化剤に可溶性の無機粒子(以下、可溶
性無機粒子)、酸または酸化剤に可溶性の金属粒子(以
下、可溶性金属粒子)等が挙げられる。これらの可溶性
粒子は、単独で用いても良いし、2種以上併用してもよ
い。
【0043】上記可溶性粒子の形状は特に限定されず、
球状、破砕状等が挙げられる。また、上記可溶性粒子の
形状は、一様な形状であることが望ましい。均一な粗さ
の凹凸を有する粗化面を形成することができるからであ
る。
【0044】上記可溶性粒子の平均粒径としては、0.
1〜10μmが望ましい。この粒径の範囲であれば、2
種類以上の異なる粒径のものを含有してもよい。すなわ
ち、平均粒径が0.1〜0.5μmの可溶性粒子と平均
粒径が1〜3μmの可溶性粒子とを含有する等である。
これにより、より複雑な粗化面を形成することができ、
導体回路との密着性にも優れる。なお、本発明におい
て、可溶性粒子の粒径とは、可溶性粒子の一番長い部分
の長さである。
【0045】上記可溶性樹脂粒子としては、熱硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸あるい
は酸化剤からなる溶液に浸漬した場合に、上記難溶性樹
脂よりも溶解速度が速いものであれば特に限定されな
い。上記可溶性樹脂粒子の具体例としては、例えば、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフ
ェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等から
なるものが挙げられ、これらの樹脂の一種からなるもの
であってもよいし、2種以上の樹脂の混合物からなるも
のであってもよい。
【0046】また、上記可溶性樹脂粒子としては、ゴム
からなる樹脂粒子を用いることもできる。上記ゴムとし
ては、例えば、ポリブタジエンゴム、エポキシ変性、ウ
レタン変性、(メタ)アクリロニトリル変性等の各種変
性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基を含有した(メ
タ)アクリロニトリル・ブタジエンゴム等が挙げられ
る。これらのゴムを使用することにより、可溶性樹脂粒
子が酸あるいは酸化剤に溶解しやすくなる。つまり、酸
を用いて可溶性樹脂粒子を溶解する際には、強酸以外の
酸でも溶解することができ、酸化剤を用いて可溶性樹脂
粒子を溶解する際には、比較的酸化力の弱い過マンガン
酸塩でも溶解することができる。また、クロム酸を用い
た場合でも、低濃度で溶解することができる。そのた
め、酸や酸化剤が樹脂表面に残留することがなく、後述
するように、粗化面形成後、塩化パラジウム等の触媒を
付与する際に、触媒が付与されなかったり、触媒が酸化
されたりすることがない。
【0047】上記可溶性無機粒子としては、例えば、ア
ルミニウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合
物、マグネシウム化合物およびケイ素化合物からなる群
より選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げら
れる。
【0048】上記アルミニウム化合物としては、例え
ば、アルミナ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、上記
カルシウム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、
水酸化カルシウム等が挙げられ、上記カリウム化合物と
しては、炭酸カリウム等が挙げられ、上記マグネシウム
化合物としては、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸
マグネシウム等が挙げられ、上記ケイ素化合物として
は、シリカ、ゼオライト等が挙げられる。これらは単独
で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0049】上記可溶性金属粒子としては、例えば、
銅、ニッケル、鉄、亜鉛、鉛、金、銀、アルミニウム、
マグネシウム、カルシウムおよびケイ素からなる群より
選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げられ
る。また、これらの可溶性金属粒子は、絶縁性を確保す
るために、表層が樹脂等により被覆されていてもよい。
【0050】上記可溶性粒子を、2種以上混合して用い
る場合、混合する2種の可溶性粒子の組み合わせとして
は、樹脂粒子と無機粒子との組み合わせが望ましい。両
者とも導電性が低くいため樹脂フィルムの絶縁性を確保
することができるとともに、難溶性樹脂との間で熱膨張
の調整が図りやすく、樹脂フィルムからなる層間樹脂絶
縁層にクラックが発生せず、層間樹脂絶縁層と導体回路
との間で剥離が発生しないからである。
【0051】上記難溶性樹脂としては、層間樹脂絶縁層
に酸または酸化剤を用いて粗化面を形成する際に、粗化
面の形状を保持できるものであれば特に限定されず、例
えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等
が挙げられる。また、これらの樹脂に感光性を付与した
感光性樹脂であってもよい。感光性樹脂を用いることに
より、層間樹脂絶縁層に露光、現像処理を用いてバイア
ホール用開口を形成することできる。これらのなかで
は、熱硬化性樹脂を含有しているものが望ましい。それ
により、めっき液あるいは種々の加熱処理によっても粗
化面の形状を保持することができるからである。
【0052】上記難溶性樹脂の具体例としては、例え
ば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、
ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン
樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独
で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。さらに
は、1分子中に、2個以上のエポキシ基を有するエポキ
シ樹脂がより望ましい。前述の粗化面を形成することが
できるばかりでなく、耐熱性等にも優れてるため、ヒー
トサイクル条件下においても、金属層に応力の集中が発
生せず、金属層の剥離などが起きにくいからである。
【0053】上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ
樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエ
ン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基
を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、
トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂
等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れる
ものとなる。
【0054】本発明で用いる樹脂フィルムにおいて、上
記可溶性粒子は、上記難溶性樹脂中にほぼ均一に分散さ
れていることが望ましい。均一な粗さの凹凸を有する粗
化面を形成することができ、樹脂フィルムにバイアホー
ルやスルーホールを形成しても、その上に形成する導体
回路の金属層の密着性を確保することができるからであ
る。また、粗化面を形成する表層部だけに可溶性粒子を
含有する樹脂フィルムを用いてもよい。それによって、
樹脂フィルムの表層部以外は酸または酸化剤にさらされ
ることがないため、層間樹脂絶縁層を介した導体回路間
の絶縁性が確実に保たれる。
【0055】上記樹脂フィルムにおいて、難溶性樹脂中
に分散している可溶性粒子の配合量は、樹脂フィルムに
対して、3〜40重量%が望ましい。可溶性粒子の配合
量が3重量%未満では、所望の凹凸を有する粗化面を形
成することができない場合があり、40重量%を超える
と、酸または酸化剤を用いて可溶性粒子を溶解した際
に、樹脂フィルムの深部まで溶解してしまい、樹脂フィ
ルムからなる層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の絶縁
性を維持できず、短絡の原因となる場合がある。
【0056】上記樹脂フィルムは、上記可溶性粒子、上
記難溶性樹脂以外に、硬化剤、その他の成分等を含有し
ていることが望ましい。上記硬化剤としては、例えば、
イミダゾール系硬化剤、アミン系硬化剤、グアニジン系
硬化剤、これらの硬化剤のエポキシアダクトやこれらの
硬化剤をマイクロカプセル化したもの、トリフェニルホ
スフィン、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェ
ニルボレート等の有機ホスフィン系化合物等が挙げられ
る。
【0057】上記硬化剤の含有量は、樹脂フィルムに対
して0.05〜10重量%であることが望ましい。0.
05重量%未満では、樹脂フィルムの硬化が不十分であ
るため、酸や酸化剤が樹脂フィルムに侵入する度合いが
大きくなり、樹脂フィルムの絶縁性が損なわれることが
ある。一方、10重量%を超えると、過剰な硬化剤成分
が樹脂の組成を変性させることがあり、信頼性の低下を
招いたりしてしまうことがある。
【0058】上記その他の成分としては、例えば、粗化
面の形成に影響しない無機化合物あるいは樹脂等のフィ
ラーが挙げられる。上記無機化合物としては、例えば、
シリカ、アルミナ、ドロマイト等が挙げられ、上記樹脂
としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアクリル樹
脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、メラ
ニン樹脂、オレフィン系樹脂等が挙げられる。これらの
フィラーを含有させることによって、熱膨脹係数の整合
や耐熱性、耐薬品性の向上などを図りプリント配線板の
性能を向上させることができる。
【0059】また、上記樹脂フィルムは、溶剤を含有し
ていてもよい。上記溶剤としては、例えば、アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、
酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートやトル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。こ
れらは単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよ
い。
【0060】次に、本発明の第2実施例に係るプリント
配線板20について、図12を参照して説明する。上述
した第1実施例では、図6に示すように導電性接続ピン
96を介して接続を取るPGA方式で説明した。第2実
施例では、第1実施例とほぼ同様であるが、図12に示
すように下面も半田バンプ76を介して接続を取るBG
A方式で構成されている。
【0061】第2実施例の多層プリント配線板20で
は、第1実施例と同様に電力を供給するためのバイアホ
ール160およびバイアホール60が、プレーン層58
にそれぞれ2つ以上設けられているため、外部基板から
ICチップまでの電気抵抗を小さくして、ICチップへ
瞬間的に大電力を供給することが可能となり、ICチッ
プへ適正に電力供給を行うことができる。
【0062】引き続き、図12を参照して上述した第2
実施例のプリント配線板の製造方法について、図8〜図
12を参照して説明する。
【0063】(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹
脂またはBT(ビスマレイミド−トリアジン)樹脂から
なる基板30の両面に18μmの銅箔32がラミネート
されている銅張積層板30Aを出発材料とする(図8
(A)参照)。まず、この銅張積層板30Aをドリル削
孔し、続いてめっきレジストを形成した後、この基板3
0に無電解銅めっき処理を施してスルーホール36を形
成し、さらに、銅箔を常法に従いパターン状にエッチン
グすることにより、基板30の両面に下層導体回路34
を形成する(図8(B)参照)。
【0064】(2)下層導体回路34を形成した基板3
0を水洗いし、乾燥した後、エッチング液を基板30の
両面にスプレイで吹きつけて、下層導体回路34の表面
とスルーホール36のランド表面36aとをエッチング
することにより、下層導体回路34の全表面に粗化面3
4aを形成する(図8(C)参照)。エッチング液とし
て、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール
酸7重量部、塩化カリウム5重量部およびイオン交換水
78重量部を混合したものを使用した。
【0065】(3)シクロオレフィン系樹脂を主成分と
する樹脂充填剤38を、基板30の両面に印刷機を用い
て塗布することにより、下層導体回路34間またはスル
ーホール36内に充填し、加熱乾燥を行う。即ち、この
工程により、樹脂充填剤38が下層導体回路34の間あ
るいはスルーホール36内に充填される(図8(D)参
照)。
【0066】(4)上記(3)の処理を終えた基板30
の片面を、ベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベ
ルトサンダー研磨により、下層導体回路34の表面やス
ルーホール36のランド表面36aに樹脂充填剤38が
残らないように研磨し、ついで、上記ベルトサンダー研
磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行う。このよう
な一連の研磨を基板30の他方の面についても同様に行
う。そして、充填した樹脂充填剤38を加熱硬化させる
(図9(A)参照)。
【0067】このようにして、スルーホール36等に充
填された樹脂充填剤38の表層部および下層導体回路3
4上面の粗化層34aを除去して基板30両面を平滑化
し、樹脂充填剤38と下層導体回路34とが粗化面34
aを介して強固に密着し、またスルーホール36の内壁
面と樹脂充填剤38とが粗化面36aを介して強固に密
着した配線基板を得る。
【0068】(5)次に、上記(4)の処理を終えた基
板30の両面に、上記(2)で用いたエッチング液と同
じエッチング液をスプレイで吹きつけ、一旦平坦化され
たプレーン層34の表面とスルーホール36のランド表
面36aとをエッチングすることにより、下層導体回路
34の全表面に粗化面34bを形成する(図9(B)参
照)。
【0069】(6)次に、上記工程を経た基板の両面
に、厚さ50μmの熱硬化型シクロオレフィン系樹脂シ
ートを温度50〜150℃まで昇温しながら圧力5kg
/cm2で真空圧着ラミネートし、シクロオレフィン系
樹脂からなる層間樹脂絶縁層40を設ける(図9(C)
参照)。真空圧着時の真空度は、10mmHgである。
【0070】(7)次に、開口44aの形成されたマス
ク42を載置し、炭酸ガスレーザにより層間樹脂絶縁層
40にバイアホール用開口44を形成する(図9(D)
参照)。ここでは、レーザを用いるが、露光・現像処理
によりバイアホール用開口44を形成することもでき
る。
【0071】(8)次に、日本真空技術株式会社製のS
V−4540を用いてプラズマ処理を行い、層間樹脂絶
縁層40の表面に粗化面40aを形成する(図10
(A)参照)。この際、不活性ガスとしてはアルゴンガ
スを使用し、電力200W、ガス圧0.6Pa、温度7
0℃の条件で、2分間プラズマ処理を実施する。
【0072】(9)その後、Ni及びCuをターゲット
にしたスパッタリングを行い、Ni/Cu金属層48を
層間樹脂絶縁層40の表面に形成する(図10(B)参
照)。ここでは、スパッタを用いているが、無電解めっ
きにより、銅、ニッケル等の金属層を形成してもよい。
また、場合によってはスパッタで形成した後に、無電解
めっき膜を形成させてもよい。
【0073】(10)次に、Ni/Cu金属層48の表
面に感光性ドライフィルムを貼り付け、マスクを載置し
て、露光・現像処理し、所定パターンのレジスト54を
形成する。そして、電解めっき液にコア基板30を浸漬
し、Ni/Cu金属層48を介して電流を流し、レジス
ト54非形成部に以下の条件で電解めっきを施し、電解
めっき56を析出させる(図10(C)参照)。
【0074】 〔電解めっき水溶液〕 硫酸 2.24 mol/l 硫酸銅 0.26 mol/l 添加剤(アトテックジャパン製、カパラシドHL) 19.5 ml/l 〔電解めっき条件〕 電流密度 1A/dm2 時間 120分 温度 22±2℃
【0075】(11)ついで、めっきレジスト54を5
%NaOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト54
下のNi/Cu金属層48を硫酸と過酸化水素の混合液
でエッチング処理して溶解除去し、Ni/Cu金属層4
8と電解銅めっき56とからなるプレーン層58、バイ
アホール60およびバイアホール62を形成する(図1
0(D))。そして、基板30の両面にエッチング液を
スプレイで吹きつけ、プレーン層58、バイアホール6
0、バイアホール62の表面をエッチングすることによ
り、表面に粗化層58aを形成する(図11(A)参
照)。
【0076】(12)上記(6)〜(10)工程を繰り
返し、層間樹脂絶縁層140、導体回路158、バイア
ホール160およびバイアホール162を形成する。そ
して、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹きつけ
て、導体回路158、バイアホール160、バイアホー
ル162の表面をエッチングすることにより、全表面に
粗化層158aを形成する(図11(B)参照)。エッ
チング液として、イミダゾール銅(II)錯体10重量
部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部およ
びイオン交換水78重量部を混合したものを使用する。
【0077】(13)次に、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるよ
うに溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した
感光性付与のオリゴマー(分子量4000)46.67
重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%の
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商
品名:エピコート1001)15重量部、イミダゾール
硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)
1.6重量部、感光性モノマーである多官能アクリルモ
ノマー(共栄化学社製、商品名:R604)3重量部、
同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:
DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ
社製、商品名:S−65)0.71重量部を容器にと
り、攪拌、混合して混合組成物を調整し、この混合組成
物に対して光重量開始剤としてベンゾフェノン(関東化
学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケト
ン(関東化学社製)0.2重量部を加えて、粘度を25
℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物
(有機樹脂絶縁材料)を得る。なお、粘度測定は、B型
粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60rpmの
場合はローターNo.4、6rpmの場合はローターN
o.3によった。
【0078】(14)次に、基板30の両面に、上記ソ
ルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70
℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行
った後、ソルダーレジスト開口部71のパターンが描画
された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層
70に密着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光
し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開
口部71を形成する。そして、さらに、80℃で1時
間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で
3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジ
スト層70を硬化させ、開口部71を有する、その厚さ
が20μmのソルダーレジスト層70を形成する(図1
1(C)参照)。
【0079】(15)次に、次に、ソルダーレジスト層
(有機樹脂絶縁層)70を形成した基板を、塩化ニッケ
ル(2.3×10-1mol/l)、次亞リン酸ナトリウ
ム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム
(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無
電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部71
に厚さ5μmのニッケルめっき層72を形成する。さら
に、その基板を、シアン化金カリウム(7.6×10-3
mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10 -1mo
l/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol
/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol
/l)を含む無電解めっき液に80℃の条件で7.5分
間浸漬して、ニッケルめっき層72上に厚さ0.03μ
mの金めっき層74を形成する(図11(D))。
【0080】(21)この後、ソルダーレジスト層70
の開口部71に、はんだペーストを印刷して、200℃
でリフローすることにより、半田バンプ(半田体)76
を形成する。これにより、半田バンプ76を有するプリ
ント配線板10を得ることができる(図12参照)。
【0081】引き続き、第3実施例に係る多層プリント
配線板の構成について説明する。第3実施例では、図1
3に示すように導電性接続ピン96を介して接続を取る
PGA方式で構成される。上述した第1実施例とほぼ同
じであるが、チップ搭載領域Dの外側にプレーン層58
を形成し、このプレーン層58にメッシュ孔59aを配
設してプリント配線板110の成形を行った。
【0082】図13のF−F断面、即ち、層間樹脂絶縁
層40の表面に形成されたプレーン層58の平面を図1
4に示す。図14のG−G断面が図13に相当する。図
14に示すようにチップ搭載領域Dの外側には、プレー
ン層58が形成されており、このプレーン層58には、
電力を供給するためのバイアホール160およびバイア
ホール60がそれぞれ2つ以上設けられている。また、
このプレーン層58には、直径200μmのメッシュ孔
59aが形成されている。一方、チップ搭載領域Dの内
側には、電気信号を伝送するための層間樹脂絶縁層40
に形成されたバイアホール63及び層間樹脂絶縁層14
0に形成されたバイアホールが接続するパッド(バイア
ホール163の底部)163aが配設されている。即
ち、バイアホール63のランド及びバイアホール163
の接続するパッド163aが一体に形成されている。
【0083】第3実施例の多層プリント配線板110で
は、プレーン層58に形成されたメッシュ孔59aにて
プレーン層58の上層に配設される層間樹脂絶縁層14
0と下層に配設される層間樹脂絶縁層40とを、直接接
触させるので、接着性を高めることができる。また、こ
のメッシュ孔59aを通して、層間樹脂絶縁層140、
40に吸収された水分等からなるガスを発散できるた
め、層間樹脂絶縁層140、40の絶縁性を高め、また
層間樹脂絶縁層の剥離を防止することが可能になる。さ
らに、プレーン層58と導通しているバイアホール16
0およびバイアホール60が、それぞれ2つ以上設けら
れているため、外部基板からICチップまでの電気抵抗
を小さくして、ICチップへ適正に電力供給を行うこと
ができる。
【0084】引き続き、第4実施例に係る多層プリント
配線板の構成について説明する。第4実施例では、図1
5に示すように半田バンプ76を介して接続を取るBG
A方式で構成される。上述した第2実施例とほぼ同じで
あるが、チップ搭載領域Dの外側にプレーン層58を形
成し、このプレーン層58にメッシュ孔59aを配設し
てプリント配線板120の成形を行った。
【0085】引き続き、第5実施例にかかる多層プリン
ト配線板について説明する。第5実施例では、図16に
示すように導電性接続ピン96を介して接続を取るPG
A方式で構成される。上述した第1実施例とほぼ同じで
あるが、プレーン層58と、電気信号を伝送するための
バイアホール(バイアホール164およびバイアホール
64)との間に間隔をあけて、このバイアホールを配設
してプリント配線板210の成形を行った。バイアホー
ル164は、プレーン層58と半田バンプ76とを導通
するように配設され、バイアホール64は、プレーン層
58と下層導体回路34とを導通するように配設されて
いる。
【0086】図16のH−H断面、即ち、層間樹脂絶縁
層40の表面に形成されたプレーン層58の平面を図1
7(A)に示す。図17(A)のI−I断面が図16に
相当する。図17に示すようにプレーン層58には、チ
ップ搭載領域Dの内側に瓢箪型の開口59bが形成され
ている。図17(B)に該開口59bを拡大して示す。
該開口59b内には、数十μmの間隙Kを設けて層間樹
脂絶縁層40に形成されたバイアホール64及び層間樹
脂絶縁層140に形成されたバイアホール164が接続
するパッド(バイアホール164の底部)164aが配
設されている。即ち、バイアホール64のランド及びバ
イアホール164の接続するパッド164aが一体に形
成されている。
【0087】第5実施例の多層プリント配線板210で
は、プレーン層58には、電気信号を伝送するためのバ
イアホール64およびバイアホール164が、間隔Kを
あけてプレーン層58に配設されているため、プレーン
層での短絡を防ぐことができる。また、プレーン層58
と導通しているバイアホール160およびバイアホール
60が、それぞれ2つ以上設けられているため、外部基
板からICチップまでの電気抵抗を小さくして、ICチ
ップへ適正に電力供給を行うことができる。
【0088】第6実施例に係る多層プリント配線板の構
成について説明する。第6実施例では、図18に示すよ
うに半田バンプ76を介して接続を取るBGA方式で構
成される。上述した第2実施例とほぼ同じであるが、プ
レーン層58と、電気信号を伝送するためのバイアホー
ル(バイアホール164およびバイアホール64)との
間に間隔をあけてこのバイアホールを配設してプリント
配線板220の成形を行った。
【0089】なお、上述した第1〜第6実施例では、層
間樹脂絶縁層40の表面にプレーン層58を設けたが、
コア基板30の表面にプレーン層を設ける際にも、バイ
アホール、スルーホールを複数設けることで、外部基板
からICチップまでの電気抵抗を小さくすることができ
る。
【0090】
【発明の効果】本発明は、上述したように、プレーン層
には、電力供給を行うためのバイアホールが2つ以上配
設されており、この2つ以上あるバイアホールを介して
ICチップに電力を供給するため、電力供給を行うため
のバイアホールを1つのみ配設している従来のプレーン
層よりも、外部基板からICチップまでの電気抵抗を小
さくして、適正な電力供給ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)、(B)、(C)、(D)は、本発
明の第1実施例に係るプリント配線板の製造工程図であ
る。
【図2】図2(A)、(B)、(C)、(D)は、本発
明の第1実施例に係るプリント配線板の製造工程図であ
る。
【図3】図3(A)、(B)、(C)、(D)は、本発
明の第1実施例に係るプリント配線板の製造工程図であ
る。
【図4】図4(A)、(B)、(C)、(D)は、本発
明の第1実施例に係るプリント配線板の製造工程図であ
る。
【図5】図5は、(A)、(B)は、本発明の第1実施
例に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図6】本発明の第1実施例に係るプリント配線板の断
面図である。
【図7】図7は、本発明の第1実施例および第2実施例
に係る多層プリント配線板の平面図である。
【図8】図8(A)、(B)、(C)、(D)は、本発
明の第2実施例に係るプリント配線板の製造工程図であ
る。
【図9】図9(A)、(B)、(C)、(D)は、本発
明の第2実施例に係るプリント配線板の製造工程図であ
る。
【図10】図10(A)、(B)、(C)、(D)は、
本発明の第2実施例に係るプリント配線板の製造工程図
である。
【図11】図11(A)、(B)、(C)、(D)は、
本発明の第2実施例に係るプリント配線板の製造工程図
である。
【図12】本発明の第2実施例に係るプリント配線板の
断面図である。
【図13】本発明の第3実施例に係るプリント配線板の
断面図である。
【図14】図14は、本発明の第3実施例および第4実
施例に係る多層プリント配線板のプレーン層の平面図で
ある。
【図15】本発明の第4実施例に係るプリント配線板の
断面図である。
【図16】本発明の第5実施例に係るプリント配線板の
断面図である。
【図17】図17(A)は、本発明の第3実施例および
第4実施例に係る多層プリント配線板のプレーン層の平
面図であり、 図17(B)は、 図17(A)に示す
開口の拡大図である。
【図18】本発明の第6実施例に係るプリント配線板の
断面図である。
【図19】図19(A)は、従来技術に係るプリント配
線板の断面図であり、図19(B)は、図19(A)に
示すプレーン層の平面図である。
【符号の説明】
30 コア基板 34 下層導体回路 34a、34b 粗化面 36 スルーホール 36a ランド 38 樹脂充填剤 40 層間樹脂絶縁層 42 マスク 48 無電解めっき膜 50 感光性ドライフィルム 54 めっきレジスト 56 電解銅めっき 57 導体回路 58 プレーン層 58a 粗化面 59a メッシュ孔 59b 開口 60、62、63、64 バイアホール 70 ソルダーレジスト層 71U、71D 開口部 72 ニッケルめっき層 73 半田パッド 74 金めっき層 75 スズ層 76 半田バンプ 96 導電性接続ピン 97 導電性接着剤 98 固定部 140 層間樹脂絶縁層 158 導体回路 160、162、163、164 バイアホール 160a、163a、164a バイアホールの底部
(バイアホールが接続するパッド)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E338 AA03 CC01 CC04 CC06 CD23 CD25 EE11 EE13 5E346 AA02 AA03 AA04 AA42 AA43 BB02 BB03 BB06 BB16 CC04 CC09 CC37 CC38 CC40 CC52 DD03 EE08 EE13 EE14 EE18 EE19 EE20 FF01 FF02 FF07 FF13 FF18 FF27 FF33 FF45 GG01 GG15 GG27 HH07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 層間樹脂絶縁層と導体層とを交互に積層
    してなる多層プリント配線板において、 前記導体層の内の少なくとも1層は、プレーン層であ
    り、前記プレーン層には、複数のバイアホールが配設さ
    れていることを特徴とする多層プリント配線板。
  2. 【請求項2】 前記プレーン層には、前記プレーン層の
    上層および下層に配設された樹脂絶縁層を接続するため
    のメッシュ孔が配設されていることを特徴とする請求項
    1に記載の多層プリント配線板。
  3. 【請求項3】 前記プレーン層には、バイアホールを配
    設するための開口が配設されていることを特徴とする請
    求項1に記載の多層プリント配線板。
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