JP2002183947A - 磁気記録媒体用ポリエステルフィルムの管理方法、保管方法、輸送方法、および該方法で保管、輸送されたポリエステルフイルムを用いた磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体用ポリエステルフィルムの管理方法、保管方法、輸送方法、および該方法で保管、輸送されたポリエステルフイルムを用いた磁気記録媒体の製造方法

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JP2002183947A JP2000385239A JP2000385239A JP2002183947A JP 2002183947 A JP2002183947 A JP 2002183947A JP 2000385239 A JP2000385239 A JP 2000385239A JP 2000385239 A JP2000385239 A JP 2000385239A JP 2002183947 A JP2002183947 A JP 2002183947A
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polyester film
film
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magnetic recording
humidity
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Masaaki Ono
雅章 小野
Kazuyoshi Fukada
一吉 深田
Katsuya Okamoto
克哉 岡本
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 6月、7月、8月の梅雨、夏場のシーズン
に、フィルムを製造し真空蒸着して製造された磁気テー
プであってもエラーレートの低いデータテープとするこ
とができ、年間を通じてエラーレートの低いデータテー
プを安定的に高生産性で製造することができる方法を提
供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの表面に磁性金属
薄膜が形成されるまでのフィルム近傍空気の湿度を30
%RH以下に維持する磁気記録媒体用ポリエステルフィ
ルムの管理方法である。また、ポリエステルフィルムを
保管や輸送する時のフィルム近傍空気の湿度を30%R
H以下に制御する磁気記録媒体用ポリエステルフィルム
の保管、輸送方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体用ポ
リエステルフィルム、特にデジタルビデオ用カセットテ
ープ、データストレージ用テープ等のデジタルデータを
記録する強磁性金属薄膜型磁気記録媒体を高品質で製造
するために好適な磁気記録媒体用ポリエステルフィルム
の管理方法、保管方法、輸送方法に関し、さらに、これ
ら方法によって管理されたポリエステルフイルムを用い
て磁気記録媒体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1995年に実用化された民生用デジタ
ルビデオテープは厚さ6〜7μmのベースフィルム上に
Coの金属磁性薄膜を真空蒸着により設け、その表面に
ダイヤモンド状カーボン膜をコーティングしてなり、D
Vミニカセットを使用したカメラ一体型ビデオ用の場合
の基本仕様(SD仕様)では1時間の録画時間をもつ。
【0003】このデジタルビデオカセット(DVC)
は、家庭用の、世界で初のデジタルビデオカセットであ
り、a.小型ボディながら、膨大な情報が記録できる、
b.信号が劣化しないから、何年たっても画質・音質が
劣化しない、c.雑音の妨害を受けないから高画質・高
音質が楽しめる、d.ダビングを繰り返しても映像が劣
化しない、等のメリットを持ち、市場の評価は高い。
【0004】また1998年にはSD仕様で1時間20
分の録画時間をもつDVミニカセットテープが実用化さ
れ、そのベースフィルムには厚さ4〜5μmのポリエチ
レン−2,6−ナフタレートフィルムが用いられてお
り、このテープも長時間の録画時間を持ち、市場の評価
は高い。
【0005】これらポリエステルベースフィルムとして
は、粒径10〜300nmの微細粒子を含有し、該微細
粒子により高さ5〜90nmの微細表面突起が形成され
たポリエステルフィルムと、該フィルムの少なくとも片
面に密着された厚さ50nm以下の有極性高分子を主体
とする不連続被膜とからなり、該微細表面突起の高さが
該不連続被膜の高さよりも高いポリエステルフィルム
(例えば特公平6−51401号公報)、ヤング率が長
手方向で600kg/mm2以上であり、幅方向のヤン
グ率が長手方向のヤング率以上の厚み7μm以下のポリ
エチレン−2、6−ナフタレートフィルム(例えば特開
平5−185507号公報)に示されるポリエステルベ
ースフィルム等が使用されている。
【0006】これらのベースフィルムは使用するポリエ
ステルフィルム上に、ベースフィルム製膜後の保管、輸
送過程でポリエステルフィルム内のオリゴマーがフィル
ム表面に析出しがちであり、オリゴマが析出したフィル
ムをベースフィルムに用いて作成される磁気テープはド
ロップアウトが増加しがちであり、それを防止するた
め、その保管、輸送にあたりポリエステルフィルムを1
0〜35℃に保つことを先に提案した(特開2000−
155940公報)。
【0007】またこの蒸着型デジタルビデオテープ、D
VCをコンピューターのデータバックアップ用途に用い
ることが、1996年より始まり、テープ幅8mmのデ
ータ8mm(Exabyte社マンモス、ソニー社AI
Tシステム)コンピューターデータバックアップ装置が
実用化され、小型で大容量でデータ転送速度が早く好評
である。
【0008】しかしながら、上記特開2000−155
940公報記載の温度管理条件下で、保管、輸送管理を
行ったポリエステルフィルムを用いてデータバックアッ
プ用の蒸着型デジタルビデオテープを製造しても、6
月、7月、8月の梅雨、夏場のシーズンには、真空蒸着
され製造された磁気テープではエラーレート(データが
正確に記録できなかったものの割合)が増加しがちであ
り、年間を通じて安定した品質を得ることが困難という
問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、6
月、7月、8月の梅雨、夏場のシーズンに、フィルムを
製造し真空蒸着して製造された磁気テープであってもエ
ラーレートの低いデータテープとすることができ、年間
を通じてエラーレートの低いデータテープを安定的に高
生産性で製造することができる方法を提供する事を目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成からなる。
【0011】すなわち、本発明は、ポリエステルフィル
ムの表面に磁性金属薄膜が形成されるまでのフィルム近
傍空気の湿度を30%RH以下に維持する磁気記録媒体
用ポリエステルフィルムの管理方法、ポリエステルフィ
ルムを保管する時のフィルム近傍空気の湿度を30%R
H以下に制御する磁気記録媒体用ポリエステルフィルム
の保管方法、ポリエステルフィルムを輸送する時のフィ
ルム近傍空気の湿度を30%RH以下に制御する磁気記
録媒体用ポリエステルフィルムの輸送方法、このような
方法の条件下で保管、輸送されたポリエステルフィルム
の片側表面Aに真空蒸着による強磁性金属薄膜層を設け
る磁気記録媒体の製造方法、からなるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルとは
分子配向により高強度フィルムとなるポリエステルであ
れば良いが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレート、即ち、その構成成分の80
%以上がエチレンテレフタレート、エチレンナフタレー
トであるポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレートが好ましい。エチレンテレフタレ
ート、エチレンナフタレート以外のポリエステル共重合
体成分としては、例えばジエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレ
ングリコール、p−キシリレングリコール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノールなどのジオール成分、アジピ
ン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸成分、ト
リメリット酸、ピロメリット酸などの多官能ジカルボン
酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸などが挙げられ
る。
【0013】さらに、上記のポリエステルは、他にポリ
エステルと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘導
体、該ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレング
リコールなどの少なくとも一つを5重量%を越えない程
度に混合してもよい。
【0014】本発明におけるポリエステルフィルムの片
側表面Aの表面粗さRa値は6nm以下が好ましく、特
に2〜5nmが好ましい。Ra値が6nmより大である
と、表面A上に真空蒸着により形成される強磁性金属薄
膜膜層が粗面になりすぎて、磁気テープの出力特性が低
下し好ましくない。Ra値が2nmより小さいと強磁性
金属薄膜膜が記録・再生時に、ビデオヘッドにより磨耗
してしまいがちになり好ましくない。
【0015】本発明におけるポリエステルフィルムの片
側表面BのRa値はポリエステルフィルムを製膜した
後、ポリエステルフィルムを所定の幅にスリットする
際、巻姿の良い製品を採取しやすくし、ポリエステルフ
ィルムの片側表面A上に強磁性薄膜を設けた後にロール
状の巻取りにより片側表面Bの粗さが転写し強磁性薄膜
層にうねり状の変形が起きるのを最小限にするために、
8〜35nm、より好ましくは10〜25nmが望まし
い。
【0016】本発明におけるポリエステルフィルムは厚
さ7μm未満が好ましく、さらに好ましくは厚さは4.
0〜6.5μmが望ましい。
【0017】本発明におけるポリエステルフィルムは幅
400mm以上、長さ15000m以上でボビン上にロ
ール状に巻かれているのが望ましい。幅400mm未
満、長さ15000m未満であると、磁気テープ製造に
おける真空蒸着工程の製品採取効率が落ちるので好まし
くない。
【0018】本発明におけるポリエステルフィルムロー
ルは、一般に、ポリエチレンフィルム、アルミニウム蒸
着ポリエステルフィルム、アルミニウム蒸着ポリエステ
ルフィルム/ポリエチレンフィルムラミネート等のフィ
ルム、フィルムチューブに包まれ箱に梱包されるか、ラ
ックに集合的に組み込まれラック全体がカバーフィルム
で包まれるか、箱に包まれ、保管、輸送される。
【0019】本発明におけるポリエステルフィルム近傍
空気の湿度は30%RH以下の範囲で管理されることが
必要であり、例えば、保管、輸送時のポリエステルフィ
ルムロール近傍空気の湿度を30%RH以下に制御す
る、より好ましくは20%RH以下に制御する。湿度が
30%RHを超えると近傍空気中の水分がポリエステル
フィルム表面に多量に吸着し、真空蒸着中、吸着した水
分が残留ガスとして発生し、真空蒸着膜の成長が不良と
なり、磁気テープのエラーレートが増大すると考えられ
る。湿度は低いほど好ましいが、5%RH以下にするこ
とはかなりの水分を除去しつづける必要があって現実的
に実施が困難であるので、実用的な湿度管理下限は5%
RHである。
【0020】次に本発明のポリエステルフィルムの近傍
空気の湿度を制御する方法や、フィルムの保管方法、輸
送方法について説明する。
【0021】本発明法において、ポリエステルフィルム
の近傍空気の湿度は30%RH以下の範囲で保たれる。
ボビン上に巻かれたポリエステルフィルムロールはポリ
エチレンフィルム、アルミニウム蒸着ポリエステルフィ
ルム、アルミニウム蒸着ポリエステルフィルム/ポリエ
チレンフィルムラミネート等のフィルム、フィルムチュ
ーブに包まれるか、ラックに集合的に組み込まれラック
全体がカバーフィルムで包まれる。そのフィルム、フィ
ルムチューブにより包まれたポリエステルフィルムロー
ル表面に除湿剤を置き、近傍空気の湿度を30%RH以
下に保てばよいし、本発明におけるポリエステルフィル
ムロールが保管される保管場所全体の環境を30%RH
以下の湿度にしてもよい。そのためには倉庫の中に湿度
調節器をおき、倉庫内を30%RH以下に湿度調節をし
て該倉庫内にポリエステルフィルムロールを置けばよ
い。室内に容器を設置しその容器内を湿度管理し30%
RH以下とし、容器内にポリエステルフィルムロールを
置くのもよい。輸送は雰囲気湿度30%RHを保つべく
局所的な雰囲気湿度管理を行っているポリエステルフィ
ルムロールをそのまま輸送しても良いし、コンテナーを
用意し、該コンテナー内の湿度を30%RH以下にする
湿度調節機能を持たせ、そのコンテナー内にポリエステ
ルフィルムロールを置き、そのコンテナーごとトラッ
ク、船、航空機にのせ輸送させてもよい。
【0022】本発明の保管方法、輸送方法はこれらの手
段に限られず、ポリエステルフィルムロール製品まわり
の近傍空気の湿度を30%RH以下に制御できるならば
他の手段を用いて保管し輸送してもよい。
【0023】なお本発明法によりポリエステルフィルム
を保管、輸送する際、フィルムの温度は7℃〜20℃と
することが好ましく、より好ましくは10℃〜15℃が
望ましい。温度が低いほうが空気中の絶対水蒸気量が下
がり、フィルムに吸着する水分量が減少するからであ
る。
【0024】次に本発明法による磁気記録媒体の製造方
法について説明する。
【0025】上述のようにしてフィルム近傍空気の湿度
を管理した条件下で保管し輸送された表面粗さRa値が
6nm以下である片面Aを有するポリエステルフィルム
の表面A上に鉄、コバルト、ニッケルまたはそれらの合
金の強磁性体を真空蒸着させて強磁性金属薄膜を形成す
る。金属薄膜層の厚さは100〜300nmが好まし
い。
【0026】この金属薄膜上に10nm程度の厚みのダ
イヤモンド状カーボン膜をコーティングし、さらにその
上にフッ素化合物等の潤滑剤を塗布し、他の片側表面B
には、カーボンブラック等の固体微粒子、ポリウレタン
樹脂、エポキシ樹脂等の結合剤からなり、必要に応じて
シリコーン樹脂等の各種添加剤を加えた溶液を塗布する
ことによりバックコート層を形成することによって、磁
気記録媒体を作成する。ここで固体微粒子、結合剤、添
加剤としては前述のような公知のものを使用でき特に限
定されない。バックコート層の厚さは0.3〜1.5μ
m程度が好ましい。
【0027】
【実施例】本実施例で用いた測定法を下記に示す。 (1)表面粗さRa値 表面粗さRa値はJIS B 0601で規定する中心
線平均粗さに相当し、触針式表面粗さ計によりフィルム
の長手方向に測定することにより求める。触針半径は2
〜5μm、カットオフ値は0.25mm、評価長さは5
mm程度とする。 (2)ポリエステルフィルム近傍空気の湿度測定 ポリエステルフィルム近傍空気の湿度はポリエステルフ
ィルムロールのフィルム近くの空気の湿度を測ることに
より求められる。その測定方法は特に限らないが、一例
として、ポリエステルフィルムが巻かれたボビンの円筒
内部に、小型の温度・湿度ロガーを設け、温度、湿度を
連続的にモニタリングすることにより測定できる。例え
ば日置電機株式会社製温湿度ロガー3631等が使用で
きる。このようにフィルムロールの包装体の内部に湿度
センサーを設けることが有効である。
【0028】(3)磁気記録テープ(データテープ)の
特性評価 市販のExabyte社製データ8mm装置、マンモス
を用いてエラーレートを求めることによって行った。エ
ラーレートは20GBのデータを2:1の圧縮比でハー
ドディスクより、テープにバックアップ記録した時の記
録ミスの割合、読み取った時の読み取りミスの割合を求
め評価した。エラーレートは絶対値が小さいほうが好ま
しい。10のマイナス何乗の形で表すが、マイナスの乗
数が大きいほど好ましい。例えば、10のマイナス10
乗のほうが10のマイナス5乗よりはるかに好ましい。
【0029】次に実施例に基づき、本発明を説明する。
【0030】[実施例1]片側表面AのRa値が4nm
である、DVCテープ用の厚さ6.3μmのポリエチレ
ンテレフタレートからなるポリエステルフィルムを通常
の方法により製膜した。このフィルムをスリッターを用
いて幅550mmにスリットし、長さ21000mで巻
取ってポリエステルフィルムロールとした。
【0031】このポリエステルフィルムロールに厚さ1
00μmのAl蒸着ポリエステルフィルム(A)を幅5
50mmでAl蒸着面を外側にしポリエステルフィルム
の外周1.5倍の長さで密着して巻き付けた。次にコア
ー円筒部内部に温湿度ロガーを入れた。フィルム(A)
でカバーされたポリエステルフィルムロール全体を厚さ
40μmのAl蒸着ポリエステル/ポリエチレンラミネ
ートフィルムで覆うようにかぶせ、チューブの両端を輪
ゴムで結束した。なおその後、側板およびワッシャを用
いてダンボール箱に梱包した。梱包したポリエステルフ
ィルムロールを10〜15℃に温度管理、10〜19%
RHに湿度管理した倉庫内で30日間保管した。
【0032】3月、6月、9月、12月に、ポリエステ
ルフィルムの製造、梱包、保管を行った。倉庫で保管後
の、4月、7月、10月、1月に、梱包したポリエステ
ルフィルムロールを保管場所から10〜15℃に温度管
理、10〜19%RHに湿度管理されたリーファーコン
テナー内に移し、蒸着機設置場所に輸送した。蒸着前に
梱包、包装を解き、フィルムロールから供給されるフィ
ルムをベースフィルムに用い、その表面Aに真空蒸着に
より、55nmの厚みの薄膜層が2層に重なった構造の
総厚み110nmのコバルト−酸素薄膜を形成した。次
にコバルト−酸素薄膜層上に、CVD法によりダイヤモ
ンド状カーボン膜を10nmの厚みで形成させた。続い
てフッ素含有脂肪酸エステル系潤滑剤を3nmの厚さで
塗布し、最後に、カーボンブラック、ポリウレタン、シ
リコーンからなるバックコート層をメチルエチルケトン
溶液を用いて、フィルム表面B上に400nmの厚さで
設け、スリッターにより幅8mm幅にスリットしパンケ
ーキとした。パンケーキよりリールに巻き取り磁気記録
テープ(データテープ)を作成した。
【0033】ポリエステルフィルムの特性、保管、輸送
時の近傍空気の湿度、得られたデータテープの特性を表
1、表2に示す。
【0034】[実施例2]片側表面AのRa値が4nm
の、DVCテープ用のポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートからなる厚さ4.2μmのポリエステルフィルムを
通常の方法により製膜した。このフィルムをスリッター
を用いて幅550mmにスリットし、長さ21000m
で巻取ってポリエステルフィルムロールとした。
【0035】このフィルムロールを用いた以外は実施例
1と同様にして幅8mmのデータテープを作成した。ポ
リエステルフィルムの特性、保管、輸送時の近傍空気の
湿度、得られたデータテープの特性を表1、表2に示
す。
【0036】[実施例3]実施例1において、ベースフ
ィルムロール製品の保管時の温度管理を行わずに湿度を
10〜19%RHに管理した以外は実施例1と同様にし
て、幅8mmのデータテープを作成した。ポリエステル
フィルムの特性、保管、輸送時の近傍空気湿度、得られ
たデータテープの特性を表1、表2に示す。
【0037】[実施例4]実施例1において、ベースフ
ィルムロール製品の輸送時の温度管理を行わずに湿度を
10〜19%RHに管理した以外は実施例1と同様にし
て、幅8mmのデータテープを作成した。ポリエステル
フィルムの特性、保管、輸送時の近傍空気の湿度、得ら
れたデータテープの特性を表1、表2に示す。
【0038】[実施例5]実施例1において、ベースフ
ィルムロール製品の保管時及び輸送時の温度管理を行わ
ずに湿度を10〜19%RHに管理した以外は実施例1
と同様にして、幅8mmのデータテープを作成した。ポ
リエステルフィルムの特性、保管、輸送時の近傍空気の
湿度、得られたデータテープの特性を表1、表2に示
す。
【0039】[実施例6]片側表面AのRa値が7nm
の、DVCテープ用の厚さ6.3μmのポリエチレンテ
レフタレートからなるポリエステルフィルムを通常の方
法により製膜した。
【0040】このフィルムロールを用いた以外は実施例
1と同様にして幅8mmのデータテープを作成した。ポ
リエステルフィルムの特性、保管、輸送時の近傍空気の
湿度、得られたデータテープの特性を表1、表2に示
す。
【0041】[比較例1]実施例1において、倉庫内、
及びリーファーコンテナー内の湿度管理を実施しなかっ
た以外は実施例1と同様にして、幅8mmのデータテー
プを作成した。ポリエステルフィルムの特性、保管、輸
送時の近傍空気の湿度、得られたデータテープの特性を
表1、表2に示す。
【0042】[比較例2]実施例1において、倉庫内の
湿度管理を実施しなかった以外は実施例1と同様にし
て、幅8mmのデータテープを作成した。ポリエステル
フィルムの特性、保管、輸送温度時の近傍空気の湿度、
及び得られたデータテープの特性を表1、表2に示す。
【0043】[比較例3]実施例1において、リーファ
ーコンテナー内の湿度管理を実施しなかった以外は実施
例1と同様にして、幅8mmのデータテープを作成し
た。ポリエステルフィルムの特性、保管、輸送温度時の
近傍空気の湿度、及び得られたデータテープの特性を表
1、表2に示す。
【0044】
【表1】 フィルム ポリエステルフィルムの近傍空気の湿度 A面 3〜4月 6〜7月 9〜10月 12〜1月 Ra 保管時 輸送時 保管時 輸送時 保管時 輸送時 保管時 輸送時 nm %RH %RH %RH %RH %RH %RH %RH %RH 実施例1 4 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 〃 2 4 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 〃 3 4 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 〃 4 4 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 〃 5 4 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 〃 6 7 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 10〜19 比較例1 4 40〜50 40〜50 60〜70 60〜85 50〜60 50〜61 5〜10 5〜10 〃 2 4 30〜40 10〜19 50〜60 10〜19 40〜51 10〜19 7〜 9 10〜19 〃 3 4 10〜19 30〜40 10〜19 50〜75 10〜19 40〜50 10〜19 7〜10
【0045】
【表2】 データテープ特性 エラーレート(書き込み/読み取り) 4〜5月 7〜8月 10〜11月 1〜2月 実施例1 10-12/10-12 10-12/10-12 10-12/10-12 10-12/10-12 〃 2 10-12/10-12 10-12/10-12 10-12/10-12 10-12/10-12 〃 3 10-12/10-12 10-11/10-11 10-12/10-12 10-12/10-12 〃 4 10-12/10-12 10-11/10-11 10-12/10-12 10-12/10-12 〃 5 10-12/10-12 10-10/10-10 10-12/10-12 10-12/10-12 〃 6 10-8 /10-8 10-7 /10-7 10-8 /10-8 10-8 /10-8 比較例1 10-8 /10-8 10-7 /10-7 10-8 /10-8 10-12/10-12 〃 2 10-9 /10-9 10-8 /10-8 10-9 /10-9 10-12/10-12 〃 3 10-10/10-10 10-8 /10-8 10-9 /10-9 10-12/10-12 表1、表2の結果から明らかな様に、本発明法による
と、年間を通じてエラーレートの低いデータテープを安
定的に高生産性で製造することができた。
【0046】
【発明の効果】本発明法によってポリエステルフィルム
を管理し、保管し、輸送すると、6月、7月、8月の梅
雨、夏場のシーズンに、フィルムを製造し真空蒸着して
製造された磁気テープであってもエラーレートの低いデ
ータテープとすることができ、年間を通じてエラーレー
トの低いデータテープを安定的に高生産性で製造するこ
とができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの表面に磁性金属
    薄膜が形成されるまでのフィルム近傍空気の湿度を30
    %RH以下に維持することを特徴とする磁気記録媒体用
    ポリエステルフィルムの管理方法。
  2. 【請求項2】 ポリエステルがポリエチレンテレフタレ
    ートまたはポリエチレン−2、6−ナフタレートである
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体用ポリ
    エステルフィルムの管理方法。
  3. 【請求項3】 ポリエステルフィルムの片側表面Aの表
    面粗さRa値が6nm以下であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の磁気記録媒体用ポリエステルフィルム
    の管理方法。
  4. 【請求項4】 ポリエステルフィルムを保管する時のフ
    ィルム近傍空気の湿度を30%RH以下に制御すること
    を特徴とする磁気記録媒体用ポリエステルフィルムの保
    管方法。
  5. 【請求項5】 ポリエステルフィルムを輸送する時のフ
    ィルム近傍空気の湿度を30%RH以下に制御すること
    を特徴とする磁気記録媒体用ポリエステルフィルムの輸
    送方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載の管理方
    法の条件下で保管、輸送されたポリエステルフィルムの
    片側表面Aに真空蒸着による強磁性金属薄膜層を設ける
    ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 デジタル記録方式用の磁気記録媒体を製
    造することを特徴とする請求項6に記載の磁気記録媒体
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7記載の製造方法により製
    造されたことを特徴とする磁気記録媒体。
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