JP2002182309A - 遮光帯を有するレンチキュラーレンズシートの製造方法、レンチキュラーレンズ、およびスクリーン - Google Patents

遮光帯を有するレンチキュラーレンズシートの製造方法、レンチキュラーレンズ、およびスクリーン

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JP2002182309A
JP2002182309A JP2000378528A JP2000378528A JP2002182309A JP 2002182309 A JP2002182309 A JP 2002182309A JP 2000378528 A JP2000378528 A JP 2000378528A JP 2000378528 A JP2000378528 A JP 2000378528A JP 2002182309 A JP2002182309 A JP 2002182309A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凸部を形成することなく、レンチキュラーレ
ンズを利用した光学的な手段によりブラックストライプ
を形成すること、とりわけ、ファインピッチのレンチキ
ュラーレンズシートにおいて、そのようなことを実現さ
せること、および、使用する光の平行性を向上させて、
得られる製品の精度を向上させると共に、製造効率(特
に製造速度)を向上させることを課題とするものであ
る。 【解決手段】 レンチキュラーレンズ2aが配列された
レンチキュラーレンズシート2の非レンズ面に、一様な
厚みで遮光性を有する遮光性および光吸収性を有する層
3aを形成した後、前記レンズ面側より、レーザー光8
等の平行光を照射することにより、前記非レンズ面の前
記の各レンチキュラーレンズの集光部において、前記遮
光性および光吸収性を有する層の溶融、昇華、燃焼、削
摩もしくは爆融により除去して、前記非レンズ面の非集
光部に、遮光帯3を形成することにより上記の課題を解
決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンチキュラーレ
ンズシートの非レンズ面の非集光部に、遮光層を形成す
る方法に関するものである。また、本発明は、そのよう
にして得られたレンチキュラーレンズシート、およびレ
ンチキュラーレンズシートを用いたスクリーンに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】画面サイズの大きいテレビジョンとし
て、背面より映像を投影して前面より観察する、いわゆ
るプロジェクション型テレビジョンがある。一般のCR
Tよりも輝度の高い投映用のCRTや、液晶(LCD)
プロジェクター、もしくはデジタルマイクロミラーデバ
イス(DMD)を使用したDLPプロジェクター等を用
いて投映するものである。このプロジェクション型テレ
ビジョンにおける映像投映用のスクリーンとしては、代
表的には、図1に模式的に示すように、フレネル凸レン
ズシート1とレンチキュラーレンズシート2とを組み合
わせたものが使用されている。スクリーン背面からの投
映光4を、まず、フレネル凸レンズシート1で絞って、
適度な範囲内に向かう光、例えば平行光5とした後、レ
ンチキュラーレンズシート2を用いて、水平方向(図1
では左右方向)に適度な広がり角度θを持たせた出射光
6として出光させ、図1では下側になる観察方向より映
像が眺められるようになっている。このようなスクリー
ンを使用することにより、CRTから出光される光4
を、所定の角度範囲θで有効に利用することができるの
で、スクリーンの正面から水平方向にずれた位置で観察
しても、明るい映像を眺めることができる。
【0003】ところで、ここで使用されるレンチキュラ
ーレンズシート2は、一般に、図2に斜視図で示すよう
な構造を有している。即ち、レンチキュラーレンズシー
ト2は、入光面側(図2では上面)に、断面が円形等の
かまぼこ形状のレンチキュラーレンズ2aが多数並べら
れた形状を有しており、非レンズ面には、レンチキュラ
ーレンズ2aの焦点近傍以外を覆う通常、黒色の遮光帯
(ブラックストライプとも言う。)3が設けられてお
り、外光を吸収して、映像のコントラストを向上させて
いる。
【0004】このブラックストライプ3は、反対側のレ
ンチキュラーレンズ形状との正確な位置関係を有してい
る必要があるため、従来、その製造には、種々の方法が
検討されてきた。例えば、ブラックストライプを設ける
べき部分を凸部(凹部でもよい。)として形成してお
き、凸部にのみ、塗装や転写でブラックストライプを形
成する方法がある。この方法によるときは、凸部がレン
チキュラーレンズとの正確な位置関係を有していれば、
格別、注意を払わなくても、ブラックストライプを正確
な位置に形成することができる。
【0005】しかし、レンチキュラーレンズと凸部とは
レンチキュラーレンズシートの互いに反対側に存在する
ので、製造時の金型としては、それぞれの面の形状に合
せた二つの金型を準備し、正確に位置合わせする必要が
ある。また、凸部は、ブラックストライプを設ける際
に、それ以外の部分とある程度の段差を有していないと
凹部にブラックストライプ形成用の樹脂組成物が付着す
る。
【0006】これらの点は、従来、さほど問題にはなら
なかったが、近年、CRTを拡大投映するものに替わっ
て、LCDプロジェクター、もしくはDLPプロジェク
ターを用いたプロジェクション型テレビジョンが出現
し、これらのプロジェクターからの光は画素(ドットマ
トリックス)によって構成されるため、CRTを拡大投
映する場合に使用するよりもピッチが小さい、ファイン
ピッチのレンチキュラーレンズシートが要求され、一例
として、CRTを拡大投映する場合、ピッチが0.5m
m〜2.0mmであったのに対し、0.05〜0.3m
mのものが使われるようになった。レンチキュラーレン
ズのピッチ(図1中、符号pで示す)が小さい、ファイ
ンピッチのものが望まれるようになるに連れ、上記の位
置合わせが難しくなってきた。また、凸部の段差が大き
いと、出射光(図1中符号6で示す。)の光路を妨害す
る恐れがあるため、ブラックストライプの巾を狭くする
必要に迫られるし、凸部の段差を小さくすると、凹部に
ブラックストライプ形成用の樹脂組成物が付着する懸念
が生じる。
【0007】そこで、このような機械的な手段によら
ず、レンチキュラーレンズを利用した光学的手段によ
り、ブラックストライプを形成しようとする試みがなさ
れた。特開平9−120102号公報には、要約する
と、レンチキュラーレンズシートの平坦面に電離放射線
硬化型樹脂層を形成し、レンチキュラーレンズ側から光
線(紫外線を例示)で露光して、集光部の樹脂層を硬化
させ、非集光部の樹脂層の粘着性を利用して、トナーも
しくは転写シートの転写層を付着させる方法が開示され
ている。また、露光は、レンチキュラーレンズの長さ方
向を向いた帯状の光線をレンチキュラーレンズが並んで
いる方向に相対移動させて、平行光による露光が行なわ
れるよう配慮している。なお、電離放射線と言うもの
の、その範囲に含まれ得る電子線は、レンチキュラーレ
ンズのような光学レンズでは屈折しないし、電子線を屈
折させる方策の記述がないから、上記の方法は実際に
は、紫外線を使用する方法である。
【0008】上記公報に記載の方法によれば、レンチキ
ュラーレンズを有するのとは反対側の面に凸部等を形成
する必要がなく、レンチキュラーレンズを利用してブラ
ックストライプを設ける事ができるので、凸部にブラッ
クストライプを設ける方法における上記の欠点が解消さ
れる。
【0009】しかしながら、上記公報に記載された方法
は、電離放射線硬化型樹脂層の形成、露光による集光部
を硬化させ、光集光部の粘着性を残す、および光集光部
へのトナーもしくは転写層の付着の各工程を要するもの
であり、凸部にブラックストライプを設ける方法にくら
べ、工程数が格段に増加し、効率的ではなく、より一層
の改善が望まれるものである。
【0010】これとは別に、特開平11−84105号
公報には、透明基板上に透明粘着層を形成した上に透明
微小球体を供給して半ば埋め込み、その上に光吸収層を
設けて透明微小球体を覆い、その後、透明基板側より平
行光を照射して、収斂させ、光出射部位上の光吸収層の
みを除去する方法が開示されている。
【0011】上記公報に開示されている方法では、ガラ
スや樹脂のビーズを使用している関係上、等方性を有す
る、即ち、水平方向および垂直方向に、同じ角度で広が
りを持って光が出射するスクリーンが得られる。しか
し、スクリーンを観察する人の水平方向の位置は、複数
の人が並んで座ったと仮定すれば、座る位置によってか
なり異なるが、垂直方向の位置は、概ね座ったときの各
人の目の高さであるから、人によってそれほどの差違は
生じない。従って、一見、等方性は利点のように見える
が、実際には垂直方向に無駄に光を広げる結果となり、
それだけ、映像の輝度を低下させることになる。従っ
て、飽くまでも、レンチキュラーレンズシートの改善に
より、ファインピッチ化を進める必要がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明におい
ては、凸部を形成することなく、レンチキュラーレンズ
を利用した光学的な手段によりブラックストライプを形
成すること、とりわけ、ファインピッチのレンチキュラ
ーレンズシートにおいて、そのようなことを実現させる
こと、および、使用する光の平行性を向上させて、得ら
れる製品の精度を向上させると共に、製造効率(特に製
造速度)を向上させることを課題とするものである。
【0013】
【課題を解決する手段】発明者の検討により、遮光層形
成用として、光吸収剤を含み、かつ遮光性の樹脂組成物
を用いて、レンチキュラーレンズシートの非レンズ面に
適用し、レンズ面側から、平行光によって露光を行うこ
とにより、上記の課題が解決されることが判明した。
【0014】第1の発明は、シートの少なくとも片面に
レンチキュラーレンズが並んだレンズ面が設けられてい
るレンチキュラーレンズシートの非レンズ面に、一様な
厚みで遮光性および光吸収性を有する層を形成した後、
前記レンズ面側より、平行光を照射することにより、前
記非レンズ面の前記の各レンチキュラーレンズの集光部
において、前記遮光性および光吸収性を有する層の溶
融、昇華、燃焼、爆融もしくは削摩により除去して、前
記非レンズ面の非集光部に、遮光帯を形成することを特
徴とする遮光帯を有するレンチキュラーレンズシートの
製造方法に関するものである。第2の発明は、第1の発
明において、前記の遮光性および光吸収性を有する層の
形成を、光吸収性を有する光吸収性層を形成し、その
後、遮光性を有する遮光性層を形成することにより行な
うことを特徴とするレンチキュラーレンズシートの製造
方法に関するものである。第3の発明は、第1の発明に
おいて、前記の遮光性および光吸収性を有する層とし
て、カーボンブラックを含有するニトロセルロース樹脂
層を形成することを特徴とするレンチキュラーレンズシ
ートの製造方法に関するものである。第4の発明は、第
1〜第3いずれかの発明において、前記レンチキュラー
レンズシートとして、透明基材シート上に積層された透
明樹脂層を前記レンズ面の逆型形状を有する付型用型を
用いた成形により得たものを使用することを特徴とする
請求項1〜3いずれか記載のレンチキュラーレンズシー
トの製造方法に関するものである。第5の発明は、第1
〜第4いずれかの発明において、前記レンチキュラーレ
ンズのピッチが50μm〜300μmであることを特徴
とする請求項1〜4いずれか記載のレンチキュラーレン
ズシートの製造方法に関するものである。第6の発明
は、第1〜第5いずれかの発明において、前記遮光帯の
幅が、前記レンチキュラーレンズのピッチをpとすると
き、0.3p〜0.9pであることを特徴とするレンチ
キュラーレンズシートの製造方法に関するものである。
第7の発明は、第1〜第6いずれの発明において、前記
平行光を、前記レンチキュラーレンズシートに垂直な方
向から照射することを特徴とするレンチキュラーレンズ
シートの製造方法に関するものである。第8の発明は、
第1〜第6いずれかの発明において、前記平行光を、前
記レンチキュラーレンズシートに垂直な方向より傾けた
方向から照射することを特徴とするレンチキュラーレン
ズシートの製造方法に関するものである。第9の発明
は、第1〜第6いずれかの発明において、前記平行光
を、前記レンチキュラーレンズシートの各々のレンチキ
ュラーレンズに対し、互いに異なる二以上の方向から照
射することを特徴とするレンチキュラーレンズシートの
製造方法に関するものである。第10の発明は、第1〜
第9いずれかの発明において、前記平行光を、前記レン
チキュラーレンズシートの前記各レンチキュラーレンズ
が並んだ一方の端から順次、他端に向かうよう、前記平
行光および前記レンチキュラーレンズシートとを相対的
に移動させながら照射することを特徴とするいずれか記
載のレンチキュラーレンズシートの製造方法に関するも
のである。第11の発明は、第1、第3〜第9いずれか
の発明において、前記樹脂組成物が、アクリジン、ポリ
アミック酸とローダミンG、KrFエキシマレーザー用
色素、カルボキシル基又はスルホン酸基で置換されたポ
リピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、4[(2
−ヒドロキシエチル)エチルアミノ]−4’−(ニトロ
フェニル)アゾベンゼン、1−(ジメチルアミノ)−ピ
レン等のピレン、7−(ジメチルアミノ)−4−メチル
クマリン等のクマリン、4[(2−ヒドロキシエチル)
エチルアミノ]−4’−(トリフルオロメチルスルフォ
ニル)トラン、もしくは7−ヒドロキシ−4−メチル−
2H−1−ベンゾピレン−2−オン、第3アミン官能基
を有しアクリル重合体の酸性水素と第4級アンモニウム
塩を生成する光吸収剤、金属ホウ素化物、金属カーバイ
ド、金属窒化物、炭素窒化物、もしくはブロンズ構造の
酸化物から選ばれた物質を含有することを特徴とするレ
ンチキュラーレンズシートの製造方法に関するものであ
る。第12の発明は、シートの少なくとも片面にレンチ
キュラーレンズが並んだレンズ面が設けられているレン
チキュラーレンズシートの非レンズ面の非集光部に遮光
帯が積層されており、前記遮光帯は、バインダ成分、遮
光性物質および光吸収性物質、もしくは遮光性物質およ
び光吸収性物質の両方の物質の性質を兼ね備える物質と
からなる樹脂組成物からなることを特徴とするレンチキ
ュラーレンズシートに関するものである。第13の発明
は、第12の発明において、前記樹脂組成物が、カーボ
ンブラックを含有するニトロセルロース樹脂層であるこ
とを特徴とするレンチキュラーレンズシートに関するも
のである。第14の発明は、第12の発明の発明におい
て、前記樹脂組成物が、アクリジン、ポリアミック酸と
ローダミンG、KrFエキシマレーザー用色素、カルボ
キシル基又はスルホン酸基で置換されたポリピロール、
ポリチオフェン、ポリアニリン、4[(2−ヒドロキシ
エチル)エチルアミノ]−4’−(ニトロフェニル)ア
ゾベンゼン、1−(ジメチルアミノ)−ピレン等のピレ
ン、7−(ジメチルアミノ)−4−メチルクマリン等の
クマリン、4[(2−ヒドロキシエチル)エチルアミ
ノ]−4’−(トリフルオロメチルスルフォニル)トラ
ン、もしくは7−ヒドロキシ−4−メチル−2H−1−
ベンゾピレン−2−オン、第3アミン官能基を有し、ア
クリル重合体の酸性水素と第4級アンモニウム塩を生成
する光吸収剤、金属ホウ素化物、金属カーバイド、金属
窒化物、炭素窒化物、もしくはブロンズ構造の酸化物か
ら選ばれた物質を含有することを特徴とするレンチキュ
ラーレンズシートに関するものである。第15の発明
は、請求項12〜14いずれか記載のレンチキュラーレ
ンズシートの前記遮光帯が積層されている側を観察側と
し、前記遮光帯が積層されていない側を投映側とすると
き、前記投映側に、投映光の出射時の広がりを制御する
レンズシートが組み合わされていることを特徴とする背
面投映用スクリーンに関するものである。第16の発明
は、第15の発明において、投映光の出射時の広がりを
制御する前記レンズシートが、サーキュラーフレネル凸
レンズであることを特徴とする請求項15記載の背面投
映用スクリーンに関するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の遮光帯を有するレンチキ
ュラーレンズシートの製造方法を図3(a)〜(d)を
引用して説明する。まず、シートの片面(図3では上
面)にレンチキュラーレンズ2aが並んだレンズ面が設
けられたレンチキュラーレンズシート2を準備する(図
3(a))。レンチキュラーレンズシート2は、一般的
に言って、図2に斜視図で示すような形状を有してお
り、各レンチキュラーレンズ2aは、その断面が図2に
表れるように、円、楕円、もしくは放物線の一部をなし
た、かまぼこ形レンズであって、各レンチキュラーレン
ズ2aは、かまぼこ形レンズの長手方向と直角方向に密
に並べられてレンズ面が構成されている。
【0016】この明細書および添付図面においては、レ
ンチキュラーレンズシート2を、概ね、シートの片面に
レンチキュラーレンズ2aが並んだレンズ面が設けられ
たものとして説明するが、両面にレンズ面を有するもの
でもよいし、その場合、片面のレンチキュラーレンズ
は、他方のレンチキュラーレンズの焦点近傍にのみ設け
られてあってもよい。
【0017】レンチキュラーレンズシート2は、また、
図2に示すように、透明基材シート2bにレンチキュラ
ーレンズ2aが並んだレンズ面が設けられたような積層
構造を有するものであってもよい。このような積層構造
を有するレンチキュラーレンズシート2は、透明基材シ
ート2b上に透明樹脂層を介して、レンズ面の逆型形状
を有する付型用型を押し付けることにより製造でき、通
常、透明な紫外線硬化性樹脂組成物を透明基材シート2
b上に塗布し、塗布後、金型ロールと接触させ、そのま
まの状態で、紫外線硬化性樹脂組成物に紫外線を照射し
て硬化させることにより製造する。
【0018】この場合、透明基材シート2bとしては、
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン−ア
クリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物、エチレン−α−オレフィン共重合体
エラストマー、酸変性ポリオレフィン、スチレン−ブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド、ポリ
カーボネート、ポリスルホン、ポリアセタール、ポリメ
チルメタクリレート、ポリフェニレンオキシド、ポリウ
レタン、ポリエチレンテレフタレート(略称;PE
T)、ポリブタジエンテレフタレート、ナイロン等の単
体、あるいは、混合体(共押出フィルム等)、および、
ラミネート品等を挙げることができる。
【0019】また、透明基材シート2bに積層して、レ
ンズ面を形成するための樹脂層を構成する樹脂として
は、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(例、PMMA)、
ポリスチレン、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂、
不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステ
ル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレー
ト、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メ
タ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、
メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレ
ートなどの熱硬化性樹脂をそれぞれ単独、或いは上記熱
可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを混合して使用することが
できる。
【0020】レンズ面を形成するための樹脂層を構成す
る樹脂としては、より好ましくは、ラジカル重合性不飽
和基を有する熱成形性物質、或いは、これらにラジカル
重合性不飽和単量体を加え電離放射線硬化性、さらに紫
外線吸収剤や光開始剤を配合して、特に紫外線硬化性と
したもの等を使用することができる。このほか、銀塩、
重クロム酸ゼラチン、サーモプラスチック、ジアゾ系感
光材料、フォトレジスト、強誘電体、フォトクロミック
材料、サーモクロミック材料、カルコゲンガラスなどの
感光材料なども使用できる。
【0021】レンチキュラーレンズシート2の非レンズ
面(図では下面)には、遮光性および光吸収性を有する
層3aを形成する。なお、以降の説明において、遮光性
および光吸収性を有する層を、遮光性/光吸収性層と略
記する。遮光性/光吸収性層3aは、バインダ成分、例
えば、透明樹脂と、遮光性物質および光吸収性物質の両
方の物質、もしくは遮光性物質および光吸収性物質の両
方の物質の性質を兼ね備える物質とからなる樹脂組成物
からなり、好ましくは、一様な厚みで形成される。
【0022】遮光性/光吸収性層3aには、上記の樹脂
組成物中に、遮光性を付与する目的で、カーボンブラッ
クや暗色系の顔料、または/および染料からなる遮光性
物質が適宜に配合されている。遮光性物質としては、光
を遮る効果が大きく、しかも画像の表示の妨げとなるよ
うな色相を遮光帯に付与することがない色相を有してい
ることが好ましく、色相としては、黒色、灰色、もしく
は白色であるが、明度が高いと外光反射を伴なうので、
黒色が好ましい。従って、カーボンブラック、Fe
34、もしくは濃色の染料の混合物等により着色して黒
色とするが、黒色の度合いが高く、かつ、加工時に熱吸
収もあるカーボンブラックを使用する事がより好まし
い。
【0023】光吸収性物質は、次の工程において、レン
チキュラーレンズシート2のレンズ面側からのレーザー
光等の平行光の照射により遮光性/光吸収性層3aを部
分的に除去して遮光帯を作成する際に、照射されたレー
ザー光等の平行光のエネルギーを高い効率で熱エネルギ
ーに変換することを目的として添加されているものであ
る。光吸収性物質としては、具体的には、近赤外光(波
長域700〜2000nm)に対するものとして、銅ま
たは鉄を含有する化合物の微粉体あるいは錯体、カーボ
ンブラック、アントラキノン化合物、シアニン化合物、
フタロシアニン化合物、クロム,コバルト金属錯塩化合
物、六塩化タングステンと塩化スズをメチルメタクリレ
ート(MMA)シロップに溶解させ重合させた材料、ジ
チオール系の金属錯体(主にニッケル錯体)、スクアリ
リウム化合物、アセチレン系ポリマーに酸化剤を気相も
しくは液相でドーピングした材料、チオ尿素に硫化第二
銅を作用させた材料、イモニュウム系材料等の多くの無
機錯体や有機化合物等を挙げることができる。
【0024】また、可視光(波長400〜700nm)
に対する光吸収性物質としては、カーボンブラック、有
機顔料、例えば、ニトロソ染料、ニトロ染料、アゾ染
料、スチルベンアゾ染料、ケトイミン染料、トリフェニ
ルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノ
リン染料、メチン、ポリメチン染料、チアゾール染料、
インダミン、インドフェノール染料、アジン染料、オキ
サジン染料、チアジン染料、硫化染料、アミノケトン、
オキシケトン染料、アントラキノン染料、インジゴイド
染料、もしくはフタロシアニン染料等、金属、例えばZ
n、Cu、Al、Pb、Cr、Cd、Fe、Co、K、
Na、Ti、Hg、Sr、Ca、Ba、Si、もしくは
S等の単体、合金、酸化物、水酸化物、またはこれらの
複合体、等の無機化合物等を挙げることができる。この
ような遮光性物質および/または光吸収性物質は、遮光
性/光吸収性層3a中に、1〜70%(質量基準)程度
含有される。含有量が1%未満であると、遮光性/光吸
収性層3aを加工して遮光帯3を製作する際の形成精度
が低下する。また、含有量が70%を超えると、配合の
効果が向上しない。
【0025】遮光性/光吸収性層3aに含有されるバイ
ンダ成分としては、モノマーとして酢酸ビニル、ビニル
アルコール、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、例えばメタ
クリル酸メチル、フッ素含有(メタ)アクリル酸誘導
体、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブテ
ン、ブタジエン等のオレフィン等から選ばれる少なくと
も1種類のモノマーを重合させた重合体、セルロースア
セテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチ
レート、セルロースアセテートブチレート、エチルセル
ロース、ニトロセルロース等のセルロース誘導体、ポリ
アミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等の
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポ
リスルホン、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、
石油系樹脂、天然ゴム類もしくはブタジエン系ゴム等の
合成ゴム類、シリコン樹脂、またはフッ素樹脂等のポリ
マーから選ばれた透明樹脂を挙げることができ、これら
を単独、あるいは、2種以上の組み合わせで使用するこ
とができる。
【0026】遮光性/光吸収性層3aに含有されるバイ
ンダ成分としては、ワックス類を使用することもでき、
ワックス類としては、鯨ロウ、蜜ロウ、カルナバロウ、
キャンデリラロウ、木ロウ、モンタンロウ、ラノリンロ
ウ等の天然ワックス、パラフィンロウ、マイクロクリス
タリンワックス、エステルワックス、酸化ワックス、低
分子量ポリエチレンワックス、モンタンワックス、塩化
パラフィン等の合成ワックス、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フロメン酸、ベヘニ
ン酸等の高級脂肪酸、ステアリルアルコール、ベヘニン
アルコール等の高級アルコール、ショ糖の脂肪酸エステ
ル、スルビタンの脂肪酸エステル等のエステル類、ステ
アリンアミド、オレインアミド等のアミド類も用いる事
が可能である。
【0027】遮光性/光吸収性層3aには、酸化剤とし
て、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、もしくは過塩素
酸カリウム等を加えると、平行光照射時の燃焼性が向上
する。なお、遮光性/光吸収性層3aには、光照射によ
る遮光帯3形成時の膜切れ性を向上させるために、平均
粒径1μm以下のフィラーを30重量%以下の割合で含
有させてもよい。
【0028】遮光性/光吸収性層3aの厚みは、例え
ば、0.1〜5μm程度、より好ましくは、0.1〜1
μm程度とすることができる。厚みが0.1μm未満で
あると、遮光層3としての機能が不十分になりやすく、
5μmを超えると、遮光層3の形成時に、遮光性/光吸
収性層3aの膜切れ性が悪くなり高精細なパターン形成
が困難となる。また、遮光性/光吸収性層3aは、一様
な厚みであることが好ましい。厚みが一様でないと、次
の工程で平行光を照射したときに、熱的挙動にバラツキ
が生じ、具体的には所定の幅で、遮光性/光吸収性層3
aを除去するのに支障があるからである。遮光性/光吸
収性層3aの厚みのバラツキは、膜厚(=平均膜厚)に
対して、±20%程度以下であることが好ましい。
【0029】レンチキュラーレンズシート2の下面に遮
光性/光吸収性層3aを形成した後、レンズ面側から平
行光源7を使用して平行光8を照射する(図3
(c))。平行光としては、集光により遮光性/光吸収
性層を除去し得るものであれば、ハロゲンランプ、キセ
ノンフラッシュランプ、もしくはレーザー光源等のいす
れから発する光も使用できる。このうち、レーザー光と
しては、Al23、CaF2 、CaWO4 、MgF2
バリウムクラウンガラス、YAG等に代表される固体レ
ーザ、CO2 、Ar、Kr、もしくはXe等の希ガス単
独または希ガスとハロゲンガスを含むエキシマレーザー
に代表される気体レーザー、キレート化合物溶液または
フタロシアニン、クリプトシアニン、ローダミン等の有
機色素溶液またはオキシ塩化セレン等の無機液体等を用
いる液体レーザー、Al、Ga、As、In、P、S
b、Pb、Se、Te等から選ばれる2種以上の元素で
構成される結晶に代表される半導体レーザー等のレーザ
ーから放射される光を使用することができ、これらのレ
ーザー光は、遮光性/光吸収性層3aに含有されている
光吸収性物質との関係から適宜選択することができる。
【0030】いずれの平行光も、通常の光源から発する
可視光、紫外線光源から発する紫外線にくらべ、平行性
が格段に高いため、そのままでも充分に使用できるが、
必要に応じ、光学系を用いることにより、必要なスポッ
ト径になるよう調整して遮光性/光吸収性層3aに照射
し、必要によりマスクを介して照射を行なってもよい。
光照射量は、使用する光源、遮光性/光吸収性層3aに
含有されている光吸収性物質の材質等を考慮して設定す
ることができる。なお、本明細書において、平行光と
は、光源から発した光線どうしのなす角度が0°である
ものを指す以外に、中心となる光線を基準に±10°の
範囲内にあるものも含めるものとする。
【0031】照射された平行光は、照射部のレンチキュ
ラーレンズ2aにより屈折し、非レンズ面で集光するの
で、非レンズ面に積層された遮光性/光吸収性層3aの
集光部において、光吸収性物質によって照射光が熱エネ
ルギーに変換される。
【0032】このため、集光部において、遮光性/光吸
収性層3aが溶融、昇華、燃焼、またはアブレーション
(削摩もしくは爆融)により、部分的に除去され、遮光
帯3が形成される。単にレーザー照射しただけでは遮光
性/光吸収性層3aの残渣が生じ得るので、必要に応じ
て、適宜な手段、例えば、真空吸引、減圧吸引、拭き取
り、空気もしくは液体の吹付け等によって、除去を助け
てもよい。
【0033】遮光性/光吸収性層3a中に含有させるバ
インダと、遮光性物質、および光吸収性物との次のよう
な組み合わせは、上記したものの中から適宜に組み合わ
せ得るが、文献に見られる次のような組み合わせも、好
ましい例として挙げられる。
【0034】ニトロセルロース樹脂とカーボンブラッ
ク。このカーボンブラックは、遮光性物質でもあり、光
吸収性物質でもある。このニトロセルロース樹脂とカー
ボンブラックとの組み合わせからなる樹脂組成物は、ニ
トロセルロース樹脂の燃焼速度が速く、また、カーボン
ブラックの熱吸収性が高いため、平行光による照射によ
り照射部分が昇温するまでの時間が極度に短いので、結
果として、可視レーザー光等の平行光を照射すると、照
射部分が瞬時に除去される。
【0035】特開平7−80670号公報に記載のオレ
フィン系ポリマー(日本ゼオン;ZMS)とアクリジン
(分解温度;360℃)との組み合わせ、ポリアミック
酸とローダミン6G色素との組み合わせ、もしくはオレ
フィン系ポリマー(日本ゼオン;ZMS)とKrFエキ
シマレーザー用色素(日本ケミック製)との組み合わ
せ。これらにおける樹脂は、加熱硬化する必要がある。
なお、ここで従来技術の説明に挙げられているポリイミ
ド樹脂もエキシマレーザーとの組み合わせで使用でき
る。必要に応じて、遮光性物質を添加するとよい。
【0036】特開平9−1917号公報に記載の光吸収
性ポリマー、もしくはバインダと、紫外、可視、もしく
は赤外吸収性染料等の光吸収性物質との組み合わせ。こ
こで光吸収性ポリマーは、バインンダーと光吸収性物質
両方の役割を兼ねる。光吸収性ポリマーとしては、例え
ばカルボキシル基又はスルホン酸基で置換されたポリピ
ロール、ポリチオフェン又はポリアニリンである。これ
らのポリマーは、必要に応じて、イオンをドーピングす
ることができる。必要に応じて、遮光性物質を添加する
とよい。
【0037】特開平8−333424号公報に記載のポ
リメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂と光吸収剤(光
吸収性物質である。)との組み合わせ。光吸収剤として
は、4[(2−ヒドロキシエチル)エチルアミノ]−
4’−(ニトロフェニル)アゾベンゼン、1−(ジメチ
ルアミノ)−ピレン等のピレン、7−(ジメチルアミ
ノ)−4−メチルクマリン等のクマリン、4[(2−ヒ
ドロキシエチル)エチルアミノ]−4’−(トリフルオ
ロメチルスルフォニル)トラン、もしくは7−ヒドロキ
シ−4−メチル−2H−1−ベンゾピレン−2−オン、
または第3アミン官能基を有し、アクリル重合体の酸性
水素と第4級アンモニウム塩を生成する光吸収剤があ
る。必要に応じて、遮光性物質を添加するとよい。
【0038】また、光吸収性物質としては、金属ホウ素
化物、金属カーバイド、金属窒化物、炭素窒化物、もし
くはブロンズ構造の酸化物等が使用でき、樹脂として
は、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、
ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、
セルロースエーテルおよびセルロースエステル、もしく
はポリアセタール等が使用できる。これらにおいても、
必要に応じて、遮光性物質を添加するとよい。
【0039】遮光性/光吸収性層3aをレンチキュラー
レンズシート2の下面に形成するには、上記の光吸収性
層形成用の樹脂組成物を塗料として調製したものを用
い、公知のコーティング方法、即ち、ロールコーティン
グ、グラビアコーティング、カーテンフローコーティン
グ、かけ流しコーティング、ホイーラーもしくはスピン
ナーによる回転コーティング、もしくはスプレーコーテ
ィング等、またはシルクスクリーン印刷等の公知の印刷
方法によってコーティングすればよい。
【0040】遮光性/光吸収性層3aは、上記のよう
に、レンチキュラーレンズシート2の下面に直接に形成
するほか、一旦、別のフィルム等の上に作成した後、転
写等によって、形成することができる。例えば、薄いプ
ラスチックフィルム上に、必要に応じて剥離性層を形成
した後、上記の遮光性/光吸収性層3aをコーティング
方法または印刷方法によって積層し、その上に必要に応
じて接着剤層を積層して転写シートの形状としたものを
準備し、レンチキュラーレンズシートの非レンズ面に転
写して形成することにより、レンチキュラーレンズシー
ト2下面に遮光性/光吸収性層3aを形成することがで
きる。
【0041】ところで、遮光性/光吸収性層3aに、遮
光性物質および光吸収性物質の両方の物質を配合する
と、遮光性物質が光吸収性物質の光吸収を妨げることが
有り得る。そのような場合には、光吸収性物質を含有す
る樹脂組成物からなる光吸収性層をレンチキュラーレン
ズシートの非レンズ面に先に形成し、その後、光吸収性
層を覆って、遮光性物質を含有する樹脂組成物からなる
遮光性層を形成するとよい。
【0042】ところで、レンチキュラーレンズシート2
のレンチキュラーレンズ2aのピッチは必要な精度、レ
ンチキュラーレンズシート2の大きさによっても異なる
が、実用的には、大きいもので1mm前後以下であり、
高精細のものでは、300μm以下であり、例えば、1
00μm〜200μm程度である。細かいものは製作精
度の確保の観点から、20μm以上、より好ましくは5
0μm以上である。これに対し、遮光帯3の巾は、レン
チキュラーレンズ2aのピッチの0.3倍〜0.9倍、
より好ましくは、0.5倍〜0.8倍程度である。0.
3倍未満であると、遮光帯3を形成する意味がなく、ま
た、レンズに対して斜めに光を入射させると、コマ収差
が生じるので、精度良く遮光帯を形成することができな
い。他方、入光レンズの焦点にもある程度光が広がるた
め、0.9倍を超えると、製法上困難である。従って、
遮光帯3の幅が広ければ、平行光の照射により遮光性/
光吸収性層3aを除去する巾は狭くて済むが、遮光帯3
の幅が狭いときは、遮光性/光吸収性層3aを除去する
幅を広くする必要があり、平行光の1回の照射では、除
去する部分の幅が狭い場合が有り得る。
【0043】このような場合には、平行光の照射を、同
じレンチキュラーレンズに対し、異なる2以上の方向か
ら照射することにより、遮光性/光吸収性層3を除去す
る幅を広くするとよい。図5(a)に、平行光として、
ビーム8、8L、および8Rの3ビームを用いて3方向
から照射する状態を例示する。実用的には、せいぜい2
方向、もしくは3方向から照射するのが効率的である。
2方向以上からの照射は、照射毎に照射の方向を変えて
2回以上の照射を行なうか、平行光を2ビーム以上を用
いて異なる2以上の方向から一度に照射を行なってもよ
い。あるいは、特開2000−147665に開示され
ているように、照射の対象となるレンチキュラーレンズ
シートの上方に、照射の対象となるレンチキュラーレン
ズシートとレンズピッチが等しい、照射光拡散用のレン
チキュラーレンズシートを配置し、照射用のレンチキュ
ラーレンズを介して照射することにより、照射光を拡散
させてもよい。なお、異なる2以上の方向から照射する
のに換えて、光拡散剤を含有するシートを介して照射
し、除去する部分の幅を広くすることもできる。
【0044】レンチキュラーレンズシート2のサイズが
大きくなると、スクリーンの中心にくらべ、周辺では、
明るさが減って見えることがある。スクリーン上のレン
チキュラーレンズがどれも同じ形状であると、図4
(a)に示すように、中心および左右の周辺の各々のレ
ンチキュラーレンズの光軸5L、5、5Rが、いずれ
も、スクリーンの直角方向を向いているためである。
【0045】そこで、スクリーンの中には、図4(b)
に示すように、スクリーン周辺部のレンチキュラーレン
ズの光軸を、スクリーン中心では、符号5’で示すよう
にスクリーンの直角方向を向いているが、スクリーンの
左側の周辺に行くほど、光軸を次第に傾け、符号5L’
で示すように、スクリーンの中央寄りに出光するよう
に、また、スクリーンの右側の周辺に行くほど、光軸を
次第に傾け、符号5R’で示すように、スクリーンの中
央寄りに出光するように光軸を傾けてあるものがある。
【0046】このように各レンチキュラーレンズ2aの
光軸が周辺に行くほど傾いている場合も含め、スクリー
ン用に使用する際に、レンチキュラーレンズシート2に
入射する光として、平行光を想定している場合には、遮
光性/光吸収性層3に加工するための平行光8は、スク
リーンに対して、常に垂直な方向から照射すればよい。
【0047】また、スクリーン用に使用する際に、レン
チキュラーレンズシート2に入射する光として、平行光
以外の光を想定している場合には、遮光性/光吸収性層
3に加工するための平行光8を、各部分において、スク
リーン用に使用する際のレンチキュラーレンズシート2
への入射光と同じ方向になるよう少し傾けて照射するこ
とにより開孔部の位置をずらすことができる。この場合
において、平行光の1回の照射で、除去する部分の幅が
狭い場合には、図5(b)および図5(c)に示すよう
に、所定の角度での照射光8’に加えて、照射光8’と
は入射角度の異なるビーム8L’および/または8R’
を用い、照射毎に遮光性/光吸収性層における集光位置
を変えて2回以上の照射を行なうか、平行光を2ビーム
以上を用いて互いに集光位置が異なるように配置し、一
度に照射を行なってもよい。あるいは、加工のための平
行光8を傾ける代わりに、図5に示すようなレンチキュ
ラーレンズの上方に、フレネルレンズシート、もしくは
リニアフレネルレンズシートを配置することにより、加
工のための平行光8を、フレネルレンズシート、もしく
はリニアフレネルレンズシートに直角な方向から照射し
ても、レンチキュラーレンズに照射される平行光8の角
度を傾けることができる。さらに使用するフレネルレン
ズシート、もしくはリニアフレネルレンズシートが光拡
散剤を含有していれば、先に述べたように、除去する部
分の幅を広げることもできる。
【0048】本発明の製造方法により得られるレンチキ
ュラーレンズシートは、レンチキュラーレンズ2aの構
造に基づいて、映像光を水平方向に拡散させることがで
きるが、垂直方向の拡散については、レンチキュラーレ
ンズシートを構成する素材、例えば、透明基材シート2
bの素材、もしくはレンチキュラーレンズ2aの素材
に、適宜な光拡散剤を含有させて行なわせることができ
る。
【0049】レンチキュラーレンズシート2への、垂直
方向の拡散性の付与は、透明樹脂層中に光拡散剤を含有
する光拡散性層、もしくはそのような層を有する光拡散
性シートの積層によって行なってもよい。光拡散性層の
積層は、透明樹脂中に光拡散剤を分散させた光拡散性樹
脂組成物のコーティングにより、レンチキュラーレンズ
2に直接塗布することによって、もしくは、別の適宜な
透明基材シート上への光拡散性樹脂組成物のコーティン
グにより得た光拡散性シートを、レンチキュラーレンズ
2に、適宜な接着方法、例えば、粘着剤を使用したラミ
ネーション等によって、行なうことができる。なお、平
行光の照射により、遮光性/光吸収性層3aを除去する
幅を広くするために、2方向以上の照射方向から照射す
ることがよい旨を先に述べたが、光拡散剤が適用される
ことにより、照射されることにより、照射された平行光
が拡散して幾分広がるので、除去する幅を広くすること
ができる。
【0050】レンチキュラーレンズシート2には、スク
リーンとして使用する際に、さらに付加した方が好まし
い様々な機能の層を積層することができ、レンチキュラ
ーレンズシート2の観察側面上に直接、もしくは、上記
の光拡散性シートを介して、適宜な塗布方法等により直
接積層してもよいし、別の透明基材シート上に塗布する
等して、一旦別の積層体としてから、適宜な接着方法、
例えば、粘着剤を使用したラミネーション等により、積
層することができる。本発明のレンチキュラーレンズシ
ートの厚みが薄くなると、レンチキュラーレンズシート
の自立性が低下する傾向がある。このため、比較的厚み
のある透明板もしくは透明シートの支持体で補強するこ
とが好ましく(図1中符号2cで示すものが支持体であ
る。)、あるいは、前記したような光拡散性シートを、
厚みのある透明シートを基材として構成し、レンチキュ
ラーレンズシートに積層することが好ましい。
【0051】上記の付加した方が好ましい機能の層とし
ては、表面が高硬度であるハードコート層、表面におけ
る外光の反射を防止する反射防止層、表面の帯電を防止
し、触れたときの不快感を減らし、塵埃や汚染物質の付
着を防止する帯電防止層等の機能を有する層である。こ
れらの各機能を有する層は、各々の機能を発揮するため
の材料を同じ層内で併用するか、もしくは各々の機能を
有する層を互いに積層する等により、任意に2以上の機
能を兼ね備えたものとすることができる。
【0052】
【実施例】(実施例1)厚み125μmの透明なPET
フィルムの片面に紫外線硬化性樹脂組成物を塗布し、レ
ンチキュラーレンズの逆型形状を形成してある金型ロー
ルの型面に塗布面を押し付け、その状態で、PETフィ
ルム側より紫外線を照射して硬化を行なわせ、レンズピ
ッチ155μm、最大厚み約45μmのレンチキュラー
レンズ層をPETフィルムの片側に有するレンチキュラ
ーレンズシートを得た。
【0053】下記組成の光吸収性層形成用インキ組成物
を、ボールミルを用いて充分、混練して作成し、ブレー
ドコーターを利用して、上記により得られたレンチキュ
ラーレンズシートのレンチキュラーレンズの無い方の側
に、一面に均一に塗布し、乾燥させて、厚み0.7μm
の光吸収性層を形成した。なお、以降における「部」は
質量基準である。 (光吸収性層形成用インキ組成物) ・ニトロセルロース樹脂 5部 (旭化成工業(株)製、HIG 1/8) ・カーボンブラック微粒子 5部 (三菱化学(株)製、ダイアブラックLR) ・メチルエチルケトン 45部 ・トルエン 45部
【0054】平行光としては、YAGレーザー(照射面
出力;4W、ビームスポット径;3mmφ)を用い、レ
ンチキュラーレンズシートの法線方向から各々のレンチ
キュラーレンズに照射したところ、各々のレンチキュラ
ーレンズの集光位置に対応する位置の光吸収性層が飛散
除去され、開口部を生じた。これにより、130μm幅
の遮光帯(ブラックストライプ)が、レンズピッチと同
じピッチで形成されたレンチキュラーレンズシートを得
た。
【0055】上記と同様に光吸収性層を形成したレンチ
キュラーレンズシートに、レンチキュラーレンズシート
の法線より+10°および−10°傾けた方向から、法
線方向からの照射の際と同じ位置に照射を行なったとこ
ろ、開口部の幅が拡大して形成された結果、115μm
幅の遮光帯(ブラックストライプ)が形成された。ま
た、照射の角度をレンチキュラーレンズシートの法線よ
り+20°および−20°傾けた方向から、法線方向か
らの照射の際と同じ位置に照射を行なったところ、10
0μm幅の遮光帯(ブラックストライプ)が形成され
た。
【0056】(実施例2)下記組成の光吸収性層形成用
インキ組成物を用いた以外、実施例1と同様にして、厚
み0.4μmの光吸収性層を形成した。 (光吸収性層形成用インキ組成物) ・アクリルスチレン樹脂 15部 (積水化学(株)製、エスレックP) ・カーボンブラック微粒子 5部 (三菱化学(株)製、ダイアブラックLR) ・メチルエチルケトン 40部 ・トルエン 40部 実施例1におけるのと同様に、照射角度を変えて照射を
行ない、同じ結果を得た。
【0057】(実施例3)下記組成の光吸収性層形成用
インキ組成物を用いた以外、実施例1と同様にして、厚
み0.4μmの光吸収性層を形成した。 (光吸収性層形成用インキ組成物) ・セルロースアセテートブチレート樹脂 20部 (イーストマンケミカル(株)製、CAB551−0.2) ・光熱変換剤(日本化薬(株)製、CY−10) 8部 ・クロロホルム 72部 実施例1におけるのと同様に、照射角度を変えて照射を
行ない、同じ結果を得た。
【0058】(実施例4)下記組成の光吸収性層形成用
インキ組成物を用いた以外、実施例1と同様にして、厚
み0.4μmの光吸収性層を形成した。 (光吸収性層形成用インキ組成物) ・セルロースアセテートブチレート樹脂 20部 (イーストマンケミカル(株)製、CAB551−0.2) ・光熱変換剤(下記「化1」の構造のもの) 8部 ・クロロホルム 72部 実施例1におけるのと同様に、照射角度を変えて照射を
行ない、同じ結果を得た。
【0059】
【化1】
【0060】実施例1によって得られた、遮光帯の幅が
130μm、115μm、100μmのレンチキュラー
レンズシートと、素材的には実施例1によるものと同様
で、ただし、レーザービームをさらに絞って、照射を行
ない、遮光帯の幅が90μm、および80μmのレンチ
キュラーレンズシートとを準備した。各々のレンチキュ
ラーレンズシートにつき、遮光帯幅(μm)、遮光帯率
(=遮光帯幅/レンズピッチ、%で表示)、透過率T
(%)、反射率R(%)、および透過率T/反射率Rを
求めた結果を「表1」に示す。これらの測定値は、拡散
剤を混入したフレネルレンズシートとの組み合わせで測
定したものである。一般に、スクリーンの拡散の強さ
は、半値角(αV)で表され、ここで用いたフレネルレ
ンズシートの半値角(αV)は4°である。因みに、拡
散剤を含まないフレネルレンズシートと組み合わせた場
合には、遮光率が80%を超えても、「表1」における
ように、顕著に透過率が減少しない。
【0061】
【表1】
【0062】なお、実施例1〜4においては、いずれも
レンズピッチが155μmのレンチキュラーレンズシー
トを対象としたが、本発明のレンチキュラーレンズシー
トのレンズピッチ、もしくはレンズの諸元は、必要に応
じて、自由に定めることができる。「表2」に、遮光帯
を形成したレンチキュラーレンズシートの製作例を例示
する。「表2」中、試料3が、上記実施例1〜4に相当
する。「表2」中、フィルム厚み、レンズピッチ、BS
幅、およびレンズ高さはいずれも単位がμmであり、遮
光帯率は「表1」におけるものと同じである。
【0063】なお、投映源が液晶(LCD)プロジェク
ター、もしくはデジタルマイクロミラーデバイス(DM
D)を使用したDLPプロジェクター等である場合に
は、これら投映源が単光源であることにより生じるシン
チレーション(映像のちらつき)解消が必要である。こ
のために、比較的多量の拡散剤が、フレネルレンズシー
ト中に配合されるので、遮光帯率が高いと、フレネルレ
ンズシート中の拡散剤により拡散された光が、レンチキ
ュラーレンズシートに入射し、出光する際に、遮光帯に
より遮られる割合が増えることにより透過率が減少する
ので、「表2」中におけるように、遮光帯率(%)が7
0%前後(65%〜70%)であることが好ましい。
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、レンチキュラ
ーレンズシート自身が有するレンチキュラーレンズによ
る平行光の集光を利用するので、凸部を形成する必要が
なく、効率的にかつ、精度よく遮光帯を製造し得るレン
チキュラーレンズシートの製造方法を提供することがで
きる。請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果
に加え、遮光性物質により、光吸収が妨げられることな
く、遮光帯を製造し得るレンチキュラーレンズシートの
製造方法を提供することができる。請求項3の発明によ
れば、遮光性/光吸収性層として、カーボンブラックを
含有するニトロセルロース樹脂層を形成するので、可視
レーザー光等の平行光の照射により、照射部分が瞬時に
除去され、生産スピードの向上が可能なレンチキュラー
レンズシートの製造方法を提供することができる。請求
項4の発明によれば、請求項1〜3いずれかの発明の効
果に加え、レンチキュラーレンズシートを透明基材シー
ト上に積層された透明樹脂層への賦型によって形成する
ので、レンチキュラーレンズシートの形状そのものの製
造が効率的なに行なえる、レンチキュラーレンズシート
の製造方法を提供することができる。請求項5の発明に
よれば、請求項1〜4いずれかの発明の効果に加え、レ
ンチキュラーレンズのピッチが細かい、いわゆる高精細
用途に適したレンチキュラーレンズシートの製造方法を
提供することができる。請求項6の発明によれば、請求
項1〜5いずれかの発明の効果に加え、レンチキュラー
レンズのピッチが細かく、従って、遮光帯の幅が狭いた
めに、レンチキュラーレンズシートの凹凸の利用や、非
平行光の利用による従来法では製造が不可能であった高
精細用途に適したレンチキュラーレンズシートの製造方
法を提供することができる。請求項7の発明によれば、
請求項1〜6いずれかの発明の効果に加え、平行光を、
前記レンチキュラーレンズシートに垂直な方向に光軸を
向けて照射するので、レンチキュラーレンズシートの各
部において、レンチキュラーレンズシートに垂直な方向
に入射した映像光が、各々のレンチキュラーレンズの集
光部で効率よく出光し得るレンチキュラーレンズシート
の製造方法を提供することができる。請求項8の発明に
よれば、請求項1〜6いずれかの発明の発明の効果に加
え、平行光を、前記光軸より少しずれた方向から照射す
るので、開孔部の位置を調節することが容易な、レンチ
キュラーレンズシートの製造方法を提供することができ
る。請求項9の発明によれば、請求項1〜6いずれかの
発明の効果に加え、平行光を、互いに異なる二以上の方
向から照射するので、開孔部の位置および/または幅を
調節することが容易な、レンチキュラーレンズシートの
製造方法を提供することができる。請求項10の発明に
よれば、請求項1〜9いずれかの発明の効果に加え、平
行光とレンチキュラーレンズシートとを相対的に移動さ
せながら照射を行なうので、照射が効率的に行なえるレ
ンチキュラーレンズシートの製造方法を提供することが
できる。請求項11の発明によれば、請求項1、2、4
〜10いずれかの発明の効果に加え、照射部分の除去が
効率的に行なえ、生産スピードの向上が可能な、レンチ
キュラーレンズシートの製造方法を提供することができ
る。請求項12の発明によれば、レンチキュラーレンズ
シートの光レンズ面の遮光帯を構成する樹脂組成物が、
遮光性および光吸収性を備えていることから、レンチキ
ュラーレンズを利用したレンズ面からの露光により、集
光部を除去して製造することが容易で、特に、細かいレ
ンズピッチに対応した細かい遮光帯を有するレンチキュ
ラーレンズシートを提供することができる。請求項13
の発明によれば、請求項12の発明の効果に加え、カー
ボンブラックを含有するニトロセルロース樹脂層からな
るので、照射部分の除去が瞬時に行なえ、製造スピード
の向上が可能なレンチキュラーレンズシートを提供する
ことができる。請求項14の発明によれば、請求項12
の発明の効果に加え、照射部分の除去が効率的に行な
え、製造上の効率のよいレンチキュラーレンズシートを
提供することができる。請求項15の発明によれば、請
求項12〜14いずれかの発明のレンチキュラーレンズ
シートの効果が発揮されるスクリーンを提供することが
できる。請求項16の発明によれば、請求項15の発明
の効果に加え、サーキュラーフレネルレンズによる、集
光効果により、投映光を効率よく利用できるスクリーン
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プロジェクション型テレビジョン用スクリーン
の概念図である。
【図2】レンチキュラーレンズシートの斜視図である。
【図3】本発明の製造方法のプロセスを示す図である。
【図4】周辺部の光軸が傾いたレンチキュラーレンズシ
ートの断面図である。
【図5】レーザービーム等の平行光の使用方法を示す図
である。
【符号の説明】
1 フレネル凸レンズシート 2 レンチキュラーレンズシート(2a;レンチキュラ
ーレンズ、2b;透明基材シート、2c;支持板) 3 遮光帯(ブラックストライプ、3a;遮光性/光吸
収性層) 4 CRTからの投映光 5 平行光 6 出射光 7 平行光源 8 平行光
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 105:20 B29K 105:20 105:32 105:32 B29L 9:00 B29L 9:00 11:00 11:00 (72)発明者 林 雅史 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 武 誠司 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 西山 昌 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2H021 BA24 BA26 BA28 BA32 2H042 AA09 AA15 AA26 4F204 AA15 AA21 AA41 AD08 AG01 AG03 AG04 AG05 AH74 EA03 EA04 EB01 EB13 EK10 EK24 EW34 EW50

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートの少なくとも片面にレンチキュラ
    ーレンズが並んだレンズ面が設けられているレンチキュ
    ラーレンズシートの非レンズ面に、一様な厚みで遮光性
    および光吸収性を有する層を形成した後、前記レンズ面
    側より、平行光を照射することにより、前記非レンズ面
    の前記の各レンチキュラーレンズの集光部において、前
    記遮光性および光吸収性を有する層の溶融、昇華、燃
    焼、爆融もしくは削摩により除去して、前記非レンズ面
    の非集光部に、遮光帯を形成することを特徴とする遮光
    帯を有するレンチキュラーレンズシートの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記の遮光性および光吸収性を有する層
    の形成を、光吸収性を有する光吸収性層を形成し、その
    後、遮光性を有する遮光性層を形成することにより行な
    うことを特徴とする請求項1記載のレンチキュラーレン
    ズシートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記の遮光性および光吸収性を有する層
    として、カーボンブラックを含有するニトロセルロース
    樹脂層を形成することを特徴とする請求項1記載のレン
    チキュラーレンズシートの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記レンチキュラーレンズシートとし
    て、透明基材シート上に積層された透明樹脂層を前記レ
    ンズ面の逆型形状を有する付型用型を用いた成形により
    得たものを使用することを特徴とする請求項1〜3いず
    れか記載のレンチキュラーレンズシートの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記レンチキュラーレンズのピッチが5
    0μm〜300μmであることを特徴とする請求項1〜
    4いずれか記載のレンチキュラーレンズシートの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記遮光帯の幅が、前記レンチキュラー
    レンズのピッチをpとするとき、0.3p〜0.9pで
    あることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のレン
    チキュラーレンズシートの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記平行光を、前記レンチキュラーレン
    ズシートに垂直な方向から照射することを特徴とする請
    求項1〜6いずれか記載のレンチキュラーレンズシート
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記平行光を、前記レンチキュラーレン
    ズシートに垂直な方向より傾けた方向から照射すること
    を特徴とする請求項1〜6いずれか記載のレンチキュラ
    ーレンズシートの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記平行光を、前記レンチキュラーレン
    ズシートの各々のレンチキュラーレンズに対し、互いに
    異なる二以上の方向から照射することを特徴とする請求
    項1〜6いずれか記載のレンチキュラーレンズシートの
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記平行光を、前記レンチキュラーレ
    ンズシートの前記各レンチキュラーレンズが並んだ一方
    の端から順次、他端に向かうよう、前記平行光および前
    記レンチキュラーレンズシートとを相対的に移動させな
    がら照射することを特徴とする請求項1〜9いずれか記
    載のレンチキュラーレンズシートの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記遮光性および光吸収性を有する層
    が、カーボンブラック、アクリジン、ポリアミック酸と
    ローダミンG、KrFエキシマレーザー用色素、カルボ
    キシル基又はスルホン酸基で置換されたポリピロール、
    ポリチオフェン、ポリアニリン、4[(2−ヒドロキシ
    エチル)エチルアミノ]−4’−(ニトロフェニル)ア
    ゾベンゼン、1−(ジメチルアミノ)−ピレン等のピレ
    ン、7−(ジメチルアミノ)−4−メチルクマリン等の
    クマリン、4[(2−ヒドロキシエチル)エチルアミ
    ノ]−4’−(トリフルオロメチルスルフォニル)トラ
    ン、もしくは7−ヒドロキシ−4−メチル−2H−1−
    ベンゾピレン−2−オン、第3アミン官能基を有しアク
    リル重合体の酸性水素と第4級アンモニウム塩を生成す
    る光吸収剤、金属ホウ素化物、金属カーバイド、金属窒
    化物、炭素窒化物、もしくはブロンズ構造の酸化物から
    選ばれた物質の一種もしくは二種以上を含有することを
    特徴とする請求項1、2、4〜10いずれか記載のレン
    チキュラーレンズシートの製造方法。
  12. 【請求項12】 シートの少なくとも片面にレンチキュ
    ラーレンズが並んだレンズ面が設けられているレンチキ
    ュラーレンズシートの非レンズ面の非集光部に遮光帯が
    積層されており、前記遮光帯は、バインダ成分、遮光性
    物質および光吸収性物質、もしくは遮光性物質および光
    吸収性物質の両方の物質の性質を兼ね備える物質とから
    なる樹脂組成物からなることを特徴とするレンチキュラ
    ーレンズシート。
  13. 【請求項13】 前記樹脂組成物が、カーボンブラック
    を含有するニトロセルロース樹脂層であることを特徴と
    する請求項12記載のレンチキュラーレンズシート。
  14. 【請求項14】 前記樹脂組成物が、カーボンブラッ
    ク、アクリジン、ポリアミック酸とローダミンG、Kr
    Fエキシマレーザー用色素、カルボキシル基又はスルホ
    ン酸基で置換されたポリピロール、ポリチオフェン、ポ
    リアニリン、4[(2−ヒドロキシエチル)エチルアミ
    ノ]−4’−(ニトロフェニル)アゾベンゼン、1−
    (ジメチルアミノ)−ピレン等のピレン、7−(ジメチ
    ルアミノ)−4−メチルクマリン等のクマリン、4
    [(2−ヒドロキシエチル)エチルアミノ]−4’−
    (トリフルオロメチルスルフォニル)トラン、もしくは
    7−ヒドロキシ−4−メチル−2H−1−ベンゾピレン
    −2−オン、第3アミン官能基を有し、アクリル重合体
    の酸性水素と第4級アンモニウム塩を生成する光吸収
    剤、金属ホウ素化物、金属カーバイド、金属窒化物、炭
    素窒化物、もしくはブロンズ構造の酸化物から選ばれた
    物質の一種もしくは二種以上を含有することを特徴とす
    る請求項12記載のレンチキュラーレンズシート。
  15. 【請求項15】 請求項12〜14いずれか記載のレン
    チキュラーレンズシートの前記遮光帯が積層されている
    側を観察側とし、前記遮光帯が積層されていない側を投
    映側とするとき、前記投映側に、投映光の出射時の広が
    りを制御するレンズシートが組み合わされていることを
    特徴とする背面投映用スクリーン。
  16. 【請求項16】 投映光の出射時の広がりを制御する前
    記レンズシートが、サーキュラーフレネル凸レンズであ
    ることを特徴とする請求項15記載の背面投映用スクリ
    ーン。
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